説明

枕部付き抱き枕

【課題】本発明は、枕部の高さ及び硬さが調節でき、かつ、快適な睡眠が得られる枕部付き抱き枕を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明に係る枕部付き抱き枕Aは、腕と足とを絡ませて抱きつくための抱き枕本体10と、該抱き枕本体10に連設された頭部を載置するための枕部20とから構成され、該枕部20は、枕部側地30と、該枕部側地30に内包される中材40とからなり、該枕部側地30は、中材40の出し入れが可能な開閉部35が設けられており、中材40は、複数のクッション体41、42、43を積み重ねて構成されていることを特徴とするものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、抱き枕に関し、特に身体の頭部を載置するための枕部を備えた枕部付き抱き枕に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、就寝時に、掛け布団や毛布を丸め、これに抱きつくようにして寝ると安眠が得られるという人があり、そのために抱き枕が提案され、使用されている。下記特許文献1〜3に示される抱き枕は、その改良型であり、抱き枕本体に複数のクッション体を出し入れ可能に内蔵させたものであり、クッション体を入れ替えることにより、使用者の要望に応じた抱き心地感が得られる形態に変形して使用できるようにしたものである。また、下記特許文献4及び5には、身体の頭部を載置するための枕部を備えた抱き枕が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2008−73281号公報
【特許文献2】特開2008−188157号公報
【特許文献3】特開2009−11795号公報
【特許文献4】実用新案登録第3037495号公報
【特許文献5】特開2005−185739号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上記のように抱き枕本体に対して種々の改良がなされているが、枕部に対しての改良が進んでいないのが現状である。快適な安眠が得られるために、枕の高さや硬さが重要視されていることは詳述するまでもない。また、枕部を備えた抱き枕を使用している場合は横臥状態にあることが多く、そのため身体の耳を枕部に押し付けて寝ることになるので、その姿勢を長く続けることに不快を覚えると、短時間で寝返りを打ってしまうことになり、結局、寝苦しいということになる。
【0005】
そこで、本発明者は、鋭意研究を重ね、枕部の高さ及び硬さが調節でき、かつ、快適な睡眠が得られる枕部付き抱き枕を開発した。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明に係る枕部付き抱き枕は、腕と足とを絡ませて抱きつくための抱き枕本体と、該抱き枕本体に連設された頭部を載置するための枕部とから構成され、該枕部は、枕部側地と、該枕部側地に内包される中材とからなり、該枕部側地は、中材の出し入れが可能な開閉部が設けられており、中材は、複数のクッション体を積み重ねて構成されていることを特徴とするものである。このように構成したことにより、本発明に係る枕部付き抱き枕は、枕部に内包される中材が複数のクッション体より構成され、枕部側地が中材の出し入れを可能としているため、クッション体を出し入れすることが可能となる。
【0007】
また、上記の構成における枕部側地は、枕部を厚み方向に貫通する貫通孔が枕部の中央部に形成されるように構成され、クッション体は、枕部側地の貫通孔を避けた形状をなすように構成してもよい。このように構成すれば、該貫通孔に耳をあてがうように横臥すれば、耳を枕部に押し付けることがなくなる。
【0008】
さらに、上記の構成における複数のクッション体のうち少なくとも1つは、他のクッション体と材質が異なる構成としてもよい。
【発明の効果】
【0009】
上記のように本発明に係る枕部付き抱き枕は、枕部に内包されるクッション体が出し入れ可能であるため、枕部の高さを調整することが可能となる。また、枕部中央部の貫通孔に耳をあてがうように横臥すれば、耳を枕部に押し付けることがなくなり、耳が横圧されることによる不快さが解消できて安眠が得られる。さらに、硬さの異なる材質のクッション体を複数内包しておけば、好みの硬さに応じたクッション体を最上部に積み重ねることにより好みに応じた枕部を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施例に係る枕部付き抱き枕の斜視図である。
【図2】本発明の実施例に係る枕部付き抱き枕の枕部の中央縦断面図である。
【図3】本発明の実施例に係る枕部付き抱き枕の枕部に内包されるクッション体の斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明に係る枕部付き抱き枕について、添付の図面に基づき詳細に説明する。
【実施例】
【0012】
図1〜図3において、Aは本実施例に係る枕部付き抱き枕を示し、該枕部付き抱き枕Aは、抱き枕本体10と、枕部20とから構成される。抱き枕本体10は、腕と足とを絡ませて抱きつきやすくするため、空豆の鞘形状をなす抱き枕本体側地11とその内部に内包されたクッション性のある中材12とから構成される。
【0013】
枕部20は、身体の頭部を載置するものであって、抱き枕本体側地11と区画壁21を介して連設された枕部側地30と、その内部に内包される中材40とから構成される。
【0014】
該枕部側地30は、その周面31を構成するシート部と上下面32、33を構成するシート部と中央を枕部の厚み方向に貫通する貫通孔34を形成するシート部とから構成され。中材40を収納したときに、中央が貫通するドーナツ状をなすように構成されている。また、上面32の周縁には、中材40の出し入れが可能なようにライドファスナーにより開閉自在とした開閉部35が設けられている。
【0015】
中材40は、3箇のクッション体41、42、43とから構成され、各クッション体は、図2に示すように、枕部側地30内に積み重ねて収納される。各クッション体41、42、43は、図3に示すように、それぞれ中央に貫通孔41a、42a、43aを有し、該貫通孔41a、42a、43aはクッション体外部から通じる開口部41b、42b、43bを備えた馬蹄形の形状をなしている。そして、枕部側地30に各クッション体を収納する際には、枕部側地30の貫通孔34が各クッション体の開口部41b、42b、43bに挿入されるように貫通孔34に開口部41b、42b、43bを押し込んで、貫通孔34が各クッション体の貫通孔41a、42a、43aに収まるように、各クッション体は枕部側地30の貫通孔34を避けた形状に形成されている。
【0016】
前記各クッション体41、42、43は、それぞれクッション体側地41c、42c、43cとその内包材41d、42d、43dとから構成され、前述した馬蹄状の形状をなすように構成されている。クッション体41を構成するクッション体側地41cに収納される内包材41dは粒綿であり、クッション体41がソフトな感触を持つように構成されている。クッション体42を構成するクッション体側地42cに収納される内包材42dはやや硬質のスポンジ体であり、その厚みは、クッション体41とほぼ同一にしている。クッション体43を構成するクッション体側地43cに収納される内包材43dはやや硬質のスポンジ体であり、その厚みは、クッション体42を構成する内包材42dの2倍に設計されている。
【0017】
次に上記枕部付き抱き枕Aの枕部20の形成方法について詳述する。枕部側地30の開閉部35を開放して、枕部側地30の内部に積層されるように中材40、すなわちクッション体41、42、43を押し入れる。その際、枕部側地の貫通孔34に各クッション体の開口部41b、42b、43bを押し込んで、各クッション体の貫通孔41a、42a、43aに枕部側地の貫通孔34が収まるように構成して、枕部20がドーナツ状をなすようにする。そして、試験的に枕部付き抱き枕Aを横に倒し、その抱き枕本体10に横臥状態で抱きつくと共に枕部20に身体の頭部を載置する。その結果、枕部20が高く感ずる場合には、中材40のうちの厚みの小さい方のクッション体42を枕部側地30から抜き取って、前述のように試験使用する。その結果、未だ枕部20が高く感ずる場合には、中材40のうちの厚みの高い方のクッション体43を枕部側地30から抜き取ると共に厚みの低い方のクッション体42を枕部側地30に収納して、前述のように試験使用する。その結果、未だ枕部20が高く感ずる場合には、中材40のうちのクッション体42を枕部側地30から抜き取り、すなわち、厚みの低い方のクッション体42及び厚みの高い方のクッション体43の両方を抜き取って、前述のように試験使用する。このようにして枕部20の高さを調整する。また、クッション体41を最上層に積み重ねた場合には、クッション体41の内包材41dが粒綿よりなるためソフト感がある。しかし、少し硬めの方が寝やすいということであれば、前記クッション体41とスポンジ体を内包材とするクッション体42とを入れ替える。
【0018】
以上のように、本実施例に係る枕部付き抱き枕Aは、枕部20に内包されている中材40が複数のクッション体41、42、43を積み重ねてなるものであり、その出し入れが自在であるから、クッション体のいずれかを適宜抜き取ることにより高さ調節が可能となる。また、クッション体の内包材41d、42d、43dの材質が異なるため、硬さ調節が可能となる。さらに、枕部20の中央部に貫通孔34を形成したため、該貫通孔34に耳をあてがうように横臥すれば、耳を枕部に押し付けることがなくなる。したがって、本実施例に係る枕部付き抱き枕Aは、これを就寝時に使用すれば、快適な睡眠が得られる。
【符号の説明】
【0019】
A・・・枕部付き抱き枕
10・・抱き枕本体 11・・抱き枕本体側地
12・・抱き枕本体の中材
20・・枕部 21・・区画壁
30・・枕部側地 31・・枕部側地の周面
32・・枕部側地の上面 33・・枕部側地の下面
34・・枕部側地の貫通孔 35・・枕部側地の開閉部
40・・枕部の中材
41・・クッション体 41a・クッション体の貫通孔
41b・クッション体の開口部 41c・クッション体側地
41d・クッション体の内包材(粒綿)
42・・クッション体 42a・クッション体の貫通孔
42b・クッション体の開口部 42c・クッション体側地
42d・クッション体の内包材(スポンジ体)
43・・クッション体 43a・クッション体の貫通孔
43b・クッション体の開口部 43c・クッション体側地
43d・クッション体の内包材(スポンジ体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
腕と足とを絡ませて抱きつくための抱き枕本体と、該抱き枕本体に連設された頭部を載置するための枕部とから構成され、
該枕部は、枕部側地と、該枕部側地に内包される中材とからなり、
該枕部側地は、中材の出し入れが可能な開閉部が設けられており、
中材は、複数のクッション体を積み重ねて構成されている
ことを特徴とする枕部付き抱き枕。
【請求項2】
枕部側地は、枕部を厚み方向に貫通する貫通孔が枕部の中央部に形成されるように構成され、
クッション体は、枕部側地の貫通孔を避けた形状をなしている
ことを特徴とする請求項1に記載の枕部付き抱き枕。
【請求項3】
複数のクッション体のうち少なくとも1つは、他のクッション体と材質が異なることを特徴とする請求項1又は2に記載の枕部付き抱き枕。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate


【公開番号】特開2012−24285(P2012−24285A)
【公開日】平成24年2月9日(2012.2.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−165062(P2010−165062)
【出願日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【出願人】(591034143)西川リビング株式会社 (27)
【Fターム(参考)】