説明

枚葉印刷機のシート案内装置およびこれを用いた枚葉印刷機

【課題】 シートを安定して搬送し、シートへの傷入りを防止できる枚葉印刷機のシート案内装置を提供する。
【解決手段】 チェーングリッパ19のシート搬送経路に沿ってシート9の搬送方向に延在するように配設され、内側に搬送方向に延在する空間部分41を有する少なくとも一本のガイド35と、ガイド35の空間部分41に係合しそれに沿って移動する部分を含むシート搬送経路に沿った移動経路を有し、シート9と同じ方向に略同等の速度で周回移動するエンドレスベルト37と、空間部分41に係合する吸引手段39と、を備え、エンドレスベルト37は、ガイド35からチェーングリッパ19側に突出したドブ10幅よりも狭い幅の突出部53を有し、突出部53のシート9に対向する案内面55には、空間部分41と連通する複数の連通孔57が長手方向に間隔を空けて備えられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枚葉印刷機のシート案内装置およびこれを用いた枚葉印刷機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
枚葉印刷機の排紙部では、印刷ユニットで印刷されたシートは、圧胴からチェーングリッパにくわえ替えされ、排紙台まで搬送される。この時、チェーングリッパはシートの先端部を保持しているだけであるので、その走行に伴い全体が大きく波打つ傾向がある。
この波打ちによってシートが周囲の部材と接触してこすれ、シートに傷や、汚れが発生する可能性があった。
【0003】
これを防止してシートを安定した姿勢で搬送するものとして、例えば、特許文献1に示されるようにシート搬送経路に沿ってガイドを設け、ガイド表面から空気を噴出してシートを浮上させつつ案内するものがある。
しかし、これは、紙厚、紙サイズあるいは印刷速度等の条件が変わるとシートの挙動が変化するので、その都度空気噴出量、速度等を調整する必要がある。この調整のため、印刷準備に時間がかかったり、損紙が多く発生したりしている。
このように調整しても、印刷作業時の条件変動によってシートがばたつきシート表面がガイドに接触することは完全には防止できない。
特に、両面印刷のように、十分に乾燥していない印刷面をガイドする場合には大きな問題となる。
【0004】
これを解消するものとして、特許文献2に示されるように、空気噴射式のガイドとチェーングリッパとの間に、シートがばたついた場合に案内する棒ガイドを設けたものが提案されている。
棒ガイドは、両面印刷のように、十分に乾燥していない印刷面をガイドするために、絵柄部位を外して非絵柄部位、すなわち、シートの中央と両端部に沿って延在するように設けられている。
【0005】
【特許文献1】特開平11−138752号公報
【特許文献2】特開2002−240977号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献2に示されるものは、棒ガイドがシートの幅方向両端部に設置されているので、シートがばたついた時、シートの端部が棒ガイドから外れ、ガイドに接触する可能性がある。
このため、シートに傷や、汚れが発生するのを確実に防止するには不十分であった。
【0007】
本発明は、上記問題点に鑑み、シートを安定して搬送し、シートへの傷入りを防止できる枚葉印刷機のシート案内装置およびこれを用いた枚葉印刷機を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を採用する。
すなわち、本発明にかかる印刷機は、チェーングリッパによって搬送されるシートを案内する枚葉印刷機のシート案内装置であって、前記チェーングリッパのシート搬送経路に沿ってシートの搬送方向に延在するように配設され、内側に該搬送方向に延在する空間部分を有する少なくとも一本のガイド部材と、該ガイド部材の前記空間部分に係合しそれに沿って移動する部分を含む前記シート搬送経路に沿った移動経路を有し、前記シートと同じ方向に略同等の速度で周回移動するベルト部材と、前記空間部分に係合する空気吸引手段と、を備え、前記ベルト部材は、前記ガイド部材から前記チェーングリッパ側に突出したドブ幅よりも狭い幅の突出部を有し、該突出部の前記シートに対向する案内面には、前記空間部分と連通する複数の連通孔が長手方向に間隔を空けて備えられていることを特徴とする。
【0009】
本発明によれば、ガイド部材およびベルト部材は、ベルト部材の突出部がチェーングリッパで搬送されるシートにあるシートの搬送方向に沿うドブ位置に位置するように設置される。
周回移動するベルト部材は、ガイド部材の空間部分に係合しそれに沿って移動する部分を含むシート搬送経路に沿った移動経路を有しているので、ガイド部材が配置されているところではガイド部材に沿って移動している。
ベルト部材はガイド部材と係合して移動している時、ガイド部材からチェーングリッパ側に突出しているので、突出部の案内面はチェーングリッパで搬送されるシートに対向して移動することになる。
【0010】
空気吸引手段を作動させると、ガイド部材の空間部分から空気が吸引されるので、空間部分と連通している連通孔を介してベルト部材の案内面に吸引力が作用する。
チェーングリッパで搬送されるシートの後端部分は、この案内面に作用する吸引力によってベルト部材に保持される。案内面の幅はドブの幅よりも小さくされているので、絵柄部が保持、すなわち、接触されることはない。
この時、ベルト部材はシートと略同等の速度で同じ方向に移動しているので、シートはベルト部材に保持された状態で一定の姿勢で、安定して搬送されることになる。
このため、シートがばたつき絵柄部が周辺に接触することがないので、シートへの傷入りを防止できる。
また、紙厚、紙サイズあるいは印刷速度等の条件が変わったとしても、シートを常に一定の姿勢で、安定して搬送することができるので、条件変更の都度の調整が容易で、印刷準備時間および損紙量を減少させることができる。
【0011】
なお、ここで「ドブ」とは、シートのサイズと印刷の面付けにおいて、やむなく発生する有効印刷面積以外の余分な落とし余白のことをいう。ドブの幅は常識的には数mm〜10cm程度である。ドブは、幅方向および搬送方向に設けられ、それぞれ両端部分および/または中央部分に設けられる。
したがって、ガイド部材は3本備えられるのが、シートの両側を保持するようにできるので好適である。
【0012】
また、本発明にかかる印刷機では、前記ガイド部材は、幅方向に移動可能とされていることを特徴とする。
【0013】
このように、ガイド部材は、幅方向に移動可能とされているので、シートの大きさが変更された場合に、ガイド部材を幅方向に移動させることによって容易にドブ位置に合わせることができる。
【0014】
また、本発明にかかる枚葉印刷機のシート案内装置では、前記ベルト部材の前記移動経路には、前記シート搬送方向の下流端に案内プーリが備えられ、該案内プーリは前記シート搬送方向に移動可能とされていることを特徴とする。
【0015】
このように、軸部材は、ベルト部材の移動経路には、シート搬送方向の下流端に案内プーリが備えられ、該案内プーリはシート搬送方向に移動可能とされているので、シートの長さによってシート搬送方向の位置を調節される真空車の位置に対応してベルト部材の移動経路を調節することができる。
これにより、ベルト部材によってシートを常に真空車の近くまで案内できるので、真空車とベルト部材との間の隙間を最小とし、この隙間によって発生するシートのばたつきを防止することができる。
この場合、前記案内プーリは、前記シート搬送方向の下流側に備えられたシートにブレーキをかける真空車と一体的に移動するように構成されているのが好適である。
このようにすると、真空車とベルト部材との位置調節が一緒にできるので、調節を簡素化することができる。
【0016】
また、本発明にかかる枚葉印刷機のシート案内装置は、前記案内プーリは、その上部位置を通過する前記ベルト部材の前記連通孔に空気吸引力を及ぼすように構成されていることを特徴とする。
【0017】
このように、案内プーリは、その上部位置を通過するベルト部材の連通孔に空気吸引力を及ぼすように構成されているので、案内プーリを真空車として用いることができる。
これにより、真空車を省略することができるので、構造が簡略化され、安価とすることができる。
【0018】
また、本発明にかかる枚葉印刷機のシート案内装置では、前記ガイド部材が、前記シート搬送方向に直列に配列された複数の分割ガイド部材で形成され、該分割ガイド部材に、それぞれ前記ベルト部材が備えられていることを特徴とする。
【0019】
このように、ガイド部材が、シート搬送方向に直列に配列された複数の分割ガイド部材で形成され、該分割ガイド部材に、それぞれベルト部材が備えられているので、各分割ガイド部材に案内されるベルト部材の移動速度を個別に調節することができる。
例えば、チェーングリッパのシート保持位置が、チェーングリッパの移動経路と変位している場合、チェーングリッパの移動経路の曲率によってシートの移動速度が異なることになるが、分割ガイド部材をシートの移動速度が略一定となる範囲に設定し、ベルト部材の移動速度をそれぞれシートの移動速度に対応した速度とすることができる。
これにより、各ベルト部材をシートと略同等の速度で移動させることができるので、シートは各ベルト部材に保持された状態で一定の姿勢で、安定して搬送されることになる。
このため、シートがばたつき絵柄部が周辺に接触することがないので、シートへの傷入りを防止できる。
【0020】
また、本発明にかかる枚葉印刷機のシート案内装置では、最下流側の分割ガイド部材に備えられた前記ベルト部材の前記移動経路には、前記シート搬送方向の下流端に案内プーリが備えられ、該案内プーリは前記シート搬送方向に移動可能とされていることを特徴とする。
【0021】
このように、最下流側の分割ガイド部材に備えられたベルト部材の移動経路には、シート搬送方向の下流端に案内プーリが備えられ、該案内プーリはシート搬送方向に移動可能とされているので、シートの長さによってシート搬送方向の位置を調節される真空車の位置に対応してベルト部材の移動経路を調節することができる。
これにより、ベルト部材によってシートを常に真空車の近くまで案内できるので、真空車とベルト部材との間の隙間を最小とし、この隙間によって発生するシートのばたつきを防止することができる。
この場合、前記案内プーリは、前記シート搬送方向の下流側に備えられたシートにブレーキをかける真空車と一体的に移動するように構成されているのが好適である。
このようにすると、真空車とベルト部材との位置調節が一緒にできるので、調節を簡素化することができる。
【0022】
また、本発明にかかる枚葉印刷機のシート案内装置では、前記案内プーリは、その上部位置を通過する前記ベルト部材の前記連通孔に空気吸引力を及ぼすように構成されていることを特徴とする。
【0023】
このように、案内プーリは、その上部位置を通過するベルト部材の連通孔に空気吸引力を及ぼすように構成されているので、案内プーリを真空車として用いることができる。
これにより、真空車を省略することができるので、構造が簡略化され、安価とすることができる。
【0024】
また、本発明にかかる枚葉印刷機は、請求項1から請求項9のいずれかに記載された枚葉印刷機のシート案内装置を具備してなることを特徴とする。
【0025】
このように、本発明にかかる枚葉印刷機では、シートを一定の姿勢で、安定して搬送できるシート案内装置を用いているので、シートがばたつき絵柄部が周辺に接触することがなく、シートへの傷入りを防止できる。
【0026】
また、本発明にかかる枚葉印刷機は、印刷部から排紙部に至るシート搬送経路に設けられた、印刷されたシートを搬送するチェーングリッパと、前記シート搬送経路に沿ってシートの搬送方向に延在するように配設されたガイド部材と、該ガイド部材に摺接するように設けられ、シートの搬送に伴って該シート搬送速度と同期して前記搬送方向に移動するベルト部材と、を有する枚葉印刷機であって、前記ベルト部材は、前記ガイド部材摺接面に溝状空間部を備えるとともに、当該溝状空間部に連通しシートと対向する側の案内面に開口する複数の連通孔を備え、前記溝状空間部の空気を吸引する空気吸引手段を有することを特徴とする。
【0027】
このように、前記ベルト部材の前記ガイド部材摺接面に設けた溝状空間部を介して、チェーングリッパにより搬送されるシートのガイド部材の連通孔と対向する部分が吸引されることにより、シート搬送時にシートがガイド部材の案内面により保持されるため、シートのばたつきを効果的に抑制することができる。
【発明の効果】
【0028】
本発明によれば、シートがばたつき絵柄部が周辺に接触することがないので、シートへの傷入りを防止できる。
また、紙厚、紙サイズあるいは印刷速度等の条件が変わったとしても、シートを常に一定の姿勢で、安定して搬送することができるので、条件変更の都度の調整が容易で、印刷準備時間および損紙量を減少させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0029】
以下に、本発明の一実施形態にかかる両面片面兼用の枚葉印刷機(印刷機)1について、図1〜図6を用いて説明する。
図1は、枚葉印刷機1の概略構成を示す模式図である。
枚葉印刷機1は、被印刷物であるシートが供給される上流側から下流側に向けて、図示しない給紙装置と、複数の印刷ユニット5と、排紙装置7とが備えられている。
給紙装置7は、図示しない給紙台の上に積層されたシート9を上から順に一枚ずつ取上げ、順次、次工程の印刷装置5へ供給するユニットである。
【0030】
印刷ユニット5は、印刷する色ごとに複数設けられている。本実施形態では、C(シアン),M(マゼンダ),Y(イエロー)及びBL(ブラック)からなる4色の色によって印刷する4色機が示されており、シート9の表裏両面に印刷するので合計で8つの印刷ユニット5(図示省略)が設けられている。
【0031】
各印刷ユニット5には、版胴11と、この版胴11に対向配置されたゴム胴13と、このゴム胴13に対向配置された圧胴15と、各印刷ユニット5の圧胴15間に配置される中間胴17とが備えられている。
ここで、版胴11の周面に隣接する領域には、図示しないインキ装置と、湿し装置とが対向するように設置されている。
【0032】
インキ装置は、複数のインキローラを備えており、インキが貯留されたインキ壺から順次インキを版胴11側へと供給するようになっている。
湿し装置は、複数のローラを備えており、水舟に貯留された湿し水を版胴11側へ供給するようになっている。
【0033】
版胴11は、印刷用画像が形成された刷版が外周に巻回された円筒状とされている。刷版は、印刷すべき画像毎に作成され、交換される。
版胴11は、図示していないが、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、この位置に、刷版の上流端である版頭および刷版の下流端である版尻を掴んで固定する版締め装置が設けられている。
【0034】
ゴム胴13は、版胴11の刷版上のインキを受け取り、圧胴15との間を通過するシートに対してインキを転移する(オフセット印刷)。ゴム胴13の外周には、弾性材料、例えばゴムで形成されたブランケットが巻回されている。
ゴム胴13は、図示していないが、外周の一部の角度範囲が軸線方向に切り欠かれた状態となっており、この位置に、ブランケットの上流端および下流端を掴んで固定する一対のゴム張り軸が設けられている。
【0035】
圧胴15は、ゴム胴13に対向配置され、円筒状とされている。圧胴15は、版胴11およびゴム胴13の直径の2倍の直径を有する、いわゆる倍胴仕立てとされている。
圧胴15の周面には、シート9の先端を保持する爪装置(図示省略)が軸線中心を挟んで2ヶ所に備えられている。圧胴15は、印刷時にシート9を介してゴム胴13に接触し、ゴム胴13との間に供給されるシート9に対して所望の圧力を与える。これにより、ゴム胴13上のインキをシート9上に転移させる。
【0036】
中間胴17は、各印刷ユニット5の圧胴15間に設けられ、円筒状とされている。中間胴17は、給紙装置3側のものを除いて版胴11およびゴム胴13の直径の2倍の直径を有する、いわゆる倍胴仕立てとされている。
中間胴17の周面には、シート9の先端を保持する爪装置(図示省略)が軸線中心を挟んで2ヶ所に備えられている。中間胴17によって、上流側の圧胴15から下流側の圧胴15へとシート9が送られる。
【0037】
上述のインキ装置、湿し装置、版胴11、ゴム胴13、圧胴15および中間胴17は、それらの周速が略一致するように枚葉印刷機1に設けられた一つのメインモータ(図示せず)によって回転させられる。
つまり、メインモータからの回転力がギアを介して各部材に伝達されるようになっている。
【0038】
排紙装置7には、印刷を終えたシート9の移送手段としてシート9を把持するチェーングリッパ19を備えたエンドレスチェーン21と、チェーン23に懸吊された排紙台25と、この排紙台25の上方に配置された送風ファン27と、シート案内装置29とが備えられている。
【0039】
エンドレスチェーン21は、圧胴15に隣接する排紙軸31と、排紙台25の下流端の上方位置に設置された排紙端軸33と、の間に掛け渡されている。
エンドレスチェーン21の軌道の内側に、シート9の搬送経路に対向して、シート9面を加熱してインキを乾燥するIRランプ22が備えられている。
エンドレスチェーン21は、チェーングリッパ19が排紙軸31の下方を通り、斜め上方に移動し、排紙台の上方位置を略水平に移動し、排紙端軸33の下部から上部に回り、排紙軸31の上部に戻るように駆動されている。
【0040】
シート9は、圧胴15から排紙軸31を回るチェーングリッパ19に受け渡され、排紙端軸33の手前でチェーングリッパ19から離脱されるように構成されている。
この排紙軸31から排紙端軸33の手前までが、シート9の搬送経路を構成している。
排紙台25は、上下方向に移動可能に構成され、チェーングリッパ19から排出されるシート9を積層して保持する。
チェーン23は、シート9の落下距離が略一定となるように排紙台25を徐々に下動させるように制御されている。
【0041】
シート案内装置29について、図2〜図6を参照して説明する。図2は、シート案内装置29の全体概略構成を示す模式図である。図3は、シート案内装置29のシート端部を搬送する部分を拡大して示す斜視図である。図4は、その搬送部分の他の構造例を示す斜視図である。図5は、図2のX−X断面図であり、図6は、図2のY−Y断面図である。
図2に示したように、シート案内装置29には、ガイド(ガイド部材)35と、エンドレスベルト(ベルト部材)37と、吸引手段39と、が備えられている。
ガイド35は断面が凹型の開放部に内側へ向けた出っ張りがある形状をした長尺材であり、長手方向に連通した空間部分41が形成されている。(図3、図5参照)
【0042】
ガイド35は排紙軸13の下部部分から排紙台25の上流側端部分へ至る間に延在し、エンドレスチェーン21と略平行に配置されている。
ガイド35の開放部は、エンドレスチェーン21に面するように配置され、それと反対側の下面には、長手方向に沿って所定間隔を空けて複数の貫通孔43が備えられている。
貫通孔43の所定間隔は少なくとも用いられるシート9の最小長さ以上とされている。
ガイド35は、図5に示されるように、幅方向に3本設けられている。
3本のガイド35は、シート9の搬送方向に設けられたドブ10(絵柄部8がない非印刷部分)に対応する位置に設置されている。
ドブ10の幅は、印刷条件によって異なるが、少なくとも数mm以上とされる。
【0043】
ガイド35の下面には、その長手方向の略中間部にブラケット45が取り付けられている。ブラケット45には、幅方向に延在して設けられたネジ軸47が螺合されており、図示しない駆動源によってネジ軸47が回転されると、ガイド35は幅方向に移動するように構成されている。
なお、例えば、用いられるシート9において中央部のドブ10位置が変化しない場合には、中央部のガイド35は固定して取り付けられてもよい。
また、例えば、用いられるシート9の幅が小さな場合には、両側のガイド35を用いないあるいは設置しないようにしてもよい。
【0044】
エンドレスベルト37は、耐熱性を有する弾性材料、例えば、シリコーンゴム、フッ素ゴム等で形成されている。エンドレスベルト37は断面が凸型をし、ガイド35と摺接する面となる内周面には、全長に亘り断面が略半円形をした溝49が備えられている。
エンドレスベルト37の内側の幅広部51は、ガイド35の空間部分41に嵌合し、外側の突出部53は、空間部分41からエンドレスチェーン21側に突出している。
ガイド35の上方の出っ張りがエンドレスベルト37の幅広部51の外側に係合しているので、排紙軸31の回りのような凹曲線部でもエンドレスベルト37が外側に移動しないように案内できる。
【0045】
突出部53の外側面は平坦な案内面55を形成している。案内面55と溝49とを連通する連通孔57がエンドレスベルト37の長手方向に間隔を空けて複数備えられている。
隣り合う連通孔57の間隔は、隣り合う貫通孔43の間隔よりも小さくされている。
また、案内面55の幅は、例えば、5〜10mmとされ、印刷されるシート9に設けられるドブ10の幅よりも小さくなるようにされている。
【0046】
エンドレスベルト37は、複数のガイドプーリ59、移動ガイドプーリ61および駆動ガイドプーリ(案内プーリ)63によって移動経路が形成されている。
ガイドプーリ59は、位置が固定して設けられ、エンドレスベルト37のガイド35と反対側の戻り経路を案内している。
移動ガイドプーリ61は、エンドレスベルト37のガイド35と反対側の戻り経路に、エンドレスベルト37の案内面55に略直交する方向に移動するように取り付けられている。移動ガイドプーリ61は、エンドレスベルト37のテンションを調節すると共にシート9の搬送方向に沿うエンドレスベルト37の長さを調節する機能を奏するものである。
【0047】
駆動ガイドプーリ63は、シート9の搬送経路におけるエンドレスベルト37の最下流位置に設置されている。
駆動ガイドプーリ63には、可動軸65と、回転駒67と、駆動歯車69が備えられている。
可動軸65は、回転は制限され、シート9の搬送方向および軸線方向に移動可能に設けられている。可動軸65には、上部に向いて分岐した分岐部71が設けられている。
可動軸65および分岐部71には、図示しない吸引源に連通している中空部73が備えられている。
【0048】
回転駒67は、中空円筒形状をし、その周面にエンドレスベルト37の内側の幅広部51が嵌合する嵌合溝75が備えられている。
回転駒67は、可動軸65に回転自在に、かつ、軸方向の移動を制限されて取り付けられ、その内周面は分岐部71の外周部に接するようにされている。嵌合溝75の底部には、分岐部71と係合する位置に、周方向に間隔を空けて複数の貫通孔77が備えられている。
駆動歯車69は、可動軸に回転自在に、かつ、軸方向の移動を制限されて取り付けられ、側面が回転駒67に固定されている。
駆動歯車69は、図示しない駆動源によって駆動される中間歯車79によって回転駆動される。
【0049】
吸引手段39には、吸引ポンプ81と、クッションタンク83と、複数の吸引配管85と、が備えられている。
複数の吸引配管85は、クッションタンク83とガイド35の貫通孔43とを連通し、クッションタンク83の負圧によって貫通孔43を介して空間部分41から空気を吸引するものである。
なお、吸引配管85を複数に分岐させ、隣り合う複数の貫通孔43に接続するようにすると、吸引配管85が輻輳するのを防止できるし、吸引力の平準化が図れる。
【0050】
また、図4に示されるように、ガイド35の下側に、その略全長に亘りダクト87を備えるようにしてもよい。
ダクト87は、コ字断面をし、その開口部がガイド35の下面に固定して取り付けられている。
ダクト87の側面には、長手方向に間隔を空けて吸引配管85が接続される複数の貫通孔89が備えられている。
隣り合う貫通孔89の間隔は、貫通孔43のそれに比べて大きく、例えば、2倍とされているので、その分吸引配管85の数を減らすことができる。
【0051】
以上、説明した本実施形態にかかる枚葉印刷機1の動作について説明する。
まず、枚葉印刷機1の印刷動作について説明する。
シート9は、図示しない給紙装置から1枚ずつ取り出され、印刷ユニット5に供給される。
供給されたシート9は、最初の4つの印刷ユニット5のゴム胴15と圧胴17との間を通過する際に、一面に4色の印刷が施される。その後、一面に印刷が施されたシート9は、下流側に位置する4つの印刷ユニット5を通過する際に、他面に4色の印刷が施される。このように両面印刷が施されたシート9は、排紙装置7へと送られる。
【0052】
両面印刷されたシート9は最後の印刷ユニット5の圧胴15から排紙軸31を巻回するチェーングリッパ19にくわえ替えされる。
チェーングリッパ19は、シートの先端部91をくわえ、エンドレスチェーン21の軌道に沿って移動する。チェーングリッパ19で搬送されるシート9は、排紙台25の上方でくわえを外され、落下し、排紙台25上に積み上げられる。
このとき、未乾燥のインキが上側のシート9の裏に写るのを防止するため、下側のシート9の上にパウダが噴霧される。
【0053】
次に、シート案内装置29の動作について説明する。
駆動ガイドプーリ63をシート9の搬送方向に移動し、駆動ガイドプーリ63が積み上げられるシート9の後端部93の位置よりも少し上流側位置になるようにする。この時、エンドレスベルト37の軌道長さは移動ガイドプーリ61の位置を移動して調節する。
また、3本のガイド35は、ネジ軸47を回転させて、幅方向に移動させ、印刷されたシート9のドブ10位置に対応する位置に位置される。これに伴いエンドレスベルト37の幅方向位置もガイド35に沿うように位置される。
【0054】
そして、駆動ガイドプーリ63が図示しない駆動源によって駆動され、エンドレスベルト37はチェーングリッパ19と略同等の速度でガイド35に沿って移動している。
また、吸引ポンプ81が駆動され、クッションタンク83および吸引配管85を介してガイド35の空間部分41の空気を吸引する。
この吸引力は、溝49および連通孔57を介して移動するエンドレスベルト37の案内面55に作用する。
【0055】
チェーングリッパ19にくわえられたシート9の先端部91は、チェーングリッパ19の移動に伴い排紙台25の方向へ移動する。一方、シート9の後端部93は少し下方に垂れ下がった姿勢で移動する。このシート9に対して案内面55から吸引力が作用するので、シート9の後端部93側はエンドレスベルト37の案内面に吸着される。
したがって、シート9は、図2に示されるように先端部91がチェーングリッパ19に保持され、後端部93側がエンドレスベルト37の案内面55に保持された状態で、チェーングリッパ19およびエンドレスベルト37の移動に応じて下流側に搬送される。
エンドレスベルト37は、シート9の中央部および両端部を保持しているので、シート9のばたつきを確実に防止することができる。また、シート9の下方への落ち込み(位置ずれ)なども抑制することができる。
【0056】
案内面55の幅は、シート9のドブ10の幅よりも小さくされているので、絵柄部8が案内面55に保持される、すなわち、接触されることはない。このため、シート9が吸着搬送されることによって、絵柄部8に傷入りすることはない。
この時、チェーングリッパ19およびエンドレスベルト37は略同等の速度で同じ方向に移動しているので、シート9は後端部93側がエンドレスベルト37に保持された状態で一定の姿勢で、安定して搬送されることになる。
このため、シート9がばたつき絵柄部8が周辺に接触することがないので、シート9への傷入りを防止できる。
【0057】
このようにして搬送されるシート9は、後端部93がガイド35を通過した時点、案内面55に作用する吸引力がなくなるが、駆動ガイドプーリ63によって吸着されている。
チェーングリッパ19が所定の位置に至ると、シート9を開放する。この時、シート9の後端部93側に駆動ガイドプーリ63から吸引力が作用するので、シート9は制動され、図示しない前当てに当接する圧力を減少させ、先端部91に傷入りを防止することができる。また、落下姿勢を調節し安定した積み上げを行うことができる。
【0058】
駆動ガイドプーリ63で作用する吸引力を調節することによってシート9の積み上げ状態を調整することができる。例えば、吸引力を強くすれば制動する力を強くすることができる。
このように、駆動ガイドプーリ63が、真空車として機能するので、真空車を別途設置する必要がなくなり、その分構造を簡素化でき、製造コストを安価とできる。
【0059】
用いられるシート9の大きさ、ドブ10の位置等が変更された場合、ネジ軸47を回転させて、ガイド35およびエンドレスベルト37の幅方向における位置を変更し、ドブ10の位置に沿うように位置させる。
また、移動ガイドプーリ61の位置を移動し、駆動ガイドプーリ63をシート9の搬送方向に移動してその位置を最適になるよう調節する。
【0060】
このように、ガイド35およびエンドレスベルト37の幅方向位置および駆動ガイドプーリ63のシート9の搬送方向における位置を変更しても、シート案内装置29におけるシート9の搬送姿勢は上述の状態を維持することになる。
紙厚、紙サイズあるいは印刷速度等の条件が変わったとしても、必要に応じ位置を調整するだけであり、従来必要であった空気噴出し量の調整等が不要となるので、調整が容易で、印刷準備時間および損紙量を減少させることができる。
【0061】
本実施形態では、1本のガイド35は、シート9の移動経路に沿って連続して設置されているが、図7に示されるように複数に分割、例えば2分割してもよい。
すなわち、ガイド35は、分割ガイド(分割ガイド部材)35aおよび分割ガイド(分割ガイド部材)35bに分割されている。
分割ガイド35aは、シート搬送方向上流側の凹湾曲部分に設置され、分割ガイド35bは下流側の凸湾曲部分に設置されている。
分割ガイド35a,35bは、ガイド35と長さが異なるが、構造は略同一である。
【0062】
分割ガイド35aには、エンドレスベルと37と同じ構造を持つエンドレスベルト37aが係合している。エンドレスベルト37aは、複数のガイドプーリ59および駆動ガイドプーリ64によって移動経路が形成されている。
駆動ガイドプーリ64は、分割ガイド35aの下流側に設けられ、図示しない駆動源によって回転駆動されるように構成されている。
なお、駆動ガイドプーリ64は、必要に応じ、駆動ガイドプーリ63と同様にシート9を吸引するようにしてもよい。
【0063】
分割ガイド35bには、エンドレスベルと37と同じ構造を持つエンドレスベルト37bが係合している。エンドレスベルト37bは、エンドレスベルト37と同様に複数のガイドプーリ59、移動ガイドプーリ61および駆動ガイドプーリ63によって移動経路が形成されている。
エンドレスベルト37aおよびエンドレスベルト37bは、それぞれ独立して移動速度が調節できるように構成されている。
【0064】
チェーングリッパ19のシート9保持位置が、チェーングリッパ19の移動経路と上側または下側に変位している場合、チェーングリッパ19の移動経路の曲率によってシート9の移動速度がチェーングリッパ19の移動速度と異なる。
このような場合、エンドレスベルト37aおよびエンドレスベルト37bの移動速度をそれぞれ対応する場所もシート9の移動速度に対応した速度とすることができる。
これにより、エンドレスベルト37aおよびエンドレスベルト37bをそれぞれシート9の移動速度にすることができるので、シート9はエンドレスベルト37aおよびエンドレスベルト37bに保持された状態で一定の姿勢で、安定して搬送されることになる。
このため、シート9がばたつき絵柄8部が周辺に接触することがないので、シートへの傷入りを防止できる。
【0065】
また、上述のものでは、駆動ガイドプーリ63が、シート9を吸着して制動させる真空車の機能を備えるようにされているが、これに限定されるものではない。
例えば、図8に示されるように、真空車95を別途備えるようにしてもよい。
この場合、駆動ガイドプーリ63は、シートを吸引する機構を取り除き構造を簡略化してもよいし、それを備えていてもよい。
【0066】
図8に示されるものは、真空車95と駆動ガイドプーリ63とが、一体に結合され、シート9の搬送方向に一体として移動するようにされている。
このようにすると、シート9の長さに応じて真空車95を移動させる場合、駆動ガイドプーリ63も同様に移動するので、真空車95と駆動ガイドプーリ63との間隔がいい低で、かつ、小さくできる。これにより、真空車95と駆動ガイドプーリ63との間隔が大きくなった場合に発生するシート9のばたつきを防止することができる。
また、真空車95と駆動ガイドプーリ63とが、一体に結合されているので、移動機構が簡素化され、調整作業も容易となる。
【0067】
なお、真空車95と駆動ガイドプーリ63とが一体化されない構造としてもよい。この場合、真空車95と駆動ガイドプーリ63とは、別個に移動させて、両者の間隔を略一定に保つのが望ましい。
加えて、上述した実施形態において、ガイド35,35a,35bの全長に亙って溝49(溝状空間部)が設けられる構成に限られるものではなく、開放溝の部分吸引形態に代えて、所定数の連通孔57と連通する長さの溝(溝状空間部)としても良いし、貫通孔43,77のピッチにあわせた長さとしても良い。
また、本発明は本実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】本発明の一実施形態にかかる枚葉印刷機の全体概略構成を示す一部を破断した正面図である。
【図2】本発明の一実施形態にかかるシート案内装置の全体概略構成を示す模式図である。
【図3】本発明の一実施形態にかかるガイドとエンドレスベルトの構造を破断して示す斜視図である。
【図4】本発明の一実施形態にかかるガイドの別の構造を破断して示す斜視図である。
【図5】図2のX−X断面図である。
【図6】図2のY−Y断面図である。
【図7】本発明のシート案内装置の別の実施形態を示す模式図である。
【図8】本発明のシート案内装置のさらに別の実施形態を示す模式図である。
【符号の説明】
【0069】
1 枚葉印刷機
9 シート
10 ドブ
19 チェーングリッパ
29 シート案内装置
35 ガイド
35a、35b 分割ガイド
37 エンドレスベルト
37a エンドレスベルト
37b エンドレスベルト
39 吸引手段
41 空間部分
53 突出部
55 案内面
57 連通孔
63 駆動ガイドプーリ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
チェーングリッパによって搬送されるシートを案内する枚葉印刷機のシート案内装置であって、
前記チェーングリッパのシート搬送経路に沿ってシートの搬送方向に延在するように配設され、内側に該搬送方向に延在する空間部分を有する少なくとも一本のガイド部材と、
該ガイド部材の前記空間部分に係合しそれに沿って移動する部分を含む前記シート搬送経路に沿った移動経路を有し、前記シートと同じ方向に略同等の速度で周回移動するベルト部材と、
前記空間部分に係合する空気吸引手段と、を備え、
前記ベルト部材は、前記ガイド部材から前記チェーングリッパ側に突出したドブ幅よりも狭い幅の突出部を有し、該突出部の前記シートに対向する案内面には、前記空間部分と連通する複数の連通孔が長手方向に間隔を空けて備えられていることを特徴とする枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項2】
前記ガイド部材は、幅方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項3】
前記ベルト部材の前記移動経路には、前記シート搬送方向の下流端に案内プーリが備えられ、該案内プーリは前記シート搬送方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項4】
前記案内プーリは、前記シート搬送方向の下流側に備えられたシートにブレーキをかける真空車と一体的に移動するように構成されていることを特徴とする請求項3に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項5】
前記案内プーリは、その上部位置を通過する前記ベルト部材の前記連通孔に空気吸引力を及ぼすように構成されていることを特徴とする請求項3または請求項4に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項6】
前記ガイド部材が、前記シート搬送方向に直列に配列された複数の分割ガイド部材で形成され、
該分割ガイド部材に、それぞれ前記ベルト部材が備えられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項7】
最下流側の分割ガイド部材に備えられた前記ベルト部材の前記移動経路には、前記シート搬送方向の下流端に案内プーリが備えられ、該案内プーリは前記シート搬送方向に移動可能とされていることを特徴とする請求項6に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項8】
前記案内プーリは、前記シート搬送方向の下流側に備えられたシートにブレーキをかける真空車と一体的に移動するように構成されていることを特徴とする請求項7に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項9】
前記案内プーリは、その上部位置を通過する前記ベルト部材の前記連通孔に空気吸引力を及ぼすように構成されていることを特徴とする請求項7に記載された枚葉印刷機のシート案内装置。
【請求項10】
請求項1から請求項9のいずれかに記載された枚葉印刷機のシート案内装置を具備してなることを特徴とする枚葉印刷機。
【請求項11】
印刷部から排紙部に至るシート搬送経路に設けられた、印刷されたシートを搬送するチェーングリッパと、
前記シート搬送経路に沿ってシートの搬送方向に延在するように配設されたガイド部材と、
該ガイド部材に摺接するように設けられ、シートの搬送に伴って該シート搬送速度と同期して前記搬送方向に移動するベルト部材と、
を有する枚葉印刷機であって、
前記ベルト部材は、前記ガイド部材摺接面に溝状空間部を備えるとともに、当該溝状空間部に連通しシートと対向する側の案内面に開口する複数の連通孔を備え、
前記溝状空間部の空気を吸引する空気吸引手段を有することを特徴とする枚葉印刷機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−7243(P2008−7243A)
【公開日】平成20年1月17日(2008.1.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−177995(P2006−177995)
【出願日】平成18年6月28日(2006.6.28)
【出願人】(000006208)三菱重工業株式会社 (10,378)
【Fターム(参考)】