木質ペレット燃焼型温風発生装置
【課題】木質ペレットを燃料として用いる木質ペレット燃焼型温風発生装置の熱効率を向上させること。
【解決手段】本発明では、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置することにした。また、燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成することにした。さらに、燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けることにした。
【解決手段】本発明では、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置することにした。また、燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成することにした。さらに、燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けることにした。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【０００１】
本発明は、燃料として木質ペレットを用いた温風発生装置であり、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ビニールハウス内を所定温度に加熱する暖房器具として各種の燃料を用いた温風発生装置が広く利用されている。
【０００３】
その中でも、化石燃料の枯渇化や高騰化を受けて、燃料として木質ペレットを用いた木質ペレット燃焼型温風発生装置が注目されている。
【０００４】
この木質ペレット燃焼型温風発生装置としては、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを別個に設け、燃焼室と熱交換室とを接続し、燃焼室で発生した熱（熱風）を熱交換室の内部に供給するように構成したものが知られている（たとえば、特許文献１参照）。
【０００５】
【特許文献１】特開２００８−８２５６７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところが、上記従来の木質ペレット燃焼型温風発生装置では、燃焼室と熱交換室とを別個に設け、燃焼室と熱交換室とを接続し、燃焼室で発生した熱を熱交換室の内部に供給するように構成していたために、燃焼室から熱交換室に熱が対流によって熱伝達される間に熱損失が生じ、装置全体での熱効率が低減してしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
そこで、請求項１に係る本発明では、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置することにした。
【０００８】
また、請求項２に係る本発明では、前記請求項１に係る本発明において、前記燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成することにした。
【０００９】
また、請求項３に係る本発明では、前記請求項１又は請求項２に係る本発明において、前記燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けることにした。
【発明の効果】
【００１０】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【００１１】
すなわち、本発明では、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置することにしているために、燃焼室から熱交換室に熱を直接的に輻射によって熱伝達することができるので熱損失が少なく、燃焼室で発生した熱で熱交換パイプを通過する外気を効率よく加熱することができ、装置全体の熱効率を向上させることができる。しかも、燃焼室の周囲に円弧上に配置した熱交換パイプを均等に加熱することができて、噴出す温風の温度むらをなくすことができる。
【００１２】
特に、燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成した場合には、燃料供給管が燃焼室に空気を供給する機能をも兼ね備えることになり、装置の小型化・軽量化を図ることができる。
【００１３】
また、燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けた場合には、スクレーパで燃焼室から焼却灰を除去することができ、燃焼室での燃焼効率を向上させることができ、これによっても装置全体の熱効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下に、本発明に係る木質ペレット燃焼型温風発生装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【００１５】
図１〜図６に示すように、木質ペレット燃焼型温風発生装置１は、装置本体２の内部に熱交換室３を収容形成するとともに、熱交換室３の内部に燃焼室４を収容形成している。
【００１６】
装置本体２は、矩形箱型状のケーシング５の前側部に熱交換室３及び燃焼室４に通じる開閉扉６を開閉自在に取付けるとともに、ケーシング５の右側前下部に外気を吸引する吸引口７を形成し、ケーシング５の後側部に温風を噴出す噴出ダクト８を取付けており、吸引口７から吸引した外気を内部の熱交換室３で加熱して噴出ダクト８の噴出口９から噴出すようにしている。
【００１７】
また、装置本体２は、ケーシング５の上側前部に熱交換室３に連通する排気筒10を取付けて排気筒10の上端部に排気口11を形成するとともに、ケーシング５の上側中央部に燃焼用の空気を吸引する吸引装置12を取付け、ケーシング５の上側後部に燃料となる木質ペレットを貯留する貯留タンク13を取付けている。
【００１８】
ここで、吸引装置12は、矩形箱型状のケーシング14の右側中央部に複数の貫通孔からなる吸引口15を形成するとともに、ケーシング14の内側中央部に燃焼室４に連通する空気供給管16を収容し、空気供給管16の上端右側部に吸引ファン17を取付けており、吸引ファン17を用いて吸引口15から取り入れた空気（外気）を空気供給管16から燃焼室４に供給するようにしている。
【００１９】
また、装置本体２は、ケーシング５の内側底部にスペーサー18を介して熱交換室３を取付けるとともに、熱交換室３の前側下部と開閉扉６とを断面矩形枠状の連通壁19で連通連結し、ケーシング５の後部に噴出ダクト８に連通する複数の貫通孔20を熱交換室３の外縁に沿って形成している。
【００２０】
さらに、装置本体２は、ケーシング５の内側上部に搬送コンベア21を取付けている。この搬送コンベア21は、円筒状の本体パイプ22の基端部に駆動モータ23を取付けるとともに、駆動モータ23に連動連結したスパイラル体24を本体パイプ22の内部に回動自在に収容し、本体パイプ22の基端側上部に貯留タンク13の下端部に連通する搬入口25を形成する一方、本体パイプ22の先端部に空気供給管16の中途後部に連通する搬出口26を形成している。
【００２１】
これにより、搬送コンベア21は、駆動モータ23を駆動してスパイラル体24を回転させることによって貯留タンク13に貯留した木質ペレットを搬入口25から搬出口26へと搬送し、搬出口26から空気供給管16を介して燃焼室４に落下させて供給するようにしている。そのため、空気供給管16の搬出口26から下方部分は、燃焼室４に燃料となる木質ペレットを供給するための燃料供給管27として機能しており、燃焼室４に連通する燃料供給管27の上端部に空気供給管16を接続し、燃料供給管27によって燃料と空気とを一緒に供給する構成となっている。なお、搬送コンベア21の搬出口26で空気供給管16と接続しているために、搬送途中で木質ペレットが粉砕されて生成された粉なども空気供給管16を流れる燃焼用の空気によって強制的に燃焼室４へと供給されることになり、搬出口26での詰まりが防止されている。
【００２２】
装置本体２の内部に収容した熱交換室３は、中空蒲鉾状のケーシング28の内部に燃焼室４を形成するとともに、ケーシング28の前端外側部と後端外側部とを連通する前後に伸延させた12本の熱交換パイプ29を燃焼室４を中心として仮想的な円弧上に配置しており、燃焼室４で発生した熱で熱交換パイプ29を通過する外気を加熱するようにしている。
【００２３】
熱交換室３の内部に収容した燃焼室４は、ケーシング28の内部において同じ高さで左右に配置した下から２番目の熱交換パイプ29,29の上部間に矩形板状の燃焼台30を取付けるとともに、燃焼台30の中央上部に燃料供給管27（空気供給管16）の下端開口部を上下に間隔をあけて配置し、燃料供給管27（空気供給管16）の下端部と燃焼台30との間に網状のゲージ31を取付けている。
【００２４】
これにより、燃焼室４は、燃料供給管27から供給された木質ペレットを燃焼台30の上部で燃焼させるようにしており、燃料供給管27から燃焼台30に落下供給された木質ペレットが燃焼台30から落下するのをゲージ31によって防止している。
【００２５】
また、燃焼室４は、燃焼台30の下方に位置する熱交換室３の底部に集灰トレイ32を載置する一方、燃焼台30の上部に焼却灰を燃焼台30から集灰トレイ32に向けて掻き落とすためのスクレーパ33を取付けている。このスクレーパ33は、空気供給管16の上端部に駆動モータ34を取付けるとともに、駆動モータ34に駆動軸35の上端部を取付け、駆動軸35の下端部に棒状の回転体36を取付けており、駆動モータ34を駆動することによって燃焼台30の上部で回転体36を回転させて焼却灰を燃焼台30から集灰トレイ32に向けて掻き落とすようにしている。
【００２６】
木質ペレット燃焼型温風発生装置１は、以上に説明したように構成しており、吸引ファンなどを用いて強制的に外気を吸引口７から吸引し、外気が吸引口７から熱交換パイプ29を通過する間に燃焼室４で木質ペレットを燃焼させることによって生じた熱で加熱され、噴出ダクト８の噴出口９から温風として噴出するようにしている。なお、吸引口７から吸引された外気の一部は熱交換室３の周囲を通過して貫通孔20から噴出ダクト８へと流れ、これにより、熱交換室３の熱暴走を防止している。
【００２７】
以上に説明したように、上記木質ペレット燃焼型温風発生装置１は、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室４と、吸引した外気が通過する熱交換パイプ29を燃焼室４で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室３とを有し、熱交換室３の内部に燃焼室４を形成するとともに、燃焼室４を中心とした円弧上に熱交換パイプ29を配置した構成となっている。
【００２８】
そのため、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４で発生した熱を熱交換室３に直接的に輻射によって熱伝達することができるので熱損失が少なく、燃焼室４で発生した熱で熱交換パイプ29を通過する外気を効率よく加熱することができ、装置全体の熱効率を向上させることができる。
【００２９】
しかも、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４の周囲に円弧上に配置した熱交換パイプ29を均等に加熱することができるので、噴出す温風の温度むらをなくすことができる。
【００３０】
また、上記木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４に木質ペレットを供給するための燃料供給管27を接続するとともに、燃料供給管27に空気を供給するための空気供給管16を接続し、空気を燃料供給管27から燃焼室４に供給するように構成している。
【００３１】
そのため、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃料供給管27が燃焼室４に空気を供給する機能をも兼ね備えることになり、装置の小型化・軽量化を図ることができる。
【００３２】
また、上記木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイ32を配設するとともに、燃焼室４に焼却灰を下方の集灰トレイ32に掻き出すためのスクレーパ33を設けた構成となっている。
【００３３】
そのため、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、スクレーパ33で燃焼室４から焼却灰を除去することができ、燃焼室４での燃焼効率を向上させることができ、これによっても装置全体の熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明に係る木質ペレット燃焼型温風発生装置を示す正面図。
【図２】同右側面図。
【図３】同背面図。
【図４】同平面図。
【図５】同正面拡大断面図。
【図６】同側面拡大断面図。
【符号の説明】
【００３５】
１ 木質ペレット燃焼型温風発生装置 ２ 装置本体
３ 熱交換室 ４ 燃焼室
５ ケーシング ６ 開閉扉
７ 吸引口 ８ 噴出ダクト
９ 噴出口 10 排気筒
11 排気口 12 吸引装置
13 貯留タンク 14 ケーシング
15 吸引口 16 空気供給管
17 吸引ファン 18 スペーサー
19 連通壁 20 貫通孔
21 搬送コンベア 22 本体パイプ
23 駆動モータ 24 スパイラル体
25 搬入口 26 搬出口
27 燃料供給管 28 ケーシング
29 熱交換パイプ 30 燃焼台
31 ゲージ 32 集灰トレイ
33 スクレーパ 34 駆動モータ
35 駆動軸 36 回転体
【技術分野】
【０００１】
本発明は、燃料として木質ペレットを用いた温風発生装置であり、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置に関するものである。
【背景技術】
【０００２】
従来より、ビニールハウス内を所定温度に加熱する暖房器具として各種の燃料を用いた温風発生装置が広く利用されている。
【０００３】
その中でも、化石燃料の枯渇化や高騰化を受けて、燃料として木質ペレットを用いた木質ペレット燃焼型温風発生装置が注目されている。
【０００４】
この木質ペレット燃焼型温風発生装置としては、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを別個に設け、燃焼室と熱交換室とを接続し、燃焼室で発生した熱（熱風）を熱交換室の内部に供給するように構成したものが知られている（たとえば、特許文献１参照）。
【０００５】
【特許文献１】特開２００８−８２５６７号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【０００６】
ところが、上記従来の木質ペレット燃焼型温風発生装置では、燃焼室と熱交換室とを別個に設け、燃焼室と熱交換室とを接続し、燃焼室で発生した熱を熱交換室の内部に供給するように構成していたために、燃焼室から熱交換室に熱が対流によって熱伝達される間に熱損失が生じ、装置全体での熱効率が低減してしまうおそれがあった。
【課題を解決するための手段】
【０００７】
そこで、請求項１に係る本発明では、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置することにした。
【０００８】
また、請求項２に係る本発明では、前記請求項１に係る本発明において、前記燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成することにした。
【０００９】
また、請求項３に係る本発明では、前記請求項１又は請求項２に係る本発明において、前記燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けることにした。
【発明の効果】
【００１０】
そして、本発明では、以下に記載する効果を奏する。
【００１１】
すなわち、本発明では、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置することにしているために、燃焼室から熱交換室に熱を直接的に輻射によって熱伝達することができるので熱損失が少なく、燃焼室で発生した熱で熱交換パイプを通過する外気を効率よく加熱することができ、装置全体の熱効率を向上させることができる。しかも、燃焼室の周囲に円弧上に配置した熱交換パイプを均等に加熱することができて、噴出す温風の温度むらをなくすことができる。
【００１２】
特に、燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成した場合には、燃料供給管が燃焼室に空気を供給する機能をも兼ね備えることになり、装置の小型化・軽量化を図ることができる。
【００１３】
また、燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けた場合には、スクレーパで燃焼室から焼却灰を除去することができ、燃焼室での燃焼効率を向上させることができ、これによっても装置全体の熱効率を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【００１４】
以下に、本発明に係る木質ペレット燃焼型温風発生装置の具体的な構成について図面を参照しながら説明する。
【００１５】
図１〜図６に示すように、木質ペレット燃焼型温風発生装置１は、装置本体２の内部に熱交換室３を収容形成するとともに、熱交換室３の内部に燃焼室４を収容形成している。
【００１６】
装置本体２は、矩形箱型状のケーシング５の前側部に熱交換室３及び燃焼室４に通じる開閉扉６を開閉自在に取付けるとともに、ケーシング５の右側前下部に外気を吸引する吸引口７を形成し、ケーシング５の後側部に温風を噴出す噴出ダクト８を取付けており、吸引口７から吸引した外気を内部の熱交換室３で加熱して噴出ダクト８の噴出口９から噴出すようにしている。
【００１７】
また、装置本体２は、ケーシング５の上側前部に熱交換室３に連通する排気筒10を取付けて排気筒10の上端部に排気口11を形成するとともに、ケーシング５の上側中央部に燃焼用の空気を吸引する吸引装置12を取付け、ケーシング５の上側後部に燃料となる木質ペレットを貯留する貯留タンク13を取付けている。
【００１８】
ここで、吸引装置12は、矩形箱型状のケーシング14の右側中央部に複数の貫通孔からなる吸引口15を形成するとともに、ケーシング14の内側中央部に燃焼室４に連通する空気供給管16を収容し、空気供給管16の上端右側部に吸引ファン17を取付けており、吸引ファン17を用いて吸引口15から取り入れた空気（外気）を空気供給管16から燃焼室４に供給するようにしている。
【００１９】
また、装置本体２は、ケーシング５の内側底部にスペーサー18を介して熱交換室３を取付けるとともに、熱交換室３の前側下部と開閉扉６とを断面矩形枠状の連通壁19で連通連結し、ケーシング５の後部に噴出ダクト８に連通する複数の貫通孔20を熱交換室３の外縁に沿って形成している。
【００２０】
さらに、装置本体２は、ケーシング５の内側上部に搬送コンベア21を取付けている。この搬送コンベア21は、円筒状の本体パイプ22の基端部に駆動モータ23を取付けるとともに、駆動モータ23に連動連結したスパイラル体24を本体パイプ22の内部に回動自在に収容し、本体パイプ22の基端側上部に貯留タンク13の下端部に連通する搬入口25を形成する一方、本体パイプ22の先端部に空気供給管16の中途後部に連通する搬出口26を形成している。
【００２１】
これにより、搬送コンベア21は、駆動モータ23を駆動してスパイラル体24を回転させることによって貯留タンク13に貯留した木質ペレットを搬入口25から搬出口26へと搬送し、搬出口26から空気供給管16を介して燃焼室４に落下させて供給するようにしている。そのため、空気供給管16の搬出口26から下方部分は、燃焼室４に燃料となる木質ペレットを供給するための燃料供給管27として機能しており、燃焼室４に連通する燃料供給管27の上端部に空気供給管16を接続し、燃料供給管27によって燃料と空気とを一緒に供給する構成となっている。なお、搬送コンベア21の搬出口26で空気供給管16と接続しているために、搬送途中で木質ペレットが粉砕されて生成された粉なども空気供給管16を流れる燃焼用の空気によって強制的に燃焼室４へと供給されることになり、搬出口26での詰まりが防止されている。
【００２２】
装置本体２の内部に収容した熱交換室３は、中空蒲鉾状のケーシング28の内部に燃焼室４を形成するとともに、ケーシング28の前端外側部と後端外側部とを連通する前後に伸延させた12本の熱交換パイプ29を燃焼室４を中心として仮想的な円弧上に配置しており、燃焼室４で発生した熱で熱交換パイプ29を通過する外気を加熱するようにしている。
【００２３】
熱交換室３の内部に収容した燃焼室４は、ケーシング28の内部において同じ高さで左右に配置した下から２番目の熱交換パイプ29,29の上部間に矩形板状の燃焼台30を取付けるとともに、燃焼台30の中央上部に燃料供給管27（空気供給管16）の下端開口部を上下に間隔をあけて配置し、燃料供給管27（空気供給管16）の下端部と燃焼台30との間に網状のゲージ31を取付けている。
【００２４】
これにより、燃焼室４は、燃料供給管27から供給された木質ペレットを燃焼台30の上部で燃焼させるようにしており、燃料供給管27から燃焼台30に落下供給された木質ペレットが燃焼台30から落下するのをゲージ31によって防止している。
【００２５】
また、燃焼室４は、燃焼台30の下方に位置する熱交換室３の底部に集灰トレイ32を載置する一方、燃焼台30の上部に焼却灰を燃焼台30から集灰トレイ32に向けて掻き落とすためのスクレーパ33を取付けている。このスクレーパ33は、空気供給管16の上端部に駆動モータ34を取付けるとともに、駆動モータ34に駆動軸35の上端部を取付け、駆動軸35の下端部に棒状の回転体36を取付けており、駆動モータ34を駆動することによって燃焼台30の上部で回転体36を回転させて焼却灰を燃焼台30から集灰トレイ32に向けて掻き落とすようにしている。
【００２６】
木質ペレット燃焼型温風発生装置１は、以上に説明したように構成しており、吸引ファンなどを用いて強制的に外気を吸引口７から吸引し、外気が吸引口７から熱交換パイプ29を通過する間に燃焼室４で木質ペレットを燃焼させることによって生じた熱で加熱され、噴出ダクト８の噴出口９から温風として噴出するようにしている。なお、吸引口７から吸引された外気の一部は熱交換室３の周囲を通過して貫通孔20から噴出ダクト８へと流れ、これにより、熱交換室３の熱暴走を防止している。
【００２７】
以上に説明したように、上記木質ペレット燃焼型温風発生装置１は、燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室４と、吸引した外気が通過する熱交換パイプ29を燃焼室４で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室３とを有し、熱交換室３の内部に燃焼室４を形成するとともに、燃焼室４を中心とした円弧上に熱交換パイプ29を配置した構成となっている。
【００２８】
そのため、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４で発生した熱を熱交換室３に直接的に輻射によって熱伝達することができるので熱損失が少なく、燃焼室４で発生した熱で熱交換パイプ29を通過する外気を効率よく加熱することができ、装置全体の熱効率を向上させることができる。
【００２９】
しかも、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４の周囲に円弧上に配置した熱交換パイプ29を均等に加熱することができるので、噴出す温風の温度むらをなくすことができる。
【００３０】
また、上記木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４に木質ペレットを供給するための燃料供給管27を接続するとともに、燃料供給管27に空気を供給するための空気供給管16を接続し、空気を燃料供給管27から燃焼室４に供給するように構成している。
【００３１】
そのため、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃料供給管27が燃焼室４に空気を供給する機能をも兼ね備えることになり、装置の小型化・軽量化を図ることができる。
【００３２】
また、上記木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、燃焼室４の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイ32を配設するとともに、燃焼室４に焼却灰を下方の集灰トレイ32に掻き出すためのスクレーパ33を設けた構成となっている。
【００３３】
そのため、上記構成の木質ペレット燃焼型温風発生装置１では、スクレーパ33で燃焼室４から焼却灰を除去することができ、燃焼室４での燃焼効率を向上させることができ、これによっても装置全体の熱効率を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【００３４】
【図１】本発明に係る木質ペレット燃焼型温風発生装置を示す正面図。
【図２】同右側面図。
【図３】同背面図。
【図４】同平面図。
【図５】同正面拡大断面図。
【図６】同側面拡大断面図。
【符号の説明】
【００３５】
１ 木質ペレット燃焼型温風発生装置 ２ 装置本体
３ 熱交換室 ４ 燃焼室
５ ケーシング ６ 開閉扉
７ 吸引口 ８ 噴出ダクト
９ 噴出口 10 排気筒
11 排気口 12 吸引装置
13 貯留タンク 14 ケーシング
15 吸引口 16 空気供給管
17 吸引ファン 18 スペーサー
19 連通壁 20 貫通孔
21 搬送コンベア 22 本体パイプ
23 駆動モータ 24 スパイラル体
25 搬入口 26 搬出口
27 燃料供給管 28 ケーシング
29 熱交換パイプ 30 燃焼台
31 ゲージ 32 集灰トレイ
33 スクレーパ 34 駆動モータ
35 駆動軸 36 回転体
【特許請求の範囲】
【請求項１】
燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、
熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置したことを特徴とする木質ペレット燃焼型温風発生装置。
【請求項２】
前記燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成したことを特徴とする請求項１に記載の木質ペレット燃焼型温風発生装置。
【請求項３】
前記燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けたことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の木質ペレット燃焼型温風発生装置。
【請求項１】
燃料として木質ペレットを燃焼させる燃焼室と、吸引した外気が通過する熱交換パイプを燃焼室で発生した熱で加熱することによって外気を加熱して温風を噴出す熱交換室とを有する木質ペレット燃焼型温風発生装置において、
熱交換室の内部に燃焼室を形成するとともに、燃焼室を中心とした円弧上に熱交換パイプを配置したことを特徴とする木質ペレット燃焼型温風発生装置。
【請求項２】
前記燃焼室に木質ペレットを供給するための燃料供給管を接続するとともに、燃料供給管に空気を供給するための空気供給管を接続し、空気を燃料供給管から燃焼室に供給するように構成したことを特徴とする請求項１に記載の木質ペレット燃焼型温風発生装置。
【請求項３】
前記燃焼室の下方に焼却灰を収容するための集灰トレイを配設するとともに、燃焼室に焼却灰を下方の集灰トレイに掻き出すためのスクレーパを設けたことを特徴とする請求項１又は請求項２に記載の木質ペレット燃焼型温風発生装置。
【図１】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【図２】
【図３】
【図４】
【図５】
【図６】
【公開番号】特開２０１０−９１１９５（Ｐ２０１０−９１１９５Ａ）
【公開日】平成２２年４月２２日（２０１０．４．２２）
【国際特許分類】
【出願番号】特願２００８−２６２０１１（Ｐ２００８−２６２０１１）
【出願日】平成２０年１０月８日（２００８．１０．８）
【出願人】（５０８３０３０８１）株式会社サクラギ (1)
【Ｆターム（参考）】
【公開日】平成２２年４月２２日（２０１０．４．２２）
【国際特許分類】
【出願日】平成２０年１０月８日（２００８．１０．８）
【出願人】（５０８３０３０８１）株式会社サクラギ (1)
【Ｆターム（参考）】
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