説明

杖又は傘の軸柄傾倒防止タッグ

【課題】病院や銀行、郵便局等の窓口カウンター等に杖や傘を使用する人が、そのまま杖や傘を立てかけたり、引っかけたりしても傘や杖が傾斜転倒することのない傾倒防止タッグを提供する。
【解決手段】タッグ1は、市販されているゴムや合成樹脂で作られた置物や家具の滑り止めシートを利用するものであって、この滑り止めシートを適当な大きさ形状の名札状の滑り止めシート部2として形成し、このシート部2に下げ紐5と杖や傘の軸柄に着脱可な係止具4を設けたものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、傘や杖を病院や病院、郵便局などのカウンターや壁に立て掛けたり引っかけたりした時に滑って傾斜転倒することを防止する滑り止めに関するものである。
【背景技術】
【0002】
最近では、杖や傘を利用する老人が増えており、このような老人が病院や銀行、郵便局等のカウンターに杖や傘をついて行き、申込用紙に記入したり、料金を支払うときに一時的にカウンターに杖や傘の握りを掛けたり,壁際に立て掛けたりしているが、これらのカウンターは、滑りやすい化粧板や磨き上げた石板又は大理石等で出来ており、杖や傘の軸柄が滑ってカウンターから脱落したり、傾いて倒れることが多いので、やむを得ず、不自由な体に杖や傘を持ったままで、片手で書き物をしたり、財布を開け閉めしなければならず、特に腰の悪い老人は倒れた杖や傘を拾い上げるのにも大変な苦痛を強要される。
【0003】
病院や銀行駅等、傘立てはあるがここに杖や傘を立てかければ、老人は窓口まで辿り着けないことを全く考慮していない。また、一度傘立てに杖や傘を入れると、帰りにどれが自分のものか見分けがつかない老人も多いのである。したがって、杖や傘をカウンターに立て掛けても簡単には倒れず、常に持ち歩きできるものが必要である。
杖の取っ手部に滑り止めを設けたものは、例えば文献1、2に見られるが、直接杖の取っ手部に滑り止めを設けたもので、杖自体に加工を施しているので、汎用性に欠ける。
【0004】
【特許文献1】 特開平08−06621号公報
【特許文献2】 特開20001−204525号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この発明は、前述した背景に鑑みて、病院や銀行、郵便局等の窓口カウンター等に杖や傘を使用する人がそのまま杖や傘を持って行き、一時的にカウンターに立て掛けたり、引っかけたりしても、傾斜転倒、つまり傾倒を防止することができると共に、杖や傘の持ち主の名前や住所その他の必要事項が記載可能な、傾倒防止タッグを提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この発明は、一般に市販されているゴムや合成樹脂で作られた置物や家具の滑り止めシートを利用するものであって、この滑り止めシートを適当な大きさ形状の名札状のタップとして形成し、このタッグに下げ紐を付けて杖や傘の軸柄に着脱可な係止具を設け、このタッグの縁の一部には補強部材兼表示用部材を設けたものである。
【発明の効果】
【0007】
以上の構成により、滑り止めシートをカウンターの上に置いて、傘や杖の握り部分をその上に乗せておくだけで杖や傘の軸柄は傾いても転倒することがないので、滑りやすい病院や銀行その他の施設の窓口のカウンターに簡単に杖や傘を立てかけ又は引っかけておくことが出来て、杖や傘の利用者にとって非常に便利である。また、このタッグの縁の一部に設けた補強部材兼表示用の補助部材には持ち主の名前やその他必要な事項を記入することができると共に、タッグの形状は必要に応じて各種の意匠的形状、大きさに形成できるので、もの忘れの多い年代の人々にも便利である。
【発明の実施をするための最良の形態】
【0008】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
図1は、この発明の一実施例の説明図である。1はこの発明のタッグを示しており、2は滑り止めシート部で、一般にゴムや合成樹脂で作られた置物や家具の滑り止めシートとして市販されているものである。実施例としては、滑り止めシート部に、株式会社リングスター製の滑り止めマット「滑りま専用」という商品で、網目状に配置した繊維に合成樹脂の滑り止め材料をコーティングしたフレキシブルシートを使用した。3はこのシートの縁に設けた補助部材で、ここにタッグの下げ紐5を取り付け、更にこの紐の他端には杖や傘の軸柄部にタッグを取り付けるための係止具4が設けられている。
補助部材3は、滑り止めシート部2に下げ紐5を取り付けるときの補助部材として使用する他に、この表面には必要に応じて持ち主の名前やその他必要な事項を記入することができる表示部3aとしての機能も付与されている。なお、この補助部材3はシートの片面にのみ接着剤やクリップ止め、爪ピン等の機械的手段によって固定してもよいが、好ましくは紙や合成樹脂のシートを折り曲げて滑り止めシートの端部を挟むようにして周知の固定手段により両面から固定した方が強度、外観、共に良好である。
係止具4は杖や傘の軸柄にタッグの紐の端部を固定できる構造のものであれば、弾性を有するリング状のクリップを使用したり、下げ紐の端部をそのまま使用して係止具に代えてもよいが、好ましくはマジックテープ(登録商標)のような平面ファスナーが推奨される。図においてはこの係止具としてマジックテープを使用した例を示してあり、4aはそのフック面、4bはリテーナ面である。
また、この滑り止めシート部2には、その表面に直接印刷や描画により文字や画像を表示することも出来る。更にタッグ1の全体的な形状も必要に応じて各種の意匠的形状大きさに形成することにより、商品としての付加価値を高めることも可能である。
【0009】
図2は、この発明のタッグ1を杖Sに取り付けた状態を示しており、杖Sの軸6にタッグ1が下げ紐5の端部に設けられた係止具4によって取り付けられている。7は杖の柄である。このタッグ1は係止具4よって着脱自在、かつ任意の位置に調節して取り付けることが出来る。
【0010】
図3は、この発明のタッグを設けた杖の使用例である。8は病院や銀行、郵便局等の窓口のカウンター面、9は床を示している。このような場合、杖についているタッグ1の滑り止めシート部2をカウンターの表面に乗せ、その上に杖の柄7の先端を乗せることにより、杖は傾倒することなく、図のようにカウンター8の面に保持されるので、体の不自由な人でも腰の曲がった老人でも杖から手を離して両手を自由に使うことができる。
【0011】
図4は、カウンター8の下の壁際に直接杖を立て掛けた図である。この場合は、杖の柄部7を滑り止めタッグのシート部2を介して直接壁の表面10に押しつけて凭れかけるようにすれば、杖は傾倒しない。
以上の実施例では、杖を例に挙げて説明したが、杖の代りに洋傘やこれに類したもの、例えば松葉杖等の棒状体のものにも適用可能である。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の一実施例の説明図である。
【図2】この発明を杖に適用した場合の説明図である。
【図3】この発明の一使用例を示す説明図である。
【図4】この発明の他の使用例を示す説明図である。
【符号の説明】
【0013】
1・・・タッグ
2・・・滑り止めシート部
3・・・補助部材
4・・・係止具
5・・・下げ紐

【特許請求の範囲】
【請求項1】
滑り止めシートの周辺の一部に係止具を設けた下げ紐を取り付けたことを特徴とする杖又は傘の軸柄傾倒防止タッグ。
【請求項2】
滑り止めシートの周辺の一部に下げ紐取り付け用補助部材を設けたことを特徴とする請求項1記載の杖又は傘の軸柄傾倒防止タッグ。
【請求項3】
下げ紐取り付け用補助部材に文字を記入できるようにした請求項2記載の杖又は傘の軸柄傾倒防止タッグ。
【請求項4】
係止具はマジックテープ(登録商標)を利用したことを特徴とする請求項1、2又は3記載の杖又は傘の軸柄傾倒防止タッグ。
【請求項5】
滑り止めシートは動植物又は著作物のキャラクター又は構造物等の各種意匠的形状を有することを特徴とする請求項1、2、3、又は4記載の杖又は傘の軸柄傾倒防止タッグ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2006−23685(P2006−23685A)
【公開日】平成18年1月26日(2006.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−226180(P2004−226180)
【出願日】平成16年7月5日(2004.7.5)
【出願人】(595093739)
【Fターム(参考)】