映像表示装置及び映像表示方法
【課題】破綻の少ない多視点の映像を表示することができる映像表示装置を提供する。
【解決手段】内挿部1〜3は、複数の基準となる視点間に位置する視点の内挿映像信号を生成する。外挿部4,5は、基準となる視点の外側に位置する視点の外挿映像信号を生成する。外挿部である擬似的仮想視点映像生成部6,7は、基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の外挿映像信号とする。プロジェクタ11〜19は、それぞれの視点の映像信号を投射する。
【解決手段】内挿部1〜3は、複数の基準となる視点間に位置する視点の内挿映像信号を生成する。外挿部4,5は、基準となる視点の外側に位置する視点の外挿映像信号を生成する。外挿部である擬似的仮想視点映像生成部6,7は、基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の外挿映像信号とする。プロジェクタ11〜19は、それぞれの視点の映像信号を投射する。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数視点の映像を提示して裸眼による立体視を実現する映像表示装置及び映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、立体映像(3D映像)が普及しつつある。3D映像を見るためには、液晶シャッタまたは偏光による専用の眼鏡を用いることが主となっている。これに対して、専用の眼鏡を用いることなく、裸眼にて立体視を実現する裸眼立体表示の開発も盛んに行われている。裸眼立体表示装置において、3D映像を知覚するためには一般的に視位置が限定される。
【0003】
裸眼立体表示装置には複数の方式が存在しており、視位置が比較的限定されない方式として、特許文献1に記載されているように、視点の位置に応じて多数の映像を提示する多眼式と称されている方式がある。多眼式の裸眼立体表示装置においては、多数の視点から撮影された映像が必要となる。一般的に普及している3D映像は2視点のステレオコンテンツであり、2視点のステレオコンテンツをそのまま多眼式の裸眼立体表示装置で表示することはできない。そこで、2視点のステレオコンテンツを3視点以上の多視点の映像に変換することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−81440号公報
【特許文献2】特開平9−27969号公報
【特許文献3】特開2009−124308号公報
【特許文献4】特開2005−151534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2視点のステレオコンテンツを3視点以上の多視点の映像に変換するためには、特許文献2,3に記載されているように、ステレオコンテンツの左右の映像の間に、中間の視点の映像を生成して挿入し、特許文献3に記載されているように、ステレオコンテンツの左右の映像の外側に、左右の映像の外側の仮想的な視点の映像を生成して配置することが必要となる。ステレオコンテンツの左右の映像の間に補間映像を挿入することを内挿、左右の映像の外側に補間映像を配置することを外挿と称する。
【0006】
ところが、ステレオコンテンツの左右の映像の外側の仮想的な視点の映像を高品質に生成することは難しい。特に、外側に向かえば向かうほど生成した外側の視点の映像は破綻しやすい。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑み、複数の視点の映像信号に基づいてさらに多い視点である多視点の映像信号を生成して表示する際に、破綻の少ない多視点の映像を表示することができる映像表示装置及び映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、複数の基準となる視点間に位置する視点の映像信号を生成する内挿部(1〜3)と、前記基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部(4〜7,61,62,71,72)と、前記基準となる視点の映像信号と前記内挿部及び前記外挿部より出力された映像信号をそれぞれ投射する投射部(11〜19)とを備え、前記外挿部として、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の映像信号とする擬似的仮想視点映像生成部(6,7,61,62,71,72)を用いることを特徴とする映像表示装置を提供する。
【0009】
上記の映像表示装置において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成する第1の外挿部(4,5)と、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成する第2の外挿部(6,7)とを含んで構成することができる。
【0010】
上記の映像表示装置において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成することができる。
【0011】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、複数の基準となる視点間に位置する視点の内挿映像信号を生成し、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の外挿映像信号として生成し、前記基準となる視点の映像信号と前記内挿映像信号と前記外挿映像信号をそれぞれ投射して、立体映像を提示することを特徴とする映像表示方法を提供する。
【0012】
上記の映像表示方法において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成し、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成することができる。
【0013】
上記の映像表示方法において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の映像表示装置及び映像表示方法によれば、複数の視点の映像信号に基づいてさらに多い視点である多視点の映像信号を生成して表示する際に、破綻の少ない多視点の映像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の映像表示装置を示すブロック図である。
【図2】多視点映像の各視点を示す図である。
【図3】図1及び図7における内挿部1〜3の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図4】図1における外挿部4,5の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図5】図1,図7,図8における擬似的仮想視点映像生成部6,7,61,62,31〜38の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態による視点の位置と映像情報の利用効率との関係を示す特性図である。
【図7】第2実施形態の映像表示装置を示すブロック図である。
【図8】変形例の映像表示装置を示すブロック図である。
【図9】ステレオペアの視差を説明するための図である。
【図10】視点の位置と内挿及び外挿との関係を説明するための図である。
【図11】映像情報の利用効率を説明するための図である。
【図12】一般的な視点の位置と映像情報の利用効率との関係を示す特性図である。
【図13】図12において水平視差を10%とした場合の視点の位置と映像情報の利用効率との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の映像表示装置及び方法の各実施形態について、添付図面を参照して説明する。各実施形態の構成及び動作を説明する前に、ステレオコンテンツの左右の映像に対して外挿する仮想的な視点の映像が外側に向かえば向かうほど破綻しやすい理由について説明する。ここでは簡略化のため、図9に示すように、左右の映像を平面として、左右の映像全体で一定の水平視差が存在するステレオペアを用いて説明することとする。
【0017】
図9において、左映像ImLと右映像ImRとは、左映像ImLと右映像ImRの水平方向の幅を100%としたときのn%が水平視差としてシフトされている。図10において、xy座標は映像平面を表し、b座標は視点の位置を示している。b座標0に左映像ImLが位置し、b座標100に右映像ImRが位置している。b座標が0を超えて100未満の範囲では、内挿によって中間の視点の補間映像を生成し、b座標が0未満及び100を超える範囲では、外挿によって外側の視点の補間映像を生成する。
【0018】
図10において、太い破線で囲んだ部分は、左映像ImLと右映像ImRとで共通の映像部分を示している。内挿及び外挿において、共通の映像部分では完全に正しく左映像ImLと右映像ImRとの映像が照合されて補間映像が生成されるとする。左映像ImLと右映像ImRとはn%の水平視差を有しているので、左映像ImLと右映像ImRそれぞれの(100−n)%の部分が共通している。内挿においては、(100−n)%共通する映像部分の全てを用いて補間映像を生成することができる。これを、(100−n)%の利用効率で映像情報が利用されると定義する。
【0019】
図11を用いて映像情報の利用効率について説明する。図11は、図10をy軸上側から見て、b軸を水平、x軸を垂直としたものである。b座標0に左映像ImLが位置し、b座標100に右映像ImRが位置している。左映像ImLと右映像ImRの太い実線の部分が共通の映像部分である。ここでは映像情報の利用効率は(100−n)%である。b座標がb1,b2の位置では外挿となる。b座標がb1の位置においては、映像幅Wよりも外側の部分b1xは照合可能な共通の映像部分の映像情報を利用することができない。b座標がb2の位置においても同様に、映像幅Wよりも外側の部分b2xは照合可能な共通の映像部分の映像情報を利用することができない。
【0020】
b座標がb1の位置における映像情報の利用効率は、幾何計算によって-n×(b1-100)/100+100-nとなり、b座標がb2の位置における映像情報の利用効率は、幾何計算によってn×b2/100+100-nとなる。
【0021】
映像情報の利用効率をEとしてグラフ化すると図12のようになる。図12に示すように、利用効率Eは、b座標が負の部分ではn×b/100+100-nで表される特性の直線となり、b座標が100以上の部分では-n×(b-100)/100+100-nで表される特性の直線となる。水平視差nを10%とすると、利用効率Eは図13に示す特性となる。図13に示すように、利用効率Eは、b座標が負の部分では0.1×b+90で表される特性の直線となり、b座標が100以上の部分では-0.1×b+90で表される特性の直線となる。b座標が−100及び200で、利用効率Eは80%となる。
【0022】
図13は理想的な状態であり、現実には、利用効率Eは外側に向かえば向かうほど急激に劣化する。本発明者による検証によって、激しい破綻が生じないのは、b座標が0から−50まで、100から150まで、利用効率Eとして85%程度が限界であることが明らかとなった。ところが、2視点のステレオコンテンツに基づいて多視点の映像を生成して表示する際には、b座標が−50及び150を越える領域においても仮想的な視点の映像を表示することが要求される。そこで、b座標が−50及び150を越える領域に視点の映像を外挿する場合でも、破綻の少ない視点の映像を生成することが必要となる。
【0023】
以下、このような要望に対応する各実施形態の具体的な構成及び動作について説明する
【0024】
<第1実施形態>
図1に示す第1実施形態の映像表示装置は、特許文献1と同様、多眼式の映像表示装置を示している。図1において、ステレオ映像の左チャネルの信号SLは、内挿部1〜3と、外挿部4,5と、プロジェクタ13に入力される。ステレオ映像の右チャネルの信号SRは、内挿部1〜3と、外挿部4,5と、プロジェクタ17に入力される。プロジェクタ13は左チャネルの信号SLを投射し、左チャネルの信号SLそのものによる映像を図2に示す視点Pvcに提示する。プロジェクタ17は右チャネルの信号SRを投射し、右チャネルの信号SRそのものによる映像を図2に示す視点Pvgに提示する。
【0025】
内挿部1〜3は、左チャネルの信号SLまたは右チャネルの信号SRとに基づいてそれぞれ内挿映像信号Spvd〜Spvfを生成し、プロジェクタ14〜16に供給する。プロジェクタ14〜16は、入力されたそれぞれの内挿映像信号Spvd〜Spvfを投射し、内挿映像信号Spvd〜Spvfによる映像を図2に示す視点Pvd〜Pvfに提示する。内挿部1〜3における内挿映像信号Spvd〜Spvfの生成方法は特許文献3に記載されている方法を用いればよい。
【0026】
具体的には、内挿部1〜3は図3のように構成される。図3において、水平視差算出部21には右チャネルの信号SR及び左チャネルの信号SLが入力される。水平視差算出部21は、右チャネルの信号SRと左チャネルの信号SLとに基づいて水平視差を算出する。水平視差算出部21が算出した水平視差を示す情報は映像シフト部22に入力される。映像シフト部22には、視点位置情報Sivpも入力される。映像シフト部22は、右チャネルの信号SRまたは左チャネルの信号SLを、視点位置情報Sivpに応じた値を乗じた画素だけシフトすることによって、内挿映像信号Spvd〜Spvfを生成する。
【0027】
例えば、左チャネルの信号SLの映像の一部が右チャネルの信号SRの対応部分に対して視差dがあり、視点Pvdにおける内挿映像信号Spvdを生成する場合には、視点Pvcと視点Pvdとの距離は視点Pvcと視点Pvgとの距離の1/4であるので、左チャネルの信号SLの映像の一部を1/4×dだけシフトすればよい。視点Pveにおける内挿映像信号Spveを生成する場合には、視点Pvcと視点Pveとの距離は視点Pvcと視点Pvgとの距離の1/2であるので、左チャネルの信号SLの映像の一部を1/2×dだけシフトすればよい。
【0028】
視点Pvfにおける内挿映像信号Spvfを生成する場合には、より物理的距離が近い右チャネルの信号SRに基づいて生成した方が画質が優れる。そこで、右チャネルの信号SRの映像の一部と左チャネルの信号SLの対応部分との視差d’を求める。視点Pvgと視点Pvfとの距離は視点Pvgと視点Pvcとの距離の1/4であるので、右チャネルの信号SRの映像の一部を1/4×d’だけシフトすればよい。なお、視点Pveは視点Pvcと視点Pvgとの中央に位置しているので、視点Pveにおける内挿映像信号Spveを生成する場合に、右チャネルの信号SRに基づいて生成してもよい。
【0029】
外挿部4,5は、左チャネルの信号SLまたは右チャネルの信号SRに基づいてそれぞれ外挿映像信号Spvb,Spvhを生成し、プロジェクタ12,18に供給する。プロジェクタ12,18は、入力されたそれぞれの外挿映像信号Spvb,Spvhを投射し、外挿映像信号Spvb,Spvhによる映像を図2に示す視点Pvb,Pvhに提示する。
【0030】
外挿部4,5の具体的構成は内挿部1〜3と同様であり、図4に示すように、水平視差算出部23と映像シフト部24とを備える。
【0031】
例えば、左チャネルの信号SLの映像の一部が右チャネルの信号SRの対応部分に対して視差dがあり、視点Pvbにおける外挿映像信号Spvbを生成する場合には、視点Pvcと視点Pvbとの距離は視点Pvcと視点Pvgとの距離の1/4であり、視点Pvcを基準にして視点Pvc,Pvg間の視点とは逆向きであるので、左チャネルの信号SLの映像の一部を−1/4×dだけシフトすればよい。
【0032】
視点Pvhにおける外挿映像信号Spvhを生成する場合には、より物理的距離が近い右チャネルの信号SRに基づいて生成した方が画質が優れる。そこで、右チャネルの信号SRの映像の一部と左チャネルの信号SLの対応部分との視差d’を求める。視点Pvgと視点Pvhとの距離は視点Pvgと視点Pvcとの距離の1/4であり、視点Pvgを基準にして視点Pvc,Pvg間の視点とは逆向きであるので、右チャネルの信号SRの映像の一部を−1/4×d’だけシフトすればよい。
【0033】
なお、視点Pvbは、b座標における−50〜0とすることが好ましい。視点Pvhは、b座標における100〜150することが好ましい。
【0034】
外挿部として構成されている擬似的仮想視点映像生成部6には、外挿部4より出力された視点Pvbにおける外挿映像信号Spvbが入力される。外挿部として構成されている擬似的仮想視点映像生成部7には、外挿部5より出力された視点Pvhにおける外挿映像信号Spvhが入力される。擬似的仮想視点映像生成部6,7は、擬似的な仮想視点映像信号Spva,Spviを生成し、プロジェクタ11,19に供給する。プロジェクタ11,19は、入力されたそれぞれの仮想視点映像信号Spva,Spviを投射し、仮想視点映像信号Spva,Spviによる映像を図2に示す視点Pva,Pviに提示する。
【0035】
擬似的仮想視点映像生成部6,7は、いわゆる2D3D変換と称されている特許文献4に記載されているような擬似立体画像作成装置を用いることによって実現できる。特許文献4に記載されている擬似立体画像作成装置は、仮に奥行き情報が明示的にも暗示的にも与えられていない非立体映像であっても、非立体映像から奥行き推定データを作成し、この奥行き推定データに基づいて擬似的な立体映像を作成することができる。
【0036】
擬似的仮想視点映像生成部6,7は、図5に示すように、奥行き推定部25と映像シフト部26とを備える。奥行き推定部25は、入力された外挿映像信号Spvb,Spvhに基づいて映像の奥行きを推定し、奥行き推定データを生成する。この際、奥行き推定部25は、曲面近似された奥行きを推定して奥行き推定データを生成する。映像シフト部26は、奥行き推定部25より出力された曲面近似された奥行き推定データに応じて外挿映像信号Spvb,Spvhをシフトすることによって、仮想視点映像信号Spva,Spviを生成する。
【0037】
擬似的仮想視点映像生成部6,7によれば、外挿部4,5で行っているような、映像を照合して外挿するという単純なシフトと比較して、仮想視点の距離が遠ざかっても急速に映像情報の利用効率が低下することを回避することができる。その結果、高画質な仮想視点映像信号Spva,Spviを生成することができる。
【0038】
擬似的仮想視点映像生成部6の動作をさらに詳細に説明する。視点Pvbの位置を右目の位置と想定すると、画面より手前に表示するものは、近いものほど映像を見る者の内側(鼻側)に見える。従って、擬似的仮想視点映像生成部6の映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を内側(右方向)に移動させる。画面より奥に表示するものは、近いものほど映像を見る者の外側に見える。従って、映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を外側(左方向)に移動させる。
【0039】
擬似的仮想視点映像生成部6は、外挿映像信号Spvbをそのまま2D3D変換後の右チャネルの信号とし、外挿映像信号Spvbよりも左よりの視点Spvaにおける仮想視点映像信号Spvaを左チャネルの信号として生成する。2D3D変換後の右チャネルの信号である外挿映像信号Spvbを出力する必要はないので、擬似的仮想視点映像生成部6は仮想視点映像信号Spvaのみをプロジェクタ11へと出力する。
【0040】
擬似的仮想視点映像生成部7の動作をさらに詳細に説明する。視点Pvh位置を左目の位置と想定すると、画面より手前に表示するものは、近いものほど映像を見る者の内側(鼻側)に見える。従って、擬似的仮想視点映像生成部7の映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を内側(左方向)に移動させる。画面より奥に表示するものは、近いものほど映像を見る者の外側に見える。従って、映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を外側(右方向)に移動させる。
【0041】
擬似的仮想視点映像生成部7は、外挿映像信号Spvhそのまま2D3D変換後の左チャネルの信号とし、外挿映像信号Spvhよりも右よりの視点Pviにおける仮想視点映像信号Spviを右チャネルの信号として生成する。2D3D変換後の左チャネルの信号である外挿映像信号Spvhを出力する必要はないので、擬似的仮想視点映像生成部7は仮想視点映像信号Spviのみをプロジェクタ19へと出力する。
【0042】
投射部であるプロジェクタ11〜19は、入力されたそれぞれの視点の映像信号を投射する。プロジェクタ11〜19から投射された光線はレンズ20によって集光される。図1では、簡略化のため、プロジェクタ13,15,17から投射される光線のみを概略的に示している。観察者は左右の目EL,ERで、プロジェクタ11〜19から投射されてレンズ20によって集光された3D映像を見る。
【0043】
図6は、本実施形態による利用効率Eを示している。図6でもnを10%とした特性を示している。b座標が0〜−50の部分では図13と同様、0.1×b+90で表される特性の直線であるが、b座標が−50を超えた部分で利用効率Eの低下が抑えられていることが分かる。また、b座標が100〜150の部分では図13と同様、-0.1×b+90で表される特性の直線であるが、b座標が150を超えた部分で利用効率Eの低下が抑えられていることが分かる。b座標が−100及び200で、利用効率Eは80%よりも大きくなっている。
【0044】
本実施形態において、視点の数は図2に示す9視点に限定されるものではない。内挿部,外挿部,擬似的仮想視点映像生成部をさらに増やしてもよい。視点の間隔は等間隔でなくてもよい。なお、映像をシフトする方向(輻輳に相当)と量(立体化の強度に相当)は、実際の映像の見え方に近くなるように適宜調整すればよい。図2において、視点Pvc,Pvgが基準となる視点である。基準となる視点は2視点に限定されない。
【0045】
図1における内挿部1〜3は、複数の基準となる視点の映像信号に基づいて、基準となる視点間に位置する視点の映像信号を生成する内挿部である。図1における外挿部4,5は、複数の視点の映像信号に基づいて、基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部である。擬似的仮想視点映像生成部6,7も、基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部である。
【0046】
擬似的仮想視点映像生成部6,7は、基準となる視点の映像信号SR,SLに基づいて生成された1つの視点の映像信号Spvb,Spvhを擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる視点Pvc,Pvgの外側であり、視点Pvb,Pvhのさらに外側に位置する仮想的な視点の映像信号としている。
【0047】
第1実施形態は、基準となる視点の左外側に位置する複数の視点の映像信号を生成する複数の外挿部と、基準となる視点の右外側に位置する複数の視点の映像信号を生成する複数の外挿部とを備える構成である。複数の外挿部の内、外挿部4,5は、基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、基準となる視点に近い側に位置する視点の映像信号を、基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成する第1の外挿部である。複数の外挿部の内、擬似的仮想視点映像生成部6,7は、基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、基準となる視点に遠い側に位置する視点の映像信号を、2D3D変換を用いて生成する第2の外挿部である。
【0048】
<第2実施形態>
図7を用いて、第2実施形態の映像表示装置について説明する。図7において、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図7に示す第2実施形態は、図1における外挿部4,5によって外挿映像信号Spvb,Spvhを生成するのではなく、擬似的仮想視点映像生成部61,71によって外挿映像信号Spvb,Spvhに相当する映像信号を生成する。
【0049】
図7において、擬似的仮想視点映像生成部61,62には左チャネルの信号SLが入力され、擬似的仮想視点映像生成部71,72には右チャネルの信号SRが入力される。擬似的仮想視点映像生成部61,62,71,72の具体的構成は図5と同様である。
【0050】
擬似的仮想視点映像生成部61は、左チャネルの信号SLに基づいて、視点Pvbに提示するための仮想視点映像信号Spvb2を生成し、擬似的仮想視点映像生成部71は、右チャネルの信号SRに基づいて、視点Pvhに提示するための仮想視点映像信号Spvh2を生成する。擬似的仮想視点映像生成部62は、左チャネルの信号SLに基づいて、視点Pvaに提示するための仮想視点映像信号Spva2を生成し、擬似的仮想視点映像生成部72は、右チャネルの信号SRに基づいて、視点Pviに提示するための仮想視点映像信号Spvi2を生成する。
【0051】
擬似的仮想視点映像生成部61,62,71,72も、基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部である。擬似的仮想視点映像生成部61,62,71,72は、基準となる視点の映像信号SR,SLの内の1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる視点Pvc,Pvgの外側に位置する仮想的な視点の映像信号としている。
【0052】
<変形例>
図8を用いて、変形例の映像表示装置について説明する。図8において、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図8に示す変形例は、擬似的仮想視点映像生成部31〜38を用いて、図2の全ての視点Pva〜Pviに提示するための映像信号を生成する。変形例は、入力映像信号がステレオ映像信号ではなく、2D映像映像信号である場合の構成である。擬似的仮想視点映像生成部31〜38の具体的構成は図5と同様である。
【0053】
図8において、擬似的仮想視点映像生成部31〜38には2D映像信号S2Dが入力される。擬似的仮想視点映像生成部31〜34は、視点Pva〜Pvdに提示するための仮想視点映像信号Spva3〜Spvd3を生成して、プロジェクタ11〜14へと出力する。2D映像信号S2Dはそのまま視点Pveに提示するための映像信号としてプロジェクタ15に供給される。擬似的仮想視点映像生成部35〜38は、視点Pvf〜Pviに提示するための仮想視点映像信号Spvf3〜Spvi3を生成して、プロジェクタ16〜19へと出力する。
【0054】
変形例においては、輻輳は全ての映像信号(2D映像信号S2D及び仮想視点映像信号Spva3〜Spvi3)で一定である。立体化の強度を、図2の視点の端部に向かうほど強くすることが好ましい。
【0055】
擬似的仮想視点映像生成部31〜38は、基準となる1つの視点の2D映像信号に基づいて、2D映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる1つの視点の外側に位置する仮想的な視点の映像信号としている。
【0056】
本発明は以上説明した各実施形態(変形例)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0057】
1〜3 内挿部
4,5 外挿部
6,7,61,62,71,72 擬似的仮想視点映像生成部(外挿部)
11〜19 プロジェクタ(投射部)
20 レンズ
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数視点の映像を提示して裸眼による立体視を実現する映像表示装置及び映像表示方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年になって、立体映像(3D映像)が普及しつつある。3D映像を見るためには、液晶シャッタまたは偏光による専用の眼鏡を用いることが主となっている。これに対して、専用の眼鏡を用いることなく、裸眼にて立体視を実現する裸眼立体表示の開発も盛んに行われている。裸眼立体表示装置において、3D映像を知覚するためには一般的に視位置が限定される。
【0003】
裸眼立体表示装置には複数の方式が存在しており、視位置が比較的限定されない方式として、特許文献1に記載されているように、視点の位置に応じて多数の映像を提示する多眼式と称されている方式がある。多眼式の裸眼立体表示装置においては、多数の視点から撮影された映像が必要となる。一般的に普及している3D映像は2視点のステレオコンテンツであり、2視点のステレオコンテンツをそのまま多眼式の裸眼立体表示装置で表示することはできない。そこで、2視点のステレオコンテンツを3視点以上の多視点の映像に変換することが必要となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−81440号公報
【特許文献2】特開平9−27969号公報
【特許文献3】特開2009−124308号公報
【特許文献4】特開2005−151534号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
2視点のステレオコンテンツを3視点以上の多視点の映像に変換するためには、特許文献2,3に記載されているように、ステレオコンテンツの左右の映像の間に、中間の視点の映像を生成して挿入し、特許文献3に記載されているように、ステレオコンテンツの左右の映像の外側に、左右の映像の外側の仮想的な視点の映像を生成して配置することが必要となる。ステレオコンテンツの左右の映像の間に補間映像を挿入することを内挿、左右の映像の外側に補間映像を配置することを外挿と称する。
【0006】
ところが、ステレオコンテンツの左右の映像の外側の仮想的な視点の映像を高品質に生成することは難しい。特に、外側に向かえば向かうほど生成した外側の視点の映像は破綻しやすい。
【0007】
本発明はこのような問題点に鑑み、複数の視点の映像信号に基づいてさらに多い視点である多視点の映像信号を生成して表示する際に、破綻の少ない多視点の映像を表示することができる映像表示装置及び映像表示方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、複数の基準となる視点間に位置する視点の映像信号を生成する内挿部(1〜3)と、前記基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部(4〜7,61,62,71,72)と、前記基準となる視点の映像信号と前記内挿部及び前記外挿部より出力された映像信号をそれぞれ投射する投射部(11〜19)とを備え、前記外挿部として、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の映像信号とする擬似的仮想視点映像生成部(6,7,61,62,71,72)を用いることを特徴とする映像表示装置を提供する。
【0009】
上記の映像表示装置において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成する第1の外挿部(4,5)と、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成する第2の外挿部(6,7)とを含んで構成することができる。
【0010】
上記の映像表示装置において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成することができる。
【0011】
また、本発明は、上述した従来の技術の課題を解決するため、複数の基準となる視点間に位置する視点の内挿映像信号を生成し、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の外挿映像信号として生成し、前記基準となる視点の映像信号と前記内挿映像信号と前記外挿映像信号をそれぞれ投射して、立体映像を提示することを特徴とする映像表示方法を提供する。
【0012】
上記の映像表示方法において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成し、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成することができる。
【0013】
上記の映像表示方法において、前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明の映像表示装置及び映像表示方法によれば、複数の視点の映像信号に基づいてさらに多い視点である多視点の映像信号を生成して表示する際に、破綻の少ない多視点の映像を表示することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】第1実施形態の映像表示装置を示すブロック図である。
【図2】多視点映像の各視点を示す図である。
【図3】図1及び図7における内挿部1〜3の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図4】図1における外挿部4,5の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図5】図1,図7,図8における擬似的仮想視点映像生成部6,7,61,62,31〜38の具体的な構成例を示すブロック図である。
【図6】第1実施形態による視点の位置と映像情報の利用効率との関係を示す特性図である。
【図7】第2実施形態の映像表示装置を示すブロック図である。
【図8】変形例の映像表示装置を示すブロック図である。
【図9】ステレオペアの視差を説明するための図である。
【図10】視点の位置と内挿及び外挿との関係を説明するための図である。
【図11】映像情報の利用効率を説明するための図である。
【図12】一般的な視点の位置と映像情報の利用効率との関係を示す特性図である。
【図13】図12において水平視差を10%とした場合の視点の位置と映像情報の利用効率との関係を示す特性図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の映像表示装置及び方法の各実施形態について、添付図面を参照して説明する。各実施形態の構成及び動作を説明する前に、ステレオコンテンツの左右の映像に対して外挿する仮想的な視点の映像が外側に向かえば向かうほど破綻しやすい理由について説明する。ここでは簡略化のため、図9に示すように、左右の映像を平面として、左右の映像全体で一定の水平視差が存在するステレオペアを用いて説明することとする。
【0017】
図9において、左映像ImLと右映像ImRとは、左映像ImLと右映像ImRの水平方向の幅を100%としたときのn%が水平視差としてシフトされている。図10において、xy座標は映像平面を表し、b座標は視点の位置を示している。b座標0に左映像ImLが位置し、b座標100に右映像ImRが位置している。b座標が0を超えて100未満の範囲では、内挿によって中間の視点の補間映像を生成し、b座標が0未満及び100を超える範囲では、外挿によって外側の視点の補間映像を生成する。
【0018】
図10において、太い破線で囲んだ部分は、左映像ImLと右映像ImRとで共通の映像部分を示している。内挿及び外挿において、共通の映像部分では完全に正しく左映像ImLと右映像ImRとの映像が照合されて補間映像が生成されるとする。左映像ImLと右映像ImRとはn%の水平視差を有しているので、左映像ImLと右映像ImRそれぞれの(100−n)%の部分が共通している。内挿においては、(100−n)%共通する映像部分の全てを用いて補間映像を生成することができる。これを、(100−n)%の利用効率で映像情報が利用されると定義する。
【0019】
図11を用いて映像情報の利用効率について説明する。図11は、図10をy軸上側から見て、b軸を水平、x軸を垂直としたものである。b座標0に左映像ImLが位置し、b座標100に右映像ImRが位置している。左映像ImLと右映像ImRの太い実線の部分が共通の映像部分である。ここでは映像情報の利用効率は(100−n)%である。b座標がb1,b2の位置では外挿となる。b座標がb1の位置においては、映像幅Wよりも外側の部分b1xは照合可能な共通の映像部分の映像情報を利用することができない。b座標がb2の位置においても同様に、映像幅Wよりも外側の部分b2xは照合可能な共通の映像部分の映像情報を利用することができない。
【0020】
b座標がb1の位置における映像情報の利用効率は、幾何計算によって-n×(b1-100)/100+100-nとなり、b座標がb2の位置における映像情報の利用効率は、幾何計算によってn×b2/100+100-nとなる。
【0021】
映像情報の利用効率をEとしてグラフ化すると図12のようになる。図12に示すように、利用効率Eは、b座標が負の部分ではn×b/100+100-nで表される特性の直線となり、b座標が100以上の部分では-n×(b-100)/100+100-nで表される特性の直線となる。水平視差nを10%とすると、利用効率Eは図13に示す特性となる。図13に示すように、利用効率Eは、b座標が負の部分では0.1×b+90で表される特性の直線となり、b座標が100以上の部分では-0.1×b+90で表される特性の直線となる。b座標が−100及び200で、利用効率Eは80%となる。
【0022】
図13は理想的な状態であり、現実には、利用効率Eは外側に向かえば向かうほど急激に劣化する。本発明者による検証によって、激しい破綻が生じないのは、b座標が0から−50まで、100から150まで、利用効率Eとして85%程度が限界であることが明らかとなった。ところが、2視点のステレオコンテンツに基づいて多視点の映像を生成して表示する際には、b座標が−50及び150を越える領域においても仮想的な視点の映像を表示することが要求される。そこで、b座標が−50及び150を越える領域に視点の映像を外挿する場合でも、破綻の少ない視点の映像を生成することが必要となる。
【0023】
以下、このような要望に対応する各実施形態の具体的な構成及び動作について説明する
【0024】
<第1実施形態>
図1に示す第1実施形態の映像表示装置は、特許文献1と同様、多眼式の映像表示装置を示している。図1において、ステレオ映像の左チャネルの信号SLは、内挿部1〜3と、外挿部4,5と、プロジェクタ13に入力される。ステレオ映像の右チャネルの信号SRは、内挿部1〜3と、外挿部4,5と、プロジェクタ17に入力される。プロジェクタ13は左チャネルの信号SLを投射し、左チャネルの信号SLそのものによる映像を図2に示す視点Pvcに提示する。プロジェクタ17は右チャネルの信号SRを投射し、右チャネルの信号SRそのものによる映像を図2に示す視点Pvgに提示する。
【0025】
内挿部1〜3は、左チャネルの信号SLまたは右チャネルの信号SRとに基づいてそれぞれ内挿映像信号Spvd〜Spvfを生成し、プロジェクタ14〜16に供給する。プロジェクタ14〜16は、入力されたそれぞれの内挿映像信号Spvd〜Spvfを投射し、内挿映像信号Spvd〜Spvfによる映像を図2に示す視点Pvd〜Pvfに提示する。内挿部1〜3における内挿映像信号Spvd〜Spvfの生成方法は特許文献3に記載されている方法を用いればよい。
【0026】
具体的には、内挿部1〜3は図3のように構成される。図3において、水平視差算出部21には右チャネルの信号SR及び左チャネルの信号SLが入力される。水平視差算出部21は、右チャネルの信号SRと左チャネルの信号SLとに基づいて水平視差を算出する。水平視差算出部21が算出した水平視差を示す情報は映像シフト部22に入力される。映像シフト部22には、視点位置情報Sivpも入力される。映像シフト部22は、右チャネルの信号SRまたは左チャネルの信号SLを、視点位置情報Sivpに応じた値を乗じた画素だけシフトすることによって、内挿映像信号Spvd〜Spvfを生成する。
【0027】
例えば、左チャネルの信号SLの映像の一部が右チャネルの信号SRの対応部分に対して視差dがあり、視点Pvdにおける内挿映像信号Spvdを生成する場合には、視点Pvcと視点Pvdとの距離は視点Pvcと視点Pvgとの距離の1/4であるので、左チャネルの信号SLの映像の一部を1/4×dだけシフトすればよい。視点Pveにおける内挿映像信号Spveを生成する場合には、視点Pvcと視点Pveとの距離は視点Pvcと視点Pvgとの距離の1/2であるので、左チャネルの信号SLの映像の一部を1/2×dだけシフトすればよい。
【0028】
視点Pvfにおける内挿映像信号Spvfを生成する場合には、より物理的距離が近い右チャネルの信号SRに基づいて生成した方が画質が優れる。そこで、右チャネルの信号SRの映像の一部と左チャネルの信号SLの対応部分との視差d’を求める。視点Pvgと視点Pvfとの距離は視点Pvgと視点Pvcとの距離の1/4であるので、右チャネルの信号SRの映像の一部を1/4×d’だけシフトすればよい。なお、視点Pveは視点Pvcと視点Pvgとの中央に位置しているので、視点Pveにおける内挿映像信号Spveを生成する場合に、右チャネルの信号SRに基づいて生成してもよい。
【0029】
外挿部4,5は、左チャネルの信号SLまたは右チャネルの信号SRに基づいてそれぞれ外挿映像信号Spvb,Spvhを生成し、プロジェクタ12,18に供給する。プロジェクタ12,18は、入力されたそれぞれの外挿映像信号Spvb,Spvhを投射し、外挿映像信号Spvb,Spvhによる映像を図2に示す視点Pvb,Pvhに提示する。
【0030】
外挿部4,5の具体的構成は内挿部1〜3と同様であり、図4に示すように、水平視差算出部23と映像シフト部24とを備える。
【0031】
例えば、左チャネルの信号SLの映像の一部が右チャネルの信号SRの対応部分に対して視差dがあり、視点Pvbにおける外挿映像信号Spvbを生成する場合には、視点Pvcと視点Pvbとの距離は視点Pvcと視点Pvgとの距離の1/4であり、視点Pvcを基準にして視点Pvc,Pvg間の視点とは逆向きであるので、左チャネルの信号SLの映像の一部を−1/4×dだけシフトすればよい。
【0032】
視点Pvhにおける外挿映像信号Spvhを生成する場合には、より物理的距離が近い右チャネルの信号SRに基づいて生成した方が画質が優れる。そこで、右チャネルの信号SRの映像の一部と左チャネルの信号SLの対応部分との視差d’を求める。視点Pvgと視点Pvhとの距離は視点Pvgと視点Pvcとの距離の1/4であり、視点Pvgを基準にして視点Pvc,Pvg間の視点とは逆向きであるので、右チャネルの信号SRの映像の一部を−1/4×d’だけシフトすればよい。
【0033】
なお、視点Pvbは、b座標における−50〜0とすることが好ましい。視点Pvhは、b座標における100〜150することが好ましい。
【0034】
外挿部として構成されている擬似的仮想視点映像生成部6には、外挿部4より出力された視点Pvbにおける外挿映像信号Spvbが入力される。外挿部として構成されている擬似的仮想視点映像生成部7には、外挿部5より出力された視点Pvhにおける外挿映像信号Spvhが入力される。擬似的仮想視点映像生成部6,7は、擬似的な仮想視点映像信号Spva,Spviを生成し、プロジェクタ11,19に供給する。プロジェクタ11,19は、入力されたそれぞれの仮想視点映像信号Spva,Spviを投射し、仮想視点映像信号Spva,Spviによる映像を図2に示す視点Pva,Pviに提示する。
【0035】
擬似的仮想視点映像生成部6,7は、いわゆる2D3D変換と称されている特許文献4に記載されているような擬似立体画像作成装置を用いることによって実現できる。特許文献4に記載されている擬似立体画像作成装置は、仮に奥行き情報が明示的にも暗示的にも与えられていない非立体映像であっても、非立体映像から奥行き推定データを作成し、この奥行き推定データに基づいて擬似的な立体映像を作成することができる。
【0036】
擬似的仮想視点映像生成部6,7は、図5に示すように、奥行き推定部25と映像シフト部26とを備える。奥行き推定部25は、入力された外挿映像信号Spvb,Spvhに基づいて映像の奥行きを推定し、奥行き推定データを生成する。この際、奥行き推定部25は、曲面近似された奥行きを推定して奥行き推定データを生成する。映像シフト部26は、奥行き推定部25より出力された曲面近似された奥行き推定データに応じて外挿映像信号Spvb,Spvhをシフトすることによって、仮想視点映像信号Spva,Spviを生成する。
【0037】
擬似的仮想視点映像生成部6,7によれば、外挿部4,5で行っているような、映像を照合して外挿するという単純なシフトと比較して、仮想視点の距離が遠ざかっても急速に映像情報の利用効率が低下することを回避することができる。その結果、高画質な仮想視点映像信号Spva,Spviを生成することができる。
【0038】
擬似的仮想視点映像生成部6の動作をさらに詳細に説明する。視点Pvbの位置を右目の位置と想定すると、画面より手前に表示するものは、近いものほど映像を見る者の内側(鼻側)に見える。従って、擬似的仮想視点映像生成部6の映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を内側(右方向)に移動させる。画面より奥に表示するものは、近いものほど映像を見る者の外側に見える。従って、映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を外側(左方向)に移動させる。
【0039】
擬似的仮想視点映像生成部6は、外挿映像信号Spvbをそのまま2D3D変換後の右チャネルの信号とし、外挿映像信号Spvbよりも左よりの視点Spvaにおける仮想視点映像信号Spvaを左チャネルの信号として生成する。2D3D変換後の右チャネルの信号である外挿映像信号Spvbを出力する必要はないので、擬似的仮想視点映像生成部6は仮想視点映像信号Spvaのみをプロジェクタ11へと出力する。
【0040】
擬似的仮想視点映像生成部7の動作をさらに詳細に説明する。視点Pvh位置を左目の位置と想定すると、画面より手前に表示するものは、近いものほど映像を見る者の内側(鼻側)に見える。従って、擬似的仮想視点映像生成部7の映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を内側(左方向)に移動させる。画面より奥に表示するものは、近いものほど映像を見る者の外側に見える。従って、映像シフト部26は、奥行き推定データが示す奥行きに応じた量だけ、対応部分の映像を外側(右方向)に移動させる。
【0041】
擬似的仮想視点映像生成部7は、外挿映像信号Spvhそのまま2D3D変換後の左チャネルの信号とし、外挿映像信号Spvhよりも右よりの視点Pviにおける仮想視点映像信号Spviを右チャネルの信号として生成する。2D3D変換後の左チャネルの信号である外挿映像信号Spvhを出力する必要はないので、擬似的仮想視点映像生成部7は仮想視点映像信号Spviのみをプロジェクタ19へと出力する。
【0042】
投射部であるプロジェクタ11〜19は、入力されたそれぞれの視点の映像信号を投射する。プロジェクタ11〜19から投射された光線はレンズ20によって集光される。図1では、簡略化のため、プロジェクタ13,15,17から投射される光線のみを概略的に示している。観察者は左右の目EL,ERで、プロジェクタ11〜19から投射されてレンズ20によって集光された3D映像を見る。
【0043】
図6は、本実施形態による利用効率Eを示している。図6でもnを10%とした特性を示している。b座標が0〜−50の部分では図13と同様、0.1×b+90で表される特性の直線であるが、b座標が−50を超えた部分で利用効率Eの低下が抑えられていることが分かる。また、b座標が100〜150の部分では図13と同様、-0.1×b+90で表される特性の直線であるが、b座標が150を超えた部分で利用効率Eの低下が抑えられていることが分かる。b座標が−100及び200で、利用効率Eは80%よりも大きくなっている。
【0044】
本実施形態において、視点の数は図2に示す9視点に限定されるものではない。内挿部,外挿部,擬似的仮想視点映像生成部をさらに増やしてもよい。視点の間隔は等間隔でなくてもよい。なお、映像をシフトする方向(輻輳に相当)と量(立体化の強度に相当)は、実際の映像の見え方に近くなるように適宜調整すればよい。図2において、視点Pvc,Pvgが基準となる視点である。基準となる視点は2視点に限定されない。
【0045】
図1における内挿部1〜3は、複数の基準となる視点の映像信号に基づいて、基準となる視点間に位置する視点の映像信号を生成する内挿部である。図1における外挿部4,5は、複数の視点の映像信号に基づいて、基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部である。擬似的仮想視点映像生成部6,7も、基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部である。
【0046】
擬似的仮想視点映像生成部6,7は、基準となる視点の映像信号SR,SLに基づいて生成された1つの視点の映像信号Spvb,Spvhを擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる視点Pvc,Pvgの外側であり、視点Pvb,Pvhのさらに外側に位置する仮想的な視点の映像信号としている。
【0047】
第1実施形態は、基準となる視点の左外側に位置する複数の視点の映像信号を生成する複数の外挿部と、基準となる視点の右外側に位置する複数の視点の映像信号を生成する複数の外挿部とを備える構成である。複数の外挿部の内、外挿部4,5は、基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、基準となる視点に近い側に位置する視点の映像信号を、基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成する第1の外挿部である。複数の外挿部の内、擬似的仮想視点映像生成部6,7は、基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、基準となる視点に遠い側に位置する視点の映像信号を、2D3D変換を用いて生成する第2の外挿部である。
【0048】
<第2実施形態>
図7を用いて、第2実施形態の映像表示装置について説明する。図7において、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図7に示す第2実施形態は、図1における外挿部4,5によって外挿映像信号Spvb,Spvhを生成するのではなく、擬似的仮想視点映像生成部61,71によって外挿映像信号Spvb,Spvhに相当する映像信号を生成する。
【0049】
図7において、擬似的仮想視点映像生成部61,62には左チャネルの信号SLが入力され、擬似的仮想視点映像生成部71,72には右チャネルの信号SRが入力される。擬似的仮想視点映像生成部61,62,71,72の具体的構成は図5と同様である。
【0050】
擬似的仮想視点映像生成部61は、左チャネルの信号SLに基づいて、視点Pvbに提示するための仮想視点映像信号Spvb2を生成し、擬似的仮想視点映像生成部71は、右チャネルの信号SRに基づいて、視点Pvhに提示するための仮想視点映像信号Spvh2を生成する。擬似的仮想視点映像生成部62は、左チャネルの信号SLに基づいて、視点Pvaに提示するための仮想視点映像信号Spva2を生成し、擬似的仮想視点映像生成部72は、右チャネルの信号SRに基づいて、視点Pviに提示するための仮想視点映像信号Spvi2を生成する。
【0051】
擬似的仮想視点映像生成部61,62,71,72も、基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部である。擬似的仮想視点映像生成部61,62,71,72は、基準となる視点の映像信号SR,SLの内の1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる視点Pvc,Pvgの外側に位置する仮想的な視点の映像信号としている。
【0052】
<変形例>
図8を用いて、変形例の映像表示装置について説明する。図8において、図1と同一部分には同一符号を付し、その説明を適宜省略する。図8に示す変形例は、擬似的仮想視点映像生成部31〜38を用いて、図2の全ての視点Pva〜Pviに提示するための映像信号を生成する。変形例は、入力映像信号がステレオ映像信号ではなく、2D映像映像信号である場合の構成である。擬似的仮想視点映像生成部31〜38の具体的構成は図5と同様である。
【0053】
図8において、擬似的仮想視点映像生成部31〜38には2D映像信号S2Dが入力される。擬似的仮想視点映像生成部31〜34は、視点Pva〜Pvdに提示するための仮想視点映像信号Spva3〜Spvd3を生成して、プロジェクタ11〜14へと出力する。2D映像信号S2Dはそのまま視点Pveに提示するための映像信号としてプロジェクタ15に供給される。擬似的仮想視点映像生成部35〜38は、視点Pvf〜Pviに提示するための仮想視点映像信号Spvf3〜Spvi3を生成して、プロジェクタ16〜19へと出力する。
【0054】
変形例においては、輻輳は全ての映像信号(2D映像信号S2D及び仮想視点映像信号Spva3〜Spvi3)で一定である。立体化の強度を、図2の視点の端部に向かうほど強くすることが好ましい。
【0055】
擬似的仮想視点映像生成部31〜38は、基準となる1つの視点の2D映像信号に基づいて、2D映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、左右の映像信号の内の一方を基準となる1つの視点の外側に位置する仮想的な視点の映像信号としている。
【0056】
本発明は以上説明した各実施形態(変形例)に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々変更可能である。
【符号の説明】
【0057】
1〜3 内挿部
4,5 外挿部
6,7,61,62,71,72 擬似的仮想視点映像生成部(外挿部)
11〜19 プロジェクタ(投射部)
20 レンズ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の基準となる視点間に位置する視点の映像信号を生成する内挿部と、
前記基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部と、
前記基準となる視点の映像信号と前記内挿部及び前記外挿部より出力された映像信号をそれぞれ投射する投射部と、
を備え、
前記外挿部として、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の映像信号とする擬似的仮想視点映像生成部を用いる
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成する第1の外挿部と、
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成する第2の外挿部と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成することを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項4】
複数の基準となる視点間に位置する視点の内挿映像信号を生成し、
前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の外挿映像信号として生成し、
前記基準となる視点の映像信号と前記内挿映像信号と前記外挿映像信号をそれぞれ投射して、立体映像を提示する
ことを特徴とする映像表示方法。
【請求項5】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成し、
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成する
ことを特徴とする請求項4記載の映像表示方法。
【請求項6】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成することを特徴とする請求項4記載の映像表示方法。
【請求項1】
複数の基準となる視点間に位置する視点の映像信号を生成する内挿部と、
前記基準となる視点の外側に位置する視点の映像信号を生成する外挿部と、
前記基準となる視点の映像信号と前記内挿部及び前記外挿部より出力された映像信号をそれぞれ投射する投射部と、
を備え、
前記外挿部として、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の映像信号とする擬似的仮想視点映像生成部を用いる
ことを特徴とする映像表示装置。
【請求項2】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成する第1の外挿部と、
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成する第2の外挿部と、
を含むことを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項3】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての映像信号を、前記擬似的仮想視点映像生成部によって生成することを特徴とする請求項1記載の映像表示装置。
【請求項4】
複数の基準となる視点間に位置する視点の内挿映像信号を生成し、
前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号または前記基準となる視点の映像信号に基づいて生成された1つの視点の映像信号を擬似的に左右の映像信号よりなる立体映像信号に変換し、前記左右の映像信号の内の一方を前記基準となる視点の外側に位置する仮想的な視点の外挿映像信号として生成し、
前記基準となる視点の映像信号と前記内挿映像信号と前記外挿映像信号をそれぞれ投射して、立体映像を提示する
ことを特徴とする映像表示方法。
【請求項5】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に近い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記基準となる視点の映像信号の内の1つの視点の映像信号をシフトすることによって生成し、
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の内、前記基準となる視点に遠い側に位置する視点の外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成する
ことを特徴とする請求項4記載の映像表示方法。
【請求項6】
前記基準となる視点の外側に位置する複数の視点の全ての外挿映像信号を、前記仮想的な視点の外挿映像信号として生成することを特徴とする請求項4記載の映像表示方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2013−66025(P2013−66025A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−203011(P2011−203011)
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年9月16日(2011.9.16)
【出願人】(308036402)株式会社JVCケンウッド (1,152)
【Fターム(参考)】
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