説明

杭打機

【課題】回転駆動装置の昇降用として大容量の油圧ポンプを設置することなく、簡単な構成で回転駆動装置を高速で昇降させることができる杭打機を提供する。
【解決手段】回転駆動装置をリーダに沿って昇降させるための昇降用油圧モータ20及び昇降用油圧ポンプ33と、回転駆動装置に装着した作業ロッドを回転駆動するための回転用油圧モータ22及び回転用油圧ポンプ32a,32bとを備え、回転用油圧ポンプとして昇降用油圧ポンプより大容量の油圧ポンプを設置し、回転用油圧ポンプから回転用油圧モータに作動油を供給する回転用経路41の途中に、回転用油圧ポンプから吐出された作動油を昇降用油圧モータに供給する高速昇降用経路42を設けるとともに、回転用油圧ポンプから吐出された作動油を昇降用油圧モータに供給する昇降速度切替弁43を設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、杭打機に関し、詳しくは、回転駆動装置をリーダに沿って昇降させる昇降用油圧モータと、回転駆動装置に装着した作業ロッドを回転させる回転用油圧モータとを備えた杭打機に関する。
【背景技術】
【0002】
建設現場における杭打ち作業や地盤改良作業には、ベースマシンに立設したリーダに沿って昇降するオーガドライブやスクリュー駆動装置などの回転駆動装置にロッドやスクリューシャフトなど(以下、これらをまとめて作業ロッドという。)を装着し、回転駆動装置に設けた回転用油圧モータで作業ロッドを回転駆動するとともに、昇降用油圧モータで回転駆動装置をリーダに沿って昇降させることにより所定の作業を行う杭打機が用いられている。
【0003】
このような杭打機でリーダより長い作業ロッドを使用する場合は、最初に作業ロッドの上下方向中間部を回転駆動装置で保持し、回転用油圧モータで作業ロッドを回転させながら、昇降用油圧モータで回転駆動装置をリーダに沿って下降させることにより、掘削作業や地盤改良作業を行う。回転駆動装置がリーダの下端に到達したときには、回転用油圧モータ及び昇降用油圧モータを停止して作業を一時中断し、リーダの下端に設けた下部チャックに作業ロッドを保持させるとともに回転駆動装置に設けた上部チャックによる作業ロッドの保持を解除し、昇降用油圧モータで回転駆動装置をリーダに沿って上昇させ、作業ロッドの上部を上部チャックで保持するとともに、下部チャックによる作業ロッドの保持を解除した後、回転用油圧モータ及び昇降用油圧モータを作動させて前記作業を再開するようにしている。
【0004】
また、作業ロッドを地中から抜き取る際にも、作業ロッドの上部を保持した回転駆動装置をリーダの上端まで上昇させた後、作業ロッドの回転を一時停止して作業ロッドの保持を解除した回転駆動装置をリーダの下端まで下降させてから、作業ロッドを保持した回転駆動装置を再びリーダの上端まで上昇させる操作を繰り返している。このように、リーダより長い作業ロッドを使用する場合は、回転駆動装置を昇降させる操作を繰り返して所定の作業を行う必要があった(例えば、特許文献1参照。)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2002−88755号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
作業ロッドを回転させながら回転駆動装置をリーダに沿って昇降させる作業は、地盤の状況に応じてあらかじめ設定された回転速度及び昇降速度で行われる。一方、作業を一時中断して作業ロッドの保持を解除した回転駆動装置を昇降させる時間は無駄な待ち時間であり、できるだけ高速で回転駆動装置を昇降させることが望ましい。このため、昇降用油圧モータに作動油を供給する油圧ポンプとして、作業時に必要な油量より多い油量を供給できる油圧ポンプを設置し、作業中断時の回転駆動装置の昇降を作業時に比べて高速で行えるようにしたものもあるが、満足できる昇降速度を得るためには、高価な大容量の油圧ポンプを設置しなければならず、これを駆動するためにエンジンも大型化し、配管の口径も大きくしなければならないなど、杭打機の製造コストや運転コストなどが大幅に上昇してしまうという問題があった。
【0007】
そこで本発明は、回転駆動装置の昇降用として大容量の油圧ポンプを設置することなく、簡単な構成で回転駆動装置を高速で昇降させることができる杭打機を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するため、本発明の杭打機は、ベースマシンに立設したリーダに沿って昇降可能に設けられた回転駆動装置と、該回転駆動装置を前記リーダに沿って昇降させるための昇降用油圧モータと、該昇降用油圧モータに作動油を供給する昇降用油圧ポンプと、前記回転駆動装置に装着した作業ロッドを回転駆動するための回転用油圧モータと、該回転用油圧モータに作動油を供給する回転用油圧ポンプとを備えた杭打機において、前記回転用油圧ポンプとして前記昇降用油圧ポンプより大容量の油圧ポンプを設置し、回転用油圧ポンプから回転用油圧モータに作動油を供給する経路の途中に、回転用油圧ポンプから吐出された作動油を前記昇降用油圧モータに供給する経路を設けるとともに、回転用油圧ポンプから吐出された作動油を前記昇降用油圧モータに供給する昇降速度切替弁を設けたことを特徴とし、さらに、前記昇降用油圧モータの過回転を防止する手段を備えていることを特徴としている。
【発明の効果】
【0009】
本発明の杭打機によれば、例えば掘削作業を一時中断して回転駆動装置をリーダの下端から上端に上昇させる際に、昇降速度切替弁を、回転用油圧モータに作動油を供給する経路から昇降用油圧モータに作動油を供給する経路に切り替えることにより、大容量の回転用油圧ポンプから吐出された大量の作動油を昇降用油圧モータに供給することができるので、昇降用油圧モータを高速で回転させて回転駆動装置を高速で上昇させることができ、作業中断時間を短縮して作業効率を向上させることができる。また、昇降用油圧モータの過回転を防止する手段を設けておくことにより、昇降用油圧モータの過回転に起因する不都合から昇降用油圧モータなどを保護することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の杭打機の一形態例を示す油圧回路図である。
【図2】リーダより長い作業ロッドを使用して地盤改良作業を行っている杭打機の一例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
本形態例に示す杭打機11は、クローラを備えた下部走行体12と、該下部走行体12上に旋回可能に設けられた上部旋回体13とで構成されたベースマシン14と、上部旋回体13の前部に設けられたフロントブラケット15に起伏可能に設けられたリーダ16と、該リーダ16を後方から支持する起伏シリンダ17と、前記リーダ16に昇降可能に設けられた回転駆動装置18と、該回転駆動装置18を昇降用チェーン19を介して昇降させるための昇降用油圧モータ20と、回転駆動装置18に装着した作業ロッド21を回転駆動するための回転用油圧モータ22と、回転駆動装置18で作業ロッド21を保持するための上部チャック23と、リーダ16の下部で作業ロッド21を保持するための下部チャック24とを備えており、運転室25を備えた上部旋回体13内に、油圧ポンプやコントロール弁などを備えた油圧ユニットと、前記油圧ポンプを駆動するためのエンジンなどが収容されている。また、作業ロッド21の上下方向中間部と上端部には、回転駆動装置18による回転力を伝達する中間角軸部21aと上部角軸部21bとが設けられるとともに、上部チャック23や下部チャック24によって作業ロッド21を保持するための中間チャック部21cと上部チャック部21dとが設けられている。
【0012】
図1に示すように、前記昇降用油圧モータ20や回転用油圧モータ22に作動油を供給するための油圧回路は、主要な構成要素として、油圧ポンプ駆動用のエンジン31と、前記回転用油圧モータ22に作動油を供給する一対の可変容量型の低速回転用油圧ポンプ32a及び高速回転用油圧ポンプ32bと、前記昇降用油圧モータ20に作動油を供給する昇降用油圧ポンプ33と、オイルクーラ用油圧ポンプ34と、パイロット用油圧ポンプ35と、両回転用油圧ポンプ32a,32bから回転用油圧モータ22に供給する作動油の流れをそれぞれ制御する回転制御用コントロール弁36a,36bと、昇降用油圧ポンプ33から昇降用油圧モータ20に供給する作動油の流れを制御する昇降制御用コントロール弁37とを備えるとともに、その他、これらを接続する配管経路、上部チャック23や下部チャック24を作動させるチャック回路などを、従来の一般的な杭打機の油圧回路と同様に備えており、前記両回転用油圧ポンプ32a,32bと前記昇降用油圧ポンプ33とは、地盤改良作業を含む各種作業中における前記回転用油圧モータ22が必要とする回転数(出力)と、昇降用油圧モータ20が必要とする回転数(出力)との関係から、両回転用油圧ポンプ32a,32bには、昇降用油圧ポンプ33に比べて吐出量の多い大容量の油圧ポンプが用いられている。
【0013】
そして、本形態例では、前記油圧回路において、高速回転用油圧ポンプ32bから回転制御用コントロール弁36bを介して回転用油圧モータ22に作動油を供給する回転用経路41の途中の回転制御用コントロール弁36bの上流側で、高速回転用油圧ポンプ32bから吐出された作動油を前記昇降用油圧モータ20に供給する高速昇降用経路42を分岐させるとともに、回転用経路41と高速昇降用経路42との分岐点に、高速回転用油圧ポンプ32bから吐出された作動油を、前記回転用経路41と前記高速昇降用経路42とのいずれか一方の経路に切替供給するための昇降速度切替用コントロール弁43を設けている。
【0014】
このような油圧回路を備えた杭打機11でリーダ16の約2倍の長さを有する作業ロッド21を使用して地盤改良作業を行う際には、まず、エンジン31を作動させて各ポンプを駆動するとともに、リーダ16の上端に上昇させた回転駆動装置18の回転駆動部に作業ロッド21を挿通するとともに、作業ロッド21の中間チャック部21cを回転駆動装置18の上部チャック23で保持した状態とする。このとき、作業ロッド21の先端(下端)に装着されている掘削撹拌ヘッド21eは地面より上にあり、杭打機11は、施工場所への走行や上部旋回体13の旋回が可能な状態となっている。
【0015】
施工場所において、昇降速度切替用コントロール弁43を回転用油圧モータ22に作動油を供給する状態(中立状態)に切り替え、高速回転用油圧ポンプ32bから回転用経路41の上流側経路41aに吐出された作動油を、昇降速度切替用コントロール弁43を通過させて回転制御用コントロール弁36bから回転用油圧モータ22に供給する状態とし、回転制御用コントロール弁36a,36bを操作して両回転用油圧ポンプ32a,32bから供給される作動油によって回転駆動装置18の回転用油圧モータ22を作動させ、作業ロッド21を所定の回転速度で回転させるとともに、昇降制御用コントロール弁37を操作して昇降用油圧ポンプ33から吐出された作動油を、昇降用経路44を介して昇降用油圧モータ20の正回転側に供給し、昇降用チェーン19を介して回転駆動装置18をリーダ16に沿って所定速度で下降させる。同時に、図示しないバッチャプラントから供給される地盤改良剤を作業ロッド21内の流路を通して掘削撹拌ヘッド21eから地中に注入し、回転しながら下降している掘削撹拌ヘッド21eで掘削した土砂と地盤改良剤とを撹拌混合する。また、回転用油圧モータ22に供給する作動油を、必要に応じて低速回転用油圧ポンプ32aのみから、あるいは、両回転用油圧ポンプ32a,32bの双方からを選択することによって作業ロッド21の回転数をあらかじめ設定された回転数に調節する。また、回転駆動装置18の下降速度も、あらかじめ設定された下降速度に制御する。
【0016】
図2(a)に示すように、回転駆動装置18がリーダ16の下端に達したら、回転制御用コントロール弁36a,36b及び昇降制御用コントロール弁37を停止状態(中立状態)とし、作業ロッド21の回転及び回転駆動装置18の下降を停止して作業を一時中断する。そして、作業ロッド21の保持を回転駆動装置18の上部チャック23から下部チャック24に切り替えた後、昇降速度切替用コントロール弁43を操作し、高速回転用油圧ポンプ32bから前記上流側経路41aに吐出された作動油を昇降速度切替用コントロール弁43によって前記高速昇降用経路42に供給する。これにより、高速回転用油圧ポンプ32bから昇降用油圧モータ20の逆回転方向に大量の作動油が供給され、昇降用油圧モータ20が高速で逆回転することにより、作業ロッド21の保持を解除した回転駆動装置18をリーダ16に沿って迅速に上昇させる。
【0017】
このように、高速回転用油圧ポンプ32bから吐出された作動油の経路を、昇降速度切替用コントロール弁43によって回転用経路41から高速昇降用経路42に切り替え、昇降用油圧ポンプ33に比べて大容量の高速回転用油圧ポンプ32bから吐出された大量の作動油を昇降用油圧モータ20に供給することにより、昇降用油圧ポンプ33から昇降用経路44を介して作動油を供給する場合に比べて昇降用油圧モータ20を高速で回転させることができ、回転駆動装置18の上昇速度を大幅に向上させることができる。例えば、昇降用油圧ポンプ33の吐出量に対して高速回転用油圧ポンプ32bの吐出量が2倍のときには、回転駆動装置18を2倍の速度で上昇させることが可能である。
【0018】
図2(b)に示すように、高速回転用油圧ポンプ32bを利用して回転駆動装置18をリーダ16の上端まで上昇させた後、作業ロッド21の保持を下部チャック24から上部チャック23に切り替えて回転駆動装置18で作業ロッド21の上部を保持した後、昇降速度切替用コントロール弁43を回転用経路41に作動油を供給する位置に戻してから、前記同様に、回転制御用コントロール弁36a,36bを操作して両回転用油圧ポンプ32a,32bからの作動油を回転用経路41を介して回転用油圧モータ22に供給することにより作業ロッド21を回転させながら、昇降制御用コントロール弁37を操作して昇降用油圧ポンプ33からの作動油を昇降用経路44を介して昇降用油圧モータ20の正回転方向に供給し、回転駆動装置18をリーダ16に沿って下降させる。
【0019】
あらかじめ設定された深度まで掘削した後、回転制御用コントロール弁36a,36bを操作して両回転用油圧ポンプ32a,32bから回転用油圧モータ22に作動油を供給して作業ロッド21を所定の回転数で回転させながら、昇降制御用コントロール弁37を逆方向に操作して昇降用油圧ポンプ33から昇降用油圧モータ20の逆回転方向に作動油を供給し、昇降用油圧モータ20を逆回転させて回転駆動装置18をリーダ16に沿って所定の上昇速度で上昇させ、作業ロッド21を地中から引き抜いていく。
【0020】
図2(b)に示すように、回転駆動装置18がリーダ16の上端まで上昇したら、回転制御用コントロール弁36a,36b及び昇降制御用コントロール弁37を停止状態にして作業ロッド21の回転及び回転駆動装置18の上昇を停止して作業を一時中断するとともに、作業ロッド21の保持を上部チャック23から下部チャック24に切り替え、昇降速度切替用コントロール弁43を操作して高速回転用油圧ポンプ32bからの作動油を前記高速昇降用経路42の正回転側に供給する状態とし、昇降用油圧モータ20を正回転方向に回転させて回転駆動装置18をリーダ16に沿って下降させる。このときも、高速回転用油圧ポンプ32bから昇降用油圧モータ20へ作動油を大流量で供給することになるので、回転駆動装置18の下降速度を大幅に向上させることができる。
【0021】
図2(a)に示すように、回転駆動装置18がリーダ16の下端に達したら、作業ロッド21の保持を下部チャック24から上部チャック23に切り替えて回転駆動装置18で作業ロッド21の中間部を保持するようにした後、回転制御用コントロール弁36a,36bを操作して両回転用油圧ポンプ32a,32bから回転用油圧モータ22に作動油を供給して作業ロッド21を所定の回転数で回転させながら、昇降制御用コントロール弁37を逆方向に操作して昇降用油圧ポンプ33から昇降用油圧モータ20の逆回転方向に作動油を供給し、昇降用油圧モータ20を逆回転させて回転駆動装置18を所定の上昇速度でリーダ16に沿って最上部まで上昇させる。これにより、一つの作業場所の地盤改良作業が終了する。
【0022】
このように、作業を一時中断して回転駆動装置18による作業ロッド21の保持位置を中間部から上部に、あるいは、上部から中間部に変更する際に、昇降用油圧モータ20への作動油の供給を、昇降用油圧ポンプ33から大容量の高速回転用油圧ポンプ32bへとに切り替えることにより、作業ロッド21の保持を解除した回転駆動装置18を高速で昇降させることができるので、作業の一時中断時間を短縮することができ、一つの作業現場で多数の地盤改良を行う際の全体の作業時間を大幅に短縮して作業効率を大幅に向上させることができる。
【0023】
また、前記昇降用油圧モータ20に、過回転を防止する手段として、該昇降用油圧モータ20の回転数を検出する回転数検出器を設けておき、該回転数検出器で検出した昇降用油圧モータ20の回転数があらかじめ設定された回転数を超えたときに、ブザーやランプで警告を発生するように形成することにより、昇降用油圧モータ20を過回転状態にすることがなくなり、昇降用油圧モータ20の過回転に起因する様々な不都合、例えば、昇降用油圧モータ20の焼き付き、昇降用チェーン19の切断、リーダ16と回転駆動装置18との間に設けられた昇降ガイド部材の損傷などのトラブルの発生を未然に防止することができる。
【0024】
なお、本形態例では、杭打機を使用して地盤改良作業を行う例を挙げたが、地中に鋼管杭を継ぎ足して埋設する鋼管杭の埋設作業にも適用することができ、地盤改良と鋼管埋設とを兼用した杭打機に限らず、地盤改良専用機や鋼管埋設専用機にも適用することができる。また、昇降用油圧モータ20の過回転を防止する手段として、回転数検出器で検出した昇降用油圧モータ20の回転数に応じてバイパス弁を開閉するなどの制御を行うことにより、昇降用油圧モータ20の過回転を自動的に防止することも可能である。さらに、本形態例では、昇降速度切替用コントロール弁43を回転制御用コントロール弁36bの上流側に直列で配置しているが、回転用経路41から高速昇降用経路42を分岐させた後、回転用経路41に回転制御用コントロール弁36bを、分岐後の高速昇降用経路42に昇降速度切替用コントロール弁43をそれぞれ設けるようにすることもできる。また、回転制御用コントロール弁36bの下流側の回転用経路41に、昇降速度切替弁となる流路切替弁を設け、この流路切替弁によって作動油の流路を回転用経路41と高速昇降用経路42とに切り替えるようにすることもできる。
【符号の説明】
【0025】
11…杭打機、12…下部走行体、13…上部旋回体、14…ベースマシン、15…フロントブラケット、16…リーダ、17…起伏シリンダ、18…回転駆動装置、19…昇降用チェーン、20…昇降用油圧モータ、21…作業ロッド、21a…中間角軸部、21b…上部角軸部、21c…中間チャック部、…、21d…上部チャック部、21e…掘削撹拌ヘッド、22…回転用油圧モータ、23…上部チャック、24…下部チャック、25…運転室、31…エンジン、32a…低速回転用油圧ポンプ、32b…高速回転用油圧ポンプ、33…昇降用油圧ポンプ、34…オイルクーラ用油圧ポンプ、35…パイロット用油圧ポンプ、36a,36b…回転制御用コントロール弁、37…昇降制御用コントロール弁、38…、39…、41…回転用経路、42…高速昇降用経路、43…昇降速度切替弁(昇降速度切替用コントロール弁)、44…昇降用経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ベースマシンに立設したリーダに沿って昇降可能に設けられた回転駆動装置と、該回転駆動装置を前記リーダに沿って昇降させるための昇降用油圧モータと、該昇降用油圧モータに作動油を供給する昇降用油圧ポンプと、前記回転駆動装置に装着した作業ロッドを回転駆動するための回転用油圧モータと、該回転用油圧モータに作動油を供給する回転用油圧ポンプとを備えた杭打機において、前記回転用油圧ポンプとして前記昇降用油圧ポンプより大容量の油圧ポンプを設置し、回転用油圧ポンプから回転用油圧モータに作動油を供給する経路の途中に、回転用油圧ポンプから吐出された作動油を前記昇降用油圧モータに供給する経路を設けるとともに、回転用油圧ポンプから吐出された作動油を前記昇降用油圧モータに供給する昇降速度切替弁を設けたことを特徴とする杭打機。
【請求項2】
前記昇降用油圧モータは、該昇降用油圧モータの過回転を防止する手段を備えていることを特徴とする請求項1記載の杭打機。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2012−102493(P2012−102493A)
【公開日】平成24年5月31日(2012.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−250423(P2010−250423)
【出願日】平成22年11月9日(2010.11.9)
【出願人】(000004617)日本車輌製造株式会社 (722)
【Fターム(参考)】