説明

映像装置およびテレビジョン装置

【課題】サーバの負担が過度に増大することに起因して映像装置のユーザに適切なタイミングで情報を提供されなくなるのを抑制しながら、有害な情報のフィルタリングを行うことが可能な映像装置を提供する。
【解決手段】このテレビジョン装置10(映像装置)は、複数のユーザにより投稿されるコメント情報を格納するコメント情報サーバ50にインターネット40を介して接続される通信部12と、コメント情報サーバ50に格納されたコメント情報をコメント情報サーバ50から通信部12を介して取得するとともに、取得したコメント情報および映像を表示可能な表示部14の表示内容を制御するCPU13とを備え、CPU13は、取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、取得したコメント情報の表示部14への表示を制限するように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、映像装置およびテレビジョン装置に関し、特に、サーバから取得した情報および映像を表示部に表示可能な映像装置およびテレビジョン装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、サーバから取得した情報および映像を表示部に表示可能な映像装置が知られている。このような従来の映像装置では、表示部に有害な情報が表示されるのを制限するために、有害な情報のフィルタリングを行うことが望まれている。
【0003】
一方、従来では、電子掲示板に掲載禁止用語が掲示されるのを抑制する(有害な情報のフィルタリングを行う)ことが可能な電子掲示板システムが知られている(たとえば、特許文献1参照)。この特許文献1に記載の掲示板システムでは、掲示板の利用者(ユーザ)により投稿された文章(情報)が掲載禁止用語(有害な情報)を含むか否かが電子掲示板を提供するWEBサーバ(サーバ)によりチェックされる。そして、WEBサーバによるチェックの結果、掲示板の利用者により投稿された文章が掲載禁止用語を含むと判断された場合には、その文章は電子掲示板に掲示されない。このように、上記特許文献1に記載の掲示板システムでは、WEBサーバによるチェックの結果に基づいて、有害な情報のフィルタリングが行われる。
【0004】
上記特許文献1に記載のフィルタリング技術を、サーバから取得した情報および映像を表示部に表示可能な従来の映像装置に適用することが考えられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−257346号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、サーバから取得した情報および映像を表示部に表示可能な従来の映像装置に上記特許文献1に記載のフィルタリング技術を適用する場合では、不特定多数の投稿者により投稿された全ての情報の内容をサーバにチェックさせるため、サーバの負担が過度に増大し、その結果、映像装置のユーザに適切なタイミングで情報を提供することが困難になるという問題点がある。
【0007】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の1つの目的は、サーバの負担が過度に増大することに起因して映像装置のユーザに適切なタイミングで情報が提供されなくなるのを抑制しながら、有害な情報のフィルタリングを行うことが可能な映像装置を提供することである。
【課題を解決するための手段および発明の効果】
【0008】
この発明の第1の局面による映像装置は、複数のユーザにより投稿されるコメント情報を格納するコメント情報サーバにネットワークを介して接続される通信部と、コメント情報サーバに格納されたコメント情報をコメント情報サーバから通信部を介して取得するとともに、取得したコメント情報および映像を表示可能な表示部の表示内容を制御する制御部とを備え、制御部は、取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、取得したコメント情報の表示部への表示を制限するように構成されている。
【0009】
この発明の第1の局面による映像装置では、上記のように、制御部を、コメント情報サーバから取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、取得したコメント情報の表示部への表示を制限するように構成する。これにより、映像装置に設けられている制御部によって、有害な文字情報を含むコメント情報が表示部に表示されるのを制限することができるので、不特定多数の投稿者により投稿された全ての情報の内容をサーバにチェックさせる場合と異なり、サーバの負担が過度に増大することに起因して映像装置のユーザに適切なタイミングで情報が提供されなくなるのを抑制しながら、有害な情報のフィルタリングを行うことができる。また、この映像装置の制御部による有害な情報のフィルタリングは、サーバに投稿された情報の全てではなく、サーバから取得した情報のみを対象として行われるので、映像装置の制御部の負担が過度に増大することを抑制することもできる。
【0010】
上記第1の局面による映像装置において、好ましくは、制御部は、有害な文字情報が複数登録された有害文字情報データベースに基づいて、コメント情報サーバから取得されたコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、有害文字情報データベースにより、コメント情報サーバから取得されたコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを容易に判断することができるので、有害な情報のフィルタリングを容易に行うことができる。
【0011】
この場合、好ましくは、通信部は、有害文字情報データベースを格納する有害文字情報サーバにネットワークを介して接続されており、制御部は、有害文字情報データベースを有害文字情報サーバから通信部を介して取得するとともに、取得した有害文字情報データベースに基づいて、コメント情報サーバから取得されたコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成されている。このように構成すれば、有害文字情報データベースを有害文字情報サーバから通信部を介して取得することにより、有害文字情報データベースを手動で作成する場合と異なり、有害文字情報データベースを容易に入手することができる。
【0012】
上記通信部が有害文字情報サーバに接続されている映像装置において、好ましくは、有害文字情報サーバから取得された有害文字情報データベースを記憶する記憶部をさらに備え、制御部は、有害文字情報データベースを有害文字情報サーバから通信部を介して定期的に取得することにより、記憶部に記憶された有害文字情報データベースを定期的に更新するように構成されている。このように構成すれば、記憶部に記憶された有害文字情報データベースが定期的に更新されるので、有害文字情報データベースの内容が変化した場合であっても、その変化に対応した有害文字情報データベースを入手することができる。
【0013】
上記第1の局面による映像装置において、好ましくは、コメント情報サーバから取得されたコメント情報は、複数のコメント情報を含み、制御部は、コメント情報サーバから取得された複数のコメント情報を順次切り替えながら表示部に表示させる制御を行うことが可能なように構成されているとともに、表示部に現在表示されているコメント情報を切り替える際において、次に表示部に表示させるコメント情報が有害な文字情報を含むと判断した場合には、有害な文字情報を含むコメント情報を表示部に表示させない一方、次に表示部に表示させるコメント情報が有害な文字情報を含まないと判断した場合には、有害な文字情報を含まないコメント情報を表示部に表示させる制御を行うように構成されている。このように構成すれば、コメント情報サーバから取得された複数のコメント情報が順次切り替わりながら表示部に表示される際に、有害な文字情報を含むコメント情報は表示部に表示されない一方、有害な文字情報を含まないコメント情報は表示部に表示されるので、コメント情報サーバから取得された複数のコメント情報のうち、有害な文字情報を含まないコメント情報のみを順次視覚的に認識することができる。
【0014】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置は、複数のユーザにより投稿されるコメント情報を格納するコメント情報サーバにネットワークを介して接続される通信部と、テレビジョン放送を受信する放送受信部と、コメント情報サーバに格納されたコメント情報をコメント情報サーバから通信部を介して取得するとともに、取得したコメント情報およびテレビジョン放送を表示可能な表示部の表示内容を制御する制御部とを備え、制御部は、取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、取得したコメント情報の表示部への表示を制限するように構成されている。
【0015】
この発明の第2の局面によるテレビジョン装置では、上記のように、制御部を、コメント情報サーバから取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、取得したコメント情報の表示部への表示を制限するように構成する。これにより、テレビジョン装置に設けられている制御部によって、有害な文字情報を含むコメント情報が表示部に表示されるのを制限することができるので、不特定多数の投稿者により投稿された全ての情報の内容をサーバにチェックさせる場合と異なり、サーバの負担が過度に増大することに起因してテレビジョン装置のユーザに適切なタイミングで情報が提供されなくなるのを抑制しながら、有害な情報のフィルタリングを行うことができる。また、この映像装置の制御部による有害な情報のフィルタリングは、サーバに投稿された情報の全てではなく、サーバから取得した情報のみを対象として行われるので、映像装置の制御部の負担が過度に増大することを抑制することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置の表示部にコメント情報が1つずつ切り替わりながら表示される際の表示画面の遷移を示した図である。
【図3】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置の表示部にコメント情報の切替表示が行われる際におけるCPUの制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図4】本発明の一実施形態によるテレビジョン装置のメモリに有害文字情報データベースの記憶(更新)が行われる際におけるCPUの制御動作を説明するためのフローチャートである。
【図5】本発明の一実施形態の変形例によるBD(Blu−Ray Disc)プレーヤの構成を示したブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
【0018】
まず、図1および図2を参照して、本発明の一実施形態によるテレビジョン装置10の構成について説明する。なお、テレビジョン装置10は、本発明の「映像装置」の一例である。
【0019】
本発明の一実施形態によるテレビジョン装置10は、図1に示すように、放送受信部11と、通信部12と、CPU13と、表示部14と、映像出力部15と、リモコン受信部16と、リモコン17と、メモリ18とを備えている。なお、CPU13は、本発明の「制御部」の一例である。また、メモリ18は、本発明の「記憶部」の一例である。
【0020】
放送受信部11は、アンテナ20を介してテレビジョン放送を受信するように構成されている。また、通信部12は、ルータ30およびインターネット40を介してコメント情報サーバ50に接続されている。なお、インターネット40は、本発明の「ネットワーク」の一例である。
【0021】
ここで、コメント情報サーバ50とは、複数のユーザ(投稿者)が通信端末(たとえば、PCやスマートフォンなど)を用いてインターネット40を介して投稿したコメント情報を格納するサーバである。なお、コメント情報とは、投稿者がコメント情報サーバ50に投稿したコメントの内容を示すコメント本文や、そのコメントを投稿した投稿者の名前(投稿者名)や、コメントがコメント情報サーバ50に投稿された時刻と現在時刻との差分時間などを含む情報データである。
【0022】
本実施形態では、コメント情報サーバ50は、複数の投稿者によりコメント情報サーバ50に投稿された複数のコメント情報をランダムに抽出する機能を有している。このようなコメント情報サーバ50の一例として、たとえば、twitter(登録商標)サーバが挙げられる。twitter(登録商標)サーバでは、上記のようなコメント情報(ツイート)をランダムに抽出する機能として、「public timeline」という機能が実装されている。
【0023】
また、本実施形態では、通信部12は、ルータ30およびインターネット40を介して有害文字情報サーバ60に接続されている。なお、有害文字情報サーバ60とは、有害な文字情報(たとえば、性的または暴力的な内容を示す文字(文言)に関する情報データ)が複数登録された有害文字情報データベース61を格納するサーバである。
【0024】
CPU13は、表示部14の表示内容の制御を行うなど、テレビジョン装置10の各部の制御を行うことが可能なように構成されている。たとえば、CPU13は、放送受信部11により受信されたテレビジョン放送(映像)を映像出力部15を介して表示部14に出力することにより、表示部14にテレビジョン放送を表示再生させることが可能なように構成されている。なお、テレビジョン放送は、略矩形形状を有する表示部14の略全面に設けられる映像表示領域141(図2参照)の内部で表示再生される。
【0025】
リモコン受信部16は、リモコン17からの信号を受信するように構成されている。このリモコン受信部16により受信された信号は、CPU13に送信される。これにより、テレビジョン装置10のユーザは、リモコン17の操作(十字キー17aや決定キー17bなどを用いた選択決定操作)を行うことによって、テレビジョン装置10全体の制御を行うことができる。たとえば、テレビジョン装置10のユーザは、リモコン17を操作することにより、テレビジョン装置10(CPU13)の後述する映像とコメント情報とを共に表示部14に表示させる機能(以下、コメント表示機能と呼ぶ)を呼び出したり、終了させたりすることができる。
【0026】
本実施形態では、CPU13は、テレビジョン装置10のユーザによるリモコン17の操作によってコメント表示機能が呼び出された場合に、複数(たとえば、20個)のコメント情報を通信部12を介してコメント情報サーバ50から所定の時間間隔(たとえば、2分間隔)で取得するように構成されている。また、CPU13は、上記コメント情報サーバ50から取得した複数のコメント情報を投稿時刻の古い順に1つずつ順次切り替えながらテレビジョン放送(映像)と共に表示部14に表示させる(図2参照)ことが可能なように構成されている。なお、コメント情報は、表示部14の下側(矢印Y1方向側)の端部に左右方向(X方向)に延びるように設けられるコメント情報表示領域142(図2参照)の内部で順次切り替わりながら表示される。
【0027】
上記のようにコメント情報が映像と共に表示部14に表示される際では、図2(a)および(c)に示すように、コメント情報表示領域142の内部には、投稿者名(投稿者S、投稿者M)、コメント本文(Hello、こんにちは)および差分時間(4分前、2分前)が表示される吹き出し142aと、吹き出し142aに表示される投稿者名に対応する画像(アイコン)からなる投稿者アイコン142bとが表示される。投稿者アイコン142bは、コメント情報表示領域142の内部の左側(矢印X1方向側)の端部に表示される。また、吹き出し142aは、コメント情報表示領域142の内部の投稿者アイコン142bの右側(矢印X2方向側)に表示される。なお、これら吹き出し142aおよび投稿者アイコン142bは、図2(b)に示すように、コメント情報表示領域142に表示されるコメント情報が切り替わる際に、一旦非表示となるように構成されている。
【0028】
また、コメント情報表示領域142は、映像表示領域141に重なるように表示される。このコメント情報表示領域142の内部の吹き出し142aおよび投稿者アイコン142bが表示された部分以外の部分は、透過処理されており、映像表示領域141で表示再生されている映像を表示可能なように構成されている。これにより、映像表示領域141で表示再生されている映像の視聴がコメント情報表示領域142により妨げられるのが抑制される。
【0029】
ここで、本実施形態では、CPU13は、コメント情報を表示部14のコメント情報表示領域142に表示させる際に、そのコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成されている。また、CPU13は、上記コメント情報が有害な文字情報を含むか否かの判断結果に基づいて、コメント情報の表示部14への表示を制限するように構成されている。
【0030】
具体的には、CPU13は、表示部14に現在表示されているコメント情報を切り替える際において、次に表示部14に表示させるコメント情報が有害な文字情報を含むと判断した場合には、その有害な文字情報を含むコメント情報を表示部14に表示させない一方、次に表示部14に表示させるコメント情報が有害な文字情報を含まないと判断した場合には、その有害な文字情報を含まないコメント情報を表示部14に表示させる制御を行うように構成されている。
【0031】
また、本実施形態では、CPU13は、上記コメント情報が有害な文字情報を含むか否かの判断を、有害な文字情報が複数登録された有害文字情報データベース61に基づいて行うように構成されている。具体的には、CPU13は、有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から通信部12を介して取得するとともに、取得した有害文字情報データベース61に基づいて、上記コメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成されている。
【0032】
なお、CPU13により有害文字情報サーバ60から取得された有害文字情報データベース61は、メモリ18に記憶される。このメモリ18には、有害文字情報サーバ60から取得された有害文字情報データベース61やコメント情報サーバ50から取得されたコメント情報などの種々のデータの他、CPU13により実行される種々のプログラムなどが記憶される。本実施形態では、CPU13は、有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から通信部12を介して定期的に取得することにより、メモリ18に記憶された有害文字情報データベース61を定期的に(たとえば、24時間間隔で)更新するように構成されている。
【0033】
次に、図2および図3を参照して、本発明の一実施形態によるテレビジョン装置10の表示部14にコメント情報の切替表示が行われる際におけるCPU13の処理フローについて説明する。このコメント情報の切替表示処理は、テレビジョン装置10のユーザによるリモコン17の操作(十字キー17aや決定キー17bなどを用いた選択決定操作)によってコメント表示機能が呼び出された場合に、開始する。
【0034】
まず、図3に示すように、ステップS1において、メモリ18に有害文字情報データベース61が記憶されているか否かが判断される。このステップS1における判断は、メモリ18に有害文字情報データベース61が記憶されていると判断されるまで繰り返される。そして、メモリ18に有害文字情報データベース61が記憶されていると判断された場合には、ステップS2に進む。
【0035】
次に、ステップS2において、コメント情報サーバ50から複数のコメント情報が取得される。このステップS2においては、たとえば、コメント情報サーバ50によりランダムに抽出された20個のコメント情報が通信部12を介して取得される。
【0036】
次に、ステップS3において、上記ステップS2においてコメント情報サーバ50から取得された複数のコメント情報の中に、有害な文字情報を含むか否かを判断していない(後述するステップS6における判断の対象となっていない)コメント情報があるか否かが判断される。
【0037】
ステップS3において、複数のコメント情報の中に有害な文字情報を含むか否かの判断の対象となっていないコメント情報がないと判断された場合には、ステップS4に進む。そして、ステップS4において、前回コメント情報サーバ50からコメント情報を取得した時から一定時間(たとえば、2分)経過したか否かが判断される。このステップS4における判断は、前回コメント情報サーバ50からコメント情報を取得した時から2分経過したと判断されるまで繰り返される。そして、前回コメント情報サーバ50からコメント情報を取得した時から2分経過したと判断された場合には、上記ステップS2に戻り、コメント情報サーバ50によりランダムに抽出された20個のコメント情報が新たに取得される。
【0038】
また、ステップS3において、複数のコメント情報の中に有害な文字情報を含むか否かの判断の対象となっていないコメント情報があると判断された場合には、ステップS5に進む。そして、ステップS5において、上記有害な文字情報を含むか否かの判断の対象となっていないコメント情報の中から、表示部14に表示させるコメント情報が選択される。なお、このステップS5においては、投稿時刻の古いコメント情報から順番に表示部14に表示させるコメント情報として選択される。
【0039】
次に、ステップS6において、上記ステップS5において選択されたコメント情報が有害な文字情報を含むか否かが判断される。具体的には、上記ステップS5において選択されたコメント情報が、メモリ18に記憶された有害文字情報データベース61に登録された複数の有害な文字情報の各々と一致する文字情報を含んでいるか否かが判断される。
【0040】
ステップS6においては、上記ステップS5において選択されたコメント情報が有害な文字情報を含むと判断された場合に、そのコメント情報の表示部14への表示が行われず、上記ステップS3に戻る。一方、ステップS6においては、上記ステップS5において選択されたコメント情報が有害な文字情報を含まないと判断された場合に、ステップS7に進む。
【0041】
ステップS7においては、コメント情報の切替表示が行われる。たとえば、図2(a)に示すように、コメント情報が表示部14に現在表示されている場合には、図2(b)に示すように、表示部14に表示されているコメント情報が一旦非表示とされ、その後、図2(c)に示すように、次のコメント情報(上記ステップS5において選択されたコメント情報)が表示部14に表示される。そして、上記ステップS3に戻る。
【0042】
なお、上記ステップS1〜S7で示したコメント情報の切替表示処理は、テレビジョン装置10のユーザによるリモコン17の操作(十字キー17aや決定キー17bなどを用いた選択決定操作)によってコメント表示機能が終了された場合に、終了する。
【0043】
次に、図4を参照して、本発明の一実施形態によるテレビジョン装置10のメモリ18に有害文字情報データベース61の記憶(更新)が行われる際におけるCPU13の処理フローについて説明する。この有害文字情報データベース61の記憶(更新)処理は、テレビジョン装置10のユーザによるリモコン17の操作(十字キー17aや決定キー17bなどを用いた選択決定操作)によってコメント表示機能が呼び出された場合に、開始する。
【0044】
まず、図4に示すように、ステップS11において、有害文字情報サーバ60に格納された有害文字情報データベース61が通信部12を介して取得される。次に、ステップS12において、有害文字情報サーバ60から取得された有害文字情報データベース61がメモリ18に記憶される。なお、ステップS12において、メモリ18に有害文字情報データベース61が既に記憶されていた場合には、既に記憶されていた有害文字情報データベース61が新たな有害文字情報データベース61(直近のステップS11において取得された有害文字情報データベース61)に更新される。
【0045】
次に、ステップS13において、前回有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から取得した時から一定時間(たとえば、2分)経過したか否かが判断される。このステップS13における判断は、前回有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から取得した時から2分経過したと判断されるまで繰り返される。そして、前回有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から取得した時から2分経過したと判断された場合には、上記ステップS11に戻り、有害文字情報サーバ60から有害文字情報データベース61が新たに取得される。
【0046】
なお、上記ステップS11〜S13で示した有害文字情報データベース61の更新処理は、テレビジョン装置10のユーザによるリモコン17の操作(十字キー17aや決定キー17bなどを用いた選択決定操作)によってコメント表示機能が終了された場合に、終了する。
【0047】
本実施形態では、上記のように、CPU13を、コメント情報サーバ50から取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、取得したコメント情報の表示部14への表示を制限するように構成する。これにより、テレビジョン装置10に設けられているCPU13によって、有害な文字情報を含むコメント情報が表示部14に表示されるのを制限することができるので、不特定多数の投稿者により投稿された全ての情報の内容をコメント情報サーバ50にチェックさせる場合と異なり、コメント情報サーバ50の負担が過度に増大することに起因してテレビジョン装置10のユーザに適切なタイミングで情報が提供されなくなるのを抑制しながら、有害な情報のフィルタリングを行うことができる。また、このテレビジョン装置10のCPU13による有害な情報のフィルタリングは、コメント情報サーバ50に投稿された情報の全てではなく、コメント情報サーバ50から取得した情報のみを対象として行われるので、テレビジョン装置10のCPU13の負担が過度に増大することを抑制することもできる。
【0048】
また、本実施形態では、上記のように、CPU13を、有害な文字情報が複数登録された有害文字情報データベース61に基づいて、コメント情報サーバ50から取得されたコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成する。これにより、有害文字情報データベース61により、コメント情報サーバ50から取得されたコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを容易に判断することができるので、有害な情報のフィルタリングを容易に行うことができる。
【0049】
また、本実施形態では、上記のように、通信部12を、有害文字情報データベース61を格納する有害文字情報サーバ60にインターネット40を介して接続する。また、CPU13を、有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から通信部12を介して取得するとともに、取得した有害文字情報データベース61に基づいて、コメント情報サーバ50から取得されたコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成する。これにより、有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から通信部12を介して取得することにより、有害文字情報データベース61を手動で作成する場合と異なり、有害文字情報データベース61を容易に入手することができる。
【0050】
また、本実施形態では、上記のように、有害文字情報サーバ60から取得された有害文字情報データベース61を記憶するメモリ18を設け、CPU13を、有害文字情報データベース61を有害文字情報サーバ60から通信部12を介して定期的に取得することにより、メモリ18に記憶された有害文字情報データベース61を定期的に更新するように構成する。これにより、メモリ18に記憶された有害文字情報データベース61が定期的に更新されるので、有害文字情報データベース61の内容が変化した場合であっても、その変化に対応した有害文字情報データベース61を入手することができる。
【0051】
また、本実施形態では、上記のように、CPU13を、表示部14に現在表示されているコメント情報を切り替える際において、次に表示部14に表示させるコメント情報が有害な文字情報を含むと判断した場合には、有害な文字情報を含むコメント情報を表示部14に表示させない一方、次に表示部14に表示させるコメント情報が有害な文字情報を含まないと判断した場合には、有害な文字情報を含まないコメント情報を表示部14に表示させる制御を行うように構成する。これにより、コメント情報サーバ50から取得された複数のコメント情報が順次切り替わりながら表示部14に表示される際に、有害な文字情報を含むコメント情報は表示部14に表示されない一方、有害な文字情報を含まないコメント情報は表示部14に表示されるので、コメント情報サーバ50から取得された複数のコメント情報のうち、有害な文字情報を含まないコメント情報のみを順次視覚的に認識することができる。
【0052】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0053】
たとえば、上記実施形態では、本発明の映像装置として、テレビジョン装置を用いる例を示したが、本発明はこれに限らない。たとえば、本発明の映像装置として、セットトップボックスや、図5に示す変形例のようなBD(Blu−Ray Disc)レコーダ70などを用いてもよい。
【0054】
図5に示すように、上記実施形態の変形例によるBDレコーダ70は、通信部72と、CPU73と、BDドライブ74と、映像出力部75と、リモコン受信部76と、リモコン77と、メモリ78とを備えているとともに、表示部81を有するテレビジョン装置80に接続されている。この変形例によるBDプレーヤ70は、上記実施形態によるテレビジョン装置10と同様の機能を有している。具体的には、BDプレーヤ70は、BDプレーヤ70のユーザによるリモコン77の操作(十字キー77aや決定キー77bなどを用いた選択決定操作)に基づいて、コメント情報サーバ50からコメント情報を取得するとともに、取得したコメント情報をテレビジョン装置80の表示部81に表示させる機能を有している。
【0055】
また、この変形例によるBDプレーヤ70のCPU73は、コメント情報サーバ50から取得したコメント情報をテレビジョン装置80の表示部81に表示させる際に、上記実施形態によるテレビジョン装置10のCPU13と同様の処理を行うように構成されている。すなわち、CPU73は、コメント情報サーバ50から取得したコメント情報をテレビジョン装置80の表示部81に表示させる際に、コメント情報サーバ50から取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、コメント情報のテレビジョン装置80の表示部81への表示を制限するように構成されている。
【0056】
また、上記実施形態では、有害な文字情報を含むコメント情報を表示部に表示させるテレビジョン装置を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、コメント情報に含まれる全ての文字情報のうち、有害な文字情報に該当する部分のみを表示部に表示させず、有害な文字情報に該当しない部分を表示部に表示させるテレビジョン装置としてもよい。
【0057】
また、上記実施形態では、コメント情報サーバからランダムに抽出された複数のコメント情報を取得するとともに、取得した複数のコメント情報をテレビジョン放送と共に表示部に表示させるテレビジョン装置を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、コメント情報サーバに格納された複数のコメント情報が複数のカテゴリにカテゴリ分けされている場合に、それら複数のカテゴリ毎に取得した複数のコメント情報をテレビジョン放送と共に表示部に表示させるテレビジョン装置であってもよい。たとえば、twitter(登録商標)サーバでは、上記のようなカテゴリ分けの手段として、「リスト」という機能などが実装されている。
【0058】
また、上記実施形態では、20個のコメント情報を2分間隔でコメント情報サーバから取得するテレビジョン装置を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、コメント情報サーバから取得するコメント情報の数を19個以下としてもよいし、21個以上としてもよい。また、コメント情報の取得間隔を2分間隔より短くしてもよいし、2分間隔より長くしてもよい。
【0059】
また、上記実施形態では、図2に示すように、コメント情報サーバから取得した複数のコメント情報を1つずつ順次切り替えながら表示部に表示させるテレビジョン装置を示したが、本発明はこれに限らない。本発明では、表示部に順次切り替わりながら表示されるコメント情報が2つ以上であってもよい。
【符号の説明】
【0060】
10 テレビジョン装置(映像装置)
11 放送受信部
12 通信部
13、73 CPU(制御部)
14、81 表示部
18、78 メモリ
40 インターネット(ネットワーク)
50 コメント情報サーバ
60 有害文字情報サーバ
61 有害文字情報データベース
70 BDプレーヤ(映像装置)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のユーザにより投稿されるコメント情報を格納するコメント情報サーバにネットワークを介して接続される通信部と、
前記コメント情報サーバに格納されたコメント情報を前記コメント情報サーバから前記通信部を介して取得するとともに、取得した前記コメント情報および映像を表示可能な表示部の表示内容を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、前記取得したコメント情報の前記表示部への表示を制限するように構成されている、映像装置。
【請求項2】
前記制御部は、前記有害な文字情報が複数登録された有害文字情報データベースに基づいて、前記コメント情報サーバから取得されたコメント情報が前記有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成されている、請求項1に記載の映像装置。
【請求項3】
前記通信部は、前記有害文字情報データベースを格納する有害文字情報サーバにネットワークを介して接続されており、
前記制御部は、前記有害文字情報データベースを前記有害文字情報サーバから前記通信部を介して取得するとともに、取得した前記有害文字情報データベースに基づいて、前記コメント情報サーバから取得されたコメント情報が前記有害な文字情報を含むか否かを判断するように構成されている、請求項2に記載の映像装置。
【請求項4】
前記有害文字情報サーバから取得された前記有害文字情報データベースを記憶する記憶部をさらに備え、
前記制御部は、前記有害文字情報データベースを前記有害文字情報サーバから前記通信部を介して定期的に取得することにより、前記記憶部に記憶された前記有害文字情報データベースを定期的に更新するように構成されている、請求項3に記載の映像装置。
【請求項5】
前記コメント情報サーバから取得されたコメント情報は、複数の前記コメント情報を含み、
前記制御部は、前記コメント情報サーバから取得された前記複数のコメント情報を順次切り替えながら前記表示部に表示させる制御を行うことが可能なように構成されているとともに、前記表示部に現在表示されているコメント情報を切り替える際において、次に前記表示部に表示させるコメント情報が前記有害な文字情報を含むと判断した場合には、前記有害な文字情報を含むコメント情報を前記表示部に表示させない一方、次に前記表示部に表示させるコメント情報が前記有害な文字情報を含まないと判断した場合には、前記有害な文字情報を含まないコメント情報を前記表示部に表示させる制御を行うように構成されている、請求項1〜4のいずれか1項に記載の映像装置。
【請求項6】
複数のユーザにより投稿されるコメント情報を格納するコメント情報サーバにネットワークを介して接続される通信部と、
テレビジョン放送を受信する放送受信部と、
前記コメント情報サーバに格納されたコメント情報を前記コメント情報サーバから前記通信部を介して取得するとともに、取得した前記コメント情報および前記テレビジョン放送を表示可能な表示部の表示内容を制御する制御部とを備え、
前記制御部は、前記取得したコメント情報が有害な文字情報を含むか否かを判断するとともに、判断結果に基づいて、前記取得したコメント情報の前記表示部への表示を制限するように構成されている、テレビジョン装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2012−175118(P2012−175118A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−31694(P2011−31694)
【出願日】平成23年2月17日(2011.2.17)
【出願人】(000201113)船井電機株式会社 (7,855)
【Fターム(参考)】