説明

木質ペレット燃焼装置

【課題】視認部が曇ることを抑制すると共に、燃焼室を設置空間に対し密閉する。
【解決手段】ペレットストーブ10では、筐体18外から開閉扉32の耐熱ガラス36を介して燃焼室28を視認可能にされている。さらに、空気が送出箱48から耐熱ガラス36の下端へ送出されて燃焼室28を上昇されることで、耐熱ガラス36に煤や灰が付着して耐熱ガラス36が曇ることが抑制される。ここで、屋外16の空気のみが吸気管42内、導入管44内、送出管46内及び送出箱48内を介して耐熱ガラス36の下端へ送出されることで、燃焼室28が屋内12に対し密閉されている。このため、燃焼室28の空気(特に煙)が屋内12に漏れることを効果的に抑制できる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、木質ペレットを燃焼させる木質ペレット燃焼装置に関する。
【背景技術】
【0002】
下記特許文献1に記載のペレットストーブ(木質ペレット燃焼装置)では、室内に設置された筐体内に燃焼室が設けられており、燃焼室で木質ペレットが燃焼される。また、筐体には、耐熱ガラスが設けられており、耐熱ガラスによって燃焼室内を視認可能にされている。さらに、耐熱ガラスの内側表面に空気が流されることで、耐熱ガラスが曇ることが抑制されている。
【0003】
しかしながら、このペレットストーブでは、耐熱ガラスの内側表面に流される空気が室内から吸引される。このため、燃焼室が室内に対し密閉されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2009−275985号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、上記事実を考慮し、視認部が曇ることを抑制できると共に燃焼室を設置空間に対し密閉できる木質ペレット燃焼装置を得ることが目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置は、設置空間に設置され、外周を構成するケースと、前記ケース内に設けられ、木質ペレットが燃焼される燃焼室と、前記燃焼室を前記ケース外から視認可能にする視認部と、前記設置空間外を前記視認部の前記燃焼室側に連通し、前記設置空間外の空気のみを前記視認部の前記燃焼室側に送出する送出手段と、を備えている。
【0007】
請求項2に記載の木質ペレット燃焼装置は、請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置において、前記送出手段は、前記視認部に交差する方向から前記視認部の下部へ空気を送出する。
【発明の効果】
【0008】
請求項1に記載の木質ペレット燃焼装置では、外周を構成するケースが設置空間に設置されている。さらに、ケース内に燃焼室が設けられており、燃焼室で木質ペレットが燃焼される。
【0009】
また、視認部が燃焼室をケース外から視認可能にしており、送出手段が空気を視認部の燃焼室側に送出することで、視認部が曇ることを抑制できる。
【0010】
ここで、送出手段が、設置空間外を視認部の燃焼室側に連通し、設置空間外の空気のみを視認部の燃焼室側に送出する。このため、燃焼室を設置空間に対し密閉できて、燃焼室の空気が設置空間に漏れることを効果的に抑制できる。
【0011】
請求項2に記載の木質ペレット燃焼装置では、送出手段が視認部に交差する方向から視認部の下部へ空気を送出する。このため、視認部の下部へ送出された空気が、燃焼室で木質ペレットの燃焼により上昇される空気に伴って、良好に視認部に沿って上昇できる。これにより、視認部が曇ることを視認部の広い範囲において効果的に抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の実施形態に係るペレットストーブを示す右方から見た断面図である。
【図2】本発明の実施形態に係るペレットストーブを示す前方から見た断面図である。
【図3】本発明の実施形態に係るペレットストーブを示す右斜め前方から見た斜視図である。
【図4】本発明の実施形態に係るペレットストーブの主要部を示す前斜め上方から見た斜視図である。
【図5】本発明の実施形態に係るペレットストーブの主要部を示す右斜め前方から見た斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1には、本発明の実施形態に係る木質ペレット燃焼装置としてのペレットストーブ10が右方から見た断面図にて示されており、図2には、ペレットストーブ10が前方から見た断面図にて示されている。さらに、図3には、ペレットストーブ10が右斜め前方から見た斜視図にて示されている。なお、図面では、ペレットストーブ10の前方を矢印FRで示し、ペレットストーブ10の右方を矢印RHで示し、ペレットストーブ10の上方を矢印UPで示している。
【0014】
図1〜図3に示す如く、本実施形態に係るペレットストーブ10は、建物の設置空間としての屋内12(室内)に設置されている。ペレットストーブ10の後側には、建物の仕切壁としての外壁14が配置されており、外壁14は、屋内12と屋外16(室外)との間を仕切っている。
【0015】
ペレットストーブ10は、ケースとしての直方体形箱状の筐体18を備えており、筐体18は、ペレットストーブ10の外周を構成している。筐体18内には、平板状の仕切板20が固定されており、仕切板20は、筐体18内を前側と後側とに仕切っている。筐体18内の仕切板20より後側部分は、機械室22にされており、機械室22は、屋内12に対し密閉されていない(開放されている)。また、筐体18の上壁の後側部分には、供給蓋24が開閉可能に設けられている。
【0016】
機械室22には、燃料タンクとしてのホッパ(図示省略)が設けられており、供給蓋24が開けられることで、ホッパ内が上側に開放されて、筐体18の上側(機械室22の上側)から燃料としての木質ペレット(図示省略)がホッパ内に貯蔵される。木質ペレットは、間伐材を粉砕圧縮加工して作った円柱状の加工燃料であり、木質ペレットは、例えば、直径が4mm〜7mm程度、長さが5mm〜20mm程度とされている。
【0017】
機械室22には、搬送手段を構成するスクリュー(図示省略)が設けられており、スクリューが作動されて、内部のスクリュー本体(図示省略)が回転されることで、ホッパ内の木質ペレットがスクリュー本体によって掻き出されてスクリュー内を上昇される。機械室22には、搬送手段を構成する円管状の供給管26(図4及び図5参照)が設けられており、供給管26は、前方へ向かうに従い下方へ向かう方向へ傾斜されている。供給管26の上端内(後端内)は、スクリューの上端内に連通されており、スクリュー内を上昇された木質ペレットが供給管26内を落下される。
【0018】
ホッパ内、スクリュー内及び供給管26内は、供給蓋24によって閉塞されて、屋内12に対し密閉されており、供給蓋24が開けられた際には、ホッパ内、スクリュー内及び供給管26内が屋内12に対し開放される。
【0019】
筐体18内の仕切板20より前側部分には、燃焼室28が形成されている。燃焼室28は、熱交換部としての直方体形箱状の缶体30内に形成されており、缶体30は、前壁が筐体18の前壁によって構成されると共に、後壁が仕切板20によって構成されている。供給管26の下端内(前端内)は、燃焼室28に開口されており(図4及び図5参照)、供給管26内を落下された木質ペレットが燃焼室28に供給される。
【0020】
缶体30の前壁は、開閉部としての開閉扉32(図4及び図5参照)にされており、燃焼室28は、開閉扉32によって閉塞されている。開閉扉32は一端(本実施形態では左端)を中心として回動可能にされると共に、開閉扉32の他端(本実施形態では右端)の外側(屋内12側)には把持部34が固定されており、開閉扉32は、把持部34が把持された状態で一端を中心として回動されて、開閉可能にされている。開閉扉32が開かれた際には、燃焼室28が屋内12に対し開放されて、燃焼室28(下記ロストル38Aの上面等)を清掃可能にされる。開閉扉32には、視認部としての矩形板状の耐熱ガラス36が設けられており、耐熱ガラス36は、透明又は半透明にされて、屋内12と燃焼室28との間で光を透過可能にされている。
【0021】
燃焼室28の下部には、燃焼部を構成する直方体形箱状の燃焼台38が設けられており、燃焼台38の後壁は、仕切板20(缶体30の後壁)が構成している。燃焼台38には、下壁が設けられておらず、これにより、燃焼台38内が下側へ開放されている。
【0022】
燃焼台38の上壁は、平板状のロストル38A(燃焼棚)にされており、供給管26内から燃焼室28に供給された木質ペレットがロストル38A上に落下(供給)される。ロストル38Aには、複数の空気噴孔(図示省略)が貫通形成されており、複数の空気噴孔を介して燃焼台38内と燃焼台38の上側(ロストル38Aの上側)とが連通されている。なお、空気噴孔は、木質ペレットが通過(落下)しない大きさにされている。
【0023】
ロストル38Aの下側には、燃焼部を構成する点火手段としての棒状の点火ヒータ40(図4参照)が固定されており、点火ヒータ40は、例えば所謂「セラミックヒータ」にされている。点火ヒータ40は、後方へ向かうに従い上方へ向かう方向へ傾斜されて、ロストル38Aの板面に対して所定角度傾斜されている。点火ヒータ40は、ロストル38Aを貫通して、先端(上端及び後端に等しい)がロストル38Aの上面から所定量突出しており、点火ヒータ40の先端は、ロストル38A上に落下された木質ペレットによって覆われる。このため、点火ヒータ40が作動(通電)されて、ロストル38A上の木質ペレットが点火ヒータ40の発熱によって点火(着火)されることで、ロストル38A上で木質ペレットが燃焼される。また、燃焼室28(ロストル38A上やロストル38A上での木質ペレットの燃焼状況(例えば炎等))は、開閉扉32の耐熱ガラス36を介して筐体18外から視認可能にされている。
【0024】
筐体18の後側には、供給手段を構成する円筒状の吸気管42が設けられており、吸気管42は、建物の外壁14を貫通して、後端内が屋外16に開放されている。吸気管42の前部には、供給手段を構成する屈曲略円筒状の導入管44の後端が連通されており、導入管44は、筐体18の後壁及び機械室22を貫通して、前端内が仕切板20(缶体30の後壁)を介して燃焼室28における燃焼台38内に連通されている。
【0025】
図4及び図5に詳細に示す如く、燃焼室28には、燃焼台38の上側の右側と左側とにおいて、送出手段を構成する円筒状の送出管46が設けられており、各送出管46の後端は、仕切板20(缶体30の後壁)を介して導入管44の前端内に連通されている。一対の送出管46の前端間には、送出手段を構成する長尺直方体形箱状の送出箱48が連結されており、各送出管46の前端内は、送出箱48内に連通されている。送出箱48は、燃焼台38の上側かつ前側において、開閉扉32の耐熱ガラス36の下端の後側近傍に配置されており、送出箱48は、耐熱ガラス36の下端に沿って、左右方向へ延伸されている。送出箱48の前壁には、長尺矩形状の送出孔50が貫通形成されており、送出孔50は、送出箱48の長手方向(左右方向)へ延伸されて、耐熱ガラス36の内側面(燃焼室28側面)下端の左右方向全体に対向されている。
【0026】
機械室22には、排出手段を構成する屈曲円筒状の導出管52が設けられており、導出管52の前端内(上端内)は、仕切板20(缶体30の後壁)を介して燃焼室28の上端に連通されている。導出管52の後端(下端)は、送気手段としてのファン54に連通されており、ファン54には、排出手段を構成する円筒状の排気管56の前端が連通されている。排気管56は、吸気管42内を貫通しており、排気管56は、吸気管42の前端との間が閉塞されると共に、後端内が屋外16に開放されている。
【0027】
以上により、燃焼室28は、導入管44及び吸気管42と、送出箱48、一対の送出管46、導入管44及び吸気管42と、導出管52、ファン54及び排気管56と、を介して、屋外16に対し開放される一方、燃焼室28は、屋内12に対し密閉されている。
【0028】
燃焼室28の下端には、燃焼台38の下側において、直方体形箱状の灰受皿58(図4及び図5参照)が配置されており、灰受皿58の上面は、全体において、開放されている。このため、ロストル38A上で燃焼されてロストル38Aの周囲やロストル38Aの空気噴孔から落下される木質ペレットの燃えカス(灰)が灰受皿58内に収容される。開閉扉32が開かれた状態では、灰受皿58が前後方向へスライド可能にされており、開閉扉32が開かれた状態で灰受皿58が前側へスライドされて燃焼室28から取り出されることで、灰受皿58内に溜まった木質ペレットの燃えカスを廃棄可能にされている。
【0029】
筐体18内の仕切板20より前側部分は、缶体30の外側全体において、熱交換室60(送風室)にされており、熱交換室60は、缶体30の上下両側及び左右両側に配置されている。機械室22の上端には、送風手段としての暖房ファン62(クロスフローファン)が設けられており、暖房ファン62は、仕切板20を介して熱交換室60の上端に連通されている。筐体18の前壁下部には、吹出孔64(吹出口)が貫通形成されており、吹出孔64は、熱交換室60の下部に連通されている。熱交換室60は、暖房ファン62との連通部分及び吹出孔64の形成部分を除き、屋内12に対し密閉されている。
【0030】
上記スクリュー、点火ヒータ40、ファン54及び暖房ファン62は、制御装置(図示省略)に配線を介して電気的に接続されており、制御装置は、CPU及びドライバを含んで構成されている。制御装置には、運転スイッチ(図示省略)が配線を介して電気的に接続されており、運転スイッチは、ON・OFF操作等を可能にされている。
【0031】
次に、本実施形態の作用を説明する。
【0032】
以上の構成のペレットストーブ10は、運転スイッチが「ON」に操作されて、作動されると、制御装置の制御によってファン54が作動されることで、導出管52内の空気がファン54によって排気管56内へ排出される。
【0033】
このため、屋外16の空気が、吸気管42の後端から吸気管42内に吸引されて、吸気管42内及び導入管44内を介して導入管44の前端内から燃焼室28の燃焼台38内に送出される。燃焼台38内に送出された空気は、燃焼台38のロストル38Aの複数の空気噴孔からロストル38Aの上側に送出されて、燃焼室28を上昇される。
【0034】
また、上述の如く導入管44の前端内に送出された屋外16の空気は、一対の送出管46内及び送出箱48内を介して、送出箱48の送出孔50から耐熱ガラス36の下端の左右方向全体へ送出される。耐熱ガラス36の下端の左右方向全体へ送出された空気は、ロストル38Aの上側に送出されて上昇される空気に伴って、燃焼室28を上昇される。なお、一対の送出管46内及び送出箱48内を通過する空気は、後述のロストル38A上での木質ペレットの燃焼によって加熱される。
【0035】
さらに、上述の如く、ロストル38Aの上側に送出されて燃焼室28を上昇された空気、及び、送出箱48の送出孔50から送出されて燃焼室28を上昇された空気は、導出管52の前端から導出管52内に吸引されて、導出管52内、ファン54内及び排気管56内を介して、排気管56の後端から屋外16へ排出される。
【0036】
また、ペレットストーブ10が作動されると、制御装置の制御によってスクリューが作動されることで、ホッパ内の木質ペレットが、スクリュー内及び供給管26内を介して燃焼室28のロストル38A上に落下されて、点火ヒータ40の先端を覆う。この際には、制御装置の制御によって点火ヒータ40が作動を開始されて、ロストル38A上の木質ペレットが点火ヒータ40の発熱によって点火されることで、ロストル38A上で木質ペレットが燃焼される。また、点火ヒータ40の作動は、開始されてから所定時間経過すると(木質ペレットが点火されてから暫くすると)終了される。さらに、ロストル38A上での木質ペレットの燃焼は、上述の如くロストル38Aの複数の空気噴孔からロストル38Aの上側に送出される空気(燃焼用の1次空気)によって補助される。
【0037】
そして、ロストル38A上で木質ペレットが燃焼されることで、燃焼室28の空気が加熱されて、缶体30が加熱されると、制御装置の制御によって暖房ファン62が作動される。このため、屋内12の空気が、機械室22及び暖房ファン62内を介して熱交換室60の上端に送出されることで、熱交換室60を下降されて、筐体18の吹出孔64から屋内12へ送出される。これにより、熱交換室60において缶体30の周囲を通過する空気が、缶体30との間で熱交換を行われることで、缶体30の熱によって加熱された空気(温風)が、吹出孔64から屋内12へ送出される。
【0038】
なお、ロストル38A上で木質ペレットが燃焼されている際には、制御装置の制御によってスクリューが断続的に作動されて、ホッパ内の木質ペレットが順次ロストル38A上に落下される。これにより、ロストル38A上での木質ペレットの燃焼状態が維持される。
【0039】
また、ロストル38A上での木質ペレットの燃焼による燃えカス(灰)は、スクリューの作動によって新たにロストル38A上に補充される木質ペレットによって押されて、ロストル38Aの周囲やロストル38Aの空気噴孔から灰受皿58内に落下される。
【0040】
ところで、開閉扉32に耐熱ガラス36が設けられており、燃焼室28(ロストル38A上やロストル38A上での木質ペレットの燃焼状況(例えば炎等))が耐熱ガラス36を介して筐体18外から視認可能にされている。このため、ペレットストーブ10の作動中にロストル38A上での木質ペレットの燃焼による炎を筐体18外から鑑賞できると共に、燃焼室28の清掃時に燃焼室28(特にロストル38A及びその周囲)の状況を筐体18外から確認できる。
【0041】
ここで、上述の如く、ペレットストーブ10が作動されると、屋外16の空気が、送出箱48の送出孔50から耐熱ガラス36の下端の左右方向全体へ送出されることで、ロストル38Aの上側に送出されてファン54の作動や木質ペレットの燃焼によって上昇される空気に伴って燃焼室28を上昇される。このため、耐熱ガラス36の内側面に所謂エアカーテンを形成することができ、ロストル38A上での木質ペレットの燃焼による煤や灰が耐熱ガラス36の内側面に付着して耐熱ガラス36の内側面が曇ることを抑制できる。これにより、ペレットストーブ10が長時間作動された後でも、ペレットストーブ10の作動中にロストル38A上での木質ペレットの燃焼による炎を筐体18外から鑑賞できると共に、燃焼室28の清掃時に燃焼室28の状況を筐体18外から確認できる。
【0042】
しかも、送出箱48の送出孔50から送出される空気は、耐熱ガラス36の内側面に対向する方向(特に垂直な方向)から耐熱ガラス36の下端の左右方向全体に送出される。このため、耐熱ガラス36の下端の左右方向全体に送出された空気が、ロストル38Aの上側に送出されてファン54の作動や木質ペレットの燃焼によって上昇される空気に伴って、良好に耐熱ガラス36の左右方向全体に沿って少なくとも耐熱ガラス36の上端まで上昇できる。これにより、耐熱ガラス36の内側面の全体に効果的にエアカーテンを形成することができ、耐熱ガラス36の内側面が曇ることを耐熱ガラス36の内側面の全体において効果的に抑制できる。
【0043】
さらに、燃焼台38のロストル38Aの複数の空気噴孔からロストル38Aの上側に送出される空気のみならず、開閉扉32の耐熱ガラス36の下端へ送出される空気も、屋外16の空気のみにされることで、燃焼室28が屋内12に対し密閉されている。このため、特に建物が所謂高気密住宅にされて屋内12の気密性が高い場合であっても、例えば停電時に燃焼室28の空気(特に煙)が屋内12に漏れることを効果的に抑制できて、ペレットストーブ10の安全性を効果的に高くできる。
【0044】
また、缶体30の熱によって加熱された空気(温風)が送出される吹出孔64が、筐体18の下部に配置されている。このため、人の足元を効率的に温めることができると共に、吹出孔64から送出される温風を例えば炬燵に容易に供給することができる。さらに、通常人の耳が吹出孔64から離間された位置に存在するため、吹出孔64からの温風の送出による風切音が人に聞こえることが抑制されて、ペレットストーブ10の静音性を向上できる。しかも、通常人の顔が吹出孔64より高い位置に存在するため、吹出孔64から送出される温風が人の顔に直接当たることを抑制できて、人に嫌悪感を与えることを抑制できる。
【0045】
なお、本実施形態では、送出箱48の前壁に送出孔50を貫通形成して送出孔50から空気を耐熱ガラス36の内側面へ向けて送出するが、送出箱48の上壁に送出孔50を貫通形成して送出孔50から空気を耐熱ガラス36の内側面に沿って送出してもよい。
【0046】
さらに、本実施形態では、屋外16から燃焼室28に送出されていない空気を送出箱48の送出孔50から耐熱ガラス36の内側面に送出したが、屋外16から燃焼室28に送出された空気を送出箱48の送出孔50から耐熱ガラス36の内側面に送出してもよい。
【0047】
また、本実施形態では、本発明がペレットストーブに対して適用された場合について説明したが、これに限らず、本発明は木質ペレットを燃料として用いるボイラー等に対しても適用することができる。
【符号の説明】
【0048】
10 ペレットストーブ(木質ペレット燃焼装置)
12 屋内(設置空間)
18 筐体(ケース)
28 燃焼室
36 耐熱ガラス(視認部)
46 送出管(送出手段)
48 送出箱(送出手段)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
設置空間に設置され、外周を構成するケースと、
前記ケース内に設けられ、木質ペレットが燃焼される燃焼室と、
前記燃焼室を前記ケース外から視認可能にする視認部と、
前記設置空間外を前記視認部の前記燃焼室側に連通し、前記設置空間外の空気のみを前記視認部の前記燃焼室側に送出する送出手段と、
を備えた木質ペレット燃焼装置。
【請求項2】
前記送出手段は、前記視認部に交差する方向から前記視認部の下部へ空気を送出する請求項1記載の木質ペレット燃焼装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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