説明

枕木下の道床を突き固めるための方法

【課題】突固めユニットの動作最適化が得られる方法を提供する。
【解決手段】各突固めサイクル(sz)を、突固めツール(2)が振動される振動シーケンス(x)と、突固めツール(2)が振動しない無振動シーケンス(y)とから構成するようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、軌道の枕木下の道床を突き固めるための方法であって、高さ調節可能な突固めユニットに支承された突固めツールを、液圧式の締込み駆動装置によって軌道長手方向で相互に締め込むことができ且つ振動駆動装置によって振動させることができ、突固めユニットを、突固めの度に反復する突固めサイクルで、突固めツールを道床に侵入させるために下降させ、道床を突き固めた後に上昇させ、最後に次の枕木の下を突き固めるために送り運動させる形式のものに関する。
【背景技術】
【0002】
軌道の枕木下の道床を突き固めるための突固めユニットは、例えば米国特許第4240352号明細書、オーストリア国特許第339358号明細書、ヨーロッパ特許第0331956号明細書又は米国特許第4068595号明細書等に基づいて既に多様に公知である。突固めツールに作用する振動は、偏心軸によって又はリニア駆動装置における液圧パルスによって形成することができ、前記リニア駆動装置は、同時に突固めツールの締込み運動も実施する。
【特許文献1】米国特許第4240352号明細書
【特許文献2】オーストリア国特許第339358号明細書
【特許文献3】ヨーロッパ特許第0331956号明細書
【特許文献4】米国特許第4068595号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明の課題は、突固めユニットの動作最適化が得られる、冒頭で述べた形式の方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
この課題を解決するために本発明では、各突固めサイクルを、突固めツールが振動される振動シーケンスと、突固めツールが振動しない無振動シーケンスとから構成するようにした。
【発明の効果】
【0005】
この方法によって、突固めツールの振動は本来の作業動作に低減され、これにより、振動の結果生じる突固めユニットへの不都合な影響若しくは騒音の形の環境への不都合な影響が、従来の持続振動に比べて約3分の2だけ低減可能である。作業室内で作業員に不都合に作用する振動も、著しく減少される。
【0006】
本発明の別の有利な改良は従属請求項に記載されている。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下に、本発明を実施するための最良の形態を図面につき詳しく説明する。
【0008】
図1及び図2に示した突固めユニット1は、それぞれ突固めツール2と結合された、レバーとして働く2つの突固め工具3を有しており、これらの突固め工具3は、通常枕木4に面して延びる機械長手方向5で互いに隔てられている。突固め工具3は、旋回軸線6を中心として旋回可能に工具支持体7に支承されており且つそれぞれ液圧式の締込み駆動装置8と結合されている。この締込み駆動装置8は、それぞれ枢着箇所9を介して工具支持体7に枢着されており、この工具支持体7は、駆動装置10によって突固め機械12(図1)の機械フレーム11に対して相対的に高さ調節可能である。突固め機械12は、走行駆動装置13によって軌道14上を移動可能である。
【0009】
リニア駆動装置として働く締込み駆動装置8は、リニアな締込み運動15のみならず、同時に(例えばオーストリア国特許第339358号明細書、ヨーロッパ特許第0331956号明細書又は米国特許第4068595号明細書に基づき)公知の形式で突固めツール2に必要な振動を振動駆動装置18(概略的に図示)によって発生させるように構成されている。このためには、距離センサ16の設けられた締込み駆動装置8は、液圧装置(図示せず)の適当なサーボ弁によって制御される。これにより、締込み速度、振動振幅、振動振幅形状及び周波数が規定され得る。
【0010】
図3には、線aで突固めツール2の持ち上げられた状態が示されており、この持ち上げられた状態では、突固めツール2は枕木4の上位に位置しており且つ突固め機械12の前進によって支障無く機械長手方向5で運動可能である。線aの下に位置する線bによって突固めツール2の最下位の位置が示されており、この最下位の位置で締込み運動15によって枕木4の下位に位置する道床17の突固めが実施される。最下位の線tは、突固め動作に必要な時間及び振動周波数fを示している。
【0011】
突固めサイクルszは、駆動装置10の作動及び突固めユニット1の下降によるAからBへの突固めツール2の下降運動で開始する。次いで、両締込み駆動装置8の作動に基づいて、侵入した両突固めツール2の相互締込み運動15(BからC)が行われ、これにより、両突固めツール2間に位置する道床17が突き固められる。道床を突き固めた後に、突固めツール2の上昇(CからD)及び突固めユニット1の次の枕木4への前進(DからE)が行われる。これを以て、枕木4の下の道床を突き固めるために必要な突固めサイクルszが終了する。
【0012】
これと平行して、前記下降運動(A点)を以て突固めツール2を振動させるための振動駆動装置18が作動され且つ突固めユニット1の上昇(C点)を以て自動的に停止される。従って、各突固めサイクルszは、A〜Cまで続く振動シーケンスxと、C〜Eまで続く無振動シーケンスyとから構成されている。
【0013】
その結果、今や突固めツール振動の不都合な影響は著しく減少され、突固めユニット1の著しく長い耐用年数が期待される。更に、騒音発生が低下される。侵入動作中(A〜B)に振動周波数を高め(例えば60ヘルツ)且つ突固め動作中(B〜C)は有利であることが判った35ヘルツの周波数に低下させることは利点であり且つ簡単に実現可能である。これにより、特に団結した道床の場合に突固めツール2の容易な侵入延いては突固め能力の向上が保証されている。
【0014】
振動する突固めツール2の振幅は、振動駆動装置18の電子制御装置によって規定されてよい。従って、振幅は支配的な動作条件に簡単に適合され得る(例えば緩い道床における比較的大きな突固め振幅)。振幅の形状も影響されてよい。例えば、1振幅中の突固めツール2の前進運動は、後退運動よりも低速であってよい(鋸歯状振幅)。締込み速度も動作条件に適合され得る。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】突固め機械を示した図である。
【図2】突固めユニットを示した図である。
【図3】突固めツールの下降運動及びこれに平行した個別振動シーケンスを示した図である。
【符号の説明】
【0016】
1 突固めユニット、 2 突固めツール、 3 突固め工具、 4 枕木、 5 機械長手方向、 6 旋回軸線、 7 工具支持体、 8 締込み駆動装置、 9 枢着箇所、 10 駆動装置、 11 機械フレーム、 12 突固め機械、 13 走行駆動装置、 14 軌道、 15 締込み運動、 16 距離センサ、 17 道床、 18 振動駆動装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
軌道の枕木下の道床を突き固めるための方法であって、高さ調節可能な突固めユニット(1)に支承された突固めツール(2)を、液圧式の締込み駆動装置(8)によって軌道長手方向で相互に締め込むことができ且つ振動駆動装置(18)によって振動させることができ、突固めユニット(1)を、突固めの度に反復する突固めサイクル(sz)で、突固めツール(2)を道床(17)に侵入させるために下降させ、道床(17)を突き固めた後に上昇させ、最後に次の枕木(4)の下を突き固めるために送り運動させる形式のものにおいて、
各突固めサイクル(sz)を、突固めツール(2)が振動される振動シーケンス(x)と、突固めツール(2)が振動しない無振動シーケンス(y)とから構成することを特徴とする、枕木下の道床を突き固めるための方法。
【請求項2】
振動シーケンス(x)において、突固めツール(2)を道床(17)に侵入させ且つ道床突固めのために相互に締め込む、請求項1記載の方法。
【請求項3】
無振動シーケンス(y)において、突固めツール(2)を上昇させて、次の突固めのために送り運動させる、請求項1記載の方法。
【請求項4】
振動シーケンス(x)を、突固めツール(2)のそれぞれ異なる突固め周波数(f)を有する2つの連続区分から構成する、請求項1又は2記載の方法。
【請求項5】
突固めツール(2)を道床(17)への侵入中に、後続の突固めツール(2)の締込み運動中の締込み周波数と比べて高められた侵入周波数で振動させる、請求項4記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2006−125188(P2006−125188A)
【公開日】平成18年5月18日(2006.5.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−314786(P2005−314786)
【出願日】平成17年10月28日(2005.10.28)
【出願人】(390014421)フランツ プラツセル バーンバウマシーネン−インズストリーゲゼルシヤフト ミツト ベシユレンクテル ハフツング (29)
【氏名又は名称原語表記】Franz Plasser Bahnbaumaschinen−Industriegesellschaft m.b.H.
【住所又は居所原語表記】Johannesgasse 3,Wien 1,Austria
【Fターム(参考)】