時刻表示装置、時刻表示方法、時刻表示プログラム
【課題】アナログ時計の時針や分針などの画像を有効に活用して時刻を表示することにより興趣を高めることができる時刻表示装置を提供すること。
【解決手段】デジタルカメラ(10)は、分針(3)と時針(4)及び文字盤(5)を含む画像を取得するCPU(20)と、取得した分針(3)と時針(4)及び文字盤(5)の画像から、針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤の画像と、を取得する画像取得部(70)と、取得した文字盤(5)の画像上に分針(3)と時針(4)の画像を合成して合成画像を作成する画像合成部(90)と、現在の時刻を表示するように、合成画像を液晶表示部(100)に表示するCPU(20)とを備える。
【解決手段】デジタルカメラ(10)は、分針(3)と時針(4)及び文字盤(5)を含む画像を取得するCPU(20)と、取得した分針(3)と時針(4)及び文字盤(5)の画像から、針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤の画像と、を取得する画像取得部(70)と、取得した文字盤(5)の画像上に分針(3)と時針(4)の画像を合成して合成画像を作成する画像合成部(90)と、現在の時刻を表示するように、合成画像を液晶表示部(100)に表示するCPU(20)とを備える。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻表示装置、時刻表示方法、時刻表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アナログ時計を撮影することにより、撮影したアナログ時計の時針・分針の位置から撮影したときの時刻を読み取り、これにデジタルカメラ本体に設定される現在時刻を合わせるものが存在している。
【0003】
このようなデジタルカメラとして、例えば、時間差をもって撮影したアナログ時計の2つの撮影画像に基づき、該アナログ時計を構成する時針、分針、秒針を特定し、特定した時針、分針、秒針の撮影画像を用いて時刻情報を取得するものが知られている(特許文献1を参照)。このデジタルカメラの場合、ユーザーはアナログ時計を撮影するだけで、デジタルカメラの時刻を正確に補正することができ、時刻を補正する手間を省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−245126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、かかるデジタルカメラにあっては、デジタルカメラに内蔵されている時刻機能を正確に合わせることができるものの、デジタルカメラの液晶表示部などにデジタル表示する時刻を補正するに過ぎなかった。すなわち、時針や分針、又はアナログ時計の文字盤などの撮影画像そのものを活用して時刻を表示することはできず興趣に欠けていた。
【0006】
本発明は、上述の従来の課題に鑑みてなされたものであり、アナログ時計の時針や分針などの画像を有効に活用して時刻を表示することにより興趣を高めることができる時刻表示装置、時刻表示方法、時刻表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係る時刻表示装置は分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した前記針除去画像とを取得する第2取得手段と、時刻を計時する計時手段と、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段と、前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記計時手段によって計時した時刻を表示する時刻表示モードを含む複数のモードの中から現在のモードを選択するモード選択手段を備え、前記モード選択手段によって前記時刻表示モードが選択されている間は、前記計時手段による計時の処理、前記合成手段による合成の処理、及び前記表示手段による表示の処理を順次繰り返し行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記第1取得手段は、異なる時刻において、前記画像を複数取得し、前記第2取得手段は、前記第1取得手段によって取得した複数の前記画像から、前記針抽出画像と前記針除去画像とをそれぞれ前記異なる時刻ごとに取得し、前記合成手段は、前記第2取得手段によって取得された前記複数の針除去画像を合成して1つの針除去画像を生成する生成手段を備え、前記合成手段は、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記生成手段によって生成した前記1つの針除去画像と前記第2取得手段によって取得した前記分針と前記時針を抽出した針抽出画像とを合成することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記第1取得手段は、撮像手段による撮像によって前記分針と時針及び文字盤を含む画像を取得することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記針除去画像は、前記第1取得手段によって取得した前記画像から針部分を除去された文字盤部分を抽出した文字盤抽出画像であることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明に係る時刻表示方法は、分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップによって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した前記針除去画像とを取得する第2取得ステップと、時刻を計時する計時ステップと、前記計時ステップによって計時した時刻を示すように、前記第2取得ステップによって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成ステップと、前記合成ステップによって合成された画像を表示部に表示する表示ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明に係る時刻表示プログラムは、時刻表示装置を備えるコンピュータを、分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段、前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した前記針除去画像とを取得する第2取得手段、時刻を計時する計時手段、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって分割した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段、前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アナログ時計の時針や分針などの画像を有効に活用して時刻を表示することにより興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る時刻表示装置を備えるデジタルカメラの機能構成図である。
【図2】図1のデジタルカメラのアナログ時計撮像処理を示すフローチャートである。
【図3】図1のデジタルカメラのアナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出前の状態を説明するための図である。
【図4】図1のデジタルカメラのアナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出中の状態を説明するための図である。
【図5】図1のデジタルカメラの時刻表示処理を示すフローチャートである。
【図6】図1のデジタルカメラの時刻表示処理で合成した画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態に係る時刻表示装置として機能するデジタルカメラ10について説明する。
【0017】
[機能構成図]
図1は、本発明の実施の形態に係る時刻表示装置として機能するデジタルカメラ10の機能構成図である。このデジタルカメラ10は、基本となる動作モードとして、撮影モードと、時刻表示モードとを有している。
撮影モードでは、ユーザーの操作に応じて、分針や時針及び文字盤を含むアナログ時計を被写体として撮影し、撮影したアナログ時計の画像を分針や時針を含む画像と文字盤を含む画像とに分割して記録するアナログ時計撮像処理を行う。時刻表示モードでは、撮影モードで撮影したアナログ時計の画像から分割した文字盤の画像に、現在の時刻にあわせて、同じく撮影モードで撮影したアナログ時計の画像から分割した分針や時針の画像を合成し、こうして合成した画像を表示する。
【0018】
本実施の形態のデジタルカメラ10は、CPU20、CPU20がデジタルカメラ10の各種機能を実現するためのプログラムなどを記憶したプログラムROM25、撮像素子30、画像RAM40、入力部50、分割画像RAM80、計時部85、画像合成部90、及び、液晶表示部100を備える。また、CPU20は、時針・分針検出部60、及び、画像取得部70を備える。尚、時針・分針検出部60、及び、画像取得部70は、プログラムROM25に記憶されたプログラムを実行することによりCPU20で機能するものとする。また、入力部50は、ユーザーの操作を検出することにより本発明に関連するモード選択手段として機能する他、画像の記録指示を検出するためのシャッターキーや、後述する時刻表示モードへのモード遷移を検出するためのキーを含む。分割画像RAM80は、抽出した時針・分針画像を記憶する時針・分針画像メモリ801と、背景(文字盤・ベゼル)画像を記憶する背景(文字盤・ベゼル)画像メモリ802とが含まれる。
【0019】
撮像素子30は、CPU20からの命令に基づき、撮像範囲にある被写体の画像を取り込む。撮像素子30は、アナログ時計が撮像範囲にある場合、撮影モードにおいて、ユーザーの操作に応じて、分針、時針及び文字盤を含むアナログ時計を被写体像として撮像する。撮像素子30は、CCD又はCMOS等により形成され、被写体画像(イメージ)を結像し、RGBの各色の光の強さを、電流値に変換して画像データを生成する。
画像RAM40は、撮像素子30により撮像されて取得された画像データを記憶する。この画像データには、撮像素子30が撮影モードにて撮像した、分針と時針及び分針、時針の背後に存在する文字盤を含むアナログ時計の画像データを含む。時針・分針検出部60は、CPU20が撮像した画像データから時針・分針などを検出する際に照合する時針・分針検出用データを含む、本実施の形態のデジタルカメラ10が必要な機能を実現するための必要なデータを記憶している。
CPU20は、プログラムROM25に記憶されたプログラムを実行して、単独で、又は他の構成部と協働して様々な処理を行い、デジタルカメラ10の各種手段、各種構成部及び各種機能を実現する。
【0020】
入力部50は、デジタルカメラ10の外方に、ユーザーが必要に応じて自由に操作できるように形成されており、ユーザーの操作により入力されるユーザーからの命令をCPU20に指示するユーザ・インタフェースである。具体的には、入力部50は、ユーザーの操作に応じて、CPU20が計時部85で計時した時刻を表示する時刻表示モード、アナログ時計を撮影してアナログ時計の文字盤と分針や時針の画像を抽出するアナログ時計撮影処理などを行う撮影モードなどモードの選択、又はモードの終了をCPU20に指示する。入力部50は、例えば、ボタン、ダイヤルなどであってもよく、ユーザーからのモード選択以外の指示を入力してもよい。本実施の形態では、特に断らない限り、ユーザーからの指示は入力部50を介して入力される。
【0021】
時針・分針検出部60は、CPU20が画像RAM40から取得した画像データの中から、画像RAM40に記憶した時針・分針検出用データを参照して時針及び分針の画像部分の検出を行う。
画像取得部70は、CPU20により取得されて時針・分針検出部60により検出が行われた画像を、分針と時針とを含む針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤の画像とに分割させて取得する。
分割画像RAM80は、画像取得部70により取得された分針と時針とを含む針部分の画像を時針・分針画像メモリ801に記憶し、一方、針部分の画像を除去した文字盤の画像を背景画像として背景(文字盤・ベゼル)画像メモリ802に記憶する。また、分割に限らず、針部分の画像と針部分の画像を除去した文字盤の画像とを抽出した画像であってもよい。
【0022】
計時手段として機能する計時部85は、CPU20の指示に応じて現在の時刻を計時する。
合成手段として機能する画像合成部90は、入力部50が操作されて時刻表示モードが選択されると、CPU20からの指示に応じて、分割画像RAM80に記憶されている画像取得部70によって分割された文字盤の画像上に、計時部85によって計時した時刻を示すように、分割画像RAM80に記憶されている分割された分針と時針とを含む針部分の画像を合成する。
表示手段として機能するCPU20は、画像合成部90によって合成された画像を、表示部としての液晶表示部100に表示する。
【0023】
また、画像合成部90は、画像取得部70によって異なる時刻ごとに分割した複数の文字盤画像を合成して1つの文字盤画像を合成する生成手段であり、画像生成部としても機能する。
また、画像合成部90は、文字盤画像を生成した後、生成した文字盤の画像に、分割画像RAM80に記憶している針部分の画像、すなわち、分針と時針の画像を合成してCPU20が計時する時刻を示すアナログ時計の画像を生成する。この時、時針、分針を撮影されたアナログ時計の中心を軸に実際の時刻に応じて回転するように合成していく。これによって、時刻に応じて針が動く時計の写真を再生することが可能となる。
【0024】
また、入力部50の操作により時刻表示モードが選択されている間、時刻表示モードの終了指示があるまで、計時部85による現在時刻の計時の処理、画像合成部90による文字盤画像と時針、分針の画像との合成により現在時刻を示す時計の画像を生成する処理、及びCPU20による生成した現在時刻を示す時計の画像を液晶表示部100に表示する処理が順次行われる。
【0025】
[アナログ時計撮像処理]
図2は、デジタルカメラ10が撮影モードで実行する、分針や時針及び文字盤を含むアナログ時計を被写体として撮影し、撮影した時計の画像を分針や時針を含む画像と文字盤を含む画像とに分割して記憶するアナログ時計撮影処理を示すフローチャートである。図3は、アナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出前の状態を示す図である。図4は、撮影モードで行われるアナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出中の状態を示す図である。
【0026】
入力部50が操作されて撮影モードが選択され、アナログ時計撮像処理が指示されると、CPU20は、図2に示すフローチャートの処理を実行するためのプログラムをプログラムROM25から読み出す。CPU20は、このプログラムに従って、図2に示すフローチャートにおける各種処理を実行する。
【0027】
まず、図2を参照して、CPU20の制御による撮影モードで実行される撮像処理について説明する。
【0028】
はじめに、CPU20は、アナログ時計撮像処理を行う(ステップS11)。アナログ時計撮像処理では、撮像素子30の前に置かれたアナログ時計の撮像を行い、アナログ時計を構成する分針3と時針4及び文字盤5を含む画像の取得を行う。また、ここで文字盤5とは、当該アナログ時計のケース部分、または、そのケース部分の外側に取り付けられるベゼルなどの金属製の装飾部材を含んでもよい。
【0029】
この場合、被写体の対象となるアナログ時計は、必ずしも動いている本物のアナログ時計である必要はなく、分針、時針及び文字盤を有する時計であればよい。すなわち、アナログ時計を撮影した写真やカタログ、又は玩具の時計であってもよい。アナログ時計画像処理において取得された画像は、画像RAM40において記憶される。
【0030】
尚、アナログ時計撮像処理において、アナログ時計を構成する分針3と時針4及び文字盤5を含む画像の取得は異なる時刻において少なくとも2回、望ましくは複数回行うことが好ましい。すなわち、分針3と時針4の存在により、その背後にある文字盤5に記載されている時刻を表示する数文字8や、文字盤5の模様が隠れてしまうことがあるため、分針3と時針4とにより隠れる文字盤5の位置が異なる時刻で、少なくとも2回アナログ時計撮像処理により撮像を行い、こうして撮像した少なくとも2枚の画像を画像RAM40に記憶する。
また、少なくとも2回のアナログ時計撮像処理を必要とする場合、1回目のアナログ時計撮像処理の後、もう一度異なる時刻において2回目のアナログ時計撮像処理を行う必要がある旨のメッセージをユーザーに対し、音や液晶表示又はメールなどで報知するようにしてもよい。
【0031】
また、2回のアナログ時計撮影処理を必要とする場合であっても、ユーザーの選択により、1回のアナログ時計撮影処理だけで終了させることもできる。この場合には、予め用意された複数の文字盤の中からユーザーが好みの文字盤を選択して使用するようにしてもよい。
【0032】
次に、画像取得部70は、CPU20の命令により撮像した画像から、アナログ時計の文字盤5の部分と、分針3と時針4とにより構成される針部分を分割させた画像の生成を行う(ステップS12)。本実施の形態では、画像取得部70は、画像RAM40において記憶された画像を、アナログ時計の分針3と時針4とにより構成される針部分の画像と、分針3と時針4とにより構成される針部分の画像を除去した文字盤5の部分の画像と、に分割する処理を行う。
【0033】
また、CPU20は、画像RAM40に記憶した時針・分針検出用データと照合して分針3と時針4の画像を全て抽出できたか否かを判別するようにしてもよい。ここで、ステップS11で、分針3と時針4と文字盤5との何れかが重なって撮像されたと判別された場合には、もう一度異なる時刻において再度アナログ時計撮像処理を行う必要がある旨のメッセージをユーザーに対し、音や液晶表示又はメールなどで報知するようにしてもよい。そして、ユーザーがこの報知に従わずに、再度アナログ時計撮影処理を行わなかった場合には、予め用意された複数の分針及び時針の中からユーザーが好みの分針及び時針を選択して取得された分針又は時針として使用することもできる。
【0034】
この際、1回目のアナログ時計撮像処理において、CPU20により文字盤5の色が単一色や単一柄であると判別された場合には複数回の撮影を行わないようにしてもよい。分針3や時針4が除去されていたとしても、例えば、分針3や時針4の背後にある文字盤5の色や柄を、周りの色や柄に基づいて補完処理を行って埋めることによって、針3や時針4、文字盤5の画像を生成するようにしてもよい。
【0035】
また、撮影処理の対象となるアナログ時計を、分針、時針及び文字盤を有する時計として説明したがこれに限定されない。すなわち、分針だけ、時針だけ、又は文字盤だけを有する時計、あるいはその他カタログの画像であってもよい。また、取得した画像に分針や時針又は文字盤の画像がない場合には、ユーザーは、代替画像として、予め用意された分針や時針又は文字盤の画像から所望する画像を選択して、分針、時針又は文字盤の画像とするようにしてもよい。
【0036】
次に、CPU20は、こうして分割によって抽出した文字盤画像と針画像とを対応付けて分割画像RAM80に記憶する(ステップS13)。文字盤画像とは、分割した画像のうち、アナログ時計の文字盤を含む画像であり、針画像とは、分割した画像のうちアナログ時計の分針や時針を含む画像である。この処理が終了すると、撮像処理を終了する。
【0037】
この撮像処理において、液晶表示部100に表示される表示例を図3及び図4に示す。
ステップS11で、撮像処理におけるアナログ時計撮像処理が開始されると、CPU20は、図3に示すように、液晶表示部100に撮像処理の対象となる被写体、すなわち、対象となるアナログ時計1の中心、大きさを調整するための撮影画面枠2を表示する。
この状態で、アナログ時計1を撮影画面枠2に収めると、図4に示すように、アナログ時計1の分針3を検出するための分針検出枠6、及び時針4を検出するための時針検出枠7が表示される。ステップS12に進み、CPU20は、時計・分針検出部60が、画像RAM40に記憶された時針・分針検出用データを照合して、分針検出枠6及び時針検出枠7に収められた分針3及び時針4の検出を行う。
【0038】
ここで、CPU20は、分針3及び時針4を、例えば、画像認識処理によって検出してもよい。例えば、CPU20は、撮像した画像データに基づいて撮像した被写体の特徴データ(被写体の輪郭や特徴点の認識、及び、それらの位置関係等も認識して、それらを数値化した数値データ)を算出し、時針・分針検出用データに予め登録されている各種類の時針・分針の特徴データと比較照合することにより、該撮像された被写体の画像データから時針・分針の部分を特定する。このとき、撮像した画像データから、時針・分針検出用データに登録されている各種類の時針・分針の特徴データに対して、最も一致度の高い部分を時針・分針の画像データとして検出するようにしてもよい。また、同じアナログ時計を異なる時刻で複数回撮影し、それらの画像を比較照合し、変化が大きい領域から時針・分針を検出するようにしてもよい。
【0039】
[時刻表示処理]
図5は、デジタルカメラ10が時刻表示モードで実行する時刻表示処理を示すフローチャートである。図6は、時刻表示処理で合成した画像の表示例を示す図である。
【0040】
ユーザーにより入力部50が操作されて時刻表示モードが選択されると、CPU20は、図5に示すフローチャートの処理を実行するためのプログラムをプログラムROM25から読み出す。CPU20は、このプログラムに従って、図5に示すフローチャートにおける各種処理を実行する。
【0041】
まず、図5を参照して、CPU20の制御による時刻表示モードで実行される時刻表示処理について説明する。
【0042】
はじめに、CPU20は、ユーザーの指示に応じて、時計画像(元画像)を選択する(ステップS21)。この処理では、CPU20は、分割画像RAM80に対応づけて記憶されている一又は複数の分割した文字盤画像と針画像を液晶表示部100に表示し、ユーザーが指定した文字盤画像と針画像とを選択する。
尚、文字盤画像と針画像は、分割画像RAM80に記憶された同一のアナログ時計の画像から抽出された画像を選択するようにしてもよいが、本発明はこれに限定されない。例えば、文字盤画像と針画像をそれぞれ別々のアナログ時計の画像から選択できるようにしてもよい。
【0043】
次に、CPU20は、計時部85にて計時した時刻を現在時刻として取得する(ステップS22)。
次に、画像合成部90は、CPU20の命令により、取得した現在時刻を示すアナログ時計の画像となるように対応する文字盤画像と針画像とを合成して合成画像を作成する(ステップS23)。この処理では、ステップS21で選択した文字盤の画像上に、CPU20によって計時した現在の時刻を示すように、ステップS21で選択した分針と時針の画像を重ね合わせる処理を行う。この時、時針、分針を画面の中心、つまり、撮影されたアナログ時計の中心を軸に実際の時刻に応じて回転するように合成していく。
【0044】
次に、CPU20は、こうして作成した合成画像を液晶表示部100に表示させる(ステップS24)。
【0045】
次に、CPU20は、表示終了指示があるか否かを判別する(ステップS25)。すなわちこの処理では、ユーザーにより、入力部50が操作されて撮影モードなどの時刻表示モード以外のモードが選択されるなどして、時刻表示の終了指示が出たか否かを判別する。CPU20は、表示終了指示がないと判別したときには、ステップS22の処理に戻る一方で、表示終了指示があると判別したときには、時刻表示処理を終了する。
したがって、ユーザーにより時刻表示モードが選択されている間は、ステップS22〜ステップS24の処理が順次繰り返し行われ、液晶表示部100において、現在の時刻を表示するように、現在の時刻を取得する処理、画像を合成して合成画像を作成する処理、及び合成画像を表示する処理、が順次繰り返し行われる。また、プログラムROMに記憶するプログラムには、ステップS23、S24で、撮影時に検出された時針、分針を画面の中心、つまり、撮影されたアナログ時計の中心を軸に実際の時刻に応じて回転するようにプログラムを組んでおく。これによって、時刻に応じて針が動く時計の写真を再生することが可能となる。
【0046】
この時刻表示処理において、現在の時刻が11時30分である場合の液晶表示部100に表示される表示例を図6に示す。
図6に示すように、時刻表示処理における合成画像の表示が行われると、液晶表示部100には、アナログ時計1aを構成する合成された文字盤5aの画像と、文字盤5aの画像上において、選択された分針3a及び時針4aが表示される。
文字盤5aには、現在の時刻を表示する数文字8aが表示されている。この数文字8aは、元のアナログ時計1において、数文字8aを備えていない場合には原則として表示されないが、数文字8aが存在しない文字盤の場合には、予め用意された数文字8aの中から、ユーザーが所望する数文字8aを選択して、文字盤5aの画像上において合成できるようにしてもよい。
そして、ユーザーにより時刻表示モードが選択されている間は、液晶表示部100において現在の時刻を表示するように分針3a及び時針4aの表示が行われる。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施の形態おいては、分針3と時針4及び文字盤5を含む画像を取得し、取得された画像を分針3と時針4とを含む針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤5の画像とに分割し、分割された文字盤5の画像上に、現在の時刻を示すように画像取得部70によって分割された分針3と時針4の画像を合成して合成画像を作成し、この合成画像を液晶表示部100において表示する。
このため、取得されたアナログ時計の文字盤の画像上に現在の時刻を示すように分針や時針を表示することができることから、ユーザーがお気に入りのアナログ時計の画像をデジタルカメラなどで撮像して取得するだけで、そのアナログ時計をいかにも実際に動いているかごとく表示することができる。
したがって、例え興味はあるが値段が高いなどの理由から所持していないアナログ時計であっても、そのアナログ時計の時針や分針及び文字盤などの画像を有効に活用して現在の時刻を表示することによりユーザーの興趣を高めることができる。
【0048】
また、取得する分針と時針及び文字盤の画像は、実際に動いている実物のアナログ時計のみならず、カタログに掲載されているアナログ時計の写真、又は、玩具の時計でもあってもよい。
これにより、例えば、今はもう動かなくなったアンティークの時計や、その写真又は絵画などであっても、その分針と時針及び文字盤を活用して、いかにも実際に動いているかのごとく表示することができる。
したがって、従来では、7セグメントディスプレイにおいて表示されるようなデジタル表示、又は単にプログラムで作成されたあじけない単純な柄や模様により形成されているアナログ様表示の時計に代えて、実際の分針、時針又は文字盤を活用して現在の時刻を表示することで、ユーザーの興趣を高めることができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、入力部50が操作されて時刻表示モードが選択される間は、CPU20による時刻の計時の処理、画像合成部90による合成の処理、及びCPU20による液晶表示部100への表示の処理が順次行われる。
このため、ユーザーが入力部50を操作することにより、時刻表示モードを終了させない限り、継続して液晶表示部100において現在の時刻を表示し続ける。したがって、ユーザーは時刻表示モードを選択することにより、実際のアナログ時計と同様に現在の時刻を刻々と表示し続けるアナログ時計として使用することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、異なる時刻において、分針3と時針4及び文字盤5を含む画像を複数取得し、取得された複数の画像を、分針3と時針4とを含む針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤5の画像とにそれぞれ異なる時刻ごとに分割し、異なる時刻ごとに分割された文字盤の画像から1つの文字盤を生成し、この生成された文字盤の画像上に、現在の時刻を示すように画像取得部70によって分割された分針3と時針4の画像を合成して合成画像を作成し、この合成画像を液晶表示部100において表示する。
【0051】
このため、1回目の画像の取得時において、分針3と時針4の存在により、その背後にある文字盤5の模様が隠れてしまった場合であっても、2回目以降の画像の取得時において文字盤5の模様を取得することができる。これにより、1回目と2回目以降に取得された文字盤の画像を合成することにより、文字盤の模様が隠れてしまっている箇所を互いに補完して1つの完全な模様の文字盤の画像を生成することができる。このため、ユーザーは、元のアナログ時計と同じ模様や柄を有する文字盤上に現在の時刻を示すように分針や時針を表示することができる。したがって、元のアナログ時計の模様を略完全に復元して現在の時刻を表示することによりユーザーの興趣を高めることができる。
【0052】
以上、様々な実施の形態の時刻表示装置について説明した。本発明の時刻表示装置は、液晶表示部100を備えたデジタルカメラ10として説明したがこれに限られない。例えば、液晶表示部100を備えたフォトフレームであってもよい。この場合、フォトフレームとは別体のデジタルカメラ等により撮影されたアナログ時計の画像を入力する入力手段を備え、この入力手段を介して分針と時針及び文字盤を含むアナログ時計の画像を取得するようにしてもよい。入力手段としては、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDカード(登録商標)等の各種メモリーカード等と接続できる外部メモリーI/Fを備え、外部メモリーI/Fを介して分針と時針及び文字盤を含むアナログ時計の画像を取得するようにしてもよい。また、入力手段として、USBコネクター用スロット、Bluetooth(登録商標)ポート、WirelessUSBポート、赤外線ポート、無線LANポート(IEEE802.11シリーズ)等の外部接続用I/Fを備え、外部接続用I/Fを介して、分針と時針及び文字盤を含むアナログ時計の画像を取得するようにしてもよい。
【0053】
また、本発明の時刻表示装置は、液晶表示部100を備えた一般的なコンピュータを上述した各手段として機能させる時刻表示プログラムによって動作させることができる。時刻表示プログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROMなどの記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 アナログ時計
3 分針
4 時針
5 文字盤
10 デジタルカメラ
20 CPU
25 プログラムROM
30 撮像素子
40 画像RAM
50 入力部
60 時計・分針検出部
70 画像取得部
80 分割画像RAM
85 計時部
90 画像合成部
100 液晶表示部
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻表示装置、時刻表示方法、時刻表示プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、アナログ時計を撮影することにより、撮影したアナログ時計の時針・分針の位置から撮影したときの時刻を読み取り、これにデジタルカメラ本体に設定される現在時刻を合わせるものが存在している。
【0003】
このようなデジタルカメラとして、例えば、時間差をもって撮影したアナログ時計の2つの撮影画像に基づき、該アナログ時計を構成する時針、分針、秒針を特定し、特定した時針、分針、秒針の撮影画像を用いて時刻情報を取得するものが知られている(特許文献1を参照)。このデジタルカメラの場合、ユーザーはアナログ時計を撮影するだけで、デジタルカメラの時刻を正確に補正することができ、時刻を補正する手間を省くことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−245126号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、かかるデジタルカメラにあっては、デジタルカメラに内蔵されている時刻機能を正確に合わせることができるものの、デジタルカメラの液晶表示部などにデジタル表示する時刻を補正するに過ぎなかった。すなわち、時針や分針、又はアナログ時計の文字盤などの撮影画像そのものを活用して時刻を表示することはできず興趣に欠けていた。
【0006】
本発明は、上述の従来の課題に鑑みてなされたものであり、アナログ時計の時針や分針などの画像を有効に活用して時刻を表示することにより興趣を高めることができる時刻表示装置、時刻表示方法、時刻表示プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1に記載の発明に係る時刻表示装置は分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段と、前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した前記針除去画像とを取得する第2取得手段と、時刻を計時する計時手段と、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段と、前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段と、を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記計時手段によって計時した時刻を表示する時刻表示モードを含む複数のモードの中から現在のモードを選択するモード選択手段を備え、前記モード選択手段によって前記時刻表示モードが選択されている間は、前記計時手段による計時の処理、前記合成手段による合成の処理、及び前記表示手段による表示の処理を順次繰り返し行うことを特徴とする。
【0009】
請求項3に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記第1取得手段は、異なる時刻において、前記画像を複数取得し、前記第2取得手段は、前記第1取得手段によって取得した複数の前記画像から、前記針抽出画像と前記針除去画像とをそれぞれ前記異なる時刻ごとに取得し、前記合成手段は、前記第2取得手段によって取得された前記複数の針除去画像を合成して1つの針除去画像を生成する生成手段を備え、前記合成手段は、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記生成手段によって生成した前記1つの針除去画像と前記第2取得手段によって取得した前記分針と前記時針を抽出した針抽出画像とを合成することを特徴とする。
【0010】
請求項4に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記第1取得手段は、撮像手段による撮像によって前記分針と時針及び文字盤を含む画像を取得することを特徴とする。
【0011】
請求項5に記載の発明に係る時刻表示装置は、前記針除去画像は、前記第1取得手段によって取得した前記画像から針部分を除去された文字盤部分を抽出した文字盤抽出画像であることを特徴とする。
【0012】
請求項6に記載の発明に係る時刻表示方法は、分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得ステップと、前記第1取得ステップによって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した前記針除去画像とを取得する第2取得ステップと、時刻を計時する計時ステップと、前記計時ステップによって計時した時刻を示すように、前記第2取得ステップによって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成ステップと、前記合成ステップによって合成された画像を表示部に表示する表示ステップと、を備えたことを特徴とする。
【0013】
請求項7に記載の発明に係る時刻表示プログラムは、時刻表示装置を備えるコンピュータを、分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段、前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した前記針除去画像とを取得する第2取得手段、時刻を計時する計時手段、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって分割した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段、前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段として機能させることを特徴とする。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、アナログ時計の時針や分針などの画像を有効に活用して時刻を表示することにより興趣を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施形態に係る時刻表示装置を備えるデジタルカメラの機能構成図である。
【図2】図1のデジタルカメラのアナログ時計撮像処理を示すフローチャートである。
【図3】図1のデジタルカメラのアナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出前の状態を説明するための図である。
【図4】図1のデジタルカメラのアナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出中の状態を説明するための図である。
【図5】図1のデジタルカメラの時刻表示処理を示すフローチャートである。
【図6】図1のデジタルカメラの時刻表示処理で合成した画像の表示例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、図1〜図6を参照して、本発明の実施の形態に係る時刻表示装置として機能するデジタルカメラ10について説明する。
【0017】
[機能構成図]
図1は、本発明の実施の形態に係る時刻表示装置として機能するデジタルカメラ10の機能構成図である。このデジタルカメラ10は、基本となる動作モードとして、撮影モードと、時刻表示モードとを有している。
撮影モードでは、ユーザーの操作に応じて、分針や時針及び文字盤を含むアナログ時計を被写体として撮影し、撮影したアナログ時計の画像を分針や時針を含む画像と文字盤を含む画像とに分割して記録するアナログ時計撮像処理を行う。時刻表示モードでは、撮影モードで撮影したアナログ時計の画像から分割した文字盤の画像に、現在の時刻にあわせて、同じく撮影モードで撮影したアナログ時計の画像から分割した分針や時針の画像を合成し、こうして合成した画像を表示する。
【0018】
本実施の形態のデジタルカメラ10は、CPU20、CPU20がデジタルカメラ10の各種機能を実現するためのプログラムなどを記憶したプログラムROM25、撮像素子30、画像RAM40、入力部50、分割画像RAM80、計時部85、画像合成部90、及び、液晶表示部100を備える。また、CPU20は、時針・分針検出部60、及び、画像取得部70を備える。尚、時針・分針検出部60、及び、画像取得部70は、プログラムROM25に記憶されたプログラムを実行することによりCPU20で機能するものとする。また、入力部50は、ユーザーの操作を検出することにより本発明に関連するモード選択手段として機能する他、画像の記録指示を検出するためのシャッターキーや、後述する時刻表示モードへのモード遷移を検出するためのキーを含む。分割画像RAM80は、抽出した時針・分針画像を記憶する時針・分針画像メモリ801と、背景(文字盤・ベゼル)画像を記憶する背景(文字盤・ベゼル)画像メモリ802とが含まれる。
【0019】
撮像素子30は、CPU20からの命令に基づき、撮像範囲にある被写体の画像を取り込む。撮像素子30は、アナログ時計が撮像範囲にある場合、撮影モードにおいて、ユーザーの操作に応じて、分針、時針及び文字盤を含むアナログ時計を被写体像として撮像する。撮像素子30は、CCD又はCMOS等により形成され、被写体画像(イメージ)を結像し、RGBの各色の光の強さを、電流値に変換して画像データを生成する。
画像RAM40は、撮像素子30により撮像されて取得された画像データを記憶する。この画像データには、撮像素子30が撮影モードにて撮像した、分針と時針及び分針、時針の背後に存在する文字盤を含むアナログ時計の画像データを含む。時針・分針検出部60は、CPU20が撮像した画像データから時針・分針などを検出する際に照合する時針・分針検出用データを含む、本実施の形態のデジタルカメラ10が必要な機能を実現するための必要なデータを記憶している。
CPU20は、プログラムROM25に記憶されたプログラムを実行して、単独で、又は他の構成部と協働して様々な処理を行い、デジタルカメラ10の各種手段、各種構成部及び各種機能を実現する。
【0020】
入力部50は、デジタルカメラ10の外方に、ユーザーが必要に応じて自由に操作できるように形成されており、ユーザーの操作により入力されるユーザーからの命令をCPU20に指示するユーザ・インタフェースである。具体的には、入力部50は、ユーザーの操作に応じて、CPU20が計時部85で計時した時刻を表示する時刻表示モード、アナログ時計を撮影してアナログ時計の文字盤と分針や時針の画像を抽出するアナログ時計撮影処理などを行う撮影モードなどモードの選択、又はモードの終了をCPU20に指示する。入力部50は、例えば、ボタン、ダイヤルなどであってもよく、ユーザーからのモード選択以外の指示を入力してもよい。本実施の形態では、特に断らない限り、ユーザーからの指示は入力部50を介して入力される。
【0021】
時針・分針検出部60は、CPU20が画像RAM40から取得した画像データの中から、画像RAM40に記憶した時針・分針検出用データを参照して時針及び分針の画像部分の検出を行う。
画像取得部70は、CPU20により取得されて時針・分針検出部60により検出が行われた画像を、分針と時針とを含む針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤の画像とに分割させて取得する。
分割画像RAM80は、画像取得部70により取得された分針と時針とを含む針部分の画像を時針・分針画像メモリ801に記憶し、一方、針部分の画像を除去した文字盤の画像を背景画像として背景(文字盤・ベゼル)画像メモリ802に記憶する。また、分割に限らず、針部分の画像と針部分の画像を除去した文字盤の画像とを抽出した画像であってもよい。
【0022】
計時手段として機能する計時部85は、CPU20の指示に応じて現在の時刻を計時する。
合成手段として機能する画像合成部90は、入力部50が操作されて時刻表示モードが選択されると、CPU20からの指示に応じて、分割画像RAM80に記憶されている画像取得部70によって分割された文字盤の画像上に、計時部85によって計時した時刻を示すように、分割画像RAM80に記憶されている分割された分針と時針とを含む針部分の画像を合成する。
表示手段として機能するCPU20は、画像合成部90によって合成された画像を、表示部としての液晶表示部100に表示する。
【0023】
また、画像合成部90は、画像取得部70によって異なる時刻ごとに分割した複数の文字盤画像を合成して1つの文字盤画像を合成する生成手段であり、画像生成部としても機能する。
また、画像合成部90は、文字盤画像を生成した後、生成した文字盤の画像に、分割画像RAM80に記憶している針部分の画像、すなわち、分針と時針の画像を合成してCPU20が計時する時刻を示すアナログ時計の画像を生成する。この時、時針、分針を撮影されたアナログ時計の中心を軸に実際の時刻に応じて回転するように合成していく。これによって、時刻に応じて針が動く時計の写真を再生することが可能となる。
【0024】
また、入力部50の操作により時刻表示モードが選択されている間、時刻表示モードの終了指示があるまで、計時部85による現在時刻の計時の処理、画像合成部90による文字盤画像と時針、分針の画像との合成により現在時刻を示す時計の画像を生成する処理、及びCPU20による生成した現在時刻を示す時計の画像を液晶表示部100に表示する処理が順次行われる。
【0025】
[アナログ時計撮像処理]
図2は、デジタルカメラ10が撮影モードで実行する、分針や時針及び文字盤を含むアナログ時計を被写体として撮影し、撮影した時計の画像を分針や時針を含む画像と文字盤を含む画像とに分割して記憶するアナログ時計撮影処理を示すフローチャートである。図3は、アナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出前の状態を示す図である。図4は、撮影モードで行われるアナログ時計撮像処理におけるアナログ時計の分針や時針の検出中の状態を示す図である。
【0026】
入力部50が操作されて撮影モードが選択され、アナログ時計撮像処理が指示されると、CPU20は、図2に示すフローチャートの処理を実行するためのプログラムをプログラムROM25から読み出す。CPU20は、このプログラムに従って、図2に示すフローチャートにおける各種処理を実行する。
【0027】
まず、図2を参照して、CPU20の制御による撮影モードで実行される撮像処理について説明する。
【0028】
はじめに、CPU20は、アナログ時計撮像処理を行う(ステップS11)。アナログ時計撮像処理では、撮像素子30の前に置かれたアナログ時計の撮像を行い、アナログ時計を構成する分針3と時針4及び文字盤5を含む画像の取得を行う。また、ここで文字盤5とは、当該アナログ時計のケース部分、または、そのケース部分の外側に取り付けられるベゼルなどの金属製の装飾部材を含んでもよい。
【0029】
この場合、被写体の対象となるアナログ時計は、必ずしも動いている本物のアナログ時計である必要はなく、分針、時針及び文字盤を有する時計であればよい。すなわち、アナログ時計を撮影した写真やカタログ、又は玩具の時計であってもよい。アナログ時計画像処理において取得された画像は、画像RAM40において記憶される。
【0030】
尚、アナログ時計撮像処理において、アナログ時計を構成する分針3と時針4及び文字盤5を含む画像の取得は異なる時刻において少なくとも2回、望ましくは複数回行うことが好ましい。すなわち、分針3と時針4の存在により、その背後にある文字盤5に記載されている時刻を表示する数文字8や、文字盤5の模様が隠れてしまうことがあるため、分針3と時針4とにより隠れる文字盤5の位置が異なる時刻で、少なくとも2回アナログ時計撮像処理により撮像を行い、こうして撮像した少なくとも2枚の画像を画像RAM40に記憶する。
また、少なくとも2回のアナログ時計撮像処理を必要とする場合、1回目のアナログ時計撮像処理の後、もう一度異なる時刻において2回目のアナログ時計撮像処理を行う必要がある旨のメッセージをユーザーに対し、音や液晶表示又はメールなどで報知するようにしてもよい。
【0031】
また、2回のアナログ時計撮影処理を必要とする場合であっても、ユーザーの選択により、1回のアナログ時計撮影処理だけで終了させることもできる。この場合には、予め用意された複数の文字盤の中からユーザーが好みの文字盤を選択して使用するようにしてもよい。
【0032】
次に、画像取得部70は、CPU20の命令により撮像した画像から、アナログ時計の文字盤5の部分と、分針3と時針4とにより構成される針部分を分割させた画像の生成を行う(ステップS12)。本実施の形態では、画像取得部70は、画像RAM40において記憶された画像を、アナログ時計の分針3と時針4とにより構成される針部分の画像と、分針3と時針4とにより構成される針部分の画像を除去した文字盤5の部分の画像と、に分割する処理を行う。
【0033】
また、CPU20は、画像RAM40に記憶した時針・分針検出用データと照合して分針3と時針4の画像を全て抽出できたか否かを判別するようにしてもよい。ここで、ステップS11で、分針3と時針4と文字盤5との何れかが重なって撮像されたと判別された場合には、もう一度異なる時刻において再度アナログ時計撮像処理を行う必要がある旨のメッセージをユーザーに対し、音や液晶表示又はメールなどで報知するようにしてもよい。そして、ユーザーがこの報知に従わずに、再度アナログ時計撮影処理を行わなかった場合には、予め用意された複数の分針及び時針の中からユーザーが好みの分針及び時針を選択して取得された分針又は時針として使用することもできる。
【0034】
この際、1回目のアナログ時計撮像処理において、CPU20により文字盤5の色が単一色や単一柄であると判別された場合には複数回の撮影を行わないようにしてもよい。分針3や時針4が除去されていたとしても、例えば、分針3や時針4の背後にある文字盤5の色や柄を、周りの色や柄に基づいて補完処理を行って埋めることによって、針3や時針4、文字盤5の画像を生成するようにしてもよい。
【0035】
また、撮影処理の対象となるアナログ時計を、分針、時針及び文字盤を有する時計として説明したがこれに限定されない。すなわち、分針だけ、時針だけ、又は文字盤だけを有する時計、あるいはその他カタログの画像であってもよい。また、取得した画像に分針や時針又は文字盤の画像がない場合には、ユーザーは、代替画像として、予め用意された分針や時針又は文字盤の画像から所望する画像を選択して、分針、時針又は文字盤の画像とするようにしてもよい。
【0036】
次に、CPU20は、こうして分割によって抽出した文字盤画像と針画像とを対応付けて分割画像RAM80に記憶する(ステップS13)。文字盤画像とは、分割した画像のうち、アナログ時計の文字盤を含む画像であり、針画像とは、分割した画像のうちアナログ時計の分針や時針を含む画像である。この処理が終了すると、撮像処理を終了する。
【0037】
この撮像処理において、液晶表示部100に表示される表示例を図3及び図4に示す。
ステップS11で、撮像処理におけるアナログ時計撮像処理が開始されると、CPU20は、図3に示すように、液晶表示部100に撮像処理の対象となる被写体、すなわち、対象となるアナログ時計1の中心、大きさを調整するための撮影画面枠2を表示する。
この状態で、アナログ時計1を撮影画面枠2に収めると、図4に示すように、アナログ時計1の分針3を検出するための分針検出枠6、及び時針4を検出するための時針検出枠7が表示される。ステップS12に進み、CPU20は、時計・分針検出部60が、画像RAM40に記憶された時針・分針検出用データを照合して、分針検出枠6及び時針検出枠7に収められた分針3及び時針4の検出を行う。
【0038】
ここで、CPU20は、分針3及び時針4を、例えば、画像認識処理によって検出してもよい。例えば、CPU20は、撮像した画像データに基づいて撮像した被写体の特徴データ(被写体の輪郭や特徴点の認識、及び、それらの位置関係等も認識して、それらを数値化した数値データ)を算出し、時針・分針検出用データに予め登録されている各種類の時針・分針の特徴データと比較照合することにより、該撮像された被写体の画像データから時針・分針の部分を特定する。このとき、撮像した画像データから、時針・分針検出用データに登録されている各種類の時針・分針の特徴データに対して、最も一致度の高い部分を時針・分針の画像データとして検出するようにしてもよい。また、同じアナログ時計を異なる時刻で複数回撮影し、それらの画像を比較照合し、変化が大きい領域から時針・分針を検出するようにしてもよい。
【0039】
[時刻表示処理]
図5は、デジタルカメラ10が時刻表示モードで実行する時刻表示処理を示すフローチャートである。図6は、時刻表示処理で合成した画像の表示例を示す図である。
【0040】
ユーザーにより入力部50が操作されて時刻表示モードが選択されると、CPU20は、図5に示すフローチャートの処理を実行するためのプログラムをプログラムROM25から読み出す。CPU20は、このプログラムに従って、図5に示すフローチャートにおける各種処理を実行する。
【0041】
まず、図5を参照して、CPU20の制御による時刻表示モードで実行される時刻表示処理について説明する。
【0042】
はじめに、CPU20は、ユーザーの指示に応じて、時計画像(元画像)を選択する(ステップS21)。この処理では、CPU20は、分割画像RAM80に対応づけて記憶されている一又は複数の分割した文字盤画像と針画像を液晶表示部100に表示し、ユーザーが指定した文字盤画像と針画像とを選択する。
尚、文字盤画像と針画像は、分割画像RAM80に記憶された同一のアナログ時計の画像から抽出された画像を選択するようにしてもよいが、本発明はこれに限定されない。例えば、文字盤画像と針画像をそれぞれ別々のアナログ時計の画像から選択できるようにしてもよい。
【0043】
次に、CPU20は、計時部85にて計時した時刻を現在時刻として取得する(ステップS22)。
次に、画像合成部90は、CPU20の命令により、取得した現在時刻を示すアナログ時計の画像となるように対応する文字盤画像と針画像とを合成して合成画像を作成する(ステップS23)。この処理では、ステップS21で選択した文字盤の画像上に、CPU20によって計時した現在の時刻を示すように、ステップS21で選択した分針と時針の画像を重ね合わせる処理を行う。この時、時針、分針を画面の中心、つまり、撮影されたアナログ時計の中心を軸に実際の時刻に応じて回転するように合成していく。
【0044】
次に、CPU20は、こうして作成した合成画像を液晶表示部100に表示させる(ステップS24)。
【0045】
次に、CPU20は、表示終了指示があるか否かを判別する(ステップS25)。すなわちこの処理では、ユーザーにより、入力部50が操作されて撮影モードなどの時刻表示モード以外のモードが選択されるなどして、時刻表示の終了指示が出たか否かを判別する。CPU20は、表示終了指示がないと判別したときには、ステップS22の処理に戻る一方で、表示終了指示があると判別したときには、時刻表示処理を終了する。
したがって、ユーザーにより時刻表示モードが選択されている間は、ステップS22〜ステップS24の処理が順次繰り返し行われ、液晶表示部100において、現在の時刻を表示するように、現在の時刻を取得する処理、画像を合成して合成画像を作成する処理、及び合成画像を表示する処理、が順次繰り返し行われる。また、プログラムROMに記憶するプログラムには、ステップS23、S24で、撮影時に検出された時針、分針を画面の中心、つまり、撮影されたアナログ時計の中心を軸に実際の時刻に応じて回転するようにプログラムを組んでおく。これによって、時刻に応じて針が動く時計の写真を再生することが可能となる。
【0046】
この時刻表示処理において、現在の時刻が11時30分である場合の液晶表示部100に表示される表示例を図6に示す。
図6に示すように、時刻表示処理における合成画像の表示が行われると、液晶表示部100には、アナログ時計1aを構成する合成された文字盤5aの画像と、文字盤5aの画像上において、選択された分針3a及び時針4aが表示される。
文字盤5aには、現在の時刻を表示する数文字8aが表示されている。この数文字8aは、元のアナログ時計1において、数文字8aを備えていない場合には原則として表示されないが、数文字8aが存在しない文字盤の場合には、予め用意された数文字8aの中から、ユーザーが所望する数文字8aを選択して、文字盤5aの画像上において合成できるようにしてもよい。
そして、ユーザーにより時刻表示モードが選択されている間は、液晶表示部100において現在の時刻を表示するように分針3a及び時針4aの表示が行われる。
【0047】
以上説明したように、本発明の実施の形態おいては、分針3と時針4及び文字盤5を含む画像を取得し、取得された画像を分針3と時針4とを含む針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤5の画像とに分割し、分割された文字盤5の画像上に、現在の時刻を示すように画像取得部70によって分割された分針3と時針4の画像を合成して合成画像を作成し、この合成画像を液晶表示部100において表示する。
このため、取得されたアナログ時計の文字盤の画像上に現在の時刻を示すように分針や時針を表示することができることから、ユーザーがお気に入りのアナログ時計の画像をデジタルカメラなどで撮像して取得するだけで、そのアナログ時計をいかにも実際に動いているかごとく表示することができる。
したがって、例え興味はあるが値段が高いなどの理由から所持していないアナログ時計であっても、そのアナログ時計の時針や分針及び文字盤などの画像を有効に活用して現在の時刻を表示することによりユーザーの興趣を高めることができる。
【0048】
また、取得する分針と時針及び文字盤の画像は、実際に動いている実物のアナログ時計のみならず、カタログに掲載されているアナログ時計の写真、又は、玩具の時計でもあってもよい。
これにより、例えば、今はもう動かなくなったアンティークの時計や、その写真又は絵画などであっても、その分針と時針及び文字盤を活用して、いかにも実際に動いているかのごとく表示することができる。
したがって、従来では、7セグメントディスプレイにおいて表示されるようなデジタル表示、又は単にプログラムで作成されたあじけない単純な柄や模様により形成されているアナログ様表示の時計に代えて、実際の分針、時針又は文字盤を活用して現在の時刻を表示することで、ユーザーの興趣を高めることができる。
【0049】
また、本実施の形態においては、入力部50が操作されて時刻表示モードが選択される間は、CPU20による時刻の計時の処理、画像合成部90による合成の処理、及びCPU20による液晶表示部100への表示の処理が順次行われる。
このため、ユーザーが入力部50を操作することにより、時刻表示モードを終了させない限り、継続して液晶表示部100において現在の時刻を表示し続ける。したがって、ユーザーは時刻表示モードを選択することにより、実際のアナログ時計と同様に現在の時刻を刻々と表示し続けるアナログ時計として使用することができる。
【0050】
また、本実施の形態においては、異なる時刻において、分針3と時針4及び文字盤5を含む画像を複数取得し、取得された複数の画像を、分針3と時針4とを含む針部分の画像と、針部分の画像を除去した文字盤5の画像とにそれぞれ異なる時刻ごとに分割し、異なる時刻ごとに分割された文字盤の画像から1つの文字盤を生成し、この生成された文字盤の画像上に、現在の時刻を示すように画像取得部70によって分割された分針3と時針4の画像を合成して合成画像を作成し、この合成画像を液晶表示部100において表示する。
【0051】
このため、1回目の画像の取得時において、分針3と時針4の存在により、その背後にある文字盤5の模様が隠れてしまった場合であっても、2回目以降の画像の取得時において文字盤5の模様を取得することができる。これにより、1回目と2回目以降に取得された文字盤の画像を合成することにより、文字盤の模様が隠れてしまっている箇所を互いに補完して1つの完全な模様の文字盤の画像を生成することができる。このため、ユーザーは、元のアナログ時計と同じ模様や柄を有する文字盤上に現在の時刻を示すように分針や時針を表示することができる。したがって、元のアナログ時計の模様を略完全に復元して現在の時刻を表示することによりユーザーの興趣を高めることができる。
【0052】
以上、様々な実施の形態の時刻表示装置について説明した。本発明の時刻表示装置は、液晶表示部100を備えたデジタルカメラ10として説明したがこれに限られない。例えば、液晶表示部100を備えたフォトフレームであってもよい。この場合、フォトフレームとは別体のデジタルカメラ等により撮影されたアナログ時計の画像を入力する入力手段を備え、この入力手段を介して分針と時針及び文字盤を含むアナログ時計の画像を取得するようにしてもよい。入力手段としては、コンパクトフラッシュ(登録商標)、メモリースティック(登録商標)、SDカード(登録商標)等の各種メモリーカード等と接続できる外部メモリーI/Fを備え、外部メモリーI/Fを介して分針と時針及び文字盤を含むアナログ時計の画像を取得するようにしてもよい。また、入力手段として、USBコネクター用スロット、Bluetooth(登録商標)ポート、WirelessUSBポート、赤外線ポート、無線LANポート(IEEE802.11シリーズ)等の外部接続用I/Fを備え、外部接続用I/Fを介して、分針と時針及び文字盤を含むアナログ時計の画像を取得するようにしてもよい。
【0053】
また、本発明の時刻表示装置は、液晶表示部100を備えた一般的なコンピュータを上述した各手段として機能させる時刻表示プログラムによって動作させることができる。時刻表示プログラムは、通信回線を介して配布することも可能であるし、CD−ROMなどの記録媒体に書き込んで配布することも可能である。
【符号の説明】
【0054】
1 アナログ時計
3 分針
4 時針
5 文字盤
10 デジタルカメラ
20 CPU
25 プログラムROM
30 撮像素子
40 画像RAM
50 入力部
60 時計・分針検出部
70 画像取得部
80 分割画像RAM
85 計時部
90 画像合成部
100 液晶表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した針除去画像とを取得する第2取得手段と、
時刻を計時する計時手段と、
前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする時刻表示装置。
【請求項2】
前記計時手段によって計時した時刻を表示する時刻表示モードを含む複数のモードの中から現在のモードを選択するモード選択手段を備え、
前記モード選択手段によって前記時刻表示モードが選択されている間は、前記計時手段による計時の処理、前記合成手段による合成の処理、及び前記表示手段による表示の処理を順次繰り返し行うことを特徴とする請求項1記載の時刻表示装置。
【請求項3】
前記第1取得手段は、異なる時刻において、前記画像を複数取得し、
前記第2取得手段は、前記第1取得手段によって取得した複数の前記画像から、前記針抽出画像と前記針除去画像とをそれぞれ前記異なる時刻ごとに取得し、
前記合成手段は、前記第2取得手段によって取得された前記複数の針除去画像を合成して1つの針除去画像を生成する生成手段を備え、
前記合成手段は、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記生成手段によって生成した前記1つの針除去画像と前記第2取得手段によって取得した前記分針と前記時針を抽出した針抽出画像とを合成することを特徴とする請求項1から請求項2までの何れかに記載の時刻表示装置。
【請求項4】
前記第1取得手段は、撮像手段による撮像によって前記分針と時針及び文字盤を含む画像を取得することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の時刻表示装置。
【請求項5】
前記針除去画像は、前記第1取得手段によって取得した前記画像から針部分を除去された文字盤部分を抽出した文字盤抽出画像であることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の時刻表示装置。
【請求項6】
分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した針除去画像とを取得する第2取得ステップと、
時刻を計時する計時ステップと、
前記計時ステップによって計時した時刻を示すように、前記第2取得ステップによって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成ステップと、
前記合成ステップによって合成された画像を表示部に表示する表示ステップと、
を備えたことを特徴とする時刻表示方法。
【請求項7】
時刻表示装置を備えるコンピュータを、
分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段、
前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した針除去画像とを取得する第2取得手段、
時刻を計時する計時手段、
前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段、
前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段
として機能させることを特徴とする時刻表示プログラム。
【請求項1】
分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段と、
前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した針除去画像とを取得する第2取得手段と、
時刻を計時する計時手段と、
前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段と、
前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段と、
を備えたことを特徴とする時刻表示装置。
【請求項2】
前記計時手段によって計時した時刻を表示する時刻表示モードを含む複数のモードの中から現在のモードを選択するモード選択手段を備え、
前記モード選択手段によって前記時刻表示モードが選択されている間は、前記計時手段による計時の処理、前記合成手段による合成の処理、及び前記表示手段による表示の処理を順次繰り返し行うことを特徴とする請求項1記載の時刻表示装置。
【請求項3】
前記第1取得手段は、異なる時刻において、前記画像を複数取得し、
前記第2取得手段は、前記第1取得手段によって取得した複数の前記画像から、前記針抽出画像と前記針除去画像とをそれぞれ前記異なる時刻ごとに取得し、
前記合成手段は、前記第2取得手段によって取得された前記複数の針除去画像を合成して1つの針除去画像を生成する生成手段を備え、
前記合成手段は、前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記生成手段によって生成した前記1つの針除去画像と前記第2取得手段によって取得した前記分針と前記時針を抽出した針抽出画像とを合成することを特徴とする請求項1から請求項2までの何れかに記載の時刻表示装置。
【請求項4】
前記第1取得手段は、撮像手段による撮像によって前記分針と時針及び文字盤を含む画像を取得することを特徴とする請求項1から請求項3までの何れかに記載の時刻表示装置。
【請求項5】
前記針除去画像は、前記第1取得手段によって取得した前記画像から針部分を除去された文字盤部分を抽出した文字盤抽出画像であることを特徴とする請求項1から請求項4までの何れかに記載の時刻表示装置。
【請求項6】
分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得ステップと、
前記第1取得ステップによって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した針除去画像とを取得する第2取得ステップと、
時刻を計時する計時ステップと、
前記計時ステップによって計時した時刻を示すように、前記第2取得ステップによって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成ステップと、
前記合成ステップによって合成された画像を表示部に表示する表示ステップと、
を備えたことを特徴とする時刻表示方法。
【請求項7】
時刻表示装置を備えるコンピュータを、
分針と時針及び文字盤を含む画像を取得する第1取得手段、
前記第1取得手段によって取得した前記画像を前記分針と前記時針とを含む針部分を抽出した針抽出画像と、前記針部分の画像を除去した針除去画像とを取得する第2取得手段、
時刻を計時する計時手段、
前記計時手段によって計時した時刻を示すように、前記第2取得手段によって取得した前記針除去画像と前記針抽出画像とを合成する合成手段、
前記合成手段によって合成された画像を表示部に表示する表示手段
として機能させることを特徴とする時刻表示プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【公開番号】特開2010−243334(P2010−243334A)
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−92388(P2009−92388)
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成22年10月28日(2010.10.28)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年4月6日(2009.4.6)
【出願人】(000001443)カシオ計算機株式会社 (8,748)
【Fターム(参考)】
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