説明

映像表示装置およびその制御方法

【課題】映像表示装置の表示部の姿勢変更に応じて各映像の表示位置および解像度を変更することにより、映像の視認性を向上させる。
【解決手段】映像表示装置100は、映像出力装置120から複数の映像信号が入力される信号入力部101乃至104を備える。回転角度検出部105は、パネル部117の姿勢変更を検出する。表示解像度記憶部107乃至110は、各映像入力信号に対する表示可能な解像度の情報を記憶し、表示解像度制御部106は、パネル部117の姿勢変更が検出された場合、表示可能な解像度の情報を書き換える。出力表示位置制御部111は、パネル部117の姿勢変更が検出された場合、複数の映像入力信号に対して表示位置を制御する。映像配置変更部112は、信号入力部101乃至104と信号出力部113乃至116との接続関係を変更することで、複数の映像入力信号と複数の表示領域との間の対応関係を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数の分割映像を合成して画面に表示する場合に、表示部の姿勢が変更されても映像の視認性を低下させないための技術に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、FHD(Full High Definition)を超える高解像度表示に対応可能な映像表示装置が知られており、該装置は複数の低解像度映像の入力信号を受け取り、各々の入力画像を縮小することなく、一画面上に表示する。あるいは、高解像度の映像信号の伝送において、1本の伝送ケーブルでは帯域が不足する場合、複数の伝送ケーブルを用いて映像表示装置に送信する方法が考えられる。複数の伝送ケーブルを通した分割映像信号は映像表示装置にて合成して映像表示が行われる。
ところで、映像表示装置の表示部を回転させることで、その姿勢を縦設置状態と横設置状態に変更可能な装置が知られている。この場合、各入力映像を表示部に表示させる際の表示配置を維持しつつ、視認性を低下させないためには、複数の伝送ケーブルの接続位置をその都度変更しなければならない。つまり、表示画面上での各入力映像の表示位置と、各伝送ケーブルの接続位置との対応関係は予め一意に決められているので、該当する場所に伝送ケーブルを接続する必要がある。
従来、複数の伝送ケーブルを任意の場所に接続した状態で、映像の配置を変更する方法が知られている。その1つは、映像出力装置が映像配置識別番号を含む映像を出力し、カメラ等を用いて映像配置識別番号を検出して、正しく映像が表示されるように映像出力装置にて映像配置を変更する方法である(特許文献1参照)。また、特許文献2には、画面に表示されたウィンドウの位置関係について、表示装置を回転させても維持することが開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−281716号公報
【特許文献2】特開平07−021401号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載の技術では、映像配置を制御するために、映像出力装置が映像配置識別番号を出力し、映像表示装置ではカメラ等で映像配置識別番号を撮像して検出する必要がある。このため、システムのコスト上昇が問題となる。また、特許文献2に記載の技術は、複数の入力映像を表示装置側でレイアウトするものではない。
本発明は、映像表示装置の表示部の姿勢変更に応じて各映像の表示位置および解像度を変更することにより、映像の視認性を向上させることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記課題を解決するために本発明に係る装置は、複数の映像入力信号に従って複数の映像を表示手段の表示領域にそれぞれ表示する映像表示装置であって、前記表示手段の姿勢変更を検出する検出手段と、前記検出手段によって前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像の表示解像度を制御する解像度制御手段と、前記検出手段によって前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像入力信号に対して前記表示手段の表示位置を制御する表示位置制御手段と、前記表示位置制御手段の制御指令に従って、前記複数の映像入力信号と前記表示手段における複数の表示領域との間の対応関係を変更することにより、前記複数の映像の表示位置を並べ替える映像配置変更手段を備える。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、映像表示装置の表示部の姿勢変更に応じて各映像の表示位置および解像度を変更することにより、映像の視認性を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】図2乃至7と併せて本発明の第1実施形態を説明するために、映像表示装置の概略構成を例示するブロック図である。
【図2】表示部の姿勢を変更する際の映像配置の変更処理例を示すフローチャートである。
【図3】横設置状態での表示解像度を例示する図である。
【図4】横設置状態での映像配置変更部の処理を説明する図である。
【図5】縦設置状態での表示解像度を例示する図である。
【図6】縦設置状態での映像配置変更部の処理を説明する図である。
【図7】横設置状態での表示例(A)と縦設置状態での表示例(B)を示す図である。
【図8】図9および10とともに本発明の第2実施形態を説明するために、映像表示装置の概略構成を例示するブロック図である。
【図9】表示部の姿勢を変更する際の処理例を示すフローチャートである。
【図10】映像の回転およびスケーリング、さらに映像の中央寄せおよび並び替えについて説明する図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
[第1実施形態]
図1は、本発明の第1実施形態に係る映像表示装置100の構成例を概略的に示すブロック図である。
映像表示装置100は超高解像度の映像を表示可能である。本例では、表示部を横長に設置した状態(以下、横設置状態という)にて横3840ピクセルおよび縦2160ピクセルの映像表示が行われる。また表示部を縦長に設置した状態(以下、縦設置状態という)にて横2160ピクセルおよび縦3840ピクセルの映像表示が行われる。さらには、4種類の高解像度(横1920ピクセル×縦1080ピクセル、または横1080ピクセル×縦1920ピクセル)の映像を各表示領域にて同時に表示可能である。
映像出力装置120が出力する複数の映像信号は、伝送ケーブルを介して映像表示装置100にそれぞれ入力される。本例では4つの信号系統を示す。つまり、第1乃至第4の信号入力部101乃至104は、映像出力装置120と有線または無線通信で接続され、各映像入力信号にデコード処理をそれぞれ施して、映像配置変更部112に出力する。なお、本例では映像出力装置120を1台として説明するが、独立した複数の映像出力装置を用いた構成でもよい。
回転角度検出部105は、映像表示装置100の表示部の回転角度を検出することで、表示部の姿勢が変更されたか否かを判定する。回転角度検出部105は表示部が縦設置状態であるか、または横設置状態であるかを判定し、判定結果を表示解像度制御部106および出力表示位置制御部111に出力する。
表示解像度制御部106は、回転角度検出部105からの判定情報に従って、第1乃至4の表示解像度記憶部107乃至110の表示可能解像度を更新する。表示解像度記憶部107乃至110は、映像表示装置100で表示可能な解像度のデータ(以下、解像度データという)をそれぞれ記憶するメモリにより構成される。映像出力装置120は映像表示装置100が表示可能な解像度の情報を参照するために、表示解像度記憶部107乃至110から解像度データを取得する。つまり、映像出力装置120は映像表示装置100の各信号入力部101乃至104にてデコード可能な解像度を検出し、映像信号を出力する。なお、各信号入力部101乃至104は、表示解像度記憶部107乃至110から読み出した解像度データを映像出力装置120に送信する機能を有する。
出力表示位置制御部111は、回転角度検出部105からの判定情報に従って、信号入力部101乃至104と信号出力部113乃至116を結び付ける。つまり、第1乃至4の信号入力部101乃至104からの信号をそれぞれ、第1乃至4の信号出力部113乃至116のうちのどの信号出力部に出力するかを割り当てる制御が行われる。映像配置変更部112は、出力表示位置制御部111からの制御情報に従い、信号入力部101乃至104に対して信号出力部113乃至116を任意に接続する状態を変更可能なスイッチ素子を有する。各信号出力部113乃至116は、映像配置変更部112からの入力信号を受けて、パネル部117にて駆動可能な信号に変換して出力する。パネル部117は、入力された映像信号に従って映像表示を行う表示部である。
【0009】
図2は、映像表示装置100のパネル部117の姿勢を変更する際に映像配置を変更する処理手順を例示するフローチャートである。本処理は、ユーザが映像表示装置100の電源を投入することを契機に開始する。
S201にて回転角度検出部105は、電源投入時のパネル部117が縦設置状態であるか、または横設置状態であるかを判定する。判定結果は、表示解像度制御部106および出力表示位置制御部111に送られる。ここでは、横設置状態が検出されたものとして説明する。S202で表示解像度制御部106は、回転角度検出部105からの判定結果を取得し、横設置状態が検出されたことを知る。図3は、横設置状態にて横3840ピクセルおよび縦2160ピクセルの解像度にて、各パネル領域(区分された表示領域)#1乃至4の表示解像度を例示する。パネル領域#1乃至4の各表示可能解像度は、横1920ピクセルおよび縦1080ピクセルであり、解像度データは表示解像度記憶部107乃至110にそれぞれ書き込まれる。
S203にて映像出力装置120は、表示解像度記憶部107乃至110から各信号入力部101乃至104を介して解像度データを取得して、横1920ピクセルおよび縦1080ピクセルの解像度をもつ映像信号を出力する。S204において、各映像の配置が決定される。映像配置変更部112は、出力表示位置制御部111からの制御指令に従って、信号入力部101乃至104と信号出力部113乃至116の接続関係を変更する。
【0010】
図4は、横設置状態での映像配置変更部112の動作を説明する図である。本例では、以下に示す接続関係(対応関係)が確立される。
信号入力部 信号出力部
#1(101) #1(113)
#2(102) #2(114)
#3(103) #3(115)
#4(104) #4(116)
なお、Nを自然数変数とするとき、#Nは第N番目の信号系統を表し、括弧内の数字は対応する各部の符号をそれぞれ表す。例えば、#1に示す第1信号入力部101からの信号は、対応する#1に示す第1信号出力部113に出力されるように信号切り替え制御が行われる。パネル部117はその左上に位置するパネル領域#1(図3参照)に映像表示を行う。
S205は、信号入力部101乃至104において、各映像信号が入力されているか否かの判定処理である。映像信号がそれぞれに対応した信号入力部101乃至104に入力されている場合、S206の処理に移行し、映像信号が未入力である場合には、S205の判定処理が繰り返される。
S206にて回転角度検出部105は、S201にて判定したときのパネル部117の姿勢が変更されたか否かを判定する。ここでは、横設置状態から縦設置状態への変更が検出されたものとする。この場合、S207に処理を進める。また姿勢変更が検出されない場合、S205に戻って処理を繰り返す。
【0011】
図5は、縦設置状態における各パネル領域の表示解像度を示す。本例では、全画面で横2160ピクセルおよび縦3840ピクセルの解像度であり、4つのパネル領域#1乃至4の解像度はそれぞれ、横1080ピクセルおよび縦1920ピクセルである。
図2のS207にて表示解像度制御部106は、図5に示すパネル領域#1乃至#4に表示可能な解像度(横1080ピクセル×縦1920ピクセル)のデータを表示解像度記憶部107乃至110にそれぞれ書き込む制御を行う。S208にて映像出力装置120は、表示解像度記憶部107乃至110の解像度データを再度取得し、横1080ピクセルおよび縦1920ピクセルの解像度をもつ各映像信号を出力する。S209にて各映像の配置が決定される。
【0012】
図6は、縦設置状態での映像配置変更部112の動作を説明する図である。本例では、以下に示す接続関係(対応関係)が確立される。
信号入力部 信号出力部
#1(101) #2(114)
#2(102) #4(116)
#3(103) #1(113)
#4(104) #3(115)
映像配置変更部112は、縦設置状態が検出された場合、例えば、#1で示す第1信号入力部101からの信号を、#2で示す第2信号出力部114に出力するように切り替える。これにより、回転後のパネル部117の左上に位置するパネル領域#2に映像表示が行われる。他の映像信号も前記の接続関係に従って各信号出力部からパネル部117に出力され、対応するパネル領域にてそれぞれ映像表示が行われる。
【0013】
図7(A)は、横設置状態での各パネル領域#1乃至4の表示映像例を示す。本例では#1乃至4のパネル領域には「A」、「B」、「C」、「D」がそれぞれ表示される。また、図7(B)は、縦設置状態での各パネル領域#1乃至4の表示映像を例示する。本例では#1乃至4のパネル領域には「C」、「A」、「D」、「B」がそれぞれ表示されるが、表示画面上にて左上に「A」、右上に「B」、左下に「C」、右下に「D」が表示される。これにより、画面上での各映像の配置は図7(A)の場合と同様になる。つまり、横設置状態と縦設置状態との間で姿勢変更が行われた場合、映像配置についても回転方向及び角度に応じた変更が行われる。本例では、反時計回り方向の90度回転による姿勢変更に対して、時計回り方向に沿って90度の映像配置変更が行われる。パネル部117の姿勢変更が検出される前に表示されていた複数の映像の表示位置に対して、パネル部117の姿勢変更が検出された後に表示される複数の映像の表示位置が維持され、姿勢変更前後で各映像の相対的な位置関係は変わらない。よって、ユーザは提示された映像を違和感なく見ることができる。
第1実施形態によれば、映像表示装置100の表示部の姿勢変化に応じて、表示解像度記憶部107乃至110の解像度データが更新される。さらに、表示部の姿勢変化に応じて各映像の表示位置および解像度が変更される。これにより、図7に示す通り、表示部の姿勢を変更しても、最大解像度にて映像表示が可能となる。さらには、縦設置状態と横設置状態での映像配置(表示映像の相対的な位置関係)が維持される。よって、複数の低解像度映像を画面に表示する場合や高解像度の映像を複数の部分に分割した映像を合成して画面に表示する場合に、表示部の姿勢を変更しても映像の視認性が低下することはない。
【0014】
[第2実施形態]
次に、本発明に係る第2実施形態を説明する。第2実施形態では、表示部の姿勢変更が検出された場合に行う、映像の回転処理および拡大縮小(スケーリング)、並びに各映像を中央に寄せ集める処理について説明する。以下では、第1実施形態との相違点を主に説明し、第1実施形態の場合と同様の構成要素については既に使用した符号を用いることにより、それらの詳細な説明を省略する。
図8は、本発明の第2実施形態に係る映像表示装置100の構成例を概略的に示すブロック図である。図8において、図1に示す構成との相違点は以下の通りである。
・入力映像制御部501が設けられており、回転角度検出部105からの判定情報を取得すること。
・信号入力部101乃至104に対し、入力映像回転部502乃至505、入力映像スケーリング部506乃至509、入力映像位置変更部510乃至513がこの順序で、4つの信号系統毎にそれぞれ設けられていること。
以下では、入力映像回転部を「映像回転部」と呼び、入力映像スケーリング部を「スケーリング部」と呼び、入力映像位置変更部を「位置変更部」と呼ぶことにする。
入力映像制御部501は、回転角度検出部105からの判定情報を取得し、映像回転部502乃至505に対して映像を回転させる要求(以下、回転要求という)をそれぞれ出力する。また入力映像制御部501は、回転した映像の画角サイズとパネル表示サイズを比較し、比較結果に応じてスケーリング部506乃至509に対して映像のスケーリングを行う要求(以下、スケーリング要求という)をそれぞれ出力する。また入力映像制御部501は、位置変更部510乃至513に対して、スケーリング処理後の映像の表示位置をパネル部117の中央に寄せる要求(以下、中央寄せ要求という)をそれぞれ出力する。
映像回転部502乃至505は、信号入力部101乃至104からの信号がそれぞれ入力され、入力映像制御部501からの回転要求に応じて各入力映像を回転させる。スケーリング部506乃至509は、映像回転部502乃至505の出力がそれぞれ入力され、入力映像制御部501からのスケーリング要求に応じて各入力映像に対してスケーリング処理を行う。位置変更部510乃至513は、スケーリング部506乃至509からの信号がそれぞれ入力され、入力映像制御部501からの中央寄せ要求に応じて入力映像の表示位置をパネル部117の中央に寄せる。
【0015】
図9は、第2実施形態に係る映像表示装置100にてパネル部117の姿勢変更が検出された場合に実行される処理手順を例示するフローチャートである。パネル部117の回転を契機に以下の処理が開始される。
S601において、入力映像制御部501は、回転角度検出部105にて検出した回転角度に応じた映像の角度情報を、映像回転部502乃至505と、スケーリング部506乃至509と、位置変更部510乃至513にそれぞれ出力する。S602にて映像回転部502乃至505は、対応する信号入力部101乃至104からの入力映像に回転処理を施し、S603の処理に移行する。
S603でスケーリング部506乃至509は、各パネル領域の画角サイズ(図3、図5参照)と、S602にて回転させた映像の画角サイズを比較する。比較結果に従い、該当するパネル領域から映像がはみ出すか否かが判定される。判定の結果、パネル領域から映像がはみ出すと判定された場合、S604に移行し、パネル領域から映像がはみ出さないと判定された場合には、S606に移行する。
S604でスケーリング部506乃至509は、回転させた映像について、そのはみ出し量を算出する。はみ出し量は、表示すべき映像がパネル領域に対して、どれだけの画素をもって、縦横のうちどちらの方向にはみ出すかを表す。次のS605に移行すると、スケーリング部506乃至509は、回転させた映像の縦横比を維持した状態で、当該映像がパネル領域からはみ出さないサイズに縮小する処理を行い、S608に処理を進める。
【0016】
一方、S606でスケーリング部506乃至509は、パネル領域の画角サイズ(図3、図5参照)と、回転させた映像の画角サイズを比較する。回転させた映像の画角サイズが、表示画角に対して最大であるか否かについて判定される。そして、回転させた映像の画角サイズが、表示画角に対して最大でないと判定された場合は、S607に移行する。また、回転させた映像の画角サイズが表示画角に対して最大であると判定された場合には、S608に移行する。なお、S606の処理ではスケーリングの比率に基づいて判定される。
S607にて、スケーリング部506乃至509は、回転させた映像の縦横比を維持した状態で拡大処理を行う。本処理は、映像サイズがパネル領域の大きさを最大限に使用できるサイズとなるように行う拡大処理である。その後、S608に進む。S608にて位置変更部510乃至513は、スケーリング部506乃至509にてスケーリング処理を施された映像が、パネル部117の中央に位置するように出力表示位置を変更する。
上記処理の終了後、第1実施形態にて図2のS209で説明した処理と同様の処理により、各映像配置が決定される。映像配置変更部112はパネル部117の姿勢に応じて映像配置を行って各映像を並べ替える。これにより、姿勢変更の検出前に表示されていた複数の映像と、姿勢変更の検出後に表示される複数の映像との間で相対的な表示位置の関係が維持される。
【0017】
図10(A)は横設置状態にてパネル部117に菱形を表示した例を示す。図10(B)はパネル部117が反時計回り方向に90度回転されて、その姿勢が縦設置状態に変更されたことが検出され、前記した映像の回転およびスケーリング処理が実行された後の表示映像を例示する。本例では、各パネル領域の映像に対して、姿勢変更の方向とは反対方向(時計回り方向)に90度の回転、および図9のS605で説明した映像縮小処理が実行される。図10(C)は、さらに各パネル領域の表示映像の位置を中央に寄せ集めて、配置変更により並べ替えた後の表示映像を例示する。この場合、図10(B)に示す各パネル領域の映像が画面中央に寄せ集められて時計回り方向に沿ってシフトさせることで並べ替えられる。よって、図10(A)の菱形に対して相似形の、ひと回り小さな菱形がパネル部117の中央部に表示される。
第2実施形態によれば、パネル部117の姿勢変更に応じて、映像出力機器にて映像出力を変更する必要がなく、姿勢変更に応じた解像度での映像表示が可能となる。さらに、複数の映像の表示位置を変更し、中央に寄せて並べ替えることにより、映像の視認性が向上する。
【符号の説明】
【0018】
100 映像表示装置
101乃至104 信号入力部
105 回転角度検出部
106 表示解像度制御部
107乃至110 表示解像度記憶部
111 出力表示位置制御部
112 映像配置変更部
113乃至116 信号出力部
117 パネル部
120 映像出力装置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の映像入力信号に従って複数の映像を表示手段の表示領域にそれぞれ表示する映像表示装置であって、
前記表示手段の姿勢変更を検出する検出手段と、
前記検出手段によって前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像の表示解像度を制御する解像度制御手段と、
前記検出手段によって前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像入力信号に対して前記表示手段の表示位置を制御する表示位置制御手段と、
前記表示位置制御手段の制御指令に従って、前記複数の映像入力信号と前記表示手段における複数の表示領域との間の対応関係を変更することにより、前記複数の映像の表示位置を並べ替える映像配置変更手段を備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記複数の映像入力信号に対する表示可能な解像度の情報を記憶する表示解像度記憶手段をさらに備え、
前記解像度制御手段は、前記検出手段によって前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記表示可能な解像度の情報を書き換え、前記映像入力信号を出力する映像出力装置は前記表示可能な解像度の情報を参照することを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項3】
複数の映像入力信号に従って複数の映像を表示手段の表示領域にそれぞれ表示する映像表示装置であって、
前記表示手段の姿勢変更を検出する検出手段と、
前記検出手段により前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像入力信号に係る映像を回転させる処理を行う映像回転手段と、
前記映像回転手段によって回転された映像のサイズと前記表示領域のサイズを比較して、映像を拡大又は縮小する処理を行うスケーリング手段と、
前記映像回転手段による映像の回転及び前記スケーリング手段による映像の拡大又は縮小の処理が施された映像を前記表示手段の中央部に寄せる位置変更手段と、
前記位置変更手段の出力する複数の映像信号と前記表示手段における複数の表示領域との間の対応関係を変更することにより映像を並べ替える映像配置変更手段を備えることを特徴とする映像表示装置。
【請求項4】
複数の映像入力信号に対してそれぞれ設けられた複数の信号入力手段と、
前記表示手段の表示領域に対してそれぞれ映像信号を出力する複数の信号出力手段をさらに備え、
前記映像配置変更手段は、前記検出手段によって前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の信号入力手段と前記複数の信号出力手段との接続関係を変更することを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1記載の映像表示装置。
【請求項5】
前記検出手段は前記表示手段の回転を検出して該表示手段が横長に設置された状態であるか、または前記表示手段が縦長に設置された状態であるかを検出し、
前記映像配置変更手段は、前記検出手段によって前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の信号入力手段と前記複数の信号出力手段との接続関係を変更し、前記表示手段が回転された方向とは反対方向に前記複数の映像の表示位置を変更することを特徴とする請求項1ないし4のいずれか1記載の映像表示装置。
【請求項6】
複数の映像入力信号に従って複数の映像を表示手段の表示領域にそれぞれ表示する映像表示装置にて実行される制御方法であって、
前記表示手段の姿勢変更を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像の表示解像度を制御する解像度制御ステップと、
前記検出ステップにて前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像入力信号に対して前記表示手段の表示位置を変更することにより、前記複数の映像の表示位置を並べ替える映像配置変更ステップを有することを特徴とする映像表示装置の制御方法。
【請求項7】
複数の映像入力信号に従って複数の映像を表示手段の表示領域にそれぞれ表示する映像表示装置にて実行される制御方法であって、
前記表示手段の姿勢変更を検出する検出ステップと、
前記検出ステップにて前記表示手段の姿勢変更が検出された場合、前記複数の映像入力信号に係る映像を回転させる処理を行う映像回転ステップと、
前記映像回転ステップにて回転された映像のサイズと前記表示領域のサイズを比較して、映像を拡大又は縮小する処理を行うスケーリングステップと、
前記映像回転ステップでの映像の回転及び前記スケーリングステップでの映像の拡大又は縮小の処理が施された映像を前記表示手段の中央部に寄せる位置変更ステップと、
前記位置変更ステップで得られた複数の映像信号と前記表示手段における複数の表示領域との間の対応関係を変更することで映像を並べ替える映像配置変更ステップを有することを特徴とする映像表示装置の制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−24904(P2013−24904A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−156489(P2011−156489)
【出願日】平成23年7月15日(2011.7.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】