景品払出機および景品払出システム
【課題】景品払出時において異常が発生した場合に、取扱対象景品の取り扱いミスを抑制または防止できる景品払出機を提供する。
【解決手段】景品払出機2の制御部200は、景品払出処理中にエラーを検知した場合には、その検知タイミングに基づいて、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか、「取引成立エラー」であるかを判別する。「取引不成立エラー」である場合には、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、赤色点灯させる。一方、「取引成立エラー」である場合には、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、青色点灯させる。
【解決手段】景品払出機2の制御部200は、景品払出処理中にエラーを検知した場合には、その検知タイミングに基づいて、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか、「取引成立エラー」であるかを判別する。「取引不成立エラー」である場合には、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、赤色点灯させる。一方、「取引成立エラー」である場合には、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、青色点灯させる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出機および景品払出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技施設では、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の個数に応じて遊技客に景品を払い出すための景品払出機が設置されている。下記特許文献1,2では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる景品払出機が提案されている。この景品払出機により、カード状の景品が払い出される。
特許文献1,2に記載の景品払出機では、複数枚の景品が積層状態で収納されるカセットが内蔵されており、必要な枚数の景品がカセットから繰り出されて遊技客に払い出される。また、特許文献2に記載の景品払出機には、カセットに収納された景品を計数する計数装置を備えている。したがって、この景品払出機では、景品払出機に何枚の景品が収納されているのかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3722878号公報
【特許文献2】特開2009-297402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
景品払出機は、一般に、景品払出時において、エラーを検出する機能を備えている。景品払出時にエラーが検出された場合には、景品払出動作が停止される。このような場合、係員は、エラー復旧作業を行なう。このエラー復旧作業の終了後に、景品払出機は、たとえば、リセットされ、エラー復旧処理(リセット動作)が行われる。エラー復旧作業時には、たとえば、エラーの原因となっている景品が、係員によって取り出される場合がある。また、エラー復旧処理によって、景品払出機内において払出準備が整っている景品(残留景品)が払出される場合がある。この明細書においては、エラーが検出されたときに、既に払出されている景品、エラー復旧処理によって係員によって取り出される景品およびエラー復旧処理によって景品払出機から払出される景品を、総称して「取扱対象景品」ということにする。
【0005】
エラーの発生タイミングによって、取扱対象景品を遊技客に渡すことによって、取引が正常に成立する場合と、取扱対象景品を遊技客に渡すだけでは、取引が正常に成立しないおそれがある場合とがある。取引が正常に成立する場合とは、取扱対象景品を遊技客に渡すことによって、エラーが発生しなかった場合と同じ払出枚数分の景品を遊技客に渡すことができる場合をいう。一方、取引が正常に成立しないおそれがある場合とは、取扱対象景品を遊技客に渡しただけでは、エラーが発生しなかった場合と同じ払出枚数分の景品を遊技客に渡すことができないおそれがある場合をいう。取引が正常に成立しないおそれがある場合には、係員は、取扱対象景品を、カセットに戻し、景品払出機に景品払出処理を再度行なわせる必要がある。しかし、係員が取扱対象景品の取り扱い方法を間違えると、適切な枚数の景品を遊技客に渡すことができないおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、景品払出時においてエラーが発生した場合に、取扱対象景品の取り扱いミスを抑制または防止できる景品払出機および景品払出システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、景品を払出す景品払出機であって、景品払出エラーを検出するエラー検出手段と、前記エラー検出手段によってエラーが検出されたときに、取扱対象景品の取扱方法を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を出力する出力手段とを含む、景品払出機である。
この構成では、景品払出エラーが検出されたときに、取扱対象景品の取扱方法が決定される。そして、決定された取扱対象景品の取扱方法が出力される。これにより、景品払出時においてエラーが発生した場合に、取扱対象景品の取り扱いミスを抑制または防止できる。
【0008】
請求項2記載の発明は、景品を払出す複数の払出ユニットと、情報表示部とをさらに含み、前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットを特定するユニット特定情報と、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報とを、前記情報表示部に表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機である。
この構成では、景品払出エラーが検出されたときに、景品払出エラーが発生した払出ユニットを特定するユニット特定情報と、取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報とが情報表示部に表示される。これにより、係員は、景品払出エラーが発生した払出ユニットを特定できるとともに、取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。これにより、取扱対象景品の取り扱いミスが生じにくくなる。
【0009】
請求項3記載の発明は、景品を払出す複数の払出ユニットと、前記払出ユニット毎に異なる景品払出口と、前記景品払出口の近傍にそれぞれ設けられた払出表示部とをさらに含み、前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットに対応する払出表示部に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機である。
【0010】
この構成では、景品払出エラーが発生した払出ユニットに対応する払出表示部に、取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報が表示される。これにより、係員は当該払出表示部の近傍の景品払出口から払い出される取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。これにより、取扱対象景品の取り扱いミスが生じにくくなる。
請求項4記載の発明は、前記出力手段は、前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項2または3に記載の景品払出機である。
【0011】
景品払出エラーに対するエラー復旧処理時においては、景品払出機内において払出準備が整っている景品(残留景品)が払出される可能性がある。景品払出機内から残留景品が払出されるタイミングで、取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報が表示されるから、係員はエラー復旧処理時に景品払出機から払出される残留景品(取扱対象景品)の取扱方法を認識しやすくなる。これにより、取扱対象景品の取り扱いミスが生じにくくなる。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、景品払出機内の景品数を計数する計数手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の景品払出機である。この構成では、エラー復旧処理時に、景品払出機内の景品数が計数される。
請求項6記載の発明は、前記計数手段によって計数された景品数が、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を考慮して決定される適切な景品在庫数と一致するか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって前記計数手段によって計数された景品数が前記適切な景品在庫数と一致していないと判別された場合には、それらの差を報知する手段をさらに含む、請求項5に記載の景品払出機である。
【0013】
この構成では、計数手段によって計数された景品数が適切な景品在庫数と一致していないと判別された場合には、それらの差が報知される。したがって、係員は、この差に基づいて、景品払出機内の景品在庫数が適切な景品在庫数と一致するように、この差に相当する数の景品を景品払出機に戻したり、景品払出機から取り出したりすることができる。これにより、景品払出機内の景品在庫数を適切な景品在庫数に一致させることが容易となる。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の景品払出機と、前記景品払出機と通信可能に接続される景品管理機とを含み、前記景品管理機は、前記景品払出機から、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する表示手段とを含む、景品払出システムである。この景品払出システムによれば、前記請求項1〜6に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば景品払出時においてエラーが発生した場合に、取扱対象景品の取り扱いミスを抑制または防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、景品管理システム1を示す図である。
【図2】図2は、景品払出機2の斜視図である。
【図3】図3は、払出ユニット8の斜視図であって、引出部21が開位置にある状態を示している。
【図4】図4は、図3において、ケーシング20の内部を露出させた状態を示している。
【図5】図5(a)および図5(b)は、それぞれ別の角度から見たカセット7の斜視図である。
【図6】図6は、景品5の斜視図である。
【図7】図7(a)および図7(b)は、景品払出機2の縦断面を模式的に示した図である。
【図8】図8は、景品払出時のエラー検出方法を説明するための模式図である。
【図9】図9は、図4の状態における払出ユニット8の側面図である。
【図10】図10(a)は、計数ユニット61の正面図であり、図10(b)は、計数ユニット61の側面図である。
【図11】図11は、払出ユニット8の平断面図である。
【図12】図12は、図11のA−A矢視断面図である。
【図13】図13は、計数ユニット61および駆動機構70を説明するための模式図である。
【図14】図14は、景品払出機2の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図15】図15は、カセット別景品種類テーブルTA1、カセット別在庫管理テーブルTA2および景品種類別在庫管理テーブルTA3の内容をそれぞれ示す模式図である。
【図16】図16は、各カセットに割り当てられたカセット番号(カセットNo.)と、各カセットに収納される景品の種類の具体例を示す模式図である。
【図17】図17は、景品払出機2の係員用表示部9Bに、待機中に表示される画面の具体例を示す模式図である。
【図18】図18は、景品管理機3の電気的構成を示すブロック図である。
【図19】図19は、景品払出機2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】図20(a)は、景品払出処理が行われている場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出中画面)を示す模式図であり、図20(b)は、景品払出処理が正常に終了した場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出終了画面)を示す模式図である。
【図21】図21は、景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】図22は、図21のステップS22の取引不成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】図23は、図21のステップS22の取引不成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、図22のステップS32で表示されるエラー発生画面の一例を示す模式図である。
【図25】図25は、図22のステップS34で表示されるエラー対処画面の一例を示す模式図である。
【図26】図26は、図22のステップS37で表示される景品取扱画面の一例を示す模式図である。
【図27】図27は、図23のステップS42で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図28】図28は、図23のステップS44で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図29】図29は、図23のステップS46で表示される未払景品払出画面の一例を示す模式図である。
【図30】図30は、図22のステップS23の取引成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図31】図31は、図22のステップS23の取引成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図32】図32は、図30のステップS52で表示されるエラー発生画面の一例を示す模式図である。
【図33】図33は、図30のステップS54で表示されるエラー対処画面の一例を示す模式図である。
【図34】図34は、図30のステップS57で表示される景品取扱画面の一例を示す模式図である。
【図35】図35は、図31のステップS61で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図36】図36は、図31のステップS63で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図37】図37は、景品管理機3の係員用表示部306に表示される景品取扱画面の一例を示す模式図である。
【図38】図38は、図19の前記ステップS7の景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の変形例を示すフローチャートである。
【図39】図39(a)〜(c)は、図38のステップS81の案内処理において、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示す模式図である。
【図40】図40は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示すフローチャートである。
【図41】図41は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示すフローチャートである。
【図42】図42は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示すフローチャートである。
【図43】図43、待機画面の一例を示す模式図である。
【図44】図44は、図40のステップS102で表示されるメニュー画面の一例を示す模式図である。
【図45】図45は、図40のステップS104で表示される払出テストメニュー画面の一例を示す模式図である。
【図46】図46は、図40のステップS106で表示される払出対象レーン・個数提示画面の一例を示す模式図である。
【図47】図47は、図40のステップS109で表示される払出中画面の一例を示す模式図である。
【図48】図48は、図40のステップS111で表示される払出完了画面の一例を示す模式図である。
【図49】図49は、図41のステップS116で表示される計数中画面の一例を示す模式図である。
【図50】図50は、図41のステップS118で表示される計数完了画面の一例を示す模式図である。
【図51】図51は、図42のステップS120で表示される計数中画面の一例を示す模式図である。
【図52】図52は、図42のステップS123で表示される在庫数不一致画面の一例を示す模式図である。
【図53】図53は、図42のステップS125で表示される払出テスト終了画面の一例を示す模式図である。
【図54】図54(a)〜(e)は、払出テスト中に、払出エラーが発生した場合に、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示す模式図である。
【図55】図55(a)〜(e)は、払出テスト後に払出テストに関する履歴情報等を参照する場合に、係員用表示部9Bに表示される図面例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、景品管理システム1を示す図である。
図1を参照して、本発明の景品管理システム1は、パチンコ店等の遊技施設に設けられる。景品管理システム1は、景品を払い出すための景品払出機2と、景品払出機2を管理する景品管理機3と、景品管理機3に対する上位装置となるターミナルコンピュータ(略して「T/C」)4とで構成されている。景品管理機3とそれに接続されている景品払出機2とによって景品払出システムが構成されている。
【0018】
景品払出機2は、多数の景品を収納していて、遊技客が遊技台での遊技によって獲得した遊技媒体(パチンコ玉やメダル)の数に応じた種類および個数の景品を、この遊技客に払い出す。
景品管理機3は、「POS」とも呼ばれ、遊技施設における景品交換カウンター等に配置される。景品管理機3に対して、1台または複数台の景品払出機2が通信可能に接続されている。遊技客が獲得した遊技媒体が計数機によって計数されると、その獲得数(計数値)が記録された記録媒体(レシート、持玉カード等)が発行される。景品管理機3は、この記録媒体に記録された遊技媒体の獲得数を読み取り、獲得数に応じた種類・個数の景品を特定し、当該種類・個数の景品を払い出すように、景品払出機2に指示する。また、景品管理機3は、景品払出機2に収納された景品の個数を種類毎に管理している。なお、図1では、複数の景品管理機3が図示されているが、そのうちの1台の景品管理機3が親機となり、残りの景品管理機3が子機となることで、親機が子機を管理するように構成されても構わない。
【0019】
T/C4は、遊技施設における事務所等に設置される。T/C4には、景品管理機3が通信可能に接続されている。T/C4は、景品を管理するだけでなく、遊技台での遊技媒体の出入りや遊技施設全体における金銭の流れ等も管理する。
図2は、景品払出機2の斜視図である。なお、以下では、図2における景品払出機2の姿勢を基準として、景品払出機2の上下前後左右の方向を規定する。すなわち、図2において、景品払出機2の長手方向(図2の左上と右下とを結ぶ方向)を左右方向(幅方向)とし、図2の紙面手前側を景品払出機2の前側とし、図2の紙面奥側を景品払出機2の後側とする。
【0020】
景品払出機2は、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。景品の払い出しを受ける客は、景品払出機2の後側に位置し、係員は、景品払出機2の前側に位置して接客を行う。
景品払出機2で取り扱われる景品5は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる(後述する図6参照)。
【0021】
景品払出機2は、その外郭をなす幅広で中空の略直方体形状のキャビネット6(装置本体)と、景品5をカセット7(収納部)に積み重ねた状態で収納することができる複数(たとえば7つ)の払出ユニット8とを備えている(後述する図5および図7も参照)。
キャビネット6の前側面は、開放されており、キャビネット6には、前側面の開放部分を開閉する扉18が設けられている。キャビネット6には、扉18の開閉を検知するための扉開閉検知部203(図14参照)が設けられている。
【0022】
複数の払出ユニット8は、幅方向に並んだ状態でキャビネット6に内蔵されている(図2では、説明の便宜上、右端の払出ユニット8だけが手前に引き出されている)。
キャビネット6の上面の前側部分は開放されており、その開放部分は表示カバー90によって覆われている。表示カバー90の前縁部は、図示しないヒンジを介してキャビネット6に回動自在に連結されている。これにより、表示カバー90を、ヒンジを中心として開閉することが可能となっている。表示カバー90には、表示部9および操作部10が設けられている。表示部9は、客側から視認できる客用表示部9Aと、係員側からのみ視認できる係員用表示部9Bとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。操作部10は、係員用表示部9Bの横に配置されている。操作部10は、景品払出機2の動作を制御するために係員によって操作される。
【0023】
キャビネット6の上面には、各払出ユニット8の上方位置に、出口11が形成されている。出口11は、払出ユニット8の数に応じて複数(ここでは、7つ)形成されている。各出口11は、キャビネット6の内部に連通している。また、各出口11には、シャッタ12が設けられている。シャッタ12は、前後に個別にスライドすることによって、出口11を開閉する。
【0024】
シャッタ12は、図示はされていないが、前端側の基部と基部にヒンジによって回動可能に連結されたシャッタ本体とからなる。シャッタ12は、常時はその基部とシャッタ本体とが側面から見て一直線状となるような形態を維持するような構造となっている。そして、シャッタ本体の後側部を持ち上げることにより、シャッタ本体をヒンジを中心として回転させることができるようになっている。このような操作を手動によるシャッタ開操作ということにする。シャッタ12が閉じられている場合、基部とシャッタ本体の一部とは、表示カバー90によって覆われているため、手動によるシャッタ開操作を行うことはできない。一方、シャッタ12が閉じられている場合に、表示カバー90を開けた状態にすると、手動によるシャッタ開操作を行うことが可能となる。
【0025】
各シャッタ12の上面には、表示部(以下、「払出表示部210」が設けられている。払出表示部210は、たとえば、LEDから構成されていてもよい。
また、景品払出機2には、図7に示すように、収納された景品5を払い出すための機構として、カセット7(図5参照)に収納された景品5を上方ヘ持ち上げるためのリフト機構13(搬送手段)と、リフト機構13によって持ち上げられた景品5を出口11側へ繰り出すための繰出機構14と、繰り出された景品5を出口11の下方で保留するための一時保留部15と、保留された景品5を出口11へ向けて持ち上げるためのエレベータ機構16と、出口11まで持ち上げられた景品5をキャビネット6の上面に押し出すための送出機構17とが備えられている。上述したシャッタ12と、シャッタ12をスライドさせる構成とが、上述した送出機構17に含まれる。これらの機構は、以下で払出ユニット8を説明する際に、個別に説明する。
【0026】
図3は、払出ユニット8の斜視図であって、引出部21が開位置にある状態を示している。
図3に示すように、各払出ユニット8は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。払出ユニット8は、その外郭をなすケーシング20(筐体)と、ケーシング20から引き出し可能な引出部21と、複数(ここでは4つ)のカセット7と、これらのカセット7を保持するキャリア22(保持手段)とを備えている。引出部21、カセット7およびキャリア22は、常態では、ケーシング20内に収納されている(図2参照)。キャリア22は、4つのカセット7を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット7を、前から順に、カセット7A、カセット7B、カセット7C、カセット7Dと区別することがある(図7参照)。なお、図3では、前から4つ目のカセット7Dだけが図示されている。
【0027】
ケーシング20の前壁には、上下方向に長手の開口23が形成されている。開口23は、ケーシング20内に連通している。
引出部21は、前板24と、側板25と、底板26とを一体的に備えている。前板24は、前側から見て上下方向に長手であり、ケーシング20の開口23をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。側板25は、幅方向に薄く、前板24の左端縁から連続して後側へ延びている。底板26は、前板24の下端と側板25の下端とを繋いでいる。
【0028】
そして、側板25は、ケーシング20において内部を左側から区画する内壁面20Aに設けられたレール27によって、前後方向へスライド自在に支持されている。これにより、引出部21は、前後方向へスライド自在である。詳しくは、引出部21は、閉位置(図2参照)と開位置(図3参照)との間でスライドすることができる。図2に示すように引出部21が閉位置にある場合には、前板24がケーシング20の開口23を前側から塞いでいる(右端の払出ユニット8を参照)。この状態にある引出部21を前側へ所定量だけ引き出すと、引出部21は、図3に示す開位置に配置される。引出部21が開位置にある場合には、前板24が開口23の前方に位置して開口23を開き、かつ、側板25および底板26のほぼ全てが前側へ引き出されている。
【0029】
キャリア22は、複数の仕切り28とフレーム29とを一体的に備えている。これらの仕切り28は、前後に薄く上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。フレーム29は、側板25より一回り小さい大きさを有する略矩形板状であり、フレーム29に対して各仕切り28の左端部が接続されている。各カセット7は、前後に間隔を隔てて隣り合う2つの仕切り28に挟持されることによって、キャリア22に保持される。
【0030】
キャリア22は、フレーム29において、引出部21の側板25によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、側板25に対するキャリア22の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア22の位置を前位置といい(図7(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア22の位置を後位置という(図7(a)参照)。つまり、キャリア22は、前位置と後位置との間で移動可能である。なお、図3では、前位置にあるキャリア22が示されている。
【0031】
また、キャリア22の下方には、キャリア22を前後にスライドさせるスライド機構30が設けられている。スライド機構30は、例えばモータ駆動のラックアンドピニオン機構等によって構成されており、引出部21の底板26に固定されている。
図4は、図3において、ケーシング20の内部を露出させた状態を示している。
図4に示すように、ケーシング20内には、カセット7の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶ2つのリフト31が設けられている。各リフト31は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。リフト31の待機位置は、図4に示されたリフト31の位置であり、ケーシング20の底壁の近くである。リフト31と、リフト31を昇降させる構成とが、上述したリフト機構13に含まれる。
【0032】
図5(a)および図5(b)は、それぞれ別の角度から見たカセット7の斜視図である。
図5に示すように、カセット7は、上下方向に長手であり、その平断面は、略コ字形状をなしている。カセット7の上面および底面は、開放されている。カセット7の一方側面(キャリア22に保持された状態における右側面)は、上述した略コ字形状をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って開放されており、このように開放された部分を開放部32という。開放部32は、カセット7において開放された上面および底面のいずれに対しても連続している。また、図5(b)を参照して、カセット7において前記一方側面の反対側の他方側面の水平方向における両端(前後の端部)には、上下方向におけるほぼ全ての範囲に亘って切欠かれており、このように切欠かれた部分を、切欠き部33という。各切欠き部33は、上下に長手の帯状に区画されており、カセット7の内部を露出させている。
【0033】
カセット7は、所定の種類の複数枚の景品5を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で最大でたとえば100枚収納することができる。なお、カセット7の下端には、カセット7内で最下位にある景品5に対して下側から係合する爪34が設けられており、カセット7において開放された底面から景品5が抜け落ちることが防止されている。また、カセット7に景品5が充填された状態において、全ての景品5の端面が、開放部32および各切欠き部33からカセット7の外部に露出される(図5(a)および図5(b)参照)。
【0034】
また、カセット7の上端部には、略U字状のハンドル19が、略U字をなす2つの遊端部によってカセット7を挟むように取り付けられている。ハンドル19は、2つの遊端部を中心に回動可能である。
ここで、キャリア22に保持された4つのカセット7の並び方向は、前述したように前後方向であって、カセット7内における景品5の積層方向(上下方向)に対する交差方向(厳密には、直交方向)である(後述する図7参照)。なお、カセット7の並び方向は、景品5の積層方向に対して交差していれば、必ずしも直交していなくても構わない。
【0035】
図6は、景品5の斜視図である。
図6に示すように、景品5は、一般的に、1mm〜数mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品5は、たとえば、平面視で略長方形状をなしており、その四隅は丸められている。景品5には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、200円(小景品)、1000円(中景品)、5000円(大景品)といった金銭価値に応じた3つの種類が存在する。また、景品5は、その種類を識別するためのRFIDタグ等が内蔵されていたり、偽造等の不正を防止するための処理が施されていたりすることもある。
【0036】
図7は、景品払出機2の縦断面を模式的に示した図である。
図7を参照して、各払出ユニット8のケーシング20内において、各リフト31の上方には、前述した繰出機構14が配置されている。つまり、繰出機構14は、リフト31の数に応じて2つ設けられている。繰出機構14は、ケーシング20の上壁に隣接するように配置され、ケーシング20に支持されている。
【0037】
各繰出機構14は、前後方向にスライド自在に支持された移動体41と、回転自在に支持された1対の繰出ローラ42とを含んでいる。移動体41と繰出ローラ42とは図示しない繰出モータによって駆動される。移動体41の底面には、押出片41Aが設けられている。前側(図7では左側)の繰出機構14では、移動体41および繰出ローラ42が、前側からこの順番で並んで配置されている。後側(図7では右側)の繰出機構14では、移動体41および繰出ローラ42が、後側からこの順番で並んで配置されている。
【0038】
図7を参照して、ケーシング20の上壁において、2つの繰出機構14の間に位置する部分には、繰出空間51が形成されている。払出ユニット8がキャビネット6に納められている状態では、ケーシング20の繰出空間51は、キャビネット6において対応する出口11に対して、下から連通している。各繰出機構14では、前後方向において、繰出ローラ42が、繰出空間51に最も近い位置に配置されている。
【0039】
移動体41は、図7に示す待機位置と、繰出ローラ42に接近した進出位置との間を往復移動する。移動体41が待機位置から進出位置に移動する過程において、押出片41Aが最上位置の景品を一対の繰出ローラ42間へ送り出す。この景品は、繰出ローラ42によって、繰出空間51側へ放出される。
ケーシング20内において、繰出空間51の下方には、繰出空間51に対して下から連通する一時保留部15が区画され、一時保留部15には、上述したエレベータ機構16が設けられている。エレベータ機構16は、エレベータ53を含んでいる。エレベータ53は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。エレベータ53が待機位置にあるとき、エレベータ53の上面は、各繰出機構14のフィードローラ42よりも低い位置にある。エレベータ53を昇降させる機構は、エレベータ機構16に含まれる。
【0040】
次に、この景品払出機2による景品5の払い出し動作について、1つの払出ユニット8に着目して説明する。
まず、キャビネット6の扉18が開かれて(図2参照)、図3に示すように、払出ユニット8において引出部21が開位置まで引き出される。そして、この状態で、同じ種類の景品5を収納したカセット7(図5参照)がキャリア22に対して上側から差し込まれ、キャリア22に保持される。なお、カセット7内の景品5の種類は同じであるが、カセット7毎に、収容される景品5の種類が異なっていてもよい。
【0041】
カセット7がキャリア22に保持された後、引出部21は、閉位置へ押し込まれ(図2参照)、カセット7およびキャリア22とともに、ケーシング20内に収納(内蔵)される。このとき、キャリア22は後位置へ移動されるものとする(図7(a)参照)。そして、扉18(図2参照)が閉じられると、景品払出機2による景品5の払い出しが可能となる。
【0042】
このように引出部21が閉位置にあり、キャリア22が後位置にある場合、図7(a)に示すように、上述した2つのリフト31は、待機位置にある(図7(a)において点線で示したリフト31を参照)。詳しくは、これらのリフト31のうち、前側のリフト31の上方には、前から1番目のカセット7Aの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から3番目のカセット7Cの底面が位置している。
【0043】
この状態からキャリア22が前位置へ移動すると、図7(b)に示すように、4つのカセット7がリフト31に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト31の上方には、前から2番目のカセット7Bの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から4番目のカセット7Dの底面が位置することになる(図7(b)において点線で示したリフト31を参照)。
【0044】
キャリア22が後位置にある場合には、カセット7Aおよびカセット7Cのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(図7(a)参照)。キャリア22が前位置にある場合には、カセット7Bおよびカセット7Dのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(図7(b)参照)。どのカセット7から景品5を払い出すかは、任意に設定可能である。ここで、キャリア22は、カセット7Bおよびカセット7D内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(前位置)までケーシング20内で移動可能であり、カセット7Aおよびカセット7C内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(後位置)までケーシング20内で移動可能であるといえる。
【0045】
次に、カセット7Aを例にとって、カセット7から景品5を払い出す手順について具体的に説明する。
まず、図7(a)に示すように、カセット7Aの下方に位置していた待機位置のリフト31(点線で示したリフト31を参照)が、実線で示すように、カセット7Aの開放された底面からカセット7A内を通って上昇する。これにより、カセット7A内の全ての景品5が、このリフト31によって押し上げられる。
【0046】
最上位にある景品5が繰出機構14まで押し上げられると、リフト31の上昇が停止し、繰出機構14が、最上位の景品5を繰り出す。具体的には、待機位置にある移動体41が進出位置まで移動する。カセット7Aの場合、移動体41は進出位置に向けて後ろ側に移動する。このとき、移動体41の押出片41Aが最上位置の景品を一対の繰出ローラ42間へ搬送する。この後、移動体41は待機位置に戻る。景品5は繰出ローラ42によって、繰出空間51側へ放出され、一時保留部15において、待機位置にあるエレベータ53の上面に載置される。
【0047】
そして、リフト31の上昇と繰出機構14による景品5の繰り出しとが、景品5毎に繰り返され、カセット7A内の景品5が、上から順に、エレベータ53に積み重ねられて、一時保留部15に一時保留される。ここで、リフト31を有するリフト機構13が、繰出機構14によって景品5が1枚ずつ繰り出される繰出位置まで、カセット7A内の景品5を、上下方向に沿って上方に搬送していることが分かる。
【0048】
なお、繰出機構14によって景品5が繰り出される際、景品5がエレベータ53に良好に積み重ねられるように、エレベータ53は、待機位置から適宜下降する。具体的には、エレベータ53に景品5が1枚載置される毎に、エレベータ53が下降してもよいし、エレベータ53に所定枚数の景品5が積み重ねられてからエレベータ53が下降してもよい。
【0049】
また、カセット7Aの景品5だけでなく、カセット7Cの景品5も、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられてもよい。カセット7Aおよびカセット7Cに景品5が無い場合には、キャリア22が後位置から前位置へ移動し(図7(b)参照)、カセット7Bおよびカセット7Dの景品5が、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられる。
【0050】
図7(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品5がエレベータ53に積み重ねられると、キャビネット6の上面において、対応するシャッタ12が、前側へ移動し(点線で示したシャッタ12を参照)、このエレベータ53の上方にある出口11を開く。これに伴い、エレベータ53が、払出ユニット8の繰出空間51を介して、出口11まで上昇する。そして、エレベータ53の上面がキャビネット6の上面と面一になるまでエレベータ53が上昇すると、シャッタ12が、出口11を閉じようと後側へ移動し、そのときに、エレベータ53の上面に積み重ねられた景品5を、キャビネット6の上面に押し出す。これにより、景品5が客側(後側)へ払い出される。
【0051】
図8を参照して、景品払出動作の手順を簡単に説明すると、次のようになる。
(A1)繰出機構14によって景品5を要求枚数分繰り出して、一時保留部15に集積する。
(A2)送出機構17のシャッタ12の開動作を行う。
(A3)エレベータ機構16のエレベータ53を上昇させる。これにより、エレベータ53上の景品5がキャビネット6から外にでる。
(A4)シャッタ12の閉動作を行う。これにより、景品5が客側に押されて払出されるとともに、出口が塞がれる。
(A5)エレベータ53を下降させる。
【0052】
ところで、景品払出時にエラー(異常)が発生することがある。この景品払出機2は、景品払出時にエラーを検出する機能を備えている。そして、景品払出時にエラーが発生した場合には、エラーの発生タイミングに基づいて、そのエラーが、「取引成立エラー」であるか、「取引不成立エラー」であるかが判別される。
「取引成立エラー」とは、前述した「取扱対象景品」を遊技客に渡すことによって取引が正常に成立するようなエラーをいう。「取扱対象景品」には、エラーが検出されたときに当該払出ユニット8から既に払出されている景品、エラー復旧処理によって係員によって当該払出ユニット8から取り出される景品およびエラー復旧処理によって当該払出ユニット8から払出される景品が含まれる。「取引不成立エラー」とは、「取扱対象景品」を遊技客に渡しても取引が正常に成立しないおそれがあるエラーをいう。
【0053】
具体的には、前記(A1)の動作が開始されてから、前記(A2)のシャッタ12の開動作が開始される時点までの間に、エラーが検出された場合には、そのエラーは「取引不成立エラー」であると判別される。一方、前記(A2)のシャッタ12の開動作が開始されてから、前記(A5)でエレベータ53を下降されるまでの間にエラーが検出された場合には、そのエラーは「取引成立エラー」であると判別される。
【0054】
後述するように、検出されたエラーが「取引不成立エラー」であると判別された場合と、「取引成立エラー」であると判別された場合とでは、「取扱対象景品」の取扱方法が異なる。
以下、図8を参照して、景品払出時のエラー検出方法について説明する。
(1)繰出機構14でのエラー検知
繰出機構14には、移動体41が待機位置にあることを検知する光電検出器からなる位置センサ401が設けられている。繰出機構14には、移動体41の移動に伴って移動する遮光部材(図示略)が設けられている。移動体41が待機位置にあるときには、位置センサ401は、遮光部材によって遮光された状態となっている。移動体41が進出位置に向かって移動すると、それに伴って遮光部材が移動し、位置センサ401は透光状態となる。
【0055】
待機位置にある移動体41が繰出モータによって、進出位置に向かって移動を開始してから所定の規定時間が経過するまでに、位置センサ401の状態が遮光状態、透光状態、遮光状態の順番で変化するか否かが監視される。前記順番で位置センサ401の状態が変化しなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。
(2)送出機構17でのエラー検知
送出機構17には、シャッタ12が図8の実線で示される閉位置(待機位置)にあることを検知するための閉位置センサ402と、シャッタ12が図8の破線で示される開位置にあることを検知するための開位置センサ403とが設けられている。送出機構17には、シャッタ12の移動に伴って移動する遮光部材が設けられている。シャッタ12が閉位置にあるときには、閉位置センサ402は遮光部材によって遮光された状態となっており、開位置センサ403は透光状態となっている。シャッタ12が開位置に向かって移動すると、それに伴って遮光部材が移動し、閉位置センサ402は透光状態となる。シャッタ12が開位置まで移動すると、開位置センサ403は遮光部材によって遮光された状態となる。
【0056】
シャッタ12を開く際に、閉位置にあるシャッタ12の開動作を開始させてから所定の規定時間内に開位置センサ403が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。また、シャッタ12を閉じる際に、開位置にあるシャッタ12の閉動作を開始させてから所定の規定時間内に閉位置センサ402が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。
(3)エレベータ機構16でのエラー検知
エレベータ機構16には、エレベータ53が待機位置にあることを検知するための下位置センサ404と、エレベータ53が景品払出位置(エレベータ53の上面がキャビネット6の上面とほぼ面一となる位置)にあることを検知するための上位置センサ405とが設けられている。エレベータ機構16には、エレベータ53の移動に伴って移動する遮光部材が設けられている。エレベータ53が待機位置にあるときには、下位置センサ404は遮光部材によって遮光された状態となっており、上位置センサ405は透光状態となっている。エレベータ53が景品払出位置に到達したときには、上位置センサ405は遮光部材によって遮光された状態となり、下位置センサ404は透光状態となる。
【0057】
一時保留部15にあるエレベータ53上の景品を払い出す際に、エレベータ53の上昇動作を開始させてから所定の規定時間内に上位置センサ405が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。また、景品払出位置にあるエレベータ53を待機位置まで下降させる際において、エレベータ53の下降動作を開始させてから所定の規定時間内に下位置センサ404が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。
【0058】
図9は、図4の状態における払出ユニット8の側面図である。
払出ユニット8には、カセット7に積層状態で収納された景品5の枚数をカセット7毎に数えるための計数センサ60(計数手段)が備えられている。
図9に示すように、各払出ユニット8において、2つの計数センサ60が前後に隣接して1つの組をなしており、この組が前後方向に間隔を隔てて2組設けられている。つまり、各払出ユニット8には、4つの計数センサ60が前後に並んで設けられている。なお、図9では、最も後側(図9では右側)の計数センサ60がカセット7Dに隠れて見えなくなっている。
【0059】
図10(a)は、計数ユニット61の正面図であり、図10(b)は、計数ユニット61の側面図である。
図10を参照して、前述した1組をなす2つの計数センサ60は、1つの計数ユニット61を構成している。図10(a)に示すように、計数ユニット61は、2つの計数センサ60と、略矩形状の薄板状(図10(b)参照)をなすホルダ62(支持部材)とを含んでいる。ホルダ62の正面(払出ユニット8に組み込まれた状態では右側から見た側面)の上端部の水平方向両端部に、計数センサ60が取り付けられている。つまり、1つの計数ユニット61には、2つの計数センサ60がある。そして、計数ユニット61が払出ユニット8に組み込まれた状態において、2つの計数センサ60は、前後方向に並んでいて、この状態でホルダ62によって支持されている(図13参照)。また、ホルダ62の表面において2つの計数センサ60に挟まれた部分には、ガイド部材63が設けられている。ガイド部材63は、平断面が略コ字状をなして、後述するガイドレール64と連結可能な形状となっている(後述する図11参照)。
【0060】
図11は、払出ユニット8の平断面図である。図12は、図11のA−A矢視断面図である。
図11を参照して、各払出ユニット8では、2つの計数ユニット61が、前後方向に間隔を隔てて、キャリア22のフレーム29(図3参照)に取り付けられている。つまり、各計数ユニット61の計数センサ60は、キャリア22に設けられている。
【0061】
詳しくは、図12を参照して、フレーム29において、カセット7A〜7Dがキャリア22に保持された場合(図7参照)における、カセット7Aとカセット7Bとの間の位置、および、カセット7Cとカセット7Dとの間の位置には、上下に延びるガイドレール64が設けられている。つまり、2本のガイドレール64が、前後方向(図12では左右方向)に所定の間隔を隔てた状態で、フレーム29に設けられている。
【0062】
そして、前側のガイドレール64には、前側の計数ユニット61におけるホルダ62のガイド部材63(図10(a)参照)が連結されており、後側のガイドレール64には、後側の計数ユニット61におけるホルダ62のガイド部材63が連結されている。この状態で、各計数ユニット61全体は、対応するガイドレール64によって、上下方向にスライド可能に支持されている。そして、各計数ユニット61では、2つの計数センサ60が、右側(図12では手前側であり、カセット7に臨む側)を臨んでいる。ここで、ガイドレール64の下端部に位置しているときの計数ユニット61(計数センサ60)の位置を、待機位置とする。
【0063】
図13は、計数ユニット61および駆動機構70を説明するための模式図である。なお、図13では、左側が、景品払出機2の前側である。
計数ユニット61を上下に移動させるための構成として、各払出ユニット8のたとえばキャリア22には、駆動機構70(駆動手段)が設けられている。駆動機構70は、駆動モータ71と、伝達ギア72と、連結ギア73,74と、駆動ギア75と、ベルト76とを含んでいる。
【0064】
駆動モータ71は、たとえば、ステッピングモータであり、2本のガイドレール64のうちの一方(ここでは、前側のガイドレール64)の下端部に配置されている。駆動モータ71には、出力軸(図示せず)があり、この出力軸には、外周面にギア歯が形成された駆動ギア75が取り付けられている。
伝達ギア72は、2本のガイドレール64における前記一方でなく、他方(ここでは、後側のガイドレール64)の下端部に配置されている。伝達ギア72の外周面には、ギア歯が形成されている。
【0065】
連結ギア73は、前記一方(前側)のガイドレール64の下端部に配置されており、このガイドレール64に支持された計数ユニット61に対して、図示しない駆動伝達部材によって連結されている。連結ギア73の外周面には、ギア歯が形成されており、連結ギア73は、駆動ギア75と噛み合っている。
連結ギア74は、前記他方(後側)のガイドレール64の下端部に配置されており、このガイドレール64に支持された計数ユニット61に対して、図示しない駆動伝達部材によって連結されている。連結ギア74の外周面には、ギア歯が形成されており、連結ギア74は、伝達ギア72と噛み合っている。
【0066】
ベルト76は、内周面にギア歯が形成されたエンドレスベルトであり、駆動ギア75と伝達ギア72との間に掛け回されている。
このような駆動機構70において、駆動モータ71が駆動されると、駆動ギア75が所定方向に回転する。これにより、駆動ギア75に噛み合っている連結ギア73が回転し、駆動モータ71の駆動力が、前述した駆動伝達部材によって前側の計数ユニット61に伝達され、前側の計数ユニット61は、上下方向のどちらかにスライドする。また、この駆動力は、ベルト76および伝達ギア72を介して連結ギア74にも伝達される。これによって、連結ギア74が回転し、駆動モータ71の駆動力が、前述した駆動伝達部材によって後側の計数ユニット61に伝達され、後側の計数ユニット61は、前側の計数ユニット61と同じ方向にスライドする。
【0067】
逆に、駆動ギア75が前記所定方向とは逆方向に回転するように駆動モータ71が駆動されると、前後の計数ユニット61は、ともに、先程とは逆向きにスライドする。
つまり、駆動機構70は、2つの計数ユニット61のそれぞれを上下方向に移動させる。
なお、計数ユニット61とリフト31とは水平方向に互いにずれた位置にあるので(図11参照)、計数ユニット61とリフト31とが動作中に互いに干渉することはない。
【0068】
そして、計数センサ60は、ケーシング20に収容されたカセット7に対して左側から隣接配置される。詳しくは、計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(図5参照)に対して左側から対向することができる。前述したように、各払出ユニット8には、2つの計数ユニット61があって、各計数ユニット61には、2つの計数センサ60がある。そのため、前側(図13では左側)の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、最も前側のカセット7Aにおける後側の切欠き部33に対して左側(図13の紙面奥側)から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から2番目のカセット7Bにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。そして、後側の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、前から3番目のカセット7Cにおける後側の切欠き部33に対して左側から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から4番目のカセット7Dにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。
【0069】
駆動モータ71が駆動されると、各計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(図5参照)に対して左側から対向しつつ、上下にスライドする。この際、計数センサ60は、カセット7内において切欠き部33から露出されている景品5の枚数を数える。つまり、計数センサ60は、上下方向(カセット7内における景品5の積層方向)に移動することによってカセット7内の景品5を計数する。
【0070】
計数センサ60による計数を具体的に説明すると、計数センサ60は、いわゆる光学式の反射型センサであり、発光素子(図示せず)と、発光素子(図示せず)に発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子(図示せず)とを備えている。
このような計数センサ60がカセット7の景品5の枚数を数える場合、計数センサ60が待機位置から上方へ移動される。図10(b)を参照して、計数センサ60が上昇している最中において、計数センサ60では、発光素子(図示せず)が、下側の景品5から順に、景品5の左側面5Aに向けて投光し、この景品5の左側面5Aで反射される反射光が受光素子(図示せず)に受光される。ここで、上下に隣り合う景品5の左側面5Aの境界Yに発光素子(図示せず)からの光が当てられた場合、景品5の左側面5Aに光が当てられる場合と比べて、受光素子(図示せず)が受光する反射光の量(受光量)が変化する。そのため、計数センサ60において、受光素子(図示せず)での受光量が変化する毎に、計数センサ60は、景品5が1枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、計数センサ60は、上側の景品5から順に1枚ずつ景品5をカウントして景品5の枚数を数え、ガイドレール64(図12参照)の上端(上限位置)に到達するまでに、全ての景品5の計数を完了する。その後、計数センサ60は待機位置に戻る。
【0071】
以上のように、計数センサ60は、受光素子(図示せず)の受光信号(受光量)の変化に応じて、非接触で景品5の枚数を数える。
ここで、図7を参照して、計数センサ60は、キャリア22に設けられているので(図3参照)、キャリア22が前位置(図7(b)参照)と後位置(図7(a)参照)との間で移動しても、カセット7内の景品5と計数センサ60とが一体で移動可能となる。そのため、カセット7内の景品5と計数センサ60との相対位置(換言すれば、図10(b)における計数センサ60と景品5の左側面5Aとの間隔)が精度良く安定する。特に、計数センサ60は、光学式であることから、景品5と計数センサ60との相対位置が計数センサ60の精度に大きく影響する。この相対位置を精度良く安定させることができるので、カセット7に収納された景品5の、計数センサ60による計数精度の向上を図ることができる。
【0072】
また、各計数ユニット61を景品5の積層方向(上下方向)に移動させると、計数ユニット61のホルダ62に支持された複数(2つ)の計数センサ60によって、前後方向に並んだ複数(カセット7Aおよびカセット7Bの2つ、または、カセット7Cおよびカセット7Dの2つ)のカセット7内の景品5を一度に計数することができる。これにより、カセット7に収納された景品5の計数時間の短縮を図ることができる。
【0073】
さらに、駆動機構70(図13参照)によって複数のホルダ62(つまり、複数の計数ユニット61)を移動させることによって、さらに多く(ここでは、4つ)のカセット7内の景品5を一度に計数できる。これにより、カセット7に収納された景品5の計数時間の更なる短縮を図ることができる。また、計数ユニット61毎に駆動機構70(駆動モータ71)を設けずに済むので、部品点数の低減を図ることができる。
【0074】
そして、計数センサ60が数えた各カセット7の景品5の枚数のデータ(計数データ)は、上述した係員用表示部9B(図2参照)や、景品払出機2に接続された景品管理機3(図1参照)の係員用表示部306に表示され、これにより、景品払出機2の各カセット7内に収納された景品5の枚数が一括管理される。もちろん、このデータが、印刷機器(図示せず)に出力されて紙に印字されてもよいし、T/C4(図1参照)に保存されてもよい。
【0075】
図14は、景品払出機2の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図14を参照して、景品払出機2は、制御部200を備えている。制御部200は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部200は、景品払出制御、エラー検出処理、景品計数制御、景品在庫数の管理、景品管理機3との通信等を行う。
【0076】
制御部200には、払出ユニット8毎に、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17、スライド機構30、計数センサ60、計数センサ60(計数ユニット61)を移動させるための駆動機構70および位置センサ401〜405が接続されている。計数センサ60および駆動機構70によって、景品数を計数するための景品カウント部201が構成されている。送出機構17は、各シャッタ12に設けられた払出表示部210を含む。
【0077】
また、制御部200には、操作部10、客用表示部9A、係員用表示部9B、通信部202、扉開閉検知部203、記憶部204等が接続されている。制御部200は、通信部202を介して、景品管理機3(図1参照)と通信する。
記憶部204には、景品払出機2内の景品の在庫管理を行なうための在庫管理テーブルが設けられている。在庫管理テーブルには、図15に示すように、”カセット別景品種類テーブルTA1”と、”カセット別在庫管理テーブルTA2”と、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”とがある。
【0078】
”カセット別景品種類テーブルTA1”(図15(a)参照)は、カセット毎にそれに収納される景品の種類が記憶されたテーブルである。”カセット別在庫管理テーブルTA2”(図15(b)参照)は、カセット毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。”景品種類別在庫管理テーブルTA3”(図15(c)参照)は、景品種類毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。記憶部204の内容は、電源がオフになっても消去されずに保持される。
【0079】
図16は、各カセットに割り当てられたカセット番号(カセットNo.)と、各カセットに収納される景品の種類の具体例とを示している。7列あるカセットの各列を、景品払出機2の前側(図2の手前側)から見て最も左側の列から順に、第1列、第2列、第3列、…、第7列ということにする。カセット番号は、景品払出機2の前側(図2の手前側)から見て、左側にある列ほど数字が小さくなり、かつ同じ列にあるカセット間においては前側のものほど数字が小さくなるように、各カセットに割り当てられている。この実施形態では、各カセットに、1〜28のカセット番号がそれぞれ割り当てられている。
【0080】
また、この実施形態では、第1列〜第3列のカセットに大景品(5000円相当)が収納され、第4列および第5列のカセットに中景品(1000円相当)が収納され、第6列および第7列のカセットに小景品(200円相当)が収納される。
各景品払出機2の係員用表示部9B(この例ではタッチパネル付き表示部)には、待機中においては、例えば、図17(a)に示すような第1待機中画面501aまたは図17(b)に示すような第2待機中画面501bが表示される。
【0081】
図17(a)に示される第1待機中画面501aは、カセット毎の景品在庫数を表示する画面である。この第1待機中画面501aには、「カセット別在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される対応するカセット内の景品在庫数を表す数字と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。なお、景品種類を表す色は、各景品の外面の色と同一もしくは類似する色が予め設定されている。
【0082】
各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の第1待機中画面501aを、第2待機中画面501bに切替えるためのボタンである。メニューボタンは、メニュー画面を表示させるためのボタンである。前回取引ボタンは、前回(直前に)行なわれた景品払出処理において払い出された景品の種類および景品数を表示するためのボタンである。在庫計数ボタンは、在庫確認指令(図19のステップS5参照)を入力するためのボタンである。
【0083】
図17(b)に示される第2待機中画面501bは、景品種類毎の景品在庫数を表示する画面である。この第2待機中画面501bには、「景品在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、景品種類毎の景品在庫数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の第2待機中画面501bを、第1待機中画面501aに切替えるためのボタンである。
【0084】
図18は、景品管理機3の電気的構成を示している。
景品管理機3は、制御部300を備えている。制御部300は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部300は、景品払出機2に対する景品払出制御、景品払出機2に対する計数制御、景品払出機2およびT/C4との通信等を行う。景品管理機3は、配下の景品払出機2毎に、景品種類別の景品在庫数を在庫管理データとして管理している。制御部300には、通信部301、バーコード・リーダ302、印字部303、操作部304、客用表示部305、係員用表示部306、記憶部307等が接続されている。
【0085】
景品管理機3の操作部304には、在庫確認ボタン、テンキー等が設けられている。景品管理機100の操作部304の在庫確認ボタンが操作されると、景品管理機100は、景品払出機2に在庫確認コマンドを送信する。
図19は、景品払出機2によって実行される処理の手順を示している。
電源がオンされると(ステップS1:YES)、景品払出機2の制御部200は、在庫確認処理を行う(ステップS2)。この在庫確認処理においては、制御部200は、まず、景品計数処理を行う。具体的には、景品カウント部201を利用してカセット毎の景品在庫数を計数する。計数処理が終了すると、制御部200は、在庫管理データを更新する。具体的には、制御部200は、”カセット別在庫管理テーブルTA2”(図15(b)参照)内のカセット毎のデータを、そのカセットに対する計数処理によって得られた計数値(景品在庫数)に更新する。また、制御部200は、更新後の”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎の景品在庫数と、”カセット別景品種類テーブルTA1”の内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”内の景品在庫数を更新する。そして、更新後の景品種類別の景品在庫数を景品管理機3に送信する。景品管理機3は、受信した景品種類別の景品在庫数に基づいて、在庫管理データを更新する。
【0086】
ステップS2の在庫確認処理が終了すると、制御部200は、景品管理機3からの景品払出コマンドを受信したか否か(ステップS3)、景品払出機2の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否か(ステップS4)、在庫確認指令が入力されたか否か(ステップS5)、景品管理機3からの在庫確認コマンドを受信したか否か(ステップS6)を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで(ステップS9でYESとなるまで)、繰り返し行なわれる。
【0087】
前記ステップS3の景品払出コマンドは、景品管理機3によって、記録媒体に記録されている遊技媒体数(持玉データ)が読み取られたことに起因して、景品管理機100から送信されるコマンドである。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と枚数に関する情報(景品種類毎の払出要求枚数)が含まれる。前記ステップS4の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否かは、扉開閉検知部203の出力に基づいて判別される。
【0088】
前記ステップS5における在庫確認指令は、景品払出機2の待機中に、係員用表示部9Bに表示される画面(例えば図17に示す画面)内の在庫計数ボタンが操作されることにより入力される。前記ステップS6における在庫確認コマンドは、景品管理機3の操作部304上の在庫確認ボタンが操作されることに起因して、景品管理機3から送信されるコマンドである。
【0089】
景品管理機2からの景品払出コマンドを受信したときには(ステップS3:YES)、制御部200は、景品払出処理を行う(ステップS7)。具体的には、制御部200は、景品管理機3から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき1または複数のカセットと、それらの各カセットからの払出し枚数を決定し、決定内容にしたがって景品を払い出す。この際、制御部200は、前述したように、エラーが発生したか否かを判定するための処理を行なう。そして、エラーが検出された場合には、制御部200は、エラー処理を行なう。エラー処理の詳細については、後述する。
【0090】
エラーが検出されることなく景品の払出しが終了したときには、制御部200は、在庫管理データを更新する。具体的には、記憶部204内の”カセット別在庫管理テーブルTA2”(図15(b)参照)および、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”の内容を更新する。より具体的には、”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎のデータ(景品在庫数)のうち、景品の払出があったカセットのデータを、そのカセットから払出された枚数を減算することにより更新する。また、制御部200は、更新後の”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎の景品在庫数と、”カセット別景品種類テーブルTA1”の内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”内の景品在庫数を更新する。在庫管理データの更新が行なわれると、図19のステップS4に移行する。
【0091】
景品払出機2の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したとき(ステップS4:YES)、在庫確認指令が入力されたとき(ステップS5:YES)または景品管理機3からの在庫確認コマンドを受信したとき(ステップS6:YES)には、制御部200は、在庫確認処理を行う(ステップS8)。この在庫確認処理は、前述したステップS2の在庫確認処理と同じ処理である。ステップS8の在庫確認処理が終了すると、制御部200は、ステップS9に移行する。ステップS9において、景品払出機2の電源がオフでなければ、ステップS3に戻る。
【0092】
図20(a)は、図19の前記ステップS7の景品払出処理が行われている場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出中画面)502を示し、図20(b)は、景品払出処理が正常に終了した場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出終了画面)503を示している。
払出中画面502には、「払出中」というタイトルと、「景品が出ます」というメッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図とが表示される。景品種類毎の実払出枚数は、景品払出機2から実際に払い出された景品種類毎の景品数であり、画面502の左よりの領域(破線411で囲まれた領域)内に表示される。景品種類毎の払出要求枚数は、景品管理機3によって指示された景品種類毎の払出要求枚数であり、景品種類毎の実払出枚数の表示領域411の右側の領域(破線412で囲まれた領域)内に表示される。この例では、大景品の払出要求枚数は5個であり、中景品の払出要求枚数は1個であり、小景品の払出要求枚数は2個である。
【0093】
払出終了画面503は、払出中画面502とほぼ同様である。ただし、払出終了画面503では、「景品が出ます」というメッセージに代わって、「景品が払い出されました」というメッセージが表示される。また、景品種類毎の実払出枚数の表示領域411には、景品種類毎の実払出枚数とともに、払出処理が正常に終了したことを示す「OK」の文字が表示される。
【0094】
図21は、図19の前記ステップS7の景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の手順を示している。
制御部200は、景品払出処理中にエラーを検出した場合には、その検出タイミングに基づいて、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか、「取引成立エラー」であるかを判別する(ステップS21)。「取引不成立エラー」である場合には(ステップS21:YES)、制御部200は、取引不成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS22)。一方、「取引成立エラー」である場合には(ステップS21:NO)、制御部200は、取引成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS23)。
【0095】
図22および図23は、図21のステップS22の取引不成立エラーに基づくエラー処理の手順を示している。図24〜図29は、取引不成立エラーに基づくエラー処理において、係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。これらの画面例は、8枚の大景品を払い出すときの具体例である。
取引不成立エラーに基づくエラー処理においては、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、赤色点灯させる(ステップS31)。後述するように、取引成立エラーに基づくエラー処理においては、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210が青色点灯される。したがって、係員は、払出表示部210が点灯された場合、払出エラーが発生したことを認識できると同時に、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか「取引成立エラー」であるかも特定できる。したがって、係員は当該払出表示部210に対応する出口11から払い出されたまたは払い出される取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。
【0096】
また、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー発生画面を表示する(ステップS32)。図24は、ステップS32で表示されるエラー発生画面601の一例を示している。エラー発生画面601には、「エラー」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、エラー解除ボタンとが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「エラーが起こりました [エラー解除]を押してください」という内容からなる。係員は、この操作案内メッセージに従って、エラー解除ボタンを押す。
【0097】
エラー解除ボタンが押下されると(ステップS33:YES)、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー対処画面を表示する(ステップS34)。図25は、ステップS34で表示されるエラー対処画面602の一例を示している。エラー対処画面602には、タイトルと、操作案内メッセージと、エラー発生ユニットを模式的に示す図と、対処方法の詳細を示すガイダンスと、リセットボタン等が表示される。
【0098】
タイトルは、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−130)と、エラーが発生した払出ユニット(エラー発生ユニット)8のユニット番号または列番号と、エラー内容(この例では、景品繰出異常)とを含んでいる。エラーメッセージは、たとえば、「内容を確認し エラーを解除してください」という内容からなる。エラー発生ユニットを示す図は、たとえば、第1〜第7のユニットを示す模式図を含んでいる。そして、模式図で表された各ユニットのうち、エラー発生ユニットが赤色で表示されている。ガイダンスには、検知されたエラーが「取引不成立エラー」であることを示す「取引不成立」の文字と、対処方法の説明とが含まれる。これにより、係員は、取扱対象景品の取り扱い方法を確実に認識できるようになる。
【0099】
係員は、ガイダンスに従って、エラー対処を行う。係員は、たとえば、エラーが発生した払出ユニット8の引出部21を引き出して、繰出機構14および一時保留部15にある景品を取り出す。そして、リセットボタンを押す。リセットボタンが押下されると(ステップS35:YES)、制御部200は、払出ユニット8内の各部を待機位置(定位置)に戻す(ステップS36)。具体的には、制御部200は、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17および駆動機構70を制御することにより、リフト31、移動体41、エレベータ53、シャッタ12および計数ユニット61を待機位置に戻す。
【0100】
この後、制御部200は、取扱対象景品の取扱方法を示す景品取扱画面を係員用表示部9Bに表示する(ステップS37)。図26は、ステップS37で表示される景品取扱画面の一例を示している。この景品取扱画面603には、「エラー解除中」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、これから払い出される景品(取扱対象景品)の取扱方法を示すガイダンスと、確認ボタンが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「景品を確認してください [確認]を押してください」という内容からなる。ガイダンスは、たとえば、「赤色のシャッタから景品が払出された場合はカセットに戻してください。」という内容からなる。これにより、係員は、払出表示部210によって指示されている出口11において、これから払い出される景品(取扱対象景品)の取扱方法を認識できる。
【0101】
また、制御部200は、リセット処理(エラー復旧処理)を行なう(ステップS38)。具体的には、制御部200は、払出ユニット8内の各部をリセット動作させる。景品が一時保留部15に残留している場合には、このリセット動作により、残留景品が払出される。係員は、前記ステップS37で表示された景品取扱画面603のガイダンスにしたがって、払出表示部210が赤色点灯しているシャッタ12に対応する出口11から払い出された景品を、対応するカセット7に戻す。そして、確認ボタンを押す。
【0102】
確認ボタンが押下されると(ステップS39:YES)、制御部200は、景品計数処理を行なう(ステップS40)。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。この後、制御部200は、払出取引前の在庫数とステップS40の計数結果(実際の在庫数)とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かを判別する(ステップS41)。具体的には、制御部200は、ユニット内のカセット毎に、今回の計数値Aが払出取引前の在庫数Bと等しいか否かを判別する。つまり、制御部200は、カセット毎に、今回の計数値Aと払出取引前の在庫数Bとの差(A−B)が0であるか否かを判別する。そして、制御部200は、全てのカセットについて、A=Bであれば景品在庫数が正しいと判別し、そうでなければ景品在庫数が正しくないと判別する。
【0103】
景品在庫数が正しくないと判別された場合に(ステップS41:NO)、係員用表示部9Bに、景品在庫数調整画面を表示する(ステップS42)。図27は、ステップS42で表示される景品在庫数調整画面604の一例を示している。景品在庫数調整画面604には、「景品在庫数調整」というタイトルと、操作案内メッセージと、カセット毎の前記差分値(A−B)を模式的に示す図と、在庫訂正ボタンが表示される。操作案内メッセージは、「キャビネットを開けて在庫数調整をするか [在庫訂正]を押してください」という内容からなる。カセット毎の前記差分値(A−B)を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される対応するカセットの前記数差分値(A−B)と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。
【0104】
図27の例では、第1払出ユニット8の前から1番目のカセットに対応する景品数差分値(A−B)が−8となっている。つまり、当該カセット内の景品数は、払出取引前の在庫数に比べて8枚少なくなっている。このように景品が少なくなっている場合には、係員は、キャビネットを開け(キャビネット6の扉18を開けて)、当該カセットに不足分の景品を戻す。このように、係員は、表示された差分値(A−B)に基づいて、当該カセットに適切な数の景品を戻すことができる。なお、係員は、景品を戻すことなく、在庫訂正ボタンを押すことにより、在庫管理データを今回の計数値に更新して、そのまま処理を続行させることも可能である。
【0105】
係員が不足分の景品をカセットに戻した後、キャビネットが締められると(キャビネット6の扉18が閉められると)、そのことが扉開閉検知部203によって検知される。制御部200は、扉開閉検知部203によって扉が閉じられたことが検知されると(ステップS43:YES)、制御部200は、景品在庫数調整画面を更新する(ステップS44)。図28は、更新後の景品在庫数調整画面605の一例を示している。つまり、制御部200は、景品在庫数調整画面上から在庫訂正ボタンを消去し、景品在庫数調整画面上に全計数ボタンを表示させる。また、制御部200は、操作案内メッセージの内容を、「キャビネットを閉めて [全計数]を押してください」に変更する。係員は、全計数ボタンを押す。
【0106】
全計数ボタンが押下されると(ステップS45:YES)、制御部200は、ステップS40に戻り、景品計数処理を行なう。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。そして、ステップS41に移行する。ステップS41では、払出取引前の在庫数と、ステップS40の計数結果とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かが判別される。
【0107】
前記ステップS41において、景品在庫数が正しいと判別された場合には(ステップS41:YES)、つまり、現在の景品在庫数が払出取引前の在庫数と等しいと判別された場合には、制御部200は、係員用表示部9Bに未払景品払出画面を表示する(ステップS46)。図29は、ステップS46で表示される未払景品払出画面606の一例を示している。未払景品払出画面606には、「未払景品払出し」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の未払景品数と、景品種類毎の払出要求枚数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図と、払出しボタン等が表示される。操作案内メッセージは、「未払い景品があります [払出し]を押すと払出します」の内容からなる。景品種類毎の未払景品数には、未払景品数であることを示す「未払い」の文字が付加される。係員は、払出ボタンを押す。
【0108】
払出ボタンが押下されると(ステップS47:YES)、制御部200は未払の景品を払出す(ステップS48)。そして、今回のエラー処理を終了する。
図30および図31は、図21のステップS23の取引成立エラーに基づくエラー処理の手順を示している。図32〜図35は、取引成立エラーに基づくエラー処理において、係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。これらの画面例は、8枚の大景品を払い出すときの具体例である。
【0109】
取引成立エラーに基づくエラー処理においては、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、青色点灯させる(ステップS51)。したがって、係員は、払出表示部210が点灯された場合、払出エラーが発生したことを認識できると同時に、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか「取引成立エラー」であるかも特定できる。したがって、係員は当該払出表示部210に対応する出口11から払い出されたまたは払い出される取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。
【0110】
また、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー発生画面を表示する(ステップS52)。図32は、ステップS52で表示されるエラー発生画面701の一例を示している。エラー発生画面701には、「エラー」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、エラー解除ボタンとが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「エラーが起こりました [エラー解除]を押してください」という内容からなる。景品払出中に「取引成立エラー」が発生した場合には、実際に払い出された景品は実払出枚数として表示される。実払出枚数には、「OK」の文字が付加される。係員は、この操作案内メッセージに従って、エラー解除ボタンを押す。
【0111】
エラー解除ボタンが押下されると(ステップS53:YES)、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー対処画面を表示する(ステップS54)。図33は、ステップS54で表示されるエラー対処画面702の一例を示している。エラー対処画面702には、タイトルと、操作案内メッセージと、エラー発生ユニットを模式的に示す図と、対処方法の詳細を示すガイダンスと、リセットボタン等が表示される。
【0112】
タイトルは、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−071)と、エラーが発生した払出ユニット(エラー発生ユニット)8のユニット番号または列番号と、エラー内容(この例では、シャッタ開異常)とを含んでいる。エラーメッセージは、たとえば、「内容を確認し エラーを解除してください」という内容からなる。エラー発生ユニットを示す図は、たとえば、第1〜第7のユニットを示す模式図を含んでいる。そして、模式図で表された各ユニットのうち、エラー発生ユニットが青色で表示されている。ガイダンスには、検知されたエラーが「取引成立エラー」であることを示す「取引成立」の文字と、対処方法の説明とが含まれる。これにより、係員は、取扱対象景品の取り扱い方法を確実に認識できるようになる。
【0113】
係員は、ガイダンスに従って、エラー対処を行う。係員は、たとえば、エラーが発生したユニットの引出部21を引き出して、一時保留部16にある景品を取り出す。そして、リセットボタンを押す。リセットボタンが押下されると(ステップS55:YES)、制御部200は、払出ユニット8内の各部を待機位置(定位置)に戻す(ステップS56)。具体的には、制御部200は、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17および駆動機構70を制御することにより、リフト31、移動体41、エレベータ53、シャッタ12および計数ユニット61を待機位置に戻す。
【0114】
この後、制御部200は、取扱対象景品の取扱方法を示す景品取扱画面を係員用表示部9Bに表示する(ステップS57)。図34は、ステップS57で表示される景品取扱画面の一例を示している。この景品取扱画面703には、「エラー解除中」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、取り出された景品の取扱方法を示すガイダンスと、確認ボタンが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「景品を確認してください [確認]を押してください」という内容からなる。ガイダンスは、たとえば、「青色のシャッタから景品が払出された場合はお客様に渡してください。」という内容からなる。これにより、係員は、払出表示部210によって指示されている出口11において、これから払い出される景品(取扱対象景品)の取扱方法を認識できる。
【0115】
また、制御部200は、リセット処理(エラー復旧処理)および計数処理を行なう(ステップS58)。具体的には、制御部200は、払出ユニット8内の各部をリセット動作させる。景品が一時保留部15に残留している場合には、このリセット動作により、残留景品が払出される。この後、制御部200は、計数処理を行なう。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。
【0116】
係員は、前記ステップS57で表示された景品取扱画面703のガイダンスにしたがって、払出表示部210が青色点灯しているシャッタ12に対応する出口11から払い出された景品を、遊技客に渡す。そして、確認ボタンを押す。
確認ボタンが押下されると(ステップS59:YES)、制御部200は、払出取引前の在庫数とステップS58の計数処理結果とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かを判別する(ステップS60)。具体的には、制御部200は、ユニット内のカセット毎に、今回の計数値Aが、払出取引前の在庫数Bから今回の払出要求枚数を減算した値Cに等しいか否かを判別する。Cは今回の払出処理が正常に終了したと仮定した場合の払出処理後の在庫数となる。つまり、制御部200は、カセット毎に、今回の計数値Aと、今回の払出処理が正常に終了したと仮定した場合の払出処理後の在庫数Cとの差(A−C)が0であるか否かを判別する。そして、制御部200は、全てのカセットについて、A=Cであれば景品在庫数が正しいと判別し、そうでなければ景品在庫数が正しくないと判別する。
【0117】
景品在庫数が正しくないと判別された場合に(ステップS60:NO)、係員用表示部9Bに、景品在庫数調整画面を表示する(ステップS61)。図35は、ステップS61で表示される景品在庫数調整画面704の一例を示している。景品在庫数調整画面704には、「景品在庫数調整」というタイトルと、操作案内メッセージと、カセット毎の前記景品数差分値(A−C)を模式的に示す図と、在庫訂正ボタンが表示される。操作案内メッセージは、「キャビネットを開けて在庫数調整をするか [在庫訂正]を押してください」という内容からなる。カセット毎の景品数差分値(A−C)を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される対応するカセットの景品数差分値(A−C)と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。
【0118】
図35の例では、第1払出ユニット8の前から1番目のカセットに対応する前記差分値(A−C)が8となっている。つまり、当該カセット内の景品数は、今回の払出処理が正常に終了したと仮定した場合の払出処理後の在庫数Cに比べて8枚多くなっている。このように景品が多くなっている場合には、係員は、キャビネットを開け(キャビネット6の扉18を開けて)、当該カセットから超過分の景品を取り出す。取り出した景品を遊技客に渡す。このように、係員は、表示された差分値(A−C)に基づいて、当該カセットから適切な数の景品を取り出すことができる。なお、係員は、景品を取り出すことなく、在庫訂正ボタンを押すことにより、在庫管理データを今回の計数値に更新して、そのまま処理を続行させることも可能である。
【0119】
係員が超過分の景品をカセットから取り出した後、キャビネットが締められると(キャビネット6の扉18が閉められると)、そのことが扉開閉検知部203によって検知される。制御部200は、扉開閉検知部203によって扉が閉じられたことが検知されると(ステップS62:YES)、制御部200は、景品在庫数調整画面を更新する(ステップS63)。図36は、更新後の景品在庫数調整画面705の一例を示している。つまり、制御部200は、景品在庫数調整画面上から在庫訂正ボタンを消去し、景品在庫数調整画面上に全計数ボタンを表示させる。また、制御部200は、操作案内メッセージの内容を、「キャビネットを閉めて [全計数]を押してください」に変更する。係員は、全計数ボタンを押す。
【0120】
全計数ボタンが押下されると(ステップS64:YES)、制御部200は、計数処理を行なう(ステップS65)。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。そして、ステップS60に戻る。ステップS60では払出取引前の在庫数とステップS65の計数結果とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かが判別される。
【0121】
前記ステップS60において、景品在庫数が正しいと判別された場合には(ステップS60:YES)、つまり、現在の景品在庫数が払出取引前の在庫数と等しい場合には、制御部200は、係員用表示部9Bに待機中画面(たとえば、図17(b)参照)を表示する(ステップS66)。そして、今回のエラー処理を終了する。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、景品払出処理中にエラーが検知されたときには、景品の取り扱い方法を示す景品取扱画面が景品払出機2の係員用表示部9Bに表示されているが、それに代えてまたはそれに加えて、景品管理機3の係員用表示部306に景品取扱画面を表示してもよい。
【0122】
図37は、景品管理機3の係員用表示部306に表示される景品取扱画面の一例を示している。この景品取扱画面801には、景品種類毎の払出要求枚数、景品払出機2でエラーが発生したこと、エラーが取引不成立エラーまたは取引成立エラーであるかを示す文字、景品の取り扱い方法を示すガイダンス等が表示される。この例では、ガイダンスは、「払出口表示部が赤色の箇所の景品はカセットに戻してください。」の内容からなる。なお、1台の景品管理機3に複数台の景品払出機2が接続されている場合には、エラーが発生している景品払出機2を特定可能な情報(号機番号等)を合わせて表示する必要がある。
【0123】
また、景品払出機2および景品管理機3の一方または両方に音声出力手段を設け、景品の取り扱い方法を音声出力するようにしてもよい。この場合、音声メッセージは、たとえば、「払出された景品は、お客様にお渡し下さい」(取引成立エラーの場合)または「払出された景品は、カセットにお戻し下さい」(取引不成立エラーの場合)というメッセージであってもよい。
【0124】
前記実施形態では、取引不成立エラーが発生したときには、エラーが発生した払出ユニット8に対応する払出表示部210が赤色点灯され、取引成立エラーが発生したときには、エラーが発生した払出ユニット8に対応する払出表示部210が青色点灯されているが、点灯色は取引不成立エラーと取引成立エラーとを識別できる色であれば、赤と青に限られない。また、払出表示部210に、取扱対象景品の具体的な取扱方法を表示するようにしてもよい。
【0125】
前記払出表示部210に代えて、キャビネット6の天板上に左右方向に延びる帯状の払出表示部を設け、その表示部内の払出位置に近い領域に取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。具体的には、この帯状の払出表示部に、取引不成立エラーと取引成立エラーとを識別できる色表示を行ってもよい。あるいは、この帯状の払出表示部に、取扱対象景品の具体的に取扱方法(たとえば、「ここから払出された景品をカセットに戻してください」等)を表示するようにしてもよい。
【0126】
景品交換用記録媒体としては、計数値がバーコード記録されたレシート以外に、磁気カードやICカードを用いてもよい。磁気カードやICカードが用いられる場合には、それに対応する読取手段(カードリーダ等)が採用される。
また、計数値が記録媒体に直接記録されるのではなく、記録媒体に識別情報のみが記録され、識別情報と計数値が別の管理手段で管理される方式であってもよい。この方式では、景品管理機3は、記録媒体から識別情報を読み取ると、管理手段に問い合わせて、その識別情報に対応する計数値を管理手段から取得する。この方式では、記録媒体の計数値を書き換える等の不正行為を回避できる。
【0127】
繰出機構14によって景品5を要求枚数分繰り出してから、シャッタ12の開動作および閉鎖動作が終了して、待機状態になる前に、エラーが検知された場合に、そのエラーを「取引不成立エラー」であると判別し、その後にエラーが検知された場合に「取引成立エラー」であると判別してもよい。
図38は、図19の前記ステップS7の景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の変形例を示している。
【0128】
制御部200は、景品払出処理中にエラーを検出した場合には、その検出タイミングに基づいて、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか、「取引成立エラー」であるかを判別する(ステップS71)。「取引不成立エラー」である場合には(ステップS71:YES)、制御部200は、フラグFをセット(F=1)した後(ステップS72)、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、赤色点灯させる(ステップS73)。そして、ステップS76に移行する。
【0129】
一方、前記ステップS71で、「取引成立エラー」であると判別された場合には(ステップS71:NO)、制御部200は、フラグFをリセット(F=0)した後(ステップS74)、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、青色点灯させる(ステップS75)。そして、ステップS76に移行する。
【0130】
ステップS76では、制御部200は、エレベータ53が待機位置にあるか否かを判別する。エレベータ53が待機位置にある場合には(ステップ76:YES)、ステップS79に移行する。一方、エレベータ53が待機位置にない場合には(ステップ76:NO)、制御部200は、エレベータ53が移動可能であるか否かを判別する(ステップS77)。エレベータ53が移動可能である場合には(ステップ77:YES)、制御部200は、エレベータ53を待機位置まで移動させる(ステップ78)。そして、ステップS79に移行する。したがって、ステップS79に移行した時点では、エレベータ53は待機位置にあるため、キャビネット6から払出ユニット8を引き出すことが可能な状態となっている。
【0131】
ステップS79では、制御部200は、シャッタ12が閉状態であるか否か(閉位置にあるか否か)を判別する。シャッタ12が閉状態である場合には(ステップS79:YES)、ステップS82に移行する。一方、シャッタ12が閉状態ではない場合には(ステップS79:NO)、制御部200は、シャッタ12を閉鎖してから(ステップS80)、ステップS82に移行する。シャッタ12を閉鎖している理由は、係員が出口11からキャビネット6内部を不要に操作することによって、内部機構が損傷したり、異物が混入したりするのを防止するためである。
【0132】
前記ステップS77において、エレベータ53が移動可能ではないと判別された場合には(ステップS77:NO)、制御部200は、キャビネット6から払出ユニット8を引き出すことが可能な状態にするために、エレベータ53を手動で待機位置まで移動させるための案内処理を行なう(ステップS81)。そして、ステップS82に移行する。ステップS81の案内処理の詳細については、後述する。
【0133】
ステップS82では、制御部200は、フラグFがセットされているか否かを判別する。フラグFがセット(F=1)されている場合には(ステップS82:YES)、制御部200は、取引不成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS83)。この取引不成立エラーに基づくエラー処理は、図22および図23に示された取引不成立エラーに基づくエラー処理とほぼ同様である。ただし、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210は既に赤色点灯されているので(ステップS73参照)、図22のステップS31を省略してもよい。
【0134】
前記ステップS82において、フラグFがリセット(F=0)されていると判別された場合には(ステップS82:NO)、制御部200は、取引成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS84)。この取引成立エラーに基づくエラー処理は、図30および図31に示された取引成立エラーに基づくエラー処理とほぼ同様である。ただし、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210は既に青色点灯されているので(ステップS75参照)、図30のステップS51を省略してもよい。
【0135】
図39(a)〜(c)は、図38のステップS81の案内処理において、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示している。
図38のステップS81の案内処理においては、制御部200は、まず、たとえば図39(a)に示される案内画面901を係員表示部9Bに表示する。この案内画面901には、タイトルと、操作案内メッセージと、対処方法を示す図およびガイダンスと、各種ボタンが表示されている。
【0136】
タイトルは、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−732)と、エラーが発生した払出ユニット(エラー発生ユニット)8のユニット番号または列番号と、エラー内容(この例では、エレベーター上定位置異常)とを含んでいる。エラーメッセージは、たとえば、「内容を確認し エラーを解除してください」という内容からなる。対処方法を示す図は、表示カバー90およびシャッタ12を示す模式図と表示カバー90を開くことを示唆する模式図とを含んでいる。対処方法を示すガイダンスは、「表示カバーを開けてください」という内容からなる。
【0137】
係員が、このガイダンスに従って、表示カバー90を開けると、図示しない検知器によってそのことが検知される。表示カバー90が開けられたことが検知されると、制御部200は、たとえば図39(b)に示される案内画面902を係員表示部9Bに表示する。この案内画面902には、タイトルと、操作案内メッセージと、対処方法を示す図およびガイダンスと、各種ボタンが表示されている。
【0138】
タイトルおよび操作案内メッセージは、前記案内画面901のタイトルおよび操作案内メッセージと同じである。対処方法を示す図は、表示カバー90およびシャッタ12を示す模式図と、手動によってシャッタ12を開くための操作方法を説明するための模式図とを含んでいる。そして、模式図で表された各シャッタ12のうち、エラー発生ユニットに対応するシャッタ12が他のシャッタ12とは異なる色、たとえば赤色で表示されている。対処方法を示すガイダンスには、エラー発生ユニットに対応するシャッタ12を手動によって開け、景品・異物を取り除いて、エレベータを待機位置まで下げることを内容とする説明が含まれる。係員は、このガイダンスに従った操作を行った後に、シャッタ12を閉じる。そして、「次へ」と記されたボタンを押下する。
【0139】
「次へ」と記されたボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図39(c)に示される案内画面903を係員表示部9Bに表示する。この案内画面903には、タイトルと、操作案内メッセージと、対処方法を示す図およびガイダンスと、各種ボタンが表示されている。
タイトルおよび操作案内メッセージは、前記案内画面901のタイトルおよび操作案内メッセージと同じである。対処方法を示す図は、表示カバー90およびシャッタ12を示す模式図と表示カバー90を閉じることを示唆する模式図とを含んでいる。対処方法を示すガイダンスは、「表示カバーを閉めてください」という内容からなる。
【0140】
係員が、このガイダンスに従って、表示カバー90を閉じると、図示しない検知器によってそのことが検知される。表示カバー90が閉じられたことが検知されると、制御部200は、図38のステップS82に移行する。
なお、図38のステップS77においてエレベータ53が移動可能ではないと判別されてステップS81に移行したときに、シャッタ12が開状態となっている場合がある。このような場合には、ステップS81においては、制御部200は、たとえば「エレベータ部を下げて、「次へ」を押してください」という内容のガイダンスと、「次へ」と記されたボタンとを含む案内画面を表示するようにしてもよい。この場合には、係員は、この案内画面に従ってシャッタ12によって開放されている出口11を利用して、エレベータ53を手動で押し下げた後、「次へ」と記されたボタンを押下する。「次へ」と記されたボタンが押下されると、制御部200は、ステップS82に移行する。
【0141】
前記景品払出機2は、たとえば、閉店後において、払出テストを行なう機能を備えていてもよい。これにより、たとえば、営業中に払出エラーが発生した払出ユニット8が正常に作動するか否かを確認することができるとともに、再度、払出エラーが発生した場合にはその原因を調べることが可能となる。
図40〜図42は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示している。また、図43〜図53は、払出テスト中に係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。
【0142】
係員は、払出テストを行ないたいときには、たとえば図43に示される待機画面911内のメニューボタンを押下する(ステップS101)。メニューボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図44に示されるメニュー画面912を係員用表示部9Bに表示する(ステップS102)。係員は、メニュー画面912内の払出テストボタンを押下する(ステップS103)。払出テストボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図45に示される払出テストメニュー画面913を係員用表示部9Bに表示する(ステップS104)。
【0143】
以下の説明において、7個の払出ユニット8を、景品払出機2の前側(図2の手前側から見て、最も左側のものから順に、レーン1(またはユニット1)、レーン2(またはユニット2)、…、レーン7(またはユニット7)という場合がある。
払出テストメニュー画面913には、全レーン・全数ボタンと、全レーン・指定個数ボタンと、エラーレーン・全数ボタンと、エラーレーン・指定個数ボタンとが表示される。これらのボタンは、払出テストモードを選択するためのモード選択ボタンである。払出テストモードには、次の4種類がある。
【0144】
第1モード:全レーン(払出ユニット)から景品が空になるまで景品を払出すモード。
第2モード:全レーンから係員によって指定された個数分だけ景品を払出すモード。
第3モード:当日にエラーが発生したレーンから景品が空になるまで景品を払出すモード。
第4モード:当日にエラーが発生したレーンから係員によって指定された個数分だけ景品を払出すモード。
【0145】
全レーン・全数ボタンは、第1モードを選択するためのボタンである。全レーン・指定個数ボタンは、第2モードを選択するためのモードである。エラーレーン・全数ボタンは、第3モードを選択するためのモードである。エラーレーン・指定個数ボタンは、第4モードを選択するためのモードである。
ここでは、第1モード〜第4モードのうち、第4モードが選択された場合の制御部200の動作を例にとって説明することにする。第4モードを選択したい場合には、係員は、払出テストメニュー画面913内のエラーレーン・指定個数ボタンを押下する(ステップS105)。エラーレーン・指定個数ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図46に示されるような払出対象レーン・個数提示画面914を係員用表示部9Bに表示する(ステップS106)。払出対象レーン・個数提示画面914には、払出対象レーンと払出個数が表示される。この例では、第4モードが選択されているので、払出対象レーンとして、当日に払出エラーが発生したレーン(エラーレーン;この例ではレーン5)が表示される。また、払出個数として、指定払出個数の初期値(この例では10個)とが表示される。この場合、払出個数は、係員による変更操作によって変更することが可能である。
【0146】
係員によって払出対象レーン・個数提示画面914内の実行ボタンが押下されると(ステップS107)、制御部200は、払出対象レーンから指定された払出個数分の景品を払い出すための景品払出しを開始する(ステップS108)。景品の払出しを行っている場合には、制御部200は、たとえば図47に示されるような払出中画面915を係員用表示部9Bに表示する(ステップS109)。この払出中画面915には、払出対象レーンと今回の払出テストにおいて払出された景品の総数が表示される。
【0147】
景品の払出しが完了すると、つまり、払出対象レーンから指定された払出個数分の景品が払い出されると(ステップS110:YES)、制御部200は、たとえば図48に示されるような払出完了画面916を係員用表示部9Bに表示する(ステップS111)。この払出完了画面916には、払出対象レーン、今回の払出テストにおいて払出された景品の総数、実行ボタン、終了ボタンなどが表示される。
【0148】
図41を参照して、この後、制御部200は、払出完了画面916内または後述する計数完了画面918(図50参照)内の実行ボタンが押下されたか否か(ステップS112)、払出完了画面916内または後述する計数完了画面918の終了ボタンが押下されたか否か(ステップS113)、または扉18が開放状態から閉鎖されたことが検知されたか否か(ステップS114)を監視する。
【0149】
係員は、払出対象レーンに対して、再度、払出テストを行ないたい場合には、払出完了画面916内または後述する計数完了画面918内の実行ボタンを押す。そうすると、ステップS112でYESとなるので、制御部200は、図40のステップS108に戻って、払出対象レーンに対して再度、景品の払出しを行なう。
また、係員は、払出対象レーンに対して、再度、払出テストを行ないたいが、払出対象レーン内の景品数が少なくなった場合等には、払出対象レーンに景品を補充する。このような景品の補充が行われた場合には、扉18が開放状態から閉鎖されるので、図41のステップS114でYESとなる。ステップS114でYESとなると、制御部200は、景品が補充されたレーンに対する計数処理を開始する(ステップS115)。この計数処理中においては、制御部200は、たとえば図49に示されるような計数中画面917を係員用表示部9Bに表示する(ステップS116)。そして、計数処理が完了すると(ステップS117:YES)、制御部200は、たとえば図50に示されるような計数完了画面918を係員用表示部9Bに表示する(ステップS118)。そして、ステップS112に戻る。計数完了画面918には、景品が補充されたレーン、今回補充された景品数(補充後の景品数−補充前の景品数)、実行ボタン、終了ボタンなどが表示される。
【0150】
払出完了画面916または計数完了画面918が表示されている状態において、終了ボタンが押下されると(ステップS113:YES)、図42のステップS119に移行する。ステップS119では、制御部200は、全レーンに対する計数処理を開始する。この計数処理中においては、制御部200は、たとえば図51に示されるような計数中画面919を係員用表示部9Bに表示する(ステップS120)。
【0151】
そして、計数処理が完了すると(ステップS121:YES)、制御部200は、計数結果(レーン毎の計数結果)が、今回の払出テスト前の景品在庫数(レーン毎の景品在庫数)と一致するか否かを判別する(ステップS122)。計数結果が、今回の払出テスト前の景品在庫数と一致しない場合には(ステップS122:NO)、制御部200は、たとえば図52に示されるような在庫数不一致画面920を係員用表示部9Bに表示する(ステップS123)。在庫数不一致画面920には、レーン毎に不一致数が表示されるとともに、景品在庫数を払出テスト前の景品在庫数に戻すために景品の補充または取出しを促すメッセージが表示される。払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が少ない場合には、不一致数に−の符号がつけられる。逆に、払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が多い場合には、不一致数に符号は付けられない。
【0152】
在庫数不一致画面920に表示されるメッセージについて具体的に説明する。払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が少ない場合には、たとえば、「テスト前の在庫数に戻すために、景品を補充してください。」というメッセージが在庫数不一致画面920に表示される。一方、払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が多い場合には、たとえば、「テスト前の在庫数に戻すために、景品を取出してください。」というメッセージが在庫数不一致画面920に表示される。また、払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が少ないレーンと多いレーンとが混在する場合には、たとえば、「テスト前の在庫数に戻すために、景品を補充または取出してください。」というメッセージが在庫数不一致画面920に表示される。
【0153】
係員は、在庫数不一致画面920を参照して、景品在庫数を払出テスト前の景品在庫数に戻すために景品の補充または取出しを行う。このような景品の補充または取出しが行われた場合には、扉18が開放状態から閉鎖される。扉18が開放状態から閉鎖されたことが検出されると(ステップS124:YES)、ステップS119に戻る。
ステップS122において、計数結果が、今回の払出テスト前の景品在庫数と一致すると判別された場合には(ステップS122:YES)、制御部200は、たとえば図53に示されるような払出テスト終了画面921を係員用表示部9Bに2秒間表示した後(ステップS125)、待機状態に戻る(ステップS126)。これにより、たとえば図43に示されるような待機画面911が係員用表示部9Bに表示されることになる。
【0154】
図54(a)〜(e)は、払出テスト中に、払出エラーが発生した場合に、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示している。
図40のステップS108において、景品の払出しが開始されると、前述したように、たとえば図54(a)に示されるような払出中画面931が係員用表示部9Bに表示される。
【0155】
この景品払出中において、エラーが発生した場合には、制御部200は、係員にエラーの発生を報知するために、たとえば図54(b)に示されるエラー発生画面932を係員用表示部9Bに表示する。係員が、エラー発生画面932内の確認ボタンを押下すると、制御部200は、たとえば図54(c)に示されるエラー対処画面933を係員用表示部9Bに表示する。エラー対処画面933には、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−523)、エラー内容(この例では、繰り出し異常)、エラー解除方法等が表示される。係員は、エラー解除方法に従って、エラー解除操作を行った後に、エラー対処画面933内のリセットボタンを押下する。
【0156】
リセットボタンが押下されると、制御部200は、リセット処理を行なう。具体的には、制御部200は、払出ユニット8内の各部をリセット動作させる。また、制御部200は、たとえば図54(d)に示されるリセット中画面934を係員用表示部9Bに表示する。リセット処理が終了すると、制御部200は、景品の払出しを再開するとともに、たとえば図54(e)に示されるような払出中画面935を係員用表示部9Bに表示する。
【0157】
前記景品払出機2は、払出テスト中に実行された景品払出に関する履歴情報や、払出テスト中に係員によって行われた景品の補充(入庫)に関する履歴情報を、払出テスト後に参照できるような機能を備えていてもよい。これにより、係員は、払出テスト中に払い出された景品数や、払出テスト中に補充された景品数を払出テスト後に把握することが可能となる。
【0158】
図55(a)〜(e)は、払出テスト後に払出テストに関する履歴情報等を参照する場合に、係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。
図55を参照して、払出テスト後に払出テストに関する履歴情報等を参照する場合の係員の操作手順および制御部200による処理手順について説明する。
係員は、待機画面からメニューボタンを押下することにより、たとえば図55(a)に示されるメニュー画面941を係員用表示部9Bに表示させる。そして、係員は、メニュー画面941内の履歴表示ボタンを押下する。
【0159】
メニュー画面941内の履歴表示ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(b)に示される履歴メニュー画面942を係員用表示部9Bに表示させる。履歴メニュー画面942には、取引履歴ボタン、入庫履歴ボタンおよび操作履歴ボタンが表示される。
係員は、履歴メニュー画面942内の操作履歴ボタンを押下する。履歴メニュー画面942内の操作履歴ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(c)に示される操作履歴画面943を係員用表示部9Bに表示させる。操作履歴画面943には、日時と担当者コードと操作内容とからなる履歴項目が日時の順番で表示される。履歴項目は、最新のものほど、画面の上側に表示される。また、操作履歴画面943には、詳細ボタンが表示される。
【0160】
この操作履歴画面943ににおいて、「集計参照」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、当日における入庫数累計および出庫数累計を表示させるための操作が行なわれたことを示している。「集計クリア」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、当日における入庫数累計および出庫数累計をクリアするための操作が行なわれたことを示している。
【0161】
「払出テスト(払出)」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、払出テスト中に景品の払出し操作が行なわれたことを示している。「払出テスト(入庫)」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、払出テスト中に景品の補充(入庫)操作が行なわれたことを示している。
【0162】
係員によって、操作履歴画面943内の履歴項目の一つが選択された状態で、詳細ボタンが押下されると、その履歴項目に関する詳細な内容が表示されるようになっている。たとえば、操作履歴画面943内の上から4つ目に表示されている、「払出テスト(払出)」を含む履歴項目が選択された状態で、詳細ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(d)に示されるような詳細画面944を係員用表示部9Bに表示させる。
【0163】
この詳細画面944には、日時および係員コードの他、払出テストで景品が払出されたレーンと、払い出された景品数と、戻るボタンと、終了ボタンとが表示される。これにより、係員は、払出テストにおいて、景品が払出されたレーンと景品払出数とを確認することができる。詳細画面944内の戻るボタンが押下された場合には、表示画面が図55(c)の操作履歴画面943に切り換えられる。詳細画面944内の終了ボタンが押下された場合には、表示画面が図55(b)の履歴メニュー画面942に切り換えられる。
【0164】
また、たとえば、操作履歴画面943内の上から3つ目に表示されている、「払出テスト(入庫)」を含む履歴項目が選択された状態で、詳細ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(e)に示されるような詳細画面945を係員用表示部9Bに表示させる。この詳細画面945には、日時および係員コードの他、払出テストで景品が補充(入庫)されたレーンと、補充された景品数と、戻るボタンと、終了ボタンとが表示される。これにより、係員は、払出テストにおいて、景品が補充されたレーンと景品補充数とを確認することができる。詳細画面945内の戻るボタンが押下された場合には、表示画面が図55(c)の操作履歴画面943に切り換えられる。詳細画面945内の終了ボタンが押下された場合には、表示画面が図55(b)の履歴メニュー画面942に切り換えられる。
【0165】
本願発明は、特開2008−73169号公報に開示されているような卓上タイプの景品払出機にも適用することができる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0166】
1 景品払出システム
2 景品払出機
3 景品管理機
9A,306 係員用表示部
200,300 制御部
210 払出表示部
【技術分野】
【0001】
この発明は、パチンコ玉等の遊技媒体と交換される景品を払い出すための景品払出機および景品払出システムに関する。
【背景技術】
【0002】
パチンコ店等の遊技施設では、遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の個数に応じて遊技客に景品を払い出すための景品払出機が設置されている。下記特許文献1,2では、遊技施設のフロアに直接据え置かれる景品払出機が提案されている。この景品払出機により、カード状の景品が払い出される。
特許文献1,2に記載の景品払出機では、複数枚の景品が積層状態で収納されるカセットが内蔵されており、必要な枚数の景品がカセットから繰り出されて遊技客に払い出される。また、特許文献2に記載の景品払出機には、カセットに収納された景品を計数する計数装置を備えている。したがって、この景品払出機では、景品払出機に何枚の景品が収納されているのかを把握することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第3722878号公報
【特許文献2】特開2009-297402号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
景品払出機は、一般に、景品払出時において、エラーを検出する機能を備えている。景品払出時にエラーが検出された場合には、景品払出動作が停止される。このような場合、係員は、エラー復旧作業を行なう。このエラー復旧作業の終了後に、景品払出機は、たとえば、リセットされ、エラー復旧処理(リセット動作)が行われる。エラー復旧作業時には、たとえば、エラーの原因となっている景品が、係員によって取り出される場合がある。また、エラー復旧処理によって、景品払出機内において払出準備が整っている景品(残留景品)が払出される場合がある。この明細書においては、エラーが検出されたときに、既に払出されている景品、エラー復旧処理によって係員によって取り出される景品およびエラー復旧処理によって景品払出機から払出される景品を、総称して「取扱対象景品」ということにする。
【0005】
エラーの発生タイミングによって、取扱対象景品を遊技客に渡すことによって、取引が正常に成立する場合と、取扱対象景品を遊技客に渡すだけでは、取引が正常に成立しないおそれがある場合とがある。取引が正常に成立する場合とは、取扱対象景品を遊技客に渡すことによって、エラーが発生しなかった場合と同じ払出枚数分の景品を遊技客に渡すことができる場合をいう。一方、取引が正常に成立しないおそれがある場合とは、取扱対象景品を遊技客に渡しただけでは、エラーが発生しなかった場合と同じ払出枚数分の景品を遊技客に渡すことができないおそれがある場合をいう。取引が正常に成立しないおそれがある場合には、係員は、取扱対象景品を、カセットに戻し、景品払出機に景品払出処理を再度行なわせる必要がある。しかし、係員が取扱対象景品の取り扱い方法を間違えると、適切な枚数の景品を遊技客に渡すことができないおそれがある。
【0006】
そこで、この発明の目的は、景品払出時においてエラーが発生した場合に、取扱対象景品の取り扱いミスを抑制または防止できる景品払出機および景品払出システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1記載の発明は、景品を払出す景品払出機であって、景品払出エラーを検出するエラー検出手段と、前記エラー検出手段によってエラーが検出されたときに、取扱対象景品の取扱方法を決定する決定手段と、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を出力する出力手段とを含む、景品払出機である。
この構成では、景品払出エラーが検出されたときに、取扱対象景品の取扱方法が決定される。そして、決定された取扱対象景品の取扱方法が出力される。これにより、景品払出時においてエラーが発生した場合に、取扱対象景品の取り扱いミスを抑制または防止できる。
【0008】
請求項2記載の発明は、景品を払出す複数の払出ユニットと、情報表示部とをさらに含み、前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットを特定するユニット特定情報と、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報とを、前記情報表示部に表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機である。
この構成では、景品払出エラーが検出されたときに、景品払出エラーが発生した払出ユニットを特定するユニット特定情報と、取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報とが情報表示部に表示される。これにより、係員は、景品払出エラーが発生した払出ユニットを特定できるとともに、取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。これにより、取扱対象景品の取り扱いミスが生じにくくなる。
【0009】
請求項3記載の発明は、景品を払出す複数の払出ユニットと、前記払出ユニット毎に異なる景品払出口と、前記景品払出口の近傍にそれぞれ設けられた払出表示部とをさらに含み、前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットに対応する払出表示部に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機である。
【0010】
この構成では、景品払出エラーが発生した払出ユニットに対応する払出表示部に、取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報が表示される。これにより、係員は当該払出表示部の近傍の景品払出口から払い出される取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。これにより、取扱対象景品の取り扱いミスが生じにくくなる。
請求項4記載の発明は、前記出力手段は、前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項2または3に記載の景品払出機である。
【0011】
景品払出エラーに対するエラー復旧処理時においては、景品払出機内において払出準備が整っている景品(残留景品)が払出される可能性がある。景品払出機内から残留景品が払出されるタイミングで、取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報が表示されるから、係員はエラー復旧処理時に景品払出機から払出される残留景品(取扱対象景品)の取扱方法を認識しやすくなる。これにより、取扱対象景品の取り扱いミスが生じにくくなる。
【0012】
請求項5記載の発明は、前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、景品払出機内の景品数を計数する計数手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の景品払出機である。この構成では、エラー復旧処理時に、景品払出機内の景品数が計数される。
請求項6記載の発明は、前記計数手段によって計数された景品数が、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を考慮して決定される適切な景品在庫数と一致するか否かを判別する判別手段と、前記判別手段によって前記計数手段によって計数された景品数が前記適切な景品在庫数と一致していないと判別された場合には、それらの差を報知する手段をさらに含む、請求項5に記載の景品払出機である。
【0013】
この構成では、計数手段によって計数された景品数が適切な景品在庫数と一致していないと判別された場合には、それらの差が報知される。したがって、係員は、この差に基づいて、景品払出機内の景品在庫数が適切な景品在庫数と一致するように、この差に相当する数の景品を景品払出機に戻したり、景品払出機から取り出したりすることができる。これにより、景品払出機内の景品在庫数を適切な景品在庫数に一致させることが容易となる。
【0014】
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか一項に記載の景品払出機と、前記景品払出機と通信可能に接続される景品管理機とを含み、前記景品管理機は、前記景品払出機から、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得した取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する表示手段とを含む、景品払出システムである。この景品払出システムによれば、前記請求項1〜6に記載の発明と同様な効果を得ることができる。
【発明の効果】
【0015】
この発明によれば景品払出時においてエラーが発生した場合に、取扱対象景品の取り扱いミスを抑制または防止できるようになる。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】図1は、景品管理システム1を示す図である。
【図2】図2は、景品払出機2の斜視図である。
【図3】図3は、払出ユニット8の斜視図であって、引出部21が開位置にある状態を示している。
【図4】図4は、図3において、ケーシング20の内部を露出させた状態を示している。
【図5】図5(a)および図5(b)は、それぞれ別の角度から見たカセット7の斜視図である。
【図6】図6は、景品5の斜視図である。
【図7】図7(a)および図7(b)は、景品払出機2の縦断面を模式的に示した図である。
【図8】図8は、景品払出時のエラー検出方法を説明するための模式図である。
【図9】図9は、図4の状態における払出ユニット8の側面図である。
【図10】図10(a)は、計数ユニット61の正面図であり、図10(b)は、計数ユニット61の側面図である。
【図11】図11は、払出ユニット8の平断面図である。
【図12】図12は、図11のA−A矢視断面図である。
【図13】図13は、計数ユニット61および駆動機構70を説明するための模式図である。
【図14】図14は、景品払出機2の電気的構成を説明するためのブロック図である。
【図15】図15は、カセット別景品種類テーブルTA1、カセット別在庫管理テーブルTA2および景品種類別在庫管理テーブルTA3の内容をそれぞれ示す模式図である。
【図16】図16は、各カセットに割り当てられたカセット番号(カセットNo.)と、各カセットに収納される景品の種類の具体例を示す模式図である。
【図17】図17は、景品払出機2の係員用表示部9Bに、待機中に表示される画面の具体例を示す模式図である。
【図18】図18は、景品管理機3の電気的構成を示すブロック図である。
【図19】図19は、景品払出機2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図20】図20(a)は、景品払出処理が行われている場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出中画面)を示す模式図であり、図20(b)は、景品払出処理が正常に終了した場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出終了画面)を示す模式図である。
【図21】図21は、景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図22】図22は、図21のステップS22の取引不成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図23】図23は、図21のステップS22の取引不成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図24】図24は、図22のステップS32で表示されるエラー発生画面の一例を示す模式図である。
【図25】図25は、図22のステップS34で表示されるエラー対処画面の一例を示す模式図である。
【図26】図26は、図22のステップS37で表示される景品取扱画面の一例を示す模式図である。
【図27】図27は、図23のステップS42で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図28】図28は、図23のステップS44で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図29】図29は、図23のステップS46で表示される未払景品払出画面の一例を示す模式図である。
【図30】図30は、図22のステップS23の取引成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図31】図31は、図22のステップS23の取引成立エラーに基づくエラー処理の手順を示すフローチャートである。
【図32】図32は、図30のステップS52で表示されるエラー発生画面の一例を示す模式図である。
【図33】図33は、図30のステップS54で表示されるエラー対処画面の一例を示す模式図である。
【図34】図34は、図30のステップS57で表示される景品取扱画面の一例を示す模式図である。
【図35】図35は、図31のステップS61で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図36】図36は、図31のステップS63で表示される景品在庫数調整画面の一例を示す模式図である。
【図37】図37は、景品管理機3の係員用表示部306に表示される景品取扱画面の一例を示す模式図である。
【図38】図38は、図19の前記ステップS7の景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の変形例を示すフローチャートである。
【図39】図39(a)〜(c)は、図38のステップS81の案内処理において、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示す模式図である。
【図40】図40は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示すフローチャートである。
【図41】図41は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示すフローチャートである。
【図42】図42は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示すフローチャートである。
【図43】図43、待機画面の一例を示す模式図である。
【図44】図44は、図40のステップS102で表示されるメニュー画面の一例を示す模式図である。
【図45】図45は、図40のステップS104で表示される払出テストメニュー画面の一例を示す模式図である。
【図46】図46は、図40のステップS106で表示される払出対象レーン・個数提示画面の一例を示す模式図である。
【図47】図47は、図40のステップS109で表示される払出中画面の一例を示す模式図である。
【図48】図48は、図40のステップS111で表示される払出完了画面の一例を示す模式図である。
【図49】図49は、図41のステップS116で表示される計数中画面の一例を示す模式図である。
【図50】図50は、図41のステップS118で表示される計数完了画面の一例を示す模式図である。
【図51】図51は、図42のステップS120で表示される計数中画面の一例を示す模式図である。
【図52】図52は、図42のステップS123で表示される在庫数不一致画面の一例を示す模式図である。
【図53】図53は、図42のステップS125で表示される払出テスト終了画面の一例を示す模式図である。
【図54】図54(a)〜(e)は、払出テスト中に、払出エラーが発生した場合に、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示す模式図である。
【図55】図55(a)〜(e)は、払出テスト後に払出テストに関する履歴情報等を参照する場合に、係員用表示部9Bに表示される図面例を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、景品管理システム1を示す図である。
図1を参照して、本発明の景品管理システム1は、パチンコ店等の遊技施設に設けられる。景品管理システム1は、景品を払い出すための景品払出機2と、景品払出機2を管理する景品管理機3と、景品管理機3に対する上位装置となるターミナルコンピュータ(略して「T/C」)4とで構成されている。景品管理機3とそれに接続されている景品払出機2とによって景品払出システムが構成されている。
【0018】
景品払出機2は、多数の景品を収納していて、遊技客が遊技台での遊技によって獲得した遊技媒体(パチンコ玉やメダル)の数に応じた種類および個数の景品を、この遊技客に払い出す。
景品管理機3は、「POS」とも呼ばれ、遊技施設における景品交換カウンター等に配置される。景品管理機3に対して、1台または複数台の景品払出機2が通信可能に接続されている。遊技客が獲得した遊技媒体が計数機によって計数されると、その獲得数(計数値)が記録された記録媒体(レシート、持玉カード等)が発行される。景品管理機3は、この記録媒体に記録された遊技媒体の獲得数を読み取り、獲得数に応じた種類・個数の景品を特定し、当該種類・個数の景品を払い出すように、景品払出機2に指示する。また、景品管理機3は、景品払出機2に収納された景品の個数を種類毎に管理している。なお、図1では、複数の景品管理機3が図示されているが、そのうちの1台の景品管理機3が親機となり、残りの景品管理機3が子機となることで、親機が子機を管理するように構成されても構わない。
【0019】
T/C4は、遊技施設における事務所等に設置される。T/C4には、景品管理機3が通信可能に接続されている。T/C4は、景品を管理するだけでなく、遊技台での遊技媒体の出入りや遊技施設全体における金銭の流れ等も管理する。
図2は、景品払出機2の斜視図である。なお、以下では、図2における景品払出機2の姿勢を基準として、景品払出機2の上下前後左右の方向を規定する。すなわち、図2において、景品払出機2の長手方向(図2の左上と右下とを結ぶ方向)を左右方向(幅方向)とし、図2の紙面手前側を景品払出機2の前側とし、図2の紙面奥側を景品払出機2の後側とする。
【0020】
景品払出機2は、遊技施設のフロアに直接据え置かれて使用される。景品の払い出しを受ける客は、景品払出機2の後側に位置し、係員は、景品払出機2の前側に位置して接客を行う。
景品払出機2で取り扱われる景品5は、遊技施設において遊技客が獲得したパチンコ玉等の遊技媒体の数に応じて交換される有価カード体で特殊景品とも呼ばれる(後述する図6参照)。
【0021】
景品払出機2は、その外郭をなす幅広で中空の略直方体形状のキャビネット6(装置本体)と、景品5をカセット7(収納部)に積み重ねた状態で収納することができる複数(たとえば7つ)の払出ユニット8とを備えている(後述する図5および図7も参照)。
キャビネット6の前側面は、開放されており、キャビネット6には、前側面の開放部分を開閉する扉18が設けられている。キャビネット6には、扉18の開閉を検知するための扉開閉検知部203(図14参照)が設けられている。
【0022】
複数の払出ユニット8は、幅方向に並んだ状態でキャビネット6に内蔵されている(図2では、説明の便宜上、右端の払出ユニット8だけが手前に引き出されている)。
キャビネット6の上面の前側部分は開放されており、その開放部分は表示カバー90によって覆われている。表示カバー90の前縁部は、図示しないヒンジを介してキャビネット6に回動自在に連結されている。これにより、表示カバー90を、ヒンジを中心として開閉することが可能となっている。表示カバー90には、表示部9および操作部10が設けられている。表示部9は、客側から視認できる客用表示部9Aと、係員側からのみ視認できる係員用表示部9Bとを含んでおり、それぞれの表示部には、必要な情報が表示される。操作部10は、係員用表示部9Bの横に配置されている。操作部10は、景品払出機2の動作を制御するために係員によって操作される。
【0023】
キャビネット6の上面には、各払出ユニット8の上方位置に、出口11が形成されている。出口11は、払出ユニット8の数に応じて複数(ここでは、7つ)形成されている。各出口11は、キャビネット6の内部に連通している。また、各出口11には、シャッタ12が設けられている。シャッタ12は、前後に個別にスライドすることによって、出口11を開閉する。
【0024】
シャッタ12は、図示はされていないが、前端側の基部と基部にヒンジによって回動可能に連結されたシャッタ本体とからなる。シャッタ12は、常時はその基部とシャッタ本体とが側面から見て一直線状となるような形態を維持するような構造となっている。そして、シャッタ本体の後側部を持ち上げることにより、シャッタ本体をヒンジを中心として回転させることができるようになっている。このような操作を手動によるシャッタ開操作ということにする。シャッタ12が閉じられている場合、基部とシャッタ本体の一部とは、表示カバー90によって覆われているため、手動によるシャッタ開操作を行うことはできない。一方、シャッタ12が閉じられている場合に、表示カバー90を開けた状態にすると、手動によるシャッタ開操作を行うことが可能となる。
【0025】
各シャッタ12の上面には、表示部(以下、「払出表示部210」が設けられている。払出表示部210は、たとえば、LEDから構成されていてもよい。
また、景品払出機2には、図7に示すように、収納された景品5を払い出すための機構として、カセット7(図5参照)に収納された景品5を上方ヘ持ち上げるためのリフト機構13(搬送手段)と、リフト機構13によって持ち上げられた景品5を出口11側へ繰り出すための繰出機構14と、繰り出された景品5を出口11の下方で保留するための一時保留部15と、保留された景品5を出口11へ向けて持ち上げるためのエレベータ機構16と、出口11まで持ち上げられた景品5をキャビネット6の上面に押し出すための送出機構17とが備えられている。上述したシャッタ12と、シャッタ12をスライドさせる構成とが、上述した送出機構17に含まれる。これらの機構は、以下で払出ユニット8を説明する際に、個別に説明する。
【0026】
図3は、払出ユニット8の斜視図であって、引出部21が開位置にある状態を示している。
図3に示すように、各払出ユニット8は、左右方向においてやや薄い中空のボックス形状である。払出ユニット8は、その外郭をなすケーシング20(筐体)と、ケーシング20から引き出し可能な引出部21と、複数(ここでは4つ)のカセット7と、これらのカセット7を保持するキャリア22(保持手段)とを備えている。引出部21、カセット7およびキャリア22は、常態では、ケーシング20内に収納されている(図2参照)。キャリア22は、4つのカセット7を前後方向に並んだ状態で一体的に保持する。前後方向に並んだ4つのカセット7を、前から順に、カセット7A、カセット7B、カセット7C、カセット7Dと区別することがある(図7参照)。なお、図3では、前から4つ目のカセット7Dだけが図示されている。
【0027】
ケーシング20の前壁には、上下方向に長手の開口23が形成されている。開口23は、ケーシング20内に連通している。
引出部21は、前板24と、側板25と、底板26とを一体的に備えている。前板24は、前側から見て上下方向に長手であり、ケーシング20の開口23をちょうど塞ぎ得る大きさを有している。側板25は、幅方向に薄く、前板24の左端縁から連続して後側へ延びている。底板26は、前板24の下端と側板25の下端とを繋いでいる。
【0028】
そして、側板25は、ケーシング20において内部を左側から区画する内壁面20Aに設けられたレール27によって、前後方向へスライド自在に支持されている。これにより、引出部21は、前後方向へスライド自在である。詳しくは、引出部21は、閉位置(図2参照)と開位置(図3参照)との間でスライドすることができる。図2に示すように引出部21が閉位置にある場合には、前板24がケーシング20の開口23を前側から塞いでいる(右端の払出ユニット8を参照)。この状態にある引出部21を前側へ所定量だけ引き出すと、引出部21は、図3に示す開位置に配置される。引出部21が開位置にある場合には、前板24が開口23の前方に位置して開口23を開き、かつ、側板25および底板26のほぼ全てが前側へ引き出されている。
【0029】
キャリア22は、複数の仕切り28とフレーム29とを一体的に備えている。これらの仕切り28は、前後に薄く上下方向に延びる板状であり、所定の間隔を隔てて、前後方向に沿って並んでいる。フレーム29は、側板25より一回り小さい大きさを有する略矩形板状であり、フレーム29に対して各仕切り28の左端部が接続されている。各カセット7は、前後に間隔を隔てて隣り合う2つの仕切り28に挟持されることによって、キャリア22に保持される。
【0030】
キャリア22は、フレーム29において、引出部21の側板25によって、前後方向へスライド自在に支持されている。ここで、側板25に対するキャリア22の相対位置に関し、最も前側に位置するときのキャリア22の位置を前位置といい(図7(b)参照)、最も後側に位置するときのキャリア22の位置を後位置という(図7(a)参照)。つまり、キャリア22は、前位置と後位置との間で移動可能である。なお、図3では、前位置にあるキャリア22が示されている。
【0031】
また、キャリア22の下方には、キャリア22を前後にスライドさせるスライド機構30が設けられている。スライド機構30は、例えばモータ駆動のラックアンドピニオン機構等によって構成されており、引出部21の底板26に固定されている。
図4は、図3において、ケーシング20の内部を露出させた状態を示している。
図4に示すように、ケーシング20内には、カセット7の並び方向(前後方向)に間隔を隔てて並ぶ2つのリフト31が設けられている。各リフト31は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。リフト31の待機位置は、図4に示されたリフト31の位置であり、ケーシング20の底壁の近くである。リフト31と、リフト31を昇降させる構成とが、上述したリフト機構13に含まれる。
【0032】
図5(a)および図5(b)は、それぞれ別の角度から見たカセット7の斜視図である。
図5に示すように、カセット7は、上下方向に長手であり、その平断面は、略コ字形状をなしている。カセット7の上面および底面は、開放されている。カセット7の一方側面(キャリア22に保持された状態における右側面)は、上述した略コ字形状をなすべく、上下方向における全ての範囲に亘って開放されており、このように開放された部分を開放部32という。開放部32は、カセット7において開放された上面および底面のいずれに対しても連続している。また、図5(b)を参照して、カセット7において前記一方側面の反対側の他方側面の水平方向における両端(前後の端部)には、上下方向におけるほぼ全ての範囲に亘って切欠かれており、このように切欠かれた部分を、切欠き部33という。各切欠き部33は、上下に長手の帯状に区画されており、カセット7の内部を露出させている。
【0033】
カセット7は、所定の種類の複数枚の景品5を、上下方向に沿って積み重ねた積層状態で最大でたとえば100枚収納することができる。なお、カセット7の下端には、カセット7内で最下位にある景品5に対して下側から係合する爪34が設けられており、カセット7において開放された底面から景品5が抜け落ちることが防止されている。また、カセット7に景品5が充填された状態において、全ての景品5の端面が、開放部32および各切欠き部33からカセット7の外部に露出される(図5(a)および図5(b)参照)。
【0034】
また、カセット7の上端部には、略U字状のハンドル19が、略U字をなす2つの遊端部によってカセット7を挟むように取り付けられている。ハンドル19は、2つの遊端部を中心に回動可能である。
ここで、キャリア22に保持された4つのカセット7の並び方向は、前述したように前後方向であって、カセット7内における景品5の積層方向(上下方向)に対する交差方向(厳密には、直交方向)である(後述する図7参照)。なお、カセット7の並び方向は、景品5の積層方向に対して交差していれば、必ずしも直交していなくても構わない。
【0035】
図6は、景品5の斜視図である。
図6に示すように、景品5は、一般的に、1mm〜数mm程度の厚みを有する樹脂製のカードである。景品5は、たとえば、平面視で略長方形状をなしており、その四隅は丸められている。景品5には、所定の金銭価値を有する物体が内蔵されており、たとえば、200円(小景品)、1000円(中景品)、5000円(大景品)といった金銭価値に応じた3つの種類が存在する。また、景品5は、その種類を識別するためのRFIDタグ等が内蔵されていたり、偽造等の不正を防止するための処理が施されていたりすることもある。
【0036】
図7は、景品払出機2の縦断面を模式的に示した図である。
図7を参照して、各払出ユニット8のケーシング20内において、各リフト31の上方には、前述した繰出機構14が配置されている。つまり、繰出機構14は、リフト31の数に応じて2つ設けられている。繰出機構14は、ケーシング20の上壁に隣接するように配置され、ケーシング20に支持されている。
【0037】
各繰出機構14は、前後方向にスライド自在に支持された移動体41と、回転自在に支持された1対の繰出ローラ42とを含んでいる。移動体41と繰出ローラ42とは図示しない繰出モータによって駆動される。移動体41の底面には、押出片41Aが設けられている。前側(図7では左側)の繰出機構14では、移動体41および繰出ローラ42が、前側からこの順番で並んで配置されている。後側(図7では右側)の繰出機構14では、移動体41および繰出ローラ42が、後側からこの順番で並んで配置されている。
【0038】
図7を参照して、ケーシング20の上壁において、2つの繰出機構14の間に位置する部分には、繰出空間51が形成されている。払出ユニット8がキャビネット6に納められている状態では、ケーシング20の繰出空間51は、キャビネット6において対応する出口11に対して、下から連通している。各繰出機構14では、前後方向において、繰出ローラ42が、繰出空間51に最も近い位置に配置されている。
【0039】
移動体41は、図7に示す待機位置と、繰出ローラ42に接近した進出位置との間を往復移動する。移動体41が待機位置から進出位置に移動する過程において、押出片41Aが最上位置の景品を一対の繰出ローラ42間へ送り出す。この景品は、繰出ローラ42によって、繰出空間51側へ放出される。
ケーシング20内において、繰出空間51の下方には、繰出空間51に対して下から連通する一時保留部15が区画され、一時保留部15には、上述したエレベータ機構16が設けられている。エレベータ機構16は、エレベータ53を含んでいる。エレベータ53は、前後左右方向に平坦な板状であって、ケーシング20に支持されており、ケーシング20内で上下方向に沿って昇降することができる。エレベータ53が待機位置にあるとき、エレベータ53の上面は、各繰出機構14のフィードローラ42よりも低い位置にある。エレベータ53を昇降させる機構は、エレベータ機構16に含まれる。
【0040】
次に、この景品払出機2による景品5の払い出し動作について、1つの払出ユニット8に着目して説明する。
まず、キャビネット6の扉18が開かれて(図2参照)、図3に示すように、払出ユニット8において引出部21が開位置まで引き出される。そして、この状態で、同じ種類の景品5を収納したカセット7(図5参照)がキャリア22に対して上側から差し込まれ、キャリア22に保持される。なお、カセット7内の景品5の種類は同じであるが、カセット7毎に、収容される景品5の種類が異なっていてもよい。
【0041】
カセット7がキャリア22に保持された後、引出部21は、閉位置へ押し込まれ(図2参照)、カセット7およびキャリア22とともに、ケーシング20内に収納(内蔵)される。このとき、キャリア22は後位置へ移動されるものとする(図7(a)参照)。そして、扉18(図2参照)が閉じられると、景品払出機2による景品5の払い出しが可能となる。
【0042】
このように引出部21が閉位置にあり、キャリア22が後位置にある場合、図7(a)に示すように、上述した2つのリフト31は、待機位置にある(図7(a)において点線で示したリフト31を参照)。詳しくは、これらのリフト31のうち、前側のリフト31の上方には、前から1番目のカセット7Aの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から3番目のカセット7Cの底面が位置している。
【0043】
この状態からキャリア22が前位置へ移動すると、図7(b)に示すように、4つのカセット7がリフト31に対して前側へ相対移動する。この場合、前側のリフト31の上方には、前から2番目のカセット7Bの底面が位置し、後側のリフト31の上方には、前から4番目のカセット7Dの底面が位置することになる(図7(b)において点線で示したリフト31を参照)。
【0044】
キャリア22が後位置にある場合には、カセット7Aおよびカセット7Cのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(図7(a)参照)。キャリア22が前位置にある場合には、カセット7Bおよびカセット7Dのいずれか、または、両方から景品5が払い出すことができる(図7(b)参照)。どのカセット7から景品5を払い出すかは、任意に設定可能である。ここで、キャリア22は、カセット7Bおよびカセット7D内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(前位置)までケーシング20内で移動可能であり、カセット7Aおよびカセット7C内の景品5の払い出しが可能となる払出位置(後位置)までケーシング20内で移動可能であるといえる。
【0045】
次に、カセット7Aを例にとって、カセット7から景品5を払い出す手順について具体的に説明する。
まず、図7(a)に示すように、カセット7Aの下方に位置していた待機位置のリフト31(点線で示したリフト31を参照)が、実線で示すように、カセット7Aの開放された底面からカセット7A内を通って上昇する。これにより、カセット7A内の全ての景品5が、このリフト31によって押し上げられる。
【0046】
最上位にある景品5が繰出機構14まで押し上げられると、リフト31の上昇が停止し、繰出機構14が、最上位の景品5を繰り出す。具体的には、待機位置にある移動体41が進出位置まで移動する。カセット7Aの場合、移動体41は進出位置に向けて後ろ側に移動する。このとき、移動体41の押出片41Aが最上位置の景品を一対の繰出ローラ42間へ搬送する。この後、移動体41は待機位置に戻る。景品5は繰出ローラ42によって、繰出空間51側へ放出され、一時保留部15において、待機位置にあるエレベータ53の上面に載置される。
【0047】
そして、リフト31の上昇と繰出機構14による景品5の繰り出しとが、景品5毎に繰り返され、カセット7A内の景品5が、上から順に、エレベータ53に積み重ねられて、一時保留部15に一時保留される。ここで、リフト31を有するリフト機構13が、繰出機構14によって景品5が1枚ずつ繰り出される繰出位置まで、カセット7A内の景品5を、上下方向に沿って上方に搬送していることが分かる。
【0048】
なお、繰出機構14によって景品5が繰り出される際、景品5がエレベータ53に良好に積み重ねられるように、エレベータ53は、待機位置から適宜下降する。具体的には、エレベータ53に景品5が1枚載置される毎に、エレベータ53が下降してもよいし、エレベータ53に所定枚数の景品5が積み重ねられてからエレベータ53が下降してもよい。
【0049】
また、カセット7Aの景品5だけでなく、カセット7Cの景品5も、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられてもよい。カセット7Aおよびカセット7Cに景品5が無い場合には、キャリア22が後位置から前位置へ移動し(図7(b)参照)、カセット7Bおよびカセット7Dの景品5が、カセット7Aの場合と同様の手順で、エレベータ53に積み重ねられる。
【0050】
図7(a)に示すように、払い出しに必要な枚数の景品5がエレベータ53に積み重ねられると、キャビネット6の上面において、対応するシャッタ12が、前側へ移動し(点線で示したシャッタ12を参照)、このエレベータ53の上方にある出口11を開く。これに伴い、エレベータ53が、払出ユニット8の繰出空間51を介して、出口11まで上昇する。そして、エレベータ53の上面がキャビネット6の上面と面一になるまでエレベータ53が上昇すると、シャッタ12が、出口11を閉じようと後側へ移動し、そのときに、エレベータ53の上面に積み重ねられた景品5を、キャビネット6の上面に押し出す。これにより、景品5が客側(後側)へ払い出される。
【0051】
図8を参照して、景品払出動作の手順を簡単に説明すると、次のようになる。
(A1)繰出機構14によって景品5を要求枚数分繰り出して、一時保留部15に集積する。
(A2)送出機構17のシャッタ12の開動作を行う。
(A3)エレベータ機構16のエレベータ53を上昇させる。これにより、エレベータ53上の景品5がキャビネット6から外にでる。
(A4)シャッタ12の閉動作を行う。これにより、景品5が客側に押されて払出されるとともに、出口が塞がれる。
(A5)エレベータ53を下降させる。
【0052】
ところで、景品払出時にエラー(異常)が発生することがある。この景品払出機2は、景品払出時にエラーを検出する機能を備えている。そして、景品払出時にエラーが発生した場合には、エラーの発生タイミングに基づいて、そのエラーが、「取引成立エラー」であるか、「取引不成立エラー」であるかが判別される。
「取引成立エラー」とは、前述した「取扱対象景品」を遊技客に渡すことによって取引が正常に成立するようなエラーをいう。「取扱対象景品」には、エラーが検出されたときに当該払出ユニット8から既に払出されている景品、エラー復旧処理によって係員によって当該払出ユニット8から取り出される景品およびエラー復旧処理によって当該払出ユニット8から払出される景品が含まれる。「取引不成立エラー」とは、「取扱対象景品」を遊技客に渡しても取引が正常に成立しないおそれがあるエラーをいう。
【0053】
具体的には、前記(A1)の動作が開始されてから、前記(A2)のシャッタ12の開動作が開始される時点までの間に、エラーが検出された場合には、そのエラーは「取引不成立エラー」であると判別される。一方、前記(A2)のシャッタ12の開動作が開始されてから、前記(A5)でエレベータ53を下降されるまでの間にエラーが検出された場合には、そのエラーは「取引成立エラー」であると判別される。
【0054】
後述するように、検出されたエラーが「取引不成立エラー」であると判別された場合と、「取引成立エラー」であると判別された場合とでは、「取扱対象景品」の取扱方法が異なる。
以下、図8を参照して、景品払出時のエラー検出方法について説明する。
(1)繰出機構14でのエラー検知
繰出機構14には、移動体41が待機位置にあることを検知する光電検出器からなる位置センサ401が設けられている。繰出機構14には、移動体41の移動に伴って移動する遮光部材(図示略)が設けられている。移動体41が待機位置にあるときには、位置センサ401は、遮光部材によって遮光された状態となっている。移動体41が進出位置に向かって移動すると、それに伴って遮光部材が移動し、位置センサ401は透光状態となる。
【0055】
待機位置にある移動体41が繰出モータによって、進出位置に向かって移動を開始してから所定の規定時間が経過するまでに、位置センサ401の状態が遮光状態、透光状態、遮光状態の順番で変化するか否かが監視される。前記順番で位置センサ401の状態が変化しなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。
(2)送出機構17でのエラー検知
送出機構17には、シャッタ12が図8の実線で示される閉位置(待機位置)にあることを検知するための閉位置センサ402と、シャッタ12が図8の破線で示される開位置にあることを検知するための開位置センサ403とが設けられている。送出機構17には、シャッタ12の移動に伴って移動する遮光部材が設けられている。シャッタ12が閉位置にあるときには、閉位置センサ402は遮光部材によって遮光された状態となっており、開位置センサ403は透光状態となっている。シャッタ12が開位置に向かって移動すると、それに伴って遮光部材が移動し、閉位置センサ402は透光状態となる。シャッタ12が開位置まで移動すると、開位置センサ403は遮光部材によって遮光された状態となる。
【0056】
シャッタ12を開く際に、閉位置にあるシャッタ12の開動作を開始させてから所定の規定時間内に開位置センサ403が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。また、シャッタ12を閉じる際に、開位置にあるシャッタ12の閉動作を開始させてから所定の規定時間内に閉位置センサ402が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。
(3)エレベータ機構16でのエラー検知
エレベータ機構16には、エレベータ53が待機位置にあることを検知するための下位置センサ404と、エレベータ53が景品払出位置(エレベータ53の上面がキャビネット6の上面とほぼ面一となる位置)にあることを検知するための上位置センサ405とが設けられている。エレベータ機構16には、エレベータ53の移動に伴って移動する遮光部材が設けられている。エレベータ53が待機位置にあるときには、下位置センサ404は遮光部材によって遮光された状態となっており、上位置センサ405は透光状態となっている。エレベータ53が景品払出位置に到達したときには、上位置センサ405は遮光部材によって遮光された状態となり、下位置センサ404は透光状態となる。
【0057】
一時保留部15にあるエレベータ53上の景品を払い出す際に、エレベータ53の上昇動作を開始させてから所定の規定時間内に上位置センサ405が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。また、景品払出位置にあるエレベータ53を待機位置まで下降させる際において、エレベータ53の下降動作を開始させてから所定の規定時間内に下位置センサ404が遮光状態とならなかったときには、エラーが発生したと判定される。つまり、エラーが検出される。
【0058】
図9は、図4の状態における払出ユニット8の側面図である。
払出ユニット8には、カセット7に積層状態で収納された景品5の枚数をカセット7毎に数えるための計数センサ60(計数手段)が備えられている。
図9に示すように、各払出ユニット8において、2つの計数センサ60が前後に隣接して1つの組をなしており、この組が前後方向に間隔を隔てて2組設けられている。つまり、各払出ユニット8には、4つの計数センサ60が前後に並んで設けられている。なお、図9では、最も後側(図9では右側)の計数センサ60がカセット7Dに隠れて見えなくなっている。
【0059】
図10(a)は、計数ユニット61の正面図であり、図10(b)は、計数ユニット61の側面図である。
図10を参照して、前述した1組をなす2つの計数センサ60は、1つの計数ユニット61を構成している。図10(a)に示すように、計数ユニット61は、2つの計数センサ60と、略矩形状の薄板状(図10(b)参照)をなすホルダ62(支持部材)とを含んでいる。ホルダ62の正面(払出ユニット8に組み込まれた状態では右側から見た側面)の上端部の水平方向両端部に、計数センサ60が取り付けられている。つまり、1つの計数ユニット61には、2つの計数センサ60がある。そして、計数ユニット61が払出ユニット8に組み込まれた状態において、2つの計数センサ60は、前後方向に並んでいて、この状態でホルダ62によって支持されている(図13参照)。また、ホルダ62の表面において2つの計数センサ60に挟まれた部分には、ガイド部材63が設けられている。ガイド部材63は、平断面が略コ字状をなして、後述するガイドレール64と連結可能な形状となっている(後述する図11参照)。
【0060】
図11は、払出ユニット8の平断面図である。図12は、図11のA−A矢視断面図である。
図11を参照して、各払出ユニット8では、2つの計数ユニット61が、前後方向に間隔を隔てて、キャリア22のフレーム29(図3参照)に取り付けられている。つまり、各計数ユニット61の計数センサ60は、キャリア22に設けられている。
【0061】
詳しくは、図12を参照して、フレーム29において、カセット7A〜7Dがキャリア22に保持された場合(図7参照)における、カセット7Aとカセット7Bとの間の位置、および、カセット7Cとカセット7Dとの間の位置には、上下に延びるガイドレール64が設けられている。つまり、2本のガイドレール64が、前後方向(図12では左右方向)に所定の間隔を隔てた状態で、フレーム29に設けられている。
【0062】
そして、前側のガイドレール64には、前側の計数ユニット61におけるホルダ62のガイド部材63(図10(a)参照)が連結されており、後側のガイドレール64には、後側の計数ユニット61におけるホルダ62のガイド部材63が連結されている。この状態で、各計数ユニット61全体は、対応するガイドレール64によって、上下方向にスライド可能に支持されている。そして、各計数ユニット61では、2つの計数センサ60が、右側(図12では手前側であり、カセット7に臨む側)を臨んでいる。ここで、ガイドレール64の下端部に位置しているときの計数ユニット61(計数センサ60)の位置を、待機位置とする。
【0063】
図13は、計数ユニット61および駆動機構70を説明するための模式図である。なお、図13では、左側が、景品払出機2の前側である。
計数ユニット61を上下に移動させるための構成として、各払出ユニット8のたとえばキャリア22には、駆動機構70(駆動手段)が設けられている。駆動機構70は、駆動モータ71と、伝達ギア72と、連結ギア73,74と、駆動ギア75と、ベルト76とを含んでいる。
【0064】
駆動モータ71は、たとえば、ステッピングモータであり、2本のガイドレール64のうちの一方(ここでは、前側のガイドレール64)の下端部に配置されている。駆動モータ71には、出力軸(図示せず)があり、この出力軸には、外周面にギア歯が形成された駆動ギア75が取り付けられている。
伝達ギア72は、2本のガイドレール64における前記一方でなく、他方(ここでは、後側のガイドレール64)の下端部に配置されている。伝達ギア72の外周面には、ギア歯が形成されている。
【0065】
連結ギア73は、前記一方(前側)のガイドレール64の下端部に配置されており、このガイドレール64に支持された計数ユニット61に対して、図示しない駆動伝達部材によって連結されている。連結ギア73の外周面には、ギア歯が形成されており、連結ギア73は、駆動ギア75と噛み合っている。
連結ギア74は、前記他方(後側)のガイドレール64の下端部に配置されており、このガイドレール64に支持された計数ユニット61に対して、図示しない駆動伝達部材によって連結されている。連結ギア74の外周面には、ギア歯が形成されており、連結ギア74は、伝達ギア72と噛み合っている。
【0066】
ベルト76は、内周面にギア歯が形成されたエンドレスベルトであり、駆動ギア75と伝達ギア72との間に掛け回されている。
このような駆動機構70において、駆動モータ71が駆動されると、駆動ギア75が所定方向に回転する。これにより、駆動ギア75に噛み合っている連結ギア73が回転し、駆動モータ71の駆動力が、前述した駆動伝達部材によって前側の計数ユニット61に伝達され、前側の計数ユニット61は、上下方向のどちらかにスライドする。また、この駆動力は、ベルト76および伝達ギア72を介して連結ギア74にも伝達される。これによって、連結ギア74が回転し、駆動モータ71の駆動力が、前述した駆動伝達部材によって後側の計数ユニット61に伝達され、後側の計数ユニット61は、前側の計数ユニット61と同じ方向にスライドする。
【0067】
逆に、駆動ギア75が前記所定方向とは逆方向に回転するように駆動モータ71が駆動されると、前後の計数ユニット61は、ともに、先程とは逆向きにスライドする。
つまり、駆動機構70は、2つの計数ユニット61のそれぞれを上下方向に移動させる。
なお、計数ユニット61とリフト31とは水平方向に互いにずれた位置にあるので(図11参照)、計数ユニット61とリフト31とが動作中に互いに干渉することはない。
【0068】
そして、計数センサ60は、ケーシング20に収容されたカセット7に対して左側から隣接配置される。詳しくは、計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(図5参照)に対して左側から対向することができる。前述したように、各払出ユニット8には、2つの計数ユニット61があって、各計数ユニット61には、2つの計数センサ60がある。そのため、前側(図13では左側)の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、最も前側のカセット7Aにおける後側の切欠き部33に対して左側(図13の紙面奥側)から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から2番目のカセット7Bにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。そして、後側の計数ユニット61において、前側の計数センサ60は、前から3番目のカセット7Cにおける後側の切欠き部33に対して左側から対向可能であり、後側の計数センサ60は、前から4番目のカセット7Dにおける前側の切欠き部33に対して左側から対向可能である。
【0069】
駆動モータ71が駆動されると、各計数センサ60は、対応するカセット7の切欠き部33(図5参照)に対して左側から対向しつつ、上下にスライドする。この際、計数センサ60は、カセット7内において切欠き部33から露出されている景品5の枚数を数える。つまり、計数センサ60は、上下方向(カセット7内における景品5の積層方向)に移動することによってカセット7内の景品5を計数する。
【0070】
計数センサ60による計数を具体的に説明すると、計数センサ60は、いわゆる光学式の反射型センサであり、発光素子(図示せず)と、発光素子(図示せず)に発光された光のうち、検知物に当たって反射した光を受ける受光素子(図示せず)とを備えている。
このような計数センサ60がカセット7の景品5の枚数を数える場合、計数センサ60が待機位置から上方へ移動される。図10(b)を参照して、計数センサ60が上昇している最中において、計数センサ60では、発光素子(図示せず)が、下側の景品5から順に、景品5の左側面5Aに向けて投光し、この景品5の左側面5Aで反射される反射光が受光素子(図示せず)に受光される。ここで、上下に隣り合う景品5の左側面5Aの境界Yに発光素子(図示せず)からの光が当てられた場合、景品5の左側面5Aに光が当てられる場合と比べて、受光素子(図示せず)が受光する反射光の量(受光量)が変化する。そのため、計数センサ60において、受光素子(図示せず)での受光量が変化する毎に、計数センサ60は、景品5が1枚あるとカウントする。そして、同様の手順により、計数センサ60は、上側の景品5から順に1枚ずつ景品5をカウントして景品5の枚数を数え、ガイドレール64(図12参照)の上端(上限位置)に到達するまでに、全ての景品5の計数を完了する。その後、計数センサ60は待機位置に戻る。
【0071】
以上のように、計数センサ60は、受光素子(図示せず)の受光信号(受光量)の変化に応じて、非接触で景品5の枚数を数える。
ここで、図7を参照して、計数センサ60は、キャリア22に設けられているので(図3参照)、キャリア22が前位置(図7(b)参照)と後位置(図7(a)参照)との間で移動しても、カセット7内の景品5と計数センサ60とが一体で移動可能となる。そのため、カセット7内の景品5と計数センサ60との相対位置(換言すれば、図10(b)における計数センサ60と景品5の左側面5Aとの間隔)が精度良く安定する。特に、計数センサ60は、光学式であることから、景品5と計数センサ60との相対位置が計数センサ60の精度に大きく影響する。この相対位置を精度良く安定させることができるので、カセット7に収納された景品5の、計数センサ60による計数精度の向上を図ることができる。
【0072】
また、各計数ユニット61を景品5の積層方向(上下方向)に移動させると、計数ユニット61のホルダ62に支持された複数(2つ)の計数センサ60によって、前後方向に並んだ複数(カセット7Aおよびカセット7Bの2つ、または、カセット7Cおよびカセット7Dの2つ)のカセット7内の景品5を一度に計数することができる。これにより、カセット7に収納された景品5の計数時間の短縮を図ることができる。
【0073】
さらに、駆動機構70(図13参照)によって複数のホルダ62(つまり、複数の計数ユニット61)を移動させることによって、さらに多く(ここでは、4つ)のカセット7内の景品5を一度に計数できる。これにより、カセット7に収納された景品5の計数時間の更なる短縮を図ることができる。また、計数ユニット61毎に駆動機構70(駆動モータ71)を設けずに済むので、部品点数の低減を図ることができる。
【0074】
そして、計数センサ60が数えた各カセット7の景品5の枚数のデータ(計数データ)は、上述した係員用表示部9B(図2参照)や、景品払出機2に接続された景品管理機3(図1参照)の係員用表示部306に表示され、これにより、景品払出機2の各カセット7内に収納された景品5の枚数が一括管理される。もちろん、このデータが、印刷機器(図示せず)に出力されて紙に印字されてもよいし、T/C4(図1参照)に保存されてもよい。
【0075】
図14は、景品払出機2の電気的構成を説明するためのブロック図である。
図14を参照して、景品払出機2は、制御部200を備えている。制御部200は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部200は、景品払出制御、エラー検出処理、景品計数制御、景品在庫数の管理、景品管理機3との通信等を行う。
【0076】
制御部200には、払出ユニット8毎に、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17、スライド機構30、計数センサ60、計数センサ60(計数ユニット61)を移動させるための駆動機構70および位置センサ401〜405が接続されている。計数センサ60および駆動機構70によって、景品数を計数するための景品カウント部201が構成されている。送出機構17は、各シャッタ12に設けられた払出表示部210を含む。
【0077】
また、制御部200には、操作部10、客用表示部9A、係員用表示部9B、通信部202、扉開閉検知部203、記憶部204等が接続されている。制御部200は、通信部202を介して、景品管理機3(図1参照)と通信する。
記憶部204には、景品払出機2内の景品の在庫管理を行なうための在庫管理テーブルが設けられている。在庫管理テーブルには、図15に示すように、”カセット別景品種類テーブルTA1”と、”カセット別在庫管理テーブルTA2”と、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”とがある。
【0078】
”カセット別景品種類テーブルTA1”(図15(a)参照)は、カセット毎にそれに収納される景品の種類が記憶されたテーブルである。”カセット別在庫管理テーブルTA2”(図15(b)参照)は、カセット毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。”景品種類別在庫管理テーブルTA3”(図15(c)参照)は、景品種類毎の”景品在庫数”を記憶するテーブルである。記憶部204の内容は、電源がオフになっても消去されずに保持される。
【0079】
図16は、各カセットに割り当てられたカセット番号(カセットNo.)と、各カセットに収納される景品の種類の具体例とを示している。7列あるカセットの各列を、景品払出機2の前側(図2の手前側)から見て最も左側の列から順に、第1列、第2列、第3列、…、第7列ということにする。カセット番号は、景品払出機2の前側(図2の手前側)から見て、左側にある列ほど数字が小さくなり、かつ同じ列にあるカセット間においては前側のものほど数字が小さくなるように、各カセットに割り当てられている。この実施形態では、各カセットに、1〜28のカセット番号がそれぞれ割り当てられている。
【0080】
また、この実施形態では、第1列〜第3列のカセットに大景品(5000円相当)が収納され、第4列および第5列のカセットに中景品(1000円相当)が収納され、第6列および第7列のカセットに小景品(200円相当)が収納される。
各景品払出機2の係員用表示部9B(この例ではタッチパネル付き表示部)には、待機中においては、例えば、図17(a)に示すような第1待機中画面501aまたは図17(b)に示すような第2待機中画面501bが表示される。
【0081】
図17(a)に示される第1待機中画面501aは、カセット毎の景品在庫数を表示する画面である。この第1待機中画面501aには、「カセット別在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。カセット毎の景品在庫数を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される対応するカセット内の景品在庫数を表す数字と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。なお、景品種類を表す色は、各景品の外面の色と同一もしくは類似する色が予め設定されている。
【0082】
各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の第1待機中画面501aを、第2待機中画面501bに切替えるためのボタンである。メニューボタンは、メニュー画面を表示させるためのボタンである。前回取引ボタンは、前回(直前に)行なわれた景品払出処理において払い出された景品の種類および景品数を表示するためのボタンである。在庫計数ボタンは、在庫確認指令(図19のステップS5参照)を入力するためのボタンである。
【0083】
図17(b)に示される第2待機中画面501bは、景品種類毎の景品在庫数を表示する画面である。この第2待機中画面501bには、「景品在庫数」というタイトルと、「払出しできます。」というメッセージと、景品種類毎の景品在庫数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図と、各種ボタンとが表示されている。各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。各種ボタンには、表示切替ボタン、メニューボタン、前回取引ボタン、在庫計数ボタンが含まれる。表示切替ボタンは、現在の第2待機中画面501bを、第1待機中画面501aに切替えるためのボタンである。
【0084】
図18は、景品管理機3の電気的構成を示している。
景品管理機3は、制御部300を備えている。制御部300は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムにしたがって所定の処理を実行する。制御部300は、景品払出機2に対する景品払出制御、景品払出機2に対する計数制御、景品払出機2およびT/C4との通信等を行う。景品管理機3は、配下の景品払出機2毎に、景品種類別の景品在庫数を在庫管理データとして管理している。制御部300には、通信部301、バーコード・リーダ302、印字部303、操作部304、客用表示部305、係員用表示部306、記憶部307等が接続されている。
【0085】
景品管理機3の操作部304には、在庫確認ボタン、テンキー等が設けられている。景品管理機100の操作部304の在庫確認ボタンが操作されると、景品管理機100は、景品払出機2に在庫確認コマンドを送信する。
図19は、景品払出機2によって実行される処理の手順を示している。
電源がオンされると(ステップS1:YES)、景品払出機2の制御部200は、在庫確認処理を行う(ステップS2)。この在庫確認処理においては、制御部200は、まず、景品計数処理を行う。具体的には、景品カウント部201を利用してカセット毎の景品在庫数を計数する。計数処理が終了すると、制御部200は、在庫管理データを更新する。具体的には、制御部200は、”カセット別在庫管理テーブルTA2”(図15(b)参照)内のカセット毎のデータを、そのカセットに対する計数処理によって得られた計数値(景品在庫数)に更新する。また、制御部200は、更新後の”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎の景品在庫数と、”カセット別景品種類テーブルTA1”の内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”内の景品在庫数を更新する。そして、更新後の景品種類別の景品在庫数を景品管理機3に送信する。景品管理機3は、受信した景品種類別の景品在庫数に基づいて、在庫管理データを更新する。
【0086】
ステップS2の在庫確認処理が終了すると、制御部200は、景品管理機3からの景品払出コマンドを受信したか否か(ステップS3)、景品払出機2の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否か(ステップS4)、在庫確認指令が入力されたか否か(ステップS5)、景品管理機3からの在庫確認コマンドを受信したか否か(ステップS6)を監視する。このような監視は、電源が遮断されるまで(ステップS9でYESとなるまで)、繰り返し行なわれる。
【0087】
前記ステップS3の景品払出コマンドは、景品管理機3によって、記録媒体に記録されている遊技媒体数(持玉データ)が読み取られたことに起因して、景品管理機100から送信されるコマンドである。この景品払出コマンドには、払い出すべき景品の種類と枚数に関する情報(景品種類毎の払出要求枚数)が含まれる。前記ステップS4の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したか否かは、扉開閉検知部203の出力に基づいて判別される。
【0088】
前記ステップS5における在庫確認指令は、景品払出機2の待機中に、係員用表示部9Bに表示される画面(例えば図17に示す画面)内の在庫計数ボタンが操作されることにより入力される。前記ステップS6における在庫確認コマンドは、景品管理機3の操作部304上の在庫確認ボタンが操作されることに起因して、景品管理機3から送信されるコマンドである。
【0089】
景品管理機2からの景品払出コマンドを受信したときには(ステップS3:YES)、制御部200は、景品払出処理を行う(ステップS7)。具体的には、制御部200は、景品管理機3から送られてきた景品種類毎の払出し枚数に基づいて、景品を払出すべき1または複数のカセットと、それらの各カセットからの払出し枚数を決定し、決定内容にしたがって景品を払い出す。この際、制御部200は、前述したように、エラーが発生したか否かを判定するための処理を行なう。そして、エラーが検出された場合には、制御部200は、エラー処理を行なう。エラー処理の詳細については、後述する。
【0090】
エラーが検出されることなく景品の払出しが終了したときには、制御部200は、在庫管理データを更新する。具体的には、記憶部204内の”カセット別在庫管理テーブルTA2”(図15(b)参照)および、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”の内容を更新する。より具体的には、”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎のデータ(景品在庫数)のうち、景品の払出があったカセットのデータを、そのカセットから払出された枚数を減算することにより更新する。また、制御部200は、更新後の”カセット別在庫管理テーブルTA2”内のカセット毎の景品在庫数と、”カセット別景品種類テーブルTA1”の内容とに基づいて、景品種類別の景品在庫数を算出し、算出結果に基づいて、”景品種類別在庫管理テーブルTA3”内の景品在庫数を更新する。在庫管理データの更新が行なわれると、図19のステップS4に移行する。
【0091】
景品払出機2の扉18が開放状態から閉鎖されたことを検出したとき(ステップS4:YES)、在庫確認指令が入力されたとき(ステップS5:YES)または景品管理機3からの在庫確認コマンドを受信したとき(ステップS6:YES)には、制御部200は、在庫確認処理を行う(ステップS8)。この在庫確認処理は、前述したステップS2の在庫確認処理と同じ処理である。ステップS8の在庫確認処理が終了すると、制御部200は、ステップS9に移行する。ステップS9において、景品払出機2の電源がオフでなければ、ステップS3に戻る。
【0092】
図20(a)は、図19の前記ステップS7の景品払出処理が行われている場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出中画面)502を示し、図20(b)は、景品払出処理が正常に終了した場合に係員用表示部9Bに表示される画面(払出終了画面)503を示している。
払出中画面502には、「払出中」というタイトルと、「景品が出ます」というメッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図とが表示される。景品種類毎の実払出枚数は、景品払出機2から実際に払い出された景品種類毎の景品数であり、画面502の左よりの領域(破線411で囲まれた領域)内に表示される。景品種類毎の払出要求枚数は、景品管理機3によって指示された景品種類毎の払出要求枚数であり、景品種類毎の実払出枚数の表示領域411の右側の領域(破線412で囲まれた領域)内に表示される。この例では、大景品の払出要求枚数は5個であり、中景品の払出要求枚数は1個であり、小景品の払出要求枚数は2個である。
【0093】
払出終了画面503は、払出中画面502とほぼ同様である。ただし、払出終了画面503では、「景品が出ます」というメッセージに代わって、「景品が払い出されました」というメッセージが表示される。また、景品種類毎の実払出枚数の表示領域411には、景品種類毎の実払出枚数とともに、払出処理が正常に終了したことを示す「OK」の文字が表示される。
【0094】
図21は、図19の前記ステップS7の景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の手順を示している。
制御部200は、景品払出処理中にエラーを検出した場合には、その検出タイミングに基づいて、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか、「取引成立エラー」であるかを判別する(ステップS21)。「取引不成立エラー」である場合には(ステップS21:YES)、制御部200は、取引不成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS22)。一方、「取引成立エラー」である場合には(ステップS21:NO)、制御部200は、取引成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS23)。
【0095】
図22および図23は、図21のステップS22の取引不成立エラーに基づくエラー処理の手順を示している。図24〜図29は、取引不成立エラーに基づくエラー処理において、係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。これらの画面例は、8枚の大景品を払い出すときの具体例である。
取引不成立エラーに基づくエラー処理においては、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、赤色点灯させる(ステップS31)。後述するように、取引成立エラーに基づくエラー処理においては、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210が青色点灯される。したがって、係員は、払出表示部210が点灯された場合、払出エラーが発生したことを認識できると同時に、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか「取引成立エラー」であるかも特定できる。したがって、係員は当該払出表示部210に対応する出口11から払い出されたまたは払い出される取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。
【0096】
また、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー発生画面を表示する(ステップS32)。図24は、ステップS32で表示されるエラー発生画面601の一例を示している。エラー発生画面601には、「エラー」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、エラー解除ボタンとが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「エラーが起こりました [エラー解除]を押してください」という内容からなる。係員は、この操作案内メッセージに従って、エラー解除ボタンを押す。
【0097】
エラー解除ボタンが押下されると(ステップS33:YES)、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー対処画面を表示する(ステップS34)。図25は、ステップS34で表示されるエラー対処画面602の一例を示している。エラー対処画面602には、タイトルと、操作案内メッセージと、エラー発生ユニットを模式的に示す図と、対処方法の詳細を示すガイダンスと、リセットボタン等が表示される。
【0098】
タイトルは、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−130)と、エラーが発生した払出ユニット(エラー発生ユニット)8のユニット番号または列番号と、エラー内容(この例では、景品繰出異常)とを含んでいる。エラーメッセージは、たとえば、「内容を確認し エラーを解除してください」という内容からなる。エラー発生ユニットを示す図は、たとえば、第1〜第7のユニットを示す模式図を含んでいる。そして、模式図で表された各ユニットのうち、エラー発生ユニットが赤色で表示されている。ガイダンスには、検知されたエラーが「取引不成立エラー」であることを示す「取引不成立」の文字と、対処方法の説明とが含まれる。これにより、係員は、取扱対象景品の取り扱い方法を確実に認識できるようになる。
【0099】
係員は、ガイダンスに従って、エラー対処を行う。係員は、たとえば、エラーが発生した払出ユニット8の引出部21を引き出して、繰出機構14および一時保留部15にある景品を取り出す。そして、リセットボタンを押す。リセットボタンが押下されると(ステップS35:YES)、制御部200は、払出ユニット8内の各部を待機位置(定位置)に戻す(ステップS36)。具体的には、制御部200は、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17および駆動機構70を制御することにより、リフト31、移動体41、エレベータ53、シャッタ12および計数ユニット61を待機位置に戻す。
【0100】
この後、制御部200は、取扱対象景品の取扱方法を示す景品取扱画面を係員用表示部9Bに表示する(ステップS37)。図26は、ステップS37で表示される景品取扱画面の一例を示している。この景品取扱画面603には、「エラー解除中」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、これから払い出される景品(取扱対象景品)の取扱方法を示すガイダンスと、確認ボタンが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「景品を確認してください [確認]を押してください」という内容からなる。ガイダンスは、たとえば、「赤色のシャッタから景品が払出された場合はカセットに戻してください。」という内容からなる。これにより、係員は、払出表示部210によって指示されている出口11において、これから払い出される景品(取扱対象景品)の取扱方法を認識できる。
【0101】
また、制御部200は、リセット処理(エラー復旧処理)を行なう(ステップS38)。具体的には、制御部200は、払出ユニット8内の各部をリセット動作させる。景品が一時保留部15に残留している場合には、このリセット動作により、残留景品が払出される。係員は、前記ステップS37で表示された景品取扱画面603のガイダンスにしたがって、払出表示部210が赤色点灯しているシャッタ12に対応する出口11から払い出された景品を、対応するカセット7に戻す。そして、確認ボタンを押す。
【0102】
確認ボタンが押下されると(ステップS39:YES)、制御部200は、景品計数処理を行なう(ステップS40)。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。この後、制御部200は、払出取引前の在庫数とステップS40の計数結果(実際の在庫数)とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かを判別する(ステップS41)。具体的には、制御部200は、ユニット内のカセット毎に、今回の計数値Aが払出取引前の在庫数Bと等しいか否かを判別する。つまり、制御部200は、カセット毎に、今回の計数値Aと払出取引前の在庫数Bとの差(A−B)が0であるか否かを判別する。そして、制御部200は、全てのカセットについて、A=Bであれば景品在庫数が正しいと判別し、そうでなければ景品在庫数が正しくないと判別する。
【0103】
景品在庫数が正しくないと判別された場合に(ステップS41:NO)、係員用表示部9Bに、景品在庫数調整画面を表示する(ステップS42)。図27は、ステップS42で表示される景品在庫数調整画面604の一例を示している。景品在庫数調整画面604には、「景品在庫数調整」というタイトルと、操作案内メッセージと、カセット毎の前記差分値(A−B)を模式的に示す図と、在庫訂正ボタンが表示される。操作案内メッセージは、「キャビネットを開けて在庫数調整をするか [在庫訂正]を押してください」という内容からなる。カセット毎の前記差分値(A−B)を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される対応するカセットの前記数差分値(A−B)と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。
【0104】
図27の例では、第1払出ユニット8の前から1番目のカセットに対応する景品数差分値(A−B)が−8となっている。つまり、当該カセット内の景品数は、払出取引前の在庫数に比べて8枚少なくなっている。このように景品が少なくなっている場合には、係員は、キャビネットを開け(キャビネット6の扉18を開けて)、当該カセットに不足分の景品を戻す。このように、係員は、表示された差分値(A−B)に基づいて、当該カセットに適切な数の景品を戻すことができる。なお、係員は、景品を戻すことなく、在庫訂正ボタンを押すことにより、在庫管理データを今回の計数値に更新して、そのまま処理を続行させることも可能である。
【0105】
係員が不足分の景品をカセットに戻した後、キャビネットが締められると(キャビネット6の扉18が閉められると)、そのことが扉開閉検知部203によって検知される。制御部200は、扉開閉検知部203によって扉が閉じられたことが検知されると(ステップS43:YES)、制御部200は、景品在庫数調整画面を更新する(ステップS44)。図28は、更新後の景品在庫数調整画面605の一例を示している。つまり、制御部200は、景品在庫数調整画面上から在庫訂正ボタンを消去し、景品在庫数調整画面上に全計数ボタンを表示させる。また、制御部200は、操作案内メッセージの内容を、「キャビネットを閉めて [全計数]を押してください」に変更する。係員は、全計数ボタンを押す。
【0106】
全計数ボタンが押下されると(ステップS45:YES)、制御部200は、ステップS40に戻り、景品計数処理を行なう。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。そして、ステップS41に移行する。ステップS41では、払出取引前の在庫数と、ステップS40の計数結果とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かが判別される。
【0107】
前記ステップS41において、景品在庫数が正しいと判別された場合には(ステップS41:YES)、つまり、現在の景品在庫数が払出取引前の在庫数と等しいと判別された場合には、制御部200は、係員用表示部9Bに未払景品払出画面を表示する(ステップS46)。図29は、ステップS46で表示される未払景品払出画面606の一例を示している。未払景品払出画面606には、「未払景品払出し」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の未払景品数と、景品種類毎の払出要求枚数と、各カセットに収納される景品の種類を模式的に示す図と、払出しボタン等が表示される。操作案内メッセージは、「未払い景品があります [払出し]を押すと払出します」の内容からなる。景品種類毎の未払景品数には、未払景品数であることを示す「未払い」の文字が付加される。係員は、払出ボタンを押す。
【0108】
払出ボタンが押下されると(ステップS47:YES)、制御部200は未払の景品を払出す(ステップS48)。そして、今回のエラー処理を終了する。
図30および図31は、図21のステップS23の取引成立エラーに基づくエラー処理の手順を示している。図32〜図35は、取引成立エラーに基づくエラー処理において、係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。これらの画面例は、8枚の大景品を払い出すときの具体例である。
【0109】
取引成立エラーに基づくエラー処理においては、制御部200は、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、青色点灯させる(ステップS51)。したがって、係員は、払出表示部210が点灯された場合、払出エラーが発生したことを認識できると同時に、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか「取引成立エラー」であるかも特定できる。したがって、係員は当該払出表示部210に対応する出口11から払い出されたまたは払い出される取扱対象景品の取扱方法を認識しやすくなる。
【0110】
また、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー発生画面を表示する(ステップS52)。図32は、ステップS52で表示されるエラー発生画面701の一例を示している。エラー発生画面701には、「エラー」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、エラー解除ボタンとが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「エラーが起こりました [エラー解除]を押してください」という内容からなる。景品払出中に「取引成立エラー」が発生した場合には、実際に払い出された景品は実払出枚数として表示される。実払出枚数には、「OK」の文字が付加される。係員は、この操作案内メッセージに従って、エラー解除ボタンを押す。
【0111】
エラー解除ボタンが押下されると(ステップS53:YES)、制御部200は、係員用表示部9Bに、エラー対処画面を表示する(ステップS54)。図33は、ステップS54で表示されるエラー対処画面702の一例を示している。エラー対処画面702には、タイトルと、操作案内メッセージと、エラー発生ユニットを模式的に示す図と、対処方法の詳細を示すガイダンスと、リセットボタン等が表示される。
【0112】
タイトルは、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−071)と、エラーが発生した払出ユニット(エラー発生ユニット)8のユニット番号または列番号と、エラー内容(この例では、シャッタ開異常)とを含んでいる。エラーメッセージは、たとえば、「内容を確認し エラーを解除してください」という内容からなる。エラー発生ユニットを示す図は、たとえば、第1〜第7のユニットを示す模式図を含んでいる。そして、模式図で表された各ユニットのうち、エラー発生ユニットが青色で表示されている。ガイダンスには、検知されたエラーが「取引成立エラー」であることを示す「取引成立」の文字と、対処方法の説明とが含まれる。これにより、係員は、取扱対象景品の取り扱い方法を確実に認識できるようになる。
【0113】
係員は、ガイダンスに従って、エラー対処を行う。係員は、たとえば、エラーが発生したユニットの引出部21を引き出して、一時保留部16にある景品を取り出す。そして、リセットボタンを押す。リセットボタンが押下されると(ステップS55:YES)、制御部200は、払出ユニット8内の各部を待機位置(定位置)に戻す(ステップS56)。具体的には、制御部200は、リフト機構13、繰出機構14、エレベータ機構16、送出機構17および駆動機構70を制御することにより、リフト31、移動体41、エレベータ53、シャッタ12および計数ユニット61を待機位置に戻す。
【0114】
この後、制御部200は、取扱対象景品の取扱方法を示す景品取扱画面を係員用表示部9Bに表示する(ステップS57)。図34は、ステップS57で表示される景品取扱画面の一例を示している。この景品取扱画面703には、「エラー解除中」というタイトルと、操作案内メッセージと、景品種類毎の実払出枚数と、景品種類毎の払出要求枚数と、取り出された景品の取扱方法を示すガイダンスと、確認ボタンが表示される。操作案内メッセージは、たとえば、「景品を確認してください [確認]を押してください」という内容からなる。ガイダンスは、たとえば、「青色のシャッタから景品が払出された場合はお客様に渡してください。」という内容からなる。これにより、係員は、払出表示部210によって指示されている出口11において、これから払い出される景品(取扱対象景品)の取扱方法を認識できる。
【0115】
また、制御部200は、リセット処理(エラー復旧処理)および計数処理を行なう(ステップS58)。具体的には、制御部200は、払出ユニット8内の各部をリセット動作させる。景品が一時保留部15に残留している場合には、このリセット動作により、残留景品が払出される。この後、制御部200は、計数処理を行なう。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。
【0116】
係員は、前記ステップS57で表示された景品取扱画面703のガイダンスにしたがって、払出表示部210が青色点灯しているシャッタ12に対応する出口11から払い出された景品を、遊技客に渡す。そして、確認ボタンを押す。
確認ボタンが押下されると(ステップS59:YES)、制御部200は、払出取引前の在庫数とステップS58の計数処理結果とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かを判別する(ステップS60)。具体的には、制御部200は、ユニット内のカセット毎に、今回の計数値Aが、払出取引前の在庫数Bから今回の払出要求枚数を減算した値Cに等しいか否かを判別する。Cは今回の払出処理が正常に終了したと仮定した場合の払出処理後の在庫数となる。つまり、制御部200は、カセット毎に、今回の計数値Aと、今回の払出処理が正常に終了したと仮定した場合の払出処理後の在庫数Cとの差(A−C)が0であるか否かを判別する。そして、制御部200は、全てのカセットについて、A=Cであれば景品在庫数が正しいと判別し、そうでなければ景品在庫数が正しくないと判別する。
【0117】
景品在庫数が正しくないと判別された場合に(ステップS60:NO)、係員用表示部9Bに、景品在庫数調整画面を表示する(ステップS61)。図35は、ステップS61で表示される景品在庫数調整画面704の一例を示している。景品在庫数調整画面704には、「景品在庫数調整」というタイトルと、操作案内メッセージと、カセット毎の前記景品数差分値(A−C)を模式的に示す図と、在庫訂正ボタンが表示される。操作案内メッセージは、「キャビネットを開けて在庫数調整をするか [在庫訂正]を押してください」という内容からなる。カセット毎の景品数差分値(A−C)を模式的に示す図は、各カセットを表すボックスと、ボックス内に表示される景品種類(大,中,小)を表す文字と、ボックス内に表示される対応するカセットの景品数差分値(A−C)と、ボックス内に表示される景品種類を表す色とを含む。
【0118】
図35の例では、第1払出ユニット8の前から1番目のカセットに対応する前記差分値(A−C)が8となっている。つまり、当該カセット内の景品数は、今回の払出処理が正常に終了したと仮定した場合の払出処理後の在庫数Cに比べて8枚多くなっている。このように景品が多くなっている場合には、係員は、キャビネットを開け(キャビネット6の扉18を開けて)、当該カセットから超過分の景品を取り出す。取り出した景品を遊技客に渡す。このように、係員は、表示された差分値(A−C)に基づいて、当該カセットから適切な数の景品を取り出すことができる。なお、係員は、景品を取り出すことなく、在庫訂正ボタンを押すことにより、在庫管理データを今回の計数値に更新して、そのまま処理を続行させることも可能である。
【0119】
係員が超過分の景品をカセットから取り出した後、キャビネットが締められると(キャビネット6の扉18が閉められると)、そのことが扉開閉検知部203によって検知される。制御部200は、扉開閉検知部203によって扉が閉じられたことが検知されると(ステップS62:YES)、制御部200は、景品在庫数調整画面を更新する(ステップS63)。図36は、更新後の景品在庫数調整画面705の一例を示している。つまり、制御部200は、景品在庫数調整画面上から在庫訂正ボタンを消去し、景品在庫数調整画面上に全計数ボタンを表示させる。また、制御部200は、操作案内メッセージの内容を、「キャビネットを閉めて [全計数]を押してください」に変更する。係員は、全計数ボタンを押す。
【0120】
全計数ボタンが押下されると(ステップS64:YES)、制御部200は、計数処理を行なう(ステップS65)。つまり、各払出ユニット8に対して、カセット毎の景品数を計数して一時的に保存する。そして、ステップS60に戻る。ステップS60では払出取引前の在庫数とステップS65の計数結果とに基づいて、景品在庫数が正しいか否かが判別される。
【0121】
前記ステップS60において、景品在庫数が正しいと判別された場合には(ステップS60:YES)、つまり、現在の景品在庫数が払出取引前の在庫数と等しい場合には、制御部200は、係員用表示部9Bに待機中画面(たとえば、図17(b)参照)を表示する(ステップS66)。そして、今回のエラー処理を終了する。
以上、この発明の一実施形態について説明したが、この発明はさらに他の形態で実施することもできる。たとえば、前述の実施形態では、景品払出処理中にエラーが検知されたときには、景品の取り扱い方法を示す景品取扱画面が景品払出機2の係員用表示部9Bに表示されているが、それに代えてまたはそれに加えて、景品管理機3の係員用表示部306に景品取扱画面を表示してもよい。
【0122】
図37は、景品管理機3の係員用表示部306に表示される景品取扱画面の一例を示している。この景品取扱画面801には、景品種類毎の払出要求枚数、景品払出機2でエラーが発生したこと、エラーが取引不成立エラーまたは取引成立エラーであるかを示す文字、景品の取り扱い方法を示すガイダンス等が表示される。この例では、ガイダンスは、「払出口表示部が赤色の箇所の景品はカセットに戻してください。」の内容からなる。なお、1台の景品管理機3に複数台の景品払出機2が接続されている場合には、エラーが発生している景品払出機2を特定可能な情報(号機番号等)を合わせて表示する必要がある。
【0123】
また、景品払出機2および景品管理機3の一方または両方に音声出力手段を設け、景品の取り扱い方法を音声出力するようにしてもよい。この場合、音声メッセージは、たとえば、「払出された景品は、お客様にお渡し下さい」(取引成立エラーの場合)または「払出された景品は、カセットにお戻し下さい」(取引不成立エラーの場合)というメッセージであってもよい。
【0124】
前記実施形態では、取引不成立エラーが発生したときには、エラーが発生した払出ユニット8に対応する払出表示部210が赤色点灯され、取引成立エラーが発生したときには、エラーが発生した払出ユニット8に対応する払出表示部210が青色点灯されているが、点灯色は取引不成立エラーと取引成立エラーとを識別できる色であれば、赤と青に限られない。また、払出表示部210に、取扱対象景品の具体的な取扱方法を表示するようにしてもよい。
【0125】
前記払出表示部210に代えて、キャビネット6の天板上に左右方向に延びる帯状の払出表示部を設け、その表示部内の払出位置に近い領域に取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示するようにしてもよい。具体的には、この帯状の払出表示部に、取引不成立エラーと取引成立エラーとを識別できる色表示を行ってもよい。あるいは、この帯状の払出表示部に、取扱対象景品の具体的に取扱方法(たとえば、「ここから払出された景品をカセットに戻してください」等)を表示するようにしてもよい。
【0126】
景品交換用記録媒体としては、計数値がバーコード記録されたレシート以外に、磁気カードやICカードを用いてもよい。磁気カードやICカードが用いられる場合には、それに対応する読取手段(カードリーダ等)が採用される。
また、計数値が記録媒体に直接記録されるのではなく、記録媒体に識別情報のみが記録され、識別情報と計数値が別の管理手段で管理される方式であってもよい。この方式では、景品管理機3は、記録媒体から識別情報を読み取ると、管理手段に問い合わせて、その識別情報に対応する計数値を管理手段から取得する。この方式では、記録媒体の計数値を書き換える等の不正行為を回避できる。
【0127】
繰出機構14によって景品5を要求枚数分繰り出してから、シャッタ12の開動作および閉鎖動作が終了して、待機状態になる前に、エラーが検知された場合に、そのエラーを「取引不成立エラー」であると判別し、その後にエラーが検知された場合に「取引成立エラー」であると判別してもよい。
図38は、図19の前記ステップS7の景品払出処理中においてエラーが検出された場合に制御部200によって実行されるエラー処理の変形例を示している。
【0128】
制御部200は、景品払出処理中にエラーを検出した場合には、その検出タイミングに基づいて、そのエラーが「取引不成立エラー」であるか、「取引成立エラー」であるかを判別する(ステップS71)。「取引不成立エラー」である場合には(ステップS71:YES)、制御部200は、フラグFをセット(F=1)した後(ステップS72)、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、赤色点灯させる(ステップS73)。そして、ステップS76に移行する。
【0129】
一方、前記ステップS71で、「取引成立エラー」であると判別された場合には(ステップS71:NO)、制御部200は、フラグFをリセット(F=0)した後(ステップS74)、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210を、青色点灯させる(ステップS75)。そして、ステップS76に移行する。
【0130】
ステップS76では、制御部200は、エレベータ53が待機位置にあるか否かを判別する。エレベータ53が待機位置にある場合には(ステップ76:YES)、ステップS79に移行する。一方、エレベータ53が待機位置にない場合には(ステップ76:NO)、制御部200は、エレベータ53が移動可能であるか否かを判別する(ステップS77)。エレベータ53が移動可能である場合には(ステップ77:YES)、制御部200は、エレベータ53を待機位置まで移動させる(ステップ78)。そして、ステップS79に移行する。したがって、ステップS79に移行した時点では、エレベータ53は待機位置にあるため、キャビネット6から払出ユニット8を引き出すことが可能な状態となっている。
【0131】
ステップS79では、制御部200は、シャッタ12が閉状態であるか否か(閉位置にあるか否か)を判別する。シャッタ12が閉状態である場合には(ステップS79:YES)、ステップS82に移行する。一方、シャッタ12が閉状態ではない場合には(ステップS79:NO)、制御部200は、シャッタ12を閉鎖してから(ステップS80)、ステップS82に移行する。シャッタ12を閉鎖している理由は、係員が出口11からキャビネット6内部を不要に操作することによって、内部機構が損傷したり、異物が混入したりするのを防止するためである。
【0132】
前記ステップS77において、エレベータ53が移動可能ではないと判別された場合には(ステップS77:NO)、制御部200は、キャビネット6から払出ユニット8を引き出すことが可能な状態にするために、エレベータ53を手動で待機位置まで移動させるための案内処理を行なう(ステップS81)。そして、ステップS82に移行する。ステップS81の案内処理の詳細については、後述する。
【0133】
ステップS82では、制御部200は、フラグFがセットされているか否かを判別する。フラグFがセット(F=1)されている場合には(ステップS82:YES)、制御部200は、取引不成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS83)。この取引不成立エラーに基づくエラー処理は、図22および図23に示された取引不成立エラーに基づくエラー処理とほぼ同様である。ただし、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210は既に赤色点灯されているので(ステップS73参照)、図22のステップS31を省略してもよい。
【0134】
前記ステップS82において、フラグFがリセット(F=0)されていると判別された場合には(ステップS82:NO)、制御部200は、取引成立エラーに基づくエラー処理を行なう(ステップS84)。この取引成立エラーに基づくエラー処理は、図30および図31に示された取引成立エラーに基づくエラー処理とほぼ同様である。ただし、エラーが発生した払出ユニット8に対応するシャッタ12に設けられた払出表示部210は既に青色点灯されているので(ステップS75参照)、図30のステップS51を省略してもよい。
【0135】
図39(a)〜(c)は、図38のステップS81の案内処理において、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示している。
図38のステップS81の案内処理においては、制御部200は、まず、たとえば図39(a)に示される案内画面901を係員表示部9Bに表示する。この案内画面901には、タイトルと、操作案内メッセージと、対処方法を示す図およびガイダンスと、各種ボタンが表示されている。
【0136】
タイトルは、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−732)と、エラーが発生した払出ユニット(エラー発生ユニット)8のユニット番号または列番号と、エラー内容(この例では、エレベーター上定位置異常)とを含んでいる。エラーメッセージは、たとえば、「内容を確認し エラーを解除してください」という内容からなる。対処方法を示す図は、表示カバー90およびシャッタ12を示す模式図と表示カバー90を開くことを示唆する模式図とを含んでいる。対処方法を示すガイダンスは、「表示カバーを開けてください」という内容からなる。
【0137】
係員が、このガイダンスに従って、表示カバー90を開けると、図示しない検知器によってそのことが検知される。表示カバー90が開けられたことが検知されると、制御部200は、たとえば図39(b)に示される案内画面902を係員表示部9Bに表示する。この案内画面902には、タイトルと、操作案内メッセージと、対処方法を示す図およびガイダンスと、各種ボタンが表示されている。
【0138】
タイトルおよび操作案内メッセージは、前記案内画面901のタイトルおよび操作案内メッセージと同じである。対処方法を示す図は、表示カバー90およびシャッタ12を示す模式図と、手動によってシャッタ12を開くための操作方法を説明するための模式図とを含んでいる。そして、模式図で表された各シャッタ12のうち、エラー発生ユニットに対応するシャッタ12が他のシャッタ12とは異なる色、たとえば赤色で表示されている。対処方法を示すガイダンスには、エラー発生ユニットに対応するシャッタ12を手動によって開け、景品・異物を取り除いて、エレベータを待機位置まで下げることを内容とする説明が含まれる。係員は、このガイダンスに従った操作を行った後に、シャッタ12を閉じる。そして、「次へ」と記されたボタンを押下する。
【0139】
「次へ」と記されたボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図39(c)に示される案内画面903を係員表示部9Bに表示する。この案内画面903には、タイトルと、操作案内メッセージと、対処方法を示す図およびガイダンスと、各種ボタンが表示されている。
タイトルおよび操作案内メッセージは、前記案内画面901のタイトルおよび操作案内メッセージと同じである。対処方法を示す図は、表示カバー90およびシャッタ12を示す模式図と表示カバー90を閉じることを示唆する模式図とを含んでいる。対処方法を示すガイダンスは、「表示カバーを閉めてください」という内容からなる。
【0140】
係員が、このガイダンスに従って、表示カバー90を閉じると、図示しない検知器によってそのことが検知される。表示カバー90が閉じられたことが検知されると、制御部200は、図38のステップS82に移行する。
なお、図38のステップS77においてエレベータ53が移動可能ではないと判別されてステップS81に移行したときに、シャッタ12が開状態となっている場合がある。このような場合には、ステップS81においては、制御部200は、たとえば「エレベータ部を下げて、「次へ」を押してください」という内容のガイダンスと、「次へ」と記されたボタンとを含む案内画面を表示するようにしてもよい。この場合には、係員は、この案内画面に従ってシャッタ12によって開放されている出口11を利用して、エレベータ53を手動で押し下げた後、「次へ」と記されたボタンを押下する。「次へ」と記されたボタンが押下されると、制御部200は、ステップS82に移行する。
【0141】
前記景品払出機2は、たとえば、閉店後において、払出テストを行なう機能を備えていてもよい。これにより、たとえば、営業中に払出エラーが発生した払出ユニット8が正常に作動するか否かを確認することができるとともに、再度、払出エラーが発生した場合にはその原因を調べることが可能となる。
図40〜図42は、払出テストを行なう際の係員の操作手順と、制御部200による処理手順とを示している。また、図43〜図53は、払出テスト中に係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。
【0142】
係員は、払出テストを行ないたいときには、たとえば図43に示される待機画面911内のメニューボタンを押下する(ステップS101)。メニューボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図44に示されるメニュー画面912を係員用表示部9Bに表示する(ステップS102)。係員は、メニュー画面912内の払出テストボタンを押下する(ステップS103)。払出テストボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図45に示される払出テストメニュー画面913を係員用表示部9Bに表示する(ステップS104)。
【0143】
以下の説明において、7個の払出ユニット8を、景品払出機2の前側(図2の手前側から見て、最も左側のものから順に、レーン1(またはユニット1)、レーン2(またはユニット2)、…、レーン7(またはユニット7)という場合がある。
払出テストメニュー画面913には、全レーン・全数ボタンと、全レーン・指定個数ボタンと、エラーレーン・全数ボタンと、エラーレーン・指定個数ボタンとが表示される。これらのボタンは、払出テストモードを選択するためのモード選択ボタンである。払出テストモードには、次の4種類がある。
【0144】
第1モード:全レーン(払出ユニット)から景品が空になるまで景品を払出すモード。
第2モード:全レーンから係員によって指定された個数分だけ景品を払出すモード。
第3モード:当日にエラーが発生したレーンから景品が空になるまで景品を払出すモード。
第4モード:当日にエラーが発生したレーンから係員によって指定された個数分だけ景品を払出すモード。
【0145】
全レーン・全数ボタンは、第1モードを選択するためのボタンである。全レーン・指定個数ボタンは、第2モードを選択するためのモードである。エラーレーン・全数ボタンは、第3モードを選択するためのモードである。エラーレーン・指定個数ボタンは、第4モードを選択するためのモードである。
ここでは、第1モード〜第4モードのうち、第4モードが選択された場合の制御部200の動作を例にとって説明することにする。第4モードを選択したい場合には、係員は、払出テストメニュー画面913内のエラーレーン・指定個数ボタンを押下する(ステップS105)。エラーレーン・指定個数ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図46に示されるような払出対象レーン・個数提示画面914を係員用表示部9Bに表示する(ステップS106)。払出対象レーン・個数提示画面914には、払出対象レーンと払出個数が表示される。この例では、第4モードが選択されているので、払出対象レーンとして、当日に払出エラーが発生したレーン(エラーレーン;この例ではレーン5)が表示される。また、払出個数として、指定払出個数の初期値(この例では10個)とが表示される。この場合、払出個数は、係員による変更操作によって変更することが可能である。
【0146】
係員によって払出対象レーン・個数提示画面914内の実行ボタンが押下されると(ステップS107)、制御部200は、払出対象レーンから指定された払出個数分の景品を払い出すための景品払出しを開始する(ステップS108)。景品の払出しを行っている場合には、制御部200は、たとえば図47に示されるような払出中画面915を係員用表示部9Bに表示する(ステップS109)。この払出中画面915には、払出対象レーンと今回の払出テストにおいて払出された景品の総数が表示される。
【0147】
景品の払出しが完了すると、つまり、払出対象レーンから指定された払出個数分の景品が払い出されると(ステップS110:YES)、制御部200は、たとえば図48に示されるような払出完了画面916を係員用表示部9Bに表示する(ステップS111)。この払出完了画面916には、払出対象レーン、今回の払出テストにおいて払出された景品の総数、実行ボタン、終了ボタンなどが表示される。
【0148】
図41を参照して、この後、制御部200は、払出完了画面916内または後述する計数完了画面918(図50参照)内の実行ボタンが押下されたか否か(ステップS112)、払出完了画面916内または後述する計数完了画面918の終了ボタンが押下されたか否か(ステップS113)、または扉18が開放状態から閉鎖されたことが検知されたか否か(ステップS114)を監視する。
【0149】
係員は、払出対象レーンに対して、再度、払出テストを行ないたい場合には、払出完了画面916内または後述する計数完了画面918内の実行ボタンを押す。そうすると、ステップS112でYESとなるので、制御部200は、図40のステップS108に戻って、払出対象レーンに対して再度、景品の払出しを行なう。
また、係員は、払出対象レーンに対して、再度、払出テストを行ないたいが、払出対象レーン内の景品数が少なくなった場合等には、払出対象レーンに景品を補充する。このような景品の補充が行われた場合には、扉18が開放状態から閉鎖されるので、図41のステップS114でYESとなる。ステップS114でYESとなると、制御部200は、景品が補充されたレーンに対する計数処理を開始する(ステップS115)。この計数処理中においては、制御部200は、たとえば図49に示されるような計数中画面917を係員用表示部9Bに表示する(ステップS116)。そして、計数処理が完了すると(ステップS117:YES)、制御部200は、たとえば図50に示されるような計数完了画面918を係員用表示部9Bに表示する(ステップS118)。そして、ステップS112に戻る。計数完了画面918には、景品が補充されたレーン、今回補充された景品数(補充後の景品数−補充前の景品数)、実行ボタン、終了ボタンなどが表示される。
【0150】
払出完了画面916または計数完了画面918が表示されている状態において、終了ボタンが押下されると(ステップS113:YES)、図42のステップS119に移行する。ステップS119では、制御部200は、全レーンに対する計数処理を開始する。この計数処理中においては、制御部200は、たとえば図51に示されるような計数中画面919を係員用表示部9Bに表示する(ステップS120)。
【0151】
そして、計数処理が完了すると(ステップS121:YES)、制御部200は、計数結果(レーン毎の計数結果)が、今回の払出テスト前の景品在庫数(レーン毎の景品在庫数)と一致するか否かを判別する(ステップS122)。計数結果が、今回の払出テスト前の景品在庫数と一致しない場合には(ステップS122:NO)、制御部200は、たとえば図52に示されるような在庫数不一致画面920を係員用表示部9Bに表示する(ステップS123)。在庫数不一致画面920には、レーン毎に不一致数が表示されるとともに、景品在庫数を払出テスト前の景品在庫数に戻すために景品の補充または取出しを促すメッセージが表示される。払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が少ない場合には、不一致数に−の符号がつけられる。逆に、払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が多い場合には、不一致数に符号は付けられない。
【0152】
在庫数不一致画面920に表示されるメッセージについて具体的に説明する。払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が少ない場合には、たとえば、「テスト前の在庫数に戻すために、景品を補充してください。」というメッセージが在庫数不一致画面920に表示される。一方、払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が多い場合には、たとえば、「テスト前の在庫数に戻すために、景品を取出してください。」というメッセージが在庫数不一致画面920に表示される。また、払出テスト前の景品在庫数に対して計数結果が少ないレーンと多いレーンとが混在する場合には、たとえば、「テスト前の在庫数に戻すために、景品を補充または取出してください。」というメッセージが在庫数不一致画面920に表示される。
【0153】
係員は、在庫数不一致画面920を参照して、景品在庫数を払出テスト前の景品在庫数に戻すために景品の補充または取出しを行う。このような景品の補充または取出しが行われた場合には、扉18が開放状態から閉鎖される。扉18が開放状態から閉鎖されたことが検出されると(ステップS124:YES)、ステップS119に戻る。
ステップS122において、計数結果が、今回の払出テスト前の景品在庫数と一致すると判別された場合には(ステップS122:YES)、制御部200は、たとえば図53に示されるような払出テスト終了画面921を係員用表示部9Bに2秒間表示した後(ステップS125)、待機状態に戻る(ステップS126)。これにより、たとえば図43に示されるような待機画面911が係員用表示部9Bに表示されることになる。
【0154】
図54(a)〜(e)は、払出テスト中に、払出エラーが発生した場合に、制御部200によって係員表示部9Bに表示される画面例を示している。
図40のステップS108において、景品の払出しが開始されると、前述したように、たとえば図54(a)に示されるような払出中画面931が係員用表示部9Bに表示される。
【0155】
この景品払出中において、エラーが発生した場合には、制御部200は、係員にエラーの発生を報知するために、たとえば図54(b)に示されるエラー発生画面932を係員用表示部9Bに表示する。係員が、エラー発生画面932内の確認ボタンを押下すると、制御部200は、たとえば図54(c)に示されるエラー対処画面933を係員用表示部9Bに表示する。エラー対処画面933には、エラーの種類を表すエラーコード(この例では、E−523)、エラー内容(この例では、繰り出し異常)、エラー解除方法等が表示される。係員は、エラー解除方法に従って、エラー解除操作を行った後に、エラー対処画面933内のリセットボタンを押下する。
【0156】
リセットボタンが押下されると、制御部200は、リセット処理を行なう。具体的には、制御部200は、払出ユニット8内の各部をリセット動作させる。また、制御部200は、たとえば図54(d)に示されるリセット中画面934を係員用表示部9Bに表示する。リセット処理が終了すると、制御部200は、景品の払出しを再開するとともに、たとえば図54(e)に示されるような払出中画面935を係員用表示部9Bに表示する。
【0157】
前記景品払出機2は、払出テスト中に実行された景品払出に関する履歴情報や、払出テスト中に係員によって行われた景品の補充(入庫)に関する履歴情報を、払出テスト後に参照できるような機能を備えていてもよい。これにより、係員は、払出テスト中に払い出された景品数や、払出テスト中に補充された景品数を払出テスト後に把握することが可能となる。
【0158】
図55(a)〜(e)は、払出テスト後に払出テストに関する履歴情報等を参照する場合に、係員用表示部9Bに表示される画面例を示している。
図55を参照して、払出テスト後に払出テストに関する履歴情報等を参照する場合の係員の操作手順および制御部200による処理手順について説明する。
係員は、待機画面からメニューボタンを押下することにより、たとえば図55(a)に示されるメニュー画面941を係員用表示部9Bに表示させる。そして、係員は、メニュー画面941内の履歴表示ボタンを押下する。
【0159】
メニュー画面941内の履歴表示ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(b)に示される履歴メニュー画面942を係員用表示部9Bに表示させる。履歴メニュー画面942には、取引履歴ボタン、入庫履歴ボタンおよび操作履歴ボタンが表示される。
係員は、履歴メニュー画面942内の操作履歴ボタンを押下する。履歴メニュー画面942内の操作履歴ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(c)に示される操作履歴画面943を係員用表示部9Bに表示させる。操作履歴画面943には、日時と担当者コードと操作内容とからなる履歴項目が日時の順番で表示される。履歴項目は、最新のものほど、画面の上側に表示される。また、操作履歴画面943には、詳細ボタンが表示される。
【0160】
この操作履歴画面943ににおいて、「集計参照」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、当日における入庫数累計および出庫数累計を表示させるための操作が行なわれたことを示している。「集計クリア」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、当日における入庫数累計および出庫数累計をクリアするための操作が行なわれたことを示している。
【0161】
「払出テスト(払出)」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、払出テスト中に景品の払出し操作が行なわれたことを示している。「払出テスト(入庫)」を含む履歴項目は、その項目内の日時に、その項目内の担当者コードに対応する担当者によって、払出テスト中に景品の補充(入庫)操作が行なわれたことを示している。
【0162】
係員によって、操作履歴画面943内の履歴項目の一つが選択された状態で、詳細ボタンが押下されると、その履歴項目に関する詳細な内容が表示されるようになっている。たとえば、操作履歴画面943内の上から4つ目に表示されている、「払出テスト(払出)」を含む履歴項目が選択された状態で、詳細ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(d)に示されるような詳細画面944を係員用表示部9Bに表示させる。
【0163】
この詳細画面944には、日時および係員コードの他、払出テストで景品が払出されたレーンと、払い出された景品数と、戻るボタンと、終了ボタンとが表示される。これにより、係員は、払出テストにおいて、景品が払出されたレーンと景品払出数とを確認することができる。詳細画面944内の戻るボタンが押下された場合には、表示画面が図55(c)の操作履歴画面943に切り換えられる。詳細画面944内の終了ボタンが押下された場合には、表示画面が図55(b)の履歴メニュー画面942に切り換えられる。
【0164】
また、たとえば、操作履歴画面943内の上から3つ目に表示されている、「払出テスト(入庫)」を含む履歴項目が選択された状態で、詳細ボタンが押下されると、制御部200は、たとえば図55(e)に示されるような詳細画面945を係員用表示部9Bに表示させる。この詳細画面945には、日時および係員コードの他、払出テストで景品が補充(入庫)されたレーンと、補充された景品数と、戻るボタンと、終了ボタンとが表示される。これにより、係員は、払出テストにおいて、景品が補充されたレーンと景品補充数とを確認することができる。詳細画面945内の戻るボタンが押下された場合には、表示画面が図55(c)の操作履歴画面943に切り換えられる。詳細画面945内の終了ボタンが押下された場合には、表示画面が図55(b)の履歴メニュー画面942に切り換えられる。
【0165】
本願発明は、特開2008−73169号公報に開示されているような卓上タイプの景品払出機にも適用することができる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【符号の説明】
【0166】
1 景品払出システム
2 景品払出機
3 景品管理機
9A,306 係員用表示部
200,300 制御部
210 払出表示部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
景品を払出す景品払出機であって、
景品払出エラーを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段によってエラーが検出されたときに、取扱対象景品の取扱方法を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を出力する出力手段とを含む、景品払出機。
【請求項2】
景品を払出す複数の払出ユニットと、
情報表示部とをさらに含み、
前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットを特定するユニット特定情報と、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報とを、前記情報表示部に表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機。
【請求項3】
景品を払出す複数の払出ユニットと、
前記払出ユニット毎に異なる景品払出口と、
前記景品払出口の近傍にそれぞれ設けられた払出表示部とをさらに含み、
前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットに対応する払出表示部に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機。
【請求項4】
前記出力手段は、前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項2または3に記載の景品払出機。
【請求項5】
前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、景品払出機内の景品数を計数する計数手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項6】
前記計数手段によって計数された景品数が、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を考慮して決定される適切な景品在庫数と一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって前記計数手段によって計数された景品数が前記適切な景品在庫数と一致していないと判別された場合には、それらの差を報知する手段をさらに含む、請求項5に記載の景品払出機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の景品払出機と、
前記景品払出機と通信可能に接続される景品管理機とを含み、
前記景品管理機は、
前記景品払出機から、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する表示手段とを含む、景品払出システム。
【請求項1】
景品を払出す景品払出機であって、
景品払出エラーを検出するエラー検出手段と、
前記エラー検出手段によってエラーが検出されたときに、取扱対象景品の取扱方法を決定する決定手段と、
前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を出力する出力手段とを含む、景品払出機。
【請求項2】
景品を払出す複数の払出ユニットと、
情報表示部とをさらに含み、
前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットを特定するユニット特定情報と、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報とを、前記情報表示部に表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機。
【請求項3】
景品を払出す複数の払出ユニットと、
前記払出ユニット毎に異なる景品払出口と、
前記景品払出口の近傍にそれぞれ設けられた払出表示部とをさらに含み、
前記出力手段は、景品払出エラーが発生した前記払出ユニットに対応する払出表示部に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項1に記載の景品払出機。
【請求項4】
前記出力手段は、前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する手段を含む、請求項2または3に記載の景品払出機。
【請求項5】
前記景品払出エラーに対するエラー復旧処理時に、景品払出機内の景品数を計数する計数手段をさらに含む、請求項1〜4のいずれか一項に記載の景品払出機。
【請求項6】
前記計数手段によって計数された景品数が、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を考慮して決定される適切な景品在庫数と一致するか否かを判別する判別手段と、
前記判別手段によって前記計数手段によって計数された景品数が前記適切な景品在庫数と一致していないと判別された場合には、それらの差を報知する手段をさらに含む、請求項5に記載の景品払出機。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれか一項に記載の景品払出機と、
前記景品払出機と通信可能に接続される景品管理機とを含み、
前記景品管理機は、
前記景品払出機から、前記決定手段によって決定された取扱対象景品の取扱方法を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得した取扱対象景品の取扱方法を特定可能な情報を表示する表示手段とを含む、景品払出システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図44】
【図45】
【図46】
【図47】
【図48】
【図49】
【図50】
【図51】
【図52】
【図53】
【図54】
【図55】
【公開番号】特開2012−50803(P2012−50803A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−286340(P2010−286340)
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年12月22日(2010.12.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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