説明

木質系建物の建築工法

【課題】 棟上までをスピーディーに行えて、工期の短縮化を図ることができる木質系建物の建築工法を提供すること。
【解決手段】 土台2の上に1階床パネル6を載せ、該床パネルと土台にわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、1階床パネルの上に1階壁パネル12を載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、さらに1階壁パネルの上に2階床パネル18を載せ、該床パネルと壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、2階床パネルの上に2階壁パネル26を載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピン打ち込んで連結し、必要に応じてこれら床パネルと壁パネルの載置と連結を繰り返した後、最上階の壁パネルの上に桁32を載せ、該桁と壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、屋根のある棟まで建て上げる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、木質系建物の建築工法に関し、さらに詳しくは木造軸組工法、木質プレハブ工法、枠組壁工法、パネル工法などにより建築される木質系建物の建築に際し、土台、壁パネルや床パネル等の連結作業を簡単に行えて、棟上までのスピーディー化、工期の短縮化を図ることができる技術に係るものである。
【背景技術】
【0002】
従来、木質系建物の建築に際し、例えば土台と床パネル、あるいは床パネルと壁パネルの連結を行うには、ボルトナットによりこれら部材同士を締結し、あるいは釘などの締結具で締結して、順次、土台から上を建て上げていく工法がとられていた(例えば、特許文献1,2参照)。
【特許文献1】特開平8−165725号公報
【特許文献2】特開2004−232209号公報
【0003】
すなわち、特許文献1は、いわゆるパネル工法により組み立てられる複数階の建屋における壁パネルの組み付け構造に係り、所定位置に立設された1階壁パネル上に、胴差の側面と床パネルの外面を当接させて敷き込み、しかる後に1階壁パネルの連通孔内にボルトを胴差側から差し込み、下側ねじ部をナット付き座金のナットに螺合させて1階壁パネルと床パネルとを連結し、次に2階壁パネルを、胴差上面より突出するボルトを連通孔内に挿通させて、1階壁パネル及び床パネルの上面にわたって載置し、1階壁パネル上に2階壁パネルを載置させた状態で、連通孔と連通孔は互いに連通し、面材に設けられた開口部を利用して、ボルトの上側ねじ部に座金を介してナットを螺合させて、1階壁パネルと2階壁パネルとを床パネルを介して連結するものである(段落0030,0031、図1,2参照)。
【0004】
特許文献2は、パネル工法による建物の壁パネルと床パネルの接合構造に係り、所定位置に建て込んだ1階壁パネル上に2階床パネルの端部を載せ、該端部の前方に形成される隙間に胴差を配置し、床パネルに釘等で固定し、床パネルを壁パネルに固定した後、その胴差と床パネル上に2階の壁パネルを建て込み、床パネルに固定するものである(段落0020,0003、図1,4参照)。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1,2のような建物の建て方の場合、ボルトナットを用いて部材同士を連結し、あるいは釘と多くの金物を用いて部材同士を固定しながら建て上げるため、棟上までの作業量が膨大となり、作業に多くの日数を要するものとなっていた。そのため、屋根を載せるまでの工期がかかり、途中で雨が降った場合、養生が十分にできないという問題点があった。
【0006】
そこでこの発明は、前記従来のものが有する問題点を解決し、棟上までをスピーディーに行えて、工期の短縮化を図ることができる木質系建物の建築工法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記目的を達成するため、請求項1に記載の発明は、土台の上に1階床パネルを載せ、該床パネルと土台にわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、1階床パネルの上に1階壁パネルを載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、さらに1階壁パネルの上に2階床パネルを載せ、該床パネルと壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、2階床パネルの上に2階壁パネルを載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピン打ち込んで連結し、必要に応じてこれら床パネルと壁パネルの載置と連結を繰り返した後、最上階の壁パネルの上に桁を載せ、該桁と壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、屋根のある棟まで建て上げることを特徴とする。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の木質系建物の建築工法において、棟まで建て上げた後、縦方向に隣接する壁パネルと床パネル間、壁パネルと桁間、横方向に隣接する壁パネル同士、床パネル同士、をそれぞれ釘打ちすることを特徴とする。請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載の木質系建物の建築工法において、土台、1階床パネル、1階壁パネル、2階床パネル、2階壁パネル、必要とする数の床パネルと壁パネル、及び桁に設けられるドリフトピン穴は予め工場で加工されることを特徴とする。
【0009】
請求項4に記載の発明は、請求項1ないし3のいずれかに記載の木質系建物の建築工法において、1階床パネルの端部を土台の上面中間部に位置するように載せることにより、その外側に第1凹所を形成するとともに、該凹所を埋めるように第1埋入部材を取り外し可能に嵌入することを特徴とする。請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の木質系建物の建築工法において、2階床パネルの端部を1階壁パネルの上面中間部に位置するように載せることにより、その外側に第2凹所を形成するとともに、該凹所を埋めるように第2埋入部材を取り外し可能に嵌入することを特徴とする。請求項6に記載の発明は、請求項4又は5に記載の木質系建物の建築工法において、第1及び第2埋入部材がそれぞれ通気路を有し、第1埋入部材の通気路によって縦方向に隣接する土台と1階壁パネルにそれぞれ設けた通気路を連通可能とし、第2埋入部材の通気路によって第1壁パネルと2階壁パネルにそれぞれ設けた通気路を連通可能にしていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
この発明は前記のように、土台の上に1階床パネルを載せ、該床パネルと土台にわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、1階床パネルの上に1階壁パネルを載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、さらに1階壁パネルの上に2階床パネルを載せ、該床パネルと壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、2階床パネルの上に2階壁パネルを載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、必要に応じてこれら床パネルと壁パネルの載置と連結を繰り返した後、最上階の壁パネルの上に桁を載せ、該桁と壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、屋根のある棟まで建て上げるので、少ない作業量、少ない日数でスピーディーに棟上まで行うことが可能となる。すなわち、ドリフトピンを仮止めに使用しながら淡々と野地施工まで組立を進行することができ、工期の短縮化を図ることができる。そのため、従来のように雨による養生のための日数をとる必要も少なくて済む。しかも、施工に用いるものはドリフトピン穴に打ち込むドリフトピンだけであり、コストを従来に比べて安価に抑えることができるという優れた効果が期待できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
この発明の一実施の形態を、添付図面を参照して説明する。
【0012】
図1は、基礎上から桁までの壁に沿った木質系建物の一部分を示す概略正面図、図2は、図1のA−A線に沿う高さ方向の長さを一部省略した拡大縦断側面図である。また、図3は、図1のB部の拡大概略斜視図であり、図4は、図1のC部の拡大概略斜視図であり、図5は、図1のD部の拡大概略斜視図である。ここに示すような建物を構築するには、まず、基礎1上に加圧注入処理材からなり、通常の土台の半分程度の高さに形成された土台2をその間に換気パッキン3を介在させて載置する。換気パッキン3には外気が床下に流入可能な通気溝4と、床下から土台2の壁側に設けた後述する通気路と連通する通気溝5が設けられている。次に、土台2上に1階床パネル6を、該床パネルの端部(面材6aとともに床パネル6を構成する桟6bのある部分)が土台2の上面中間部に位置するように載せるとともに、該端部の桟6bと土台2にわたり設けたドリフトピン穴7にドリフトピン8を打ち込んで連結する。ドリフトピン8は以下に説明するドリフトピンもそうであるが仮止め用のピンで、鋼材からなる接合具の一種である。
【0013】
土台2と1階床パネル6を連結すると、その外側に凹所9が形成されるので、該凹所を埋めるように凹所9の形状に合わせて製作した第1埋入部材としての床側部材10を取り外し可能に嵌入する。床側部材10の凹所9への嵌入後、床側部材10と1階床パネル6の端部上に1階壁パネル12を載せるとともに、該壁パネルの下桟12bと床側部材10及び床パネル6の桟6bにわたり設けたドリフトピン穴13,14にドリフトピン15,16をパネル内部側から打ち込んで連結する。17は床側部材10の前面に貼り付けられた面材、12aは1階壁パネル12を構成する面材であり、12cは1階壁パネル12を構成する中桟である。なお、図2ではドリフトピン16とドリフトピン8が干渉しているように見えるが、実際は、該図で前後方向に位置がずれていて干渉はしていない。
【0014】
次に、1階壁パネル12の上に2階床パネル18を、該床パネルの端部が1階壁パネル12の上面中間部に位置するように載せるとともに、端部の桟18bと1階壁パネル12の上桟12bにわたり設けたドリフトピン穴19にドリフトピン20をパネル内部側から打ち込んで連結する。
【0015】
1階壁パネル12と2階床パネル18を連結すると、その外側に凹所21が形成されるので、該凹所を埋めるように凹所21の形状に合わせて製作した第2埋入部材としての胴差側部材22を取り外し可能に嵌入する。胴差側部材22の凹所21への嵌入後、胴差側部材22と1階壁パネル12の上桟12bにわたり設けたドリフトピン穴23にドリフトピン24をパネル内部側から打ち込んで連結する。次に、胴差側部材22と2階床パネル18の端部上に2階壁パネル26を載せるとともに、該壁パネルの下桟26bと胴差側部材22及び床パネル18桟18bにわたり設けたドリフトピン穴27,28にドリフトピン29,30をパネル内部側から打ち込んで連結する。31は胴差側部材22の前面に貼り付けられた面材、26aは2階壁パネル26を構成する面材であり、26cは2階壁パネル26を構成する中桟である。
【0016】
次に、2階壁パネル26の上桟26bの上に換気頭つなぎとしての桁32を載せるとともに、桁32と2階壁パネル26の上桟26bにわたり設けたドリフトピン穴33にドリフトピン34をパネル内部側から打ち込んで連結する。前記においては、壁パネル12,26等の連結について縦方向の連結についてのみ説明したが、必要により横方向も同時に連結して、同時進行的に建て上げてもよいことは勿論である。その場合、横方向の壁パネルの連結は4,5連程度が好ましい。また、この連結に際しては、予め平面状態の壁パネルを4,5連程度連結して一体化した壁パネル体を一挙に立ち上げて載置するようにしてもよい。このようにして壁パネルからなる壁を全周囲にわたり立ち上げ、隣接する互いの壁パネルの出隅部、入隅部に図示しない補助材等による処理した後、桁32の上に棟木、垂木等を組上げて屋根(図示せず)を載せると棟まで建て上がることになる。このように建て上がった建物は、釘打ち等の最終的な工事前の状態ではあるが、せん断力はドリフトピンを含んだものとなるため、安定した強度を保つことができる。
【0017】
ここまではドリフトピンによる仮止めだけであり、釘を一切使用しない。そして、この仮止め用のドリフトピンによる棟上後、1階壁パネル12と床パネル6、1階壁パネル12同士、2階壁パネル26同士、2階壁パネル26と桁32、等に、図1に一部示すようにドリフトピン76,77や釘78,79を打って連結するとともに、図示していないが内装工事としてパネル内部の面材と反対側に断熱材を面材側に通気空間を形成して配置し、この断熱材を覆うように内装下地材を貼り付ける等を行うと、建物が完成することになる。
【0018】
前記の施工においては、土台2、床パネル6,18、壁パネル12,26、床側部材10、胴差側部材22、及び桁32に設けたドリフトピン穴7,13,14,19,23,27,28,33は現場で加工するのではなく、予め工場で加工してある。したがって、現場作業は土台2をはじめとする各部材を適正位置に載せて配置した後に、各部材を仮止め用のドリフトピン8,15,16,20,24,29,30,34を打ち込んで連結していくだけでよいので、作業性のよいものとなり、従来の工法に比べてきわめてスピーディーに棟上まで建て上げることができる。そのため、従来のように作業日数が多くかかることがなく、屋根を載せるまでの工期を大幅に短縮することが可能となり、雨による養生のための日数をとる必要も少なくて済む。棟上までの作業は、通常に比べ45%の省施工となり、大幅な短縮が可能である。
【0019】
前記において、土台2の壁側には換気パッキン3の通気溝5と連通する通気路36が水平方向を向いて設けられ、該通気路と連通する通気路37が垂直方向を向いて設けられている。両通気路36,37の外側(前面側)は開放されているが、これは仕上げ工事に防水紙等が貼られて塞がれる。また、床側部材10の面材17側には土台2の通気路37と連通する通気路38が水平方向を向いて設けられ、該通気路と連通する通気路39が垂直方向を向いて設けられ、かつ該通気路と連通する通気路40が水平方向を向いて設けられている。また、1階壁パネル12の下桟12bの面材12a側には床側部材10の通気路40とパネル内部とを連通する通気路41が垂直方向を向いて設けられているとともに、上桟12bの面材12a側にも同様な通気路43が垂直方向を向いて設けられている。
【0020】
また、胴差側部材22の面材31側には1階壁パネル12の通気路43と連通する通気路45が水平方向を向いて設けられ、該通気路と連通する通気路46が垂直方向を向いて設けられ、かつ該通気路と連通する通気路47が水平方向を向いて設けられている。また、2階壁パネル26の下桟26bの面材26a側には胴差側部材22の通気路47とパネル内部とを連通する通気路48が垂直方向を向いて設けられているとともに、上桟26bの面材26a側の壁側にも同様な通気路49が垂直方向を向いて設けられている。そして、この通気路49と連通する通気路51が桁32にその外側に開放して水平方向を向いて設けられている。したがって、これら各部材に連続して連通可能に設けられた通気溝4,5と通気路36,37,38,39,40,41,43,45,46,47,48,49,51を通じて外気を床下に取り入れ、かつ取り入れた外気を土台2下から壁沿いに伝って桁32の上の天井裏まで通気することが可能となり、1階壁パネル12内は勿論、2階壁パネル26内でも除湿の効果が大きいものとすることができる。
【0021】
床側部材10と胴差側部材22の一例としては、図6(A),(B)に示すようなものであり、その長さは図1からわかるように壁パネル12,26の2連分にしている。ただ、これは一例であって、適宜その長さは設定することができる。また、床側部材10と胴差側部材22に設けられる通気路38,39,40,45,46,47も、任意の数、それも所定の間隔で設けたり、あるいは無くしたり種々の変更が可能である。このような部材を用いると増改築のときにプラン変更があっても可能な範囲で対応することができる。
【0022】
すなわち、例えば図7に示すように新築時にランマ壁パネル55と腰壁パネル56の間に形成した中連開口の窓(腰高窓)57を増改築のときに、それまでの腰高窓からその下方の腰壁パネル56を開放して図8に示すような掃き出し開口の窓(掃き出し窓)58にするプラン変更を希望する場合がある。このような場合でも腰高窓のときの通気路を形成していた床側部材10と胴差側部材22を凹所9,21から取り外し、別途用意した通気路の無い床側部材10’と、胴差側部材22’を新たに凹所9,21に取り付けることにより、簡単に取り替えることができる。胴差側部材22’は1階の上部にランマ壁パネル55が設けられているため、該パネルの通気路43と連通する通気路のみ設けられている。勿論、前記とは逆に掃き出し窓58を腰高窓57に変更する場合でも、通気路の無い床側部材10’と、胴差側部材22’を通気路の有る床側部材10と胴差側部材22に簡単に取り替えることができる。しかも、この場合には腰高窓の形態によっては別途用意する種々の通気路の有る床側部材と胴差側部材を選定することができる。なお、図7,8で60はランマ受け材、61は隅材である。
【0023】
本実施の形態では2階建ての建物を例にしたが、必要により3階建て以上の建物についても床パネルと胴差側部材、壁パネルの連結を繰り返すことによって同様に建て上げることができる。また、本実施の形態では1階床パネル6を土台2の上面中間部に、2階床パネル18を1階壁パネル12の上面中間部に位置するように載せ、それぞれその外側に形成される凹所9,21に床側部材10,胴差側部材22を埋めるように配置したが、このような床側部材と胴差側部材の配置を止めて土台2や1階壁パネル12の上面全面にわたり載せるような建て方でもよい。また、本実施の形態は、あくまで好ましい一例を示したにすぎず、構成各部材の細部の設計的な事項は、その実施に際して種々に変更、修正することができるものである。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の一実施の形態に係る、基礎上から桁までの壁に沿った木質系建物の一部分を示す正面図である。
【図2】図1のA−A線に沿う高さ方向の長さを一部省略した拡大縦断側面図である。
【図3】図1のB部の拡大概略斜視図である。
【図4】図1のC部の拡大概略斜視図である。
【図5】図1のD部の拡大概略斜視図である。
【図6】(A)は床側部材、(B)は胴差側部材のそれぞれ一例を示す図面である。
【図7】プラン変更前の建物の一部分を示す正面図である。
【図8】プラン変更後の建物の一部分を示す正面図である。
【符号の説明】
【0025】
1 基礎
2 土台
3 換気パッキン
6 1階床パネル
7,13,14,19,23,27,28,33 ドリフトピン穴
8,15,16,20,24,29,30,34,76,77 ドリフトピン
9,21 凹所
10 床側部材(第1埋入部材)
12 1階壁パネル
18 2階床パネル
22 胴差側部材(第2埋入部材)
32 桁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
土台の上に1階床パネルを載せ、該床パネルと土台にわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、1階床パネルの上に1階壁パネルを載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、さらに1階壁パネルの上に2階床パネルを載せ、該床パネルと壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結するとともに、2階床パネルの上に2階壁パネルを載せ、該壁パネルと床パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピン打ち込んで連結し、必要に応じてこれら床パネルと壁パネルの載置と連結を繰り返した後、最上階の壁パネルの上に桁を載せ、該桁と壁パネルにわたり設けたドリフトピン穴にドリフトピンを打ち込んで連結し、屋根のある棟まで建て上げることを特徴とする木質系建物の建築工法。
【請求項2】
請求項1に記載の木質系建物の建築工法において、棟まで建て上げた後、縦方向に隣接する壁パネルと床パネル間、壁パネルと桁間、横方向に隣接する壁パネル同士、床パネル同士、をそれぞれ釘打ちすることを特徴とする木質系建物の建築工法。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の木質系建物の建築工法において、土台、1階床パネル、1階壁パネル、2階床パネル、2階壁パネル、必要とする数の床パネルと壁パネル、及び桁に設けられるドリフトピン穴は予め工場で加工されることを特徴とする木質系建物の建築工法。
【請求項4】
請求項1ないし3のいずれかに記載の木質系建物の建築工法において、1階床パネルの端部を土台の上面中間部に位置するように載せることにより、その外側に第1凹所を形成するとともに、該凹所を埋めるように第1埋入部材を取り外し可能に嵌入することを特徴とする木質系建物の建築工法。
【請求項5】
請求項4に記載の木質系建物の建築工法において、2階床パネルの端部を1階壁パネルの上面中間部に位置するように載せることにより、その外側に第2凹所を形成するとともに、該凹所を埋めるように第2埋入部材を取り外し可能に嵌入することを特徴とする木質系建物の建築工法。
【請求項6】
請求項4又は5に記載の木質系建物の建築工法において、第1及び第2埋入部材がそれぞれ通気路を有し、第1埋入部材の通気路によって縦方向に隣接する土台と1階壁パネルにそれぞれ設けた通気路を連通可能とし、第2埋入部材の通気路によって第1壁パネルと2階壁パネルにそれぞれ設けた通気路を連通可能にしていることを特徴とする木質系建物の建築工法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2009−24461(P2009−24461A)
【公開日】平成21年2月5日(2009.2.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−191573(P2007−191573)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000185710)エス・バイ・エル株式会社 (15)