説明

景品管理装置、景品管理システム及び景品管理方法

【課題】景品マスタの設定作業を効率良く行うことを課題とする。
【解決手段】景品管理装置70は、景品交換の受付対象とする貸出レートを貸出レートテーブル76aに記憶しておき、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換玉数を従業員用操作キー72を介して取得し、貸出レートテーブル76aに記憶しておいた基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、取得した基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算し、換算した他の貸出レートの交換玉数を交換玉数テーブル76bに設定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体管理テーブルを記憶する景品管理装置、景品管理システム及び景品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、パチンコ遊技やパチスロ遊技を提供する遊技店では、景品カウンタにおいて、遊技客が遊技で獲得した獲得玉/獲得メダルと引き換えに所望の景品を提供する景品交換サービスを行っている。
【0003】
かかる景品交換サービスを提供するものとしては、計数レシートや会員カードを通じて遊技媒体と景品との交換を管理する景品管理装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。この景品管理装置では、景品とその景品との交換に要する交換玉数が対応付けられて景品マスタ(景品マスタテーブル)として記憶管理されており、かかる景品マスタを用いて景品交換を行っている。
【0004】
ここで、かかる景品マスタの設定は、景品業者によって遊技店に景品が納入される際に景品とともに汎用の貸出レート(玉:4円/玉、メダル:20円/枚)の交換遊技媒体数が記載された用紙が納品されるので、遊技店の管理者は、この用紙を参照して交換玉数を設定している。また、大規模なチェーン店を擁する大規模企業においては、本店の景品管理装置で設定された景品マスタを支店の景品管理装置に一括配信することも行われている。
【0005】
【特許文献1】特開2002−331146号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、最近では、遊技台のお試し遊技の提供や人気分析等のニーズから、従前から多くの遊技店がパチンコ遊技又はパチスロ遊技で提供する汎用の貸出レート(玉:4円/玉、メダル:20円/枚)よりも低い貸出レートの遊技コーナーを汎用の貸出レート(高レート)の遊技コーナーと併存させる仕組みが確立しつつある。
【0007】
しかしながら、異なる複数の貸出レートの遊技媒体と景品との交換を行うには、景品マスタに各貸出レートごとの交換遊技媒体数を設定しておく必要があるので、交換遊技媒体数の入力作業が煩雑になり、景品マスタの設定作業を効率良く行うことができないという問題があった。
【0008】
すなわち、遊技店が取り扱う景品の種類は、数百種類にものぼり、たとえば2種類の貸出レートを採用したとした場合には、2種類の貸出レートについてその数百種類の交換遊技媒体数をそれぞれ入力せねばならず、運用する貸出レートの数が増えるほど景品マスタに入力せねばならない交換遊技媒体数も増加することになる。さらに、パチンコ遊技及びパチスロ遊技の双方を提供する遊技店では、パチンコ遊技及びパチスロ遊技の両方について各貸出レートごとの交換玉数及び交換メダル数を入力せねばならず、遊技店の管理者は膨大な入力作業を強いられることになってしまう。
【0009】
また、遊技店に景品を納入する景品業者においても、全ての遊技店が複数の貸出レートを採用する訳ではないため、あくまで汎用の貸出レート(玉:4円/玉、メダル:20円/枚)を基準とした交換遊技媒体数を記載した紙を景品に付して遊技店に納品される公算が高い。このため、遊技店の管理者は、他の貸出レートの交換遊技媒体数を全景品について計算せねばならず、入力作業に加えて膨大な計算作業を行わねばならない。
【0010】
加えて、かかる膨大な景品数について計算作業ならびに入力作業を遊技店の管理者に強いた場合には、交換遊技媒体数の計算間違いや入力ミス等のヒューマンエラーが生じるおそれもある。
【0011】
さらに、たとえ本店の景品管理装置から支店の景品管理装置に景品ごとの交換遊技媒体数を一括配信する形態を採っていたとしても、汎用の貸出レート以外の貸出レートが追加されたならば、本店の景品管理装置で同様の交換遊技媒体数の入力作業及び計算作業を行わねばならず、本質的には問題を解消されない。
【0012】
以上のことから、異なる複数の貸出レートの遊技媒体と景品との交換を行う場合に、いかにして交換遊技媒体数の設定作業を簡素化し、景品マスタの設定作業を効率良く行うかが極めて重要な課題となっている。
【0013】
そこで、本発明は、上述した従来技術による課題(問題点)を解消するためになされたものであり、異なる複数の貸出レートの遊技媒体と景品との交換を行う場合に、交換遊技媒体数の設定作業を簡素化し、もって景品マスタの設定作業を効率良く行うことができる景品管理装置、景品管理システム及び景品管理方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明に係る景品管理装置は、同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置であって、当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、前記複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得手段と、前記記憶手段によって記憶された基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、前記取得手段によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算手段と、前記換算手段によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0015】
また、本発明に係る景品管理システムは、同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置と、各貸出レートごとの交換遊技媒体数を前記景品管理装置に配信する情報処理装置とを有する景品管理システムであって、前記情報処理装置は、前記景品管理装置ごとに当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得手段と、前記記憶手段によって記憶された基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、前記取得手段によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算手段と、前記換算手段によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数のうち、前記記憶手段によって記憶された各景品管理装置に対応する貸出レートの交換遊技媒体数を該景品管理装置に配信する配信手段とを備え、前記景品管理装置は、前記配信手段によって配信された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段を備えたことを特徴とする。
【0016】
また、本発明に係る景品管理システムは、同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置と、前記景品管理装置に所定の情報を配信する情報処理装置とを有する景品管理システムであって、前記情報処理装置は、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得手段と、前記取得手段によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記景品管理装置に配信する配信手段とを備え、前記景品管理装置は、当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、前記配信手段によって配信された基準貸出レートと前記記憶手段によって記憶された前記基準貸出レート以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、当該基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算手段と、前記換算手段によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段を備えたことを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る景品管理装置は、同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置であって、当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、前記景品との交換に要する交換価値高を取得する取得手段と、前記記憶手段によって記憶された貸出レート及び前記取得手段によって取得された交換価値高に基づいて、各貸出レートの交換遊技媒体数を算出する算出手段と、前記算出手段によって算出された各貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段とを備えたことを特徴とする。
【0018】
また、本発明に係る景品管理方法は、同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置に用いる景品管理方法であって、当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを所定の記憶部に保持する保持工程と、前記複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得工程と、前記保持工程によって保持された基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、前記取得工程によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算工程と、前記換算工程によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定工程とを含んだことを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得し、記憶しておいた基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、取得した基準貸出レートの交換遊技媒体数を他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算し、該換算した他の貸出レートの交換遊技媒体数を交換遊技媒体数管理テーブルに設定するように構成したので、交換遊技媒体数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能な景品管理装置及び景品管理方法が得られるという効果を奏する。
【0020】
また、本発明によれば、情報処理装置が、景品管理装置ごとに当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得し、記憶しておいた基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、取得した基準貸出レートの交換遊技媒体数を他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算し、該換算した他の貸出レートの交換遊技媒体数のうち、各景品管理装置に対応する貸出レートの交換遊技媒体数を該景品管理装置に配信し、景品管理装置が、配信された他の貸出レートの交換遊技媒体数を交換遊技媒体数管理テーブルに設定するように構成したので、交換遊技媒体数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能な景品管理システムが得られるという効果を奏する。さらに、これに関連して、配信元の情報処理装置にて基準貸出レートの交換遊技媒体数から全貸出レートの交換遊技媒体数を換算させておき、配信先の景品管理装置に採用貸出レートの交換遊技媒体数を配信させるので、景品管理装置のソフトウェア面の改変を行うことなく、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能である。
【0021】
また、本発明によれば、情報処理装置が、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得し、該取得した基準貸出レートの交換遊技媒体数を景品管理装置に配信し、景品管理装置が、当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、配信された基準貸出レートと、記憶しておいた前記基準貸出レート以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、当該基準貸出レートの交換遊技媒体数を他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算し、換算した他の貸出レートの交換遊技媒体数を交換遊技媒体数管理テーブルに設定するように構成したので、交換遊技媒体数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能な景品管理システムが得られるという効果を奏する。さらに、これに関連して、配信元の情報処理装置から景品管理装置に基準貸出レートの交換遊技媒体数だけを配信するので、配信データサイズを必要最小限に抑えることができ、配信処理による通信回線の圧迫を防止することが可能である。
【0022】
また、本発明によれば、景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、景品との交換に要する交換価値高を取得し、記憶しておいた貸出レート及び取得した交換価値高に基づいて、各貸出レートの交換遊技媒体数を算出し、該算出した各貸出レートの交換遊技媒体数を交換遊技媒体数管理テーブルに設定するように構成したので、交換遊技媒体数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能な
景品管理装置が得られるという効果を奏する。さらに、これに関連して、景品の交換価値高を直接入力することができるので、遊技店が交換価値高を変更する際であっても基準貸出レートの交換遊技媒体数を計算することを不要化することができ、景品の交換価値高の変更に柔軟に対応することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下に添付図面を参照して、本発明に係る景品管理装置及びその景品管理方法の好適な実施例を詳細に説明する。なお、以下では、本発明をパチンコ遊技に適用する場合について説明することとする。
【実施例1】
【0024】
まず、本実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成について説明する。図1は、実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成を示す図である。なお、本実施例1では、パチンコ玉を1玉4円で貸し出す4円コーナーとパチンコ玉を1玉1円で貸し出す1円コーナーが遊技店内に併設される場合について説明することとする。
【0025】
同図に示すように、店内システムには、遊技店にて予め登録処理された遊技客の会員情報を管理する会員管理用ターミナルコントローラ(以下、「会員管理T/C」と言う)10と、島コントローラ20と、カード処理ユニット(以下、「CRユニット」と言う)30a及び30bと、パチンコ機40a及び40bと、計数機50と、会員カード処理機60と、景品管理装置70と、景品払出機80とが設けられている。
【0026】
そして、会員管理T/C10には、島コントローラ20、会員カード処理機60及び景品管理装置70が接続されており、島コントローラ20には、各島に設置された複数のパチンコ機40a及び40bにそれぞれに併設されたCRユニット30a及び30bが接続されており、会員カード処理機60には、パチンコ玉数を計数する計数機50が接続されており、また、景品管理装置70には、特殊景品を払出す景品払出機80が接続されている。
【0027】
ここで、本実施例1では、CRユニット30a及びパチンコ機40aからなる4円コーナーと、CRユニット30b及びパチンコ機40bからなる1円コーナーとが設けられている。この4円コーナーは、遊技客に対して4円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島であり、1円コーナーは、遊技客に対して1円/玉の貸出レートで玉貸しを行う島である。4円/玉の汎用貸出レートよりも低い1円/玉の1円コーナーを設けた理由は、主として、遊技客による試し打ちを可能にするとともに、遊技機に対する遊技客の客付きや評価に関する情報を得るためである。なお、本実施例1では、4円/玉を貸出レート1と呼称し、1円/玉を貸出レート2と呼称することとする。
【0028】
CRユニット30aは、現金またはプリペイドカードによる4円/玉の玉貸し及び会員カードを用いた貯玉の再プレイを行うユニットであり、例えばこのCRユニット30aに1000円札が挿入されると、このCRユニット30aからパチンコ機40aに対して250玉の玉投出指示がなされる。一方、台間ユニット30bは、現金による1円/玉の玉貸し及び会員カードを用いた貯玉の再プレイを行うユニットであり、例えばこのCRユニット30bに1000円札が挿入されると、500円分(=500玉)をパチンコ機40bに払い出させるとともに残額(500円)を記憶しておき、次の貸出指令を受ければ、その残額分をパチンコ機40bに投出させる。
【0029】
パチンコ機40a及びパチンコ機40bは、パチンコ玉を用いたパチンコ遊技を遊技客に提供する遊技機であり、両者には4円コーナー及び1円コーナーに係る差異はない。ただし、1円コーナーに配設されるパチンコ機40bは、遊技店の売上を担う遊技機ではなく、これから遊技店に新たに導入される新台が配設されることが多い。遊技客が大きな投資をすることなく新台の試し打ちを可能にするとともに、低料金で比較的長い時間楽しんでもらえる遊技を提供するためである。
【0030】
遊技客は、これらのCRユニット30a及び30bを用いて貯玉の再プレイを行うことができ、遊技客がCRユニット30a又は30bのカード挿入口に会員カードを挿入した状態でテンキーから暗証番号を入力して所定の再プレイボタンを押下操作すると、会員カードID、暗証番号、貸出レート1(4円/玉)又は貸出レート2(1円/玉)の種別(以下「貸出レート情報」と言う)及びCRユニットを一意に特定するユニット識別情報を含む再プレイ要求信号が会員管理T/C10に対して送信され、貯玉残高の範囲内で貯玉を引き落とすことができる。なお、ここでは一度の再プレイ操作で貯玉口座から引き出される玉数は固定であるものとする。
【0031】
計数機50は、遊技客が獲得したパチンコ玉を計数する計数機であり、その計数結果を会員カード処理機60に出力する。具体的には、計数時に貸出レートの入力を受け付け、該貸出レート情報を会員管理T/C10や会員カード処理機70へ送ったり、計数レシートに関連付けたりする。なお、本実施例1では、計数機50はパチンコ玉の計数機能のみを有することとし、計数結果がバーコード印字された計数レシートを発行する印字機能、並びに、会員管理T/C10にて記憶管理される貯玉残高に計数結果の一部または全部を貯玉加算させる計数貯玉機能は、後述する会員カード処理機60が有することとする。
【0032】
会員カード処理機60は、登録済み会員による貯玉を行う際に利用される会員用端末装置であり、会員カードに記録した会員IDを読み取るカードリーダを備えている。具体的には、計数機50から計数結果が入力され、遊技店の係員が遊技客から受け取った会員カードをカード挿入口に挿入され、上記貸出レート情報(4円/玉又は1円/玉の種別)が指定されると、会員ID、計数結果であるパチンコ玉の貯玉数、貸出レート情報を含む貯玉依頼信号が会員管理T/C10に対して送信される。
【0033】
また、会員カード処理機60は、計数機50で計数されたパチンコ玉数をバーコード印刷した計数レシートを発行することもでき、係員がパチンコ玉の計数時に貸出レート情報を指定してレシート発行ボタンを押下操作すると、パチンコ玉数、貸出レート情報、発行日時及び計数機番号がバーコード印刷された計数レシートが発行される。
【0034】
なお、本実施例1では、一台の計数機50を用いて4円コーナーで遊技客が獲得したパチンコ玉と1円コーナーで遊技客が獲得したパチンコ玉の両方を計数することとしたが、本発明はこれに限定されるものではなく、4円コーナー専用の計数機と1円コーナー専用の計数機とを別個に配設することもできる。かかる場合には、係員が上記貸出レート情報を指定する必要をなくすことができる。
【0035】
会員管理T/C10は、会員管理テーブルを用いて遊技店に登録された会員の統括管理を行う管理装置である。この会員管理テーブルは、会員ID、4円コーナー及び1円コーナーの貯玉残高及び属性情報を対応付けて記憶している。そして、会員カード処理機60又は景品管理装置70から貯玉加算依頼を受け付けたならばこの貯玉加算依頼に含まれる会員ID及び貸出レートに該当する貯玉口座内の貯玉残高を加算処理し、CRユニット30a及び30bまたは景品管理装置70から貯玉減算依頼を受け付けたならばこの貯玉減算依頼に含まれる会員ID及び貸出レートに該当する貯玉口座内の貯玉残高を減算処理する。
【0036】
景品管理装置70は、遊技店内の景品交換カウンタに配設された景品交換用の端末装置であり、図3で後述するカードリーダ81及びバーコードリーダ82を備える。
【0037】
この景品管理装置70は、後述する交換玉数管理テーブル76bを用いて獲得玉と景品との交換を管理する。この交換玉数管理テーブル76bは、各景品に貸出レートごとの交換玉数を対応付けて記憶している。そして、景品交換カウンタ内の係員が、会員カード処理機60により獲得玉数及び貸出レート情報がバーコード印字された計数レシートを遊技客から受け取ると、この計数レシートから獲得玉数及び貸出レート情報をバーコードリーダ82で読み取るとともに、遊技客により指定された景品に対応する交換ボタンを押下し、当該景品に関して計数レシートから読み取った貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉数から減算する交換処理を実行させ、その後に係員による手作業で遊技客に受け渡す。また、遊技客が特殊景品への交換を希望する場合には、係員はこの景品管理装置70に設けられた特殊景品交換ボタンを押下し、交換玉数管理テーブル76bを参照して貸出レートごとの獲得玉数に応じた特殊景品の払い出しを景品払出機80に指示する。なお、計数レシートを用いた景品交換だけではなく、会員カードを通じて貯玉を用いた景品交換を行うこともできる。
【0038】
また、景品管理装置70は、計数レシートに印刷されたバーコードからパチンコ玉数及び貸出レート情報を読み取って景品交換時に利用するだけではなく、計数レシートを用いた貯玉を行うこともできる。具体的には、この景品管理装置70に設けられたバーコードリーダ82で計数レシートを読み取るとともに、カードリーダ81に会員カードを挿入して貯玉ボタンを押下すると、会員ID、パチンコ玉数、貸出レート1又は貸出レート2のいずれかの貸出レート情報が含まれる貯玉依頼信号が会員管理T/C10に対して送信される。
【0039】
ここで、本実施例1に係る景品管理装置70は、遊技客が遊技で獲得した獲得玉と引き換えに所望の景品を提供する景品交換サービスを提供することを概要とし、当該景品管理装置70が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換玉数を取得し、記憶しておいた基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、取得した基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算し、換算した他の貸出レートの交換玉数を交換玉数テーブル76bに設定する点にその特徴がある。
【0040】
すなわち、この景品管理装置70では、交換玉数管理テーブル76bを用いて獲得玉数から所望景品の交換玉数を減算することによって交換管理を行っているが、本実施例1に係る店内システムのように、4円コーナー及び1円コーナーが併設される場合、すなわち異なる複数の貸出レートの獲得玉と景品との交換を行う場合には、貸出レート1「4円/玉」及び貸出レート2「1円/玉」の両方の交換玉数を交換玉数管理テーブル76bに設定する必要がある。
【0041】
そこで、本実施例1では、遊技店にて汎用的に採用される貸出レート1「4円/玉」を基準貸出レートと定め、景品業者によって納入される汎用の貸出レート1(基準貸出レート)の交換玉数が記載された用紙等を用いて基準貸出レートの交換玉数を遊技店の係員に入力させておき、この基準貸出レート「4円/玉」ともう一方の貸出レート2「1円/玉」の比率、すなわち玉単価の比率「4:1」と、交換玉数及び玉単価の関係とに基づいて基準貸出レート「4円/玉」の交換玉数を他の貸出レート2「1円/玉」の交換玉数に換算している。
【0042】
例えば、図2に示すように、菓子Aの基貸出レートの交換玉数が25玉であるとした時、交換玉数と玉単価の関係が「交換玉数=商品価格÷玉単価」であることから玉単価が四分の一になれば交換玉数は4倍になるので、菓子Aの基準貸出レートにおける交換玉数「25玉」を4円/玉に対する1円/玉の比率、すなわち対基準貸出レート比率「1/4」の逆数で乗算することにより、貸出レート2の交換玉数「100玉」に換算する。
【0043】
したがって、本実施例1では、1つの貸出レート(基準貸出レート)の交換玉数を取得すれば、それをもとに他の貸出レートの交換玉数に換算し、該換算した他の貸出レートの交換玉数を交換玉数管理テーブル76に設定することができるので、交換玉数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能になる。
【0044】
さらに、本実施例1では、膨大な景品数について計算作業ならびに入力作業を貸出レートごとに行わせることを不要化することができるので、遊技店の管理者による計算作業ならびに入力作業を低減するとともに、交換玉数の計算間違いや入力ミス等のヒューマンエラーが生じることを防止することが可能になる。
【0045】
次に、図1に示した景品管理装置70の構成について説明する。図3は、図1に示した景品管理装置70の構成を示す機能ブロック図である。同図に示すように、この景品管理装置70は、従業員用タッチパネル71と、従業員用操作キー72と、遊技客用表示部73と、通信I/F部74と、レシート発行部75と、記憶部76と、制御部77とを有する。なお、この景品管理装置70には、会員カード等の各種カードから記録情報を読み取るカードリーダ81と、計数レシートからバーコード情報を読み取るバーコードリーダ82とが接続されている。
【0046】
従業員用タッチパネル71は、液晶パネルやディスプレイなどの表示デバイス上で操作入力を受け付けることができる表示可能かつ入力可能な従業員用デバイスであり、具体的には、トップ画面上に景品マスタの設定ボタンを表示しており、この設定ボタンの押下を受け付けると、基準貸出レート(貸出レート1)の交換玉数の入力を促す画面(交換玉数入力画面)を表示する。なお、かかる景品マスタの設定は、景品管理装置70の新規導入時や貸出レートの変更時に行われる。
【0047】
また、従業員用タッチパネル71は、遊技客により会員カードを用いた景品交換が行われる場合又は計数レシートを用いた貯玉が行われる場合には、景品交換又は貯玉の対象となる貸出レートの入力を促す表示を行うとともに、これらの情報を入力させるための選択ボタンなどを表示する。
【0048】
従業員用操作キー72は、従業員が操作する一般景品や特殊景品等の各種景品の交換ボタン、テンキー等の総称であり、従業員用タッチパネル71で交換玉数入力画面が表示されている場合には、テンキーの押下操作を通じて基準貸出レートの交換玉数の入力を受け付ける。
【0049】
遊技客用表示部73は、7セグメントのLEDから形成される表示部であり、従業員用タッチパネル71及び従業員用操作キー72の背面、すなわち遊技客に正対する箇所に設けられている。例えば、バーコードリーダ82を通じて計数レシートから読み取られた獲得玉数、カードリーダ81を通じて会員カードから取得された貯玉残高や従業員用操作キー72を通じて交換が指定された景品及びその交換玉数を表示する。
【0050】
通信I/F部74は、当該景品管理装置70と他の装置(例えば、会員管理T/C10、会員カード処理機60又は景品払出機80などの他の装置)との間で各種通信を行うためのインターフェースである。
【0051】
レシート発行部75は、各種情報を紙媒体に印字する処理部であり、例えば、景品管理装置70にて景品交換処理された内容(例えば、総獲得玉数、交換済み玉数などの項目)を印字して交換レシートとして発行したり、また、遊技店の営業終了後には、景品の入出庫管理(例えば、景品出庫による粗益管理)に係る情報を締上げ票として発行したりする。
【0052】
記憶部76は、制御部77による各種処理に必要なデータおよびプログラムを記憶する不揮発性メモリ等の記憶デバイスであり、交換レシート等に印字するフォーマット及びその印字内容等の情報の他、本発明に関連するものとして、当該遊技店で採用する貸出レートを管理する貸出レートテーブル76aと、景品との交換に要する交換玉数を管理する交換玉数管理テーブル76bとを記憶する。
【0053】
貸出レートテーブル76aは、図4に示すように、貸出レートIDごとに玉単価を記憶したテーブルである。ここでは、本実施例1で例示する遊技店が「4円/玉」と「1円/玉」のダブルレートを採用している例を示している。
【0054】
交換玉数管理テーブル76bは、景品マスタ、すなわち景品名ごとに貸出レート1及び貸出レート2の交換玉数を記憶したテーブルである。ここでは、図5に示した交換玉数管理テーブル76bによれば、景品マスタの設定時に遊技店の管理者により基準貸出レートの交換玉数が入力された際の記憶内容を示しており、図6に示した交換玉数管理テーブル76bによれば、後述する景品マスタ設定処理部77b及び交換玉数換算部77cにより貸出レート2の交換玉数が自動設定された際の記憶内容を示しており、貸出レート1では、菓子Aを25玉で交換し、ジュースBを30玉で交換し、タバコCを75玉で交換し、また、貸出レート2では、菓子Aを100玉で交換し、ジュースBを120玉で交換し、タバコCを300玉で交換する場合を示している。
【0055】
制御部77は、景品管理装置70を全体制御する制御部であり、景品交換処理部77aと、景品マスタ設定処理部77bとを有する。実際には、これらの機能部に対応するプログラムを図示しないROMや不揮発性メモリに記憶しておき、これらのプログラムをCPUにロードして実行し、景品交換処理部77a及び景品マスタ設定処理部77bにそれぞれ対応するプロセスを実行させることになる。
【0056】
景品交換処理部77aは、交換玉数管理テーブル76bを用いて獲得玉と景品との交換を管理する処理部である。具体的には、計数レシートを用いた景品交換が行われる場合には、バーコードリーダ82を介して計数レシートから獲得玉数及び貸出レート情報が読み取られ、遊技店の係員により遊技客指定の景品に対応する交換ボタンが押下されるので、当該景品に関して計数レシートから読み取った貸出レートに合致する交換玉数を獲得玉数から減算し、また、会員カードを用いた景品交換が行われる場合には、カードリーダ81を介して会員カードから読み取られた会員IDの各貸出レートごとの貯玉残高を問合せ、当該会員IDの各貸出レートごとの貯玉残高を取得した後に、従業員用タッチパネル71を通じて引落し対象とする貯玉口座の貸出レートを選択する選択ボタン及び景品の交換指定を行う交換ボタンが押下されるので、当該景品に関して該当貸出レートに合致する交換玉数を貯玉残高から減算する。
【0057】
景品マスタ設定処理部77bは、交換玉数管理テーブル76bに記憶される景品マスタを設定する処理部であり、交換玉数換算部77cを内在する。
【0058】
交換玉数換算部77cは、貸出レートテーブル76aに記憶された基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算する処理部である。具体的には、基準貸出レート「4円/玉」ともう一方の貸出レート2「1円/玉」の比率、すなわち玉単価の比率「4:1」と、交換玉数及び玉単価の関係とに基づいて基準貸出レート「4円/玉」の交換玉数を他の貸出レート2「1円/玉」の交換玉数に換算している。
【0059】
例えば、図5に示すように、菓子Aの基準貸出レートの交換玉数が25玉、ジュースBの基準貸出レートの交換玉数が30玉、タバコCの基準貸出レートの交換玉数が75玉であるとした時、基準貸出レート(貸出レート1)と貸出レート2の比率は「4:1」であり、交換玉数と玉単価の関係が「交換玉数=商品価格÷玉単価」であることから、玉単価が四分の一になれば交換玉数は4倍になるので、菓子A、ジュースB及びタバコCの基準貸出レートにおける交換玉数「25玉」、「30玉」及び「75玉」を4円/玉に対する1円/玉の比率、すなわち対基準貸出レート比率「1/4」の逆数でそれぞれ乗算することにより、図6に示すように、菓子A、ジュースB及びタバコCの貸出レート2の交換玉数「100玉」、「120玉」及び「300玉」に換算する。
【0060】
次に、図1に示した景品管理装置70による景品マスタ設定処理について詳細に説明する。図7は、図3に示した景品マスタ設定処理部77b及び交換玉数換算部77cによる景品マスタ設定処理を示すフローチャートである。
【0061】
図7に示すように、景品マスタの設定要求を受け付けた場合、すなわち従業員用タッチパネル71のトップ画面上に表示された景品マスタの設定ボタンが押下された場合(ステップS701肯定)に、景品マスタ設定処理部77bは、基準貸出レート(貸出レート1)の交換玉数の入力を促す画面(交換玉数入力画面)を従業員用タッチパネル71に表示させ、従業員用操作キー72のテンキーを介して基準貸出レートの交換玉数の入力を受け付ける(ステップS702)。なお、このようにして入力を受け付けた基準貸出レートの交換玉数は交換玉数管理テーブル76bに順次設定される。
【0062】
そして、全ての景品について基準貸出レートの交換玉数が入力されるまで(ステップS703否定)、景品マスタ設定処理部77bは、基準貸出レートの交換玉数の入力を受け付け(ステップS702)、全ての景品について基準貸出レートの交換玉数の入力を受け付けると(ステップS703肯定)、貸出レートテーブル76aから当該遊技店で採用する全貸出レートを読み出す(ステップS704)。
【0063】
続いて、交換玉数換算部77cは、基準貸出レートに対する他の貸出レートの比率、本例では4円/玉に対する1円/玉の比率、すなわち対基準貸出レート比率「1/4」を算出し(ステップS705)、各景品の基準貸出レートの交換玉数を対基準貸出レート比率「1/4」の逆数で乗算することによって基準貸出レート(貸出レート1)の交換玉数を他の貸出レート(貸出レート2)の交換玉数に換算する(ステップS706)。
【0064】
最後に、景品マスタ設定処理部77bは、従業員用操作キー72を介して受け付けた基準貸出レート(貸出レート1)の交換玉数、並びに、交換玉数換算部77cによって換算された他の貸出レート(貸出レート2)の交換玉数を交換玉数管理テーブル76bに設定し(ステップS707)、処理を終了する。
【0065】
上述してきたように、本実施例1では、景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換玉数を取得し、記憶しておいた基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、取得した基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算し、換算した他の貸出レートの交換玉数を交換玉数テーブル76bに設定するように構成したので、交換玉数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能である。
【0066】
また、本実施例1では、全ての景品の交換玉数を入力し終えてから(ステップS703YES)以降の処理に移行することとしているが、本発明はこれに限定されるものではなく、入力(変更)を希望する景品について交換玉数の入力が終了した時点で、所定の操作(「入力完了」等)を行うと、以降の処理(ステップS704〜S707)へ進めるように景品管理装置70を構成してもよい。
【実施例2】
【0067】
ところで、上記した実施例1では、景品管理装置70の装置単体に完結して景品マスタの設定を行う例を説明したが、他の景品管理装置又は情報処理装置と協働し、システムとして景品マスタの設定を行うこともできる。そこで、本実施例2では、本店及び支店を有するチェーン店において各支店に配設される景品管理装置の景品マスタの設定を行う場合を示すこととする。
【0068】
図8は、実施例2に係る景品管理システムの特徴を説明するための説明図である。同図に示すように、本実施例2に係る景品管理システム3には、チェーン本店に配設される情報処理端末(以下、「景品管理PC」と言う)100と、支店Aに配設される景品管理装置110と、支店Bに配設される景品管理装置120とが設けられており、これら三者は相互に通信可能に接続されている。
【0069】
この景品管理PC100は、チェーン店舗の景品管理装置110及び120の景品マスタを設定するための情報処理装置であり、チェーン店の支店ごとにその支店がどの貸出レートを採用するのかを採用貸出レート管理テーブル105を用いて管理している。例えば、図8に示す採用貸出レート管理テーブル105によれば、支店Aでは貸出レート1、貸出レート2及び貸出レート3の全てが採用されており、また、支店Bでは貸出レート2のみが採用されている場合を示している。なお、本実施例2では、貸出レート1は「4円/玉」を、貸出レート2は「1円/玉」を、貸出レート3は「2円/玉」を示している。
【0070】
ここで、本実施例2に係る景品管理システム3における景品マスタの設定について具体的に説明すると、景品管理PC100は、チェーン本店の管理者から所定の入力デバイスを介して基準貸出レートの交換玉数の入力を受け付けておき、採用貸出レート管理テーブル105で管理されている全ての貸出レート1、貸出レート2及び貸出レート3に関し、上記実施例1で説明した交換玉数換算部77cによる処理(基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算する処理)を行い、全貸出レートのうち各支店が採用する貸出レートの交換玉数を景品管理装置110及び120それぞれに配信する。なお、貸出レート1については、チェーン本店の管理者から入力を受け付けた交換玉数と等価なので交換玉数換算処理を行わずともかまわない。
【0071】
一方、支店Aの景品管理装置110では、景品管理PC100から貸出レート1、貸出レート2及び貸出レート3の交換玉数が送信されるので、これらの交換玉数を図示しない交換玉数管理テーブルに設定し、また、支店Bの景品管理装置120では、景品管理PC100から貸出レート2の交換玉数が送信されるので、この貸出レート2の交換玉数を図示しない交換玉数管理テーブルに設定する。
【0072】
上述してきたように、本実施例2では、景品管理装置ごとに当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換玉数を取得し、記憶しておいた基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、取得した基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算し、換算した他の貸出レートの交換玉数のうち、各景品管理装置に対応する貸出レートの交換玉数を該景品管理装置に配信するように景品管理PC100を構成し、この景品管理PC100から配信された他の貸出レートの交換玉数を交換玉数管理テーブルに設定するように景品管理装置110及び120を構成したので、上記実施例1と同様、交換玉数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能である。
【0073】
さらに、本実施例2では、チェーン本店の景品管理PC100にて基準貸出レートの交換玉数から全貸出レートの交換玉数を換算させておき、各支店の景品管理装置110及び120に採用貸出レートの交換玉数を配信させるように構成したので、支店A及び支店Bの景品管理装置110及び120のソフトウェア面の改変を行うことなく、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能である。
【実施例3】
【0074】
さて、上記した実施例2では、本店及び支店を有するチェーン店において各支店に配設される景品管理装置の景品マスタの設定を行う場合に各支店で採用される貸出レートの交換玉数をチェーン本店の景品管理PC100にて換算する例を説明したが、かかる交換玉数換算を各支店の景品管理装置に行わせることもできる。そこで、本実施例3では、チェーン本店の景品管理PCに基準貸出レートの交換玉数だけを配信させ、各支店の景品管理装置に基準貸出レートの交換玉数を各支店の採用貸出レートの交換玉数に換算させる場合を示すこととする。
【0075】
図9は、実施例3に係る景品管理システムの特徴を説明するための説明図である。同図に示すように、本実施例3に係る景品管理システム7は、上記実施例2と同様に、チェーン本店に配設される景品管理PC200と、支店Aに配設される景品管理装置210と、支店Bに配設される景品管理装置220とが設けられており、これら三者は相互に通信可能に接続されている。なお、本実施例3においても、上記実施例2と同様に、支店Aでは貸出レート1、貸出レート2及び貸出レート3の全てが採用されており、また、支店Bでは貸出レート2のみが採用されていることとする。
【0076】
ここで、本実施例3に係る景品管理システムにおける景品マスタの設定について具体的に説明すると、景品管理PC200は、チェーン本店の管理者から所定の入力デバイスを介して基準貸出レートの交換玉数の入力を受け付けておき、この基準貸出レートの交換玉数だけを支店A及び支店Bの景品管理装置210及び220に配信する。このように、基準貸出レートの交換玉数だけを配信することとしたのは、チェーン本店の景品管理PC200から支店A及び支店Bの景品管理装置210及び220に配信するデータサイズを必要最小限に抑えるためである。
【0077】
一方、支店Aの景品管理装置210では、貸出レート1、貸出レート2及び貸出レート3が採用貸出レートであるので、上記実施例1で説明した交換玉数換算部77cによる処理(基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算する処理)を行い、基準貸出レートの交換玉数を貸出レート1、貸出レート2及び貸出レート3それぞれの交換玉数に換算し、換算した各貸出レートの交換玉数を交換玉数管理テーブルに設定し、また、支店Bの景品管理装置220では、貸出レート2が採用貸出レートであるので、基準貸出レートの交換玉数を貸出レート2の交換玉数に換算し、換算した貸出レート2の交換玉数を交換玉数管理テーブルに設定する。
【0078】
上述してきたように、本実施例3では、複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換玉数を取得し、該取得した基準貸出レートの交換玉数を景品管理装置210及び220に配信するように景品管理PC200を構成し、景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、配信された基準貸出レートと基準貸出レート以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、当該基準貸出レートの交換玉数を他の貸出レートの交換玉数に換算し、該換算した他の貸出レートの交換玉数を交換玉数管理テーブルに設定するように景品管理装置210及び220を構成したので、上記した実施例1及び実施例2と同様、交換玉数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能である。
【0079】
さらに、本実施例3では、景品管理PC200から景品管理装置210及び220に基準貸出レートの交換玉数だけを配信するように構成したので、配信データサイズを必要最小限に抑えることができ、配信処理による通信回線の圧迫を防止することが可能である。
【実施例4】
【0080】
さて、これまで本発明の実施例について説明したが、本発明は上述した実施例1、2及び3以外にも、種々の異なる形態にて実施されてよいものである。そこで、以下では、本発明に含まれる他の実施例を説明する。
【0081】
例えば、上記した実施例1、2及び3では、採用貸出レートの交換玉数を算出するために基準レートの交換玉数を入力させることとしたが、必ずしも交換玉数を入力させる必要はなく、景品の価値(値段)を入力させるようにしてもよい。
【0082】
具体的には、遊技店の採用貸出レートを貸出レート1「4円/玉」及び貸出レート3「2円/玉」とし、菓子A、ジュースB及びタバコCそれぞれの交換時の値段が、100円、120円及び300円と値付けされているとした時、貸出レート1の交換玉数は、菓子A、ジュースB及びタバコCそれぞれの交換時の値段を貸出レート1の玉単価「4円/玉」で除算することにより、菓子Aの交換玉数「25玉」、ジュースBの交換玉数「30玉」及びタバコCの交換玉数「75玉」と算出され、また、貸出レート3の交換玉数は、菓子A、ジュースB及びタバコCそれぞれの交換時の値段を貸出レート3の玉単価「2円/玉」で除算することにより、菓子Aの交換玉数「50玉」、ジュースBの交換玉数「60玉」及びタバコCの交換玉数「150玉」と算出され、これら貸出レート1及び貸出レート3の交換玉数が交換玉数管理テーブルに設定される。
【0083】
このように、景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶しておき、景品との交換に要する交換価値高を取得し、景品交換の受付対象とする貸出レート及び取得した交換価値高に基づいて、各貸出レートの交換玉数を算出し、該算出した各貸出レートの交換玉数を交換玉数管理テーブルに設定することにより、上記した実施例1、2及び3と同様に、交換玉数の設定作業を簡素化することができ、景品マスタの設定作業を効率良く行うことが可能になる。さらに、景品の交換価値高を直接入力することができるので、遊技店が交換価値高を変更する際であっても基準貸出レートの交換玉数を計算することを不要化することができ、景品の交換価値高の変更に柔軟に対応することが可能になる。
【0084】
また、上記した実施例2及び3では、景品管理PCと景品管理装置の関係をチェーン店舗間の本店と支店の関係で説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、これら本店と支店の関係を同一店舗に配設される景品管理装置の親機と子機の関係に置換した場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、当然ながら、景品管理PCは必ずしもパーソナルコンピュータである必要はなく、景品管理装置に置換された場合でも本発明を同様に適用することができる。
【0085】
なお、上記した実施例1、2及び3では、基準貸出レートが「4円/玉」である場合を示したが、本発明はこれに限定されるものではなく、如何なる貸出レートが基準貸出レートであってもよい。また、基準貸出レートに対する他の貸出レートの数が1つ又は2つである例を説明したが、他の貸出レートは任意の個数設けることができる。
【0086】
また、本発明では、2つの貸出レートを混合させた交換玉数を算出して交換玉数管理テーブルに設定することもできる。すなわち、景品の交換価値高が貸出レート1「4円/玉」では割り切れないケース(この例では、交換価値高が4で割り切れない場合)では少なくとも余り分の玉数を貸出レート2「1円/玉」の貯玉等が補填させて交換させることも考えられる。この場合、より低レートの貸出レートの方が割り切れる公算が高いので、貸出レート2を基準貸出レートとするのが好ましい。
【0087】
例えば、貸出レート2を基準貸出レートと定め、交換価値高を貸出レート1「4円/玉」で割り切れる分を貸出レート1の交換玉数、そして割り切れない分を貸出レート2の交換玉数と定めた場合、タバコDの基準貸出レートのみで構成される交換玉数が290玉であるならば、290玉を4円/玉で除算し、その結果、割り切れた72玉を貸出レート1の交換玉数と決定し、割り切れなかった2玉を貸出レート2の交換玉数と決定し、これらの混合値(4円:72玉+1円:2玉)をタバコDの交換玉数と算出するようにしてもよい。なお、ここでは、基準貸出レート(貸出レート2)のみで構成される交換玉数から再換算することとしたが、交換価値高から直接計算するようにしてもかまわない。
【0088】
また、上記した実施例1、2及び3では、本発明をパチンコ遊技に適用する例を説明したが、パチスロ遊技を対象としてさらに含めた場合又はパチスロ遊技のみを対象とした場合にも本発明を同様に適用することができる。なお、ここでは、パチンコ店及びパチスロ店に本発明を適用する例を説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、ゲームセンタ等の遊技施設にも同様に適用することができる。
【0089】
また、本実施例において説明した各処理のうち、自動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を手動的におこなうこともでき、あるいは、手動的におこなわれるものとして説明した処理の全部または一部を公知の方法で自動的におこなうこともできる。この他、上記文書中や図面中で示した処理手順、制御手順、具体的名称、各種のデータやパラメータを含む情報については、特記する場合を除いて任意に変更することができる。
【産業上の利用可能性】
【0090】
以上のように、本発明に係る景品管理装置、景品管理システム及び景品管理方法は、異なる複数の貸出レートの遊技媒体と景品との交換を行う場合に適している。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】実施例1に係る遊技店の店内システムのシステム構成を示す図である。
【図2】実施例1に係る景品管理装置の特徴を説明するための説明図である。
【図3】図1に示した景品管理装置の構成を示す機能ブロック図である。
【図4】貸出レートテーブルに記憶される情報の構成例を示す図である。
【図5】交換玉数管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図(1)である。
【図6】交換玉数管理テーブルに記憶される情報の構成例を示す図(2)である。
【図7】図3に示した景品マスタ設定処理部及び交換玉数換算部による景品マスタ設定処理を示すフローチャートである。
【図8】実施例2に係る景品管理システムの特徴を説明するための説明図である。
【図9】実施例3に係る景品管理システムの特徴を説明するための説明図である。
【符号の説明】
【0092】
3,7 景品管理システム
10 会員管理T/C
20 島コントローラ
30a,30b CRユニット
40a,40b パチンコ機
50 計数機
60 会員カード処理機
70 景品管理装置
71 従業員用タッチパネル
72 従業員用操作キー
73 遊技客用表示部
74 通信I/F部
75 レシート発行部
76 記憶部
76a 貸出レートテーブル
76b 交換玉数管理テーブル
77 制御部
77a 景品交換処理部
77b 景品マスタ設定処理部
77c 交換玉数換算部
80 景品払出機
81 カードリーダ
82 バーコードリーダ
100,200 景品管理PC
110,120,210,220 景品管理装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置であって、
当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、
前記複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得手段と、
前記記憶手段によって記憶された基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、前記取得手段によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算手段と、
前記換算手段によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段と
を備えたことを特徴とする景品管理装置。
【請求項2】
同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置と、各貸出レートごとの交換遊技媒体数を前記景品管理装置に配信する情報処理装置とを有する景品管理システムであって、
前記情報処理装置は、
前記景品管理装置ごとに当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、
複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得手段と、
前記記憶手段によって記憶された基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、前記取得手段によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算手段と、
前記換算手段によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数のうち、前記記憶手段によって記憶された各景品管理装置に対応する貸出レートの交換遊技媒体数を該景品管理装置に配信する配信手段とを備え、
前記景品管理装置は、
前記配信手段によって配信された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段を備えた
ことを特徴とする景品管理システム。
【請求項3】
同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置と、前記景品管理装置に所定の情報を配信する情報処理装置とを有する景品管理システムであって、
前記情報処理装置は、
複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得手段と、
前記取得手段によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記景品管理装置に配信する配信手段とを備え、
前記景品管理装置は、
当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、
前記配信手段によって配信された基準貸出レートと前記記憶手段によって記憶された前記基準貸出レート以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、当該基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算手段と、
前記換算手段によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段を備えた
ことを特徴とする景品管理システム。
【請求項4】
同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置であって、
当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを記憶する記憶手段と、
前記景品との交換に要する交換価値高を取得する取得手段と、
前記記憶手段によって記憶された貸出レート及び前記取得手段によって取得された交換価値高に基づいて、各貸出レートの交換遊技媒体数を算出する算出手段と、
前記算出手段によって算出された各貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定手段と
を備えたことを特徴とする景品管理装置。
【請求項5】
同一の遊技媒体について異なる貸出レートごとに景品とその景品との交換に要する交換遊技媒体数を対応付けて管理する交換遊技媒体数管理テーブルを記憶する景品管理装置に用いる景品管理方法であって、
当該景品管理装置が景品交換の受付対象とする貸出レートを所定の記憶部に保持する保持工程と、
前記複数の貸出レートの中で基準とする基準貸出レートの交換遊技媒体数を取得する取得工程と、
前記保持工程によって保持された基準貸出レートとそれ以外の他の貸出レートとの比率に基づいて、前記取得工程によって取得された基準貸出レートの交換遊技媒体数を前記他の貸出レートの交換遊技媒体数に換算する換算工程と、
前記換算工程によって換算された他の貸出レートの交換遊技媒体数を前記交換遊技媒体数管理テーブルに設定する設定工程と
を含んだことを特徴とする景品管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−385(P2009−385A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−165571(P2007−165571)
【出願日】平成19年6月22日(2007.6.22)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】