説明

有料駐輪システムにおける施錠装置

【要旨】
【課題】 無人型有料駐輪システムにおける施錠装置の簡略化によるコスト軽減と該施錠装置のいたずらを防止する。
【解決手段】 支柱2方向に傾斜させた自転車の前輪Yを載置するためのガイド枠3と、前記支柱2の上端に位置し、前記ガイド枠3方向の一端を開口して前輪を進入させるガイド溝部12を有して基板11を設けた第1施錠装置10と、前記基板11のガイド溝部12の一側に位置し、該ガイド溝部に進入した前輪Yの進退動を可動アーム33の一端に設けたアーム部36でガイド溝部12の片側から水平方向に開閉可能に遮断して制御するロック機構と、前記ガイド溝部12内に自転車の前輪Yが進入したことを感知し、一定時間経過後にソレノイド48と課金手段ZとにON信号を発信するセンサ47と、前記センサ47の電気信号により、前記ロック機構15の可動アーム33を作動片50を介して制御するソレノイド48とからなる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、二輪車、特に自転車の前輪をロックまたはアンロックする無人有料駐輪システムの施錠装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、オートバイや自転車などの二輪車を駐輪させるために駅前やスーパーマーケットまたはマンションなどに設置した無人式の有料駐輪システムは、自転車の前輪をロックするための施錠装置と、自転車を取出すときに駐輪した利用時間を計算して料金に支払いまたは暗証番号の入力などにより前記施錠装置を電気的にロックまたはアンロックする課金手段とから構成されており、その施錠装置の構造や課金手段は多種多様である。
【0003】
特に、施錠装置においては、駐輪台に載置した自転車の車輪を左右水平方向からロックアームが開閉してロックし、このロックアームのロック及びアンロックを駐輪課金装置と連動するソレノイドによって電気的に施錠または解除する駐輪装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平11−125020号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
この発明における施錠装置は、大型のアームロックを使用して開閉させるため、作動装置が複雑で装置全体が大型となるためコストが高く不経済である。また、前輪の積載を検知するマイクロスイッチは、前輪の積載を検知するとマイクロスイッチがON信号を発信してソレノイドを作動させてロックアームをロックするシステムである。そのため、駐輪システムに前輪が積載されていなくともマイクロスイッチを押すだけでスイッチがON信号を発信し、ソレノイドがロックアームをロックすると共に課金手段は自動的に課金を始めるためスイッチがいたずらされやすく、スイッチがいたずらされると、ロックアームがロックされて駐輪システムが使用できなくなると共に、無駄に課金手段が作動するなど大変迷惑で、いたずらにより施錠装置がロックした場合の解除には、いちいち解除信号を入力しなければならず大変不便であるなどの問題がある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、支柱方向に傾斜させた自転車Xの前輪Yを載置するためのガイド枠3と、前記支柱2の上端に位置し、前記ガイド枠3方向の一端を開口して前輪Yを進入させるガイド溝部12を有して基板11を設けた第1施錠装置10と、前記基板11のガイド溝部12の一側に位置し、該ガイド溝部に進入した前輪Yの進退動を可動アーム33の一端に設けたアーム部36でガイド溝部12の片側から水平方向で開閉可能に遮断して制御するロック機構15と、前記ガイド溝部12内に自転車Xの前輪Yが進入したことを感知し、一定時間経過後にソレノイドと課金手段にON信号を発信するセンサ47と、前記センサ47の電気信号によりロック機構15の可動アーム33を、枢動可能に軸支した作動片50を介して制御するソレノイド48とからなり、前記ガイド枠3に前輪Yが搭載されると、該前輪の自重による押圧力でガイド溝部12を遮断している可動アーム33を回動させて前輪がガイド溝部12の最深部で停止すると、センサ47が一定時間経過後にON信号を発信し、該ON信号により、ソレノイド48の可動鉄芯49が作動片50を押圧回動させて前記ロック機構15の可動アーム33をロックし、課金手段Zを作動させる。次いで、ロック機構15の解除は、一定の駐輪料金の精算、または暗証番号が入力されると課金手段ZのOFF信号によりソレノイド48の可動鉄芯49が元の位置に復帰すると同時に作動片50も自重で元の位置に回動することにより可動アーム33のロックが解除され、前輪Yをガイド枠3方向に移動させると、該前輪Yの押圧力で可動アーム35が開いて前輪Yを解除させることを特徴とする。また、前記ロック機構15は、段状に形成した上面部17の中央に貫通孔18を有した支持枠16と、同じく中央に貫通孔21を設け、該貫通孔の周囲近傍で同心円上に複数のボール孔22を設けたボール受板20と、下端に固定ねじ部26を有した主軸部25の上端にそれぞれ異径に形成した軸受部27とねじ軸部28を同一軸心上に設け、前記主軸部25の任意個所と、ねじ軸部28の任意個所にそれぞればね止穴29、30を設けた支持軸24と、前記ガイド溝部12を片側から遮断するアーム部36を一側に設けた円盤部34の中央に挿通孔35、周面一側に係止部37をそれぞれ設け、この円盤部34の下面には、前記ボール受板20のボール孔22と合致する位置に複数のボール溝39を設けて形成した可動アーム33と、この可動アーム33のボール溝39と、前記ボール受板20のボール孔22との間に回転可能に遊嵌したボール41と、前記支持軸24のねじ軸部28に螺着する固定ナット42と、略全体を前記ねじ軸部28に巻装し、一端をねじ軸部28のばね止穴29に、他端を前記可動アーム33のばね止孔38に固着して可動アーム33を下方向に弾発させ、且つ、該可動アームが一方方向に回転しとき、元の位置に戻る反発力を有する上ばね44と、略全体を前記主軸部25に巻装し、一端を前記主軸軸25のばね止穴30に、他端を前記可動アーム33のばね止孔38に固着し、該可動アームが前記回転方向と反対方向に回転したとき、元の位置に戻る反発力を有した下ばね45とからなることを特徴とする。
【0006】
したがって、ロック機構のアーム部36をガイド溝部12の片側から水平方向に遮断するため、装置の小型軽量化とコストの軽減を図ることができ、また、前輪がガイド溝部の最深部に位置したことを感知したセンサが一定時間経過後、ON信号をソレノイドと課金手段に発信させることにより、前輪の搭載位置の間違えや、いたずらによる誤作動を防止することができ、さらには、可動アームと支持軸との間にそれぞれ反対方向に付勢する一対のばねを上下方向に取付け、且つ、可動アームとボール受板との間にボールを介在させることにより、前記可動アームによるガイド溝部の開閉動と可動アームのロックをスムースに行うことができる。
【0007】
請求項3の発明は、支柱2方向に傾斜させた自転車Xの前輪Yを載置するためのガイド枠3と、前記支柱2の上端に位置し、前記ガイド枠3方向の一端中央を開口して前輪Yを進入させるガイド溝部102を形成し、該ガイド溝部の最深部中央に車止枠103を取付けて形成して基板101を設けた第2施錠装置100と、前記基板101のガイド溝部102の両側に位置し、該ガイド溝部に進入した前輪Yの進退動を可動アーム125の一端に設けたアーム部128でガイド溝部102を両側から開閉可能に遮断して制御する一対のロック機構105と、前記ガイド溝部102内に自転車Xの前輪Yが進入したことを感知するセンサ148と、前記センサ148の電気信号により、前記ガイド溝部102の両側に位置したロック機構105の可動アーム125を同時にロックするための作動枠片153を介して制御するソレノイド150とからなり、前記ガイド枠3に前輪Yが搭載されると、該前輪の自重による押圧力でガイド溝部102を両側から遮断しているロック機構105の可動アーム125を回動させてガイド溝部102の車輪止枠103で停止すると、センサ148が一定時間経過後にON信号を発信し、ソレノイド150と課金手段Zとを同時に作動させ、ソレノイド150の可動鉄芯151で作動枠片153を押圧回動させて前記ロック機構105の可動アーム125をロックし、また、ロック機構105の解除は、一定の駐輪料金の精算、または暗証番号が入力されると課金手段ZのOFF信号によりソレノイド150の可動鉄芯151が元の位置に復帰すると同時に作動枠片153も自重で元の位置に回動することにより可動アーム125のロックが解除され、前輪Yをガイド枠3方向に移動させると、該前輪Yの押圧力で可動アーム125が開いて前輪Yを解除させることを特徴とする。また、前記一対のロック機構105は、それぞれ台形に形成した上面部107の中央に貫通孔108を有した支持枠106と、同じく中央に貫通孔111を設け、該貫通孔の周囲近傍同心円上に複数のボール孔112を設けたボール受板110と、固定ねじ部117を下端に設けた主軸部116の上方にそれぞれ異径に形成した第1ねじ軸118と第2ねじ軸119を同一軸心上に設け、前記主軸部116の任意個所と、第1ねじ軸部118の任意個所にそれぞればね止穴120、121を設けた支持軸115と、先端にガイド車136を回転可能に取り付けたアーム部135を一側に設けた円盤部126の中央に挿通孔127、周面一側に係止部128をそれぞれ設け、この円盤部126の下面には、前記ボール受板110のボール孔112と合致する位置に複数のボール溝131を設けて形成した可動アーム125と、この可動アーム125のボール溝131と、前記ボール受板110のボール孔112との間に回転可能に遊嵌したボール134と、支持軸115の第1ねじ軸118に軸着し、主軸部116に回転且つ上下動可能に軸支した可動アーム125を係止する固定ナット136と、略全体を前記第1ねじ軸部118に巻装し、一端を第1ねじ軸部118のばね止穴120に、他端を前記可動アーム125のばね止孔132に固着して可動アーム125を下方向に弾発させ、且つ、該可動アームが一方方向に回転しとき、元の位置に戻る反発力を有する上ばね145と、略全体を前記主軸部116に巻装し、一端を該主軸軸のばね止穴121に、他端を前記可動アーム125のばね止孔132に固着し、該可動アームが前記回転方向と反対方向に回転したとき、元の位置に戻る反発力を有した下ばね146と、中央に設けたねじ孔140を前記第2ねじ軸119に挿通して支持軸115を支持する固定枠138と、前記固定枠を第2ねじ軸119に固定するナット142とからなることを特徴とする。
【0008】
したがって、それぞれ先端にガイド車を回転可能に取付けたアーム部でガイド溝部を両側から遮断可能に形成したことによりガイド溝部の奥行きを浅くすることができるので、装置全体を小型軽量化してコストの軽減を図ることができ、また、アーム部のガイド車で前輪をガイド溝部内に傷つけることなくスムースに進入させることができ、さらには、前輪をセンサによって感知して一定時間経過後、ON信号をソレノイドと課金手段に発信させることにより、前輪の搭載位置の間違えや、いたずらによる誤作動を防止することができ、さらにはまた、ロック機構の可動アームと支持軸との間にそれぞれ反対方向に付勢する一対のばねと、可動アームとボール受板との間にボールを介在させることにより、前記可動アームによるガイド溝部の開閉動と可動アームのロックをスムースに行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
本発明に係る第1の実施形態を実施例の図面により説明すると、図1は第1施錠装置を取付けた駐輪システムに自転車を駐輪させた状態を示す説明図、図2は第1施錠装置を取付けた駐輪システムの側面図、図3は本発明に係る第1施錠装置の平面図、図4は第1施錠装置の正面図、図5は第1施錠装置の左側面図、図6はロック機構の分解説明図である。駐輪システム1は、図1、2に示すごとく駐輪させる各自転車Xが相互に干渉しない所定の間隔と高低差を設けて並列に樹立させた複数の支柱2にそれぞれ自転車Xの車輪Y、特に前輪を載せるガイド枠3と、前輪Yをロックする第1施錠装置10と、駐輪したことを感知するセンサ47と、該センサによってロック機構15の可動アーム33をロックまたはアンロックするソレノイド48と、一定の駐輪料金を徴収する課金手段Zとにより構成されている。
【0010】
前記ガイド枠3は、全長を、例えば、大人が使用する平均的な大きさの自転車の車輪(26インチ)が搭載できる長さぎりぎりに形成することにより、ガイド枠3上に載置した前輪を施錠装置まで行かせないで途中で止めて駐輪する無断駐輪を防止することができる。4はガイド枠の両側に取付けた補助枠で、前記ガイド枠3上に載置する前輪の案内と自転車Aの傾動を防止している。5はガイド枠の一端に取付けた誘導枠で、該誘導枠を介して地上から車輪Yをガイド枠3上に誘導可能に形成してある。
【0011】
第1施錠装置10は図3に示すごとく、前記ガイド枠3の先端に位置した支柱2の上端に位置し、該支柱2の上端に位置した基板11の長手方向一側に自転車Xの前輪Yが進入するガイド溝部12を形成し、該ガイド溝部の一側にガイド溝部12を片側から水平方向に開閉可能に遮断するロック機構15と、該ロック機構に取付けた可動アーム33を作動片50を介して電気的に制御するソレノイド48とを設け、前記ガイド溝部12の最深部12aには前輪Yが第1施錠装置10内に位置したことを感知するセンサ47を取付けて形成してある。
【0012】
前記ロック機構15は図6に示すごとく、前記基板11に固定する支持枠16と、該支持枠に取付けるボール受板20と、前記支持枠16とボール受板20とを貫通させる支持軸24と、該支持軸の軸支部27に回転可能に挿通する可動アーム33と、該可動アームと前記ボール受板20との間にボール41を回転可能に介在させ、且つ可動アーム33を下方向と左右回転方向に付勢させる一対のばね44、45とにより構成されている。
【0013】
前記支持枠16は、一端下部面16aを前記基板11に固定し、他端上面部17の中央には貫通孔18を形成し、この上面部17の表面には、ボール受板20を取付け、該ボール受板の中央には、前記貫通孔18と同じ内径を有する貫通孔21を設け、該貫通孔の近傍同心円上に複数のボール孔22を設けてある。
【0014】
前記支持軸24は、円柱状に形成した主軸部25の下端に固定ねじ部26を設け、前記主軸部25の上端には前記可動アーム33を挿通する軸受部27とねじ軸部28を同一軸心上に形成し、前記主軸部25を前記支持枠16の貫通孔18と、ボール受板20の貫通孔21とに挿通させて下端固定ねじ部26を前記基板11に螺着してある。この支持軸24の主軸部25の外径と前記支持枠16の貫通孔18の内径とは、主軸部25の周面に巻装した下ばね45が挿通可能な隙間を設けてある。
【0015】
前記可動アーム33は、円盤部34の中央に前記支持軸24の軸受部27に挿通する挿通孔35を設け、周面一側には前記ガイド溝部12を開閉可能に遮断するアーム部36を一体に取付け、該アーム部と直角方向で円盤部34の周面一側に可動アーム33をロックするための係止部37を形成し、円盤部34の任意個所で上下方向に貫通するばね止孔38を設けてある。
【0016】
前記円盤部34の下面には前記ボール受板20のボール孔22と合致する位置に複数のボール溝39を形成し、該ボール溝と前記ボール孔22との間にボール41を回転可能に遊嵌し、前記可動アームが回動したときにボール溝39がボール41から離脱可能に形成し、前記可動アーム33が回動した際のボール受板20との摩擦抵抗の減少を図っている。さらには、可動アーム33が反転して元の位置に戻ると、ボール溝39は元のボール41に確実に嵌合させることができる。42は固定ナットで、前記支持軸24のねじ軸部28に座金43を介して螺着させることにより、軸受部27に挿通した可動アーム33が脱落するのを防止してある。
【0017】
44はつるまき状に形成した上ばねで、全体を前記ねじ軸部28に螺着した固定ナット42に全体を巻装し、該上ばねの一端をねじ軸部28に設けたねじ止穴29に、他端を前記可動アーム33の円盤部34に設けたばね止孔38の上側から挿入固定し、該上ばねの弾発力で可動アーム33をボール受板20方向に付勢させ、ボール孔22とボール溝39との間に遊嵌したボール41が脱落するのを防止している。
【0018】
45はつるまき状に形成した下ばねで、全体を前記支持軸24の主軸部25に巻装し、該下ばねの一端を主軸部25の略中央に設けたばね止穴30に、他端を前記可動アーム33の円盤部34に設けたばね止孔38に下側から挿入固定してある。
【0019】
前記上下ばね44、45は、支持軸24にそれぞれ反対方向、例えば、上ばね44が右巻きであれば、下ばね45は左巻きに巻装し、可動アーム33のアーム部36がガイド溝部12を遮断している位置では左右いずれの回転方向にも弾発力が加わらない状態に巻装してある。
【0020】
47はセンサで、前記基板11のガイド溝部12の最深部12aの一側に位置し、該ガイド溝部に前輪Yが進入して最深部12aに停止してから一定時間(好ましくは10秒から30秒間)経過後、ソレノイド48と課金システムZにON信号を発信可能に取付けてある。このセンサ47のON信号でソレノイド48の可動鉄心49が作動片50を押上げ、該作動片の係止爪部52を前記可動アーム33の係止部37に当接させて可動アーム33が外方向へ回動するのをロックする。
【0021】
50は断面コ字形に形成した作動片で、図4に示すごとく、該作動片を基板11に取付けた一対の狭持板55の間に位置させて一端軸支部51の上方を係止軸56で枢動可能に軸支し、他端係止爪部52の下端は自重で基板11上に位置させてある。この作動片50の軸支部51の下端は、該作動片と延長線上に位置したソレノイド48がOFF状態の可動鉄心49に当接し、係止爪部52の上端は、円盤部34の係止部37と当たらない下方に位置している。
【0022】
前輪Yがガイド溝部12の最深部に停止したことをセンサが感知し、ON信号を一定時間経過後ソレノイド48に発信すると、奨磁された可動鉄芯49が突出して作動片50の軸支部51下端を押圧して他端係止爪部52を上方に回動させて前記可動アーム33の係止部37に当接停止させることにより可動アーム33の外方向への回転動をロックする。したがって、アーム部36がガイド溝部12の脱出方向への回動を阻止されるため自転車Xの前輪Yがガイド溝部12から抜けるのを防止できる。57は前記狭持板55に取付けたストッパー57で、前記ソレノイド48の可動鉄心49が作動片50の軸支部51を押圧したときの反動で係止爪部52が可動アーム33の係止部37から外れるのを防止している。
【0023】
前記課金手段(図示せず)Zは、公知のいずれの課金手段を使用してもよく、例えば、駐輪したことを感知するセンサの信号により課金手段と前輪ロック機構を作動させる制御盤を取付けて行う。この制御盤には、センサからの駐輪信号により駐輪を確認する駐輪信号処理手段と、該駐輪信号処理手段で駐輪が確認されると駐輪時間を計測するタイマー手段と、該タイマー手段で計測した駐輪時間を駐輪代金に換算する演算手段と、該演算手段で演算された駐輪代金を表示する表示手段とを有し、さらにコイン受入手段に入れられた紙幣またはコインを識別するコイン識別手段と、このコイン識別手段で識別された金額と前記演算手段で演算された金額とが一致することを確認する精算手段と、この精算手段で駐輪時間に見合う金額が精算させたことを確認、または、前記駐輪信号処理手段で駐輪が確認されると、前記ソレノイドへの通電回路をON、OFFして前記係止片のロックを開閉する信号を出力するロック信号処理手段とにより構成されている。
【0024】
この課金手段Zを、マンションなどの駐輪場として使用する場合は、駐輪場は主に盗難防止を目的とするところから、現金でなく暗証番号やカード方式にすることができるのは勿論である。
【0025】
以下、第1施錠装置10の作用について説明すると、図1に示すごとく自転車Xの前輪Yを載置するガイド枠3は、長さを大人が使用する平均的な自転車の車輪の径とほぼ同じ長さ、例えば、26インチ径の自転車の車輪が乗る長さに形成したことにより、第1施錠装置10が作動しない位置への無断駐輪を防止し、且つ、前記ガイド枠3を支柱2方向に傾斜させたことにより、前輪Yは自重で施錠装置方向に進入することからも無断駐輪を防止することができる。
【0026】
前記ガイド枠3に前輪Yを載置すると、前輪Yは自重で傾斜方向に移動し、該前輪の先端がガイド溝部12を遮断している可動アーム33のアーム部36を押圧回動させて開かせ、そのままガイド溝部12の最深部12aに当接停止する。この前輪Yがガイド溝部12の最深部に停止するとセンサ47が自転車Xが載置されたことを感知するが、すぐにはON信号を発信せず、一定時間(好ましくは、10秒から30秒)経過後、ソレノイド48と課金手段にON信号を発信する。感知信号を遅らせて発信することにより自転車の誤載置やセンサ47のいたずらなどによる誤作動を防止することができる。
【0027】
前記可動アーム33は、図7に示すごとく、円盤部34の上下両方にそれぞれ一端を固定した上下ばね44、45のうち、上ばね44によって前記可動アーム33をボール受板20方向に弾発させると共に、該可動アームが一方方向に回転した際、元の位置に戻る反発力を有し、下ばね45は、一端を前記支持軸24のばね止穴30に、他端を前記可動アーム33のばね止孔38に固着したことにより、可動アーム33が前記方向と反対方向に回転したときの元の位置に戻る反発力を有している。
【0028】
したがって、可動アーム33のアーム部36がガイド溝部12を遮断した位置にあるときは、上下ばね44、45の反発力は作用しないが、アーム部36が前輪に押圧されて左右いずれかに回動し、回転方向の負荷がなくなると上下ばね44、45の反発力が作用してアーム部36が元の位置に復帰させることができる。
【0029】
図8に示すごとく、前輪Yの押圧力による可動アーム33の回動は、円盤部34を付勢している上ばね44の弾発力が前輪Yの押圧力に負けて回動を始めると、円盤部34のボール溝39の内縁がボール41に沿って上方に押上げられながら離脱し、前記円盤部34の平坦面がボール41に当接して回動する。したがって、可動アーム33は摩擦抵抗が少なくスムースに回動させることができる。
【0030】
次いで前輪Yがアーム部36を通過し、アーム部36の回転方向への押圧力が無くなると、アーム部36に上下ばね44、45のそれぞれ元の位置に戻ろうとする力が作用して元の位置に復帰すると同時に円盤部34のボール溝39がボール41に嵌合し、上ばね44の弾発力によって円盤部34が降下するので、可動アーム33が左右方向にぶれることなく確実にガイド溝部12を遮断することができる。
【0031】
可動アーム33の回動は、脱出方向に回転した場合も、前記進入方向に回転した場合と同様に作用するため、可動アーム33が左右方向にぶれるのを防止して確実にガイド溝部12を遮断することができる。
【0032】
次いで、ガイド溝部12の最深部に位置した前輪Yをセンサ47が感知し、ソレノイド48と課金手段ZにON信号を送る。センサ47は前記したごとく、一定時間経過後にON信号を発信したり、または、最初の1〜2時間の駐輪料金を無料などにすることにより、いたずらによる誤作動や誤駐輪または駐輪料金精算後の誤駐輪などを防止することができる。
【0033】
前記信号によりソレノイド48が奨磁すると可動鉄芯49が作動片50の軸支部51を押圧して係止爪部52を回動上昇させ、該係止爪部の先端を円盤部34の係止部37に当接停止することにより、可動アームは脱出方向への回転をロックされるので前輪がガイド溝部から脱出するのを防止することができる。
【0034】
次いで、自転車Xを第1施錠装置10から離脱させる場合は、課金装置Zの料金を精算することにより、課金装置Zよりソレノイド48にOFF信号を送るとソレノイド48が消磁する。ソレノイド48が消磁すると作動鉄芯49が元の位置に戻ると同時に係止爪部52が自重で下方向に回動して円盤部34の係止部37から外れて円盤部34のロックを解除することができる。
【0035】
円盤部34のロックを解除した後、前輪Yをガイド溝部12から脱出方向に移動させて前記可動アーム33のアーム部36を脱出方向に押圧回転させて脱出させることにより施錠を解除することができる。脱出方向に回転した可動アーム33は前記したごとく上下ばね44、45の弾発力によって元の位置に復帰する。
【0036】
本発明に係る第2の実施形態を実施例の図面により説明すると、図9は本発明に係る第2施錠装置の平面図、図10は本発明に係る第2施錠装置の正面図、図11は図10の側面図、図12はロック機構の分解説明図である。駐輪システム1は、前記第1施錠装置において説明したごとく、駐輪させる各自転車Xが相互に干渉しない所定の間隔と高低差を設けて並列に樹立させた複数の支柱2にそれぞれ自転車Xの車輪Y、特に前輪を載せるガイド枠3と、前輪Yをロックする第2施錠装置100と、駐輪したことをセンサ148で感知して一定時間経過後、前記施錠装置を作動させ、一定の駐輪料金が精算されると前記施錠装置を解除する課金手段Zとにより構成されている。
【0037】
前記ガイド枠3は、図1、2に示すごとく、全長を、例えば、大人が使用する平均的な大きさの自転車の車輪(26インチ)が搭載できる長さぎりぎりに形成することにより、ガイド枠3上に載置した前輪を施錠装置まで行かせないで途中で止めて駐輪する無断駐輪を防止することができる。4はガイド枠の両側に取付けた補助枠で、前記ガイド枠3上に載置する前輪の案内と自転車Aの傾動を防止している。5はガイド枠の一端に取付けた誘導枠で、該誘導枠を介して地上から車輪Yをガイド枠3上に誘導可能に形成してある。
【0038】
第2施錠装置100は図9に示すごとく、前記ガイド枠3の先端に位置した支柱2の上端に位置し、基板101の長手方向一側中央に自転車Xの前輪Yが進入するガイド溝部102を形成し、このガイド溝部102を両側から水平方向に開閉可能に遮断する一対のロック機構105を設け、該ロック機構の一側には、ロック機構の可動アーム125をロックまたはアンロックする作動枠片153を介して電気的に制御するソレノイド150と、前記ガイド溝部102の最深部には前輪Yが第2施錠装置100内に載置したことを感知し、前記ソレノイド150と課金手段Zに信号を一定時間経過後に発信するセンサ148とにより構成してある。
【0039】
前記した一対のロック機構105は、図12に示すごとく、前記基板11に固定する支持枠106と、該支持枠に取付けるボール受板110と、前記支持枠106とボール受板110の貫通孔108、111に挿通させた支持軸115と、該支持軸の主軸部116に回転可能に軸承する可動アーム125と、該可動アームと前記ボール受板110との間にボール134を介在させ、且つ可動アーム125を付勢させる一対の上下ばね145、146と、前記支持軸115を支持する固定枠138とにより構成してある。
【0040】
前記支持枠106は、両側下端に設けた足部106aを前記基板101に固定し、上方平面部107の中央には貫通孔108を形成し、この平面部107の表面には、ボール受板110を取付け、該ボール受板の中央には前記貫通孔108と同じ内径を有する貫通孔111を形成し、該貫通孔の近傍同心円上に複数のボール孔112を設けてある。
【0041】
前記支持軸115は、円柱状に形成した主軸部116の下端に固定ねじ部117を設け、前記主軸部116の上方にはそれぞれ異径に形成した第1ねじ軸118と第2ねじ軸119を同一軸心上に形成し、前記第1ねじ軸118の壁面にばね止穴120、主軸部116の壁面にばね止穴121を設けてある。この支持軸115は、主軸部116を前記支持枠106とボール受板110の貫通孔108、111に挿通させて下端固定ねじ部117を基板101上に螺着してある。この支持軸115の主軸部116外径と、前記支持枠106の貫通孔108および貫通孔111の内径とは、主軸部116の周面に巻装した下ばね146が挿通可能な隙間を設けてある。
【0042】
前記可動アーム125は、円盤部126の中央に前記支持軸115の主軸部116に挿通する挿通孔127を設け、周面一側には前記ガイド溝部102を互いに両側から延ばし中央で当接させて開閉可能に遮断するアーム部128を一体に形成し、該アーム部の先端にはそれぞれ合成樹脂材または硬質ゴム材などで形成したガイド車129を回転可能に軸支し、前記アーム部128と直角方向で円盤部126の周面一側に可動アーム125をロックするための係止部130を形成し、円盤部126の任意個所で上下方向に貫通するばね止孔132を設けてある。
【0043】
前記円盤部126の下面には前記ボール受板110のボール孔112と合致する位置に複数のボール溝131を設け、該ボール溝と前記ボール孔112との間にボール134を回転可能に遊嵌させ、前記可動アーム125が回動すると可動アームのボール溝131がボール134から離脱可能に形成し、前記可動アーム125とボール受板110との摩擦抵抗の減少を図っている。さらには、回動後の可動アーム125が元の位置に戻ると、ボール134から離脱したボール溝131が元のボール134に確実に嵌合させることができる。
【0044】
136は固定ナットで、前記支持軸115の第1ねじ軸部118に螺着させて可動アーム125が支持軸115の上方から抜けるのを防止し、第2ねじ軸部119には、両端を基板101に固定した固定枠138の平坦部139中央に設けたねじ140孔を挿通し、該平坦部の上方より第2ねじ軸部119へ座金143を介してナット142で固定し、前記支持軸115が前記可動アーム125の開閉で揺動するのを防止し、確実に前記ガイド溝部102を開閉させることができる。
【0045】
145はつるまき状に形成した上ばねで、全体を前記第1ねじ軸118に螺着した固定ナット136の略全体を巻装し、該上ばねの一端を第1ねじ軸118に設けたねじ止穴120に、他端を前記可動アーム125の円盤部126に設けたばね止孔132の上側から挿入固定し、該上ばねの弾発力で可動アーム125をボール受板110方向に付勢させ、ボール孔112とボール溝131との間に遊嵌したボール134が脱落するのを防止している。
【0046】
146はつるまき状に形成した下ばねで、全体を前記支持軸115の主軸部116に巻装し、該下ばねの一端を主軸部116の略中央に設けたばね止穴121に、他端を前記可動アーム125の円盤部126に設けたばね止孔132に下側から挿入固定してある。
【0047】
前記上下ばね145、146は、支持軸115にそれぞれ反対方向、例えば、上ばねが右巻きであれば、下ばねは左巻きに巻装し、可動アーム125のアーム部128がガイド溝部102を遮断している位置では左右いずれの回転方向にも弾発力が加わらない状態に巻装してある。
【0048】
148はセンサで、前記基板101のガイド溝部102の最深部の一側に位置し、前輪Yがガイド溝部の車輪止部103に停止したことを感知して一定時間(10秒から30秒間)経過後、ソレノイド48と課金システムZにON信号を発信可能に取付けてある。このセンサ148のON信号でソレノイド150の可動鉄心151が作動枠片153を押上げ、該作動枠片の係止爪部155を前記可動アーム125の係止部130に当接停止させて可動アーム125が外方向へ回動するのをロックする。
【0049】
前記作動枠片153は、前記ガイド溝部102と並行に位置した一対の可動腕部154の先端に前記第2ロック機構105の一側に位置する係止爪部155を設け、該可動腕部154の略後端を前記基板101に取付けた狭持板160の係止軸161で枢動可能に軸支し、該可動腕部154の両端を連結部157で一体に連結して略全体をコ字形に形成してある。前記連結部157の背面中央には、前記したOFF状態のソレノイド150の可動鉄芯151の先端が当接され、可動腕部154の先端係止爪部155は自重で基板101上に位置し、第2ロック機構105の可動アーム125に設けた係止部130に当接しないように位置している。
【0050】
前記ソレノイド150がONして可動鉄芯151が突出して作動枠片153の連結部157を押圧し、両側の可動腕部154が枢動すると、先端係止爪部155が上方に回動して前記可動アーム125の係止部130に当接停止することにより可動アーム125の外方向への回転動をロックできる。
【0051】
162は前記狭持板160に取付けたストッパー162で、前記ソレノイド150の可動鉄心151で作動枠片153の連結部157を押圧したとき、他端係止爪部155が可動アーム125の係止部130から外れるのを防止している。前記課金手段(図示せず)Zは、前記第1施錠装置と同一であるためここでの説明を省略する。
【0052】
以下、第2施錠装置100の作用について説明すると、図9、11に示すごとく、ガイド枠3に前輪Yを載置すると、前輪Yは自重で傾斜方向に移動し、該前輪の先端がガイド溝部102を遮断している可動アーム125のアーム部128を左右方向に押圧回動させて開かせ、そのままガイド溝部12の最深部に取付けた車輪止枠103に当接停止する。可動アーム125のアーム部128に取付けたガイド車129は、合成樹脂材または硬質ゴム材により回転可能に取り付けたことにより、前輪をガイド溝部12に出し入れするときに傷ついたりするのを防止でき、さらには、ガイド車129自体が回転するため前輪がガイド溝部12の側面に接触したり引っかかったりすることなくスムースに出し入れすることができる。
【0053】
前輪Yがガイド溝部102の車輪止枠103に停止するとセンサ148が自転車Xが載置されたことを感知する。センサ148はすぐにはON信号を発信せず、一定時間経過後、ソレノイド150と課金手段ZにON信号を発信する。感知信号を遅らせて発信することにより自転車Xの誤載置やセンサ148のいたずらなどによる誤作動を防止することができる。
【0054】
図9に示すごとく、ガイド溝部102の両側から伸ばした可動アーム125でガイド溝部102を遮断したことにより、可動アーム125を短尺で回動半径を小さくしたことにより、ガイド溝部の奥行きを短くすることができる。したがって、基板101全体を短尺に形成することができるので装置全体を小型軽量化することができる。
【0055】
さらに可動アーム125は、図12に示すごとく、円盤部126の上下両方にそれぞれ一端を固定した上下ばね145、146によって、アーム部128がガイド溝部102を遮断した位置にあるときは、上下ばね145、146の反発力は作用しないが、前輪に押圧されて左右いずれかの方向に回動した後、回転方向の負荷がなくなると上下ばね145、146の反発力が作用してアーム部128を元の位置に復帰させることができる。
【0056】
前輪Yの押圧力による可動アーム128の回動は図13、14に示すごとく、円盤部126を付勢している上ばね145の弾発力が前輪Yの押圧力に負けて回動を始めると、円盤部126のボール溝131がボール134によって上方に押上げれながら離脱して円盤部126の平坦面がボール41に当接して回動する。したがって、可動アーム125は摩擦抵抗が少なくスムースに回動させることができる。
【0057】
次いで、前輪Yがアーム部128を通過した後、アーム部の回転方向への押圧力が無くなると、上下ばね145、146の反発力で可動アーム125が元の位置に復帰すると同時に円盤部126のボール溝131がボール134に嵌合すると同時に上ばね145の弾発力によって円盤部126が降下し、可動アーム125が左右方向にぶれることなく確実にガイド溝部102を遮断することができる。
【0058】
可動アーム125の回動は、脱出方向に回転した場合も、前記進入方向に回転した場合と同様に作用するため、可動アーム125が左右方向にぶれるのを防止して確実にガイド溝部102を遮断することができる。
【0059】
ガイド溝部102の車輪止枠103に位置した前輪Yをセンサ148が感知し、ソレノイド150と課金手段ZにON信号を送る。センサ148は、駐輪後、すぐにON信号を送るのではなく、前記したごとく、一定時間ON信号の伝達を遅らせ、または、最初の1〜2時間の駐輪料金を無料などにすることにより、いたずらによる誤作動や誤駐輪または駐輪料金精算後の誤駐輪などを防止することができる。
【0060】
前記信号によりソレノイド150が奨磁すると可動鉄芯151が作動枠片153の連結部157を押圧して可動腕部154を枢動させて先端の係止爪部155を上方に回動させ、該係止爪部の先端で円盤部126の係止部130を当接停止させることにより、可動アーム125の脱出方向への回転をロックして前輪Yがガイド溝部102から脱出するのを防止することができる。
【0061】
自転車Xを第2施錠装置100から離脱させる場合は、前記第1施錠装置10と同様に課金装置に表示された駐輪代金を精算することにより、ソレノイド150にOFF信号を送るとソレノイドが消磁する。ソレノイド150が消磁すると作動鉄芯151が元の位置に戻ると同時に係止爪部155が自重で下方向に回動して円盤部126の係止部130から外れて下方向に下がることにより円盤部130のロックを解除することができる。
【0062】
円盤部130のロックを解除した後、前輪Yをガイド溝部102から脱出方向に移動させるとアーム部128のガイド車129によってスムースに脱出方向に押圧回転させることにより施錠を解除することができる。脱出方向に回転した可動アーム125は前記したごとく上下ばね145、146の弾発力によって元の位置に復帰する。
【図面の簡単な説明】
【0063】
【図1】本発明に係る第1施錠装置を取付けた駐輪システムに自転車を駐輪させた使用状態を示す説明図である。
【図2】本発明に係る第1施錠装置を取付けた駐輪システムの側面図である。
【図3】本発明に係る第1施錠装置の平面図である。
【図4】第1施錠装置の正面図である。
【図5】第1施錠装置の左側面図である。
【図6】ロック機構の分解説明図である。
【図7】可動アームの作動前状態を示すロック機構の要部拡大断面図である。
【図8】可動アームが回転してボール溝がボールから離脱した状態を示すロック機構の要部拡大断面図である。
【図9】本発明に係る第2施錠装置の平面図である。
【図10】第2施錠装置の正面図である。
【図11】第2施錠装置の左側面図である。
【図12】ロック機構の分解説明図である。
【図13】可動アームの作動前状態を示すロック機構の要部拡大断面図である。
【図14】可動アームが回転してボールから円盤部のボール溝が離脱した状態を示すロック機構の要部拡大断面図である。
【符号の説明】
【0064】
1 駐輪システム
3 ガイド枠
10 第1施錠装置
11 基板
12 ガイド溝部
15 ロック機構
16 支持枠
20 ボール受板
22 ボール孔
24 支持軸
25 主軸部
27 軸受部
28 ねじ軸部
33 可動アーム
34 円盤部
35 挿通孔
36 アーム部
37 係止部
38 ばね止孔
39 ボール溝
41 ボール
44 上ばね
45 下ばね
47 センサ
48 ソレノイド
100 第2施錠装置
101 基板
102 ガイド溝部
105 ロック機構
106 支持枠
110 ボール受板
115 支持軸
116 主軸部
117 固定ねじ部
118 第1ねじ部
119 第2ねじ部
125 可動アーム
126 円盤部
128 アーム部
129 ガイド車
130 係止部
131 ボール溝
134 ボール
138 固定枠
145 上ばね
146 下ばね
148 センサ
150 ソレノイド
153 作動枠片

【特許請求の範囲】
【請求項1】
支柱(2)方向に傾斜させた自転車(X)の前輪(Y)を載置するためのガイド枠(3)と、
前記支柱(2)の上端に位置し、前記ガイド枠(3)方向の一端を開口して前輪(Y)を進入させるガイド溝部(12)を有して基板(11)を設けた第1施錠装置と、
前記基板(11)のガイド溝部(12)の一側に位置し、該ガイド溝部に進入した前輪(Y)の進退動を可動アーム(33)の一端に設けたアーム部(36)でガイド溝部(12)の片側から水平方向に開閉可能に遮断して制御するロック機構と、
前記ガイド溝部(12)内に自転車(X)の前輪(Y)が進入したことを感知し、一定時間経過後にソレノイド(48)と課金手段(Z)にON信号を発信するセンサ47と、
前記センサ(47)の電気信号により、前記ロック機構(15)の可動アーム(33)を、枢動可能に軸支した作動片(50)を介して制御するソレノイド(48)とからなり、
前記ガイド枠(3)に前輪(Y)が載置されると、該前輪の自重による押圧力でガイド溝部(12)を遮断している可動アーム(33)を回動させて前輪がガイド溝部(12)の最深部で停止すると、センサ(47)が一定時間経過後にON信号を発信し、ソレノイド(48)と課金手段(Z)とを同時に作動させ、ソレノイド(48)の可動鉄芯(49)が作動片(50)を押圧回動させて前記ロック機構(15)の可動アーム(33)をロックし、また、ロック機構(15)の解除は、一定の駐輪料金の精算、または暗証番号が入力されると課金手段(Z)のOFF信号によりソレノイド(48)の可動鉄芯(49)が元の位置に復帰すると同時に作動片(50)も自重で元の位置に回動することにより可動アーム(33)のロックが解除され、前輪(Y)をガイド枠(3)方向に移動させると、該前輪(Y)の押圧力で可動アーム(35)が開いて前輪(Y)を解除させることを特徴とする有料駐輪システムにおける施錠装置。
【請求項2】
前記ロック機構(15)は、
段状に形成した平面部(17)の中央に貫通孔(18)を有した支持枠(16)と、
同じく中央に貫通孔(21)を設け、該貫通孔の周囲近傍同心円上に複数のボール孔(22)を設けたボール受板(20)と、
下端に固定ねじ部(26)を有した主軸部(25)の上端にそれぞれ異径に形成した軸受部(27)とねじ軸部(28)を同一軸心上に設け、前記主軸部(25)の任意個所と、ねじ軸部の任意個所にそれぞればね止穴(29)(30)を設けた支持軸(24)と、
前記ガイド溝部(12)を片側から遮断するアーム部(36)を一側に設けた円盤部(34)の中央に挿通孔(35)、周面一側に係止部(37)をそれぞれ設け、この円盤部(34)の下面には、前記ボール受板(20)のボール孔(22)と合致する位置に複数のボール溝(39)を設けて形成した可動アーム(33)と、
この可動アーム(33)のボール溝(39)と、前記ボール受板(20)のボール孔(22)との間に回転可能に遊嵌させたボール(31)と、
前記支持軸(24)のねじ軸部(28)に螺着する固定ナット(41)と、
略全体を前記ねじ軸部(28)に巻装し、一端をねじ軸部(28)のばね止穴(29)に、他端を前記可動アーム(33)のばね止孔(38)に固着して可動アーム(33)を下方向に弾発させ、且つ、該可動アームが一方方向に回転しとき、元の位置に戻る反発力を有する上ばね(44)と、
略全体を前記主軸部(25)に巻装し、一端を前記主軸軸(25)のばね止穴(30)に、他端を前記可動アーム(33)のばね止孔(38)に固着し、該可動アームが前記回転方向と反対方向に回転したとき、元の位置に戻る反発力を有する下ばね(45)とからなることを特徴とする請求項1記載の有料駐輪システムにおける施錠装置。
【請求項3】
支柱(2)方向に傾斜させた自転車(X)の前輪(Y)を載置するためのガイド枠(3)と、
前記支柱(2)の上端に位置し、前記ガイド枠(3)方向の一端中央を開口して前輪(Y)を進入させるガイド溝部(102)を形成し、該ガイド溝部の最深部中央に車止枠(103)を取付けて形成して基板(101)を設けた第2施錠装置(100)と、
前記基板(101)のガイド溝部(102)の両側に位置し、該ガイド溝部に進入した前輪(Y)の進退動を可動アーム(125)の一端に設けたアーム部(128)でガイド溝部(102)を両側から開閉可能に遮断して制御する一対のロック機構(105)と、
前記ガイド溝部(102)内に自転車(X)の前輪(Y)が進入したことを感知するセンサ(148)と、
前記センサ(148)の電気信号により、前記ガイド溝部(102)の両側に位置したロック機構(105)の可動アーム(125)を同時にロックするための作動枠(153)を介して制御するソレノイド(150)とからなり、
前記ガイド枠(3)に前輪(Y)が搭載されると、該前輪の自重による押圧力でガイド溝部(102)を両側から遮断しているロック機構(105)の可動アーム(125)を回動させてガイド溝部(102)の車輪止枠(103)で停止すると、センサ(148)が一定時間経過後にON信号を発信し、ソレノイド(150)と課金手段(Z)とを同時に作動させ、ソレノイド(150)の可動鉄芯(151)で作動枠片(153)を押圧回動させて前記ロック機構(105)の可動アーム(125)をロックし、また、ロック機構(105)の解除は、一定の駐輪料金の支払、または暗証番号が入力されると課金手段(Z)のOFF信号によりソレノイド(150)の可動鉄芯(151)が元の位置に復帰すると同時に作動枠片(153)も自重で元の位置に回動することにより可動アーム(125)のロックが解除され、前輪(Y)をガイド枠(3)方向に移動させると、該前輪(Y)の押圧力で可動アーム(125)が開いて前輪(Y)を解除させることを特徴とする有料駐輪システムにおける施錠装置。
【請求項4】
前記一対のロック機構(105)は、それぞれ台形に形成した平面部(107)の中央に貫通孔(108)を有した支持枠(106)と、
同じく中央に貫通孔(111)を設け、該貫通孔の周囲近傍同心円上に複数のボール孔(112)を設けたボール受板(110)と、
固定ねじ部(117)を下端に設けた主軸部(116)の上方にそれぞれ異径に形成した第1ねじ軸(118)と第2ねじ軸(119)を同一軸心上に設け、前記主軸部(116)の任意個所と、第1ねじ軸部(118)の任意個所にそれぞればね止穴(120)(121)を設けた支持軸(115)と、
先端にガイド車(136)を回転可能に取付けたアーム部(135)を一側に設けた円盤部(126)の中央に挿通孔(127)、周面一側に係止部(128)をそれぞれ設け、この円盤部(126)の下面には、前記ボール受板(110)のボール孔(112)と合致する位置に複数のボール溝(131)を設けて形成した可動アーム(125)と、
この可動アーム(125)のボール溝(131)と、前記ボール受板(110)のボール孔(112)との間に回転可能に遊嵌したボール(134)と、
支持軸(115)の第1ねじ軸(118)に軸着し、主軸部(116)に回転且つ上下動可能に軸支した可動アーム(125)を係止する固定ナット(136)と、
略全体を前記第1ねじ軸部(118)に巻装し、一端を第1ねじ軸部(118)のばね止穴(120)に、他端を前記可動アーム(125)のばね止孔(132)に固着し、可動アーム(125)を下方向に弾発させ、且つ、該可動アームが一方方向に回転しとき、元の位置に戻る反発力を有する上ばね(145)と、
略全体を前記主軸部(116)に巻装し、一端を該主軸軸のばね止穴(121)に、他端を前記可動アーム(125)のばね止孔(132)に固着し、該可動アームが前記回転方向と反対方向に回転したとき、元の位置に戻る反発力を有した下ばね(146)と、
中央に設けたねじ孔(140)を前記第2ねじ軸(119)に挿通して支持軸(115)を支持する固定枠(138)と、
前記固定枠(138)を第2ねじ軸(119)に固定するナット(142)とからなることを特徴とする請求項3記載の有料駐輪システムにおける施錠装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公開番号】特開2006−69289(P2006−69289A)
【公開日】平成18年3月16日(2006.3.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−252851(P2004−252851)
【出願日】平成16年8月31日(2004.8.31)
【出願人】(592156493)株式会社葉月工業 (7)