説明

映像記録装置および映像記録方法

【課題】映像記録装置のコストアップがなく、かつ圧縮効率を低下させることなく、停電発生時に再生可能な映像情報の消失区間を減らすことができ、停電復帰時にスムーズに録画処理を再開することができる映像記録装置を提供する。
【解決手段】映像ストリーム情報を取得するとともに当該映像ストリーム情報の再生時に用いられる再生制御情報を周期的に取得するストリーム制御部110と、電力の状態を示す電源状態および稼動の状態を示す動作状態を含む装置全体のシステム状態の情報を取得するシステム状態取得部151と、システム状態取得部151で取得されたシステム状態の情報に基づいて前記再生制御情報の取得周期を変更する更新周期管理部152とを備えたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、ハードディスク装置や光ディスク装置等の情報記録媒体に映像情報を記録する映像記録装置および映像記録方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般に、デジタル放送番組をハードディスクや光ディスクドライブに録画する映像記録装置が知られている。放送番組などを録画する場合、ハードディスクや光ディスクには符号化圧縮された映像ストリーム情報と、この映像ストリーム情報の再生時に用いられる再生制御情報とが記録される。このような放送番組の録画においては、映像ストリーム情報をリアルタイムで記録しながら、再生制御情報の更新処理を随時行うことは非常にシステム負荷が大きくなる。とくに、組込み機器においては、コスト上昇を抑えるためにCPU性能(周波数やキャッシュ)は非力なCPUとなっており、再生制御情報の更新処理がシステムに及ぼす影響は大きくなる。
【0003】
そこで、システム負荷を少なくするために、再生制御情報を一定の周期で更新すする方法が一般的に採用されている。再生制御情報の更新周期を短くしすぎると、ユーザー操作の応答性が悪くなったり、録画中に再生画像を視聴するなどの同時処理中に再生映像が乱れたりするなどの問題が発生する場合がある。とくに、上述のような組込み機器では廉価なCPUであるにも関わらず録画中に複数の同時処理が行われることがあるため、再生制御情報の更新周期は通常3分など長い時間が設定される。この場合、映像ストリーム情報を管理する再生制御情報は3分周期で更新されることになる。このような3分周期で再生制御情報が更新される設定において、再生制御情報が取得される時刻に停電が発生した場合、たとえ停電復帰後に映像ストリーム情報を取得できても、その映像ストリーム情報に対応した再生制御情報が取得できていないため、最大で3分間の映像区間が再生できなくなるという問題があった。
【0004】
このような問題を解決する1つの方法として、再生制御情報の更新周期中のデータを別の不揮発メモリに蓄えておき、停電復帰時に記録された映像ストリーム情報と当該不揮発メモリに蓄積されたバックアップ用の再生制御情報との不整合を修正して映像ストリーム情報用の再生制御情報を再構築する方法が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
また別の方法として、再生制御情報の更新周期中のデータを、記録中の映像ストリーム情報間にバックアップ用の情報としてインターリーブ記録しておき、停電復帰時に記録された映像ストリーム情報とインターリーブ記録されたバックアップ用の情報との不整合を修正して映像ストリーム情報用の再生制御情報を再構築する方法が知られている(例えば、特許文献2参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2002−84498号公報(5頁、図5)
【特許文献2】特開2004−178788号公報(4−8頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、更新周期中の再生制御情報のバックアップ情報を不揮発メモリに蓄積しておく従来の方法においては、高価な不揮発メモリを別途備える必要があり装置のコストアップにつながる。また、停電復帰時に再生制御情報の再構築を行う必要があり、停電復帰時に速やかに録画処理を再開できないといった問題が発生する。
【0008】
また、再生制御情報の更新周期中のデータを、記録中の映像ストリーム情報間にバックアップ用の情報としてインターリーブ記録しておく従来の方法においては、映像ストリーム情報にインターリーブ記録されるバックアップデータは通常の再生時には不要な情報として数多く記録されるため、非常に圧縮効率の悪い映像ストリーム情報が記録される。また映像ストリーム情報は物理的な記録位置としてシーケンシャルに記録されないため、再生時の読出し処理においても、無駄なシーク処理が発生することになる。さらには、停電復帰時に再生制御情報の再構築を行う必要があり、停電復帰時に速やかに録画処理を再開できないといった問題が発生する。
【0009】
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、映像記録装置のコストアップがなく、かつ圧縮効率を低下させることなく、停電発生時に再生可能な映像情報の消失区間を減らすことができ、停電復帰時にスムーズに録画処理を再開することができる映像記録装置を提供することを目的とする。また、簡単なアルゴリズムで実装できるため、安価なCPUが搭載されている組込み機器に適用できる。
【課題を解決するための手段】
【0010】
この発明に係る映像記録装置は、
映像ストリーム情報を取得するとともに当該映像ストリーム情報の再生時に用いられる再生制御情報を周期的に取得するストリーム制御部と、
電力の状態を示す電源状態および稼動の状態を示す動作状態を含む装置全体のシステム状態の情報を取得するシステム状態取得部と、
システム状態取得部で取得されたシステム状態の情報に基づいて前記再生制御情報の取得周期を変更する更新周期管理部と
を備えたものである。
【発明の効果】
【0011】
この発明は、電源状態や動作状態を含むシステム状態の情報に基づいて、再生制御情報の取得周期を変更することにより、ユーザー操作への応答性が不要な時間帯に限定して、再生制御情報の更新周期を短くすることができる。このため、映像記録装置のコストアップがなく、停電発生時に再生可能な映像情報の消失区間を減らすことができ、停電復帰時にスムーズに録画処理を再開することができる。また、簡便なアルゴリズムで実装可能なため、組込み機器で用いる安価なCPUでも処理を行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施の形態1に係る映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る記録再生ドライブ部の論理ファイル構造図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係るアドレス管理ファイルのシンタックスを示す図である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る再生制御情報ファイルのシンタックスを示す図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係るタイトル構成を示す図である。
【図6】この発明の実施の形態1に係るデータ更新周期に関しての説明図である。
【図7】この発明の実施の形態1に係る映像記録装置の動作フローを示した図である。
【図8】この発明の実施の形態2に係る映像記録装置の構成を示すブロック図である。
【図9】この発明の実施の形態2に係る著作権保護情報に関するストリーム処理負荷換算表である。
【図10】この発明の実施の形態2に係るストリーム属性情報に関するストリーム処理負荷換算表である。
【図11】この発明の実施の形態2に係るシステム処理負荷ポイントと更新周期との対応を示した更新周期対応表である。
【図12】この発明の実施の形態2に係る映像記録装置の動作フローを示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
実施の形態1.
図1は、この発明を実施するための実施の形態1に係る映像記録装置100の構成を示すブロック図である。図1において、システム制御部101は、CPUやファームウェアを記憶した記憶部などを総称したものであり、映像記録装置100全体を統合制御している。映像記録装置100は、例えばハードディスク装置等の情報記録の読出しおよび書込みができる記録再生ドライブ部102を具備する。なお本実施の形態においては、記録再生ドライブ部102をハードディスク装置として説明を進めるが、ハードディスク装置の替わりに光ディスクドライブ装置やSDメディアドライブでも構わない。その場合、光ディスクメディアやSDメディア上にストリーム情報と再生制御情報とが記録され、記録再生ドライブ部102を通じて、読出しや書込みが行なわれる。
【0014】
記録再生ドライブ部102には、後述する符号化映像が多重化されたストリーム情報、および当該ストリーム情報の再生制御情報が記録されている。再生制御情報には、記録再生ドライブ部102に記録されるストリーム情報から分離した符号化映像・音声ストリームに関する映像や音声の属性情報や、ストリーム情報のアクセス単位(通常GOP単位)で再生開始時間情報と再生開始位置情報の対応関係を示す情報などが含まれている。
【0015】
放送受信部103は、あらかじめMPEG−2 TransportStream(以下、MPEG−2 TS)で符号化圧縮したデジタル放送波を受信する。デジタル放送波は複数番組の映像音声が多重化されていてもよい。その場合、当該放送受信部103にて、選択番組のMPEG−2 TSのみが抽出される。
【0016】
ネットワーク受信部104は、セットトップボックスのような受信機から、ネットワーク経由でデジタル放送番組を受信する。ネットワーク受信部104は、セットトップボックスから送出されるMPEG−2 TS、およびMPEG−4 AVCの番組を受信する機能を備えている。
【0017】
ストリーム制御部110は、システム全体のストリームの流れを統括制御している。ストリーム制御部110内には、復号化部111、ストリーム情報取得部112および暗号化部113が存在する。一般に、放送受信部103やネットワーク受信部104から送出される映像が著作権保護された番組である場合、所定の著作権保護規定でストリーム情報が暗号化されている。そのため受信した番組を復号化部111にて復号化し、ストリーム情報取得部112でストリーム情報中からコピー制御情報を読み取り、当該コピー制御情報に基づいて暗号化部113により適切な暗号化処理を実施した上で記録再生ドライブ部102にストリーム情報が書き込まれる。
【0018】
なお所定の著作権保護方式とは、地上デジタル放送を受信する場合はCAS方式、ネットワーク経由で配信される情報についてはDTCP−IP方式、光ディスクへの書き込み時にはAACS方式、ハードディスクへの書き込み時にはC2方式などであり、それぞれの方式で復号化処理や暗号化処理が行われる。これらの著作権保護方式によって、暗号強度や機器認証方式が異なるため、当該復号化処理や暗号化処理がシステム負荷与える影響も異なる。
【0019】
次に、本実施の形態における記録処理の流れについて説明する。地上デジタル放送番組を記録する場合、放送受信部103にて受信したMPEG−2 TSは、ストリーム制御部110に供給される。ストリーム制御部110に供給されたMPEG−2 TSのストリーム情報は、システム制御部101からの指示に基づいて前述した復号化処理、ストリーム解析処理および暗号化処理が順次行われ、記録再生ドライブ部102であるハードディスクに記録される。
【0020】
また、ストリーム情報取得部112では、ストリーム記録処理の過程で、アクセス単位(GOP単位)毎に、システム制御部101に対して、再生制御情報を構成する情報である再生開始時間情報、再生開始位置情報、および映像情報の属性情報などを通知する。システム制御部101は、自身が管理するメモリ部120に当該再生開始時間情報、再生開始位置情報、および映像情報の属性情報などを、記録に適したデータフォーマットで保持する。このときのデータフォーマットは、再生制御情報を構成するための一時記録用情報であり、再生制御情報(一時記録)と呼ぶ。なお当該再生制御情報(一時記録)は、次のアクセスがしやすいようにデータベース化して記録しても構わない。
【0021】
さらに、システム制御部101は、後述する更新周期管理部152からの更新指示によって、メモリ部120に展開された再生制御情報(一時記録)から再生制御情報に再構築した後、ストリーム制御部110経由で記録再生ドライブ部102への再生制御情報の更新処理が行われる。
【0022】
次に、本実施の形態の映像記録装置100における再生処理の流れについて説明する。記録再生ドライブ部102に記録されたストリーム情報を再生する場合、システム制御部101は、まず始めに再生対象のストリーム情報に関連する再生制御情報を記録再生ドライブ部102から読み出し、メモリ部120に保持する。システム制御部101は、読み出した再生制御情報に基づいて、ストリーム制御部110や映像音声デコーダ部114などに対して再生準備を行うよう指示する。
【0023】
その後、ストリーム制御部110は、記録再生ドライブ102に記録されたストリーム情報を読み出し、映像音声デコーダ部114に供給する。
【0024】
映像音声デコーダ部114は、ストリーム情報を逐次取り込んだ後に、符号化圧縮された映像ストリームまたは音声ストリームに分離する。さらに、映像音声デコーダ部114は、MPEG−2などで符号化された映像ストリームにデコード処理を行い出力映像信号に復号するとともに、AC−3などで符号化された音声ストリームにもデコード処理を行い出力音声信号に復号する。最後に、映像音声デコーダ部114は、出力映像信号および出力音声信号を表示装置116に送出する。
【0025】
なお、図1に示したように、記録再生ドライブ部102、放送受信部103、ネットワーク受信部104、ストリーム制御部110および映像音声デコーダ部114で構成されたブロックは、映像音声ストリームの記録再生機能を有するひとつのブロックとして、デコーダブロック115と呼ばれる。デコーダブロック115は、システム制御部101からの指示に基づいて、ストリーム情報の記録処理および再生処理を行う。
【0026】
映像記録装置100には、当該映像記録装置100に対してユーザーからの要求を受け入れるためにシステム制御部に接続された操作部130が備えられている。一般に操作部130は、映像記録装置100のフロントパネルに配置されている操作パネルやリモコンなどを指す。システム制御部101は、操作部130によって要求された命令の内容を解釈し、デコーダブロック115を制御することで任意のストリーム情報の記録処理および再生処理を行う。
【0027】
映像記録装置100内には、電源管理を行う電源制御部140が備えられている。映像記録装置100には、電源ON状態/スタンバイ状態/電源OFF状態といった3つの電源状態がある。電源ON状態は、映像記録装置100全体に電源が供給され、映像出力も行われている。このとき、映像記録装置100は、全てのユーザー要求を即時受付可能な状態であり、ユーザーが映像を視聴可能な状態である。電源OFF状態は、映像記録装置100全体に、電源が供給されていない状態を指す。
【0028】
スタンバイ状態とは、映像記録装置100を構成する一部のブロックだけが動作可能な状態であり、ユーザー要求の受付についても制限がある状態を示す。通常、操作部130による電源キー押下によってこのスタンバイ状態に遷移する。
【0029】
スタンバイ状態とは、例えば映像記録装置100を構成するストリーム制御部110や映像音声デコーダ部114への通電を止めて映像音声出力を行なわなかったり、映像記録装置100を構成する記録再生ドライブ部102への通電を止めて記録再生を行わなかったり、映像記録装置100を動作させているファームウェアを部分的に終了したりすることでシステム制御部101のCPUの演算量を下げた状態を指す。スタンバイ状態は、このような制約を行うことで、映像記録装置100に供給される電力を抑制することを目的としている。
【0030】
電源制御部140は、システム制御部101からの指示で電源OFF状態/電源ON状態/スタンバイ状態の切替えを実施する。また、電源制御部140は、電源状態を管理しており、システム制御部101に対して当該情報を通知する機能を有する。電源OFF状態とは、ACプラグの挿抜など映像記録装置100に物理的に電源が供給されていない状態を示しており、本発明では考慮する必要が薄いため、これ以降の説明においては、電源ON状態およびスタンバイ状態の2つの電源状態における映像記録装置100の動作について説明する。
【0031】
映像記録装置100内には、システム動作状態を取得するシステム状態取得部151が備えられている。システム動作状態とは、スタンバイ状態の可否や同時動作状態を指している。なおスタンバイ状態に録画するということは予約録画状態であることを意味しており、ユーザー操作が行われる可能性が少なく、応答性があまり必要とされないことを意味する。
【0032】
上述した同時動作状態とは、映像記録装置100において、録画や再生が同時に動作している状態を指す。同時動作状態の具体例としては、「録画および再生動作をしていない」、「1つの番組を再生している」、「1つの番組を録画している」、「2つの番組を録画している」、「1つの番組を録画しつつ、当該番組を再生している(おっかけ再生)」、「2つの番組を録画しつつ、その内1番組を再生している」といった状態を示している。なお同時に多くの処理を行うほど映像記録装置100内のCPU演算量が増えるため、システムに与える処理負荷量も増大する。なお、この同時動作状態は、電源制御部140がスタンバイ状態であってもシステム状態取得部151において判定することができるものとする。
【0033】
映像記録装置100内には、システム状態取得部151で得られた情報に基づいて、録画中にメモリ部120に格納された再生制御情報(一時記録)を、記録再生ドライブ部102に再生制御情報として書込む更新周期を決定する更新周期管理部152である。具体例としては、スタンバイ状態においての録画については、ユーザー操作への応答性が要求されないため、システム処理負荷を再生制御情報の更新に優先して振り分けることができるので、更新周期を短く設定する。反対に電源ON状態においての録画については、ユーザー操作への応答性を優先させるため、システム処理負荷をその応答性(操作部130で指示された制御)に振り分けるため、更新周期を長く設定する。
【0034】
なお、システム状態取得部151および更新周期管理部152は、システム制御部101内のファームウェアなどで構成される例を示しているが、当該機能を有するハードウェアであっても構わない。また、システム状態取得部151と更新周期管理部152とは分割して示しているが、機能が統合された1つのブロックであっても構わない。
【0035】
図2は、本実施の形態における記録再生ドライブ部102の論理ファイル構造を示した構造図である。論理的な階層構造を成すファイル構造の最上位階層のディレクトリ構造をルートディレクトリ200、ルートディレクトリ200の下位階層に配置されるディレクトリ構造をディスクディレクトリ201と呼ぶ。ディスクディレクトリ201には、記録再生ドライブ部102に記録されているコンテンツ管理情報である再生制御情報ファイル221、アドレス管理ファイル222をまとめて記録したフォルダであるアドレス管理ディレクトリ202、およびストリーム情報ファイル231をまとめて記録したフォルダであるストリーム管理ディレクトリ203で構成される。なお、再生制御情報ファイル221とアドレス管理ファイル222とを総称して、再生制御情報と定義する。
【0036】
なお、図2において、アドレス管理ファイル222とストリーム情報ファイル231とは、5桁のファイル名により1:1で対応付けされているものとして説明を進める。ファイル名は5桁の数字であれば良く、連番である必要はない。
【0037】
また、図2において、アドレス管理ファイル222とストリーム情報ファイル231とは個別のディレクトリ内に配置する例を示したが、同一のディレクトリ内に配置されていたり、当該ファイルがルートディレクトリ300に直接配置されていたりしても構わない。また本実施の形態においては、アドレス管理ファイル222は、ストリーム情報ファイル231に1:1で対応して記録している例を示しているが、1つのアドレス管理ファイル222にまとめて記録されていても構わない。
【0038】
図3は、アドレス管理ファイル222のシンタックスを示す図である。“Start_PTS”(301)は対象となるストリーム情報ファイル231の最初のビデオフレームのPTS(Presentation_Time Stamp)を示し、“End_PTS”(302)は最終のビデオフレームのPTSを示す。属性情報管理テーブル310は、ストリーム情報ファイル231の映像属性情報(解像度、ビットレート、フレームレート)や音声属性情報(チャンネル数、サンプリングレート)などの情報が記録される。アクセスポイント管理テーブル320には、頭出し再生に必要となる情報が記述される。例えば映像データがMPEG−2ビデオストリームでエンコードされている場合、GOP(Group of Picture)の先頭が、アクセスポイントに相当する。本実施のけいたいにおいては、ストリーム情報ファイル231のどのパケットに、GOPの先頭が存在するかが記述されている。
【0039】
“num_of_entry”(321)は、アクセスポイントの総数、次のループ文(for以下)は、“num_of_entry”(321)の数だけ繰り返される。“PTS_GOP_Start”(331)は、当該アクセスポイントの表示開始PTSを示し、“SPN_GOP_Start”(332)は、ストリーム情報ファイル231の先頭からアクセスポイントの先頭までの相対パケット数である。パケットは固定長であることから、ストリーム情報ファイル231の先頭からアクセスポイント先頭までの相対バイト数は、“SPN_GOP_Start”(332)の値とパケット当たりのバイト数を掛け合せた値で算出できる。映像記録装置100は、ストリーム情報ファイル231の先頭からのバイト数から、ディスク上のアクセスポイントの位置を割り出し、頭出し再生を行う。また”I_Pic_Size”(333)は、アクセスポイント内のイントラフレームであるIピクチャのサイズが記載される。Iピクチャサイズは、アクセスポイント先頭位置を示す“SPN_GOP_Start”(332)からの相対パケット数で記録される。
【0040】
図4は、再生制御情報ファイル221のシンタックスを示す図である。“num_of_Title”(401)は、記録再生ドライブ部102に記録された番組プログラムの総数、次のループ文は“num_of_Title”(401)の数だけ繰り返される。“Title_Attribute()”(402)は、タイトルの総時間、タイトル名称、および記録日時のようなタイトルの属性情報が保持されている。“num_of_Play_Interval”(403)は、タイトルを構成している再生区間情報の総数を示し、次のループ文で“num_of_Play_Interval”(403)の数だけ繰り返される。再生区間情報は、“stream_name”(411)、“Start_Time”(412)および“End_Time”(413)の情報が記録されている。“stream_name”(411)は、再生の対象となるストリーム情報ファイル231のファイル名を示し、“Start_time”(412)および“End_time”(413)はそれぞれ再生対象のストリーム情報ファイル231の所定区間の再生開始時間および再生終了時間を示す。本実施の形態においては、ビデオデータのPTS(Presentation Time Stamp)を“Start_time”(412)、“End_time”(413)としている。これらの情報から、映像記録装置100は、ストリーム情報ファイル231のどの区間を再生すればよいのかを判断することができる。
【0041】
図5は、タイトル構成を示した図である。タイトルとはユーザーが選択する番組に相当するものであり、当該タイトルの情報は再生制御情報ファイル221内に記述される情報である。タイトルは、ストリーム情報ファイル231の所定の再生区間が複数集まったものである。タイトルは、1つのストリーム情報ファイル231の1つの再生区間である場合や、1つのストリーム情報ファイル231内の複数の再生区間から構成されている場合や、異なるストリーム情報ファイル231のそれぞれの所定の再生区間から構成される場合など様々な形態で構成されている。
【0042】
当該所定の再生区間は、再生対象のアドレス管理ファイル222の名前と、再生開始点(Start_Time)および終了点(End_Time)とを指定して決定される。これらの情報と、アドレス管理ファイル222内のアクセスポイント管理テーブル320の情報と組み合わせれば、ストリーム情報ファイル231の任意のアクセスポイントの開始位置が分かる。これを利用して、ストリーム情報ファイル231の特殊再生やタイムサーチなどのランダムアクセス処理に活用することもできる。
【0043】
録画中には、ストリーム情報ファイル231とアドレス管理ファイル222は同時に記録されることになる。ストリーム情報ファイル231はリアルタイム書込みされるのに対して、アドレス管理ファイル222は更新周期管理部152からの更新周期に基づいて書込み処理が行われる。すなわち映像記録装置100は、アドレス管理ファイル222が書込まれた箇所までストリーム情報ファイル231に対する再生処理を行うことができる。
【0044】
図6は、データ更新周期に関しての説明図である。ストリーム情報ファイル231の書込みと再生制御情報の書込みとは同期されて管理されているが、更新のタイミングが異なっている。ストリーム情報ファイル231は、データ容量が大きくシーケンシャルに書き込まれる性質のファイルであるため、リアルタイム性を持って記録再生ドライブ部102に書込みが行われる。一方、再生制御情報は、記録サイズを小さくするためビット単位でデータ構造が規定されているがバイト単位の情報で検出されるため、ビット単位のデータ構造に再構成するなどの処理が必要となる。また、GOP単位(約0.5秒)での更新が必要となるなど更新周期が早いことも特徴としている。
【0045】
再生制御情報は、上述した構成をもつ更新周期の早いデータであるため、システム制御部101は、ストリーム制御部110で検出した再生制御情報(一時記録)をメモリ部120へ記録するときには、本来のデータ構造のサイズ最適化を行わず、記録に適したバイト単位の情報として構築する。その後、システム制御部101は、更新周期管理部152からの指示に基づいて、再生制御情報(一時記録)を読出し、再生制御情報として再構築した後、記録再生ドライブ部102に記録する。そうすることでストリーム情報ファイル231と再生制御情報との同期が行われ、当該地点までのストリーム情報ファイル231が再生可能となる。
【0046】
図6において、一般的に、更新周期(TM_UPDATE)601は、3分程度の時間が設定される。更新周期が3分に設定された場合、3分、6分、9分・・・といった3分間隔でストリーム情報ファイル231と再生制御情報とが同期される。このとき、図6に示すように、録画開始から8分の地点で停電が発生したと仮定すると、ストリーム情報ファイル231は8分地点まで記録されているが、再生制御情報の書込みは6分地点までしか行われていない。そのため6分〜8分の区間については、ストリーム情報ファイル231は記録されているものの、対応する再生制御情報が存在しないため、記録されたストリーム情報ファイル231再生できない区間となる。当該区間を、喪失区間(TM_DEL)602と定義する。本実施の形態においては、映像記録装置100のシステム状態を適切に把握することで、最適な更新周期を動的に設定し、喪失区間602を短くすることを目的としている。
【0047】
図7は、本実施の形態における映像記録装置100の動作フローを示した図である。図1から図7を用いて、本実施の形態の映像記録装置100における更新周期設定について詳細に説明を行う。本動作は、録画終了判定(S701)が行われるまで継続される。S701で録画動作中であると判定されると、S702に遷移する。S702では、システム状態取得部151は、電源制御部140から現在の映像記録装置100の電源状態情報を取得する。すなわちスタンバイ状態での録画であれば予約録画である可能性が高く、ユーザー操作に対する応答性はあまり必要がないと判断する。逆に電源ON状態であれば、ユーザー操作によって再生要求や別番組の録画要求などが行われる可能性があり、一定の応答性を持たせる必要があると判断する。
【0048】
S702で電源ON状態であると判断すると、ユーザーへの応答性を保証する意味であまり頻繁に再生制御情報の情報更新させないように、更新周期管理部152は再生制御情報の更新周期を3分に設定する(S707)。一方、S702でスタンバイ状態であると判断すると、S703に遷移する。S703では、予約録画中に同時に処理される別番組の録画が実行されているか否かを判定する。近年のハードディスクレコーダーでは2番組の同時録画処理を行えることが一般的であり、本実施の形態においても、ネットワーク受信部104からの番組と放送受信部103からの番組との両方を記録することができるとして説明を進める。
【0049】
同時番組の録画が実行されている場合は、システム処理負荷が中程度であると判断し、更新周期管理部152は再生制御情報の更新周期を2分に設定する(S706)。またS703にて、同時録画が実行されていないと判断されると、更新周期管理部152は再生制御情報の更新周期を1分に設定する(S705)。更新周期設定部152にて、再生制御情報の更新タイミングを決定した後は、S701に遷移し、録画処理を継続する。
【0050】
このようにして再生制御情報の更新周期を3分から2分または1分に変更された場合、図6に示した喪失区間602が変化する。例えば、更新周期が3分に設定されていると喪失区間602は最大で3分となるが、更新周期が2分または1分に設定されると喪失区間602は最大で2分または1分となる。すなわち、電源ON状態である場合(更新周期3分)に対して、スタンバイ状態で同時録画がある場合(更新周期2分)およびスタンバイ状態で同時録画がない場合(更新周期1分)には、喪失区間を短くできる。
【0051】
本実施の形態のように構成された映像再生装置100においては、電源状態と同時動作処理状況から再生制御情報の更新周期を最適化することができ、停電発生時においても再生可能なストリームの喪失を低減することができる。つまり、スタンバイ状態の同時動作処理内容からシステム全体の処理負荷を簡単に把握することが可能であるため、再生制御情報の更新周期をシステム状態に適して動的に設定することができる。
【0052】
また、予約録画時などユーザー操作が行われない時間帯に限定して更新周期を低減できるため、システム処理能力を応答性に割かずに再生制御情報の更新処理に割くことができる。そのため非常に短い更新周期で再生制御情報の更新を行うことができ、ストリーム情報の喪失の可能性を低減することができる。また特別なハードウェアを持つ必要がないため、装置自体のコストアップをしなくても良いといった効果を奏する。
【0053】
さらに、本実施の形態のように構成された映像再生装置100においては、停電復帰時に再生制御情報を再構築する必要がないため、即座に録画処理を再開することができる。また、ストリーム情報内に再生制御情報の差分情報を記録する必要がないため、圧縮効率を下げることがないといった効果を奏する。
【0054】
なお、本実施の形態においては、スタンバイ状態で同時録画がない場合に再生制御情報の更新周期を1分に設定する例を示したが、再生制御情報の更新周期を短く設定した場合、システム処理の限界量を超える可能性があるため、録画時にデータ書込みの失敗や、意図せぬハングアップを引き起こす可能性がある。そのためシステム状態に適した更新周期を設定することが望ましい。一方、CPUの動作周波数が高い場合などは、再生制御情報の更新周期を1分以下に設定することも可能である。
【0055】
なお本実施の形態では、再生制御情報の更新周期が映像ストリーム情報と比べて短い場合について説明しているが、逆に映像ストリーム情報の更新周期が再生制御情報の更新周期より長くても構わない。またユーザー操作への応答性が不要な例として、スタンバイ状態の録画処理について述べているが、ユーザー操作要求が通常状態と比べて少なければよく、電源ON中であっても構わない。
【0056】
実施の形態2.
実施の形態1においては、映像記録装置100のシステム状態に基づいて、ユーザー操作が行われない時間帯に再生制御情報の更新周期を短く設定することで、停電時に再生可能なストリーム情報の喪失区間を短くすることを目的としていた。実施の形態2においては、記録対象のストリーム情報の属性がシステム処理負荷に影響を及ぼすことに着目し、当該ストリーム情報の著作権保護情報やストリーム属性情報に基づいてシステム負荷を算出し、電源ON状態であっても細やかに再生制御情報の更新周期を制御することを目的としている。
【0057】
図8は、実施の形態2に係る映像記録装置100の構成を示すブロック図である。なお、図8において、実施の形態1で説明した構成と同じものは同一の符号を付記する。本実施の形態における映像記録装置100は、録画対象のストリーム情報の著作権保護情報(暗号化方式、認証方式、暗号化強度)やストリーム属性情報(ビットレート、解像度、コーデック)が、システム処理負荷にどの程度影響を与えるかを判定するストリーム処理負荷取得部801を備えている。このストリーム処理負荷取得部801は、システム制御部101内に備えられている。
【0058】
ストリーム処理負荷判定部801は、録画中にストリーム制御部110内の復号化部111、ストリーム情報取得部112、暗号化部113で得られた情報に基づいて、システム処理負荷量を算出する。なおストリーム情報取得部801で得られる情報は、主に放送局などの送出側の番組情報によって決定されるものである。例えば、暗号化方式や復号化方式などの著作権保護情報は送出されるストリーム情報に定義されているものであるし、ストリーム情報のビットレート、解像度、コーデックなどのストリーム属性情報も送出される側によって決定されている。これらの情報は、書込み処理や演算処理に大きな影響を与える。
【0059】
なお、本実施の形態においては、システム状態取得部151、更新周期管理部152およびストリーム処理負荷取得部801は、システム制御部101内のファームウェアなどで構成される例を示しているが、当該機能を有するハードウェアであっても構わない。また、システム状態取得部151と更新周期管理部152とストリーム処理負荷取得部801とは分離した構成として記載しているが、機能が統合された1つのブロックであっても構わない。
【0060】
図9は、著作権保護情報に関するストリーム処理負荷換算表である。このストリーム処理負荷換算表は、復号化負荷リスト900と暗号化負荷リスト910とから構成されている。次に、復号化負荷リスト900と暗号化負荷リスト910とをそれぞれ説明する。
【0061】
復号化負荷リスト900は、暗号化されたストリームを復号化する際に、システム負荷への影響度を示すものであって、復号化方式901とストリーム処理負荷ポイント(復号化)902とから構成される。復号化方式901は、映像記録装置100が対応している復号可能な著作権保護方式の一覧を示す。例えば、デジタル放送規定であるCAS方式、ネットワーク伝送での著作権保護規定であるDTCP方式、HDCP方式、ディスク暗号化方式であるAACS方式、C2方式などが存在する。また、ストリーム処理負荷ポイント(復号化)902は、当該復号化方式を実施した際のシステム処理量の換算値を示しており、数値が大きいほどシステム処理負荷が高いことを示している。一般には、著作権保護規定での暗号化強度が高いほど、システム処理負荷が高くなる傾向となる。図9においては、ネットワーク伝送時の著作権保護規定であるDTCP暗号(完全認証)を適用したときに、一番処理負荷が高いことを示している。
【0062】
なお、ストリーム処理負荷ポイント(復号化)902は、単に暗号強度を示す値ではなく、システム処理負荷の高さを示すものである。例えば、映像記録装置100で復号化処理を行う際にハードウェアアシストがある場合、CPU演算量は少なくなる。そのためその場合暗号化強度が高い復号化方式でも、ストリーム処理負荷ポイント(復号化)902は小さな値となる。また同じ復号化方式であっても、機器間の認証方式や認証周期が異なる場合も、CPU処理の負荷は変動する。
【0063】
暗号化負荷リスト910は、著作権保護規定でストリーム暗号化する際に、システム負荷への影響度を示すものであって、暗号化方式911とストリーム処理負荷ポイント(暗号化)912から構成される。一般に、著作権保護された番組を記録する場合には、映像記録装置100には暗号化を施して記録する必要がある。そのため一旦復号化されたストリームを再度暗号化しなければならない。暗号化方式911は、映像記録装置100が対応している暗号可能な著作権保護方式の一覧を示す。例えば、ディスク暗号化方式であるAACS方式、C2方式などが存在する。ストリーム処理負荷ポイント(暗号化)912は、ストリーム処理負荷ポイント(復号化)902と同様に、システム処理負荷を示している。
【0064】
図9に示した復号化負荷リスト900と暗号化負荷リスト910とは、あらかじめシステム制御部101がプログラム中に保持しており、システムを構成するハードウェアやソフトウェアによって、ストリーム処理負荷ポイントが決定されている。
【0065】
図10は、記録対象のストリーム情報のストリーム属性情報に関するストリーム処理負荷換算表である。ストリーム処理負荷換算表は、ビットレート負荷リスト1001で構成されている。本実施の形態においては、記録対象のストリーム情報のストリーム属性情報としてビットレートを対象として説明を進めるが、ビットレートの替わりにコーデックや解像度を用いても構わない。ビットレート負荷リスト1001は、記録するストリーム属性情報であるビットレートがシステム負荷への影響度を示すものであって、ビットレートカテゴリ1011とストリーム処理負荷ポイント(ビットレート)1012とから構成される。ビットレートカテゴリ1011は、今回は5Mbps刻みで区分けされるものとする。ストリーム処理負荷ポイント(ビットレート)1012は、システム処理負荷への影響度を示し、数値が高いほどシステム処理負荷が高いことを意味する。
【0066】
ビットレートが高い場合、単位時間あたりに記録再生ドライブ部102への書込みが多く行われる。そのためビットレートが高いことは、CPU演算量やハードウェアアクセスが高くなることを意味しており、記録ストリームに係るストリーム処理負荷ポイント1012も高く設定される。
【0067】
図11は、システム処理負荷ポイントと更新周期との対応を示した更新周期対応表である。この更新周期対応表1100は、システム処理負荷ポイント1101と設定更新周期1102から構成される。システム処理負荷ポイントとは、前述したストリーム処理負荷ポイント(復号化)902、ストリーム処理負荷ポイント(暗号化)912およびストリーム処理負荷ポイント(ビットレート)1012の合算値である。つまり、このシステム処理負荷ポイントは、著作権保護情報とストリーム属性情報とから算出されたものである。
【0068】
次に、システム処理負荷ポイント1101の算出例を説明する。例えばネットワークから受信したストリームを記録再生ドライブ部102に記録する場合、復号化方式901はDTCP暗号(完全認証)、暗号化方式911はC2暗号が採用される。またビットレートカテゴリ1011が18Mbpsであるとすると、システム処理負荷ポイント1101は、15点+3点+8点=26点となる。そのため更新周期対応表1100から、システム処理負荷ポイント1101が26点の場合、設定更新周期1102は、2分30秒に設定されることになる。
【0069】
図12は、本実施の形態係る映像記録装置100の動作フローを示した図である。この図12と、実施の形態1の説明に用いた図2から図6、図8から図12とを用いて、本実施の形態2における更新周期設定について詳細に説明を行う。なお、図12において、実施の形態1において説明した構成と同様の構成については同一の記号を付記し、説明を省略する。
【0070】
S702にて電源ON中の録画であると判断されると、S1201に遷移する。なおスタンバイ状態であると判定されると、S703以降は実施の形態1で説明した場合と同様の動作を行うので、説明は省略する。
【0071】
S1201では、ストリーム処理負荷取得部801は、録画対象(CH1:チャンネル1)のストリーム処理負荷情報を取得する。ストリーム処理負荷情報は、図9で説明した著作権保護情報から、ストリーム処理負荷ポイント(復号化/暗号化)を算出する。その後、図10で説明したストリーム属性情報(ビットレート)のストリーム処理負荷ポイント(ビットレート)を算出する。それらの負荷ポイントの合算値をシステム処理負荷ポイントとし、システム制御部101が記憶しておく。
【0072】
次に、同時間帯に別の録画チャンネルがあるか否かを判定する(S1202)。別の録画チャンネルが存在しない場合は、S1204に遷移する。一方、別の録画チャンネルが存在する場合には、当該録画チャンネル(CH2:チャンネル2)に関して、S1201で行った処理と同様の処理を行い、チャンネル2に関してストリーム処理負荷ポイントを算出する(S1203)。その後、ストリーム処理負荷取得部801は、前述したシステム処理負荷ポイントとして、当該ストリーム処理負荷ポイントを加算し、最終的なシステム処理負荷ポイントを割出した後、S1204に遷移する。
【0073】
S1204では、システム制御部101が保持するシステム処理負荷ポイントを、図11に示す更新周期対応表1100と照合することで、再生制御情報の更新周期を決定する。例えばここまでシステム処理負荷ポイント1101が35点であった場合には、更新周期を2分40秒に設定する。そして、上述したように、更新周期設定部152にて、再生制御情報の更新周期を決定した後は、S701に遷移し録画処理を継続する。
【0074】
このように構成された映像記録装置100においては、映像記録装置100で録画処理されるストリームに関する処理負荷情報からシステム全体の負荷を算出できるため、電源ON時であっても最適な更新周期を設定することができる。このように構成することで、電源ON状態であったとしても、システム処理負荷量を適切に把握できるため、ユーザー操作の応答性を犠牲にすることなく、最適の周期で再生制御情報の更新を行うことができる。そのため電源ON時の停電時にも、再生可能なストリームの喪失時間を可能な限り少なくするできる符号化映像記録装置100を提供することができる。
【0075】
なお、本実施の形態においては、更新周期対応表1100は10点刻みで区分けしているが、さらに細分化してもよい。
【0076】
また、本実施の形態においては、ストリーム属性情報としてビットレートを用いたが、ビットレート以外に、ストリーム情報の属性であるコーデックや解像度をストリーム属性情報として用いても構わない。
【符号の説明】
【0077】
100 映像記録装置
101 システム制御部
102 記録再生ドライブ部
103 放送受信部
104 ネットワーク受信部
110 ストリーム制御部
111 復号化部
112 ストリーム情報取得部
113 暗号化部
114 映像音声デコーダ部
115 デコーダブロック
116 表示装置
120 メモリ部
130 操作部
140 電源制御部
151 システム状態取得部
152 更新周期管理部
200 ルートディレクトリ
201 ディスクディレクトリ
202 アドレス管理ディレクトリ
203 ストリーム管理ディレクトリ
221 再生制御情報ファイル
222 アドレス管理ファイル
231 ストリーム情報ファイル
301 Start_PTS
302 End_PTS
310 属性情報管理テーブル
320 アクセスポイント管理テーブル
321 num_of_entry
331 PTS_GOP_Start
332 SPN_GOP_Start
333 I_Pic_Size
401 num_of_Title
402 Title_Attribute
403 num_of_Play_Interval
411 stream_name
412 Start_Time
413 End_Time
601 更新周期
602 喪失区間
801 ストリーム処理負荷取得部
900 復号化負荷リスト
901 復号化方式
902 ストリーム処理負荷ポイント(復号化)
910 暗号化負荷リスト
911 暗号化方式
912 ストリーム処理負荷ポイント(暗号化)
1001 ビットレート負荷リスト
1011 ビットレートカテゴリ
1012 ストリーム処理負荷ポイント(ビットレート)
1100 更新周期対応表
1101 システム処理負荷ポイント
1102 設定更新周期

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映像ストリーム情報を取得するとともに当該映像ストリーム情報の再生時に用いられる再生制御情報を周期的に取得するストリーム制御部と、
電力の状態を示す電源状態および稼動の状態を示す動作状態を含む装置全体のシステム状態の情報を取得するシステム状態取得部と、
システム状態取得部で取得されたシステム状態の情報に基づいて前記再生制御情報の取得周期を変更する更新周期管理部と
を備えたことを特徴とする映像記録装置。
【請求項2】
更新周期管理部において、電源状態がスタンバイ状態および動作状態が低負荷状態であると判断された場合に、再生制御情報の取得周期を通常の取得周期よりも短い第一の周期に設定することを特徴とする請求項1記載の映像記録装置。
【請求項3】
更新周期管理部において、電源状態がスタンバイ状態および動作状態が高負荷状態であると判断された場合に、再生制御情報の取得周期を通常の取得周期よりも短かく、かつ第一の周期よりも長い第二の周期に設定することを特徴とする請求項2記載の映像記録装置。
【請求項4】
ストリーム制御部は、ストリーム情報の著作権保護情報およびストリーム属性情報を取得し、
前記ストリーム制御部で取得された前記著作権保護情報および前記ストリーム属性情報が動作状態に与える影響度を判定して処理負荷状態を算出するストリーム処理負荷取得部をさらに備え、
更新周期管理部は、システム状態取得部で取得されたシステム状態の情報と前記ストリーム処理負荷取得部とから得られた処理負荷状態の情報に基づいて、
再生制御情報の取得周期を通常状態よりも短い、第三の周期に設定することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の映像記録装置。
【請求項5】
映像ストリーム情報を取得するとともに当該映像ストリーム情報の再生時に用いられる再生制御情報を周期的に取得するストリーム取得ステップと、
電力の状態を示す電源状態および稼動の状態を示す動作状態を含む装置全体のシステム状態の情報を取得するシステム状態取得ステップと、
システム状態ステップで取得されたシステム状態の情報に基づいて前記再生制御情報の取得周期を変更する更新周期管理ステップと
を備えたことを特徴とする映像記録方法。
【請求項6】
更新周期管理ステップにおいて、電源状態がスタンバイ状態および動作状態が低負荷状態であると判断された場合に、再生制御情報の取得周期を通常の取得周期よりも短い第一の周期に設定することを特徴とする請求項5記載の映像記録方法。
【請求項7】
更新周期管理ステップにおいて、電源状態がスタンバイ状態および動作状態が高負荷状態であると判断された場合に、再生制御情報の取得周期を通常の取得周期よりも短かく、かつ第一の周期よりも長い第二の周期に設定することを特徴とする請求項6記載の映像記録方法。
【請求項8】
ストリーム取得ステップは、ストリーム情報の著作権保護情報およびストリーム属性情報を取得し、
前記ストリーム取得ステップで取得された前記著作権保護情報および前記ストリーム属性情報が動作状態に与える影響度を判定して処理負荷状態を算出するストリーム処理負荷取得ステップをさらに備え、
更新周期管理ステップは、システム状態取得部で取得されたシステム状態の情報と前記ストリーム処理負荷取得部とから得られた処理負荷状態の情報に基づいて、
再生制御情報の取得周期を通常状態よりも短い、第三の周期に設定することを特徴とする請求項5〜7のいずれか1項に記載の映像記録方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−151742(P2012−151742A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−9916(P2011−9916)
【出願日】平成23年1月20日(2011.1.20)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】