説明

木材の保護用の殺菌・殺カビ混合物

トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと銅化合物とをベースとする新規相乗的混合物は、工業材料、特に木材を生物学的ペストによる、特に木材腐朽菌による攻撃、損傷および/または破壊から保護するのに非常に好適である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと少なくとも1つの銅化合物とを含む新規な相乗的殺菌・殺カビ(fungicidal)混合物に、そしてこれらの混合物をベースとする殺菌・殺カビ組成物に、そしてまた工業材料、特に木材を生物学的ペストによる、特に木材腐朽菌による攻撃、損傷および/または破壊から保護するためのこれらの混合物および組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
トリアジメホン((±)−1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オン)およびトリアジメノール((±)−1−(4−クロロフェノキシ)−3,3−ジメチル−1−(1H−1,2,4−トリアゾール−1−イル)ブタン−2−オール)は、菌・カビ(fungi)による攻撃からの植物の保護のための公知の殺菌・殺カビ剤(fungicides)である((特許文献1)を参照されたい)が、それらは、木材の保護に関係する微生物に対する活性スペクトルがギャップを有する((特許文献2)を参照されたい)ので、木材の保護にそのままで用いることはできない。
【0003】
トリアジメホンまたはトリアジメノールは、幾つかの参考文献(例えば(特許文献3))に木材の保護のための様々な活性化合物用の可能な混合パートナーとして挙げられているが、これらの先行技術混合物は依然として多くの点で改良を必要とし、そして上述の活性ギャップのために、これまで木材の保護でいかなる役割も果たしていない。従って、トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールをベースとする改良された活性化合物混合物に対するニーズは依然としてあった。
【特許文献1】DE−A 2552967
【特許文献2】EP−A 254857
【特許文献3】国際公開第00/71314号パンフレット
【発明の開示】
【課題を解決するための手段】
【0004】
驚くべきことに、そのままでは有効でないトリアジメホンまたはトリアジメノールと銅化合物との組み合わせが、木材の保護に関係する微生物に対して相乗的に作用する、すなわち相乗的混合物の殺菌・殺カビ活性が、予期されない形で、そのままでは問題のある殺菌・殺カビ剤の殺菌・殺カビ活性の合計より高いことが今分かった。このように、予測できない相乗的効果が存在し、単に活性を加算したものではない。
【0005】
相乗的に高められた活性は、本発明に従って木材保護組成物に使用されるべき殺菌・殺カビ剤の量が低減されるために、経済的利点が得られるだけでなく、環境に対する安全性リスクもまた減らされるという追加の利点を有する。別の利点は、散布量を既存システムと比べて減らすことができるという効果である。さらに、本混合物は、水性の木材保護組成物システムの良好な貯蔵安定性によって特徴づけられる。
【0006】
従って、本発明は、相乗的に有効量のa)トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、b)少なくとも1つの銅化合物とを含む殺菌・殺カビ活性化合物混合物を提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
活性化合物混合物中の活性化合物の重量比は、比較的広い範囲内で変わることができる。1:600〜1:1、特に好ましくは1:200〜1:2のトリアジメホンおよび/またはトリアジメノール対銅化合物の重量比が好ましい。
【0008】
a)トリアジメホンとb)銅化合物とを1:40〜1:5の重量比で含む活性化合物混合物が特に好ましい。
【0009】
a)トリアジメノールとb)銅化合物とを1:25〜1:5の重量比で含む活性化合物混合物が非常に特に好ましい。
【0010】
銅化合物は水不溶性化合物、例えば硫酸銅、酢酸銅、水酸化銅、酸化銅、ホウ酸銅、フッ化銅または水酸化炭酸銅(copper hydroxide carbonate)として用いることができる。水酸化炭酸銅が好ましい。
【0011】
特許請求される相乗的混合物は、特に高い殺微生物性、具体的には材料の保護に関係する微生物に対して広い活性スペクトルと組み合わせられた、殺菌・殺カビ作用を有し、それらは木材腐朽菌に対して特に有効である。さらに、本混合物は、特に木材破壊カブトムシおよびシロアリに対して広い殺虫および殺シロアリ作用を有する。
【0012】
次の微生物が例証として挙げられるが、これに限定されるものではない:
褐色腐朽菌(Coniophora puteana)、カワラタケ(Coriolus versicolor)、コゲイロカイガラタケ(Gloeophyllum abietinum)、グロエオフィルム・トラベウム(Gloeophyllum trabeum)、レンチヌス・チグリヌス(Lentinus tigrinus)、ポリア・モンチコラ(Poria monticola)、ポリア・プラセンタ(Poria placenta)、ナミダタケ(Serpula lacrymans)、チウロコタケモドキ(Stereum sanguinolentum)、オオウズラタケ(Tyromyces palustris)。
【0013】
次の木材破壊昆虫が例証として挙げられるが、これに限定されるものではない:
例えば、ハイロトルーペス・バジュルス(Hylotrupes bajulus)、クロロホルス・ピロシス(Chlorophorus pilosis)、オービウム・パンクタタム(Ahobium punctatum)、キセストビウム・ルフォビロスム(Xestobium rufovillosum)、プチリヌス・ペクチコルニス(Ptilinus pecticornis)、デンドロビウム・ペルチネックス(Dendrobium pertinex)、クシヒゲシバンムシ(Ernobius mollis)、プリオビウム・カルピニ(Priobium carpini)、ヒラタキクイムシ(Lyctus brunneus)、アフリカヒラタキクイムシ(Lyctus africanus)、リクツス・プラニコリス(Lyctus planicollis)、ナラヒラタキクイムシ(Lyctus linearis)、リクツス・プベセンス(Lyctus pubescens)、トロゴキシロン・アエクワーレ(Trogoxylon aequale)、ミンテス・ルギコリス(Minthes rugicollis)、キクイムシ種(Xyleborus spec.)、トリプトデンドロン種(Tryptodendron spec.)、アパーテ・モナチュス(Apate monachus)、ボストリチュス・カプシンス(Bostrychus capucins)、ヘテロボストリチュス・ブルンネウス(Heterobostrychus brunneus)、シノキシロン種(Sinoxylon spec.)、チビタケナガシンクイムシ(Dinoderus minutus)などのカブトムシ;
例えば、コルリキバチ(Sirex juvencus)、モミノオオキバチ(Urocerus gigas)、ウロセルス・ギガスタイグヌス(Urocerus gigas taignus)、ウロセルス・オーガー(Urocerus augur)などの膜翅類昆虫;
例えば、カロテルメス・フラビコリス(Kalotermes flavicollis)、クリポテルメス・ブレビス(Crypotermes brevis)、ヘテロテルメス・インジコラ(Heterotermes indicola)、ヤマトシロアリ属フラビペス(Reticulitermes flavipes)、ヤマトシロアリ属サントネンシス(Reticulitermes santonensis)、ヤマトシロアリ属ルシルグス(Reticulitermes lucilugus)、ムカシシロアリ(Mastotermes darwiniensis)、ネバダオオシロアリ(Zootermopsis nevadensis)、イエシロアリ(Coptotermes formosanus)などのシロアリ。
【0014】
本発明による相乗的混合物は、適切な場合、活性スペクトルを広げるために、または特定の効果を達成するためにさらなる殺微生物化合物c)と混合することができる。
【0015】
以下の殺微生物活性化合物c)の1つもしくはそれ以上との混合物が好ましい:ジクロフルアニド、トリルフルアニド、カルベンダジム、チアベンダゾール、塩化ベンザルコニウム、フェンプロピモルフ、ベソキサジン、4,5−ジクロロ−N−オクチルイソチアゾリン−3−オン、N−オクチルイソチアゾリン−3−オン、ベンゾイソチアゾリノン、チオシアナトメチルチオベンゾチアゾール、3−ヨード−2−プロピニルn−ブチルカルバメート、o−フェニルフェノール、N−(3−アミノプロピル)−N−ドデシルプロパン−1,3−ジアミン、アセタミプリド、アレスリン、アルファ−シペルメトリン、ベータ−シフルトリン、ビフェントリン、ビオアレスリン、4−クロロ−2−(2−クロロ−2−メチルプロピル)−5−[(6−ヨード−3−ピリジニル)メトキシ]−3(2H)−ピリダジノン(CAS登録番号:120955−77−3)、クロルフェナピル、クロルピリホス、クロチアニジン、シフルトリン、シハロトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、エトフェンプロックス、フェノキシカルブ、フィプロニル、フルフェノクスロン、ヘキサフルムロン、イミダクロプリド、ニテンピラム、ペルメトリン、ピリプロキシフェン、シラフルオフェン、テブフェノジド、チアクロプリド、チアメトキサム、トラロメトリン、トリフルムロン。
【0016】
さらなる活性化合物c)として、トリルフルアニド、ベソキサジン、塩化ベンザルコニウム、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ビフェントリン、クロルフェナピル、クロチアニジン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、イミダクロプリド、ペルメトリン、チアクロプリドまたはこれらの化合物の混合物を含む本発明による混合物が特に好ましい。
【0017】
本発明による混合物は一般に、0.005〜2.5重量%のトリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、0.5〜30重量%の銅化合物と、適切な場合、0.001〜20重量%の1つもしくはそれ以上の活性化合物c)とを含む。
【0018】
好ましくは、本発明による混合物は、0.01〜10重量%のトリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、1.0〜15重量%の銅化合物と0.005〜10重量%のトリルフルアニド、ベソキサジン、塩化ベンザルコニウム、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ビフェントリン、クロルフェナピル、クロチアニジン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、イミダクロプリド、ペルメトリン、チアクロプリドまたはそれらの混合物とを含む。
【0019】
本発明はさらに、工業材料、特に木材、木工製品および木材/プラスチック複合材料を生物学的ペストによる攻撃、損傷および/または破壊から保護するための本発明による活性化合物混合物の使用を提供する。
【0020】
それらの特定の物理的および/または化学的特性に依存して、活性化合物は、溶液、エマルジョン、懸濁液、粉末、フォーム、ペースト、顆粒、エアゾールおよびポリマー物質でのマイクロカプセルなどの、慣例の調合物へ変換することができる。
【0021】
本発明はさらに、相乗的に有効量のa)トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、b)少なくとも1つの銅化合物とまた、少なくとも1つの希釈剤または溶剤、適切な場合さらなる助剤および添加剤とまた、適切な場合、1つもしくはそれ以上のさらなる殺菌・殺カビ成分c)とを含む殺微生物組成物を提供する。
【0022】
調合物は、公知の方法で、例えば活性化合物を増量剤、すなわち液体溶剤、加圧液化ガスおよび/または固体キャリアと、適切な場合界面活性剤、すなわち乳化剤および/または分散剤および/または泡形成剤を用いて混合することによって調製される。使用される増量剤が水である場合、例えば、有機溶剤を補助溶剤として用いることもまた可能である。好適な液体溶剤は本質的に、キシレン、トルエンまたはアルキルナフタレンなどの芳香族化合物、シクロヘキサンまたはパラフィン、例えば鉱油留分などの脂肪族炭化水素、ブタノールまたはエチレングリコールなどのグリコールのようなアルコール、そしてまたそれらのエーテルおよびエステル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンまたはシクロヘキサノンなどのケトン、ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンおよびジメチルスルホキシドなどの強極性溶剤、ならびにまた水である。液化ガス増量剤またはキャリアは、周囲温度でおよび大気圧下でガス状である液体、例えば、ハロゲン化炭化水素などのエアゾール高圧ガス、およびまたブタン、プロパン、窒素および二酸化炭素を意味すると理解されるべきである。好適な固体キャリアは、例えば、カオリン、粘土、タルク、チョーク、石英、アタパルジャイト、モンモリロナイトまたは珪藻土などの天然の細かくした鉱物、ならびに細分したシリカ、アルミナおよびシリケートなどの細かくした合成鉱物である。顆粒にとって好適な固体キャリアは、例えば、方解石、大理石、軽石、セピオライト、ドロマイトなどの、破砕され分別された天然鉱物と、また無機および有機粗挽き粉の顆粒そしてまた、おがくず、ココナッツ殻、トウモロコシ穂軸およびタバコ茎などの有機材料の顆粒とである。好適な乳化剤および/または泡形成剤は、例えば、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪アルコールエーテル、例えばアルキルアリールポリグリコールエーテル、アルキルスルホネート、アルキルスルフェート、アリールスルホネートそしてまたタンパク質加水分解物などの非イオン性および陰イオン性乳化剤である。好適な分散剤は、例えばリグノサルファイト廃液およびメチルセルロースである。
【0023】
粉末、顆粒ならびにアラビアゴム、ポリビニルアルコールおよびポリ酢酸ビニルなどのラテックスの形態でのカルボキシメチルセルロースならびに天然および合成ポリマー、またはケファリンおよびレシチンなどのその他の天然リン脂質ならびに合成リン脂質のような粘着性付与剤を調合物に使用することができる。他の可能な添加剤は鉱物油および植物油である。
【0024】
無機顔料、例えば酸化鉄、酸化チタンおよびプルシアン(Prussian)ブルー、およびアリザリン染料、アゾ染料および金属フタロシアニン染料などの有機染料のような着色剤、ならびに鉄、マンガン、ホウ素、銅、コバルト、モリブデンおよび亜鉛の塩などの微量の養分を使用することは可能である。
【0025】
調合物のさらなる成分として、適切な場合、例えば、モノエタノールアミンなどのアルカノールアミンを使用することが可能である。ここで、添加されるアルカノールアミンの量は有利にも、希釈された水性含浸液で生じるpHが7もしくはそれ以上、好ましくは8.5〜10.5であるようなものである。アミンの量は、銅と錯体を形成するために十分であるべきである。
【0026】
調合物は一般に0.5〜50重量パーセント、好ましくは1.0〜25重量%の活性化合物の組み合わせを含む。
【0027】
工業材料を保護するために使用される殺微生物組成物またはコンセントレートは、活性化合物または活性化合物の組み合わせを0.05〜35重量%、特に0.2〜20重量%の濃度で含む。
【0028】
使用されるべき活性化合物または活性化合物の組み合わせの適用濃度は、コントロールされるべき微生物の性質および発生と保護されるべき材料の組成とに依存する。用いられるべき最適量は、試験シリーズによって決定することができる。一般に、適用濃度は、保護されるべき材料を基準として、0.001〜5重量%、好ましくは0.01〜1.5重量%の範囲にある。
【0029】
本発明による活性化合物の組み合わせまたは組成物を使用することによって、これまでに入手可能な殺微生物組成物を、有利な形で、より有効な組成物で置き換えることが可能である。本発明による組成物は、良好な安定性と、有利な形で、広い活性スペクトルとを有する。
【0030】
本発明による活性化合物混合物またはそれらを含む組成物によって保護することができる木材は、一例として、建築材木、木材ビーム、鉄道枕木、橋構成材、桟橋、木製の車両、箱、パレット、コンテナ、電柱、木材断熱材、木製の窓およびドア、合板、中密度ファイバーボード(MDF)、ボール紙、配向性ストランドボード(OSB)、ウェハーボード、非常に一般的に、家またはビルディング造作の建築に使用される単板積層材(LVL)または積層木工製品、ならびにまた木材/プラスチック複合材料である。本発明により使用されるべき活性化合物混合物およびそれを含む組成物は、特に、中空でない木材およびそれから製造された木材製品の保護のために使用される。
【0031】
活性化合物混合物の本発明による使用で、活性化合物混合物は、そのようなものとしてまたはそれらの個々の活性化合物の形態で用いることができる。ここで、活性化合物混合物またはその中に含有される個々の活性化合物を、あらかじめ、調合物またはいつでも使用できる溶液、懸濁液、ペースト、可溶性粉末などのそれから調製された使用形態へ変換することが可能である。
【0032】
適切な場合、酸、水または溶剤を添加して、そしてその後乳化剤およびトリアゾール化合物を添加して、銅塩をアルカノールアミンに、適切な場合加熱して溶解させることによって、高濃度のペースト、液体コンセントレートまたは多相系でさえが形成され、それは、水での希釈後に、木材に含浸させるために使用することができる。それらは、無色透明な貯蔵安定性の液体を、また水中の高い活性化合物濃度で与える。
【0033】
木材を保護するための本発明による使用は一般に、例えば吹き付け、塗装、浸漬および工業的含浸法、例えば真空、二重真空または加圧法によって、木材の処理のための公知方法に照らして実施される。
【0034】
木材の特に有効な保護は、工業的含浸法、例えば真空、二重真空または加圧法によって達成される。
【0035】
本発明はさらに、真空、二重真空、加圧または浸漬法によって、相乗的に有効量のa)トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールとb)少なくとも1つの銅化合物ならびに少なくとも1つの希釈剤または溶剤、適切な場合さらなる助剤および添加剤とまた、適切な場合、1つもしくはそれ以上の殺菌・殺カビ成分c)とを木材に含浸させる、木材の保護方法を提供する。
[実施例]
【0036】
生物学的実施例
様々な濃度のトリアジメホンと、硫酸銅と言及される2つの活性化合物の混合物とを、木材腐朽担子菌ポリア・プラセンタに対して試験した。菌糸体片を、木材腐朽生物のコロニーから打ち出し、麦芽エキスおよびペプトンを含有する寒天培地で26℃で培養した。その後、活性化合物の添加ありおよびなしの菌・カビ小片の放射状増殖を比較した。述べられる最低阻害濃度は、放射状増殖が完全に抑えられる一連の活性化合物の最低濃度であった。
【0037】
相乗作用を次に、クル(Kull)ら(F.C.クル(F.C.Kull)、P.C.アイスマン(P.C.Eismann)、H.D.シルベストロウィックズ(H.D.Sylvestrowicz)、R.L.マイアー(R.L.Mayer)著、Applied Microbiology 9(1961)、538−541ページ)によって記載されている方法を用いて測定した。ここで、次の関係が適用される:
【0038】
【数1】

X=1は加法性を意味する。
X>1は拮抗作用を意味する。
X<1が相乗作用を意味する。
Qa=MICに対応する物質Aの濃度
Qb=MICに対応する物質Bの濃度
QA=微生物増殖を抑えるA/Bの濃度における物質Aの濃度
QB=微生物増殖を抑えるA/Bの濃度における物質Bの濃度
【0039】
【表1】

【0040】
測定された指数データに基づいて、組み合わせトリアジメホン/硫酸銅は顕著な相乗作用を有すると結論することができる。
【0041】
調合物実施例
実施例1(コンセントレート):
0.5%のトリアジメホン、0.3%のリシノール酸ナトリウム(sodium rhizinolate)/ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム製剤、2.7%の脂肪酸ポリエチレングリコールエーテルエステル、6.5%のテキサノール(Texanol)、10%の水酸化炭酸銅(塩基性炭酸銅)、22%のエタノールアミン、58%の水
【0042】
実施例2(コンセントレート):
0.4%のトリアジメホン、4.0%の塩化ベンザルコニウム、7.5%の水酸化炭酸銅、20%のエタノールアミン、68.1%の水
【0043】
実施例3(含浸用の組成物)
0.1%のトリアジメノール、1.0%のエトキシル化ヒマシ油、1.0%のテキサノール、0.75%の水酸化炭酸銅、0.9%の水酸化アンモニウム、0.45%の重炭酸アンモニウム、95.8%の水

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相乗的に有効量のa)トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、b)少なくとも1つの銅化合物とを含む混合物。
【請求項2】
前記銅化合物が、硫酸銅、酢酸銅、水酸化銅、酸化銅、ホウ酸銅、フッ化銅および水酸化炭酸銅からなる群から選択されることを特徴とする、請求項1に記載の混合物。
【請求項3】
前記銅化合物が水酸化炭酸銅であることを特徴とする、請求項1または2に記載の混合物。
【請求項4】
トリアジメホンおよび/またはトリアジメノール対銅化合物の重量比が1:600〜1:1であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項5】
殺菌・殺カビ剤および抗菌活性化合物の群からの少なくとも1つのさらなる活性化合物c)を含むことを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項6】
さらなる活性化合物c)として、トリルフルアニド、ベソキサジン、塩化ベンザルコニウム、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート、ビフェントリン、クロルフェナピル、クロチアニジン、シフルトリン、シペルメトリン、デルタメトリン、イミダクロプリド、ペルメトリン、チアクロプリドからなる群からの少なくとも1つの化合物を含むことを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項7】
0.005〜2.5重量%のトリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、0.5〜30重量%の銅化合物と、適切な場合、0.001〜20%重量%の少なくとも1つのさらなる活性化合物c)とを含むことを特徴とする、請求項1〜6のいずれか一項に記載の混合物。
【請求項8】
相乗的に有効量のa)トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、b)少なくとも1つの銅化合物と、少なくとも1つの希釈剤または溶剤、適切な場合さらなる助剤および添加剤とまた、適切な場合、殺菌・殺カビ剤および抗菌的に有効な化合物の群からの少なくとも1つのさらなる活性化合物c)とを含む殺微生物組成物。
【請求項9】
工業材料、特に木材、木工製品および木材/プラスチック複合材料を生物学的ペストによる攻撃、損傷および/または破壊から保護するための請求項1〜7のいずれか一項に記載の活性化合物混合物または請求項8に記載の組成物の使用。
【請求項10】
塗装、吹き付け、真空、二重真空、加圧または浸漬法によって、相乗的に有効量のa)トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールとb)少なくとも1つの銅化合物と少なくとも1つの希釈剤または溶剤、適切な場合さらなる助剤および添加剤とまた、適切な場合、1つもしくはそれ以上の殺菌・殺カビ的にもしくは殺虫的に活性な化合物c)とを木材に含浸させることを特徴とする、木材および木工製品の保護方法。
【請求項11】
相乗的に有効量のa)トリアジメホンおよび/またはトリアジメノールと、b)少なくとも1つの銅化合物とを含む工業材料。

【公表番号】特表2009−507797(P2009−507797A)
【公表日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−529507(P2008−529507)
【出願日】平成18年8月29日(2006.8.29)
【国際出願番号】PCT/EP2006/008441
【国際公開番号】WO2007/028526
【国際公開日】平成19年3月15日(2007.3.15)
【出願人】(505422707)ランクセス・ドイチュランド・ゲーエムベーハー (220)
【Fターム(参考)】