景品管理装置
【課題】景品の交換個数の入力に関して使い勝手の向上を図ることができる景品管理装置を提供すること。
【解決手段】景品管理装置2では、店側表示部14が店員に対して必要な種々のデータを表示し、制御部30が演算処理を行う。制御部30が、ICカードリーダ5で読み取ったカードCから客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を店側表示部14に表示する。これにより、客の遊技媒体数に応じた景品の交換可能個数が景品管理装置2側で算出されて自動的に店側表示部14に表示されるので、店員は、交換可能個数を暗算せずに済む。
【解決手段】景品管理装置2では、店側表示部14が店員に対して必要な種々のデータを表示し、制御部30が演算処理を行う。制御部30が、ICカードリーダ5で読み取ったカードCから客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を店側表示部14に表示する。これにより、客の遊技媒体数に応じた景品の交換可能個数が景品管理装置2側で算出されて自動的に店側表示部14に表示されるので、店員は、交換可能個数を暗算せずに済む。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換に基づく交換実績収集を行うための景品管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗には、客が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタが設けられている。客は、獲得したパチンコ玉の数(獲得数)を記録したレシートやカードを景品カウンタに持ち込む。景品カウンタには、景品管理装置が設置されている(たとえば、特許文献1参照)。
景品管理装置は、景品と遊技媒体との交換による景品払出しおよび景品の在庫を管理している。景品管理装置は、客のレシートやカードから獲得数を読み取ることができる。景品管理装置が獲得数を読み取った後に、遊技店舗の店員が、客が所望する種類の景品を選択し、景品の個数を景品管理装置に入力すると、景品管理装置は、該当する景品を客に払い出すときに、その景品と交換するのに必要なパチンコ玉数を客の獲得数から差し引くとともに、景品の在庫を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−22508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、店員は、客の獲得数から、客が所望する景品の交換可能個数を暗算して、景品管理装置に入力する。そのため、暗算を間違えて、本来の交換可能個数を上回る個数を景品管理装置に入力してしまうことがある。この場合、エラーとなり、景品管理装置は、入力された個数を受け付けない。すると、店員は、景品の交換可能個数を再度暗算しなければならない。また、景品には、その種類に応じて、交換可能個数に制限数(上限)が予め定められているものがあり、店員が、それに気付かず、制限数を上回る個数を景品管理装置にうっかり入力してしまうことがある。
【0005】
このように店員が交換可能個数を考えて景品管理装置に入力する構成では、店員にとって、交換可能個数を暗算したり、暗算を間違えたときに再度暗算したり、制限数を考慮したりしなければならないので、使い勝手が悪い。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の向上を図ることができる景品管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、遊技店舗に設置され、遊技媒体と景品との交換処理を行う装置であって、少なくとも、店舗の店員の確認および操作のために必要な種々のデータを表示するための表示部と、演算処理を行うための処理部と、前記処理部に接続され、店員が入力操作を行うための入力操作部と、客の有する遊技媒体数が関連付けられている記憶媒体を読み取り可能な読取部と、を有する景品管理装置において、前記読取部で読み取った記憶媒体から客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を前記表示部に表示する交換可能個数表示制御手段を含むことを特徴とする、景品管理装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記交換可能個数表示制御手段は、前記表示部にポップアップ画面形式で交換可能な個数ボタンを表示することを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置である。
請求項3記載の発明は、前記表示部は、表示部上に積層されたタッチパネルスイッチを含み、前記ポップアップ画面形式で表示された交換可能個数ボタンを押圧することにより、前記入力操作部として機能することを特徴とする、請求項2記載の景品管理装置である。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記交換可能個数表示制御手段が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
請求項5記載の発明は、前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記交換可能個数表示制御手段が表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
【0009】
請求項6記載の発明は、前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数の上限数と前記交換制限数とを比較して、前記上限数および前記交換制限数のうち、少ない方を、交換可能な最大個数として前記表示部に表示する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、景品管理装置では、表示部が店員に対して必要な種々のデータを表示し、処理部が演算処理を行う。処理部に接続された入力操作部によって、店員が景品管理装置に入力操作を行うことができる。客の有する遊技媒体数が関連付けられている記憶媒体は、読取部によって読み取られる。
景品管理装置では、交換可能個数表示制御手段が、読取部で読み取った記憶媒体から客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を表示部に表示する。
【0011】
これにより、客の遊技媒体数に応じた景品の交換可能個数が景品管理装置側で算出されて自動的に表示部に表示されるので、店員は、交換可能個数を暗算せずに済み、表示部に表示された交換可能個数の範囲内で、景品の交換個数を景品管理装置に入力できる。そのため、交換可能個数を上回る交換個数を景品管理装置に入力してエラーが生じることはない。
【0012】
以上の結果、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、交換可能個数表示制御手段は、表示部にポップアップ画面形式で交換可能な個数ボタンを表示する。つまり、景品の交換可能個数がポップアップ画面によって目立つように表示されるので、店員は、ポップアップ画面の個数ボタンを見ることで、交換可能個数を容易に把握できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、表示部は、表示部上に積層されたタッチパネルスイッチを含み、ポップアップ画面形式で表示された交換可能個数ボタンを押圧することにより、入力操作部として機能する。これにより、店員は、交換可能個数ボタンを選択して押圧することで、景品の交換個数を景品管理装置に確実に入力できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、交換可能個数表示制御手段が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれるので、店員は、この表示から景品の交換可能個数の最大値を速やかに把握できる。これにより、店員が、この最大値を上回る交換個数を景品管理装置に入力してエラーが生じることを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、交換可能個数表示制御手段が表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれるので、店員は、表示部の表示から交換制限数を速やかに把握できる。これにより、店員が、交換制限数を上回る交換個数を景品管理装置に入力してしまうことを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、景品管理装置では、遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数の上限数と交換制限数とが比較されて、上限数および交換制限数のうち、少ない方が、交換可能な最大個数として表示部に表示される。そのため、交換制限数が設けられた景品の場合には、店員は、交換制限数を上回らない範囲で、正しい値の最大個数を景品管理装置に入力できるので、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
【図2】図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【図3】図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5B】図5Bは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5C】図5Cは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5D】図5Dは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5E】図5Eは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5F】図5Fは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5G】図5Gは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5H】図5Hは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
図1を参照して、たとえばパチンコ店などの遊技店舗には、遊技台での遊技によって獲得したパチンコ玉やメダル等の遊技媒体(ここでは、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタKが設けられている。景品カウンタKの背後には、棚Tが配置されていて、棚Tには、タバコやお菓子やジュース等のいわゆる一般景品が陳列されている。遊技店舗の店員は、景品カウンタKと棚Tとの間に立って接客を行う。
【0019】
景品カウンタK上には、景品払出装置1と、景品管理装置2とが配置されている。
ここで、景品には、前述した一般景品の他に、貴金属等の有価物が内蔵されたカード状の特殊景品がある。景品払出装置1は、内蔵した特殊景品を客に払い出すものである。
景品管理装置2は、POSとも呼ばれる。景品管理装置2は、通信回線(図示せず)を介して、景品払出装置1や遊技店舗内のターミナルコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。
【0020】
景品管理装置2は、景品(一般景品および特殊景品を含む)の在庫を管理している。そして、景品管理装置2は、客が獲得したパチンコ玉と景品との交換処理を行う機能を主に有している。
景品管理装置2の機能の概略を説明すると、まず、客が獲得したパチンコ玉は、計数機(図示せず)によって計数され、その計数データであるパチンコ玉の獲得数(遊技媒体数)は、レシートやカード(ここでは、カード)等の遊技媒体数記憶媒体に記憶される。カードとして、磁気カードやICチップを備えたICカード(ここでは、ICカード)が挙げられる。カード自体に計数データが記憶されてもよいし、各カードに割り振られたID(識別番号)に関連付けて、計数データがターミナルコントローラ(図示せず)内のデータベースに記憶されてもよい。いずれにせよ、客の有する計数データは、カードやレシートに関連付けられている。
【0021】
なお、データベース(図示せず)では、当日獲得されたパチンコ玉(いわゆる「持玉(もちだま)」)の数に限らず、遊技店舗に会員登録している会員客が前日以前に獲得したパチンコ玉(いわゆる「貯玉(ちょだま)」)の数も計数データとして管理している。また、計数データがレシートに記憶(記録)される場合には、計数データを示すバーコードがレシートに印刷される。
【0022】
客は、このカードを景品カウンタKに持ち込む。景品管理装置2は、持ち込まれたカードに記憶された計数データを読み取ったり、このカードのIDに関連付けられた計数データをターミナルコントローラのデータベース(図示せず)から呼び出したりすることで、このカードの持ち主(客)の計数データを取得する。
そして、一般景品の場合、計数データ(パチンコ玉の獲得数)の範囲内で交換可能な一般景品が選択されると、店員によって一般景品が客に払い出されるとき等に、景品管理装置2は、払い出された一般景品について在庫を更新する。特殊景品の場合、計数データの範囲内で交換可能な特殊景品が選択されると、景品管理装置2は、景品払出装置1に対して特殊景品の払い出し指示を送信するとともに、払い出す特殊景品について在庫を更新する。景品払出装置1は、景品管理装置2からの指示に沿って特殊景品を客に払い出す。
【0023】
景品の在庫の更新は、景品とパチンコ玉との交換に基づく交換実績であり、景品交換が繰り返されることで、景品管理装置2は、景品の在庫の更新を繰り返して交換実績収集を行う。
次に、景品管理装置2の詳細について説明する。
図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【0024】
図2は、景品カウンタKにいる店員から見たときの景品管理装置2を示している。
図2を参照して、景品管理装置2は、本体3と、ディスプレー4と、ICカードリーダ5(読取部)と、バーコードリーダ6(読取部)とを備えている。
本体3は、上下に扁平なボックス形状である。本体3の上面には、キーボード7(キーボード入力装置、入力部)が設けられている。キーボード7は、店員が景品管理装置2にデータ信号を入力する(入力操作する)ための入力操作部を構成する。キーボード7は、テンキー8と、一般景品選択キー9とを主に含んでいる。一般景品選択キー9は、多数設けられていて、それぞれの表面には、いずれかの一般景品の名前、または、その景品と交換するのに必要なパチンコ玉(メダル)の個数が記されている。キーボード7を操作することによって所望の指示や情報を景品管理装置2に入力できるので、使い勝手がよい。
【0025】
また、本体3の上面において、キーボード7以外の領域には、モード切換部10と、用紙排出口11とが設けられている。
モード切換部10は、本体3の上面に露出される位置に鍵穴10Aが形成されたシリンダー錠である。鍵穴10Aに専用の鍵(図示せず)を差し込んでモード切換部10を所定角度だけ回動させることによって、景品管理装置2の運転モードを、景品交換を行う景品交換モードや、景品交換モード以外のモードに切り換えることができる。景品交換モード以外のモードとして、景品管理装置2における設定内容を変更する設定モードや、会員客の登録内容等を変更する会員処理モードや、景品の在庫集計を行う集計モードや、在庫データの変更等を行う在庫処理モードや、在庫データ等のクリアを行うクリアモード等がある。モード切換部10は、店員がモード切換のための信号を景品管理装置2に入力する(入力操作する)ための入力操作部を構成する。
【0026】
用紙排出口11は、細長いスリット状である。たとえば、景品の在庫集計を行ったときに、用紙排出口11には、集計結果を記載した用紙が本体3の内部から排出される。
本体3において、図2における手前側端面には、電源スイッチ12とメディア差込口13とが設けられている。電源スイッチ12を操作することによって、景品管理装置2の電源をオン/オフすることができる。メディア差込口13は、奥側へ窪むU字をなすスリット状である。景品管理装置2内のデータを外部に持ち出す場合、または、外部のデータを景品管理装置2に取り込みたい場合には、データを記憶したメディア(図示せず)がメディア差込口13に対して抜き差しされる。
【0027】
ディスプレー4は、板状であり、図2における姿勢を基準として、本体3の奥側端部から奥側上方ヘ傾斜して延びている。ディスプレー4において、図2における手前側の側面には、略矩形状の店側表示部14が設けられている。店側表示部14は、液晶表示器であり、その上には、透明なタッチパネルスイッチ15が積層されている。タッチパネルスイッチ15は、店側表示部14に含まれる。店側表示部14は、景品カウンタKの店員側を臨んでいる。店側表示部14には、店舗の店員の確認および操作のために必要な種々のデータが表示される(後述する)。また、タッチパネルスイッチ15には各種ボタンやキー(後述する)が表示され、タッチパネルスイッチ15は、店員によって入力操作される入力操作部として機能する。
【0028】
本体3およびディスプレー4において、図2における奥側の側面には、客側表示部16が設けられている(図1も参照)。客側表示部16は、たとえば液晶のタッチパネルであり、景品カウンタKに来た客側を臨んでいる。客側表示部16には、客向けの情報が表示される。
ICカードリーダ5は、たとえば、図2に示すような平板形状である。ICカードリーダ5は、電気ケーブル17を介して本体3に対して電気的に接続されている。前述した客のカード(ICカード)Cは、客自身または客からカードCを預かった店員によってICカードリーダ5の上面に載置されることで、ICカードリーダ5にセットされる。ICカードリーダ5は、カードCのICチップを認識することで、カードCがセットされたことを認識し、セットされたカードCを読み取る。カードCの読み取りに関し、具体的には、ICカードリーダ5は、カードCのICチップに記憶された(関連付けられた)客の計数データを読み出して本体3に入力する。また、ICカードリーダ5は、ICチップ内のデータを書き換えることもできる。なお、ICカードリーダ5は、カードCが載置される平板形状に限らず、カードCを差し込むことができるホルダ(ボックス)形状であってもよい。
【0029】
バーコードリーダ6は、把持できるグリップ形状であり、その先端部に、バーコードを読み取るためのバーコード読取部18を有している。バーコードリーダ6は、電気ケーブル19を介して本体3に対して電気的に接続されている。計数データが記憶されたレシートのバーコードをバーコードリーダ6で読み取ることによって、計数データを本体3に入力することができる。
【0030】
なお、キーボード7のテンキー8を操作することによっても、計数データを本体3に入力することができる。
図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、景品管理装置2の本体3は、制御部30(処理部、交換可能個数表示制御手段)を備えている。制御部30は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。制御部30のメモリには、遊技店舗で取り扱われる景品の在庫(景品毎の在庫数)が記憶されている。
【0031】
制御部30には、前述した店側表示部14、客側表示部16、電源スイッチ12、モード切換部10、キーボード7、ICカードリーダ5およびバーコードリーダ6と、計時を行う計時部31(計時手段)とが電気的に接続されている。
ICカードリーダ5は、セットされたカードCのICチップに記憶された計数データを読み出して制御部30へ出力する。モード切換部10およびキーボード7を操作すると、制御部30に対して信号が入力される。
【0032】
また、制御部30は、店側表示部14および客側表示部16のそれぞれにおける表示を制御する。
図4は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図5A〜図5Hは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
次に、図4および図5A〜図5Hを参照して、景品管理装置2によって実行される処理について説明する。以下では、計数データ分(獲得数分)のパチンコ玉を一般景品に交換する場合を想定している。
【0033】
まず、景品管理装置2が、景品交換モードにあって景品交換に係る処理が行われていない待機状態にある場合、店側表示部14には、図5Aに示すように、待機画面35および選択画面36が左右に並んで表示されている。待機画面35は、四角形状の画面であり、その上端部に、「待機画面」というタイトルが表示されているだけで、タイトル以外に何も示されていない。選択画面36は、待機画面35の右隣に表示される上下に長手の長方形状の画面であり、その中には、たとえば、決定キー37、取消キー38、終了キー39およびメニューキー40が上下に並んで表示されている。選択した内容を決定する場合に決定キー37が押され、選択した内容を取り消す場合に取消キー38が押され、景品管理装置2における取引全体を終了する場合に終了キー39が押され、予め用意されたメニューを閲覧したい場合にメニューキー40が押される。なお、決定キー37、取消キー38、終了キー39およびメニューキー40は、店側表示部14の画面上でなく、キーボード7(図2参照)に設けられてもよい。
【0034】
図4を参照して、待機状態において、制御部30(図3参照)は、ICカードリーダ5にカードCがセットされてICカードリーダ5がカードCを読み取ってカードCから客の計数データを受け付けたか否かを監視している(ステップS1)。なお、このとき、制御部30は、バーコードリーダ6(図2参照)がレシート(図示せず)のバーコードを読み取ることでレシートから計数データを受け付けたか否かも監視している。さらに、計数データが、カードCのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている場合には、制御部30は、ICカードリーダ5によってカードCから読み取ったIDをデータベースに問い合わせて、当該IDの計数データをデータベースから受け付けることができたか否かを監視している(ステップS1)。
【0035】
ICカードリーダ5がカードCから計数データを受け付けたり、バーコードリーダ6がレシート(図示せず)から計数データを受け付けたり、データベースから計数データを受け付けたりすることで、制御部30がカードCやレシートやデータベースから客の計数データを取得すると(ステップS1でYES)、制御部30は、店側表示部14に、取得した計数データ(パチンコ玉の獲得数)と、その計数データによって(計数データの範囲内で)交換可能な景品の種類とを表示する(ステップS2)。このように、カードCをICカードリーダ5にセットすれば、カードCに記憶された計数データを景品管理装置2が簡単に取得できるので、使い勝手がよい。
【0036】
図5Bは、ICカードリーダ5にカードCがセットされた直後において計数データと景品の種類とが店側表示部14に表示された状態を示している。詳しくは、ICカードリーダ5にカードCがセットされると、待機画面35(図5A参照)の代わりに景品交換画面41が表示される。景品交換画面41は、待機画面35と同じ大きさの画面であり、その上端部に、「景品交換画面」というタイトルが表示されるとともに、タイトルの真下に、獲得数が表示される。図5Bでは、「玉数」という見出しの右側に、計数データ「543玉」が表示されている。景品交換画面41において計数データの真下には、これから交換される景品の名前(景品名)とその個数とを示す見出しが表示されている。景品交換画面41におけるこの見出しの下に、計数データの範囲内で交換可能な景品の種類(景品名であり、図5Bでは、チョコ、タバコ、ジュース)が表示される。交換可能な景品の種類は、店員が景品交換画面41を見ながら客に口頭で伝えてもよいし、客側表示部16(図1参照)に表示されることで客に報知されてもよい。なお、このとき、景品交換画面41に景品の種類が表示されなくてもよく、そうであれば、景品交換画面41の表示がすっきりする。
【0037】
そして、客から店員に対して、交換可能な景品の中から希望する景品名が伝えられ、店員が、キーボード7において、該当する景品名が記された一般景品選択キー9を押すことで、景品(景品名)を選択する(図2参照)。他の例として、景品に付されたバーコードをバーコードリーダ6(図2参照)でスキャンすることや、タッチパネルスイッチ15を操作すること等によって一般景品を選択してもよい。
【0038】
図4を参照して、このような景品選択があると(ステップS3でYES)、制御部30は、計数データの範囲内で、選択された景品の交換可能個数を算出する(ステップS4)。たとえば、図5Bの場合には、計数データが543玉であって、一般景品としてチョコが選択され、チョコ1つと交換するのに必要なパチンコ玉数が36玉である場合、543玉を36玉で割って得た整数値(15)が交換可能個数となる。
【0039】
そして、図4を参照して、制御部30は、選択された景品の景品名、および、ステップS4で算出した交換可能個数を店側表示部14に表示する(ステップS5)。具体的には、制御部30は、景品交換画面41の上に重なるようにポップアップ画面43を表示する。図5Cには、ポップアップ画面43が表示された状態が示されている。図5Cのポップアップ画面43では、選択景品表示欄50、交換可能個数選択欄51、選択中止キー52が、上からこの順番で表示されている。
【0040】
選択景品表示欄50には、「選択景品」という見出しと、選択された景品名(ここでは、チョコ)とが左右に並んで表示されている。
交換可能個数選択欄51には、「交換個数選択」という見出しの下に、交換可能個数が記された複数の(交換可能)個数ボタン60が表示されている。個数ボタン60の最大表示数は、任意に設定でき、図5Cでは、5つの個数ボタン60が左右に並んで表示されている。左端の個数ボタン60には、交換可能個数のうち最も小さな値(つまり、「1個」)が記されていて、右側の個数ボタン60に移るに従って、個数ボタン60に記された交換可能個数の値が1つずつ大きくなっている。そのため、交換可能個数が5個以上あれば、左から5つ目の右端の個数ボタン60には、「5個」という交換可能個数が記され、6個以上の交換可能個数を記す個数ボタン60は表示されない。
【0041】
そこで、交換可能個数選択欄51において、たとえば、見出し(「交換個数選択」という見出し)と個数ボタン60とによって上下に挟まれた位置には、交換可能個数の最大値が表示される。図5Cでは、「最大15個の交換が可能です」というメッセージによって、交換可能個数の最大値を表示している。このように、制御部30がポップアップ画面43において表示する景品の個数(交換可能個数)には、交換可能な最大個数の表示が含まれる。
【0042】
交換可能個数選択欄51に表示されたいずれかの交換可能個数(図5Cの場合、たとえば「5個」)を、実際に交換したい景品の個数(交換個数)として選択したい場合には、該当する交換可能個数が記された個数ボタン60を押圧すると、その交換可能個数を交換個数として選択できる。一方、個数ボタン60で表示されていない交換可能個数(図5Cの場合、たとえば「7個」)を交換個数として選択したい場合には、テンキー8(図2参照)の該当する数字キー(ここでは、「7」のキー)を押圧すると、その交換可能個数を交換個数として選択できる。交換個数の選択がなされると、ポップアップ画面43が消え、選択された景品の景品名および個数(交換個数)が、景品名毎に景品交換画面41に上から順番に表示される(図5G参照)。
【0043】
なお、交換可能個数が個数ボタン60の最大表示数(ここでは、5個)より少ない場合には、交換可能個数分(たとえば、「1個」および「2個」の2つだけ)の個数ボタン60は、交換可能個数選択欄51に表示される。
このように、店側表示部14の景品交換画面41に表示されたいずれかの景品の中から、交換する景品の種類(図5B参照)が特定されたことに応答して、制御部30は、計数データの範囲内で交換可能な当該景品の個数(景品可能個数)を示す個数ボタン60を、店側表示部14にポップアップ画面形式で表示する。つまり、客の計数データに応じた景品の交換可能個数が景品管理装置2側で算出されて自動的に店側表示部14に表示されるので、店員は、交換可能個数を暗算せずに済み、店側表示部14に表示された交換可能個数の範囲内で、個数ボタン60(またはテンキー8)によって景品の交換個数を景品管理装置2に入力できる。そのため、交換可能個数を上回る交換個数を景品管理装置2に入力してエラーが生じることはない。以上の結果、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の向上を図ることができるとともに、暗算やエラー解除処理がなくなるので景品交換業務のスピードアップを図ることができる。
【0044】
また、交換可能個数がポップアップ画面43によって目立つように表示されるので、店員は、ポップアップ画面43の個数ボタン60を見ることで、交換可能個数を容易に把握できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。さらに、店員は、個数ボタン60を選択して押圧することで、景品の交換個数を景品管理装置2に確実に入力できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0045】
また、制御部30が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示(図5Cでは、「最大15個の交換が可能です」というメッセージの表示)が含まれるので、店員は、この表示から景品の交換可能個数の最大値(最大交換可能個数)を速やかに把握できる。これにより、店員が、この最大値を上回る交換個数を景品管理装置2に入力してエラーが生じることを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0046】
なお、表示された複数の個数ボタン60のうち、たとえば、交換可能個数が最も小さい左端の個数ボタン60が、ポップアップ画面43が表示された直後のデフォルトの段階において、強調表示されていてもよい。図5Cでは、「1個」と記された個数ボタン60の輪郭を太くすることで、この個数ボタン60がデフォルトの段階で強調表示されている。この状態では、前述した交換個数の選択は、なされていない。この状態で、別の個数ボタン60やテンキー8を押圧すると、当該別の個数ボタン60やテンキー8で指定した交換個数が選択され、ポップアップ画面43が消える。一方、この状態で、別の一般景品選択キー9(図2参照)を押圧すると、今回強調表示されていた個数ボタン60の交換個数が選択されるとともにポップアップ画面43が消え、当該別の一般景品選択キー9の景品についてのポップアップ画面43が新たに表示される。なお、デフォルトの段階において、強調表示されている個数ボタン60は、いずれも個数ボタン60でもよく、任意に設定可能である。
【0047】
選択中止キー52は、選択景品表示欄50に表示された景品(図5Cでは、チョコ)の選択を中止したいときに押される。選択中止キー52が押されると、選択景品表示欄50の景品の選択がキャンセルされ、ポップアップ画面43が消える。
ポップアップ画面43の表示内容は、設定により、適宜変更できる。たとえば、交換可能個数が個数ボタン60の最大表示数より大きい場合には、図5Dに示すように、右端の個数ボタン60に、交換可能個数の最大値を記しておき、その上に、この個数ボタン60に記された交換可能個数が最大値であることを示すマーク53を表示していてもよい。図5Dのマーク53は、<最大>というマークである。図5Dの場合においても、制御部30がポップアップ画面43で表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれる。また、図5Dでは、ポップアップ画面43が表示された直後のデフォルトの段階において、右端の個数ボタン60が強調表示されている。
【0048】
ここで、一般景品には、店の都合により、交換可能個数に制限数(交換制限数)が設けられた種類の景品がある。この種類の景品(「制限景品」という)は、交換可能個数が交換制限数を上回っていた場合には、交換制限数の範囲内でしかパチンコ玉と交換できない。たとえば、タバコが制限景品であって、その交換制限数が10個である場合には、ポップアップ画面43では、図5Eに示すように、タバコが交換制限数10個の制限景品であることを示すメッセージ54が、たとえば選択景品表示欄50と交換可能個数選択欄51との間に表示される。どの景品が制限景品であるかということと、その制限景品の交換制限数とは、任意に設定可能である。
【0049】
制限景品の場合であっても、個数ボタン60が最大表示数(ここでは、5個)の範囲内で交換可能個数選択欄51に表示される。交換可能個数が個数ボタン60の最大表示数より多ければ、交換可能個数の最大値を示すメッセージ(図5Eでは、「最大10個の交換が可能です」というメッセージ)が表示される。ただし、制限景品の場合には、算出された交換可能個数が交換制限数を上回っていても、交換可能個数は、強制的に交換制限数(ここでは、10個)となる。
【0050】
このように、一般景品選択キー9(図2参照)で特定(選択)された景品が制限景品の場合には、制御部30がポップアップ画面43において表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれる。そのため、店員は、店側表示部14の表示(図5Eでは、メッセージ54の表示)から交換制限数を速やかに把握できる。これにより、店員が、交換制限数を上回る交換個数を景品管理装置2に入力して、余分に制限景品を客に払い出してしまうことを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0051】
制限景品の場合であっても、図5Fに示すように、右端の個数ボタン60に、交換可能個数の最大値を記しておき、その上に、この個数ボタン60に記された交換可能個数が最大値であることを示すマーク53を表示してもよい。ただし、算出された交換可能個数が交換制限数を上回っていれば、右端の個数ボタン60に記される交換可能個数の最大値は、強制的に交換制限数となる。
【0052】
つまり、制限景品の場合、制御部30は、計数データによって交換可能なその制限景品の個数の上限数(最大交換可能個数)と交換制限数とを比較して、最大交換可能個数および交換制限数のうち、少ない方を、交換可能な最大個数(前記最大値)として右端の個数ボタン60や、前述したメッセージ(図5Eの「最大10個の交換が可能です」というメッセージ)で表示する。そのため、交換制限数が設けられた景品の場合には、店員は、交換制限数を上回らない範囲で、正しい値の最大個数を景品管理装置2に入力できるので、使い勝手がよい。
【0053】
また、最大値の実際の数値を個数ボタン60に表示するのではなく、最大値であることを示す記号(たとえば、「MAX」という文字)を右端の個数ボタン60に表示してもよい。この個数ボタン60を押せば、最大値の個数の景品と交換ができる。ただし、この最大値とは、交換制限数がない景品であれば、客の現時点での計数データと交換できる当該景品の最大個数であり、交換制限数がある制限景品であれば、前記最大個数および交換制限数のうち、少ない方の値である。
【0054】
そして、制御部30は、図4を参照して、選択された景品の景品名と、算出した交換可能個数とをポップアップ画面43によって店側表示部14に表示してから(ステップS5)、店員が個数ボタン60やテンキー8を押すことによって景品の交換個数の選択があったか否かを監視する(ステップS6)。
交換個数の選択があった場合(ステップS6でYES)、制御部30は、選択された個数が交換可能個数以下であるか否かを確認する(ステップS7)。一方、交換個数の選択がなく、前述した選択中止キー52(図5C〜図5F参照)が押されて景品選択自体がキャンセルされた場合(ステップS6でNO,ステップS8でYES)、制御部30は、ステップS3に戻り、一般景品選択キー9(図2参照)による新たな景品選択を待つ。
【0055】
そして、選択された個数が交換可能個数以下であれば(ステップS7でYES)、制御部30は、今回選択された景品の景品名および個数を、図5Gに示すように、店側表示部14の景品交換画面41に表示する(ステップS9)。なお、選択された景品についての情報(景品名および個数)を客側表示部16(図1参照)にも表示してもよい。
また、図4を参照して、ステップS9では、制御部30は、選択された景品の在庫数を、選択された個数だけ減らして、その景品についての在庫を更新する。
【0056】
また、ステップS9において、制御部30は、選択された交換個数に、選択された景品1個を交換するのに必要なパチンコ玉数を乗じ、そこで得た値を計数データから差し引くことで、残玉数を算出する。そして、制御部30は、算出した残玉数を、景品交換画面41において「玉数」という見出しの右側に表示する(図5G参照)。この見出しの右側には、当初は計数データが表示されているので(図5B参照)、景品が選択されるのに応じて、この計数データが更新されて残玉数へと書き換えられる。
【0057】
そして、制御部30は、残玉数が所定数以下であるか否かを確認する(ステップS10)。
残玉数が前記所定数よりも大きければ(ステップS10でNO)、制御部30は、残玉数について景品選択があるか否かを確認し(ステップS11)、景品選択があれば(ステップS11でYES)、残玉数について、ステップS4以降の処理を実施する。そのため、別の景品が選択されると、その景品の交換可能個数が残玉数の範囲内で算出され(ステップS4)、その景品の景品名および交換可能個数がポップアップ画面43(図5C〜図5F参照)によって表示される(ステップS5)。そして、ポップアップ画面43に表示された景品可能個数に基づいて、その景品の交換個数が選択されると(ステップS6およびステップS7でYES)、新たに選択された景品の景品名および個数が、景品交換画面41に追加で表示されるとともに(図5G参照)、再び残玉数が算出され、さらに、当該景品についての在庫が更新される(ステップS9)。
【0058】
なお、選択された景品の名前(種類)が多い場合には、景品交換画面41において、選択された全ての景品名および個数を一度に見ることができない。そのため、景品交換画面41の右端にスクロールバー42が設けられていて、このスクロールバー42で景品交換画面41を上下にスクロールすることによって、選択された全ての景品名および個数を順に見ることができる(図5G参照)。
【0059】
そして、残玉数が所定数以下になれば(ステップS10でYES)、制御部30は、これまでに選択された景品について景品交換処理を行う(ステップS12)。なお、所定数以下の残玉数については、残玉数分のパチンコ玉が客に返却されてもよいし、所定数以下の残玉数と引き換えに、専用の景品(たとえば、飴玉等)が客に渡されてもよい。
また、残玉数が前記所定数よりも多いにもかかわらず(ステップS10でNO)、景品選択がなければ(ステップS11でNO)、制御部30は、この場合においても、これまでに選択された景品について景品交換処理を行う(ステップS12)。
【0060】
景品交換処理の際、店員は、景品交換画面41を見ながら、景品交換画面41に表示された景品名の景品(図5G参照)を、棚T(図1参照)から交換個数分だけ取り出し、これらの景品を揃えて客に払い出す。
制御部30は、景品交換処理として、ICカードリーダ5(図2参照)に指令を出して、ICカードリーダ5にセットされたカードCに記録されている計数データ(図5Bでいう543玉)を、最終的な残玉数(図5Gでいう2玉)に書き換える。
【0061】
なお、計数データが、カードCのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている場合には、制御部30は、景品交換処理として、データベースに記憶されている計数データを書き換える旨の指令をターミナルコンピュータに送信する。この指令を受けたターミナルコンピュータは、データベースにおいて該当する計数データ(図5Bでいう543玉)を、最終的な残玉数(図5Gでいう2玉)に書き換える。
【0062】
そして、景品交換処理の後、ICカードリーダ5からカードCが取り外されると、一連の景品交換に係る取引が終了する。
一方、ステップS7において、ポップアップ画面43(図5C〜図5F参照)で選択された交換個数が交換可能個数を上回っていた場合(ステップS7でNO)、制御部30は、店側表示部14に警告画面55を表示する(ステップS13)。警告画面55は、図5Hに示すように、ポップアップ画面43の上に重ねて表示される。警告画面55では、警告メッセージ56、第1キー57、第2キー58、第3キー59が上からこの順番で表示される。
【0063】
警告メッセージ56には、計数データまたは残玉数が、どれだけ不足しているのかが記されている。たとえば、パチンコ玉が5個足りない場合、図5Hに示すように、「選択した景品の交換に必要な玉(メダル)が5個不足しています」という警告メッセージ56が表示される。
第1キー57は、選択した交換個数を交換可能個数まで減らす場合に押される。そのため、第1キー57には、「最後に選択した景品の個数を修正」というメッセージが記されているとともに、修正後の交換個数(交換可能個数の最大値であり、図5Hでは「2個」)も記されている。なお、交換可能個数が0(零)の場合には、第1キー57は表示されない。
【0064】
第2キー58は、選択した景品を他の景品に変えたい場合に押される。そのため、第2キー58には、「最後に選択した景品を他の景品に変える」というメッセージが記されている。なお、第2キー58には、前記メッセージとともに、選択可能な景品名の一覧が記されていてもよい。
第3キー59は、今まで実施した景品選択全体を一旦キャンセルして最初から景品選択をやり直す場合に押される。そのため、第3キー59には、「景品選択を最初からやり直す」というメッセージが記されている。
【0065】
警告画面55が表示されると、店員は、客の要望を受けて、第1キー57、第2キー58および第3キー59のいずれかを押す。
図4を参照して、制御部30は、第1キー57(図5H参照)が押された場合、つまり、交換可能個数を上回る交換個数が選択された景品について、景品自体の変更がない場合には(ステップS14でNO)、選択された個数を、交換可能個数へと修正する(ステップS15)。また、このとき、制御部30は、店側表示部14から警告画面55およびポップアップ画面43(図5H参照)を削除する。そして、制御部30は、修正された交換個数に基づいて、ステップS9以降の処理を行う。
【0066】
一方、第1キー57以外の第2キー58および第3キー59(図5H参照)のいずれかが押されて景品の変更がある場合には(ステップS14でYES)、制御部30は、第2キー58および第3キー59のどちらかが押されたのか、つまり、最後に選択された景品だけを変更するのか否かを確認する(ステップS16)。
第2キー58(図5H参照)が押されることで、最後に選択された景品だけが変更される場合(ステップS16でYES)、制御部30は、最後に選択された景品についてキャンセルされたものとして、ステップS3以降の処理を行う。具体的には、第2キー58が押されると、制御部30は、店側表示部14から警告画面55およびポップアップ画面43(図5H参照)を削除する。そして、制御部30は、キャンセルされた最後の景品以前に選択されていた景品名および個数は景品交換画面41に表示したまま(図5G参照)、キャンセルされた景品とは異なる景品が新たに選択されたか否かを監視する(ステップS3)。
【0067】
第3キー59(図5H参照)が押されることで、今までの景品選択が全てキャンセルされた場合(ステップS16でNO)、制御部30は、キャンセル処理として、景品交換画面41に表示されていた全ての景品名および個数を削除するとともに、残玉数を当初の計数データに書き換える(ステップS17)。これにより、景品交換画面41は、ICカードリーダ5がカードCから計数データを読み出した直後の状態に戻る(図5B参照)。
【0068】
選択された交換個数が交換可能個数を上回っていた場合には、このように、第1キー57、第2キー58および第3キー59によって、取り得る全ての選択肢が店側表示部14に自動的に表示されるので、店員自身が当該選択肢を考える手間を省くことができ、その分、円滑な取引が可能になる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0069】
たとえば、前述した計数データや残玉数が所定数以下の極めて少ない値である場合には、交換可能個数の最大値は、せいぜい1〜2個程度である。この場合、制御部30は、ポップアップ画面43を店側表示部14に出さず、算出した交換可能個数の最大値を、客が選んだ交換個数であると自動的に判断してもよい。
【符号の説明】
【0070】
2 景品管理装置
5 ICカードリーダ
6 バーコードリーダ
7 キーボード
14 店側表示部
15 タッチパネルスイッチ
30 制御部
60 個数ボタン
C カード
【技術分野】
【0001】
この発明は、遊技店舗に設置され、景品と遊技媒体との交換に基づく交換実績収集を行うための景品管理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
遊技店舗には、客が獲得した遊技媒体(たとえば、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタが設けられている。客は、獲得したパチンコ玉の数(獲得数)を記録したレシートやカードを景品カウンタに持ち込む。景品カウンタには、景品管理装置が設置されている(たとえば、特許文献1参照)。
景品管理装置は、景品と遊技媒体との交換による景品払出しおよび景品の在庫を管理している。景品管理装置は、客のレシートやカードから獲得数を読み取ることができる。景品管理装置が獲得数を読み取った後に、遊技店舗の店員が、客が所望する種類の景品を選択し、景品の個数を景品管理装置に入力すると、景品管理装置は、該当する景品を客に払い出すときに、その景品と交換するのに必要なパチンコ玉数を客の獲得数から差し引くとともに、景品の在庫を更新する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−22508号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
通常、店員は、客の獲得数から、客が所望する景品の交換可能個数を暗算して、景品管理装置に入力する。そのため、暗算を間違えて、本来の交換可能個数を上回る個数を景品管理装置に入力してしまうことがある。この場合、エラーとなり、景品管理装置は、入力された個数を受け付けない。すると、店員は、景品の交換可能個数を再度暗算しなければならない。また、景品には、その種類に応じて、交換可能個数に制限数(上限)が予め定められているものがあり、店員が、それに気付かず、制限数を上回る個数を景品管理装置にうっかり入力してしまうことがある。
【0005】
このように店員が交換可能個数を考えて景品管理装置に入力する構成では、店員にとって、交換可能個数を暗算したり、暗算を間違えたときに再度暗算したり、制限数を考慮したりしなければならないので、使い勝手が悪い。
この発明は、かかる背景のもとでなされたもので、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の向上を図ることができる景品管理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1記載の発明は、遊技店舗に設置され、遊技媒体と景品との交換処理を行う装置であって、少なくとも、店舗の店員の確認および操作のために必要な種々のデータを表示するための表示部と、演算処理を行うための処理部と、前記処理部に接続され、店員が入力操作を行うための入力操作部と、客の有する遊技媒体数が関連付けられている記憶媒体を読み取り可能な読取部と、を有する景品管理装置において、前記読取部で読み取った記憶媒体から客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を前記表示部に表示する交換可能個数表示制御手段を含むことを特徴とする、景品管理装置である。
【0007】
請求項2記載の発明は、前記交換可能個数表示制御手段は、前記表示部にポップアップ画面形式で交換可能な個数ボタンを表示することを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置である。
請求項3記載の発明は、前記表示部は、表示部上に積層されたタッチパネルスイッチを含み、前記ポップアップ画面形式で表示された交換可能個数ボタンを押圧することにより、前記入力操作部として機能することを特徴とする、請求項2記載の景品管理装置である。
【0008】
請求項4記載の発明は、前記交換可能個数表示制御手段が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
請求項5記載の発明は、前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記交換可能個数表示制御手段が表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
【0009】
請求項6記載の発明は、前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数の上限数と前記交換制限数とを比較して、前記上限数および前記交換制限数のうち、少ない方を、交換可能な最大個数として前記表示部に表示する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置である。
【発明の効果】
【0010】
請求項1記載の発明によれば、景品管理装置では、表示部が店員に対して必要な種々のデータを表示し、処理部が演算処理を行う。処理部に接続された入力操作部によって、店員が景品管理装置に入力操作を行うことができる。客の有する遊技媒体数が関連付けられている記憶媒体は、読取部によって読み取られる。
景品管理装置では、交換可能個数表示制御手段が、読取部で読み取った記憶媒体から客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を表示部に表示する。
【0011】
これにより、客の遊技媒体数に応じた景品の交換可能個数が景品管理装置側で算出されて自動的に表示部に表示されるので、店員は、交換可能個数を暗算せずに済み、表示部に表示された交換可能個数の範囲内で、景品の交換個数を景品管理装置に入力できる。そのため、交換可能個数を上回る交換個数を景品管理装置に入力してエラーが生じることはない。
【0012】
以上の結果、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の向上を図ることができる。
請求項2記載の発明によれば、交換可能個数表示制御手段は、表示部にポップアップ画面形式で交換可能な個数ボタンを表示する。つまり、景品の交換可能個数がポップアップ画面によって目立つように表示されるので、店員は、ポップアップ画面の個数ボタンを見ることで、交換可能個数を容易に把握できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0013】
請求項3記載の発明によれば、表示部は、表示部上に積層されたタッチパネルスイッチを含み、ポップアップ画面形式で表示された交換可能個数ボタンを押圧することにより、入力操作部として機能する。これにより、店員は、交換可能個数ボタンを選択して押圧することで、景品の交換個数を景品管理装置に確実に入力できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0014】
請求項4記載の発明によれば、交換可能個数表示制御手段が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれるので、店員は、この表示から景品の交換可能個数の最大値を速やかに把握できる。これにより、店員が、この最大値を上回る交換個数を景品管理装置に入力してエラーが生じることを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0015】
請求項5記載の発明によれば、特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、交換可能個数表示制御手段が表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれるので、店員は、表示部の表示から交換制限数を速やかに把握できる。これにより、店員が、交換制限数を上回る交換個数を景品管理装置に入力してしまうことを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0016】
請求項6記載の発明によれば、特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、景品管理装置では、遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数の上限数と交換制限数とが比較されて、上限数および交換制限数のうち、少ない方が、交換可能な最大個数として表示部に表示される。そのため、交換制限数が設けられた景品の場合には、店員は、交換制限数を上回らない範囲で、正しい値の最大個数を景品管理装置に入力できるので、使い勝手がよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
【図2】図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【図3】図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図4は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。
【図5A】図5Aは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5B】図5Bは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5C】図5Cは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5D】図5Dは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5E】図5Eは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5F】図5Fは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5G】図5Gは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【図5H】図5Hは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下には、図面を参照して、この発明の実施形態について具体的に説明する。
図1は、遊技店舗内の景品カウンタKを示す模式的な斜視図である。
図1を参照して、たとえばパチンコ店などの遊技店舗には、遊技台での遊技によって獲得したパチンコ玉やメダル等の遊技媒体(ここでは、パチンコ玉)を景品に交換するための景品カウンタKが設けられている。景品カウンタKの背後には、棚Tが配置されていて、棚Tには、タバコやお菓子やジュース等のいわゆる一般景品が陳列されている。遊技店舗の店員は、景品カウンタKと棚Tとの間に立って接客を行う。
【0019】
景品カウンタK上には、景品払出装置1と、景品管理装置2とが配置されている。
ここで、景品には、前述した一般景品の他に、貴金属等の有価物が内蔵されたカード状の特殊景品がある。景品払出装置1は、内蔵した特殊景品を客に払い出すものである。
景品管理装置2は、POSとも呼ばれる。景品管理装置2は、通信回線(図示せず)を介して、景品払出装置1や遊技店舗内のターミナルコントローラ(図示せず)に対して通信可能に接続されている。
【0020】
景品管理装置2は、景品(一般景品および特殊景品を含む)の在庫を管理している。そして、景品管理装置2は、客が獲得したパチンコ玉と景品との交換処理を行う機能を主に有している。
景品管理装置2の機能の概略を説明すると、まず、客が獲得したパチンコ玉は、計数機(図示せず)によって計数され、その計数データであるパチンコ玉の獲得数(遊技媒体数)は、レシートやカード(ここでは、カード)等の遊技媒体数記憶媒体に記憶される。カードとして、磁気カードやICチップを備えたICカード(ここでは、ICカード)が挙げられる。カード自体に計数データが記憶されてもよいし、各カードに割り振られたID(識別番号)に関連付けて、計数データがターミナルコントローラ(図示せず)内のデータベースに記憶されてもよい。いずれにせよ、客の有する計数データは、カードやレシートに関連付けられている。
【0021】
なお、データベース(図示せず)では、当日獲得されたパチンコ玉(いわゆる「持玉(もちだま)」)の数に限らず、遊技店舗に会員登録している会員客が前日以前に獲得したパチンコ玉(いわゆる「貯玉(ちょだま)」)の数も計数データとして管理している。また、計数データがレシートに記憶(記録)される場合には、計数データを示すバーコードがレシートに印刷される。
【0022】
客は、このカードを景品カウンタKに持ち込む。景品管理装置2は、持ち込まれたカードに記憶された計数データを読み取ったり、このカードのIDに関連付けられた計数データをターミナルコントローラのデータベース(図示せず)から呼び出したりすることで、このカードの持ち主(客)の計数データを取得する。
そして、一般景品の場合、計数データ(パチンコ玉の獲得数)の範囲内で交換可能な一般景品が選択されると、店員によって一般景品が客に払い出されるとき等に、景品管理装置2は、払い出された一般景品について在庫を更新する。特殊景品の場合、計数データの範囲内で交換可能な特殊景品が選択されると、景品管理装置2は、景品払出装置1に対して特殊景品の払い出し指示を送信するとともに、払い出す特殊景品について在庫を更新する。景品払出装置1は、景品管理装置2からの指示に沿って特殊景品を客に払い出す。
【0023】
景品の在庫の更新は、景品とパチンコ玉との交換に基づく交換実績であり、景品交換が繰り返されることで、景品管理装置2は、景品の在庫の更新を繰り返して交換実績収集を行う。
次に、景品管理装置2の詳細について説明する。
図2は、景品管理装置2を示す斜視図である。
【0024】
図2は、景品カウンタKにいる店員から見たときの景品管理装置2を示している。
図2を参照して、景品管理装置2は、本体3と、ディスプレー4と、ICカードリーダ5(読取部)と、バーコードリーダ6(読取部)とを備えている。
本体3は、上下に扁平なボックス形状である。本体3の上面には、キーボード7(キーボード入力装置、入力部)が設けられている。キーボード7は、店員が景品管理装置2にデータ信号を入力する(入力操作する)ための入力操作部を構成する。キーボード7は、テンキー8と、一般景品選択キー9とを主に含んでいる。一般景品選択キー9は、多数設けられていて、それぞれの表面には、いずれかの一般景品の名前、または、その景品と交換するのに必要なパチンコ玉(メダル)の個数が記されている。キーボード7を操作することによって所望の指示や情報を景品管理装置2に入力できるので、使い勝手がよい。
【0025】
また、本体3の上面において、キーボード7以外の領域には、モード切換部10と、用紙排出口11とが設けられている。
モード切換部10は、本体3の上面に露出される位置に鍵穴10Aが形成されたシリンダー錠である。鍵穴10Aに専用の鍵(図示せず)を差し込んでモード切換部10を所定角度だけ回動させることによって、景品管理装置2の運転モードを、景品交換を行う景品交換モードや、景品交換モード以外のモードに切り換えることができる。景品交換モード以外のモードとして、景品管理装置2における設定内容を変更する設定モードや、会員客の登録内容等を変更する会員処理モードや、景品の在庫集計を行う集計モードや、在庫データの変更等を行う在庫処理モードや、在庫データ等のクリアを行うクリアモード等がある。モード切換部10は、店員がモード切換のための信号を景品管理装置2に入力する(入力操作する)ための入力操作部を構成する。
【0026】
用紙排出口11は、細長いスリット状である。たとえば、景品の在庫集計を行ったときに、用紙排出口11には、集計結果を記載した用紙が本体3の内部から排出される。
本体3において、図2における手前側端面には、電源スイッチ12とメディア差込口13とが設けられている。電源スイッチ12を操作することによって、景品管理装置2の電源をオン/オフすることができる。メディア差込口13は、奥側へ窪むU字をなすスリット状である。景品管理装置2内のデータを外部に持ち出す場合、または、外部のデータを景品管理装置2に取り込みたい場合には、データを記憶したメディア(図示せず)がメディア差込口13に対して抜き差しされる。
【0027】
ディスプレー4は、板状であり、図2における姿勢を基準として、本体3の奥側端部から奥側上方ヘ傾斜して延びている。ディスプレー4において、図2における手前側の側面には、略矩形状の店側表示部14が設けられている。店側表示部14は、液晶表示器であり、その上には、透明なタッチパネルスイッチ15が積層されている。タッチパネルスイッチ15は、店側表示部14に含まれる。店側表示部14は、景品カウンタKの店員側を臨んでいる。店側表示部14には、店舗の店員の確認および操作のために必要な種々のデータが表示される(後述する)。また、タッチパネルスイッチ15には各種ボタンやキー(後述する)が表示され、タッチパネルスイッチ15は、店員によって入力操作される入力操作部として機能する。
【0028】
本体3およびディスプレー4において、図2における奥側の側面には、客側表示部16が設けられている(図1も参照)。客側表示部16は、たとえば液晶のタッチパネルであり、景品カウンタKに来た客側を臨んでいる。客側表示部16には、客向けの情報が表示される。
ICカードリーダ5は、たとえば、図2に示すような平板形状である。ICカードリーダ5は、電気ケーブル17を介して本体3に対して電気的に接続されている。前述した客のカード(ICカード)Cは、客自身または客からカードCを預かった店員によってICカードリーダ5の上面に載置されることで、ICカードリーダ5にセットされる。ICカードリーダ5は、カードCのICチップを認識することで、カードCがセットされたことを認識し、セットされたカードCを読み取る。カードCの読み取りに関し、具体的には、ICカードリーダ5は、カードCのICチップに記憶された(関連付けられた)客の計数データを読み出して本体3に入力する。また、ICカードリーダ5は、ICチップ内のデータを書き換えることもできる。なお、ICカードリーダ5は、カードCが載置される平板形状に限らず、カードCを差し込むことができるホルダ(ボックス)形状であってもよい。
【0029】
バーコードリーダ6は、把持できるグリップ形状であり、その先端部に、バーコードを読み取るためのバーコード読取部18を有している。バーコードリーダ6は、電気ケーブル19を介して本体3に対して電気的に接続されている。計数データが記憶されたレシートのバーコードをバーコードリーダ6で読み取ることによって、計数データを本体3に入力することができる。
【0030】
なお、キーボード7のテンキー8を操作することによっても、計数データを本体3に入力することができる。
図3は、景品管理装置2の電気的構成を示すブロック図である。
図3を参照して、景品管理装置2の本体3は、制御部30(処理部、交換可能個数表示制御手段)を備えている。制御部30は、CPUおよびそのプログラム等を記憶したメモリ(ROM、RAM等)を備えており、プログラムに従って演算処理等の所定の処理を実行する。制御部30のメモリには、遊技店舗で取り扱われる景品の在庫(景品毎の在庫数)が記憶されている。
【0031】
制御部30には、前述した店側表示部14、客側表示部16、電源スイッチ12、モード切換部10、キーボード7、ICカードリーダ5およびバーコードリーダ6と、計時を行う計時部31(計時手段)とが電気的に接続されている。
ICカードリーダ5は、セットされたカードCのICチップに記憶された計数データを読み出して制御部30へ出力する。モード切換部10およびキーボード7を操作すると、制御部30に対して信号が入力される。
【0032】
また、制御部30は、店側表示部14および客側表示部16のそれぞれにおける表示を制御する。
図4は、景品管理装置2によって実行される処理の手順を示すフローチャートである。図5A〜図5Hは、景品管理装置2の店側表示部14の表示の一例を示す図である。
次に、図4および図5A〜図5Hを参照して、景品管理装置2によって実行される処理について説明する。以下では、計数データ分(獲得数分)のパチンコ玉を一般景品に交換する場合を想定している。
【0033】
まず、景品管理装置2が、景品交換モードにあって景品交換に係る処理が行われていない待機状態にある場合、店側表示部14には、図5Aに示すように、待機画面35および選択画面36が左右に並んで表示されている。待機画面35は、四角形状の画面であり、その上端部に、「待機画面」というタイトルが表示されているだけで、タイトル以外に何も示されていない。選択画面36は、待機画面35の右隣に表示される上下に長手の長方形状の画面であり、その中には、たとえば、決定キー37、取消キー38、終了キー39およびメニューキー40が上下に並んで表示されている。選択した内容を決定する場合に決定キー37が押され、選択した内容を取り消す場合に取消キー38が押され、景品管理装置2における取引全体を終了する場合に終了キー39が押され、予め用意されたメニューを閲覧したい場合にメニューキー40が押される。なお、決定キー37、取消キー38、終了キー39およびメニューキー40は、店側表示部14の画面上でなく、キーボード7(図2参照)に設けられてもよい。
【0034】
図4を参照して、待機状態において、制御部30(図3参照)は、ICカードリーダ5にカードCがセットされてICカードリーダ5がカードCを読み取ってカードCから客の計数データを受け付けたか否かを監視している(ステップS1)。なお、このとき、制御部30は、バーコードリーダ6(図2参照)がレシート(図示せず)のバーコードを読み取ることでレシートから計数データを受け付けたか否かも監視している。さらに、計数データが、カードCのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている場合には、制御部30は、ICカードリーダ5によってカードCから読み取ったIDをデータベースに問い合わせて、当該IDの計数データをデータベースから受け付けることができたか否かを監視している(ステップS1)。
【0035】
ICカードリーダ5がカードCから計数データを受け付けたり、バーコードリーダ6がレシート(図示せず)から計数データを受け付けたり、データベースから計数データを受け付けたりすることで、制御部30がカードCやレシートやデータベースから客の計数データを取得すると(ステップS1でYES)、制御部30は、店側表示部14に、取得した計数データ(パチンコ玉の獲得数)と、その計数データによって(計数データの範囲内で)交換可能な景品の種類とを表示する(ステップS2)。このように、カードCをICカードリーダ5にセットすれば、カードCに記憶された計数データを景品管理装置2が簡単に取得できるので、使い勝手がよい。
【0036】
図5Bは、ICカードリーダ5にカードCがセットされた直後において計数データと景品の種類とが店側表示部14に表示された状態を示している。詳しくは、ICカードリーダ5にカードCがセットされると、待機画面35(図5A参照)の代わりに景品交換画面41が表示される。景品交換画面41は、待機画面35と同じ大きさの画面であり、その上端部に、「景品交換画面」というタイトルが表示されるとともに、タイトルの真下に、獲得数が表示される。図5Bでは、「玉数」という見出しの右側に、計数データ「543玉」が表示されている。景品交換画面41において計数データの真下には、これから交換される景品の名前(景品名)とその個数とを示す見出しが表示されている。景品交換画面41におけるこの見出しの下に、計数データの範囲内で交換可能な景品の種類(景品名であり、図5Bでは、チョコ、タバコ、ジュース)が表示される。交換可能な景品の種類は、店員が景品交換画面41を見ながら客に口頭で伝えてもよいし、客側表示部16(図1参照)に表示されることで客に報知されてもよい。なお、このとき、景品交換画面41に景品の種類が表示されなくてもよく、そうであれば、景品交換画面41の表示がすっきりする。
【0037】
そして、客から店員に対して、交換可能な景品の中から希望する景品名が伝えられ、店員が、キーボード7において、該当する景品名が記された一般景品選択キー9を押すことで、景品(景品名)を選択する(図2参照)。他の例として、景品に付されたバーコードをバーコードリーダ6(図2参照)でスキャンすることや、タッチパネルスイッチ15を操作すること等によって一般景品を選択してもよい。
【0038】
図4を参照して、このような景品選択があると(ステップS3でYES)、制御部30は、計数データの範囲内で、選択された景品の交換可能個数を算出する(ステップS4)。たとえば、図5Bの場合には、計数データが543玉であって、一般景品としてチョコが選択され、チョコ1つと交換するのに必要なパチンコ玉数が36玉である場合、543玉を36玉で割って得た整数値(15)が交換可能個数となる。
【0039】
そして、図4を参照して、制御部30は、選択された景品の景品名、および、ステップS4で算出した交換可能個数を店側表示部14に表示する(ステップS5)。具体的には、制御部30は、景品交換画面41の上に重なるようにポップアップ画面43を表示する。図5Cには、ポップアップ画面43が表示された状態が示されている。図5Cのポップアップ画面43では、選択景品表示欄50、交換可能個数選択欄51、選択中止キー52が、上からこの順番で表示されている。
【0040】
選択景品表示欄50には、「選択景品」という見出しと、選択された景品名(ここでは、チョコ)とが左右に並んで表示されている。
交換可能個数選択欄51には、「交換個数選択」という見出しの下に、交換可能個数が記された複数の(交換可能)個数ボタン60が表示されている。個数ボタン60の最大表示数は、任意に設定でき、図5Cでは、5つの個数ボタン60が左右に並んで表示されている。左端の個数ボタン60には、交換可能個数のうち最も小さな値(つまり、「1個」)が記されていて、右側の個数ボタン60に移るに従って、個数ボタン60に記された交換可能個数の値が1つずつ大きくなっている。そのため、交換可能個数が5個以上あれば、左から5つ目の右端の個数ボタン60には、「5個」という交換可能個数が記され、6個以上の交換可能個数を記す個数ボタン60は表示されない。
【0041】
そこで、交換可能個数選択欄51において、たとえば、見出し(「交換個数選択」という見出し)と個数ボタン60とによって上下に挟まれた位置には、交換可能個数の最大値が表示される。図5Cでは、「最大15個の交換が可能です」というメッセージによって、交換可能個数の最大値を表示している。このように、制御部30がポップアップ画面43において表示する景品の個数(交換可能個数)には、交換可能な最大個数の表示が含まれる。
【0042】
交換可能個数選択欄51に表示されたいずれかの交換可能個数(図5Cの場合、たとえば「5個」)を、実際に交換したい景品の個数(交換個数)として選択したい場合には、該当する交換可能個数が記された個数ボタン60を押圧すると、その交換可能個数を交換個数として選択できる。一方、個数ボタン60で表示されていない交換可能個数(図5Cの場合、たとえば「7個」)を交換個数として選択したい場合には、テンキー8(図2参照)の該当する数字キー(ここでは、「7」のキー)を押圧すると、その交換可能個数を交換個数として選択できる。交換個数の選択がなされると、ポップアップ画面43が消え、選択された景品の景品名および個数(交換個数)が、景品名毎に景品交換画面41に上から順番に表示される(図5G参照)。
【0043】
なお、交換可能個数が個数ボタン60の最大表示数(ここでは、5個)より少ない場合には、交換可能個数分(たとえば、「1個」および「2個」の2つだけ)の個数ボタン60は、交換可能個数選択欄51に表示される。
このように、店側表示部14の景品交換画面41に表示されたいずれかの景品の中から、交換する景品の種類(図5B参照)が特定されたことに応答して、制御部30は、計数データの範囲内で交換可能な当該景品の個数(景品可能個数)を示す個数ボタン60を、店側表示部14にポップアップ画面形式で表示する。つまり、客の計数データに応じた景品の交換可能個数が景品管理装置2側で算出されて自動的に店側表示部14に表示されるので、店員は、交換可能個数を暗算せずに済み、店側表示部14に表示された交換可能個数の範囲内で、個数ボタン60(またはテンキー8)によって景品の交換個数を景品管理装置2に入力できる。そのため、交換可能個数を上回る交換個数を景品管理装置2に入力してエラーが生じることはない。以上の結果、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の向上を図ることができるとともに、暗算やエラー解除処理がなくなるので景品交換業務のスピードアップを図ることができる。
【0044】
また、交換可能個数がポップアップ画面43によって目立つように表示されるので、店員は、ポップアップ画面43の個数ボタン60を見ることで、交換可能個数を容易に把握できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。さらに、店員は、個数ボタン60を選択して押圧することで、景品の交換個数を景品管理装置2に確実に入力できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0045】
また、制御部30が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示(図5Cでは、「最大15個の交換が可能です」というメッセージの表示)が含まれるので、店員は、この表示から景品の交換可能個数の最大値(最大交換可能個数)を速やかに把握できる。これにより、店員が、この最大値を上回る交換個数を景品管理装置2に入力してエラーが生じることを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0046】
なお、表示された複数の個数ボタン60のうち、たとえば、交換可能個数が最も小さい左端の個数ボタン60が、ポップアップ画面43が表示された直後のデフォルトの段階において、強調表示されていてもよい。図5Cでは、「1個」と記された個数ボタン60の輪郭を太くすることで、この個数ボタン60がデフォルトの段階で強調表示されている。この状態では、前述した交換個数の選択は、なされていない。この状態で、別の個数ボタン60やテンキー8を押圧すると、当該別の個数ボタン60やテンキー8で指定した交換個数が選択され、ポップアップ画面43が消える。一方、この状態で、別の一般景品選択キー9(図2参照)を押圧すると、今回強調表示されていた個数ボタン60の交換個数が選択されるとともにポップアップ画面43が消え、当該別の一般景品選択キー9の景品についてのポップアップ画面43が新たに表示される。なお、デフォルトの段階において、強調表示されている個数ボタン60は、いずれも個数ボタン60でもよく、任意に設定可能である。
【0047】
選択中止キー52は、選択景品表示欄50に表示された景品(図5Cでは、チョコ)の選択を中止したいときに押される。選択中止キー52が押されると、選択景品表示欄50の景品の選択がキャンセルされ、ポップアップ画面43が消える。
ポップアップ画面43の表示内容は、設定により、適宜変更できる。たとえば、交換可能個数が個数ボタン60の最大表示数より大きい場合には、図5Dに示すように、右端の個数ボタン60に、交換可能個数の最大値を記しておき、その上に、この個数ボタン60に記された交換可能個数が最大値であることを示すマーク53を表示していてもよい。図5Dのマーク53は、<最大>というマークである。図5Dの場合においても、制御部30がポップアップ画面43で表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれる。また、図5Dでは、ポップアップ画面43が表示された直後のデフォルトの段階において、右端の個数ボタン60が強調表示されている。
【0048】
ここで、一般景品には、店の都合により、交換可能個数に制限数(交換制限数)が設けられた種類の景品がある。この種類の景品(「制限景品」という)は、交換可能個数が交換制限数を上回っていた場合には、交換制限数の範囲内でしかパチンコ玉と交換できない。たとえば、タバコが制限景品であって、その交換制限数が10個である場合には、ポップアップ画面43では、図5Eに示すように、タバコが交換制限数10個の制限景品であることを示すメッセージ54が、たとえば選択景品表示欄50と交換可能個数選択欄51との間に表示される。どの景品が制限景品であるかということと、その制限景品の交換制限数とは、任意に設定可能である。
【0049】
制限景品の場合であっても、個数ボタン60が最大表示数(ここでは、5個)の範囲内で交換可能個数選択欄51に表示される。交換可能個数が個数ボタン60の最大表示数より多ければ、交換可能個数の最大値を示すメッセージ(図5Eでは、「最大10個の交換が可能です」というメッセージ)が表示される。ただし、制限景品の場合には、算出された交換可能個数が交換制限数を上回っていても、交換可能個数は、強制的に交換制限数(ここでは、10個)となる。
【0050】
このように、一般景品選択キー9(図2参照)で特定(選択)された景品が制限景品の場合には、制御部30がポップアップ画面43において表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれる。そのため、店員は、店側表示部14の表示(図5Eでは、メッセージ54の表示)から交換制限数を速やかに把握できる。これにより、店員が、交換制限数を上回る交換個数を景品管理装置2に入力して、余分に制限景品を客に払い出してしまうことを確実に防止できる。そのため、景品の交換個数の入力に関して使い勝手の一層の向上を図ることができる。
【0051】
制限景品の場合であっても、図5Fに示すように、右端の個数ボタン60に、交換可能個数の最大値を記しておき、その上に、この個数ボタン60に記された交換可能個数が最大値であることを示すマーク53を表示してもよい。ただし、算出された交換可能個数が交換制限数を上回っていれば、右端の個数ボタン60に記される交換可能個数の最大値は、強制的に交換制限数となる。
【0052】
つまり、制限景品の場合、制御部30は、計数データによって交換可能なその制限景品の個数の上限数(最大交換可能個数)と交換制限数とを比較して、最大交換可能個数および交換制限数のうち、少ない方を、交換可能な最大個数(前記最大値)として右端の個数ボタン60や、前述したメッセージ(図5Eの「最大10個の交換が可能です」というメッセージ)で表示する。そのため、交換制限数が設けられた景品の場合には、店員は、交換制限数を上回らない範囲で、正しい値の最大個数を景品管理装置2に入力できるので、使い勝手がよい。
【0053】
また、最大値の実際の数値を個数ボタン60に表示するのではなく、最大値であることを示す記号(たとえば、「MAX」という文字)を右端の個数ボタン60に表示してもよい。この個数ボタン60を押せば、最大値の個数の景品と交換ができる。ただし、この最大値とは、交換制限数がない景品であれば、客の現時点での計数データと交換できる当該景品の最大個数であり、交換制限数がある制限景品であれば、前記最大個数および交換制限数のうち、少ない方の値である。
【0054】
そして、制御部30は、図4を参照して、選択された景品の景品名と、算出した交換可能個数とをポップアップ画面43によって店側表示部14に表示してから(ステップS5)、店員が個数ボタン60やテンキー8を押すことによって景品の交換個数の選択があったか否かを監視する(ステップS6)。
交換個数の選択があった場合(ステップS6でYES)、制御部30は、選択された個数が交換可能個数以下であるか否かを確認する(ステップS7)。一方、交換個数の選択がなく、前述した選択中止キー52(図5C〜図5F参照)が押されて景品選択自体がキャンセルされた場合(ステップS6でNO,ステップS8でYES)、制御部30は、ステップS3に戻り、一般景品選択キー9(図2参照)による新たな景品選択を待つ。
【0055】
そして、選択された個数が交換可能個数以下であれば(ステップS7でYES)、制御部30は、今回選択された景品の景品名および個数を、図5Gに示すように、店側表示部14の景品交換画面41に表示する(ステップS9)。なお、選択された景品についての情報(景品名および個数)を客側表示部16(図1参照)にも表示してもよい。
また、図4を参照して、ステップS9では、制御部30は、選択された景品の在庫数を、選択された個数だけ減らして、その景品についての在庫を更新する。
【0056】
また、ステップS9において、制御部30は、選択された交換個数に、選択された景品1個を交換するのに必要なパチンコ玉数を乗じ、そこで得た値を計数データから差し引くことで、残玉数を算出する。そして、制御部30は、算出した残玉数を、景品交換画面41において「玉数」という見出しの右側に表示する(図5G参照)。この見出しの右側には、当初は計数データが表示されているので(図5B参照)、景品が選択されるのに応じて、この計数データが更新されて残玉数へと書き換えられる。
【0057】
そして、制御部30は、残玉数が所定数以下であるか否かを確認する(ステップS10)。
残玉数が前記所定数よりも大きければ(ステップS10でNO)、制御部30は、残玉数について景品選択があるか否かを確認し(ステップS11)、景品選択があれば(ステップS11でYES)、残玉数について、ステップS4以降の処理を実施する。そのため、別の景品が選択されると、その景品の交換可能個数が残玉数の範囲内で算出され(ステップS4)、その景品の景品名および交換可能個数がポップアップ画面43(図5C〜図5F参照)によって表示される(ステップS5)。そして、ポップアップ画面43に表示された景品可能個数に基づいて、その景品の交換個数が選択されると(ステップS6およびステップS7でYES)、新たに選択された景品の景品名および個数が、景品交換画面41に追加で表示されるとともに(図5G参照)、再び残玉数が算出され、さらに、当該景品についての在庫が更新される(ステップS9)。
【0058】
なお、選択された景品の名前(種類)が多い場合には、景品交換画面41において、選択された全ての景品名および個数を一度に見ることができない。そのため、景品交換画面41の右端にスクロールバー42が設けられていて、このスクロールバー42で景品交換画面41を上下にスクロールすることによって、選択された全ての景品名および個数を順に見ることができる(図5G参照)。
【0059】
そして、残玉数が所定数以下になれば(ステップS10でYES)、制御部30は、これまでに選択された景品について景品交換処理を行う(ステップS12)。なお、所定数以下の残玉数については、残玉数分のパチンコ玉が客に返却されてもよいし、所定数以下の残玉数と引き換えに、専用の景品(たとえば、飴玉等)が客に渡されてもよい。
また、残玉数が前記所定数よりも多いにもかかわらず(ステップS10でNO)、景品選択がなければ(ステップS11でNO)、制御部30は、この場合においても、これまでに選択された景品について景品交換処理を行う(ステップS12)。
【0060】
景品交換処理の際、店員は、景品交換画面41を見ながら、景品交換画面41に表示された景品名の景品(図5G参照)を、棚T(図1参照)から交換個数分だけ取り出し、これらの景品を揃えて客に払い出す。
制御部30は、景品交換処理として、ICカードリーダ5(図2参照)に指令を出して、ICカードリーダ5にセットされたカードCに記録されている計数データ(図5Bでいう543玉)を、最終的な残玉数(図5Gでいう2玉)に書き換える。
【0061】
なお、計数データが、カードCのIDに関連付けてターミナルコンピュータのデータベース(図示せず)で記憶されている場合には、制御部30は、景品交換処理として、データベースに記憶されている計数データを書き換える旨の指令をターミナルコンピュータに送信する。この指令を受けたターミナルコンピュータは、データベースにおいて該当する計数データ(図5Bでいう543玉)を、最終的な残玉数(図5Gでいう2玉)に書き換える。
【0062】
そして、景品交換処理の後、ICカードリーダ5からカードCが取り外されると、一連の景品交換に係る取引が終了する。
一方、ステップS7において、ポップアップ画面43(図5C〜図5F参照)で選択された交換個数が交換可能個数を上回っていた場合(ステップS7でNO)、制御部30は、店側表示部14に警告画面55を表示する(ステップS13)。警告画面55は、図5Hに示すように、ポップアップ画面43の上に重ねて表示される。警告画面55では、警告メッセージ56、第1キー57、第2キー58、第3キー59が上からこの順番で表示される。
【0063】
警告メッセージ56には、計数データまたは残玉数が、どれだけ不足しているのかが記されている。たとえば、パチンコ玉が5個足りない場合、図5Hに示すように、「選択した景品の交換に必要な玉(メダル)が5個不足しています」という警告メッセージ56が表示される。
第1キー57は、選択した交換個数を交換可能個数まで減らす場合に押される。そのため、第1キー57には、「最後に選択した景品の個数を修正」というメッセージが記されているとともに、修正後の交換個数(交換可能個数の最大値であり、図5Hでは「2個」)も記されている。なお、交換可能個数が0(零)の場合には、第1キー57は表示されない。
【0064】
第2キー58は、選択した景品を他の景品に変えたい場合に押される。そのため、第2キー58には、「最後に選択した景品を他の景品に変える」というメッセージが記されている。なお、第2キー58には、前記メッセージとともに、選択可能な景品名の一覧が記されていてもよい。
第3キー59は、今まで実施した景品選択全体を一旦キャンセルして最初から景品選択をやり直す場合に押される。そのため、第3キー59には、「景品選択を最初からやり直す」というメッセージが記されている。
【0065】
警告画面55が表示されると、店員は、客の要望を受けて、第1キー57、第2キー58および第3キー59のいずれかを押す。
図4を参照して、制御部30は、第1キー57(図5H参照)が押された場合、つまり、交換可能個数を上回る交換個数が選択された景品について、景品自体の変更がない場合には(ステップS14でNO)、選択された個数を、交換可能個数へと修正する(ステップS15)。また、このとき、制御部30は、店側表示部14から警告画面55およびポップアップ画面43(図5H参照)を削除する。そして、制御部30は、修正された交換個数に基づいて、ステップS9以降の処理を行う。
【0066】
一方、第1キー57以外の第2キー58および第3キー59(図5H参照)のいずれかが押されて景品の変更がある場合には(ステップS14でYES)、制御部30は、第2キー58および第3キー59のどちらかが押されたのか、つまり、最後に選択された景品だけを変更するのか否かを確認する(ステップS16)。
第2キー58(図5H参照)が押されることで、最後に選択された景品だけが変更される場合(ステップS16でYES)、制御部30は、最後に選択された景品についてキャンセルされたものとして、ステップS3以降の処理を行う。具体的には、第2キー58が押されると、制御部30は、店側表示部14から警告画面55およびポップアップ画面43(図5H参照)を削除する。そして、制御部30は、キャンセルされた最後の景品以前に選択されていた景品名および個数は景品交換画面41に表示したまま(図5G参照)、キャンセルされた景品とは異なる景品が新たに選択されたか否かを監視する(ステップS3)。
【0067】
第3キー59(図5H参照)が押されることで、今までの景品選択が全てキャンセルされた場合(ステップS16でNO)、制御部30は、キャンセル処理として、景品交換画面41に表示されていた全ての景品名および個数を削除するとともに、残玉数を当初の計数データに書き換える(ステップS17)。これにより、景品交換画面41は、ICカードリーダ5がカードCから計数データを読み出した直後の状態に戻る(図5B参照)。
【0068】
選択された交換個数が交換可能個数を上回っていた場合には、このように、第1キー57、第2キー58および第3キー59によって、取り得る全ての選択肢が店側表示部14に自動的に表示されるので、店員自身が当該選択肢を考える手間を省くことができ、その分、円滑な取引が可能になる。
この発明は、以上の実施形態の内容に限定されるものではなく、請求項記載の範囲内において種々の変更が可能である。
【0069】
たとえば、前述した計数データや残玉数が所定数以下の極めて少ない値である場合には、交換可能個数の最大値は、せいぜい1〜2個程度である。この場合、制御部30は、ポップアップ画面43を店側表示部14に出さず、算出した交換可能個数の最大値を、客が選んだ交換個数であると自動的に判断してもよい。
【符号の説明】
【0070】
2 景品管理装置
5 ICカードリーダ
6 バーコードリーダ
7 キーボード
14 店側表示部
15 タッチパネルスイッチ
30 制御部
60 個数ボタン
C カード
【特許請求の範囲】
【請求項1】
遊技店舗に設置され、遊技媒体と景品との交換処理を行う装置であって、
少なくとも、店舗の店員の確認および操作のために必要な種々のデータを表示するための表示部と、演算処理を行うための処理部と、前記処理部に接続され、店員が入力操作を行うための入力操作部と、客の有する遊技媒体数が関連付けられている記憶媒体を読み取り可能な読取部と、を有する景品管理装置において、
前記読取部で読み取った記憶媒体から客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を前記表示部に表示する交換可能個数表示制御手段を含むことを特徴とする、景品管理装置。
【請求項2】
前記交換可能個数表示制御手段は、前記表示部にポップアップ画面形式で交換可能な個数ボタンを表示することを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置。
【請求項3】
前記表示部は、表示部上に積層されたタッチパネルスイッチを含み、前記ポップアップ画面形式で表示された交換可能個数ボタンを押圧することにより、前記入力操作部として機能することを特徴とする、請求項2記載の景品管理装置。
【請求項4】
前記交換可能個数表示制御手段が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項5】
前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記交換可能個数表示制御手段が表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項6】
前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数の上限数と前記交換制限数とを比較して、前記上限数および前記交換制限数のうち、少ない方を、交換可能な最大個数として前記表示部に表示する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項1】
遊技店舗に設置され、遊技媒体と景品との交換処理を行う装置であって、
少なくとも、店舗の店員の確認および操作のために必要な種々のデータを表示するための表示部と、演算処理を行うための処理部と、前記処理部に接続され、店員が入力操作を行うための入力操作部と、客の有する遊技媒体数が関連付けられている記憶媒体を読み取り可能な読取部と、を有する景品管理装置において、
前記読取部で読み取った記憶媒体から客の有する遊技媒体数を取得し、交換する景品の種類が特定されたことに応答して、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数を前記表示部に表示する交換可能個数表示制御手段を含むことを特徴とする、景品管理装置。
【請求項2】
前記交換可能個数表示制御手段は、前記表示部にポップアップ画面形式で交換可能な個数ボタンを表示することを特徴とする、請求項1記載の景品管理装置。
【請求項3】
前記表示部は、表示部上に積層されたタッチパネルスイッチを含み、前記ポップアップ画面形式で表示された交換可能個数ボタンを押圧することにより、前記入力操作部として機能することを特徴とする、請求項2記載の景品管理装置。
【請求項4】
前記交換可能個数表示制御手段が表示する景品の個数には、交換可能な最大個数の表示が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項5】
前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記交換可能個数表示制御手段が表示する交換可能な景品の個数には、交換制限数が含まれることを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【請求項6】
前記特定された景品の種類が、交換制限数が設けられた景品の場合には、前記遊技媒体数によって交換可能なその景品の個数の上限数と前記交換制限数とを比較して、前記上限数および前記交換制限数のうち、少ない方を、交換可能な最大個数として前記表示部に表示する手段を含むことを特徴とする、請求項1〜3のいずれかに記載の景品管理装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図5D】
【図5E】
【図5F】
【図5G】
【図5H】
【公開番号】特開2012−115412(P2012−115412A)
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−266898(P2010−266898)
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年6月21日(2012.6.21)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年11月30日(2010.11.30)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
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