説明

映画フィルムの改良した保存方法

映画フィルムから、少なくとも1つの画像に対応する少なくとも1つの基準画像セットを、デジタルフォーマットでキャプチャするステップを、映画フィルム保管方法は含むことができる。オリジナルカメラネガからデジタルフォーマットでキャプチャした未処理画像を含む、少なくとも1つの基準画像セットが作成される。前記基準画像セットは、前記未処理画像の修正版である、前記デジタルフォーマットで保存された処理済画像を含むこともできる。その後、基準画像セットは、キー・フレーム・リールを形成するために基準フィルム媒体に記録することができる。キー・フレーム・リールは、その後、モノクローム色分解体を作成するために使用される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して映画フィルムに関し、より詳しくは、製作プロセスにおいて具体化される芸術的意図と、記録されたオリジナル画像素材の完全な品質を保存する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
映画の製作プロセスは絶えず進化している。最近の成果の1つは、一般に、デジタル中間プロセス(DIプロセス)と呼ばれるものを含んでいる。一般的に、DIプロセスは、製作及び編集プロセスのための、フィルムのデジタルフォーマットへの一時的な変換を含んでいる。このプロセスが終了したとき、映画は、再度、デジタルフォーマットからフィルムに戻されて記録される。オリジナルフィルムをデジタルフォーマットに変換するプロセスは様々である。しかしながら、現在の技術では、典型的には、2K(2048×1556)及び1カラーチャネルあたり10ビットの分解能でフィルムをスキャンする。この分解能レベルは、現在のところ、公開用に受入れ可能であると考えられているが、これは、フィルムネガの総ての情報をキャプチャしているわけではない。技術の進歩に伴い、スキャン分解能及びカラービット長の改良が期待されている。
【0003】
現在の技術及び経済的配慮により、DIプロセスは、オリジナルカメラネガ(OCN)又は他の画像取得媒体の完全な画像品質を活用してはいない。よって、DIプロセス完了後に作成される製作後フィルムの保管は、得られた完全な画像品質を保存してはいない。一方、OCN又は他の画像取得媒体の保管は、オリジナルの画像品質を保存できる。しかしながら、元のOCN素材の保管は、製作プロセス及び公開時に具体化された芸術的意図を保存してはいない。1つの解決策は、DIプロセス後に作成された製作後フィルムと、OCNの両方を保管することかもしれない。しかしながら、両方の組の素材を保管することは高価である。
【0004】
フィルム素材は、OCNのイエロー、シアン及びマゼンダ(YCM)層のコンテンツをキャプチャした、3つのモノクローム分解体を作成することで、最も良く保管される。その様な保管は、およそ500年間維持可能であると考えられている。分解体は、通常、ある程度の画像品質の損失がある“時刻決めされた”中間体から作成される。代替案として、分解体は、OCNから分解体を作成するためのタイミング情報を用いて作成することができ、この場合には芸術的意図は保存される。OCNのフルダイナミックレンジをキャプチャするため、プリント光補正を行わず、“ノミナル”露出値を用いてOCNから分解体を作成する利点がある。この方法は、画像情報が失われないことを確実にする。しかしながら、この技術を使用した分解体の作成は、どの様にネガが時刻決めされ、プリントされたかについての情報を伝えはしない。結果、色補正等に関する情報が失われる。よって、元の公開に関する情報は保存されない。結果、監督の芸術的意図が失われるかもしれない。
【0005】
映画の、時刻決めされたノーカットプリントの色補正の基準を与える公知の技術は、“キー・フレーム・リール(Key Frame reel)”又は“試験プリント”の利用を含むものである。キー・フレーム・リールは、通常、時刻決めされたノーカットプリントを作成するための色補正基準を与えるため、各シーンに対して3つのフレーム(最初、中間、最後)を含んでいる。このプロセスを用いて得られたインターポジティブ(IP)の寿命は、およそ150年と評価されている。しかしながら、IPは徐々に劣化することが知られている。結果、キー・フレーム・リールは、OCNモノクローム分解体の寿命に渡っての、芸術的意図の保存のための基準を与えない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、映画フィルムの保管方法に関する。本方法は、フィルムに含まれる、監督又は他の創作者の芸術的意図もキャプチャしつつ、利用できる最も高い画像品質を保存するために設計されている。映画を保管する本方法は、幾つかのステップを含んでいる。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本プロセスの第1のステップは、映画の作成に使用するオリジナルカメラネガの、イエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツをキャプチャして、複数のモノクローム分解体を作成するステップを含んでいる。本方法の第2のステップは、デジタル中間プロセスからキー・フレーム・フィルム・リールを作成するステップを含むことができる。
【0008】
キー・フレーム・フィルム・リールの作成は、(i)映画フィルムの各シーンの開始部分、中間部分及び終了部分からの複数の画像に対応する複数の基準画像セットを、デジタルフォーマットでキャプチャするステップと、(ii)オリジナルカメラネガからデジタルフォーマットでキャプチャした未処理画像、及び、未処理画像の修正版である処理済画像をそれぞれが含む様に、基準画像セットを選択するステップと、(iii)フィルム媒体に基準画像セットを記録するステップと、を含むことができる。とりわけ、処理済画像は、色補正、パン及びスキャン移動、並びに、効果ショットの挿入の修正が施された画像を含むことができる。メタデータを、基準フィルム媒体に記録することもできる。例えば、メタデータは、フレームカウント、オリジナルカメラネガのキーコード、サイズ変更及び位置のデータ、並びに、特殊効果データの様な、フィルムの芸術的意図を再生するのに有用な情報を含むことができる。
【0009】
キー・フレーム・リール作成後、モノクローム分解体をキー・フレーム・フィルム・リールから作成することができる。モノクローム分解体は、基準画像セットのイエロー、シアン及びマゼンダ層の、1つ以上のコンテンツを個別にキャプチャする。
【0010】
本方法は、映画の創作に関係する少なくとも一人の創作者の芸術的意図に関する談話情報を記録するステップを更に含むことができる。例えば、創作者は、映画の監督又は写真監督のような者とすることができる。芸術的意図は、特定シーンの望ましい色補正や、好ましいライティングの様な、様々な要素を含むことができる。談話情報は、非構造会話フォーマットで作成及び/又は記録することができる。例えば、談話情報は、芸術的な事柄に関係する者が、映画の特定されたシーンの各々を見ながら作成することができる。談話情報は、テキスト若しくはオーディオフォーマット、又は、他の都合の良い方法で記録することができる。
【0011】
本発明は、映画の保管製品にも関している。本製品は、映画の作成に使用するオリジナルカメラネガの、イエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツをキャプチャした、複数のモノクローム分解体を含んでいる。本製品は、複数の基準画像セットを有するキー・フレーム・フィルム・リールも含んでいる。基準画像セットは、デジタル中間データフォーマットからフィルムにキャプチャされ、映画フィルムの複数のシーンのそれぞれからの少なくとも1つの未処理画像を含んでいる。基準画像セットは、フィルムにキャプチャされる前のデジタル中間プロセスで修正された、前記未処理画像の修正版である処理済画像も含んでいる。本製品は、基準画像セットの、1つ以上のイエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツを個別にキャプチャして、キー・フレーム・フィルム・リールから生成した複数のモノクローム分解体も含んでいる。映画保管製品は、キー・フレーム・フィルム・リールに記録したメタデータを有することができる。メタデータは、フレームカウント、オリジナルカメラネガのキーコード、サイズ変更及び位置のデータ、並びに/又は、特殊効果データを含むことができる。
【0012】
本発明の一態様によれば、少なくとも3つの基準画像セットが、映画の前記複数のシーンのそれぞれのために、キー・フレーム・リールに設けられる。更に、3つ以上の基準画像セットを、各シーンの開始部分、終了部分及び中間部分からそれぞれ作成できる。最後に、談話情報を記録媒体に記録することができる。談話情報は、映画の製作に関する一人以上の創作者の芸術的意図に関する情報を含むことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
本発明の好ましい実施形態について、以下では図面を用いて詳細に説明する。
【0014】
デジタル中間(DI)プロセスの結果を保管する最も簡単な方法は、DIプロセスのフィルム出力から、イエロー、シアン、マゼンダ(YCM)を保存することである。フィルムは、時代遅れと証明されるまで、好ましい保管媒体である。しかしながら、DIプロセスのフィルム出力は、当然、このプロセスで現在のところ使用されている技術の制限に強く依存するものである。現在、2kの分解能が利用可能である。しかしながら、今後、より高い分解能が期待されている。今日の技術は、明日の技術より遅れており、この点から、DIプロセスを経て今日保管された総てのものは、数年後に可能な技術と比較したとき、著しく分解能が不足しているであろう。今日の4kでの保管でさえ、12k分解能のホログラフィック表現が標準である今から50年後のコンテンツ所有者にとっては関心がないかもしれない。
【0015】
現在のフォーマットにより、現在、製作された資産を保存することの必要性に加え、新しい分配フォーマットが普及したときに、それら資産を、再度利用/再ファーマット可能にしておくことの必要性から、保管は必要である。(i)現在保管されているフォーマット(フィルム)は、ハイディフィニション(HD)より本質的に高い分解能を有し、(ii)より高い分解能を活用できる幾つかの変換技術(テレシネ)が存在するため、今日、HDフォーマットにコンテンツを再マスタすることが可能である。数年後の分配フォーマットが何であるかの予測を試みることは、今日においても非常にリスクが高い。よって、将来の再フォーマットを可能とするため、使用できる最も高い分解能でオリジナル素材を保存することが、最も良い保管方法である。
【0016】
本発明は、映画フィルムの保管方法を提供する。ここで述べる処理は、フィルムに含まれる監督又は他の創作者の芸術的意図もキャプチャしつつ、利用できる最も高い画像品質を保存するために設計されている。図1は、本発明の一実施形態による、映画の保管方法の理解に有用なフローチャートである。
【0017】
図1によると、プロセスはオリジナルカメラネガと共に始まる。より詳しくは、ステップ102において、映画の製作に使用するオリジナルカメラネガのイエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツをキャプチャして、複数のモノクローム分解体を生成する。公知の様に、様々な技術をモノクローム分解体の作成のために使用可能である。例えば、分解体は、任意の色素像とは無関係な最新の銀像材料上に形成することができる。色素は、大抵、消えていき、変化するので、これは、色分解の重要な特徴である。ポリエステル基板も、しばしば、モノクローム分解体を生成するために使用される。しかしながら、このために最も良く使用されるのは、最新の酢酸を基礎にしたフィルムストックである。これらのモノクローム分解画像は、オリジナルカメラネガ上に作成されているかの様な、カラー画像の長期に渡る正確な保存を可能にする。しかしながら、オリジナルカメラネガが記録された後に実行される、画像の色補正又は修正の保管は提供しない。
【0018】
ステップ104において、オリジナルカメラネガはスキャンされ、DIプロセスに使用される従来のデジタルフォーマットで保存される。デジタル中間(DI)プロセスは、映画産業において、オリジナルカメラネガを、最終的な映画フィルムに変換するために、普通に使用されている。DIプロセスは、製作及び編集のための、フィルムのデジタルフォーマットへの一時的な変換を含んでいる。典型的には、オリジナルカメラネガは、未処理のデジタルフォーマット画像の電子ファイルを作成する為にスキャンされる。様々なデジタルフォーマットがこのために使用される。しかしながら、使用されるフォーマットは、そのフォーマットが、オリジナル画像のデジタル表現を正確に表している限り、本発明にとって重要ではない。
【0019】
デジタルフォーマット画像がスキャンプロセスによりキャプチャされると、それらは、映画監督又は写真監督の芸術的な指示に基づき、技術の専門家により操作及び/又は修正することができる。その様な操作又は修正は、色補正、サイズの変更、フレーミング、特殊効果の追加等を含んでいる。最後に、修正された画像は、完成フィルムを形成するために編集される。ステップ106において、公開用の映画を作成するため、DIプロセスが、従来の技術を用い、保存されたデジタルフォーマット画像に対して、従来の方法で実行される。
【0020】
キー・フレーム・リールがステップ108の最初に作成される。ステップ108において、映画からの複数のデジタルフォーマット基準画像が、キー・フレーム・リールに含ませるために選択される。その後、ステップ110において、キー・フレーム・リールが、デジタル中間プロセスの一部分として作成される。
【0021】
キー・フレーム・リールは、1つ以上の基準画像セットを含むことができる。各基準画像セットは、映画フィルムの画像に基づいたものとすることができる。基準画像セットは、有利には、少なくとも2つの画像を含んでいる。基準画像セットの第1の画像は、オリジナルカメラネガからデジタルフォーマットでキャプチャされた画像の未処理版とすることができる。基準画像セットの第2の画像は、DIプロセスにおいて修正された、第1の画像の修正版である、デジタルフォーマットの処理済画像とすることができる。その後、基準画像セットは、キー・フレーム・リールを作成する為に、デジタルフォーマットからフィルム媒体に変換される。フィルム記録ステップは、デジタル中間体から映画をプリントするための従来技術により実行することができる。
【0022】
映画の単一画像に基づく単一の基準画像セットは、元のDIに関する幾つかの情報を与えることができる。しかしながら、この様にしてキャプチャした妥当な情報は、映画全体には不完全である。DIプロセス、ライティング及び他の種々の要因は、シーンごとに、あるいは、1つのシーン内においてさえ変えることができる。結果、本発明の好ましい実施形態によると、複数の基準画像セットを作成する。複数の基準画像セットは、映画の複数のシーンからの複数の画像に対応させることができる。例えば、複数の基準画像セットは、映画フィルムの各シーンの開始部分、中間部分、終了部分から選択した画像に基づくものとすることができる。更に、当業者には理解される様に、基準画像セットを作成するための特定の画像選択方法に、本発明は限定されるものではない。必要なことは、将来、実質的に完全な映画のDIを再生するために、各シーンから必要な情報をカラリストに提供する様に画像を選択することである。この様に生成されたデジタル中間体は、元のデジタル中間体にかなり忠実である。
【0023】
上述した様に、基準画像セットの1つの画像を、オリジナルカメラネガからデジタルフォーマットでキャプチャした未処理画像とする一方、基準画像セットの第2の画像を、処理済画像とすることができる。処理済画像は、DIプロセスにおいて修正された、未処理画像の修正版として有利に選択される。とりわけ、処理済画像には、DIプロセスの一部として、任意の方法で修正されたデジタルフォーマット画像を含ませることができる。その様な修正の例は、色補正、パン及びスキャン移動、並びに、効果ショットである。しかしながら、本発明はこれらに限定されるものではない。それどころか、当業者に容易に理解される様に、基準画像セットのための処理済画像は、他の修正も同様に含むことができるものである。
【0024】
ステップ111において、メタデータを、キー・フレーム・リールの一部として、基準フィルム媒体に記録することができる。ここで、メタデータとの用語は、DIプロセスにおいて修正された、元のスキャンされた画像に、直接又は間接的に関係する、任意の有用な情報を指している。メタデータは、タイミングや、ライティングや、フレームカウントや、オリジナルカメラネガのキーコードや、画像のパン、スキャン、サイズ変更及び位置に関する情報や、特殊効果データの様な、フィルムの芸術的意図を再生するために有用な任意の情報を含むことができる。更に、本発明はこれらに限定されず、任意の他のメタデータを、キー・フレーム・リールの一部として記録することができる。メタデータは、キー・フレーム・リールの任意の都合の良い位置に記録することができる。例えば、データは、フィルムの端、フレーム間又は追加したフレームに記録することができる。
【0025】
キー・フレーム・リールの作成後、ステップ112において、モノクローム分解体が、キー・フレーム・リールのフィルム媒体から作成される。モノクローム分解体は、キー・フレーム・リールに記録された基準画像セットの、1つ以上のイエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツを個別にキャプチャする。モノクローム分解プロセスは、公知技術であり、ここで詳細は述べない。従来技術によるモノクローム分解体は、キー・フレーム・リールに記録されたオリジナルカラー画像を、将来の利用のために正しく保管することを可能にするものであることに言及するのみで十分である。
【0026】
図1に示す方法は、映画の製作に関係する少なくとも一人の創作者の芸術的意図に関する談話情報の記録を含む、更なるステップ114を持つことができる。本発明の一態様によると、創作者は、映画の監督又は写真監督とすることができる。しかしながら、本発明はこれらに限定されず、他の芸術的な事柄に関係する者も、元の映画の公開に関する芸術的意図を保管するための談話情報を、記録することができる。芸術的意図が、映画の見た目及び雰囲気に影響する種々の要因を含むことは、当業者には理解されるであろう。例えば、芸術的意図は、特定のシーンに対する望ましい色補正や好ましいライティングを含むことができる。更に、本発明はこれらに限定されるものではなく、創作的プロセスの他のものを、談話の一部として記録することができる。
【0027】
談話は、非構造の会話フォーマットで作成及び/又は記録することができる。例えば、談話は、芸術的な事柄に関係する者が、映画の各識別されたシーンを見ながら作成することができる。映画の1つ以上のシーンについての、芸術的な事柄に関係する者の意図を正確に伝えるのであれば、構造化フォーマットを代わりに使用することができる。談話は、テキスト若しくは音声フォーマット、又は、他の使いやすい方法で記録することができる。音声で記録するのであれば、映画の特定のシーンで伝達される情報と対応づけする手段を、談話に含めることが有用である。例えば、音声情報は、論じられているシーンを明確に参照するものを含むことができる。ビデオ画像や、テキスト情報を、芸術的な事柄に関係する者がコメントしている特定のシーンを識別するために利用することができる。
【0028】
本発明の好ましい実施形態で説明をしたが、本発明の範囲を逸脱しない他の実施形態も可能である。それゆえ、本発明の範囲は、特許請求の範囲により決定される。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】本発明の理解に有用なフローチャートである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
映画フィルムの保管方法であって、
前記映画フィルムから、少なくとも1つの画像に対応する少なくとも1つの基準画像セットを、デジタルフォーマットでキャプチャするステップと、
オリジナルカメラネガから前記デジタルフォーマットでキャプチャした未処理画像、及び、前記未処理画像の修正版である処理済画像を含む様に、前記少なくとも1つの基準画像セットを選択するステップと、
前記少なくとも1つの基準画像セットを、基準フィルム媒体に記録するステップと、
を備えている方法。
【請求項2】
前記映画の複数のシーンのそれぞれに含まれる画像に、それぞれが基づいている、複数の前記基準画像セットをキャプチャするステップを更に備えている請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記映画の前記複数のシーンのそれぞれから、少なくとも3つの基準画像セットをキャプチャするステップを更に備えている請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記少なくとも3つの基準画像セットそれぞれの画像を、前記シーンそれぞれの、開始部分、終了部分及び中間部分から選択するステップを更に備えている請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記フィルム媒体から、前記基準画像の少なくとも1つのイエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツを個別にキャプチャして、複数のモノクローム分解体を作成するステップを更に備えている請求項1に記載の方法。
【請求項6】
少なくとも一人の創作者の芸術的意図に関する談話情報を記録するステップを更に備えている請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記映画の監督及び写真監督からなるグループから、前記創作者を選択するステップを更に備えている請求項6に記載の方法。
【請求項8】
特定シーンの色補正及び好ましいライティングからなるグループから、前記芸術的意図を選択するステップを更に備えている請求項6に記載の方法。
【請求項9】
前記芸術的な事柄に関係する者が、前記映画の複数の識別されたシーンそれぞれを見ながら、前記談話情報を、非構造会話オーディオフォーマットで記録するステップを更に備えている請求項6に記載の方法。
【請求項10】
前記処理済画像として、色補正、パン及びスキャン移動、並びに、効果ショットの挿入の修正が施された画像を含む様に選択するステップを更に備えている請求項1に記載の方法。
【請求項11】
映画の作成に使用するオリジナルカメラネガの、イエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツをキャプチャして、複数のモノクローム分解体を作成するステップを更に備えている請求項1に記載の方法。
【請求項12】
フレームカウント、オリジナルカメラネガのキーコード、サイズ変更及び位置のデータ、並びに、特殊効果データからなるグループから選択されたメタデータを、前記基準フィルム媒体に記録するステップを更に備えている請求項1に記載の方法。
【請求項13】
映画の保管方法であって、
(a)映画の作成に使用するオリジナルカメラネガの、イエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツをキャプチャして、複数のモノクローム分解体を作成するステップと、
(b)キー・フレーム・フィルム・リールを、
(i)前記映画フィルムの各シーンからの少なくとも1つの画像に対応する少なくとも1つの基準画像セットをデジタルフォーマットでキャプチャし、
(ii)オリジナルカメラネガから前記デジタルフォーマットでキャプチャした未処理画像、及び、前記未処理画像の修正版である処理済画像を含む様に、前記少なくとも1つの基準画像セットを選択し、
(iii)フィルム媒体に前記少なくとも1つの基準画像セットを記録することで、作成するステップと、
(c)前記基準画像セットの少なくとも1つのイエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツを個別にキャプチャして、前記キー・フレーム・フィルム・リールから複数のモノクローム分解体を作成するステップと、
を備えている方法。
【請求項14】
フレームカウント、オリジナルカメラネガのキーコード、サイズ変更及び位置のデータ、並びに、特殊効果データからなるグループから選択されたメタデータを、前記キー・フレーム・フィルム・リールに記録するステップを更に備えている請求項13に記載の方法。
【請求項15】
前記映画の創作に関係する少なくとも一人の創作者の芸術的意図に関する談話情報を、前記芸術的な事柄に関係する者が、前記映画の複数の識別されたシーンそれぞれを見ながら、非構造会話オーディオフォーマットで記録するステップを更に備えている請求項13に記載の方法。
【請求項16】
映画の保管方法であって、
(a)映画の作成に使用するオリジナルカメラネガの、イエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツをキャプチャして、複数のモノクローム分解体を作成するステップと、
(b)キー・フレーム・フィルム・リールを、
(i)前記映画フィルムの各シーンの開始部分、中間部分及び終了部分からの複数の画像に対応する複数の基準画像セットをデジタルフォーマットでキャプチャし、
(ii)オリジナルカメラネガから前記デジタルフォーマットでキャプチャした未処理画像、及び、前記未処理画像の修正版である処理済画像をそれぞれが含む前記複数の基準画像セットを選択し、
(iii)フィルム媒体に前記複数の基準画像セットを記録することで、
作成するステップと、
(c)前記基準画像セットの少なくとも1つのイエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツを個別にキャプチャして、前記キー・フレーム・フィルム・リールから複数のモノクローム分解体を作成するステップと、
を備えている方法。
【請求項17】
映画保管製品であって、
(a)映画の作成に使用するオリジナルカメラネガの、イエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツをキャプチャした複数のモノクローム分解体と、
(b)複数の基準画像セットを有するキー・フレーム・フィルム・リールであって、前記基準画像セットは、
(i)デジタル中間データフォーマットからフィルムにキャプチャされ、前記映画フィルムの複数のシーンそれぞれからの少なくとも1つの未処理画像、及び、フィルムにキャプチャされる前のデジタル中間プロセスにおいて修正された、前記未処理画像の修正版である処理済画像を含む、キー・フレーム・フィルム・リールと、
(c)前記基準画像セットの少なくとも1つのイエロー、シアン及びマゼンダ層のコンテンツを個別にキャプチャして、前記キー・フレーム・フィルム・リールから生成した複数のモノクローム分解体と、
を備えている映画保管製品。
【請求項18】
前記キー・フレーム・フィルム・リールに記録され、フレームカウント、オリジナルカメラネガのキーコード、サイズ変更及び位置のデータ、並びに、特殊効果データからなるグループから選択されたメタデータを更に備えている請求項17に記載の映画保管製品。
【請求項19】
少なくとも3つの基準画像セットが、前記映画の前記複数のシーンのそれぞれのために、前記キー・フレーム・リールに設けられている請求項17に記載の映画保管製品。
【請求項20】
前記少なくとも3つの基準画像セットそれぞれの画像は、前記シーンそれぞれの開始部分、終了部分及び中間部分からのものである請求項19に記載の映画保管製品。
【請求項21】
記録媒体に記録され、前記映画の創作に関係する少なくとも一人の創作者の芸術的意図に関する情報を含む談話情報を更に備えている請求項17に記載の映画保管製品。

【図1】
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【公表番号】特表2008−544607(P2008−544607A)
【公表日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−515722(P2008−515722)
【出願日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際出願番号】PCT/US2006/019211
【国際公開番号】WO2006/135532
【国際公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【出願人】(501263810)トムソン ライセンシング (2,848)
【氏名又は名称原語表記】Thomson Licensing 
【住所又は居所原語表記】46 Quai A. Le Gallo, F−92100 Boulogne−Billancourt, France
【Fターム(参考)】