説明

有機溶剤系塗布改良剤

【課題】 塗布用有機溶剤の表面張力を低下させることができるポリマーを含有する改良剤を提供すること。
【解決手段】 下式で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーを重合単位として含み、ポリマー全質量に対してフッ素原子を3質量%以上含むブロックコポリマーを使用する。
【化1】


〔R0は水素原子、ハロゲン原子またはメチル基;Lは2価の連結基;mは1〜6の整数;nは1〜18の整数;Aは水素原子またはフッ素原子を表す。〕

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、極めて有用なフッ素含有ブロックコポリマーを含む有機溶剤系塗布改良剤、並びに、これを含む塗布組成物およびこれを用いて塗設した光学フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、各種コーティング法を用いた材料の開発が進んでおり、特に数百nmレベル〜数μmの薄層塗布技術が、光学フィルム、印刷、フォトリソグラフィーなどで必要とされている。また、薄層塗布技術に要求される塗布精度も薄膜化、基材の大型化、塗布の高速化などに伴い高くなってきている。特に光学フィルムの製造においては、膜厚の制御が光学性能を左右する非常に重要なポイントになることから、精度を高く保ちつつ塗布速度の高速化を実現できる技術への要求が高くなってきている。
【0003】
薄層塗布技術の中でも溶剤を用いたウェット塗布は、生産性の観点では非常に有利である。しかし、この反面、塗布直後の溶剤乾燥条件を一定に保つことが非常に困難であり、溶剤乾燥の際に面状ムラが生じやすい。ここで、「面状ムラ」とは溶剤乾燥速度差に起因する乾燥ムラや乾燥風で引き起こされる風ムラのことを意味する。
【0004】
また、塗布時のムラを低減させるためにはレベリング性を向上させることが有効であることが知られている。このようなレベリング性を向上させる手段の一つとしては、塗布組成物中に界面活性剤を添加する方法が提案されている。塗布物に界面活性剤を添加すると表面張力が低下して被塗布物への濡れ性が向上する。即ち、塗膜形成過程での表面張力変化を小さくすることができる。前記レベリング性を向上させるために界面活性剤を用いた技術は、界面活性剤の添加によって熱対流が生じるのを防止し、膜の均一性を改良することができるという機構に基づいている(非特許文献1参照)。この際、最適な界面活性剤種は、目的とする塗布組成物中の溶剤、樹脂、各種添加剤との相溶性などにより異なるが、溶剤を用いて塗布する場合には溶剤に可溶で表面張力低下能力が最も高いフッ素系界面活性剤を用いるのが有効である。
【0005】
前記フッ素系界面活性剤としてはパーフルオロアルキル基を有するポリマーが挙げられる。しかしながら、従来、パーフルオロアルキル基(以下「Rf基」と称する。)を有するポリマーは、ブレンド等の方法でRf基の基剤(ポリマー)への導入が試みられてきたが、相溶性などの問題で必ずしも十分な効果が得られているとは言えなかった。このため、ポリマー中へのRf基を導入するための試みが、種々検討されている。例えば、前記特許文献1にはリビングアニオン重合で得られたポリマーとRf基を有するハロゲン化アルキルとを反応させることにより、Rf基をポリマーに導入する方法が報告されている。しかしながら、このようなポリマーとRf基を有するハロゲン化アルキルとを反応させる方法は、使用できるポリマーに制約があり、反応性が悪い等の欠点を有していた。
【0006】
また、ポリメリックペルオキシド法を用いて合成されたフッ素含有ブロックポリマーが報告されている(特許文献2参照)。しかし、このような方法においては、ホモポリマーが必然的に副生成してしまうため、有機溶剤系塗布組成物として用いた場合、はじきや面状ムラなどの塗布不良が発生しやすいという問題がある。
【0007】
また、フッ素含有マクロアゾイニシエーターを用いて、フッ素含有ブロックポリマーを合成する方法が提案されている(特許文献3参照)。しかし、この方法では、末端に1つのフルオロアルキル鎖を導入できるだけであり、また、分子量制御が限定されているため分子量分布も広いという課題があった。
【0008】
以上のように前記面状ムラなどの塗布不良を発生しにくくするためには塗布組成物の表面張力を低下させる必要があるが、これらのポリマーでは塗布用有機溶剤の表面張力を低下させることができず、塗布不良が発生するという問題があった。
【0009】
【特許文献1】Polymer Preprints Japan, 44 948 (1995)
【特許文献2】特開平8−193107号公報
【特許文献3】特開平9−241307号公報
【非特許文献1】コーティング用添加剤の最新技術、桐生春雄監修、シーエムシー、2001年
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
本発明は、上述の従来技術の課題を解決するためになされたものである。
即ち、本発明は、塗布用有機溶剤の表面張力を低下させることができるポリマーを含有する改良剤を提供することを目的とする。また本発明は、塗布不良が少なく、かつ、面状に優れる塗布膜を形成することができる塗布組成物、および、光学性能や物理性能がばらつくことがなく、面状均一性の高い光学フィルムを提供することも目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
本発明者らは、フッ素系ポリマー型界面活性剤の構成成分である含フッ素モノマーのフルオロアルキル基の構造や、フッ素系ポリマー型界面活性剤における含フッ素モノマーの組成について鋭意検討した結果、特定構造のフルオロ脂肪族基含有ブロックコポリマーを用いることにより、塗布時に生じる面状などの塗布不良を低減できる組成物を得ることができることを見出した。
本発明の課題は以下の手段によって解決される。
【0012】
(1) 下記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーを重合単位として含み、かつ、ポリマー全質量に対してフッ素原子を3質量%以上含むブロックコポリマーを含有することを特徴とする有機溶剤系塗布改良剤。
一般式(1)
【化1】

〔一般式(1)中、R0は、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Lは2価の連結基を表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜18の整数を表す。Aは水素原子またはフッ素原子を表す。〕
【0013】
(2) (1)に記載の有機溶剤系塗布改良剤を含むことを特徴とする塗布組成物。
(3) (1)に記載の有機溶剤系塗布改良剤を含む塗布組成物を支持体上に塗布して乾燥する工程を経て製造される光学フィルム。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、リビングラジカル重合によって、分子量分布が狭く、構造が制御されたフッ素含有ブロックコポリマーを含む有機溶剤系塗布改良剤を提供することができる。また、本発明によれば、塗布不良が少なく、かつ、面状に優れる塗布膜を形成することができる塗布組成物、および、光学性能や物理性能がばらつくことがなく、面状均一性の高い光学フィルムを提供することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下において、本発明の有機溶剤系塗布改良剤およびその応用について詳細に説明する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値および上限値として含む範囲を意味する。
【0016】
(有機溶剤系塗布改良剤)
まず、本発明の有機溶剤系塗布改良剤に含まれるフルオロ脂肪族基を有するポリマー(以下、「フッ素含有ブロックコポリマー」と略記することもある。)について詳細に説明する。
【0017】
前記フッ素含有ブロックコポリマーは、下記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーを重合単位として含み、かつ、ポリマー全質量に対するフッ素原子の質量%(フッ素原子含有量)が3質量%以上であることを特徴とする。前記フッ素原子含有量が3質量%未満であると、有機溶剤系塗布改良剤および塗布組成物に加えるブロックコポリマーの量が多くなり、効果を発揮することができない。前記フッ素原子含有量は、3〜90質量%であることが好ましく、5〜80質量%であることが更に好ましく、10〜70質量%であることが特に好ましい。
【0018】
一般式(1)
【化2】

【0019】
一般式(1)においてR0は、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、水素原子、メチル基が好ましい。また、Lは2価の連結基を表し、例えば、−CO2−、−OCO−、−CONH−、−OCONH−、−OCOO−、−O−、−S−、−NH−、置換若しくは無置換のアリーレン基が好ましく、−CO2−またはp−フェニレン基が更に好ましい。
【0020】
一般式(1)中、mは1〜6の整数を表し、1〜4であることが好ましく、1〜2であることがさらに好ましい。また、nは1〜18の整数を表し、4〜12であることが好ましく、6〜8であることがさらに好ましく、6であることが最も好ましい。Aは水素原子またはフッ素原子を表し、フッ素原子が好ましい。
【0021】
また、フッ素含有ブロックコポリマーは、前記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位が2種類以上構成単位として含まれていてもよい。
【0022】
以下に一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーの具体例を挙げるが、これらに限定されることはない。
【0023】
【化3】

【0024】
【化4】

【0025】
前記フッ素含有ブロックコポリマーは、一般式(1)で表される2種類以上のフルオロ脂肪族基含有モノマーの重合単位のみからなっていてもよく、また一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーと共重合可能な他の種類のモノマーとの共重合体であってもよい。このような共重合可能な他の種類のモノマーとしては、PolymerHandbook 2nd ed.,J.Brandrup,Wiley lnterscience(1975)Chapter 2Page 1〜483に記載のものを用いることができる。
【0026】
前記フルオロ脂肪族基含有モノマーと共重合可能な他の種類のモノマーとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸エステル類、メタクリル酸エステル類、アクリルアミド類、メタクリルアミド類、アリル化合物、ビニルエーテル類、ビニルエステル類等から選ばれる付加重合性不飽和結合を1個有する化合物等を挙げることができる。
【0027】
前記他の種類のモノマーとしては、具体的に以下の単量体を挙げることができる。
アクリル酸エステル類:
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸tert−ブチル、クロロエチルアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、トリメチロールプロパンモノアクリレート、ベンジルアクリレート、メトキシベンジルアクリレート、フルフリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等、
【0028】
メタクリル酸エステル類:
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸tert−ブチル、クロロエチルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルメタクリレート、トリメチロールプロパンモノメタクリレート、ベンジルメタクリレート、メトキシベンジルメタクリレート、フルフリルメタクリレート、テトラヒドロフルフリルメタクリレート等、
【0029】
アクリルアミド類:
アクリルアミド、N−アルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルアクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルアクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルアクリルアミド等、
【0030】
メタクリルアミド類:
メタクリルアミド、N−アルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜3のもの、例えばメチル基、エチル基、プロピル基)、N,N−ジアルキルメタクリルアミド(アルキル基としては炭素数1〜6のもの)、N−ヒドロキシエチル−N−メチルメタクリルアミド、N−2−アセトアミドエチル−N−アセチルメタクリルアミド等、
アリル化合物:
アリルエステル類(例えば酢酸アリル、カプロン酸アリル、カプリル酸アリル、ラウリン酸アリル、パルミチン酸アリル、ステアリン酸アリル、安息香酸アリル、アセト酢酸アリル、乳酸アリルなど)、アリルオキシエタノール等、
【0031】
ビニルエーテル類:
アルキルビニルエーテル(アルキル基としては炭素数1〜10のもの、例えばヘキシルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、デシルビニルエーテル、エチルヘキシルビニルエーテル、メトキシエチルビニルエーテル、エトキシエチルビニルエーテル、クロロエチルビニルエーテル、1−メチル−2,2−ジメチルプロピルビニルエーテル、2−エチルブチルビニルエーテル、ヒドロキシエチルビニルエーテル、ジエチレングリコールビニルエーテル、ジメチルアミノエチルビニルエーテル、ジエチルアミノエチルビニルエーテル、ブチルアミノエチルビニルエーテル、ベンジルビニルエーテル、テトラヒドロフルフリルビニルエーテル等、
【0032】
ビニルエステル類:
ビニルブチレート、ビニルイソブチレート、ビニルトリメチルアセテート、ビニルジエチルアセテート、ビニルバレート、ビニルカプロエート、ビニルクロロアセテート、ビニルジクロロアセテート、ビニルメトキシアセテート、ビニルブトキシアセテート、ビニルラクテート、ビニル−β−フェニルブチレート、ビニルシクロヘキシルカルボキシレート等、
【0033】
イタコン酸ジアルキル類:
イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、イタコン酸ジブチルなど。
フマール酸のジアルキルエステル類またはモノアルキルエステル類:
ジブチルフマレート等、
その他、クロトン酸、イタコン酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、
マレイロニトリル、スチレン等が挙げられる。
【0034】
本発明で用いられるフッ素含有ブロックコポリマーの数平均分子量は、3000〜100,000が好ましく、6000〜80,000がより好ましく、8,000〜60,000がさらに好ましい。
【0035】
ここで、質量平均分子量および数平均分子量は、「TSKgel GMHxL」、「TSKgel G4000HxL」、「TSKgel G2000HxL」(何れも、東ソー(株)製の商品名)のカラムを使用したGPC分析装置により、溶媒テトラハイドロフラン、示差屈折計検出によるポリスチレン換算で表した分子量である。
【0036】
本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーは公知のリビングラジカル重合法で製造することができる。前記リビングラジカル重合は、解離−結合型(例としてはニトロキシルラジカルを用いるもの。M.K.Georges et al.:Macromolecules,26,2987 (1993)を参照。)、原子移動型(以下、「ATRP法」と略記する。K.Matyjaszewski et al.:Macromolecules, 28, 2093, (1995)を参照。)、および、交換連鎖移動型(例としてはヨウ素移動重合や可逆的付加−分裂連鎖移動が挙げられる。J.Chiefari et al.:Macromolecules, 31, 5559 (1998)を参照。) の3種に大別される。
【0037】
本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーは、前記ATRP法によって合成されることが好ましい。例えば、先に挙げたアクリル酸エステル類から、開始剤と遷移金属を含む触媒と配位子とを用いてATRP法を行うことにより、マクロ開始剤を合成し、これにフルオロ脂肪族基を有する(メタ)アクリレート単量体を再びATRP法により有機溶媒中で重合させることにより製造できる。
【0038】
本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーを合成する際に使用可能な開始剤としては、重合条件下においてラジカル的に移動可能な原子若しくは原子基を1つ以上有する化合物を用いることができる。
【0039】
特に好ましい開始剤としては、例えば、ベンジルハロゲニド(例えば、p−クロロメチルスチレン、α−ジクロロキシレン、α,α−ジクロロキシレン、α,α−ジブロモキシレン、ヘキサキス(α−ブロモメチル)ベンゼン、ベンジルクロリド、ベンジルブロミド、1−ブロモ−1−フェニルエタンおよび1−クロロ−1−フェニルエタン);α−位でハロゲン化されているカルボン酸誘導体(例えば、プロピル−2−ブロモプロピオネート、メチル−2−クロロプロピオネート、エチル−2−クロロプロピオネート、メチル−2−ブロモプロピオネート、エチル−2−ブロモイソブチレート):トシルハロゲニド(例えば、p−トルエンスルホニルクロリド);アルキルハロゲニド(例えば、テトラクロロメタン、トリブロモ(メタ)アン、1−ビニルエチルクロリド、1−ビニルエチルブロミド);および、リン酸エステルのハロゲン誘導体(例えば、ジメチルリン酸クロリド)などが挙げられる。
【0040】
前記開始剤は、一般に10-4〔モル/L〕〜3〔モル/L〕、好ましくは10-3〔モル/L〕〜10-1〔モル/L〕、特に好ましくは5×10-2〔モル/L〕〜5×10-1〔モル/L〕の範囲の濃度のものを使用できるが、これに限定されるものではない。前記開始剤とモノマーとの比から、全モノマーが反応された場合のフッ素含有ブロックコポリマーの分子量が得られる。前記開始剤とモノマーとの比としては、10-4/1〜0.5/1の範囲あることが好ましく、5×10-3/1〜5×10-2/1の範囲にあることが特に好ましい。
【0041】
モノマーの重合のためには、少なくとも1種の遷移金属を含有する触媒(金属性触媒)を使用することが好ましい。この場合、前記開始剤若しくは移動可能な原子基を有するポリマー鎖とレドックスサイクルを形成できる各遷移金属化合物を使用することができる。このサイクルにおいて、移動可能な原子基および触媒は、遷移金属の酸化段階を高めるか若しくはこれを低める化合物を可逆的に形成する。この場合、ラジカルが遊離若しくは捕捉することから重合が開始するので、ラジカル濃度は非常に僅かに残留する。
【0042】
前記金属性触媒に含まれる遷移金属としては、Cu、Fe、Cr、Co、Ne、Sm、Mn、Mo、Ag、Zn、Pd、Pt、Re、Rh、Ir、In、Yd、または、Ruから選ばれる少なくとも1種が好ましく、これらは適当な酸化段階で使用される。前記遷移金属は単独で使用してもよいし、混合物として使用してよい。前記金属性触媒は、重合のレドックスサイクルにおける触媒として作用すると考えられ、その際、例えばレドックス対Cu+/Cu2+またはFe2+/Fe3+が有用である。それに相応して、前記金属性触媒は、ハロゲニド、例えば、クロリドまたはブロミドとして、アルコキシド、オキシド、スルフェート、ホスフェート若しくはヘキサフルオロホスフェート、または、トリフルオロメタンスルフェートとして反応混合物に添加することができる。前記金属性触媒としては、Cu2O、CuBr、CuCl、CuI、CuN3、CuSCN、CuCN、CuNO2、CuNO3、CuBF4、Cu(CH3COO)、Cu(CF3COO)、FeBr2、RuBr2、CrCl2およびNiBr2を好適に用いることができる。
【0043】
また、より高い酸化段階で、例えば、CuBr2、CuCl2、CuO、CrCl3、Fe23およびFeBr3を使用してもよい。この場合には、反応を古典的なラジカル形成剤、例えば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)を使用して開始させることができる。また、この場合には遷移金属化合物を古典的なラジカル形成剤から生じるラジカルと反応させるので、まずこれらを還元する。
【0044】
さらに上述の遷移金属を、酸化段階0の金属として、特に前記の化合物を有する混合物で、国際公開WO98/40415号公報に記載されているように触媒のために使用してよい。この場合、重合反応の反応速度を高めることができる。これによって触媒的に効果的な遷移金属の濃度は、遷移金属を高い酸化段階で金属性の遷移金属と釣り合わせることによって高まることが考えられる。
【0045】
金属性触媒と開始剤とのモル比としては、一般に0.0001:1〜10:1の範囲にあることが好ましく、0.001:1〜5:1の範囲にあることが更に好ましく、0.01:1〜2:1の範囲にあることが特に好ましい。但し、本発明はこれに限定されるものではない。
【0046】
本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーを合成する際、重合反応は1種または複数の金属性触媒と配位結合を形成しうる配位子との存在下で実施することができる。これらの配位子は、とりわけ遷移金属化合物の溶解度を高めるために役立つ。また、配位子の別の重要な機能としては、安定な有機金属化合物の形成を妨げることにある。安定な有機金属化合物は、選択される反応条件において重合しないことから、これらは重要な機能である。さらに、配位子は移動可能な原子基の引き抜きを容易にする機能を有する。
【0047】
前記配位子自体は公知であり、例えば、国際公開WO97/18247号公報、国際公開WO98/40415号公報に記載されているものが挙げられる。これらの化合物は一般に1つ以上の窒素原子、酸素原子、リン原子および/または硫黄原子を有し、それを介して金属原子と結合することができる。
前記配位子としては、N−原子を有するキレート配位子が好ましい。
【0048】
具体的に好ましい配位子としては、トリフェニルホスファン、2,2−ビピリジン、アルキル−2,2−ビピリジン(例えば、4,4−ジ−(5−ノニル)−2,2−ビピリジン、4,4−ジ−(5−ヘプチル)−2,2−ビピリジン)、トリス(2−アミノエチル)アミン(TREN)、N,N,N’,N’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン、1,1,4,7,10,10−ヘキサメチルトリエチレンテトラアミン、およびテトラメチルエチレンジアミンから選ばれる少なくとも1種等が挙げられる。他の好ましい配位子としては、国際公開WO97/47661号公報に記載されているものが挙げられる。
前記配位子は単独で使用してもよいし、混合物として使用することもできる。
【0049】
これらの配位子は金属化合物と配位結合を形成できる。また、これらの配位子をまず配位化合物として製造し、引き続き反応混合物中に添加してもよい。
【0050】
前記配位子と金属性触媒との比は、配位子の配座数および金属性触媒の遷移金属の配位数に依存する。一般に、前記配位子と金属性触媒とのモル比は、100:1〜0.1:1であることが好ましく、6:1〜0.1:1であることが更に好ましく、3:1〜0.5:1であることが特に好ましい。但し、本発明は、これに限定されるものではない。
【0051】
本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーを合成する際、所望のポリマー溶液に応じて、モノマー、金属性触媒、配位子および開始剤を選択する。金属性触媒−配位子−錯体および移動可能な原子基の間の高い反応の速度定数は、狭い分子量分布のために重要であると考えられる。反応の速度定数が低くなれば、ラジカルの濃度が高くなるので、広範な分子量分布の原因となる典型的な停止反応が生じる。交換速度は、例えば移動可能な原子基、遷移金属、配位子および遷移金属化合物のアニオンに依存する。これらの成分の有用な選択のための指示は当業者に、例えば国際公開WO98/40415号公報に見られる。
【0052】
本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーを合成する際、重合反応は常圧、低圧または過圧下のいずれにおいても実施することができる。また重合温度は特に限定されないが、一般には、−20℃〜200℃が好ましく、0℃〜130℃が更に好ましく、60℃〜120℃が特に好ましい。
【0053】
前記重合反応においては、溶剤を使用してもよいし、溶剤を使用せずに実施することもできる。溶剤を使用する場合は、広範な溶剤の中から適宜選択して使用することができる。
【0054】
前記重合反応は、非極性溶剤中で実施することが好ましい。該非極性溶剤としては、炭化水素溶剤、例えば、芳香族溶剤(例えば、トルエン、ベンゼンおよびキシレン)、飽和炭化水素溶剤(例えば、シクロヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ドデカン)が好適であり、これらは、分枝鎖状で存在していてもよい。前記非極性溶剤は、単独で並びに混合物として使用することができる。
【0055】
以下、本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーの具体的な構造例(P−1)〜(P−20)を示すが、本発明はこれに限定されるものではない。尚、下記の構造例におけるx及びyは、一般式(1)の定義及びフッ素原子含有量の範囲内において決定される数値であり、例えば、xは10質量%〜90質量%、yは10質量%〜90質量%である。また、以下の構造例においてt−C49は3級ブチル基を意味する。
【0056】
【化5】

【0057】
【化6】

【0058】
【化7】

【0059】
【化8】

【0060】
本発明の有機溶剤系塗布改良剤は、上述のフッ素含有ブロックコポリマーを少なくとも1種含有する。本発明の有機溶剤系塗布改良剤は、その他必要に応じて、水、溶剤、バインダー、無機フィラー、分散安定剤などを含んでいてもよい。
【0061】
有機溶剤系塗布改良剤に対するフッ素含有ブロックコポリマーの添加量は、0.001質量%〜5.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.01質量%〜1.0質量%である。
【0062】
また、有機溶剤系塗布改良剤に対するフッ素含有ブロックコポリマーのフッ素原子質量の割合は、0.0001質量%〜3.0質量%であることが好ましく、より好ましくは0.001質量%〜0.6質量%である。
有機溶剤系塗布改良剤は、面状向上の点から、水の含有率が30質量%以下であることが好ましく、10質量%以下であることが更に好ましい。
【0063】
(塗布組成物・光学フィルム)
本発明の塗布組成物は、上述の有機溶剤系塗布改良剤を含む。
本発明の塗布組成物は、その他用途に応じて、溶剤、バインダー、無機フィラー、分散安定剤など、必要な成分を含有することができる。また、所望の特性を有する1種若しくは複数種の塗布組成物を支持体上に塗布し、機能性層を一層以上形成することで、例えば、反射防止膜や視野角拡大フィルム等の光学フィルムを形成することができる。
【0064】
本発明の光学フィルムは、上述の本発明の塗布組成物を用いてなることを特徴とする。
前記光学フィルムとは、厚みが10μm〜700μmであり、厚みが40μmの場合における波長420nmの光線透過率が40%以上、全光線透過率が同様の厚さの場合において60%以上であるものをいう。
【0065】
光学フィルムを塗設する際の本発明の塗布組成物において、本発明の有機溶剤系塗布改良剤の含有量は、含有するフッ素含有ブロックコポリマーの構造により異なるが、塗布組成物に対して、フッ素含有ブロックコポリマーの添加量が0.001質量%〜1.0質量%となるように決定されることが好ましく、さらには0.01質量%〜0.5質量%となるように決定されることが更に好ましい。フッ素含有ブロックコポリマーの添加量が多すぎると、表面エネルギーが高くなりすぎて塗布膜厚ムラが生じる場合があり、添加量が少なすぎると、塗布組成物の表面張力の低下が得られなくなり、乾燥ムラ、風ムラの改良効果が著しく少なくなる。
【0066】
本発明の塗布組成物の溶媒種としては有機溶剤でも有機溶剤と水との混合溶剤でもよい。前記溶剤の水の含有率は低いことが好ましく、具体的には0〜30質量%が好ましく、0〜10質量%がさらに好ましい。
前記溶剤の溶媒組成は、単独および混合のいずれでもよく、全溶媒中、沸点が100℃以下の溶媒が50〜100質量%含まれていることが好ましく、より好ましくは80〜100質量%であり、更に好ましくは90〜100質量%であり、特に好ましくは100質量%である。沸点が100℃以下の溶媒の含有量が50質量%以下であると、乾燥速度が非常に遅くなり、塗布面状が悪化して、塗布膜厚にもムラが生じることがある。このため、本発明では、この問題を解決するため、沸点が100℃以下の溶媒を多く含む塗布組成物を用いることが好ましい。
【0067】
前記沸点が100℃以下の溶媒としては、例えば、ヘキサン(沸点68.7℃、以下「℃」を省略する)、ヘプタン(98.4)、シクロヘキサン(80.7)、ベンゼン(80.1)などの炭化水素類;ジクロロメタン(39.8)、クロロホルム(61.2)、四塩化炭素(76.8)、1,2−ジクロロエタン(83.5)、トリクロロエチレン(87.2)などのハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル(34.6)、ジイソプロピルエーテル(68.5)、ジプロピルエーテル(90.5)、テトラヒドロフラン(66)などのエーテル類;ギ酸エチル(54.2)、酢酸メチル(57.8)、酢酸エチル(77.1)、酢酸イソプロピル(89)などのエステル類、アセトン(56.1)、2−ブタノン(=メチルエチルケトン、79.6)などのケトン類;メタノール(64.5)、エタノール(78.3)、2−プロパノール(82.4)、1−プロパノール(97.2)などのアルコール類;アセトニトリル(81.6)、プロピオニトリル(97.4)などのシアノ化合物類;二硫化炭素(46.2)などが挙げられる。このうちケトン類、エステル類が好ましく、特に好ましくはケトン類である。また、ケトン類の中では2−ブタノンが特に好ましい。
【0068】
沸点が100℃を超える溶媒としては、例えば、オクタン(125.7)、トルエン(110.6)、キシレン(138)、テトラクロロエチレン(121.2)、クロロベンゼン(131.7)、ジオキサン(101.3)、ジブチルエーテル(142.4)、酢酸イソブチル(118)、シクロヘキサノン(155.7)、2−メチル−4−ペンタノン(=MIBK、115.9)、1−ブタノール(117.7)、N,N−ジメチルホルムアミド(153)、N,N−ジメチルアセトアミド(166)、ジメチルスルホキシド(189)、などが挙げられる。好ましくは、シクロヘキサノン、2−メチル−4−ペンタノンである。
【実施例】
【0069】
以下に実施例と比較例を挙げて本発明の特徴をさらに具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、使用量、割合、処理内容、処理手順等は、本発明の趣旨を逸脱しない限り適宜変更することができる。したがって、本発明の範囲は以下に示す具体例により限定的に解釈されるべきものではない。
【0070】
[実施例1] 有機溶剤系塗布改良剤の調製および評価
実施例1において、5種類の有機溶剤系塗布改良剤を調製した。以下において用いたモノマーは、脱水処理後、アルミナカラムで重合禁止剤を除き減圧蒸留したもので、窒素下・冷蔵庫で保管していたものである。溶剤は、脱水処理後、減圧蒸留し、窒素下で保管していたものである。
【0071】
(1)マクロ開始剤の合成
3口フラスコに臭化銅1.642gを入れ、各口にスリ付3方コック、上部に栓をした冷却管、スリ栓をそれぞれ装着して、つなぎ部分を全てクリップどめしたうえで、脱気−窒素置換を3回行った。次いで、室温下でシリンジによりアクリル酸tert−ブチルを88g、マイクロシリンジでN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミンを2.975g窒素フローしながら注入した。容器をドライアイス冷媒で冷却し、2−ブロモプロピオン酸エチルを2.072g加え、冷却したまま、脱気−窒素置換を3回行った。更に、水浴で0℃〜室温程度に昇温した後に、60℃で1時間反応させ、テトラハイドロフランを50g添加し、液を氷冷しながらアルミナ50gを加えて攪拌した。数時間攪拌した後に、アルミナカラムを行い、メタノールに再沈殿し、無色のポリ(アクリル酸tert−ブチル)(マクロ開始剤)40gを回収した。
【0072】
(2)フッ素含有ブロックコポリマー(1)の合成
前記(1)と同様の3口フラスコに、前記(1)で合成したマクロ開始剤(ポリ(アクリル酸tert−ブチル))5.0gを入れ、脱気−窒素置換を3回行った。室温下でシリンジによりトリフルオロトルエンを30g加え、攪拌し、更にポリ(アクリル酸tert−ブチル)を溶解させた。次いで、窒素フローしながら、臭化銅0.150gを加え、ドライアイス冷媒で冷却した。次に窒素フローしながら、アクリル酸2−(パーフルオロヘキシル)エチルを8.5g注入した。更に、マイクロシリンジでN,N,N’,N’’,N’’−ペンタメチルジエチレントリアミン0.30gを窒素フローしながら注入した。注入後、冷却したまま脱気−窒素置換を3回行い、更に水浴で0℃〜室温程度に昇温した後、70℃で3時間反応させ、前記(1)と同様の方法で無色のポリマー(フッ素含有ブロックコポリマー(1))5gを回収した。
【0073】
(3)フッ素含有ブロックコポリマー(2)〜(4)の合成
前記(1)と同様の方法により分子量の異なるマクロ開始剤を合成し、前記(2)と同様の方法により、フッ素含有ブロックコポリマー(2)〜(4)を合成した。
【0074】
(4)比較例用フッ素含有ブロックコポリマー(5)の合成
特開平9−241307号公報の実施例を参考にして、2−(パーフルオロオクチル)エタノールを用いてマクロ開始剤を合成し、メタクリル酸メチルをその開始剤を用いて重合することにより、比較用フッ素含有ブロックコポリマー(5)を合成した(ポリマーP−21)。
【0075】
(5)評価
前記フッ素含有ブロックコポリマー(1)〜(5)の数平均分子量、分散度、および、1H−NMRより求めた重合度、元素分析より求めたフッ素含率を表1に示す。また、前記フッ素含有ブロックコポリマー(1)〜(5)を、それぞれメチルエチルケトンに溶解し、溶液中のフッ素含率が0.001質量%となるように調整したうえで、FACE Automatic Surface TensiometerCBVP−Z(協和界面科学(株)製)を用いて各溶液の静的表面張力測定を行った。結果を表1に示す。
【0076】
【表1】

【0077】
表1から本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマー(1)〜(4)は比較用フッ素含有コポリマー(5)に比して、メチルエチルケトンの表面張力を低下する能力が高いことがわかる。
【0078】
[実施例2] 塗布組成物および光学フィルムの調製および評価
(1)塗布組成物(A−1)の調製
平均粒子サイズ約20nmのジルコニア微粒子175g、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート180g、フッ素含有ブロックコポリマー(1)を0.4g、光重合開始剤(商品名:イルガキュア907、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ(株)製)7.5gを添加し、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン=50/50%の混合溶媒384gで希釈した。
個数平均粒子サイズ1.99μm、粒子サイズの標準偏差0.32μm(個数平均粒子サイズの16%)の架橋ポリスチレン粒子(商品名:SX−200HD、綜研化学(株)製)20gを、メチルエチルケトン/シクロヘキサノン(=54/46質量%)の混合溶剤80gと混合して、高速分散機にて5000rpmで1時間攪拌分散し、孔径10μm、3μm、1μmのポリプロピレン製フィルター(それぞれ商品名、PPE−10、PPE−03、PPE−01、いずれも富士写真フイルム(株)製)でろ過した。得られた分散液29gを上記の溶液に添加して攪拌した後、孔径30μmのポリプロピレン製フィルターでろ過して塗布組成物(A−1)を調製した。
【0079】
(2)塗布組成物(A−2)〜(A−4)および比較用塗布組成物(A−5)の調製
前記(1)と同様にして、塗布組成物中のフッ素含率が同じになるようにフッ素含有ブロックコポリマー(2)〜(4)および比較用フッ素含有ブロックコポリマー(5)をそれぞれ用いて塗布組成物(A−1)〜(A−4)および比較用塗布組成物(A−5)を調製した。
【0080】
(3)塗布組成物(A−1)〜(A−5)の塗布
アプリケーターを用いて、各塗布組成物をポリエチレンテレフタレートフィルム上に厚さ10μmになるように塗布した。次いで、100℃で3分乾燥させ、酸素濃度0.1%以下の窒素パージ下で160W/cmの空冷メタルハライドランプ(アイグラフィックス(株)製)を用いて、照度400mW/cm2、照射量300mJ/cm2の紫外線を照射して塗布層を硬化させて光学フィルムを形成した。各光学フィルムの面状を目視で観察し、ムラの見えないものを「○」、ムラの見えるものを「×」とした。表2に結果を示す。
【0081】
【表2】

【0082】
表2から本発明におけるフッ素含有ブロックコポリマーを含む塗布組成物は面状ムラを低減できることがわかる。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明によれば、リビングラジカル重合によって、分子量分布が狭く、構造が制御されたフッ素含有ブロックコポリマーを含む有機溶剤系塗布改良剤を提供することができる。また、本発明によれば、塗布不良が少なく、かつ、面状に優れる塗布膜を形成することができる塗布組成物、および、光学性能や物理性能がばらつくことがなく、面状均一性の高い光学フィルムを提供することができる。このため、本発明は産業上の利用可能性が高い。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(1)で表されるフルオロ脂肪族基含有モノマーを重合単位として含み、かつ、ポリマー全質量に対してフッ素原子を3質量%以上含むブロックコポリマーを含有することを特徴とする有機溶剤系塗布改良剤。
一般式(1)
【化1】

〔一般式(1)中、R0は、水素原子、ハロゲン原子またはメチル基を表し、Lは2価の連結基を表す。mは1〜6の整数を表し、nは1〜18の整数を表す。Aは水素原子またはフッ素原子を表す。〕
【請求項2】
請求項1に記載の有機溶剤系塗布改良剤を含むことを特徴とする塗布組成物。
【請求項3】
請求項1に記載の有機溶剤系塗布改良剤を含む塗布組成物を支持体上に塗布して乾燥する工程を経て製造される光学フィルム。

【公開番号】特開2006−63132(P2006−63132A)
【公開日】平成18年3月9日(2006.3.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−245022(P2004−245022)
【出願日】平成16年8月25日(2004.8.25)
【出願人】(000005201)富士写真フイルム株式会社 (7,609)
【Fターム(参考)】