説明

木屑の供給処理方法および供給処理装置

【課題】製造燃焼設備における燃焼装置での燃焼制御の安定化を図ること。
【解決手段】供給ホッパ11から竪型ローラミル30側へ木屑を定量供給する供給フィーダ12からの情報で木屑の体積流量を算出し、供給フィーダ12から竪型ローラミル30までの間に設けられた計量ベルトコンベアからの情報で木屑の重量流量を計測し、重量流量と体積流量とを利用して、木屑の重量および体積の比重である嵩比重を算出し、この嵩比重に基づく木屑の推定水分量を算出し、この推定水分量および重量流量を利用して木屑の絶対乾燥状態での流量を表わす絶対乾燥流量を算出し、算出結果に応じて、供給ホッパ11から燃焼ボイラ40への木屑の供給に関する制御を行う。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、バイオマス等の木屑を細かく粉砕し乾燥させて微粉化した燃焼用の固体燃料を燃焼する燃焼製造設備における木屑の供給処理方法および供給処理装置に関し、さらに詳しくは燃焼ボイラでの燃焼制御を安定化させることができる木屑の供給処理方法および供給処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、益々エネルギーの需要が増大し、また、地球環境問題への意識が高まっている状況に対応し、石炭等の化石燃料に代えて、微粉バイオマス燃料などの固体燃料を使用して燃焼を行う燃焼ボイラやキルンなどの工業用炉に用いる燃焼装置の開発が進められている。そして、このような燃焼装置を備えた製造燃焼設備では、環境面などから、微粉バイオマス燃料などを効率よく生成して燃焼させることが要望されている。
【0003】
このような要望を実現するものとして、例えば下記特許文献1に記載されたバイオマス含有石炭粉末燃料の製造装置が知られている。この特許文献1に記載された製造装置は、所定量の木屑および石炭を同時に粉砕機に供給して粉砕・乾燥を行い、得られた混合物から分離捕集装置により排ガスを分離する。
【0004】
そして、この混合物を分級機に投入し、木質部分を多く含んだ粗粒部分と、主に石炭粉末からなる微粒部分とに分級し、分級された粗粒部分を仮焼炉燃料供給ラインにより仮焼炉などの燃焼装置に輸送し、燃料として有効利用してバイオマス燃料の利用率および燃焼効率を高めることができる構成とされている。
【特許文献1】特開2006−273970号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、木屑は水分を含有するため、この木屑を燃料として燃焼装置に供給した場合に熱量の変動を引き起こす。この結果、燃焼装置の制御が不安定になる。
【0006】
本発明は、このような点に鑑みてなされたもので、製造燃焼設備での設備拡大やコストアップを伴わずに燃焼ボイラでの燃焼制御を安定化させることができる木屑の供給処理方法および供給処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係る木屑の供給処理方法は、少なくとも木屑からなる原材料を粉砕機により粉砕・乾燥してなる固体燃料を燃焼ボイラに供給して燃焼する製造燃焼設備における木屑の供給処理方法であって、木屑を貯留する貯留部から前記粉砕機側へ該木屑を定量供給する供給部からの情報に基づいて、当該木屑の体積流量を算出する体積流量算出工程と、前記供給部から前記粉砕機までの間に設けられた前記木屑の重量を測定する計量部からの情報に基づいて、該木屑の重量流量を計測する重量流量計測工程と、前記重量流量計測工程にて計測された前記重量流量と、前記体積流量算出工程にて算出された前記体積流量とを利用して、前記木屑の比重(以下、「嵩比重」という)を算出するとともにこの嵩比重に基づく該木屑の推定水分量を算出し、該推定水分量および前記重量流量を利用して前記木屑の絶対乾燥状態での流量を表わす絶対乾燥流量を算出する演算処理工程と、前記演算処理工程にて算出された算出結果に応じて、前記貯留部から前記燃焼ボイラへの前記木屑の供給に関する制御を行う供給制御工程とを含むことを特徴とする。
【0008】
本発明に係る木屑の供給処理方法は、上記のように構成されることにより、製造燃焼設備での設備拡大やコストアップを伴わずに、木屑の推定水分量や絶対乾燥流量を算出してこれらに応じた木屑の供給に関する制御を行うことができる。これにより、燃焼ボイラにて用いられる固体燃料の供給を安定化させて燃焼ボイラでの燃焼制御を安定化させることができる。
【0009】
また、供給部は、例えばスクリューコンベア形式のフィーダからなり、体積流量算出工程では、例えばこの供給部からの単位供給体積量および回転数を示す情報に基づき体積流量を算出するようにしてもよい。
【0010】
また、供給制御工程は、例えば演算処理工程にて算出された推定水分量を視認可能に表示装置の表示画面上に表示する表示出力工程を含む構成とされていてもよい。
【0011】
また、粉砕機から燃焼ボイラへ搬送管を通して固体燃料を空気搬送する搬送ブロアの搬送圧力を示す情報に基づいて、木屑の搬送流量を算出する搬送流量算出工程をさらに含み、供給制御工程では、例えば搬送流量算出工程にて算出された搬送流量と絶対乾燥流量とを比較して偏差を算出し、この偏差があらかじめ設定された規定値を超えた場合に、搬送管内に木屑の供給に関する異常が発生したことを報知する警告情報を出力するようにしてもよい。
【0012】
なお、木屑は、例えば建築廃材、伐採木等からなる木質バイオマスであるとよい。
【0013】
本発明に係る木屑の供給処理装置は、少なくとも木屑からなる原材料を粉砕機により粉砕・乾燥してなる固体燃料を燃焼ボイラに供給して燃焼する製造燃焼設備における木屑の供給処理装置であって、木屑を貯留する貯留部から前記粉砕機側へ該木屑を定量供給する供給部からの情報を取得して、当該木屑の体積流量を算出する体積流量算出手段と、前記供給部から前記粉砕機までの間に設けられた前記木屑の重量を測定する計量部からの情報を取得して、該木屑の重量流量を計測する重量流量計測手段と、前記重量流量計測手段によって計測された前記重量流量と、前記体積流量算出手段によって算出された前記体積流量とを利用して、前記木屑の比重(以下、「嵩比重」という)を算出するとともにこの嵩比重に基づく該木屑の推定水分量を算出し、該推定水分量および前記重量流量を利用して前記木屑の絶対乾燥状態での流量を表わす絶対乾燥流量を算出する演算処理手段と、前記演算処理手段によって算出された算出結果に応じて、前記貯留部から前記燃焼ボイラへの前記木屑の供給に関する制御を行う供給制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0014】
本発明に係る木屑の供給処理装置は、上記のように構成することにより、製造燃焼設備での設備拡大やコストアップを伴わずに、木屑の推定水分量や絶対乾燥流量を算出してこれらに応じた木屑の供給に関する制御を行うことができる。これにより、燃焼ボイラにて用いられる固体燃料の供給を安定化させて燃焼ボイラでの燃焼制御を安定化させることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、製造燃焼設備での設備拡大やコストアップを伴わずに、木屑の推定水分量や絶対乾燥流量を算出してこれらに応じた木屑の供給に関する制御を行うことができるので、燃焼ボイラにて用いられる固体燃料の供給を安定化させて燃焼ボイラでの燃焼制御を安定化させることができる木屑の供給処理方法および供給処理装置を提供することが可能となるという効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、添付の図面を参照して、本発明の実施の形態に係る木屑の供給処理方法および供給処理装置を詳細に説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施の形態に係る木屑の供給処理方法が適用された固体燃料の製造燃焼設備の全体構成の例を説明するための説明図、図2は同製造燃焼設備の一部構成の例を説明するための説明図である。なお、図1では、製造燃焼設備において特に主要な各構成部のみを図示してあるため、図示を省略する構成部があることを前提としている。まず、製造燃焼設備における全体の流れについて説明する。
【0018】
図1に示すように、製造燃焼設備では、まず、例えば少なくとも木屑(特に、建築廃材や伐採木等からなる木質バイオマス)からなる固体燃料の材料となる原材料が、図示しないトラックなどから受入ホッパに投入される。そして、図示しないスクリューフィーダによって所定の搬送速度で攪拌搬送されるとともに図示しないディスクスクリーンを介して原材料中の夾雑物が取り除かれる。
【0019】
その後、図示しないベルトコンベアおよびスクリューフィーダを介して貯留部である供給ホッパ11に投入され貯蔵される。なお、ディスクスクリーンから排出された原材料からは、さらにベルトコンベアによる搬送中に磁選機(図示せず)によって鉄片などの磁性体が取り除かれる。
【0020】
こうして供給ホッパ11に貯留された原材料は、図2に示すように、供給部であるスクリューコンベア形式の供給フィーダ12を介して所定量ずつ計量部である計量ベルトコンベア13に排出され、さらにこの計量ベルトコンベア13の重量計17によって重量が量られた上でダブルフラップゲート14を介して粉砕機である竪型ローラミル30に供給される。なお、供給フィーダ12は、回転軸に接続された可変速駆動モータ16によって駆動される。
【0021】
ここで、供給フィーダ12の可変速駆動モータ16による回転数を示す情報と、計量ベルトコンベア13による重量を示す情報は、演算処理部15に対して出力される。この演算処理部15は、あらかじめ設定されている供給フィーダ12のスクリュー羽根間における木屑の単位供給体積量と入力された回転数を示す情報とに基づいて木屑の体積流量を算出する。また、演算処理部15は、入力された重量を示す情報に基づいて木屑の重量流量を算出する。
【0022】
竪型ローラミル30では、投入された原材料が内部のテーブル31およびミルローラ32間の磨砕作用によって細かく粉砕される。テーブル31は、図示しない駆動モータによって、垂直方向に立設する回転軸を中心に円回転運動するように駆動される。ミルローラ32は、テーブル31の上面に固定敷設されているテーブルライナ面にミルローラ32の側面が粉砕物を介して当接するように回転駆動される。
【0023】
竪型ローラミル30内では、粉砕された原材料のうち、微粉化された軽量の粉体は竪型ローラミル30内に図示しない加圧ファンによって供給される熱風により上方へ空気搬送され、回転分級機33によって粒子径や密度、形状などに基づき区別されて固体燃料としてミルファン34により吸い出されて(排出されて)粉体分離器であるサイクロン35に供給される。
【0024】
サイクロン35では、空気搬送された固体燃料が空気と分離され、分離された空気はミルファン34によって図示しないバグフィルタに供給されて粉塵などが除去された後に、図示しない環境設備へ送られるとともに一部が加圧ファン出口に送られる。一方、サイクロン35内で空気と分離された固体燃料は、下方に落下して搬送ブロア29により搬送管と接続された搬送部39に送られた後、燃焼ボイラ40に供給されて燃料として利用される。
【0025】
このように構成された製造燃焼設備においては、上述した演算処理部15によって、木屑の体積流量と重量流量を算出するとともに、例えば木屑の重量および体積の比重(以下、「嵩比重」と呼ぶ。)を算出する。そして、この嵩比重を利用して木屑の推定水分量を算出するとともに、木屑の絶対乾燥状態での流量である絶対乾燥流量を算出して、木屑の供給に関する制御を行う。
【0026】
ここで、木屑の嵩比重γ(t/m)は、計量ベルトコンベア13に備えられた重量計17により測定された情報に基づく重量流量G(t/h)と、供給フィーダ12のモータ回転数などにより算出された木屑の体積流量Q(m/h)とを用いて、次の式(1)により算出することができる。
【0027】
【数1】

【0028】
また、例えば、供給フィーダ12の主要諸元は次の表1のようなものであるとする。
【0029】
【表1】

【0030】
すなわち、供給フィーダ12は、スクリューの回転によって輸送物を軸方向に輸送するものであるため、木屑の体積流量Qを算出するには、可変速駆動モータ16のモータ回転数N(rpm)、スクリュー径(羽根径)D(mφ)、スクリューピッチ(羽根ピッチ)p(m)などの情報から、次の式(2)のように算出することができる。
【0031】
【数2】

【0032】
また、木屑の嵩比重γは、次の式(3)のように算出することができる。
【0033】
【数3】

【0034】
この式(3)に重量流量Gの値と供給フィーダ12のモータ回転数Nとを代入すれば、木屑の嵩比重γを連続計測することができる。そして、この嵩比重γと水分量には相関があるため、このように嵩比重γを計測することによって木屑の水分量(推定水分量)を得ることが可能となる。このため、本出願人は、所定期間にわたって木屑の嵩比重と水分とを計測した。表2は、この計測結果を示すものである。
【0035】
【表2】

【0036】
また、図3は、この表2に示す各データのうち、水分(%)と嵩比重(計測値)γ(t/m)のデータをグラフ化した相関図である。図3に示すように、グラフ線形51の関数式はy=261.92x−18.316で、相関係数(R乗値)はR=0.6519となった。このようなことから、木屑の水分w(%)は、
w=(261.92γ−18.316)×α
w:木屑の水分(%)
γ:木屑の嵩比重(t/m)=G/(0.04837×N)
α:補正係数
の式によって算出することができる。なお、補正係数αは、演算により求めた水分と実測水分を比較キャリブレーションして求めることができる。
【0037】
表3は、本出願人が所定期間にわたって木屑の演算水分と実測水分とを計測した計測結果を示すものである。
【0038】
【表3】

【0039】
また、図4は、この表3に示す各データのうち、実測水分(%)と演算水分(%)のデータをグラフ化した相関図である。図4に示すように、グラフ線形52の関数式は表3におけるNo.29以後のデータの相関をとったもので、その相関式はy=0.9126x+0.0775で、相関係数(R乗値)はR=0.9086となった。同様に、グラフ線形53の関数式は表3におけるNo.28以前のデータの相関をとったもので、その相関式はy=0.6912x+7.6594で、相関係数(R乗値)はR=0.5623となった。なお、No.28とNo.29との間にて供給フィーダ12の出口部について、木屑流出を円滑にするような改良を施しているため、このNo.28とNo.29との間を境にして実測水分と演算水分との相関度が大きく向上している。このように、木屑の演算水分(%)は、実測水分(%)とかなり近く信頼性の高いものであるため、十分に運用に値するものであるといえる。
【0040】
具体的には、例えば図1に示したA点、B点において、A点での計測値およびB点での計測値を、
A点での計測値
F(A):流量(t/h)…計量ベルトコンベア13の測定値
W(A):水分(%)…演算値
B点での計測値
F(B):流量(t/h)…木屑の搬送圧力等から演算式にて算出された値
W(B):水分(%)…1.9%で固定
とした場合、木屑の絶対乾燥流量は、
木屑絶乾流量=F(A)×(1−W(A)/100)
の式によって求めることができる。
【0041】
なお、水分W(A)は時々刻々変化するため、この影響を受けて供給フィーダ12のモータ回転数Nが一定であっても流量F(A)は大きく変ることとなる。すなわち、木屑の実質量(絶対乾燥流量)が同じであっても、水分W(A)が変化すると流量F(A)は大きく変化してしまうこととなる。
【0042】
このため、燃焼ボイラ40への木屑入熱の供給制御に関しては、計測したA点での流量F(A)よりも演算により算出した絶対乾燥流量の方がより実態に近いこととなり、竪型ローラミル30の制御はこの絶対乾燥流量に基づいて行った方が良好であるといえる。
【0043】
また、現状ではB点での流量F(B)は、木屑の搬送圧力、搬送空気流量、搬送空気温度などの情報から演算にて求めた算出値を利用しているが、このような状態では、例えば搬送部39に接続された搬送管が閉塞した場合などに搬送圧力が上昇したときは、実際には流量が減っているにもかかわらず、搬送されている木屑の流量を多く演算してしまうこととなる。
【0044】
このような場合に、A点での水分W(A)が利用できれば、理論的にはA点での絶対乾燥流量とB点での絶対乾燥流量とが同等となるはずなので、
[F(A)×{(100−W(A))/(100−W(B))}]=F(B)
となり、大括弧内([]内)をF(A)’とすると、F(A)’とF(B)とに大きな差が生じた場合には、搬送管などに何らかの不具合(例えば、詰まりなど)が発生した可能性が高いことを把握することができる。
【0045】
したがって、次の式(4)が成立する場合は、例えば演算処理部15によって、不具合などの異常が発生したことを報知するアラームなどの警告情報を出力するようにすればよい。
【0046】
【数4】

【0047】
なお、上記式(4)のαは0.2(例えば、0.2であり、この数値は実情に合わせて変更する)とすればよい。また、このような製造燃焼設備100では、木屑の水分が変動した場合であっても乾燥した木屑の水分を一定に保つために、竪型ローラミル30の出口ガス温度を一定に保つように、竪型ローラミル30に導入される熱風(熱ガス)を供給する加圧ファンのファンダンパを制御することとしている。
【0048】
しかしながら、竪型ローラミル30の木屑投入側(入口側)での水分が急激に上昇した場合は、このような制御では追従することができず、竪型ローラミル30の出口ガス温度が急激に低下して粉砕後の木粉の水分が上昇し、竪型ローラミル30内のセパレータ戻り粉通路が木屑で閉塞してしまうという問題が発生してしまうこととなる。
【0049】
このような問題が発生した場合であっても、演算水分を利用することによって、例えば演算水分が急激に上昇した場合には、竪型ローラミル30への木屑の供給量を減ずるようにして直ぐに対応することが可能となる。
【0050】
以上述べたように、本実施の形態に係る木屑の供給処理方法および供給処理装置によれば、製造燃焼設備での設備拡大やコストアップを伴わずに、木屑の推定水分量(演算水分)や絶対乾燥流量を算出してこれらに応じた木屑の供給に関する制御を行うことができる。これにより、燃焼ボイラ40にて用いられる固体燃料の供給を安定化させて燃焼ボイラ40での燃焼制御を安定化させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0051】
【図1】本発明の一実施の形態に係る木屑の供給処理方法が適用された固体燃料の製造燃焼設備の全体構成の例を説明するための説明図である。
【図2】同製造燃焼設備の一部構成の例を説明するための説明図である。
【図3】木屑の水分と嵩比重のデータをグラフ化した相関図である。
【図4】木屑の実測水分と演算水分のデータをグラフ化した相関図である。
【符号の説明】
【0052】
11…供給ホッパ、12…供給フィーダ、13…計量ベルトコンベア、14…ダブルフラップゲート、15…演算処理部、16…可変速駆動モータ、17…重量計、29…搬送ブロア、30…竪型ローラミル、31…テーブル、32…ミルローラ、33…回転分級機、34…ミルファン、35…サイクロン、39…搬送部、40…燃焼ボイラ。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも木屑からなる原材料を粉砕機により粉砕・乾燥してなる固体燃料を燃焼ボイラに供給して燃焼する製造燃焼設備における木屑の供給処理方法であって、
木屑を貯留する貯留部から前記粉砕機側へ該木屑を定量供給する供給部からの情報に基づいて、当該木屑の体積流量を算出する体積流量算出工程と、
前記供給部から前記粉砕機までの間に設けられた前記木屑の重量を測定する計量部からの情報に基づいて、該木屑の重量流量を計測する重量流量計測工程と、
前記重量流量計測工程にて計測された前記重量流量と、前記体積流量算出工程にて算出された前記体積流量とを利用して、前記木屑の比重(以下、「嵩比重」という)を算出するとともにこの嵩比重に基づく該木屑の推定水分量を算出し、該推定水分量および前記重量流量を利用して前記木屑の絶対乾燥状態での流量を表わす絶対乾燥流量を算出する演算処理工程と、
前記演算処理工程にて算出された算出結果に応じて、前記貯留部から前記燃焼ボイラへの前記木屑の供給に関する制御を行う供給制御工程とを含む
ことを特徴とする木屑の供給処理方法。
【請求項2】
前記供給部は、スクリューコンベア形式のフィーダからなり、
前記体積流量算出工程では、該供給部からの単位供給体積量および回転数を示す情報に基づき前記体積流量を算出することを特徴とする請求項1記載の木屑の供給処理方法。
【請求項3】
前記供給制御工程は、前記演算処理工程にて算出された前記推定水分量を視認可能に表示装置の表示画面上に表示する表示出力工程を含むことを特徴とする請求項1または2記載の木屑の供給処理方法。
【請求項4】
前記粉砕機から前記燃焼ボイラへ搬送管を通して前記固体燃料を空気搬送する搬送ブロアの搬送圧力を示す情報に基づいて、前記木屑の搬送流量を算出する搬送流量算出工程をさらに含み、
前記供給制御工程では、前記搬送流量算出工程にて算出された前記搬送流量と前記絶対乾燥流量とを比較して偏差を算出し、該偏差があらかじめ設定された規定値を超えた場合に、前記搬送管内に前記木屑の供給に関する異常が発生したことを報知する警告情報を出力することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の木屑の供給処理方法。
【請求項5】
前記木屑は、建築廃材、伐採木等からなる木質バイオマスであることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の木屑の供給処理方法。
【請求項6】
少なくとも木屑からなる原材料を粉砕機により粉砕・乾燥してなる固体燃料を燃焼ボイラに供給して燃焼する製造燃焼設備における木屑の供給処理装置であって、
木屑を貯留する貯留部から前記粉砕機側へ該木屑を定量供給する供給部からの情報を取得して、当該木屑の体積流量を算出する体積流量算出手段と、
前記供給部から前記粉砕機までの間に設けられた前記木屑の重量を測定する計量部からの情報を取得して、該木屑の重量流量を計測する重量流量計測手段と、
前記重量流量計測手段によって計測された前記重量流量と、前記体積流量算出手段によって算出された前記体積流量とを利用して、前記木屑の比重(以下、「嵩比重」という)を算出するとともにこの嵩比重に基づく該木屑の推定水分量を算出し、該推定水分量および前記重量流量を利用して前記木屑の絶対乾燥状態での流量を表わす絶対乾燥流量を算出する演算処理手段と、
前記演算処理手段によって算出された算出結果に応じて、前記貯留部から前記燃焼ボイラへの前記木屑の供給に関する制御を行う供給制御手段とを備えた
ことを特徴とする木屑の供給処理装置。
【請求項7】
前記供給部は、スクリューコンベア形式のフィーダからなり、
前記体積流量算出手段は、該供給部からの単位供給体積量および回転数を示す情報に基づき前記体積流量を算出することを特徴とする請求項6記載の木屑の供給処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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