説明

有機ハロゲン化合物分解微生物を検出するためのプローブおよび検出方法

【課題】環境中の有機ハロゲン化合物、特にテトラクロロエチレンをトリクロロエチレンに短時間のうちに分解し、エタンまでの分解を促進して、これらの化合物が人体に及ぼす影響を軽減し得る微生物を検出する方法の提供。
【解決手段】特定のヌクレオチド配列に基づいて設計した有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを検出するためのプローブおよびプライマー対、ならびにそれらを利用した有機ハロゲン化合物分解微生物の検出用キットおよび検出方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、有機ハロゲン化合物分解微生物を検出するためのプローブ、かかる微生物DNAを増幅するためのプライマー、ならびにかかるプローブおよびプライマーを用いる検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
細菌やウイルスなどの微生物を検出するための方法としては、電子顕微鏡を用いた形態学的検査法、細胞培養法、血清学的方法、抗原−抗体反応検出法、PCR法などの種々の方法が知られている。これらのうち、PCRを利用した検出方法は、培養が困難または不可能な微生物にも適用することができ、短時間で検出が可能であり、検出感度が高いという利点を有している。また、複数の種類のプライマーを用いるmultiplex PCR法を用いることにより、複数種類の近縁微生物を同時に検出することも可能である。
【0003】
近年、有機ハロゲン化合物の有用性と需要が拡大するなか、それらによる環境汚染が問題視されており、かかる化合物の野生生物や人体への蓄積も指摘されている。
現在のところ、これら環境中に放出された有機ハロゲン化合物は、回収した後に高熱を加えて分解する熱分解法などによって処理されている。しかしながら、広範囲にわたって汚染された土壌、地下水などに含まれる有機ハロゲン化合物は、その回収に手間がかかり、また、回収後の処理には多大な費用を要する。
【0004】
なかでも、代替フロン用の合成原料、ドライクリーニング溶剤、化学繊維、金属機械部品の洗浄剤などの目的で工業的に生産されている化合物であるテトラクロロエチレン(パークロロエチレン、四塩化エチレンと呼ばれる場合もある)は、トリクロロエチレン、シス−1,2−ジクロロエチレン、塩化ビニルを経て最終的にエタンまで分解されるが、それらの中で最も低い予測無影響濃度(PEEC)を有し、半減期が最も長いため、人体に与える影響が最も大きいと考えられる物質である。また、テトラクロロエチレンは、土壌への吸着性が弱いために、土壌に原液のままで排出された場合には、地下浸透して地下水を汚染し、長期間にわたって残留すると考えられ、汚染された地下水を長期間にわたって飲用する場合には人体に深刻な影響を及ぼすおそれがある(非特許文献1)。
【0005】
そこで、近年、微生物を利用した環境中の有機ハロゲン化合物の分解除去が提唱されている。微生物を利用した分解は、土壌の掘削、地下水の回収、遮蔽物の除去などが不要であり、経済面および技術面の双方から有利である。このような微生物を利用する環境浄化はバイオレメディエーションと呼ばれている。
【0006】
そこで、このように優れた有機ハロゲン化合物分解微生物を含む検体をスクリーニングし、検体から該微生物を単離、培養などができれば、有効なバイオレメディエーションが可能となる。
【0007】
【特許文献1】特開2005−278433公報
【非特許文献1】環境省、「化学物質の環境リスク評価第2巻」、[online]、2005年5月、[2006年4月16日検索]、インターネット<URL:http://www.env.go.jp/chemi/report/h15-01/pdf/chap01/02-3/40.pdf>
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、環境中の有機ハロゲン化合物、特にテトラクロロエチレンをトリクロロエチレンに短時間のうちに分解し、エタンまでの分解を促進して、これらの化合物が人体に及ぼす影響を軽減し得る微生物を単離することは困難であり、検体中のかかる微生物を簡便かつ迅速に検出し、単離する技術が望まれていた。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明者らは、有機ハロゲン化合物、特にテトラクロロエチレンをトリクロロエチレンに分解する微生物技術を開発すべく鋭意検討した結果、かかる微生物を検出する技術を開発し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち、本発明は、
[1]有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを検出するためのプローブであって、
(1)GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)またはその相補的な配列、
(2)CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)またはその相補的な配列、
[ここに、(1)または(2)において、YはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
(3)ATGGAAAAGAAAAAAAAGCCTGAACTC(配列番号:3)またはその相補的な配列、
(4)GGTGTACCAGGTGCAAATGCAGC(配列番号:4)またはその相補的な配列、
(5)GCTGAAAAAGAGAAAAATGCAGCTGA(配列番号:5)またはその相補的な配列、
(6)ATGAAATTATTAAATATTTTAAATTATAAAGC(配列番号:6)またはその相補的な配列、
(7)ACGCTTAAGCTTTTCCCATAAAATATATG(配列番号:7)またはその相補的な配列、
(8)ATGTGGGCACCAGTAGGGTT(配列番号:8)またはその相補的な配列、
(9)ATCAGTTGCCTTTGCTGTTGAAG(配列番号:9)またはその相補的な配列、
(10)GTGGGCACCAGTAGGGTTAG(配列番号:10)またはその相補的な配列、
(11)ATTCCACCCAATAATCTAAG(配列番号:11)またはその相補的な配列、
(12)TCATGATTTTTTAACCCTATCCTTTC(配列番号:12)またはその相補的な配列、
(13)GAAATTAACGCTTAAGCTTTTCCC(配列番号:13)またはその相補的な配列、
(14)AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20(配列番号:14)またはその相補的な配列、
(15)TATTCA-TTA-N14-20(配列番号:15)またはその相補的な配列、

(16)配列番号:1ないし15のいずれか1つにおいて1ないし数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加されたヌクレオチド配列またはその相補的な配列からなり、かつ、有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAにハイブリダイズするDNAの配列
よりなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるプローブ;
[2]有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを検出するためのプローブであって、
(17)GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)またはその相補的な配列、
(18)CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)またはその相補的な配列、
[ここに、(17)または(18)において、YはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
(19)GAAAAGAAAAAACCTGAACTTTCACG(配列番号:16)またはその相補的な配列、
(20)CAATCTCAGAAGGGCCACAATCC(配列番号:17)またはその相補的な配列、
(21)CCGCTACCAATGGCACAATGA(配列番号:18)またはその相補的な配列、
(22)TGAATCGGGCGGAGACTGTGG(配列番号:19)またはその相補的な配列、
(23)GATATTGAAAAACCAACGGAAACA(配列番号:20)またはその相補的な配列、
(24)TAGCTTTGCCAATGTTATCGTTTC(配列番号:21)またはその相補的な配列、
(25)GCAGTGTTTGGCTACTTCTATGGC(配列番号:22)またはその相補的な配列、
(26)ATGGCGTTGAATGGTTGATTG(配列番号:23)またはその相補的な配列、
(27)ATAATGCAAATGGCCGCTACC(配列番号:24)またはその相補的な配列、
(28)GCCTCTTATTCCCGATAAACC(配列番号:25)またはその相補的な配列、
(29)CATACCTAGCATTACAGGATCAAGG(配列番号:26)またはその相補的な配列、
(30)ACGAGAGTAACAAAGTGCCGC(配列番号:27)またはその相補的な配列、
(31)CTGCATGTGCCATAGAAGTAGCC(配列番号:28)またはその相補的な配列、
(32)AGCCAAACACTGCATCATATCAC(配列番号:29)またはその相補的な配列、
(33)TAACGCCAGGTGCATGTTGTG(配列番号:30)またはその相補的な配列、
(34)TTTTGCTTTTGGTCCATCATAGA(配列番号:31)またはその相補的な配列、
(35)TCATAGAAAACACCCAAAACTTAG(配列番号:32)またはその相補的な配列、
(36)TCATGATTTTTTTACCCTATCC(配列番号:33)またはその相補的な配列、
(37)AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20(配列番号:14)またはその相補的な配列、
(38)TATTCA-TTA-N14-20(配列番号:15)またはその相補的な配列、および
(39)配列番号:1、2および14ないし33のいずれか1つにおいて1ないし数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加されたヌクレオチド配列またはその相補的な配列からなり、かつ、有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAにハイブリダイズするDNAの配列
よりなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるプローブ;
[3]有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である前記[1]または[2]記載のプローブ;
[4]前記[1]記載のプローブが固定された固相担体;
[5]前記[2]記載のプローブが固定された固相担体;
[6]前記[1]に記載のプローブと前記[2]に記載のプローブとが固定された固相担体;
[7]有機ハロゲン化合物がテトラクロロエチレンである前記[4]ないし[6]のいずれか1に記載の固相担体;
[8]検出可能に標識された前記[1]に記載のプローブと、該プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む有機ハロゲン分解微生物の検出用キット;
[9]検出可能に標識された前記[2]に記載のプローブと、該プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む有機ハロゲン分解微生物の検出用キット;
[10]検出可能に標識された前記[1]に記載のプローブおよび前記[2]に記載のプローブと、それらのプローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む有機ハロゲン分解微生物の検出用キット;
[11]有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である前記[8]ないし[10]のいずれか1に記載の検出用キット;
[12]被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)
CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)
[ここに、配列中のYはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
よりなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを前記[1]に記載の(3)〜(16)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法;
[13]被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)
CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)
[ここに、配列中のYはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
よりなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを前記[2]に記載の(19)〜(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法;
[14]被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)
CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)
[ここに、配列中のYはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
よりなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを前記[1]および[2]に記載の(3)〜(16)および(19)〜(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法;
[15]被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
よりなるプライマー対、および
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを前記[1]に記載の(1)〜(13)および(16)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法;
[16]被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
よりなるプライマー対、および
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを前記[2]に記載の(17)〜(36)および(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法;
[17]被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
よりなるプライマー対、および
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを前記[1]および[2]に記載の(1)〜(13)、(16)、(17)〜(36)および(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法;
[18]有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である前記[12]ないし[17]のいずれか1に記載の検出方法;
[19]有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、
配列番号:4に記載のヌクレオチド配列と配列番号:12記載のヌクレオチド配列;
配列番号:5に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:8に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:10に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;および
配列番号:9に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド
よりなる群から選択されるプライマー対;
[20]有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:26に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:27に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:28に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:29に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:20に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:21に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:22に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:25に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:17に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:24に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:18に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:17に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;および
配列番号:23に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド
よりなる群から選択されるプライマー対;
[21]有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、配列番号:1に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:2に記載のオリゴヌクレオチドとからなるプライマー対;
[22]有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、配列番号:1に記載のオリゴヌクレオチド、配列番号:2に記載のオリゴヌクレオチドおよび配列番号:34に記載のオリゴヌクレオチドとからなるプライマー対;および
[23]有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である前記[19]ないし[22]のいずれか1に記載のプライマー対
を提供する。
【0011】
本明細書中で「1ないし数個のアミノ酸」という場合は、好ましくは1〜10個、より好ましくは1〜9個、さらに好ましくは1〜8個、よりさらに好ましくは1〜7個、なおよりさらに好ましくは1〜5個のアミノ酸を意味する。
【0012】
本明細書中で用いる「ストリンジェントな条件」とは、ある塩基配列に対して高い相同性を有する他の核酸配列が特異的にハイブリダイズすることができる条件を意味し、このような条件下であれば特に限定されるものではないが、例えば、Current Protocols in Molecular Biology, Ausubelら編、John Wiley & Sons, Inc. (1995), セクション2、4および6に見出すことができる。さらなるストリンジェントな条件は、Molecular Cloning: A Laboratory Manual, Sambrookら、Cold Spring Harbor Press (1989), 第7、9および11章に記載されている。
【0013】
本発明において好ましいストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例としては、約30℃にて約1×塩化ナトリウム/クエン酸ナトリウム(SSC)中のハイブリダイゼーションにつづく、約30℃にて約1×SSC中の1回以上の洗浄が挙げられる。
【0014】
また、本発明において好ましいよりストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例としては、約45℃にて0.5×SSC中のハイブリダイゼーションにつづく、約45℃にて約0.5×SSC中の1回以上の洗浄が挙げられる。
【0015】
また、本発明において好ましい最もストリンジェントなハイブリダイゼーション条件の例としては、約50℃にて約0.2×SSC中のハイブリダイゼーションにつづく、約50℃にて約0.2×SSC中の1回以上の洗浄が挙げられる。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、環境中に存在する有機ハロゲン化合物分解微生物を検出し、または、その有機ハロゲン化合物分解酵素をコードするDNAをクローニングして人工的に酵素を産生することにより、環境中の有機ハロゲン化合物の分解に利用することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本発明は、第1の態様において、有機ハロゲン化合物分解微生物を検出するためのプローブを提供する。
【0018】
また、本発明は、第2の態様において、上記のプローブが固定された固相担体を提供する。
【0019】
また、本発明は、第3の形態において、検出可能に標識された上記のプローブと、該プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む有機ハロゲン分解微生物の検出用キットを提供する。
【0020】
また、本発明は、第4の形態において、上記プローブをプライマー対として用いて標的DNAを増幅し、増幅したDNAを上記のプローブを用いて検出することを含む、被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法を提供する。
【0021】
さらに、本発明は、第5の形態において、遺伝子増幅PCRに用いるための、特定の組合せのオリゴヌクレオチドから選択されるプライマー対を提供する。
【0022】
本発明の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出するためのプローブは、
(1)GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)またはその相補的な配列、
(2)CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)またはその相補的な配列
[ここに、(1)または(2)において、YはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]、
(3)ATGGAAAAGAAAAAAAAGCCTGAACTC(配列番号:3)またはその相補的な配列、
(4)GGTGTACCAGGTGCAAATGCAGC(配列番号:4)またはその相補的な配列、
(5)GCTGAAAAAGAGAAAAATGCAGCTGA(配列番号:5)またはその相補的な配列、
(6)ATGAAATTATTAAATATTTTAAATTATAAAGC(配列番号:6)またはその相補的な配列、
(7)ACGCTTAAGCTTTTCCCATAAAATATATG(配列番号:7)またはその相補的な配列、
(8)ATGTGGGCACCAGTAGGGTT(配列番号:8)またはその相補的な配列、
(9)ATCAGTTGCCTTTGCTGTTGAAG(配列番号:9)またはその相補的な配列、
(10)GTGGGCACCAGTAGGGTTAG(配列番号:10)またはその相補的な配列、
(11)ATTCCACCCAATAATCTAAG(配列番号:11)またはその相補的な配列、
(12)TCATGATTTTTTAACCCTATCCTTTC(配列番号:12)またはその相補的な配列、
(13)GAAATTAACGCTTAAGCTTTTCCC(配列番号:13)またはその相補的な配列、
(14)AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20(配列番号:14)またはその相補的な配列、
(15)TATTCA-TTA-N14-20(配列番号:15)またはその相補的な配列、および
(16)配列番号:1ないし15のいずれか1のオリゴヌクレオチドにおいて1ないし数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加されたヌクレオチド配列またはその相補的な配列からなり、かつ、有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAにハイブリダイズするDNAの配列、ならびに
(17)GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)またはその相補的な配列、
(18)CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)またはその相補的な配列
[ここに、(17)または(18)において、YはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]、
(19)GAAAAGAAAAAACCTGAACTTTCACG(配列番号:16)またはその相補的な配列、
(20)CAATCTCAGAAGGGCCACAATCC(配列番号:17)またはその相補的な配列、
(21)CCGCTACCAATGGCACAATGA(配列番号:18)またはその相補的な配列、
(22)TGAATCGGGCGGAGACTGTGG(配列番号:19)またはその相補的な配列、
(23)GATATTGAAAAACCAACGGAAACA(配列番号:20)またはその相補的な配列、
(24)TAGCTTTGCCAATGTTATCGTTTC(配列番号:21)またはその相補的な配列、
(25)GCAGTGTTTGGCTACTTCTATGGC(配列番号:22)またはその相補的な配列、
(26)ATGGCGTTGAATGGTTGATTG(配列番号:23)またはその相補的な配列、
(27)ATAATGCAAATGGCCGCTACC(配列番号:24)またはその相補的な配列、
(28)GCCTCTTATTCCCGATAAACC(配列番号:25)またはその相補的な配列、
(29)CATACCTAGCATTACAGGATCAAGG(配列番号:26)またはその相補的な配列、
(30)ACGAGAGTAACAAAGTGCCGC(配列番号:27)またはその相補的な配列、
(31)CTGCATGTGCCATAGAAGTAGCC(配列番号:28)またはその相補的な配列、
(32)AGCCAAACACTGCATCATATCAC(配列番号:29)またはその相補的な配列、
(33)TAACGCCAGGTGCATGTTGTG(配列番号:30)またはその相補的な配列、
(34)TTTTGCTTTTGGTCCATCATAGA(配列番号:31)またはその相補的な配列、
(35)TCATAGAAAACACCCAAAACTTAG(配列番号:32)またはその相補的な配列、
(36)TCATGATTTTTTTACCCTATCC(配列番号:33)またはその相補的な配列、
(37)AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20(配列番号:14)またはその相補的な配列、
(38)TATTCA-TTA-N14-20(配列番号:15)またはその相補的な配列、および
(39)配列番号:1、2および14ないし33のいずれか1つにおいて1ないし数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加されたヌクレオチド配列またはその相補的な配列からなり、かつ、有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAにハイブリダイズするDNAの配列
よりなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるプローブから選択される。
ここで、「1ないし数個のヌクレオチド」とは前記定義のとおりである。
【0023】
また、本発明のプローブには、配列番号:1ないし15および16ないし33よりなる群から選択される配列からなるオリゴヌクレオチドとストリンジェントなハイブリダイゼーション条件下でハイブリダイズするオリゴヌクレオチドも含まれる。
ここで、「ストリンジェントなハイブリダイゼーション条件」とは前記定義のとおりである。
さらに、本発明のプローブには、配列番号:1ないし15および16ないし33の配列からなるオリゴヌクレオチドと通常85%以上、好ましくは90%以上、より好ましくは95%以上、最も好ましくは97%以上の相同性を有するオリゴヌクレオチドも含まれる。
【0024】
本発明の有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを検出するためのプローブは、有機ハロゲン化合物分解細菌から単離したPCEデハロゲナーゼをコードするヌクレオチド配列(配列番号:35および36)の一部分を構成するオリゴヌクレオチドまたはその類似体であり、当該プローブには、ヌクレオチド配列の一部分を構成し、特異的なハイブリダイズを引き起こすのに十分な長さの実質的にすべてのオリゴヌクレオチドが包含される。本発明のプローブは、Dehalospirillum属、Clostridium属、Dehalobacter属、Dehalospirillum属、Desulfuromonas属、Desulfitobacterium属、Desulfomonile属に属する細菌の有機ハロゲン分解酵素、詳細にはPCEデハロゲナーゼの遺伝子をコードするポリヌクレオチドの一部分とハイブリダイズして、それらの細菌を検出することができる。
【0025】
本発明によれば、有機ハロゲン化合物分解細菌を検出することができ、複数種のプローブを組み合わせて用いることによって複数種の有機ハロゲン化合物分解細菌を検出することができる。
【0026】
本発明のプローブは、配列表に記載したヌクレオチド配列に基づいて、公知のヌクレオチド合成法を用いて合成することができる。
【0027】
本発明のプローブは、特定の細菌を検出するために用いる場合、固相担体に固定化されていることが好ましい。そのような固相担体としては、例えば、ビーズ、シリコン、ガラス、プラスチック板などが含まれる。また、プローブは標的DNAとのハイブリダイズを容易に検出することができるように、適宜標識することもできる。標識に用いる物質としては、蛍光物質、放射性同位元素、ビオチンなど当該技術分野で公知の物質を用いることができ、それぞれ対応する検出方法によって検出することができる。
【0028】
また、本発明の有機ハロゲン分解微生物の検出用キットは、上記したプローブと当該プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む。この検出用キットには、上記したプローブを1種または2種以上組み合わせて含ませることができる。
【0029】
本発明の固相担体および検出用キットは、有機ハロゲン化合物分解酵素、具体的にはテトラクロロエチレンをトリクロロエチレンに変換する酵素の遺伝子を保有する細菌、例えばDehalospirillum multivorans、Desulfitobacterium hafniense、Clostridium bifermentans、Dehalobacter restrictus、Dehalospirillum multivorans、Desulfuromonas chloroethenic、Desulfitobacterium dehalogenansおよびDesulfomonile tiedjeiなどを検出するのに用いることができる。
【0030】
また、本発明の有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法は、
(1)被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
(2)配列番号:1、3、4、5、8、9および10よりなる群から選択されるいずれか1に記載のフォワードプライマーと、配列番号:2、7、11、12および13よりなる群から選択されるいずれか1に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対、または配列番号:6に記載のフォワードプライマーと配列番号:7または13に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
(3)増幅したDNAを、増幅した領域に含まれる配列番号:3ないし15に記載のいずれかのプローブを用いて検出し;ついで
(4)該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法である。
【0031】
また、本発明の検出方法は、
(1)被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
(2)配列番号:1または16に記載のフォワードプライマーと、配列番号:2、26ないし33よりなる群から選択されるいずれか1に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対、または配列番号:17ないし25よりなる群から選択されるいずれか1に記載のフォワードプライマーと配列番号:26または33に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
(3)増幅したDNAを、増幅した領域に含まれる請求項1記載の(3)〜(16)のいずれかのプローブを用いて検出し;ついで
(4)該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法である。
【0032】
さらに、本発明の好ましい有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法は、
(1)被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
(2)配列番号:14に記載のフォワードプライマーと配列番号:15に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
(3)(2)において増幅したDNAを、配列番号:34に記載のユニバーサルプライマーと配列番号:15に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を用いて増幅し、
(3)増幅したDNAを、増幅した領域に含まれる配列番号:1〜13のいずれか1つのプローブを用いて検出し;ついで
(4)該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法である。
【0033】
さらに、本発明の好ましい有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法は、
(1)被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
(2)配列番号:14に記載のフォワードプライマーと、配列番号:15に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
(3)(2)において増幅したDNAを、配列番号:34に記載のユニバーサルプライマーと配列番号:15に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を用いて増幅し、
(3)増幅したDNAを、増幅した領域に含まれる配列番号:16〜33のいずれか1つのプローブを用いて検出し;ついで
(4)該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法である。
【0034】
すなわち、被験試料中に有機ハロゲン化合物分解微生物が存在する場合には、特定の組合せのプライマー対を用いたPCRにより該微生物のDNAが増幅され、増幅した領域にハイブリダイズすることができる前記プローブを用いてその増幅を検出することによって被験試料中の微生物の存否を判定する。
【0035】
さらに、本発明のプライマー対は、被験試料中の微生物がコードする目的の有機ハロゲン化合物分解酵素をコードする遺伝子またはその断片を増幅するために用いられ、配列番号:35に記載のヌクレオチド配列によりコードされるPCEデハロゲナーゼを保有する微生物の遺伝子を増幅するためには、
配列番号:1、3、4、5、8、9および10よりなる群から選択されるいずれか1に記載のフォワードプライマーと、配列番号:2、7、11、12および13よりなる群から選択されるいずれか1に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対、または、配列番号:6に記載のフォワードプライマーと配列番号:7または13に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を使用することができ、好ましくは配列番号:4に記載のヌクレオチド配列と配列番号:12記載のヌクレオチド配列;配列番号:5に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:8に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:10に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;および配列番号:9に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチドよりなる群から選択されるプライマー対を使用することができる。
【0036】
また、配列番号:36に記載のヌクレオチド配列によりコードされるPCEデハロゲナーゼを保有する微生物の遺伝子を増幅するためには、
配列番号:1または16に記載のフォワードプライマーと、配列番号:2、26ないし33よりなる群から選択されるいずれか1に記載のリバースプライマーとからなるプライマー対を使用することができ、好ましくは配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:26に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:27に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:28に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:29に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:20に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:21に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:22に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:25に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:17に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:24に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:18に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;配列番号:17に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;および配列番号:23に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチドよりなる群から選択されるプライマー対を使用することができる。
【0037】
さらに、配列番号:14に記載のオリゴヌクレオチド(フォワードプライマー)と配列番号:15に記載のオリゴヌクレオチド(リバースプライマー)を用いる場合は、配列番号:35に記載のポリヌクレオチド配列によりコードされるPCEデハロゲナーゼを保有する微生物の遺伝子も配列番号:36に記載のポリヌクレオチド配列によりコードされるPCEデハロゲナーゼを保有する微生物の遺伝子も増幅することができ、両方の微生物を検出することができる。
【0038】
本発明の有機ハロゲン化合物分解酵素を保有する微生物の存否を判定する被験試料としては、土壌、地下水、河川水、工場廃水、湖沼水、活性汚泥などを挙げることができる。
【0039】
配列番号:35および36で表されるポリヌクレオチドを組み込んだプラスミドは、各々ppceADおよびprdhADと命名し、独立行政法人産業技術総合研究所特許生物寄託センター(IPOD)に寄託した。受託番号は、各々FERM P−21656およびFERM P−21657である。
【実施例】
【0040】
1.サンプリングとDNA抽出方法
1)地下水のサンプリング方法
観測用井戸50ヶ所から、地下水採取装置を用いてそれぞれ約1000 mlずつ地下水を摂取した。微生物のコンタミネーションを避けるために、地下水採取装置は採水前および各観測井戸の採水後に滅菌蒸留水で洗浄した。以下の菌体の濃縮は、採水後1時間以内に完了した。
【0041】
2)ろ過による菌体の濃縮方法
採取した地下水は、1時間以内に50 mlのテルモシリンジを用いて、孔径0.45 μmのニトロセルロースフィルター MF-MEMBRANE FILTERS HAWP04700(MILLIPORE社)に通すことで、地下水中の菌体を濃縮した。通液後、フィルターを取り出しファルコンチューブに入れ、速やかにドライアイスを用いて保存した。DNA抽出は、このろ過サンプルを出発材料として行った。
【0042】
3)サンプルからのDNA抽出
DNAの抽出には、ISOFECAL for Beads Beating Kit(NIPPON GENE社)を使用した。詳細には、試料を通したフィルターが入ったファルコンチューブに0.85 %生理食塩水5 mlを入れ、ボルテックスをかけてフィルターの付着物をよく落とした。そしてフィルターを取り除き4℃、3,500 rpmで10分遠心分離を行いその上清を除去した。そこに、1 mlのLysis Solution Fを添加しよくピペッティングしたものをビーズ入りバイアルに入れ、MINI-BEAD-BEATER(BioSpec Products社)で4,800 rpm、1分間でBeads Beating処理した後4℃、12,000 rpmで10分間遠心分離を行い、上清600 μlをそれぞれファルコンチューブに回収した。回収した上清にPurification Solution 400 μlを添加し、軽く攪拌した。さらに、クロロホルム600 μlを添加し、15秒間ボルテックスで混和した後4℃、15,000 rpmで10分間遠心分離を行った。ついで、中間層を入れないように水層700 μlをエッペンドルフチューブに取り出し、Precipitation Solution 700 μlと混合し、4℃、15,000 rpmで30分間遠心分離を行い上清を廃棄した。ついで、Wash Solution 1 mlを添加し転倒混和でリンス後、4℃、15,000 rpmで20分間遠心分離を行い、上清を廃棄した。最後に、70%エタノール 1 mlとEthachinmate 2 μlを添加し転倒混和でリンス後、4℃、15,000 rpmで10分間遠心分離を行って上清を廃棄し乾燥させた後、沈殿物を100 μlのTE bufferに溶解して、精製DNAを得た。
【0043】
2.DNAのクローニング方法
1)プライマーの設計および完全長遺伝子
図1に示す公知のPCEデハロゲナーゼ遺伝子のアミノ酸配列のマルチアライメントの結果に基づき、公知のオリゴヌクレオチド合成方法に従って以下のプライマー対を設計/合成した:
FWプライマー:GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)
RVプライマー:CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)
【0044】
2)PCR方法
PCR反応液の調製
PCR反応は、TaKaRa Ex Taq(商標)(TAKARA BIO社)のKitを使用して行った。PCRのサイクル条件を、表1に示す。予め行った実験により、40サイクルが最も適当なサイクル数であった。
【0045】
【表1】

【0046】
PCRにより増幅したバンドの塩基配列を解析した結果、2種類のデハロゲナーゼ遺伝子が含まれていた。両者の完全長遺伝子を取得し、それぞれをpceA1およびpceA2(rdhA)と命名した。
【0047】
PCEデハロゲナーゼ遺伝子(pceA1)
PCRによるTarget DNAの増幅方法
0.2 mlのPCRチューブに全量が50 μlになるように10×PCR buffer 5 μl、TaKaRa Ex Taq(商標) 0.5 μl(10 units/reaction)、Template DNA 2.5 μl、プライマー 0.5 μl×2、dNTP 5 μlを添加し、thermal cyclerにてPCR増幅反応を行った。配列決定用のPCR増幅に用いたプライマーは以下のとおりである。

FPU-pceA-FW1(BglII); ATGGAAAAGAAAAAAAAGCCTGAACTC(配列番号:3)
FPU-pceA-FW2(BglII); GGTGTACCAGGTGCAAATGCAGC(配列番号:4)
pceA1-N(BamHI); GCTGAAAAAGAGAAAAATGCAGCTGA(配列番号:5)
pceB1-N(BamHI); ATGAAATTATTAAATATTTTAAATTATAAAGC(配列番号:6)
pceB1-C-His(EcoRI); ACGCTTAAGCTTTTCCCATAAAATATATG(配列番号:7)
FPU-pceA-SQ1; ATGTGGGCACCAGTAGGGTT(配列番号:8)
FPU-pceA-SQ2; ATCAGTTGCCTTTGCTGTTGAAG(配列番号:9)
pceA-FW4; GTGGGCACCAGTAGGGTTAG(配列番号:10)
pceA-RV4; ATTCCACCCAATAATCTAAG(配列番号:11)
FPU-pceA-RV1(EcoRI); TCATGATTTTTTAACCCTATCCTTTC(配列番号:12)
FPU-pceA-RV2(EcoRI); GAAATTAACGCTTAAGCTTTTCCC(配列番号:13)
【0048】
アガロースゲル電気泳動方法
5%アガロースゲル濃度になるように0.5×TBE buffer(Tris-base 10.8%(w/v)、ホウ酸5.5%(w/v)) 200 mlにアガロースを3 g添加し、電子レンジにて溶解させた。よく攪拌し完全に溶け切ったことを確認した。ゲルが60〜50℃になったら、ゲル形成トレイに流し込み、しばらく放置してゲルを固化させた。電気泳動装置にゲルをセットし0.5×TBE bufferを満たした。ついで、泳動するPCR産物をLording bufferと (5:1 v/v) 混ぜ、その後ウェルの中に静かに試料10 μlを添加した。100 V, 40 minで泳動を行った後、ゲルを取り出しエチジウムブロマイド溶液に浸し5 min静置した。さらに、染色したゲルを蒸留水にて洗浄 (1〜2 min) し写真撮影機能付きUV遮断フィルターにてバンドを観察した。その結果を図2に示す。
【0049】
PCR産物からのDNA抽出方法
PCR産物からのDNAの抽出にはQI Aquick PCR Purification Kit (QIAGEN社)を用いた。まず、PCR産物50 μlに5倍量のPB buffer 250 μlを入れてよくピペッティングした。DNA結合のためそれをQI Aquickカラムに4℃、13,000 rpmで30秒遠心分離をして通した。そして、コレクションチューブのフロースルーを除きカラムをチューブに戻した。洗浄のためPE buffer 0.75 ml を4℃、13,000 rpmで60秒遠心分離をすることでカラムに通した。ついで、コレクションチューブのフロースルーを除き、カラムをチューブに戻してさらに4℃、13,000 rpmで30秒遠心分離を行い完全にPE bufferを取り除いた。その後カラムを新しいエッペンドルフチューブにセットし、DNAを抽出するためにEB buffer 30 μlをメンブレンの中央に入れ1分間放置した後、4℃、13,000 rpmで60秒遠心分離を行って下のエッペンドルフチューブにDNAを回収した。
【0050】
3.遺伝子配列決定方法
Sanger-dideoxy法およびその変法であるDye‐terminator法、Maxam-Gilbert法の3種類を検討し、OPCカラム精製のプライマーを用いたSanger-dideoxy法による遺伝子配列決定方法に決定した。決定したPCEデハロゲナーゼをコードするヌクレオチド配列を配列番号:35に示す。
【0051】
4.遺伝子発現方法
WakoPURE system(和光純薬工業社)のキットを用いて、解析した遺伝子より酵素を合成した。操作はキットの説明書に従った。
1)テンプレートDNAの作製
テンプレートDNAを、2段階PCRで調整を行った。
1段階目のPCRで、目的遺伝子の5'側にSD配列を含むアダプター配列を導入した。ついで、2段階目のPCRでT7プロモーター配列を含む領域を付加した。Forward(FW)プライマーとReverse(RV)プライマーのプライマー対は下記の配列に参照して設計した。
【0052】
プライマー配列
FWプライマー: 5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
RVプライマー: 5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
Universalプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
【0053】
ついで、目的の遺伝子を含むDNAを鋳型とし、設計したプライマー対を用いて1段階目のPCRを行い、PCR産物がシングルバンドであることをアガロースゲル電気泳動により確認した。ついで、1段階目のPCR産物を鋳型として、キットに添付されているT7プロモーター配列をもつユニバーサルプライマーと上記Reverseプライマーを用いて2段階目のPCRを行い、PCR産物がシングルバンドであるとことをアガロースゲル電気泳動で確認した。
このPCR反応液をそのままWakoPURE systemでのタンパク質合成でのテンプレートDNAとして使用した。
【0054】
2)タンパク質合成反応
WakoPURE systemの溶液Aおよび溶液Bのマイクロ遠心チューブを-80℃から取り出して氷上で融解させ、準備したマイクロ遠心チューブにヌクレアーゼフリー水を適量(反応液の全量が50 μlになるように)加えた。ついで、融解した溶液Aを25 μLおよび溶液Bを10 μL添加し、テンプレートDNAを1 μL(1.13 pmol)添加して、PCEデハロゲナーゼを翻訳した。ここまでの操作は氷上で行った。
【0055】
5.酵素反応速度の測定
生成したPCEデハロゲナーゼの酵素反応時間における生成トリクロロエチレンの変化を求めた。SP水295 μlにTris-pyrvate緩衝溶液pH 7.3を50 μl、メチルビオロゲン溶液50 μl、テトラクロロエチレン 50 μl、10 mg/ml BSA 5 μlを加え、全量450 μlのアッセイ溶液とした。
活性測定用バイアルにアッセイ溶液450 μlとWakoPURE system溶液全50 μlを加え、30℃の水浴中にて1〜4時間インキュベートし、活性測定用バイアルを65℃の温浴にて加熱し、ヘッドスペースガス1 mlをGC/MSを用いて定量し、予め作製した検量線との対比から酵素活性を求めた。
その結果、pceA1によりコードされるPCEデハロゲナーゼは、WakoPURE system溶液50 μlあたり、0.115 mM/hのトリクロロエチレンを生成した。
【0056】
PCEデハロゲナーゼ遺伝子(pceA2(rdhA))
0.2 mlのPCRチューブに全量が50 μlになるように10×PCR buffer 5 μl、TaKaRa Ex Taq(商標) 0.5 μl(10 units/reaction)、Template DNA 2.5 μl、プライマー 0.5 μl×2、dNTP 5 μlを添加し、thermal cyclerにてPCR増幅反応を行った。配列決定用のPCR増幅に用いたプライマーは以下のとおりである。

rdhA-UP-BamHI; GAAAAGAAAAAACCTGAACTTTCACG(配列番号:16)
rdhA-UP1; CAATCTCAGAAGGGCCACAATCC(配列番号:17)
rdhA-UP2; CCGCTACCAATGGCACAATGA(配列番号:18)
rdhA-UP3; TGAATCGGGCGGAGACTGTGG(配列番号:19)
rdhA-UP5; GATATTGAAAAACCAACGGAAACA(配列番号:20)
rdhA-UP6; TAGCTTTGCCAATGTTATCGTTTC(配列番号:21)
rdhA-UP7; GCAGTGTTTGGCTACTTCTATGGC(配列番号:22)
rdhA-UP8; ATGGCGTTGAATGGTTGATTG(配列番号:23)
rdhA-UP9; ATAATGCAAATGGCCGCTACC(配列番号:24)
rdhA-UP10; GCCTCTTATTCCCGATAAACC(配列番号:25)
rdhA-RV1; CATACCTAGCATTACAGGATCAAGG(配列番号:26)
rdhA-LP1; ACGAGAGTAACAAAGTGCCGC(配列番号:27)
rdhA-LP2; CTGCATGTGCCATAGAAGTAGCC(配列番号:28)
rdhA-LP3; AGCCAAACACTGCATCATATCAC(配列番号:29)
rdhA-LP5; TAACGCCAGGTGCATGTTGTG(配列番号:30)
rdhA-LP6; TTTTGCTTTTGGTCCATCATAGA(配列番号:31)
rdhA-LP7; TCATAGAAAACACCCAAAACTTAG(配列番号:32)
rdhA-LP-EcoRI;TCATGATTTTTTTACCCTATCC(配列番号:33)
【0057】
アガロースゲル電気泳動方法
5%アガロースゲル濃度になるように0.5×TBE buffer(Tris-base 10.8%(w/v)、ホウ酸5.5%(w/v)) 200 mlにアガロースを3 g添加し、電子レンジにて溶解させた。よく攪拌し完全に溶け切ったことを確認した。ゲルが60〜50℃になったら、ゲル形成トレイに流し込み、しばらく放置してゲルを固化させた。電気泳動装置にゲルをセットし0.5×TBE bufferを満たした。ついで、泳動するPCR産物をLording bufferと (5:1 v/v) 混ぜ、その後ウェルの中に静かに試料10 μlを添加した。100 V, 40 minで泳動を行った後、ゲルを取り出しエチジウムブロマイド溶液に浸し5 min静置した。さらに、染色したゲルを蒸留水にて洗浄 (1〜2 min) し写真撮影機能付きUV遮断フィルターにてバンドを観察した。その結果を図3に示す。
【0058】
PCR産物からのDNA抽出方法
PCR産物からのDNAの抽出にはQI Aquick PCR Purification Kit (QIAGEN社)を用いた。まず、PCR産物50 μlに5倍量のPB buffer 250 μlを入れてよくピペッティングした。DNA結合のためそれをQI Aquickカラムに4℃、13,000 rpmで30秒遠心分離をして通した。そして、コレクションチューブのフロースルーを除きカラムをチューブに戻した。洗浄のためPE buffer 0.75 ml を4℃、13,000 rpmで60秒遠心分離をすることでカラムに通した。ついで、コレクションチューブのフロースルーを除き、カラムをチューブに戻してさらに4℃、13,000 rpmで30秒遠心分離を行い完全にPE bufferを取り除いた。その後カラムを新しいエッペンドルフチューブにセットし、DNAを抽出するためにEB buffer 30 μlをメンブレンの中央に入れ1分間放置した後、4℃、13,000 rpmで60秒遠心分離を行って下のエッペンドルフチューブにDNAを回収した。
【0059】
3.遺伝子配列決定方法
Sanger-dideoxy法およびその変法であるDye‐terminator法、Maxam-Gilbert法の3種類を検討し、OPCカラム精製のプライマーを用いたSanger-dideoxy法による遺伝子配列決定方法に決定した。決定したPCEデハロゲナーゼをコードするヌクレオチド配列を配列番号:36に示す。
【0060】
4.遺伝子発現方法
WakoPURE system(和光純薬工業社)のキットを用いて、解析した遺伝子より酵素を合成した。操作はキットの説明書に従った。
1)テンプレートDNAの作製
テンプレートDNAを、2段階PCRで調整を行った。
1段階目のPCRで、目的遺伝子の5'側にSD配列を含むアダプター配列を導入した。ついで、2段階目のPCRでT7プロモーター配列を含む領域を付加した。Forward(FW)プライマーとReverse(RV)プライマーのプライマー対は下記の配列に参照して設計した。
【0061】
プライマー対:
FWプライマー: 5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
RVプライマー: 5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
Universalプライマー: 5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
【0062】
ついで、目的の遺伝子を含むDNAを鋳型とし、設計したプライマー対を用いて1段階目のPCRを行い、PCR産物がシングルバンドであることをアガロースゲル電気泳動により確認した。ついで、1段階目のPCR産物を鋳型として、キットに添付されているT7プロモーター配列をもつユニバーサルプライマーと上記Reverseプライマーを用いて2段階目のPCRを行い、PCR産物がシングルバンドであるとことをアガロースゲル電気泳動で確認した。
このPCR反応液をそのままWakoPURE systemでのタンパク質合成でのテンプレートDNAとして使用した。
【0063】
2)タンパク質合成反応
WakoPURE systemの溶液Aおよび溶液Bのマイクロ遠心チューブを-80℃から取り出して氷上で融解させ、準備したマイクロ遠心チューブにヌクレアーゼフリー水を適量(反応液の全量が50 μlになるように)加えた。ついで、融解した溶液Aを25 μLおよび溶液Bを10 μL添加し、テンプレートDNAを1 μL(1.13 pmol)添加して、PCEデハロゲナーゼを翻訳した。ここまでの操作は氷上で行った。
【0064】
5.酵素反応速度の測定
生成したPCEデハロゲナーゼの酵素反応時間における生成トリクロロエチレンの変化を求めた。SP水295 μlにTris-pyrvate緩衝溶液pH 7.3を50 μl、メチルビオロゲン溶液50 μl、テトラクロロエチレン 50 μl、10 mg/ml BSA 5 μlを加え、全量450 μlのアッセイ溶液とした。
活性測定用バイアルにアッセイ溶液450 μlとWakoPURE system溶液全50 μlを加え、30℃の水浴中にて1〜4時間インキュベートし、活性測定用バイアルを65℃の温浴にて加熱し、ヘッドスペースガス1 mlをGC/MSを用いて定量し、予め作製した検量線との対比から酵素活性を求めた。
その結果、pceA2(rdhA)によりコードされるPCEデハロゲナーゼは、WakoPURE system溶液50 μlあたり、0.096 mM/hのトリクロロエチレンを生成した。
【産業上の利用可能性】
【0065】
本発明はバイオレメディエーションに適用可能な遺伝子工学の分野に属し、有機ハロゲン化合物分解細菌の検出、新規なPCEデハロゲナーゼ遺伝子のクローニング、および該遺伝子の遺伝子工学的手法による形質転換、形質転換体、形質転換体または無細胞翻訳系で生成したPCEデハロゲナーゼ酵素タンパク質、ならびに該形質転換体または酵素タンパク質を用いた対象環境物質中のハロゲン化合物の分解方法に関し、環境に残留するハロゲン化合物の分解に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0066】
【図1】図1は公知のPCEデハロゲナーゼのアミノ酸配列のマルチアライメントの結果を示す表である。
【図2】種々のプライマー対を用いてPCR増幅したPCEデハロゲナーゼ(pceA1)をコードするポリヌクレオチド断片の電気泳動図である。
【図3】種々のプライマー対を用いてPCR増幅したPCEデハロゲナーゼ(pceA2(rdhA))をコードするポリヌクレオチド断片の電気泳動図である。
【配列表フリーテキスト】
【0067】
SEQ ID NO: 1
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 2
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 3
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 4
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 5
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 6
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 7
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 8
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 9
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 10
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 11
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 12
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 13
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA1).
SEQ ID NO: 14
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase genes(pceA1 and pceA2(rdhA)).
SEQ ID NO: 15
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase genes(pceA1 and pceA2(rdhA)).
SEQ ID NO: 16
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 17
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 18
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 19
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 20
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 21
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 22
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 23
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 24
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 25
Forward primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 26
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 27
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 28
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 29
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 30
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 31
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 32
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 33
Reverse primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase gene(pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 34
Universal primer for PCR-amplifying polynucleotide sequence of tetrachloroethylene dehalogenase genes(pceA1 and pceA2 (rdhA)).
SEQ ID NO: 35
Polynucleotide sequence of tetrachloro ethylene dehalogenase and deduced amino acid sequence therefrom(pceA1)
SEQ ID NO: 36
Polynucleotide sequence of tetrachloro ethylene dehalogenase and deduced amino acid sequence therefrom(pceA2 (rdhA))

【特許請求の範囲】
【請求項1】
有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを検出するためのプローブであって、
(1)GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)またはその相補的な配列、
(2)CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)またはその相補的な配列、
[ここに、(1)または(2)において、YはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
(3)ATGGAAAAGAAAAAAAAGCCTGAACTC(配列番号:3)またはその相補的な配列、
(4)GGTGTACCAGGTGCAAATGCAGC(配列番号:4)またはその相補的な配列、
(5)GCTGAAAAAGAGAAAAATGCAGCTGA(配列番号:5)またはその相補的な配列、
(6)ATGAAATTATTAAATATTTTAAATTATAAAGC(配列番号:6)またはその相補的な配列、
(7)ACGCTTAAGCTTTTCCCATAAAATATATG(配列番号:7)またはその相補的な配列、
(8)ATGTGGGCACCAGTAGGGTT(配列番号:8)またはその相補的な配列、
(9)ATCAGTTGCCTTTGCTGTTGAAG(配列番号:9)またはその相補的な配列、
(10)GTGGGCACCAGTAGGGTTAG(配列番号:10)またはその相補的な配列、
(11)ATTCCACCCAATAATCTAAG(配列番号:11)またはその相補的な配列、
(12)TCATGATTTTTTAACCCTATCCTTTC(配列番号:12)またはその相補的な配列、
(13)GAAATTAACGCTTAAGCTTTTCCC(配列番号:13)またはその相補的な配列、
(14)AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20(配列番号:14)またはその相補的な配列、
(15)TATTCA-TTA-N14-20(配列番号:15)またはその相補的な配列、
(16)配列番号:1ないし15のいずれか1つにおいて1ないし数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加されたヌクレオチド配列またはその相補的な配列からなり、かつ、有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAにハイブリダイズするDNAの配列
よりなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるプローブ。
【請求項2】
有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを検出するためのプローブであって、
(17)GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)またはその相補的な配列、
(18)CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)またはその相補的な配列、
[ここに、(17)または(18)において、YはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
(19)GAAAAGAAAAAACCTGAACTTTCACG(配列番号:16)またはその相補的な配列、
(20)CAATCTCAGAAGGGCCACAATCC(配列番号:17)またはその相補的な配列、
(21)CCGCTACCAATGGCACAATGA(配列番号:18)またはその相補的な配列、
(22)TGAATCGGGCGGAGACTGTGG(配列番号:19)またはその相補的な配列、
(23)GATATTGAAAAACCAACGGAAACA(配列番号:20)またはその相補的な配列、
(24)TAGCTTTGCCAATGTTATCGTTTC(配列番号:21)またはその相補的な配列、
(25)GCAGTGTTTGGCTACTTCTATGGC(配列番号:22)またはその相補的な配列、
(26)ATGGCGTTGAATGGTTGATTG(配列番号:23)またはその相補的な配列、
(27)ATAATGCAAATGGCCGCTACC(配列番号:24)またはその相補的な配列、
(28)GCCTCTTATTCCCGATAAACC(配列番号:25)またはその相補的な配列、
(29)CATACCTAGCATTACAGGATCAAGG(配列番号:26)またはその相補的な配列、
(30)ACGAGAGTAACAAAGTGCCGC(配列番号:27)またはその相補的な配列、
(31)CTGCATGTGCCATAGAAGTAGCC(配列番号:28)またはその相補的な配列、
(32)AGCCAAACACTGCATCATATCAC(配列番号:29)またはその相補的な配列、
(33)TAACGCCAGGTGCATGTTGTG(配列番号:30)またはその相補的な配列、
(34)TTTTGCTTTTGGTCCATCATAGA(配列番号:31)またはその相補的な配列、
(35)TCATAGAAAACACCCAAAACTTAG(配列番号:32)またはその相補的な配列、
(36)TCATGATTTTTTTACCCTATCC(配列番号:33)またはその相補的な配列、
(37)AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20(配列番号:14)またはその相補的な配列、
(38)TATTCA-TTA-N14-20(配列番号:15)またはその相補的な配列、および
(39)配列番号:1、2および14ないし33のいずれか1つにおいて1ないし数個のヌクレオチドが欠失、置換および/または付加されたヌクレオチド配列またはその相補的な配列からなり、かつ、有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAにハイブリダイズするDNAの配列
よりなる群から選択されるヌクレオチド配列からなるプローブ。
【請求項3】
有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である請求項1または2記載のプローブ。
【請求項4】
請求項1記載のプローブが固定された固相担体。
【請求項5】
請求項2記載のプローブが固定された固相担体。
【請求項6】
請求項1に記載のプローブと請求項2に記載のプローブとが固定された固相担体。
【請求項7】
有機ハロゲン化合物がテトラクロロエチレンである請求項4ないし6のいずれか1項に記載の固相担体。
【請求項8】
検出可能に標識された請求項1に記載のプローブと、該プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む有機ハロゲン分解微生物の検出用キット。
【請求項9】
検出可能に標識された請求項2に記載のプローブと、該プローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む有機ハロゲン分解微生物の検出用キット。
【請求項10】
検出可能に標識された請求項1に記載のプローブおよび請求項2に記載のプローブと、それらのプローブと標的核酸とのハイブリダイゼーションを検出するための試薬とを含む有機ハロゲン分解微生物の検出用キット。
【請求項11】
有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である請求項8ないし10のいずれか1項に記載の検出用キット。
【請求項12】
被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)
CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)
[ここに、配列中のYはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
よりなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを請求項1記載の(3)〜(16)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法。
【請求項13】
被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)
CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)
[ここに、配列中のYはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
よりなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを請求項2記載の(19)〜(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法。
【請求項14】
被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
GAYAARCCNATHGAYTTYGG(配列番号:1)
CCRTANCCNARNGCRTCRTC(配列番号:2)
[ここに、配列中のYはTまたはC、RはAまたはG、HはA、CまたはT、NはA、G、CまたはTのいずれか1の塩基を示す]
よりなるプライマー対を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを請求項1および2記載の(3)〜(16)および(19)〜(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法。
【請求項15】
被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
よりなるプライマー対、および
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを請求項1記載の(1)〜(13)および(16)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法。
【請求項16】
被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
よりなるプライマー対、および
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを請求項2記載の(17)〜(36)および(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法。
【請求項17】
被験試料に含まれる有機ハロゲン化合物分解微生物の菌体を破砕して該微生物のDNAを抽出し;
5'-AAGGAGATATACCA-ATG-N14-20-3'(配列番号:14)
5'-TATTCA-TTA-N14-20-3'(配列番号:15)
よりなるプライマー対、および
5'-GAAATTAATACGACTCACTATAGGGAGACCACAACGGTTTCCCTCTAGAAATAATTTTGTTTAACTTTAAGAAGGAGATATACCA-3' (配列番号:34)
を用いて、抽出したDNAを増幅し;
増幅したDNAを請求項1および2記載の(1)〜(13)、(16)、(17)〜(36)および(39)よりなる群から選択される1以上のプローブを用いて検出し;
該DNAの増幅により被験試料中の有機ハロゲン化合物分解微生物を検出する工程からなる有機ハロゲン化合物分解微生物の検出方法。
【請求項18】
有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である請求項12ないし17のいずれか1項に記載の検出方法。
【請求項19】
有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、
配列番号:4に記載のヌクレオチド配列と配列番号:12記載のヌクレオチド配列;
配列番号:5に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:8に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:10に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド;および
配列番号:9に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:12に記載のオリゴヌクレオチド
よりなる群から選択されるプライマー対。
【請求項20】
有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:26に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:27に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:28に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:16に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:29に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:20に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:21に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:22に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:25に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:17に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:24に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:18に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;
配列番号:17に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド;および
配列番号:23に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:33に記載のオリゴヌクレオチド
よりなる群から選択されるプライマー対。
【請求項21】
有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、配列番号:1に記載のオリゴヌクレオチドと配列番号:2に記載のオリゴヌクレオチドとからなるプライマー対。
【請求項22】
有機ハロゲン化合物分解微生物のDNAを増幅するためのプライマー対であって、配列番号:1に記載のオリゴヌクレオチド、配列番号:2に記載のオリゴヌクレオチドおよび配列番号:34に記載のオリゴヌクレオチドとからなるプライマー対。
【請求項23】
有機ハロゲン化合物分解微生物がテトラクロロエチレンを分解する微生物である請求項19ないし22のいずれか1項に記載のプライマー対。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−119340(P2010−119340A)
【公開日】平成22年6月3日(2010.6.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−295969(P2008−295969)
【出願日】平成20年11月19日(2008.11.19)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】