説明

時系列データ管理装置及びプログラム

【課題】時間区分点によって特定される部分時系列データにキーワードを指定するユーザの作業負荷を軽減できる管理装置を提供する。
【解決手段】管理装置は、通話音声の録音を開始する(S2)。管理装置は、録音データに対する時間区切点を指定し(S6)、指定した時間区切点を録音データに設定する(S8)。管理装置は、複数のキーワードを表示する(S16、S18、S20)。管理装置は、表示されたキーワードの中から少なくとも一つのキーワードを選択する(S22)。管理装置は、選択したキーワードを、設定した時間区切点によって特定される部分時系列データに関連付ける(S24)。管理装置は、ひとつの録音データに対して異なる時間区切点を繰り返し指定することができる。また、管理装置は、時間区切点が指定される毎にキーワードを表示するとともに、前回に関連付けられたキーワードを前回に表示したときよりも表示優先順位を下げて表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時系列データに時間区切点を設定するとともに、時間区切点によって特定される部分時系列データにキーワードを関連付けることのできる時系列データ管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
ハードディスクに動画を記録する記録装置は、記録した動画データに時間区分点を設定することができる。記録装置は、設定された時間区分点から動画を再生することができる。そのような動作は一般に「頭だし」と呼ばれている。動画に限らず、時系列データに頭だしのための時間区分点を設定できると時系列データを管理し易い。例えば電話での通話音声に複数の話題が含まれることがあるため、話題ごとに区切る時間区切点を1回の録音データに付しておくと録音データを管理し易い。特許文献1に、1回の通話における一部の通話情報に通話識別情報を関連付けて記憶する電話装置が開示されている。
【0003】
特許文献1に開示された電話は、通話相手と回線が接続されてから切断されるまでの通話期間の通話において、通話相手と送受信される通話情報のうち少なくとも一部の通話情報と、1つの通話期間の通話を他の通話期間の通話と識別するための通話識別情報を記憶する。
【0004】
【特許文献1】特開2007−306340号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本明細書では、時系列データの全体の中から時間区分点によって特定される部分的なデータを部分時系列データと称する。
例えば上記したように、1つの時系列データ(録音データ)について複数の時間区切点を付して記憶しておくことは、その時系列データを構成する部分時系列データを利用する際に、部分時系列データの頭だしが容易にでき、ユーザにとって使い勝手がよい。しかしながら、時間区切点を付しても、その時間区切点により特定される部分時系列データがどのような内容に関するものであるかは、その時系列データを利用したユーザの記憶に頼るしかなかった。
すなわち、後日、ユーザが部分時系列データを利用する際、ユーザ自身が記憶する時間区切点を頼りに、利用を所望する部分時系列データを特定し利用していた。利用を所望する部分時系列データに付した時間区分点(時刻情報)を忘れてしまった場合、所望の部分時系列データを探すには、ユーザが時間区切点に基づく頭だし作業を繰り返して一つひとつの部分時系列データを確認する必要があった。
本発明は、時間区分点によって特定される部分時系列データを、後に検索しやすく管理可能な時系列データ管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本明細書が開示する時系列データ管理装置は、ユーザが時間区分点を指定すると、複数のキーワードをディスプレイに表示し、表示したキーワードの中から少なくとも一つのキーワードを選択することをユーザに促す。そして、時系列データ管理装置は、選択されたキーワードを時間区分点により特定される部分時系列データに関連付けて記憶する。これにより、時間区分点によって特定される部分時系列データを、後に検索しやすく管理可能な時系列データ管理装置を提供することができる。また、時系列データ管理装置のユーザは、時間区分点により特定される部分時系列データにキーワードを付すことができ、部分時系列データに付した時間区分点(例えば時刻)を忘れてしまった場合でも、その部分時系列データに付したキーワードから部分時系列データの内容を推測することができるので、利用を所望する部分時系列データを見つけやすい。
【0007】
本明細書が開示する時系列データ管理装置は、記憶手段、指定手段、設定手段、表示制御手段、選択手段、及び、関連付手段を備えている。記憶手段は、時系列データを記憶する。指定手段は、時系列データに対する時間区切点を指定する。設定手段は、指定された時間区切点を時系列データに設定する。表示制御手段は、時系列データに係る付属情報に基づいて、複数のキーワードを所定の表示優先順位でディスプレイに表示する。選択手段は、表示されたキーワードの中からユーザによって指定される少なくとも一つのキーワードを選択する。関連付手段は、選択されたキーワードを、設定された時間区切点によって特定される部分時系列データに関連付けて記憶する。付属情報とは、例えば、時系列データの作成日時でよい。或いは、付属情報とは、時系列データが通話内容の録音データの場合には、相手の電話番号でよい。所定の表示優先順位は、例えばアルファベット順でよい。或いは、複数のキーワードが過去に他の部分時系列データに関連付けられたキーワードである場合、関連付けられた日時の順でよい。特に後者の場合は、新しいキーワードほど目立つように表示される。記憶手段は、時系列データをリアルタイムに記録してよいし、別の装置が記録した時系列データを単にコピーして記憶してもよい。
【0008】
さらに、指定手段は、ひとつの時系列データに対して異なる複数の時間区切点を繰り返し指定することが可能であるとよい。このとき、表示制御手段は、指定手段が時間区切点を指定する毎に複数のキーワードを表示するとともに、指定手段により時間区切点が指定された際、関連付手段によって前回に関連付けられたキーワードを前回に表示したときよりも表示優先順位を下げて表示するとよい。
【0009】
上記の時系列データ管理装置は、ひとつの時系列データに含まれる複数の部分時系列データ(即ち、複数の時間区分点)に同じキーワードが指定される可能性は低いという知見を活用して創作された。本明細書に開示される時系列データ管理装置は、ユーザが異なる複数の時間区分点を指定する際に、ユーザが前回に選択したキーワードを、表示優先順位を下げて表示する。「表示優先順位を下げて表示する」とは、キーワードの表示の明るさを前回よりも低くする、表示の位置を前回よりも下げる、或いは文字の大きさを前回よりも小さくする、のいずれかであってよい。すなわち、この時系列データ管理装置は、毎回表示するキーワードのうち、ユーザに選択されていないキーワードを、既に選択されたキーワードよりも目立つように表示する。この時系列データ管理装置は、未選択のキーワードをユーザに選択させ易く表示する。そうすることによってこの時系列データ管理装置は、毎回異なるキーワードを選択するユーザの作業負荷を軽減する。
さらに、本明細書に開示される時系列データ管理装置は、通話音声の録音中、すなわち、時系列データ(録音データ)を作成している最中に時間区切点の指定とキーワードの選択が可能な構成であるので、迅速かつ的確なキーワード選択がユーザに要求される。前述したように、ひとつの録音データに含まれる複数の部分録音データに同じキーワードが指定される可能性は低い。従ってこの時系列データ管理装置は、すでに選択されたキーワードの表示優先度を下げることによって、通話をしながらも迅速に的確なキーワードを選択しなければならないユーザを補助することができる。
【0010】
より具体的には、指定手段、設定手段、及び選択手段は次の通りである。指定手段は、ユーザがコンソールなどの入力デバイスを介して入力した時間区切点を特定する。設定手段は、指定手段によって特定された時間区切点(すなわち、ユーザが入力した時間区切点)を、記憶した時系列データに設定する。選択手段は、表示された複数のキーワードの中からユーザによって指定される少なくとも一つのキーワードを特定する。
【0011】
表示制御手段が表示する複数のキーワードは、時系列データから抽出した複数の単語であってよい。特に、指定された時間区分点によって特定される部分時系列データに含まれている単語であることが好ましい。或いは表示制御手段が表示する複数のキーワードは、過去の他の時系列データの部分時系列データに関連付けられたキーワードであってよい。前者の場合、時系列データの内容に関連するキーワードが表示される。後者の場合、過去の部分時系列データと新たな部分時系列データを同じキーワードでまとめるのに都合がよい。なお、「部分時系列データに関連付けられたキーワード」は、「時間区分点に関連付けられたキーワード」と同義である。
【0012】
時系列データ管理装置はさらに、指定手段により時間区切点が指定された際に他の時間区切点が設定されていた場合、該他の時間区切点によって特定される部分時系列データに対して選択手段により選択されたキーワードが関連付手段により関連付けられているか否かを判断する判断手段を備えているとよい。このとき、表示制御手段は、判断手段により肯定判断された場合、関連付手段が前回に関連付けたキーワードを前回に表示したときよりも表示優先順位を下げてディスプレイに表示するとよい。さらに表示制御手段は、判断手段により否定判断された場合、指定手段により前回に時間区切点を指定した際に表示したキーワードの表示優先順位でキーワードをディスプレイに表示するとよい。そのような構成によって、時間区切点は設定されているがキーワードが関連付けられていない場合には、表示優先順位が変更されずにキーワードが表示される。
【0013】
関連付手段は、指定手段により時間区切点の指定が行なわれ、かつ、選択手段によりキーワードの選択が行なわれなかったことを条件として、即ち、ユーザが時間区切点を指定したがキーワードを選択しなかったことを条件として、指定した時間区切点によって特定される部分時系列データに、キーワードの選択が行なわれなかったことを示す識別子を関連付けることが好ましい。或いは関連付手段は、指定手段により時間区切点の指定が行なわれ、かつ、選択手段によりキーワードの選択が行なわれなかったことを条件として、即ち、ユーザが時間区切点は指定したがキーワードを選択しなかったことを条件として、指定した時間区切点によって特定される部分時系列データに、予め定められたキーワードを関連付けることが好ましい。そのような処理によって時系列データ管理装置は、ユーザが希望するキーワードが関連付けられた部分時系列データとそうでない部分時系列データを区別して記憶することができる。そのような処理を実行する時系列データ管理装置は、時間区分点が設定されているがユーザが希望するキーワードが関連付けられていない部分時系列データに対して後から改めてキーワードを関連付けることができる。
【0014】
時系列データは、典型的には、電話の通話音声を録音した録音データであってよい。この場合、表示制御手段は、録音データの録音中に指定手段により時間区切点の指定が行なわれたことを条件として、録音完了時に複数のキーワードを表示することが好ましい。そして関連付手段は、録音完了時に、選択手段により選択されたキーワードを、録音データ全体に関連付けて記憶することが好ましい。そのような時系列データ管理装置は、部分録音データだけでなく、録音データ全体を検索するためのキーワードを付することができる。
【0015】
時系列データが通話音声を録音した録音データである場合、部分時系列データは、録音データに設定された時間区切点によって特定される部分録音データを意味する。このとき、表示制御手段は、録音データの録音中に指定手段による時間区切点の指定が行なわれたことを条件として、他の録音データの部分録音データに関連付けられたキーワードを録音中に表示するとよい。また表示制御手段は、録音データの録音中に指定手段による時間区切点の指定が行なわれたことを条件として、録音完了時に、他の録音データに関連付けられたキーワードを表示するとよい。
本明細書に開示される時系列データ管理装置は、通話音声の録音中、すなわち、時系列データ(録音データ)を作成している最中に時間区切点の指定とキーワードの選択が可能な構成である。そのような構成を有する時系列データ管理装置を用いることによって、ユーザは、後々通話内容を推測するのに好適なキーワードを選択できる。つまり、ユーザは、通話をしている時の方が、その内容を的確に認識しているので、通話終了後の通話内容に関する記憶が希薄になった時に選択するよりも、より通話内容に則した適切なキーワードの選択が可能なためである。
【0016】
時系列データが通話音声を録音した録音データである場合、表示制御手段は、同じ電話番号の相手装置との間の通話音声を録音した過去の録音データに関連付けられたキーワードを表示することが好ましい。そのような処理を実行する時系列データ管理装置は、同じ電話番号の相手装置との間の複数の録音データの部分録音データに同じキーワードを関連付けることができる。表示制御手段は、録音手段が録音中に表示するキーワードと異なるキーワードを録音完了時に表示してもよい。
【0017】
上記した指定手段や設定手段などは、ソフトウエアによって具現化されてよい。即ち本発明は、時系列データを記憶可能なコンピュータに実装される時系列データ管理方法に具現化されることも好適である。その方法は、コンピュータに次の処理を実行させる指令を含むコンピュータプログラムプロダクトに具現化されてよい。
・時系列データを記憶する記憶ステップ;
・時系列データに対する時間区切点を指定する指定ステップ;
・指定された時間区切点を時系列データに設定する設定ステップ;
・時系列データに係る付属情報に基づいて複数のキーワードを所定の表示優先順位でディスプレイに表示する表示制御ステップ;
・表示されたキーワードの中からユーザによって指定される少なくとも一つのキーワードを選択する選択ステップ;
・選択されたキーワードを、設定された時間区切点によって特定される部分時系列データに関連付けて記憶する関連付ステップ。
【0018】
ここで、指定ステップは、ひとつの時系列データに対して異なる複数の時間区切点を繰り返し指定することが可能であるとよい。また、表示制御ステップは、指定ステップによって時間区切点が指定される毎に複数のキーワードを表示するとともに、最初に指定された時間区切点に対するキーワードを上記した所定の表示優先順位で表示するとよい。さらに表示制御ステップは、関連付ステップによって前回に関連付けられたキーワードを前回に表示したときよりも表示優先順位を下げて表示するとよい。
本発明がコンピュータにより具現化される場合、上記した指令を実行するときのコンピュータそのものが選択手段や設定手段に相当する。
【発明の効果】
【0019】
本明細書に開示された技術によれば、時間区分点によって特定される部分時系列データを、後に検索しやすく管理可能な時系列データ管理装置を実現することができる。さらに本明細書に開示された技術によれば、時間区分点によって特定される部分時系列データにキーワードを指定するユーザの作業負荷を軽減することのできる時系列データ管理装置を実現することができる。
【実施例】
【0020】
図面を参照して実施例の時系列データ管理装置を説明する。実施例の時系列データ管理装置は、他の装置と電話回線を確立し、通話中の通話音声を録音することができる。即ち、本実施例における時系列データは、通話音声を録音した録音データである。本実施例の時系列データ管理装置は、電話機能のほかに、ファクシミリ機能、コピー機能、プリンタ機能、及びスキャナ機能を兼ね備えた複合機(Multi Function Device)である。以下では、複合機をMFD10と称する。
【0021】
図1に、MFD10のブロック図を示す。図1にはまた、公衆回線60を介してMFD10と接続されている他の複合機(MFD50)も示している。
MFD10は、CPU12、ストレージ14、RAM21(Random Access Memory)、コンソール22、ディスプレイ24、PSTN(Public Switched Telephone Networks)インタフェイス28、プリントユニット30、ファクシミリユニット32、スキャナユニット34、およびハンドセット36を備えている。図1に記された「I/F」の文字は「インタフェイス」を意味する。また、図1に記された「PGM」の文字は、「プログラム」を意味する。
【0022】
CPU12は、ストレージ14に格納された制御プログラム16に従ってMFD10を制御する。後述するMFD10の処理は、全て制御プログラム16に記述されている。ストレージ14にはまた、データベース20が格納されている。ストレージ14とは別に、MFD10はRAM21を備えている。RAM21は、データを一時的に記憶するためのメモリである。
コンソール22は、ユーザの操作を受け付けるためのハードウエアである。
PSTNインタフェイス28は、公衆回線60を介してMFD10をMFD50や他の電話機に接続するハードウエアである。MFD10は、公衆回線60を通じてMFD50と電話回線を確立することができる。即ち、2人のユーザは、MFD10とMFD50を使って通話することができる。
ハンドセット36は、MFD10のユーザがMFD50のユーザと通話するためのハードウエアであり、マイクロホンとスピーカが内蔵されている。MFD10は、公衆回線60のほかに、インターネット(不図示)を介して他のMFDや端末と通信することができる。
【0023】
プリントユニット30は印刷機能のためのハードウエアである。ファクシミリユニット32はファクシミリ機能のためのハードウエアである。スキャナユニット34はスキャナ機能(画像読取機能)のためのハードウエアである。なお、MFD50は、MFD10と同じ構成を有しているので説明を省略する。また、MFD10と、公衆回線60(或いはネットワーク)を介して接続されているMFD50を合わせてシステム100と称する場合がある。
【0024】
MFD10は、通話音声を録音して管理することができる。録音データは、ストレージ14のデータベース20に登録される。即ち、録音データは、ファイル化されてストレージ14に記憶される。データベース20の一例を図2に示す。データベース20には、相手の装置の電話番号、録音データ(録音データのファイル名)、タイトル、時間区切点、及びキーワードが一つのレコードとして登録されている。即ち、MFD10は、相手の装置の電話番号、録音データのデータ名(ファイル名)、タイトル、時間区切点、及びキーワードを相互に関連付けてストレージ14に記憶する。すなわち、本明細書において、「登録する」は「関連付けて記憶する」ことを意味する。タイトルは、録音データ全体に関連付けられたキーワードを意味する。
【0025】
より具体的には、MFD10は、通話音声を録音すると、録音データをファイル化してデータベース20に登録する。MFD10は、通話相手の電話番号を、録音データと同じレコードに登録する。すなわち、通話相手の電話番号を、録音データに関連付けて記憶する。またMFD10は、録音データ全体に、ユーザが指定するタイトルを関連付けて記憶する。MFD10はまた、録音データに複数の時間区切点を関連付けて記憶することができる。時間区切点は、録音データ上での時刻を特定するデータである。2つの連続する時間区切点によって、ひとつの録音データの中の部分的な録音データ(部分録音データ)が特定される。MFD10はさらに、時間区切点にキーワードを関連付けて記憶する。別言すれば、MFD10は、時間区切点によって特定される部分録音データにキーワードを関連付けて記憶する。図2に示した例は、電話番号「TEL_1」の相手装置との通話音声を録音した録音データ「DATA_1」と、電話番号「TEL_2」の相手装置との通話音声を録音した録音データ「DATA_2」が登録されていることを示している。録音データ「DATA_1」には、「TITLE_1」というタイトルが関連付けられている。録音データ「DATA_1」にはまた、3つの時間区切点「TIME_1」、「TIME_2」、及び「TIME_3」が設定されている。なお、図示を省略しているが、録音データ「DATA_1」の先頭(データ上での経過時刻の先頭)に「TIME_0」の時間区分点が設定されている。録音データの先頭の時間区分点は、通話音声の録音開始時に、MFD10が自動的に付す。また、「TIME_3」は、録音データ「DATA_1」の最後(データ上での経過時間の最後)に付された時間区分点である。MFD10は、録音終了時に自動的に最後の時間区分点を録音データに付す。
【0026】
時間区切点「TIME_1」には、キーワード「KWD_1」が関連付けられている。同様に、時間区切点「TIME_2」にキーワード「KWD_2」が関連付けられており、時間区切点「TIME_3」にキーワード「KWD_3」が関連付けられている。別言すれば、2つの時間区切点「TIME_0」と「TIME_1」によって区分される部分録音データにキーワード「KWD_1」が関連付けられている。2つの時間区切点「TIME_1」と「TIME_2」によって区分される部分録音データにキーワード「KWD_2」が関連付けられている。2つの時間区切点「TIME_2」と「TIME_3」によって区分される部分録音データにキーワード「KWD_3」が関連付けられている。録音データ「DATA_2」についても同様である。
【0027】
MFD10は、通話音声の録音を開始すると同時に、通話中に、ユーザが指定する時間区切点を録音中の録音データに設定することができる。さらにMFD10は、設定された時間区切点(設定された時間区切点によって特定される部分録音データ)に、ユーザが指定するキーワードを関連付けて記憶することができる。今、MFD10が、MFD50と電話回線を確立し、MFD10のユーザとMFD50のユーザの通話音声を録音するケースを想定して、MFD10が実行する処理を説明する。
図3から図5に、MFD10が実行する処理のフローチャートを示す。
【0028】
MFD10は、電話回線を確立すると通話音声の録音を開始する(S2)。MFD10は、録音の開始とともに、データベース20に、録音中の録音データ用の新たなレコードを確保する。相手の装置(MFD50)の電話番号が、新たなレコードに登録される。電話番号は、MFD10からの発信時には、発信先の電話番号が登録され、着信時には、電話番号通知サービスなどにより、着信信号とともに送られてくる相手装置の電話番号を登録すればよい。電話番号は、録音データに係る付属情報の一例である。
【0029】
ユーザは、通話中に時間区切点を設定したい場合、コンソール22の所定のキーを押して、時間区切点を入力する。すなわち、MFD10は、ユーザから時間区切点の指定を受け付ける(S4)。MFD10は、キーが押された時刻を、録音が開始されてからの経過時間を示す時間区切点として指定する(S6)。MFD10は、指定した時間区切点(即ち、ユーザが入力した時間区切点)を、録音中の録音データに設定する(S8)。具体的には、MFD10は、指定した時間区切点を先ほど確保したレコードに登録する。
【0030】
図4のステップS28に示されているように、MFD10は、録音が終了するまで、時間区切点の入力をユーザから繰り返し受け付けることができる(S28:NO)。即ち、MFD10は、ひとつの録音データについて、異なる複数の時間区切点を繰り返し指定することができる。
【0031】
時間区切点を設定するとMFD10は、設定した時間区切点に関連付けるためのキーワード(時間区切点によって特定される部分録音データに関連付けるためのキーワード)の候補をデータベース20から抽出する(S10)。なお、図3に表した「KWD」の文字は「キーワード」を意味する。
【0032】
ステップS10におけるキーワード抽出について説明する。MFD10は、データベース20に登録されている過去のレコードの中から、現在電話回線が確立している相手の装置(MFD50)の電話番号が登録されているレコードを検索する。MFD10は、検索されたレコードに登録されているキーワードを抽出する。すなわち、MFD10は、電話番号(付属情報)に基づいて、現在電話回線が確立されている相手の装置との間の過去の録音データに関連付けられたキーワードをデータベース20から抽出する。こうして抽出されたキーワードが、設定された時間区切点に対するキーワードの候補として採用される。
【0033】
MFD10は、ステップS10で抽出したキーワード(キーワード候補)をディスプレイ24に表示する。このときMFD10は、ステップS12とS14の分岐判断に応じて次の3つの異なる表示処理を実行する(S16、S18、S20)。それらの表示処理は、キーワードの表示態様が異なる。
表示処理(1):ステップS8で設定された時間区切点が、現在録音中の録音データにおいて最初に指定された時間区切点の場合(S12:YES)。この場合、MFD10は、予め決められた所定の表示優先順位でキーワードを表示する(S20)。ここで、「所定の表示優先順位」は、アルファベット順、或いは、過去のキーワードが関連付けられた日時が新しい順などでよいし、過去に設定された回数の多い順でもよい。なお、MFD10が録音データの最初に自動的に付する時間区切り点(前述した「TIME_0」)は、ステップS6の指定による時間区切点ではないので、最初に指定された時間区切点とはみなさない。
表示処理(2):ステップS8で設定された時間区切点が現在録音中の録音データにおいて2回目以降に指定された時間区切点であり(S12:NO)、かつ、前回の時間区切点によって特定される部分録音データに対して既にキーワードが関連付けられている場合(S14:YES)。この条件を「関連付条件」と称する。換言すれば、表示処理(2)の場合は、関連付条件が成立する場合である。この場合、MFD10は、前回と同じキーワードを、前回とは異なる態様で表示する(S18)。MFD10は、前回にステップS24(後述)で登録されたキーワード(関連付けられたキーワード)を、前回に表示したときよりも表示優先順位を下げて表示する。具体的には次の通りである。MFD10は、前回の表示処理(ステップS16、S18、又はS20)において、キーワードの表示優先順位を記憶する。さらにMFD10は、前回の表示処理に続くステップS22及びS24の処理(後述)において、選択したキーワード(時間区切点によって特定される部分録音データに関連付けられたキーワード)を記憶する。そして、今回の表示処理(S18)を実行する場合、前回に選択したキーワードの表示優先順位を、前回の表示処理において記憶した表示優先順位よりも下げて表示する。
表示処理(3):ステップS8で設定された時間区切点が現在録音中の録音データにおいて2回目以降に指定された時間区切点であり(S12:NO)、かつ、前回の時間区切点によって特定される部分録音データに対してキーワードが関連付けられていない場合(S14:NO)。換言すれば、表示処理(3)の場合は、関連付条件が不成立の場合である。この場合、MFD10は、前回の表示処理における表示優先順位と同じ表示優先順位でキーワードを表示する(S16)。
なお、時間区切点の指定が初回ではない場合でも、それまでに一度もキーワードが登録されていない場合には、キーワードはS20と同じ態様で表示される。具体的には、時間区切点が3回指定された場合であって、その3回目の指定までキーワードが登録されていなかった場合、すなわち、1、2回目の指定の際に、キーワードが登録されなかった場合には、MFD10は次のとおりキーワードを表示する。すなわち、MFD10は、キーワードの表示優先順位を下げずに、上記表示処理(1)と同様に、最初に時間区切点を指定した際に表示した形態でキーワードを表示する。また、1回目の時間区切点の指定においてキーワードが登録されると、2回目の時間区切点において表示優先度が下げられた状態でキーワードが表示される。この場合、MFD10は、この2回目の時間区切点においてキーワードを選択しなかった場合には、3回目の時間区切点の指定時には、2回目の時間区切点において表示された形態でキーワードを表示する。
【0034】
ステップS12とS14の処理を合わせて、関連付条件の分岐判断と称することができる。この分岐判断は、要約すれば、指定ステップS6により時間区切点が指定された際に、既に他の時間区切点が設定されていた場合(S12:NO)、他の時間区切点によって特定される部分時系列データに対して選択ステップS22により選択されたキーワードが関連付ステップS24により関連付けられているという関連付条件が成立するか否かを判断する。
【0035】
なお、前述したように、MFD10は、ひとつの録音データについて、時間区切点を繰り返し指定することができる。即ち、ステップS4からS28までの処理が、繰り返し実行される。ステップS10のキーワード抽出処理では、MFD50(現在電話回線が確立している相手の装置)の電話番号に基づいてキーワードが抽出されるので、毎回同じキーワードが抽出される。表示処理(S16、S18、S20)が繰り返される場合、毎回同じキーワードが、上記(1)から(3)の条件に応じて異なる態様で表示される。後に、上記の表示処理について、具体的な事例を挙げて説明する。
【0036】
図4に戻って説明を続ける。ユーザは、表示されたキーワード(キーワード候補)の中から、設定された時間区切点に関連付けることを希望するキーワードを指定することができる。別言すれば、MFD10は、表示されたキーワードの中から、ユーザによって指定されたキーワードを選択する(S22)。ユーザは複数のキーワードを選択することもできる。即ち、MFD10は、表示されたキーワードの中から少なくとも一つのキーワードを選択する。MFD10がキーワードを選択した場合(S22:YES)、MFD10は、選択したキーワードを、設定した時間区切点に関連付けてデータベース20に登録する(S24)。即ち、ステップS2でデータベース20に新たなレコードが確保され、ステップS8でその新たなレコードに時間区切点が設定され、ステップS24で新たに設定された時間区切点に対してキーワードが関連付けられる。時間区切点に関連付けられたキーワードは、時間区切点によって特定される部分録音データに関連付けられたキーワードを意味する。
【0037】
ユーザは、希望するキーワードが表示されていない場合、キーワードの選択を拒否することもできる。すなわち、MFD10は、キーワード選択を実行しない場合がある(S22:NO)。この場合、MFD10は、予め定められたキーワードを、設定された時間区切点に関連付けてデータベース20に登録する(S26)。
キーワードの登録が完了すると(S24又はS26)、MFD10は、録音が終了するまで、上記の処理を繰り返す(S28:NO)。
【0038】
録音が終了した場合(S28:YES)、MFD10は、自動的に、録音データの最後に時間区切点を設定する(S29)。そしてMFD10は、ステップS12からS26までの処理と同じ処理を実行する(S110−S126)。なお、図4に示したステップS110−S126の処理は、夫々図3に示したステップS10−S26の処理と同じであるので説明を省略する。
【0039】
次にMFD10は、再びキーワード抽出処理を実行する(図5、S30)。なお、ステップS30のキーワード抽出は、ステップS10のキーワード抽出と若干異なる。ステップS10では、MFD10は部分録音データに関連付けられたキーワードを抽出したのに対して、ステップS30では、MFD10は録音データの全体に関連付けられたタイトルをキーワードとして抽出する。即ち、MFD10は、データベース20に登録されている過去のレコードの中から、現在電話回線が確立している相手の装置(MFD50)の電話番号が登録されているレコードを検索し、検索されたレコードに登録されているタイトルをキーワードとして抽出する。次にMFD10は、ステップS30で抽出したキーワードをディスプレイ24に表示する(S32)。即ち、MFD10は、録音中に表示するキーワードと異なるキーワードを録音完了時に表示する。ユーザは、ステップS32で表示されたキーワードの中から、録音データの全体に関連付けることを希望するキーワード(即ちタイトル)を選択する(S34)。MFD10は、ユーザが選択したキーワードを特定する。別言すれば、MFD10は、表示されたキーワードの中からひとつのキーワードを選択する。MFD10は、選択したキーワードを、録音データの全体に関連付けるキーワード(即ちタイトル)としてデータベース20に登録する(S36)。
【0040】
ステップS32でキーワードが表示された後、ユーザはキーワードの選択を拒否することもできる(S34:NO)。ユーザがキーワードを選択しなかった場合、即ち、MFD10がキーワードの選択を行なわなかった場合、MFD10は、予め定められたキーワードを登録する(S38)。こうして、録音データに、複数の時間区分点、時間区分点ごとのキーワード、及びタイトルが関連付けられる。「タイトル」は、録音データ全体に関連付けられたキーワードを意味する。
【0041】
図2に例示したデータベース20と、図6から図9を参照して、表示処理について、具体的な事例を挙げて説明する。MFD10が、電話番号「TEL_1」の装置と電話回線を確立し、通話音声を新たに録音して登録するケースを想定する。新たな録音データを「DATA_3」とする。図6から図8は、ディスプレイ24のスクリーン24aの表示例である。図6は、ステップS20(時間区切点が最初に設定されたときの表示処理)による表示画面である。図7は、ステップS18(関連付条件が成立した場合の表示処理)による表示画面である。図8は、ステップS32(録音完了時の表示処理)による表示画面である。図9は、新たな録音データが新たなレコード(図9のB)に追加されたデータベース20を示す。
【0042】
MFD10が録音を開始したのち、ユーザが最初の時間区切点を入力する(S4)。MFD10は、入力された時間区切点を、データベース20の新たなレコードに設定する(S8)。図9の「TIME_7」が最初に設定された時間区分点を表す。MFD10は、データベース20から、電話番号が「TEL_1」の過去のレコード(図9のA)を検索し、そのレコードに設定されているキーワードを抽出する(S10)。抽出されるキーワードは、図9のAに示されている「KWD_1」、「KWD_2」及び「KWD_3」である。
【0043】
MFD10は、抽出したキーワードを表示する(S20)。このときの表示画面24aを図6に示す。表示画面24aには、上から「KWD_1」、「KWD_2」、「KWD_3」の順にキーワードが表示されている。MFD10は、キーワードの表示優先順位を記憶する。表示画面24aにはまた、「スキップ」の文字列が表示される。図6において、キーワードや文字列の左側に記された矩形はチェックボックスを意味する。ユーザは、コンソール22を操作して、希望するキーワード、或いは「スキップ」の文字列のチェックボックスに「オン」を設定する。即ち、ユーザは、希望するキーワード或いは「スキップ」の文字列を選択する。図6は、キーワード「KWD_1」がユーザによって選択された状態を示している。即ち、MFD10は、キーワード「KWD_1」を選択する。MFD10は、選択したキーワードを記憶する。MFD10は、選択したキーワードを新たなレコードに登録する(S24)。即ち、MFD10は、設定した時間区分点によって特定される部分録音データに選択したキーワードを関連付ける。図9には、時間区分点「TIME_7」にキーワード「KWD_1」が関連付けられた状態が示されている。なお、「スキップ」の文字列が選択されると、MFD10は、予め定められているキーワード「未登録」をキーワードとして自動的に登録する。「未登録」の文字列はストレージ14に予め記憶されている。MFD10は、「未登録」の文字列をストレージ14から読み出して登録する。
【0044】
ユーザは2回目の時間区切点を入力する(S4)。MFD10は、2回目に入力された時間区切点を、データベース20の新たなレコードに設定する(S8)。図9の「TIME_8」が2回目に設定された時間区分点を表す。MFD10は、データベース20から、電話番号が「TEL_1」の過去のレコード(図9のA)を再び検索し、そのレコードに設定されているキーワードを抽出する(S10)。抽出されるキーワードは、初回の抽出処理と同じ「KWD_1」、「KWD_2」及び「KWD_3」である。
【0045】
MFD10は、2回目にキーワードを表示する際、前回に選択されたキーワード「KWD_1」を最下位に表示する(S18)。このときの表示画面24aを図7に示す。表示画面24aには、上から「KWD_2」、「KWD_3」、「KWD_1」の順にキーワードが表示されている。即ち、MFD10は、前回に関連付けられたキーワードを、前回に表示したときよりも表示優先順位を下げて表示する。ここで例えばユーザが「スキップ」の文字列を選択すると、MFD10は、予め定められた文字列「未登録」を、新たな時間区分点「TIME_8」に関連付けて記憶する。図9には、時間区分点「TIME_8」にキーワード「未登録」が関連付けられた状態が示されている。
【0046】
録音が終了すると(S28:YES)、MFD10は、電話番号が「TEL_1」の過去のレコード(図9のA)を検索し、そのレコードに設定されているタイトル(録音データの全体に関連付けられているキーワード)を抽出する(S30)。抽出されるキーワードは、図9のAに示されている「TITLE_1」である。MFD10は、抽出したキーワードを表示する(S32)。このときの表示画面24aを図8に示す。MFD10は、録音中に表示するキーワードとは異なるキーワードを録音完了後に表示する。例えばユーザが「TITLE_1」を選択すると、MFD10は、録音データ「DATA_3」に、選択されたキーワード「TITLE_1」を関連付けてデータベースに登録する(S36)。図9のBには、新たな録音データ「DATA_3」に、タイトル(キーワード)「TITLE_1」が関連付けられた状態が示されている。
【0047】
MFD10の利点、及び好適な変更例を列挙する。
(1)MFD10は、ユーザが異なる時間区分点を指定する際に、ユーザが前回に選択したキーワードを最下位に表示する。すなわち、MFD10は、前回に選択されたキーワードを、表示優先順位を下げて表示する。MFD10は、複数のキーワードを表示する際、未だ選択されていないキーワードを、既に選択されたキーワードよりも目立つように表示する。そのように表示することによって、MFD10は、未だ選択されていないキーワードを選択し易く表示することができる。ユーザは、未だ選択していないキーワードを容易に見つけることができる。MFD10は、ひとつの録音データ(時系列データ)に設定された複数の時間区分点の夫々に異なるキーワードを関連付けるユーザの作業負荷を軽減する。最下位に表示することに代えて、MFD10は、前回に選択されたキーワードを他のキーワードよりも暗く表示してもよい。或いは、MFD10は、前回に選択されたキーワードを他のキーワードよりも小さく表示してもよい。
(2)MFD10は、過去の録音データ(部分録音データ)に関連付けられたキーワードを抽出して表示する。そうすることにより、新たな部分録音データに、過去の部分録音データと同じキーワードを関連付けることができる。同じキーワードによって、ユーザは、新たな部分録音データと、過去の部分録音データをまとめて管理できる。MFD10は、過去のキーワードに代えて、新たな部分録音データに含まれている単語をキーワードとして表示してもよい。MFD10は、新たな部分録音データの内容を表すキーワードを表示することができる。そのような構成により、ユーザは、新たな部分録音データの内容を表すキーワードを選択することができる。
(4)MFD10は、時間区切点の指定が行なわれるとともに(S8)、キーワードの選択を実行しないことを条件として、指定した時間区分点に予め定められたキーワードを関連付ける(S22:NO、S26)。そうすることにより、ユーザが希望するキーワードが関連付けられている部分録音データとそうでない部分録音データを区別することができる。MFD10は、キーワードの選択を実行しないことを条件として、指定した時間区分点に識別子を付して記憶してもよい。
(5)MFD10は、録音が終了したときに、過去の録音データの全体に関連付けられたキーワード(タイトル)を表示する。ユーザは、録音が終了したときに、録音データ全体を特定するキーワードを選択することができる。
【0048】
以上、本発明の具体例を詳細に説明したが、これらは例示にすぎず、特許請求の範囲を限定するものではない。特許請求の範囲に記載の技術には、以上に例示した具体例を様々に変形、変更したものが含まれる。
【0049】
例えば、MFD10(時系列データ管理装置の例)が管理するデータは、録音データに限られない。動画データや、計測データなど、時系列データであればよい。また、MFD10は、登録されたキーワードを選択することによって、登録されたキーワードに関連付けられた部分録音データを再生してもよい。
【0050】
また、本明細書または図面に説明した技術要素は、単独であるいは各種の組合せによって技術的有用性を発揮するものであり、出願時請求項記載の組合せに限定されるものではない。また、本明細書または図面に例示した技術は複数目的を同時に達成するものであり、そのうちの一つの目的を達成すること自体で技術的有用性を持つものである。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】MFDのブロック図を示す。
【図2】データベースの一例を示す図である。
【図3】MFDのメイン処理のフローチャートを示す。
【図4】MFDのメイン処理のフローチャートを示す(図3の続き)。
【図5】MFDのメイン処理のフローチャートを示す(図4の続き)。
【図6】ディスプレイの表示例を示す(1)。
【図7】ディスプレイの表示例を示す(2)。
【図8】ディスプレイの表示例を示す(3)。
【図9】新たな録音データが付加されたデータベースを示す。
【符号の説明】
【0052】
10、50:MFD(時系列データ管理装置)
12:CPU
14:ストレージ
16:制御プログラム
20:データベース
22:コンソール
24:ディスプレイ
36:ハンドセット
60:公衆回線

【特許請求の範囲】
【請求項1】
時系列データを記憶する記憶手段と、
時系列データに対する時間区切点を指定する指定手段と、
指定された時間区切点を時系列データに設定する設定手段と、
時系列データに係る付属情報に基づき、複数のキーワードを所定の表示優先順位でディスプレイに表示する表示制御手段と、
表示されたキーワードの中から少なくとも一つのキーワードを選択する選択手段と、
選択されたキーワードを、設定された時間区切点によって特定される部分時系列データに関連付けて記憶する関連付手段と、
を備えることを特徴とする時系列データ管理装置。
【請求項2】
前記指定手段は、ひとつの時系列データに対して異なる複数の時間区切点を指定することが可能であり、
前記表示制御手段は、前記指定手段が時間区切点を指定する毎に複数のキーワードを表示するとともに、前記指定手段により時間区切点が指定された際、関連付手段によって前回に関連付けられたキーワードを前回に表示したときよりも表示優先順位を下げて表示することを特徴とする請求項1に記載の時系列データ管理装置。
【請求項3】
前記指定手段により時間区切点が指定された際に他の時間区切点が設定されていた場合、該他の時間区切点によって特定される部分時系列データに対して前記選択手段により選択されたキーワードが関連付手段により関連付けられているか否かを判断する判断手段を備え、
前記表示制御手段は、
前記判断手段により肯定判断された場合、関連付手段が前回に関連付けたキーワードを前回に表示したときよりも表示優先順位を下げてディスプレイに表示し、
前記判断手段により否定判断された場合、指定手段により前回時間区切点を指定した際に表示したキーワードの表示優先順位でキーワードをディスプレイに表示することを特徴とする請求項2に記載の時系列データ管理装置。
【請求項4】
前記表示制御手段は、時系列データから抽出した複数の単語をキーワードとして表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の時系列データ管理装置。
【請求項5】
前記表示制御手段は、過去の時系列データの部分時系列データに関連付けられたキーワードを表示することを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の時系列データ管理装置。
【請求項6】
前記関連付手段は、指定手段により時間区切点の指定が行なわれ、選択手段によりキーワードの選択が行なわれなかったことを条件として、指定した時間区切点によって特定される部分時系列データに予め定められたキーワードを関連付けて記憶することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の時系列データ管理装置。
【請求項7】
前記関連付手段は、指定手段により時間区切点の指定が行われ、選択手段によりキーワードの選択が行なわれなかったことを条件として、指定した時間区切点によって特定される部分時系列データに、選択が行なわれなかった旨を示す識別子を関連付けて記憶することを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の時系列データ管理装置。
【請求項8】
電話機能と、
電話の通話音声を録音する録音手段と、をさらに備えており、
前記時系列データは、前記録音手段が録音する録音データであり、
前記表示制御手段は、録音完了時に複数のキーワードを表示し、
前記関連付手段は、録音完了時に前記選択手段により選択されたキーワードを、録音データ全体に関連付けて記憶することを特徴とする請求項1から7のいずれか1項に記載の時系列データ管理装置。
【請求項9】
前記部分時系列データは、録音データに設定された時間区切点によって特定される部分録音データであり、
前記表示制御手段は、
録音データの録音中に前記指定手段による時間区切点の指定が行なわれたことを条件として、他の録音データの部分録音データに関連付けられたキーワードを録音中に表示し、
録音完了時に、他の録音データに関連付けられたキーワードを表示することを特徴とする請求項8に記載の時系列データ管理装置。
【請求項10】
前記表示制御手段は、同じ電話番号の相手装置との間の通話音声を録音した過去の録音データに関連付けられたキーワードを表示することを特徴とする請求項8又は9に記載の時系列データ管理装置。
【請求項11】
時系列データを記憶可能なコンピュータに以下の処理、即ち、
時系列データを記憶する記憶ステップ;
時系列データに対する時間区切点を指定する指定ステップ;
指定された時間区切点を時系列データに設定する設定ステップ;
時系列データに係る付属情報に基づき、複数のキーワードを所定の表示優先順位でディスプレイに表示する表示制御ステップ;
表示されたキーワードの中から少なくとも一つのキーワードを選択する選択ステップ;
選択されたキーワードを、設定された時間区切点によって特定される部分時系列データに関連付けて記憶する関連付ステップ;
を実行させるための指令を含んでいるコンピュータプログラム。
【請求項12】
前記指定ステップは、ひとつの時系列データに対して異なる複数の時間区切点を指定することが可能であり、
前記表示制御ステップは、前記指定ステップによって時間区切点が指定される毎に複数のキーワードを表示するとともに、前記指定ステップによって時間区切点が指定された際、関連付ステップによって前回に関連付けられたキーワードを前回に表示したときよりも表示優先順位を下げて表示することを特徴とする請求項11に記載のコンピュータプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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