有機ELディスプレイ
【課題】部品点数を削減し、かつ、小型化および軽量化を図ることが可能な有機ELディスプレイを提供する。
【解決手段】この有機ELディスプレイは、透明基板1の表面上に形成された有機EL素子層2と、透明基板1の表面と対向するように配置されたFPC6と、FPC6の透明基板1側の表面上に形成され、有機材料層2cを囲むNi層7とを備えている。そして、Ni層7の透明基板1側の表面は、透明基板1側に接着されている。
【解決手段】この有機ELディスプレイは、透明基板1の表面上に形成された有機EL素子層2と、透明基板1の表面と対向するように配置されたFPC6と、FPC6の透明基板1側の表面上に形成され、有機材料層2cを囲むNi層7とを備えている。そして、Ni層7の透明基板1側の表面は、透明基板1側に接着されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機ELディスプレイに関し、特に、透明基板上に有機EL素子層が形成された有機ELディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明基板上に有機EL素子層が形成された有機ELディスプレイにおいて、透明基板上の有機EL素子層を封止部材を用いて封止する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、封止部材としての耐湿性フィルムにより、透明基板上の有機EL素子層が封止された有機ELディスプレイが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−93574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の有機ELディスプレイでは、有機EL素子層を封止するための封止部材が別途必要になるため、有機ELディスプレイの部品点数が増加し、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることが困難になるという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、部品点数を削減し、かつ、小型化および軽量化を図ることが可能な有機ELディスプレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による有機ELディスプレイは、透明基板と、透明基板の表面上に形成され、一対の電極間に挟持された有機材料層を含む有機EL素子層と、透明基板の表面と対向するように配置されたプリント配線板と、プリント配線板の透明基板側の表面上に形成され、有機材料層を囲む第1金属層とを備えている。そして、第1金属層の透明基板側の表面は、透明基板側に接着されている。
【0007】
この一の局面による有機ELディスプレイでは、上記のように、プリント配線板の透明基板側の表面上に有機材料層を囲む第1金属層を形成するとともに、その第1金属層の透明基板側の表面を透明基板側に接着することによって、プリント配線板により有機材料層を封止することができるので、有機材料層を封止するための封止部材を別途設ける必要がない。その結果、封止部材を設けない分、有機ELディスプレイの部品点数を削減することができ、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることができる。
【0008】
上記一の局面による有機ELディスプレイにおいて、好ましくは、透明基板の表面上に形成され、有機材料層を囲む第2金属層をさらに備え、第1金属層の透明基板側の表面は、第2金属層のプリント配線板側の表面に接着されている。このように構成すれば、容易に、第1金属層の透明基板側の表面を透明基板側に接着することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、透明基板の表面上に形成され、有機材料層を囲む絶縁膜をさらに備え、第2金属層は、絶縁膜により有機EL素子層と絶縁されている。このように構成すれば、透明基板の表面上に第2金属層を形成したとしても、容易に、絶縁性を確保することができる。
【0010】
上記一の局面による有機ELディスプレイにおいて、好ましくは、プリント配線板の透明基板とは反対側の表面上に形成され、有機EL素子層の形成領域に対応する領域を覆う第3金属層をさらに備える。このように構成すれば、プリント配線板を介して有機EL素子層の形成領域に水分が侵入するのを抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による有機ELディスプレイにおいて、好ましくは、透明基板の表面上に形成され、有機EL素子層に接続される第1端子と、プリント配線板の透明基板側の表面上に形成され、第1端子に接続される第2端子と、プリント配線板の透明基板とは反対側の表面上に形成され、第2端子に接続される第3端子とをさらに備え、第2端子および第3端子は、プリント配線板に形成された貫通穴を介して互いに接続されているとともに、透明基板の外縁よりも内側に配置されている。このように構成すれば、有機EL素子層を駆動するための駆動回路を第3端子に接続することにより、駆動回路と有機EL素子層とを電気的に接続することができる。この場合、駆動回路が設けられた駆動回路基板を、プリント配線板の透明基板とは反対側の表面上に配置することができるので、駆動回路基板が透明基板の外縁よりも外側に突出するのを抑制することができる。これにより、有機ELディスプレイの外縁が大きくなるのを抑制することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、第1金属層の少なくとも一部は、第2端子として機能する。このように構成すれば、プリント配線板に第2端子を形成するためのスペースを別途設ける必要がないので、プリント配線板が大きくなるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、部品点数を削減し、かつ、小型化および軽量化を図ることが可能な有機ELディスプレイを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図であり、図2は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。図3および図4は、それぞれ、図1の100−100線および200−200線に沿った断面に対応する模式図である。図5は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの透明基板からFPCを取り外した状態を示した平面図である。図6は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図であり、図7は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。まず、図1〜図7を参照して、第1実施形態による有機ELディスプレイの構造について説明する。なお、第1実施形態による有機ELディスプレイでは、図2〜図4中の矢印方向に発光される。
【0015】
第1実施形態では、図3〜図5に示すように、ガラスなどからなる透明基板1上の表示領域1aに対応する領域に、有機EL素子層2が形成されている。この有機EL素子層2は、一対の電極2aおよび2b間に有機材料層2cが挟持された構造を有している。なお、有機材料層2cの構成材料としては、低分子でもよいし、高分子でもよい。また、透明基板1上の表示領域1a以外の所定領域には、有機EL素子層2の電極2aと接続される複数の端子3が形成されている。この端子3の構成材料としては、ITO、Cr、AgおよびCuなどの導電性の高い金属が好ましい。なお、端子3は、本発明の「第1端子」の一例である。
【0016】
ここで、第1実施形態では、有機EL素子層2の電極2a上の所定領域に、表示領域1a(有機材料層2c)を囲むように、SiO2膜(薄膜)4が形成されている。また、SiO2膜4上には、表示領域1a(有機材料層2c)を囲むように、Ni層5が形成されている。このNi層5の構成材料(Ni)は、透水性の低い材料である。なお、SiO2膜4およびNi層5は、それぞれ、本発明の「絶縁膜」および「第2金属層」の一例である。
【0017】
また、第1実施形態では、図3および図4に示すように、透明基板1の表面(有機EL素子層2が形成されている表面)と対向するように、ポリイミド樹脂からなるFPC(フレキシブルプリント配線板)6が配置されている。なお、FPC6は、本発明の「プリント配線板」の一例である。また、図示しないが、FPC6に設けられている金属配線の一部は、ポリイミド樹脂などによりカバーコートされている。
【0018】
FPC6は、図6(表面側)および図7(裏面側)に示すように、2つの領域6aおよび6bを有しているとともに、そのFPC6の2つの領域6aおよび6bは、FPC6に形成されたスリット6cによって仕切られている。また、FPC6の表面側(図6参照)において、領域6a上の所定領域には、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を囲むように、Ni層7が形成されているとともに、領域6b上の端部側の所定領域には、Niなどからなる複数の端子8が形成されている。なお、Ni層7および端子8は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第3端子」の一例である。また、FPC6の裏面側(図7参照)において、領域6a上の所定領域には、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を覆うように、Ni層9が形成されているとともに、領域6b上の端部側の所定領域には、Niなどからなる複数の端子10が形成されている。なお、Ni層9および端子10は、それぞれ、本発明の「第3金属層」および「第2端子」の一例である。また、図3および図4に示すように、FPC6側の端子8および10は、FPC6に形成された貫通穴6dを介して互いに接続されている。
【0019】
そして、第1実施形態では、透明基板1側のNi層5とFPC6側のNi層7とは、図示しない異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film)を介して接着されている。また、第1実施形態では、図2〜図4に示すように、FPC6のスリット6cが形成された部分が折り曲げられることによって、透明基板1側の端子3とFPC6側の端子10とが電気的に接続されている。この透明基板1側の端子3とFPC6側の端子10とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。なお、FPC6が透明基板1側に接着され、かつ、FPC6のスリット6cが形成された部分が折り曲げられた状態では、FPC6側の端子8および10が透明基板1の外縁よりも内側に配置される。
【0020】
また、FPC6側の端子8(10)には、駆動回路基板11側の端子12が電気的に接続されている。なお、駆動回路基板11には、有機EL素子層2を駆動するための駆動回路(図示せず)が設けられている。また、FPC6側の端子8と駆動回路基板11側の端子12とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。また、図1に示すように、駆動回路基板11は、透明基板1の外縁よりも内側に配置されている。
【0021】
第1実施形態では、上記のように、FPC6の透明基板1側の表面上に有機材料層2cを囲むNi層7を形成するとともに、そのNi層7の透明基板1側の表面を透明基板1側に接着することによって、FPC6により有機材料層2cを封止することができるので、有機材料層2cを封止するための封止部材を別途設ける必要がない。その結果、封止部材を設けない分、有機ELディスプレイの部品点数を削減することができ、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることができる。
【0022】
また、第1実施形態では、上記のように、透明基板1の表面上に有機材料層2cを囲むNi層5を形成するとともに、FPC6側のNi層7の表面を、透明基板1側のNi層5の表面に接着することによって、容易に、FPC6側のNi層7の表面を透明基板1側に接着することができる。
【0023】
また、第1実施形態では、上記のように、透明基板1の表面上に有機材料層2cを囲むSiO2膜(絶縁膜)4を形成するとともに、そのSiO2膜4により透明基板1側のNi層5と有機EL素子層2とを絶縁することによって、透明基板1の表面上にNi層5を形成したとしても、容易に、絶縁性を確保することができる。
【0024】
また、第1実施形態では、上記のように、FPC6の透明基板1とは反対側の表面上に、有機材料層2cの形成領域を覆うNi層9を形成することによって、FPC6を介して有機材料層2cの形成領域に水分が侵入するのを抑制することができる。
【0025】
また、第1実施形態では、透明基板1側の端子3、FPC6側の端子8および10を上記のように構成することによって、FPC6の透明基板1とは反対側の表面上に駆動回路基板11を配置することができるので、駆動回路基板11が透明基板1の外縁よりも外側に突出するのを抑制することができる。これにより、有機ELディスプレイの外縁が大きくなるのを抑制することができる。
【0026】
次に、第1実施形態による有機ELディスプレイの製造方法について説明する。
【0027】
まず、図3〜図5に示すように、公知の技術を用いて、透明基板1上の表示領域1aに対応する領域に、一対の電極2aおよび2b間に有機材料層2cが挟持された構造を有する有機EL素子層2を形成する。また、無電解めっき法などを用いて、透明基板1上の表示領域1a以外の所定領域に、有機EL素子層2の電極2aと接続される複数の端子3を形成する。この後、有機EL素子層2の電極2a上の所定領域に、表示領域1a(有機材料層2c)を囲むように、SiO2膜4およびNi層5を順次形成する。
【0028】
次に、図6に示すように、無電解めっき法などを用いて、FPC6の表面側の領域6a上の所定領域に、表示領域1aを囲むようにNi層7を形成するとともに、領域6b上の端部側の所定領域に複数の端子8を形成する。また、図7に示すように、無電解めっき法などを用いて、FPC6の裏面側の領域6a上の所定領域に、表示領域1aを覆うようにNi層9を形成するとともに、領域6b上の端部側の所定領域に複数の端子10を形成する。この後、FPC6の領域6aと領域6bとの境界部分にスリット6cを形成する。FPC6にスリット6cを形成することによって、FPC6のスリット6cが形成された部分の剛性が小さくなるので、FPC6の折り曲げを容易に行うことが可能となる。なお、第1実施形態では、FPC6の領域6aと領域6bとの境界部分の厚みを小さくすることによって、FPC6の領域6aと領域6bとの境界部分の剛性を小さくしてもよい。
【0029】
次に、図3および図4に示すように、N2雰囲気中において、図示しない異方性導電膜を介して、FPC6側のNi層7を透明基板1側のNi層5に対して圧着する。これにより、有機EL素子層2の有機材料層2cが封止された状態となる。なお、上記した圧着工程は、オゾン制御された環境下で行ってもよい。
【0030】
この後、大気中において、図示しない異方性導電膜を介して、透明基板1側の端子3とFPC6側の端子10との圧着、および、FPC6側の端子8と駆動回路基板11側の端子12との圧着を行う。この際、第1実施形態では、有機EL素子層2の有機材料層2cが既に封止された状態となっているので、上記した圧着工程を大気中で行うことが可能となる。
【0031】
このようにして、第1実施形態による有機ELディスプレイが形成される。
【0032】
図8は、第1実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図8を参照して、第1実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11が装着されるFPC6の領域6bが、領域6a(表示領域1a)から2方向に突出するように設けられているとともに、その2方向に突出するFPC6の領域6bの各々に端子8が配置されている。なお、第1実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0033】
図9は、第1実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図9を参照して、第1実施形態の第2変形例では、駆動回路基板11が装着されるFPC6の領域6bが、領域6a(表示領域1a)から4方向に突出するように設けられているとともに、その4方向に突出する領域6bの各々に端子8が配置されている。なお、第1実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0034】
上記した第1実施形態の第1および第2変形例のように構成されたFPC6を用いる場合においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC6の領域6bは、領域6a(表示領域1a)から3方向に突出するように設けてもよい。
【0035】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図であり、図11は、図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。図12および図13は、それぞれ、図10の300−300線および400−400線に沿った断面に対応する模式図である。図14は、図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図であり、図15は、図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。図10〜図15を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、FPCを折り曲げずに使用する場合について説明する。なお、第2実施形態による有機ELディスプレイでは、図11〜図13中の矢印方向に発光される。
【0036】
この第2実施形態では、図12および図13に示すように、透明基板1の表面(有機EL素子層2が形成されている表面)と対向するように、ポリイミド樹脂からなるFPC26が配置されている。なお、FPC26は、本発明の「プリント配線板」の一例である。また、図示しないが、FPC26に設けられている金属配線の一部は、ポリイミド樹脂などによりカバーコートされている。
【0037】
また、第2実施形態では、FPC26の表面側(図14参照)において、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を囲むようにNi層27が形成されているとともに、端部側の所定領域に複数の端子28が形成されている。なお、Ni層27および端子28は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第2端子」の一例である。また、第2実施形態では、FPC26の裏面側(図15参照)において、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を覆うようにNi層29が形成されているとともに、端部側の所定領域に複数の端子30が形成されている。なお、Ni層29および端子30は、それぞれ、本発明の「第3金属層」および「第3端子」の一例である。また、図12および図13に示すように、FPC26側の端子28および30は、FPC26に形成された貫通穴26dを介して互いに接続されている。
【0038】
そして、第2実施形態では、透明基板1側のNi層5とFPC26側のNi層27とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。また、第2実施形態では、図11〜図13に示すように、透明基板1側の端子3とFPC26側の端子28とが電気的に接続されている。この透明基板1側の端子3とFPC26側の端子28とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。なお、FPC26が透明基板1側に接着された状態では、FPC26側の端子28および30が透明基板1の外縁よりも内側に配置される。
【0039】
また、FPC26側の端子30(端子28)には、駆動回路基板11側の端子12が電気的に接続されている。FPC26側の端子30と駆動回路基板11側の端子12とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。また、図10に示すように、駆動回路基板11は、透明基板1の外縁よりも内側に配置されている。
【0040】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0041】
第2実施形態では、上記のように、FPC26の透明基板1側の表面上に有機材料層2cを囲むNi層27を形成するとともに、そのNi層27の透明基板1側の表面を透明基板1側に接着することによって、上記第1実施形態と同様、有機ELディスプレイの部品点数を削減することができ、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることができる。
【0042】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0043】
図16は、第2実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図16を参照して、第2実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11側の端子12(図12および図13参照)に電気的に接続されるFPC26側の端子28が、表示領域1aから2方向に突出するように配置されている。なお、第2実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0044】
図17は、第2実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図17を参照して、第2実施形態の第2変形例では、駆動回路基板11側の端子12(図12および図13参照)に電気的に接続されるFPC26側の端子28が、表示領域1aから4方向に突出するように配置されている。なお、第2実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0045】
上記した第2実施形態の第1および第2変形例のように構成されたFPC26を用いる場合においても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC26側の端子28は、表示領域1aから3方向に突出するように配置してもよい。
【0046】
(第3実施形態)
図18および図19は、それぞれ、本発明の第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図20および図21は、図18および図19に示した第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCが駆動回路基板に接続された状態を示した平面図である。図18〜図21を参照して、この第3実施形態のFPC36は、透明基板1(図20および図21参照)の外縁よりも外側に突出した突出部36aを有している。そして、FPC36の裏面側(図19参照)において、駆動回路基板11側の端子(コネクタ)12に接続されるFPC36側の端子40が、FPC36の突出部36aに配置されている。また、FPC36側の端子28および40は、金属配線40aにより接続されている。なお、FPC36および端子40は、それぞれ、本発明の「プリント配線板」および「第3端子」の一例である。
【0047】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0048】
第3実施形態では、上記のように構成することによって、図20に示すように、駆動回路基板11を透明基板1の外縁よりも外側に配置することができる。また、図21に示すように、駆動回路基板11が大きい場合にも、駆動回路基板11とFPC36とを容易に接続することができる。
【0049】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0050】
図22および図23は、それぞれ、第3実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図22および図23を参照して、この第3実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11側の端子12(図20および図21参照)に接続されるFPC36側の端子40が、FPC36の表面側(図22参照)に配置されている。なお、第3実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0051】
第3実施形態の第1変形例では、上記のように構成することによって、有機EL素子層2の電極2aの取り出し方向を容易に変更することができる。
【0052】
図24は、第3実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図24を参照して、第3実施形態の第2変形例では、FPC36の突出部36aが2方向に突出するように形成されている。なお、第3実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0053】
図25は、第3実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図25を参照して、第3実施形態の第3変形例では、FPC36の突出部36aが4方向に突出するように形成されている。なお、第3実施形態の第3変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0054】
上記した第3実施形態の第1〜第3変形例のように構成されたFPC36を用いる場合においても、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC36の突出部36aは、3方向に突出するように形成してもよい。
【0055】
(第4実施形態)
図26および図27は、それぞれ、本発明の第4実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図26および図27を参照して、この第4実施形態では、FPC26の表面側(図26参照)において、表示領域1aを囲むNi層47の1辺が、透明基板1側の端子3(図12および図13参照)と接続される端子48として機能するように構成されている。なお、Ni層27および端子48は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第2端子」の一例である。
【0056】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0057】
第4実施形態では、上記のように、FPC26側のNi層47の1辺を、透明基板1側の端子3と接続される端子48として機能するように構成することによって、FPC26に端子48を形成するためのスペースを別途設ける必要がないので、FPC26が大きくなるのを抑制することができる。
【0058】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0059】
図28は、第4実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図28を参照して、第4実施形態の第1変形例では、FPC26の表面側において、表示領域1aを囲むNi層47の2辺が、透明基板1側の端子3(図12および図13参照)と接続される端子48として機能するように構成されている。なお、第4実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0060】
図29は、第4実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図29を参照して、第4実施形態の第2変形例では、FPC26の表面側において、表示領域1aを囲むNi層47の4辺が、透明基板1側の端子3(図12および図13参照)と接続される端子48として機能するように構成されている。なお、第4実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0061】
表示領域1aを囲むNi層47を上記のように構成した場合(第4実施形態の第1および第2変形例)においても、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、表示領域1aを囲むNi層47の3辺が、透明基板1側の端子3と接続される端子48として機能するように構成してもよい。
【0062】
(第5実施形態)
図30および図31は、それぞれ、本発明の第5実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図30および図31を参照して、この第5実施形態のFPC56は、透明基板1の外縁よりも外側に突出した突出部56aを有している。そして、FPC56の裏面側(図31参照)において、駆動回路基板11側の端子12に接続されるFPC56側の端子60が、FPC56の突出部56aに配置されている。なお、FPC56および端子60は、それぞれ、本発明の「プリント配線板」および「第3端子」の一例である。
【0063】
また、第5実施形態では、FPC56の表面側(図30参照)において、表示領域1aを囲むNi層57の1辺が、透明基板1側の端子3と接続される端子58として機能するように構成されている。また、FPC56の表面側の端子58は、金属配線60aを介してFPC56の裏面側の端子60に接続されている。また、第5実施形態では、FPC56の裏面側(図31参照)において、表示領域1aを覆うようにNi層59が形成されている。なお、Ni層57および59は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第3金属層」の一例である。また、端子58は、本発明の「第2端子」の一例である。
【0064】
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第2〜第4実施形態と同様である。
【0065】
第5実施形態では、上記のように構成することによって、上記第1〜第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
図32および図33は、それぞれ、第5実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図32および図33を参照して、この第5実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11側の端子12に接続されるFPC56側の端子60が、FPC56の表面側(図32参照)に配置されている。なお、第5実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。
【0067】
図34は、第5実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図34を参照して、第5実施形態の第2変形例では、FPC56の突出部56aが2方向に突出するように形成されている。なお、第5実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。
【0068】
図35は、第5実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図35を参照して、第5実施形態の第3変形例では、FPC56の突出部56aが4方向に突出するように形成されている。なお、第5実施形態の第3変形例のその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。
【0069】
上記した第5実施形態の第1〜第3変形例のように構成されたFPC56を用いる場合においても、上記第5実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC56の突出部56aは、3方向に突出するように形成してもよい。
【0070】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0071】
たとえば、上記実施形態では、Ni層により有機材料層(表示領域)を囲むように構成したが、本発明はこれに限らず、Ni以外の材料からなる層により有機材料層(表示領域)を囲むように構成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、透明基板側のNi層とFPC側のNi層とを、異方性導電膜を介して接着したが、本発明はこれに限らず、透明基板側のNi層とFPC側のNi層との間は導通させる必要がないので、異方性導電膜よりも透水性の低い接着剤を介して、透明基板側のNi層とFPC側のNi層とを接着してもよい。
【0073】
また、第1実施形態のFPC6の構成において、FPC6の領域6b上に、チップ13およびコネクタ14を図36に示すように配置してもよい。
【0074】
また、本発明は、パッシブマトリクス駆動の有機ELディスプレイおよびアクティブマトリクス駆動の有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【0075】
また、本発明は、白色有機EL素子を用いたカラーフィルタ方式の有機ELディスプレイ、および、RGBの各色を発光する有機EL素子を含む塗り分け方式の有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【0076】
また、本発明は、モノカラーの有機ELディスプレイおよびフルカラーの有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【0077】
また、本発明は、ボトムエミッション型の有機ELディスプレイおよびトップエミッション型の有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。
【図3】図1の100−100線に沿った断面に対応する模式図である。
【図4】図1の200−200線に沿った断面に対応する模式図である。
【図5】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの透明基板からFPCを取り外した状態を示した平面図である。
【図6】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図7】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図8】第1実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図9】第1実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図である。
【図11】図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。
【図12】図10の300−300線に沿った断面に対応する模式図である。
【図13】図10の400−400線に沿った断面に対応する模式図である。
【図14】図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図15】図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図16】第2実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図17】第2実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図18】本発明の第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図19】本発明の第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図20】図18および図19に示した第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCが駆動回路基板に接続された状態を示した平面図である。
【図21】図18および図19に示した第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCが駆動回路基板に接続された状態を示した平面図である。
【図22】第3実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図23】第3実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図24】第3実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図25】第3実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図26】本発明の第4実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図27】本発明の第4実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図28】第4実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図29】第4実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図30】本発明の第5実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図31】本発明の第5実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図32】第5実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図33】第5実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図34】第5実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図35】第5実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図36】FPC上に設けられる電子部品の配置例を示した平面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 透明基板
2 有機EL素子層
2a、2b 電極
2c 有機材料層
3 端子(第1端子)
4 SiO2膜(絶縁膜)
5 Ni層(第2金属層)
6、26、36、46、56 FPC(プリント配線板)
7、27、47、57 Ni層(第1金属層)
8、30、40、60 端子(第3端子)
9、29、59 Ni層(第3金属層)
10、28、48、58 端子(第2端子)
【技術分野】
【0001】
この発明は、有機ELディスプレイに関し、特に、透明基板上に有機EL素子層が形成された有機ELディスプレイに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、透明基板上に有機EL素子層が形成された有機ELディスプレイにおいて、透明基板上の有機EL素子層を封止部材を用いて封止する技術が知られている(たとえば、特許文献1参照)。上記特許文献1には、封止部材としての耐湿性フィルムにより、透明基板上の有機EL素子層が封止された有機ELディスプレイが開示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2002−93574号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記特許文献1に開示された従来の有機ELディスプレイでは、有機EL素子層を封止するための封止部材が別途必要になるため、有機ELディスプレイの部品点数が増加し、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることが困難になるという問題点がある。
【0005】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、この発明の目的は、部品点数を削減し、かつ、小型化および軽量化を図ることが可能な有機ELディスプレイを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、この発明の一の局面による有機ELディスプレイは、透明基板と、透明基板の表面上に形成され、一対の電極間に挟持された有機材料層を含む有機EL素子層と、透明基板の表面と対向するように配置されたプリント配線板と、プリント配線板の透明基板側の表面上に形成され、有機材料層を囲む第1金属層とを備えている。そして、第1金属層の透明基板側の表面は、透明基板側に接着されている。
【0007】
この一の局面による有機ELディスプレイでは、上記のように、プリント配線板の透明基板側の表面上に有機材料層を囲む第1金属層を形成するとともに、その第1金属層の透明基板側の表面を透明基板側に接着することによって、プリント配線板により有機材料層を封止することができるので、有機材料層を封止するための封止部材を別途設ける必要がない。その結果、封止部材を設けない分、有機ELディスプレイの部品点数を削減することができ、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることができる。
【0008】
上記一の局面による有機ELディスプレイにおいて、好ましくは、透明基板の表面上に形成され、有機材料層を囲む第2金属層をさらに備え、第1金属層の透明基板側の表面は、第2金属層のプリント配線板側の表面に接着されている。このように構成すれば、容易に、第1金属層の透明基板側の表面を透明基板側に接着することができる。
【0009】
この場合、好ましくは、透明基板の表面上に形成され、有機材料層を囲む絶縁膜をさらに備え、第2金属層は、絶縁膜により有機EL素子層と絶縁されている。このように構成すれば、透明基板の表面上に第2金属層を形成したとしても、容易に、絶縁性を確保することができる。
【0010】
上記一の局面による有機ELディスプレイにおいて、好ましくは、プリント配線板の透明基板とは反対側の表面上に形成され、有機EL素子層の形成領域に対応する領域を覆う第3金属層をさらに備える。このように構成すれば、プリント配線板を介して有機EL素子層の形成領域に水分が侵入するのを抑制することができる。
【0011】
上記一の局面による有機ELディスプレイにおいて、好ましくは、透明基板の表面上に形成され、有機EL素子層に接続される第1端子と、プリント配線板の透明基板側の表面上に形成され、第1端子に接続される第2端子と、プリント配線板の透明基板とは反対側の表面上に形成され、第2端子に接続される第3端子とをさらに備え、第2端子および第3端子は、プリント配線板に形成された貫通穴を介して互いに接続されているとともに、透明基板の外縁よりも内側に配置されている。このように構成すれば、有機EL素子層を駆動するための駆動回路を第3端子に接続することにより、駆動回路と有機EL素子層とを電気的に接続することができる。この場合、駆動回路が設けられた駆動回路基板を、プリント配線板の透明基板とは反対側の表面上に配置することができるので、駆動回路基板が透明基板の外縁よりも外側に突出するのを抑制することができる。これにより、有機ELディスプレイの外縁が大きくなるのを抑制することができる。
【0012】
この場合、好ましくは、第1金属層の少なくとも一部は、第2端子として機能する。このように構成すれば、プリント配線板に第2端子を形成するためのスペースを別途設ける必要がないので、プリント配線板が大きくなるのを抑制することができる。
【発明の効果】
【0013】
以上のように、本発明によれば、部品点数を削減し、かつ、小型化および軽量化を図ることが可能な有機ELディスプレイを得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図であり、図2は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。図3および図4は、それぞれ、図1の100−100線および200−200線に沿った断面に対応する模式図である。図5は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの透明基板からFPCを取り外した状態を示した平面図である。図6は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図であり、図7は、図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。まず、図1〜図7を参照して、第1実施形態による有機ELディスプレイの構造について説明する。なお、第1実施形態による有機ELディスプレイでは、図2〜図4中の矢印方向に発光される。
【0015】
第1実施形態では、図3〜図5に示すように、ガラスなどからなる透明基板1上の表示領域1aに対応する領域に、有機EL素子層2が形成されている。この有機EL素子層2は、一対の電極2aおよび2b間に有機材料層2cが挟持された構造を有している。なお、有機材料層2cの構成材料としては、低分子でもよいし、高分子でもよい。また、透明基板1上の表示領域1a以外の所定領域には、有機EL素子層2の電極2aと接続される複数の端子3が形成されている。この端子3の構成材料としては、ITO、Cr、AgおよびCuなどの導電性の高い金属が好ましい。なお、端子3は、本発明の「第1端子」の一例である。
【0016】
ここで、第1実施形態では、有機EL素子層2の電極2a上の所定領域に、表示領域1a(有機材料層2c)を囲むように、SiO2膜(薄膜)4が形成されている。また、SiO2膜4上には、表示領域1a(有機材料層2c)を囲むように、Ni層5が形成されている。このNi層5の構成材料(Ni)は、透水性の低い材料である。なお、SiO2膜4およびNi層5は、それぞれ、本発明の「絶縁膜」および「第2金属層」の一例である。
【0017】
また、第1実施形態では、図3および図4に示すように、透明基板1の表面(有機EL素子層2が形成されている表面)と対向するように、ポリイミド樹脂からなるFPC(フレキシブルプリント配線板)6が配置されている。なお、FPC6は、本発明の「プリント配線板」の一例である。また、図示しないが、FPC6に設けられている金属配線の一部は、ポリイミド樹脂などによりカバーコートされている。
【0018】
FPC6は、図6(表面側)および図7(裏面側)に示すように、2つの領域6aおよび6bを有しているとともに、そのFPC6の2つの領域6aおよび6bは、FPC6に形成されたスリット6cによって仕切られている。また、FPC6の表面側(図6参照)において、領域6a上の所定領域には、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を囲むように、Ni層7が形成されているとともに、領域6b上の端部側の所定領域には、Niなどからなる複数の端子8が形成されている。なお、Ni層7および端子8は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第3端子」の一例である。また、FPC6の裏面側(図7参照)において、領域6a上の所定領域には、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を覆うように、Ni層9が形成されているとともに、領域6b上の端部側の所定領域には、Niなどからなる複数の端子10が形成されている。なお、Ni層9および端子10は、それぞれ、本発明の「第3金属層」および「第2端子」の一例である。また、図3および図4に示すように、FPC6側の端子8および10は、FPC6に形成された貫通穴6dを介して互いに接続されている。
【0019】
そして、第1実施形態では、透明基板1側のNi層5とFPC6側のNi層7とは、図示しない異方性導電膜(Anisotropic Conductive Film)を介して接着されている。また、第1実施形態では、図2〜図4に示すように、FPC6のスリット6cが形成された部分が折り曲げられることによって、透明基板1側の端子3とFPC6側の端子10とが電気的に接続されている。この透明基板1側の端子3とFPC6側の端子10とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。なお、FPC6が透明基板1側に接着され、かつ、FPC6のスリット6cが形成された部分が折り曲げられた状態では、FPC6側の端子8および10が透明基板1の外縁よりも内側に配置される。
【0020】
また、FPC6側の端子8(10)には、駆動回路基板11側の端子12が電気的に接続されている。なお、駆動回路基板11には、有機EL素子層2を駆動するための駆動回路(図示せず)が設けられている。また、FPC6側の端子8と駆動回路基板11側の端子12とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。また、図1に示すように、駆動回路基板11は、透明基板1の外縁よりも内側に配置されている。
【0021】
第1実施形態では、上記のように、FPC6の透明基板1側の表面上に有機材料層2cを囲むNi層7を形成するとともに、そのNi層7の透明基板1側の表面を透明基板1側に接着することによって、FPC6により有機材料層2cを封止することができるので、有機材料層2cを封止するための封止部材を別途設ける必要がない。その結果、封止部材を設けない分、有機ELディスプレイの部品点数を削減することができ、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることができる。
【0022】
また、第1実施形態では、上記のように、透明基板1の表面上に有機材料層2cを囲むNi層5を形成するとともに、FPC6側のNi層7の表面を、透明基板1側のNi層5の表面に接着することによって、容易に、FPC6側のNi層7の表面を透明基板1側に接着することができる。
【0023】
また、第1実施形態では、上記のように、透明基板1の表面上に有機材料層2cを囲むSiO2膜(絶縁膜)4を形成するとともに、そのSiO2膜4により透明基板1側のNi層5と有機EL素子層2とを絶縁することによって、透明基板1の表面上にNi層5を形成したとしても、容易に、絶縁性を確保することができる。
【0024】
また、第1実施形態では、上記のように、FPC6の透明基板1とは反対側の表面上に、有機材料層2cの形成領域を覆うNi層9を形成することによって、FPC6を介して有機材料層2cの形成領域に水分が侵入するのを抑制することができる。
【0025】
また、第1実施形態では、透明基板1側の端子3、FPC6側の端子8および10を上記のように構成することによって、FPC6の透明基板1とは反対側の表面上に駆動回路基板11を配置することができるので、駆動回路基板11が透明基板1の外縁よりも外側に突出するのを抑制することができる。これにより、有機ELディスプレイの外縁が大きくなるのを抑制することができる。
【0026】
次に、第1実施形態による有機ELディスプレイの製造方法について説明する。
【0027】
まず、図3〜図5に示すように、公知の技術を用いて、透明基板1上の表示領域1aに対応する領域に、一対の電極2aおよび2b間に有機材料層2cが挟持された構造を有する有機EL素子層2を形成する。また、無電解めっき法などを用いて、透明基板1上の表示領域1a以外の所定領域に、有機EL素子層2の電極2aと接続される複数の端子3を形成する。この後、有機EL素子層2の電極2a上の所定領域に、表示領域1a(有機材料層2c)を囲むように、SiO2膜4およびNi層5を順次形成する。
【0028】
次に、図6に示すように、無電解めっき法などを用いて、FPC6の表面側の領域6a上の所定領域に、表示領域1aを囲むようにNi層7を形成するとともに、領域6b上の端部側の所定領域に複数の端子8を形成する。また、図7に示すように、無電解めっき法などを用いて、FPC6の裏面側の領域6a上の所定領域に、表示領域1aを覆うようにNi層9を形成するとともに、領域6b上の端部側の所定領域に複数の端子10を形成する。この後、FPC6の領域6aと領域6bとの境界部分にスリット6cを形成する。FPC6にスリット6cを形成することによって、FPC6のスリット6cが形成された部分の剛性が小さくなるので、FPC6の折り曲げを容易に行うことが可能となる。なお、第1実施形態では、FPC6の領域6aと領域6bとの境界部分の厚みを小さくすることによって、FPC6の領域6aと領域6bとの境界部分の剛性を小さくしてもよい。
【0029】
次に、図3および図4に示すように、N2雰囲気中において、図示しない異方性導電膜を介して、FPC6側のNi層7を透明基板1側のNi層5に対して圧着する。これにより、有機EL素子層2の有機材料層2cが封止された状態となる。なお、上記した圧着工程は、オゾン制御された環境下で行ってもよい。
【0030】
この後、大気中において、図示しない異方性導電膜を介して、透明基板1側の端子3とFPC6側の端子10との圧着、および、FPC6側の端子8と駆動回路基板11側の端子12との圧着を行う。この際、第1実施形態では、有機EL素子層2の有機材料層2cが既に封止された状態となっているので、上記した圧着工程を大気中で行うことが可能となる。
【0031】
このようにして、第1実施形態による有機ELディスプレイが形成される。
【0032】
図8は、第1実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図8を参照して、第1実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11が装着されるFPC6の領域6bが、領域6a(表示領域1a)から2方向に突出するように設けられているとともに、その2方向に突出するFPC6の領域6bの各々に端子8が配置されている。なお、第1実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0033】
図9は、第1実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図9を参照して、第1実施形態の第2変形例では、駆動回路基板11が装着されるFPC6の領域6bが、領域6a(表示領域1a)から4方向に突出するように設けられているとともに、その4方向に突出する領域6bの各々に端子8が配置されている。なお、第1実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0034】
上記した第1実施形態の第1および第2変形例のように構成されたFPC6を用いる場合においても、上記第1実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC6の領域6bは、領域6a(表示領域1a)から3方向に突出するように設けてもよい。
【0035】
(第2実施形態)
図10は、本発明の第2実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図であり、図11は、図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。図12および図13は、それぞれ、図10の300−300線および400−400線に沿った断面に対応する模式図である。図14は、図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図であり、図15は、図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。図10〜図15を参照して、この第2実施形態では、上記第1実施形態と異なり、FPCを折り曲げずに使用する場合について説明する。なお、第2実施形態による有機ELディスプレイでは、図11〜図13中の矢印方向に発光される。
【0036】
この第2実施形態では、図12および図13に示すように、透明基板1の表面(有機EL素子層2が形成されている表面)と対向するように、ポリイミド樹脂からなるFPC26が配置されている。なお、FPC26は、本発明の「プリント配線板」の一例である。また、図示しないが、FPC26に設けられている金属配線の一部は、ポリイミド樹脂などによりカバーコートされている。
【0037】
また、第2実施形態では、FPC26の表面側(図14参照)において、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を囲むようにNi層27が形成されているとともに、端部側の所定領域に複数の端子28が形成されている。なお、Ni層27および端子28は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第2端子」の一例である。また、第2実施形態では、FPC26の裏面側(図15参照)において、表示領域1a(有機材料層2cの形成領域)を覆うようにNi層29が形成されているとともに、端部側の所定領域に複数の端子30が形成されている。なお、Ni層29および端子30は、それぞれ、本発明の「第3金属層」および「第3端子」の一例である。また、図12および図13に示すように、FPC26側の端子28および30は、FPC26に形成された貫通穴26dを介して互いに接続されている。
【0038】
そして、第2実施形態では、透明基板1側のNi層5とFPC26側のNi層27とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。また、第2実施形態では、図11〜図13に示すように、透明基板1側の端子3とFPC26側の端子28とが電気的に接続されている。この透明基板1側の端子3とFPC26側の端子28とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。なお、FPC26が透明基板1側に接着された状態では、FPC26側の端子28および30が透明基板1の外縁よりも内側に配置される。
【0039】
また、FPC26側の端子30(端子28)には、駆動回路基板11側の端子12が電気的に接続されている。FPC26側の端子30と駆動回路基板11側の端子12とは、図示しない異方性導電膜を介して接着されている。また、図10に示すように、駆動回路基板11は、透明基板1の外縁よりも内側に配置されている。
【0040】
なお、第2実施形態のその他の構成は、上記第1実施形態と同様である。
【0041】
第2実施形態では、上記のように、FPC26の透明基板1側の表面上に有機材料層2cを囲むNi層27を形成するとともに、そのNi層27の透明基板1側の表面を透明基板1側に接着することによって、上記第1実施形態と同様、有機ELディスプレイの部品点数を削減することができ、かつ、有機ELディスプレイの小型化および軽量化を図ることができる。
【0042】
なお、第2実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0043】
図16は、第2実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図16を参照して、第2実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11側の端子12(図12および図13参照)に電気的に接続されるFPC26側の端子28が、表示領域1aから2方向に突出するように配置されている。なお、第2実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0044】
図17は、第2実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図17を参照して、第2実施形態の第2変形例では、駆動回路基板11側の端子12(図12および図13参照)に電気的に接続されるFPC26側の端子28が、表示領域1aから4方向に突出するように配置されている。なお、第2実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0045】
上記した第2実施形態の第1および第2変形例のように構成されたFPC26を用いる場合においても、上記第2実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC26側の端子28は、表示領域1aから3方向に突出するように配置してもよい。
【0046】
(第3実施形態)
図18および図19は、それぞれ、本発明の第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図20および図21は、図18および図19に示した第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCが駆動回路基板に接続された状態を示した平面図である。図18〜図21を参照して、この第3実施形態のFPC36は、透明基板1(図20および図21参照)の外縁よりも外側に突出した突出部36aを有している。そして、FPC36の裏面側(図19参照)において、駆動回路基板11側の端子(コネクタ)12に接続されるFPC36側の端子40が、FPC36の突出部36aに配置されている。また、FPC36側の端子28および40は、金属配線40aにより接続されている。なお、FPC36および端子40は、それぞれ、本発明の「プリント配線板」および「第3端子」の一例である。
【0047】
なお、第3実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0048】
第3実施形態では、上記のように構成することによって、図20に示すように、駆動回路基板11を透明基板1の外縁よりも外側に配置することができる。また、図21に示すように、駆動回路基板11が大きい場合にも、駆動回路基板11とFPC36とを容易に接続することができる。
【0049】
なお、第3実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0050】
図22および図23は、それぞれ、第3実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図22および図23を参照して、この第3実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11側の端子12(図20および図21参照)に接続されるFPC36側の端子40が、FPC36の表面側(図22参照)に配置されている。なお、第3実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0051】
第3実施形態の第1変形例では、上記のように構成することによって、有機EL素子層2の電極2aの取り出し方向を容易に変更することができる。
【0052】
図24は、第3実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図24を参照して、第3実施形態の第2変形例では、FPC36の突出部36aが2方向に突出するように形成されている。なお、第3実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0053】
図25は、第3実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図25を参照して、第3実施形態の第3変形例では、FPC36の突出部36aが4方向に突出するように形成されている。なお、第3実施形態の第3変形例のその他の構成は、上記第3実施形態と同様である。
【0054】
上記した第3実施形態の第1〜第3変形例のように構成されたFPC36を用いる場合においても、上記第3実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC36の突出部36aは、3方向に突出するように形成してもよい。
【0055】
(第4実施形態)
図26および図27は、それぞれ、本発明の第4実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図26および図27を参照して、この第4実施形態では、FPC26の表面側(図26参照)において、表示領域1aを囲むNi層47の1辺が、透明基板1側の端子3(図12および図13参照)と接続される端子48として機能するように構成されている。なお、Ni層27および端子48は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第2端子」の一例である。
【0056】
なお、第4実施形態のその他の構成は、上記第2実施形態と同様である。
【0057】
第4実施形態では、上記のように、FPC26側のNi層47の1辺を、透明基板1側の端子3と接続される端子48として機能するように構成することによって、FPC26に端子48を形成するためのスペースを別途設ける必要がないので、FPC26が大きくなるのを抑制することができる。
【0058】
なお、第4実施形態のその他の効果は、上記第1実施形態と同様である。
【0059】
図28は、第4実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図28を参照して、第4実施形態の第1変形例では、FPC26の表面側において、表示領域1aを囲むNi層47の2辺が、透明基板1側の端子3(図12および図13参照)と接続される端子48として機能するように構成されている。なお、第4実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0060】
図29は、第4実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図29を参照して、第4実施形態の第2変形例では、FPC26の表面側において、表示領域1aを囲むNi層47の4辺が、透明基板1側の端子3(図12および図13参照)と接続される端子48として機能するように構成されている。なお、第4実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第4実施形態と同様である。
【0061】
表示領域1aを囲むNi層47を上記のように構成した場合(第4実施形態の第1および第2変形例)においても、上記第4実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、表示領域1aを囲むNi層47の3辺が、透明基板1側の端子3と接続される端子48として機能するように構成してもよい。
【0062】
(第5実施形態)
図30および図31は、それぞれ、本発明の第5実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図30および図31を参照して、この第5実施形態のFPC56は、透明基板1の外縁よりも外側に突出した突出部56aを有している。そして、FPC56の裏面側(図31参照)において、駆動回路基板11側の端子12に接続されるFPC56側の端子60が、FPC56の突出部56aに配置されている。なお、FPC56および端子60は、それぞれ、本発明の「プリント配線板」および「第3端子」の一例である。
【0063】
また、第5実施形態では、FPC56の表面側(図30参照)において、表示領域1aを囲むNi層57の1辺が、透明基板1側の端子3と接続される端子58として機能するように構成されている。また、FPC56の表面側の端子58は、金属配線60aを介してFPC56の裏面側の端子60に接続されている。また、第5実施形態では、FPC56の裏面側(図31参照)において、表示領域1aを覆うようにNi層59が形成されている。なお、Ni層57および59は、それぞれ、本発明の「第1金属層」および「第3金属層」の一例である。また、端子58は、本発明の「第2端子」の一例である。
【0064】
なお、第5実施形態のその他の構成は、上記第2〜第4実施形態と同様である。
【0065】
第5実施形態では、上記のように構成することによって、上記第1〜第4実施形態と同様の効果を得ることができる。
【0066】
図32および図33は、それぞれ、第5実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側および裏面側から見た場合の平面図である。図32および図33を参照して、この第5実施形態の第1変形例では、駆動回路基板11側の端子12に接続されるFPC56側の端子60が、FPC56の表面側(図32参照)に配置されている。なお、第5実施形態の第1変形例のその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。
【0067】
図34は、第5実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図34を参照して、第5実施形態の第2変形例では、FPC56の突出部56aが2方向に突出するように形成されている。なお、第5実施形態の第2変形例のその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。
【0068】
図35は、第5実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。図35を参照して、第5実施形態の第3変形例では、FPC56の突出部56aが4方向に突出するように形成されている。なお、第5実施形態の第3変形例のその他の構成は、上記第5実施形態と同様である。
【0069】
上記した第5実施形態の第1〜第3変形例のように構成されたFPC56を用いる場合においても、上記第5実施形態と同様の効果を得ることができる。なお、図示しないが、FPC56の突出部56aは、3方向に突出するように形成してもよい。
【0070】
なお、今回開示された実施形態は、すべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は、上記した実施形態の説明ではなく特許請求の範囲によって示され、さらに特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれる。
【0071】
たとえば、上記実施形態では、Ni層により有機材料層(表示領域)を囲むように構成したが、本発明はこれに限らず、Ni以外の材料からなる層により有機材料層(表示領域)を囲むように構成してもよい。
【0072】
また、上記実施形態では、透明基板側のNi層とFPC側のNi層とを、異方性導電膜を介して接着したが、本発明はこれに限らず、透明基板側のNi層とFPC側のNi層との間は導通させる必要がないので、異方性導電膜よりも透水性の低い接着剤を介して、透明基板側のNi層とFPC側のNi層とを接着してもよい。
【0073】
また、第1実施形態のFPC6の構成において、FPC6の領域6b上に、チップ13およびコネクタ14を図36に示すように配置してもよい。
【0074】
また、本発明は、パッシブマトリクス駆動の有機ELディスプレイおよびアクティブマトリクス駆動の有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【0075】
また、本発明は、白色有機EL素子を用いたカラーフィルタ方式の有機ELディスプレイ、および、RGBの各色を発光する有機EL素子を含む塗り分け方式の有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【0076】
また、本発明は、モノカラーの有機ELディスプレイおよびフルカラーの有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【0077】
また、本発明は、ボトムエミッション型の有機ELディスプレイおよびトップエミッション型の有機ELディスプレイのいずれにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の第1実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図である。
【図2】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。
【図3】図1の100−100線に沿った断面に対応する模式図である。
【図4】図1の200−200線に沿った断面に対応する模式図である。
【図5】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイの透明基板からFPCを取り外した状態を示した平面図である。
【図6】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図7】図1に示した第1実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図8】第1実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図9】第1実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図10】本発明の第2実施形態による有機ELディスプレイの構造を示した平面図である。
【図11】図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイの側面図である。
【図12】図10の300−300線に沿った断面に対応する模式図である。
【図13】図10の400−400線に沿った断面に対応する模式図である。
【図14】図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図15】図10に示した第2実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図16】第2実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図17】第2実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図18】本発明の第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図19】本発明の第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図20】図18および図19に示した第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCが駆動回路基板に接続された状態を示した平面図である。
【図21】図18および図19に示した第3実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCが駆動回路基板に接続された状態を示した平面図である。
【図22】第3実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図23】第3実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図24】第3実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図25】第3実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図26】本発明の第4実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図27】本発明の第4実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図28】第4実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図29】第4実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図30】本発明の第5実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図31】本発明の第5実施形態による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図32】第5実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図33】第5実施形態の第1変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを裏面側から見た場合の平面図である。
【図34】第5実施形態の第2変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図35】第5実施形態の第3変形例による有機ELディスプレイに使用されるFPCを表面側から見た場合の平面図である。
【図36】FPC上に設けられる電子部品の配置例を示した平面図である。
【符号の説明】
【0079】
1 透明基板
2 有機EL素子層
2a、2b 電極
2c 有機材料層
3 端子(第1端子)
4 SiO2膜(絶縁膜)
5 Ni層(第2金属層)
6、26、36、46、56 FPC(プリント配線板)
7、27、47、57 Ni層(第1金属層)
8、30、40、60 端子(第3端子)
9、29、59 Ni層(第3金属層)
10、28、48、58 端子(第2端子)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成され、一対の電極間に挟持された有機材料層を含む有機EL素子層と、
前記透明基板の表面と対向するように配置されたプリント配線板と、
前記プリント配線板の前記透明基板側の表面上に形成され、前記有機材料層を囲む第1金属層とを備え、
前記第1金属層の前記透明基板側の表面は、前記透明基板側に接着されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
【請求項2】
前記透明基板の表面上に形成され、前記有機材料層を囲む第2金属層をさらに備え、
前記第1金属層の前記透明基板側の表面は、前記第2金属層の前記プリント配線板側の表面に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項3】
前記透明基板の表面上に形成され、前記有機材料層を囲む絶縁膜をさらに備え、
前記第2金属層は、前記絶縁膜により前記有機EL素子層と絶縁されていることを特徴とする請求項2に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項4】
前記プリント配線板の前記透明基板とは反対側の表面上に形成され、前記有機EL素子層の形成領域に対応する領域を覆う第3金属層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
【請求項5】
前記透明基板の表面上に形成され、前記有機EL素子層に接続される第1端子と、
前記プリント配線板の前記透明基板側の表面上に形成され、前記第1端子に接続される第2端子と、
前記プリント配線板の前記透明基板とは反対側の表面上に形成され、前記第2端子に接続される第3端子とをさらに備え、
前記第2端子および前記第3端子は、前記プリント配線板に形成された貫通穴を介して互いに接続されているとともに、前記透明基板の外縁よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
【請求項6】
前記第1金属層の少なくとも一部は、前記第2端子として機能することを特徴とする請求項5に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項1】
透明基板と、
前記透明基板の表面上に形成され、一対の電極間に挟持された有機材料層を含む有機EL素子層と、
前記透明基板の表面と対向するように配置されたプリント配線板と、
前記プリント配線板の前記透明基板側の表面上に形成され、前記有機材料層を囲む第1金属層とを備え、
前記第1金属層の前記透明基板側の表面は、前記透明基板側に接着されていることを特徴とする有機ELディスプレイ。
【請求項2】
前記透明基板の表面上に形成され、前記有機材料層を囲む第2金属層をさらに備え、
前記第1金属層の前記透明基板側の表面は、前記第2金属層の前記プリント配線板側の表面に接着されていることを特徴とする請求項1に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項3】
前記透明基板の表面上に形成され、前記有機材料層を囲む絶縁膜をさらに備え、
前記第2金属層は、前記絶縁膜により前記有機EL素子層と絶縁されていることを特徴とする請求項2に記載の有機ELディスプレイ。
【請求項4】
前記プリント配線板の前記透明基板とは反対側の表面上に形成され、前記有機EL素子層の形成領域に対応する領域を覆う第3金属層をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
【請求項5】
前記透明基板の表面上に形成され、前記有機EL素子層に接続される第1端子と、
前記プリント配線板の前記透明基板側の表面上に形成され、前記第1端子に接続される第2端子と、
前記プリント配線板の前記透明基板とは反対側の表面上に形成され、前記第2端子に接続される第3端子とをさらに備え、
前記第2端子および前記第3端子は、前記プリント配線板に形成された貫通穴を介して互いに接続されているとともに、前記透明基板の外縁よりも内側に配置されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の有機ELディスプレイ。
【請求項6】
前記第1金属層の少なくとも一部は、前記第2端子として機能することを特徴とする請求項5に記載の有機ELディスプレイ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【公開番号】特開2007−287503(P2007−287503A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114148(P2006−114148)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】
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