説明

枝豆収穫機

【課題】畑に植えたままの茎から枝豆だけを直接もぎ取る枝豆収獲機において、機体の植え付け地面に対する高さを昇降調整しうるように構成した枝豆収穫機を提供する。
【解決手段】植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機において、前記機体5をトラクタATの側方に浮上状態に並設し、トラクタATに設けた昇降装置に前記機体5を連結し前記機体5を昇降自在に設けて、トラクタATの運転席に設けた前記昇降装置の操作部の操作により前記機体5をトラクタATに対して昇降させて機体5の植付地面に対する高さを昇降調整し得るように構成したものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、枝豆収穫機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば畑に植えられる枝豆を茎ごと抜き取り、茎から枝豆を手でもぎ取る作業は大変である。
【0003】
そこで、本出願人は、この手作業による重労働を解消すべく、特許第2884024号、特許第3482392号、特許第3511490号により畑に植えたままの茎から枝豆だけを直接もぎ取ることができる枝豆収穫機を提案している。
【0004】
【特許文献1】特許第2884024号公報
【特許文献2】特許第3482392号公報
【特許文献3】特許第3511490号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本出願人は、この枝豆収穫機について更なる研究開発を進め、より一層商品価値に秀れ画期的な枝豆収穫機を完成させた。
【課題を解決するための手段】
【0006】
添付図面を参照して本発明の要旨を説明する。
【0007】
植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機において、前記機体5をトラクタATの側方に浮上状態に並設し、トラクタATに設けた昇降装置51に前記機体5を連結し前記機体5を昇降自在に設けて、トラクタATの運転席に設けた前記昇降装置51の操作部の操作により前記機体5をトラクタATに対して昇降させて機体5の植付地面に対する高さを昇降調整し得るように構成したことを特徴とする枝豆収穫機に係るものである。
【0008】
また、前記植付枝豆1の茎2を挟んで対向し得るように回転部6を対向配設し、この回転部6を回転させた前記機体5を走行移動させて前記植付枝豆1を前記回転部6間に導入することで、前記回転部6のもぎ取り部7によって枝豆3を茎2からもぎ取るように前記枝豆もぎ取り装置4を構成し、この枝豆もぎ取り装置4の前記対向回転部6間の植付枝豆導入口側に、少なくともこの対向回転部6間に導入される若しくは導入された植付枝豆1をこの導入方向に引き寄せる引き寄せ力を付与する引き寄せ回転部8から成る引き寄せ導入装置9を設けたことを特徴とする請求項1記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0009】
また、前記機体5の先端部左右に前記植付地面を滑走する滑走部12を設け、この各滑走部12の先端部には前記植付地面を削り取る削り縁13を設けると共にこの削り取った土を夫々側部外方へ誘導する土誘導壁14を立設して、機体5を走行移動させると前記植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられる土除去用滑走装置15を設け、この土除去用滑走装置15の前記滑走部12間の前記削り縁13によっては削り取られない植付枝豆1の根本間近の地面を振り払い除去する振り払い移動部16から成る土除去用振り払い装置17を前記枝豆もぎ取り装置4の前方に設けて、前記機体5に設けた前記枝豆もぎ取り装置4を、前記除去した土分だけ低い位置で植付枝豆1に対して走行移動し得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の枝豆収穫機に係るものである。
【0010】
また、前記植付枝豆1の上部の茎2や葉などを切断除去する茎葉除去装置18を前記枝豆もぎ取り装置4の前方に設けて、前記機体5を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4により前記植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に前記茎葉除去装置18により植付枝豆1の上部の茎2や葉などを切断除去するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の枝豆収穫機に係るものである。
【発明の効果】
【0011】
本発明は上述のように構成したから、枝豆もぎ取り装置の機能を最大限に発揮させて枝豆のもぎ取り作業がより一層良好に行なわれることになり、しかも、トラクタの動力を利用した良好な枝豆のもぎ取り作業が行なわれることになるなど従来にない作用効果を発揮する画期的な枝豆収穫機となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
好適と考える本発明の実施形態(発明をどのように実施するか)を、図面に基づいて本発明の作用を示して簡単に説明する。
【0013】
本発明は、トラクタATを走行させることで機体5を走行移動させて植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3を枝豆もぎ取り装置4でもぎ取ることになる。
【0014】
ところで、本発明は、機体5をトラクタATの側方に浮上状態に並設し、トラクタATに設けた昇降装置51に機体5を連結し機体5を昇降自在に設けて、トラクタATの運転席に設けた昇降装置51の操作部の操作により機体5をトラクタATに対して昇降させて機体5の植付地面に対する高さを昇降調整し得るように構成しており、この構成は、植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3を直接もぎ取る枝豆収穫機において、より一層枝豆3の良好なもぎ取りを達成することに貢献する。
【0015】
即ち、畑に植えてある植付枝豆1の茎2や枝の高さや広がり方など、植付枝豆1の状態や畑の状態(畝の高さや畝間の凹溝の深さが畑によって異なる状態)などにより、植付地面に対する枝豆3の高さは種々異なり常に条件が一定であるわけではなく、よって、枝豆もぎ取り装置4(もぎ取り部位)をなるべく低い位置(植付地面に近い位置)に配置したいという要求がある。
【0016】
ところが、この枝豆もぎ取り装置4(機体5)を低い位置に配置した場合、前述した条件と合わず、枝豆もぎ取り装置4(機体5)が低過ぎた場合、該枝豆もぎ取り装置4が例えば植付地面に当接すると該植付地面の土(植付枝豆1左右の土)を拾ってしまい、この土が枝豆もぎ取り装置4内に入り込むことで故障したり、周囲へ土が飛散してしまうなどの問題が生じてしまう(とは言え、この枝豆もぎ取り装置4を高い位置に配置していたのでは枝豆3がもぎ取られない部分が生じてしまう。)。また、枝豆もぎ取り装置4(機体5)を低い位置に配置固定してしまうと、もぎ取り作業時以外の移動時に走行の邪魔となってしまう場合がある。
【0017】
この点、本発明は、前述した昇降装置51により、確実にその場や状況にあった高さ位置に枝豆もぎ取り装置4(機体5)を配することができることになるから、常に枝豆もぎ取り装置4が通過する位置は枝豆を良好にもぎ取れる最良の位置となり、よって、この構成から、植付枝豆1の低い位置(植付地面に近い位置)になる枝豆3を確実且つ良好にもぎ取ることができ、しかも、機体5を上昇させることで、もぎ取り作業時以外の移動時に走行の邪魔となってしまうこともなく良好な走行が行なえることになる。
【0018】
また、植付枝豆1の茎2を挟んで対向し得るように回転部6を対向配設し、この回転部6を回転させた前記機体5を走行移動させて前記植付枝豆1を前記回転部6間に導入することで、前記回転部6のもぎ取り部7によって枝豆3を茎2からもぎ取るように前記枝豆もぎ取り装置4を構成し、この枝豆もぎ取り装置4の前記対向回転部6間の植付枝豆導入口側に、少なくともこの対向回転部6間に導入される若しくは導入された植付枝豆1をこの導入方向に引き寄せる引き寄せ力を付与する引き寄せ回転部8から成る引き寄せ導入装置9を設けた場合には、植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3を直接もぎ取る枝豆収穫機において、枝豆3の良好なもぎ取りを達成することに貢献する。
【0019】
即ち、畑に植えてある植付枝豆1は、常に整然とした状態で生えているわけではなく、例えば枝豆3がなる枝は走行移動する機体5の前後方向だけでなく左右方向に広がっていたり、植付枝豆1自体が傾いていたり(倒れていたり)、走行移動する機体5により該機体5の進行方向へ押し倒されたり(植付枝豆1が枝豆もぎ取り装置4に導入される際若しくは導入後の枝豆3のもぎ取りを開始する際に植付枝豆1の導入反対方向に逃げ力が生じたり)、或いは、枝豆3が茎2の低いところになっている場合といった、植付枝豆1の状態や畑の状態(畝の高さや畝間の凹溝の深さが畑によって異なる)などにより、常に枝豆もぎ取り装置4でもぎ取られ易い状態であるわけではない。従って、この状態で機体5を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4で枝豆3をもぎ取ろうとしても該枝豆もぎ取り装置4へ植付枝豆1が良好に導入されない場合が生じ、よって、枝豆もぎ取り装置4がもぎ取らずにそのまま通過してしまうなど枝豆3の取り残しが生じてしまう(枝豆もぎ取り装置4は、植付枝豆1が所定の状態(例えば茎2が地面に対して垂直に立った状態)の際、良好に枝豆がもぎ取られるように設計される。)。尚、これに対して枝豆もぎ取り装置4に係る対向回転部6を移動自在の構造にすることなども考えられるが、構造が複雑となりコスト面及び量産面において問題が生じてしまい現実的ではない。
【0020】
この点、枝豆もぎ取り装置4の対向回転部6間の植付枝豆導入口側に引き寄せ導入装置9を具備することで、植付枝豆1が前述した枝豆もぎ取り装置4でもぎ取りにくい状態であっても、該植付枝豆1を確実に引き寄せて(例えば広がったり倒れたりしている茎2や枝が束ねられた状態で)回動部6間へ導入することができる。
【0021】
従って、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができるから、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0022】
また、この引き寄せ導入装置9で植付枝豆1を引き寄せることで、トラクタAT(機体5)の走行移動に対する抵抗が減少することになり、よって、この引き寄せ導入装置9がトラクタAT(機体5)の走行を助力することにもなる。
【0023】
また、機体5の先端部左右に植付地面を滑走する滑走部12を設け、この各滑走部12の先端部には植付地面を削り取る削り縁13を設けると共にこの削り取った土を夫々側部外方へ誘導する土誘導壁14を立設して、機体5を走行移動させると植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられる土除去用滑走装置15を設け、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面を振り払い除去する振り払い移動部16から成る土除去用振り払い装置17を枝豆もぎ取り装置4の前方に設けて、機体5に設けた枝豆もぎ取り装置4を、除去した土分だけ低い位置で植付枝豆1に対して走行移動し得るように構成した場合には、植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3を直接もぎ取る枝豆収穫機において、より一層枝豆3の良好なもぎ取りを達成することに貢献する。
【0024】
即ち、土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により、確実に植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けるとともに、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面が振り払い除去されることになるから、枝豆もぎ取り装置4をどの低い位置で植付枝豆1に対して走行移動させても常に枝豆もぎ取り装置4が通過する位置は土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により土が除去されることになり、枝豆もぎ取り装置4で植付地面の土を拾ってしまうようなことはなく、よって、この構成から、植付枝豆1の低い位置(植付地面に近い位置)になる枝豆3を確実且つ良好にもぎ取ることができることになり、しかも、この構成は前述した昇降装置51による機体5の昇降による効果も伴い良好に発揮することになる。
【0025】
また、機体5の先端部左右に植付地面を滑走する滑走部12を設けることにより機体5の走行移動が安定することになり、しかも、この滑走部12に土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17を設けることにより、常に機体5を水平な状態で走行移動させることができることになるから、地面の状態によって機体5が斜めを向いたりすることがなく、常に枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態が得られることになる(枝豆もぎ取り装置4は、機体5が水平状態の際、枝豆3が良好にもぎ取られるように設計される。)。
【0026】
また、植付枝豆1の上部の茎2や葉を切断除去する茎葉除去装置18を枝豆もぎ取り装置4の前方に設けて、機体5を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4により植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に茎葉除去装置18により植付枝豆1の上部の茎を切断除去するように構成した場合には、この構成は、植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3を直接もぎ取る枝豆収穫機において、より一層枝豆3の良好なもぎ取りを達成することに貢献する。
【0027】
即ち、前述したように畑に植えてある植付枝豆1の状態や畑の状態(畝の高さや畝間の凹溝の深さが畑によって異なる)などにより、常に機体5に対する植付枝豆1の高さは一定しているわけではない。従って、この状態で機体5を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4で枝豆3をもぎ取ろうとしても、走行移動する機体5によって該機体5の進行方向へ押し倒されたりして、該枝豆もぎ取り装置4へ植付枝豆1が良好に導入されない場合が生じ、よって、枝豆もぎ取り装置4がもぎ取らずにそのまま通過してしまうなど枝豆3の取り残しが生じてしまう(枝豆もぎ取り装置4は、植付枝豆1が所定の状態(茎2が地面に対して垂直に立った状態)の際、最も良好に枝豆がもぎ取られるように設計される。)。
【0028】
また、枝豆もぎ取り装置4へ大量の葉が入り込むことで、枝豆もぎ取り装置4による取り残しが生じてしまう問題があり、その他にも、葉が詰まって枝豆もぎ取り装置4が故障するという問題や、機体5の走行移動の大きな抵抗となる問題や、枝豆もぎ取り装置4における枝豆3のもぎ取り時に一緒に取られた葉が周囲へ飛散してしまう問題などが生じてしまう。
【0029】
この点、前述した茎葉除去装置18により確実に植付枝豆1の上部の茎2や葉などを切断除去するから、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができ、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0030】
また、茎葉除去装置18で予め切断除去することにより大量の葉が枝豆もぎ取り装置4へ導入されることがないから、この点においても枝豆もぎ取り装置4の取り残しを減らすことができ、しかも、茎2や葉を詰まりにくくすることができて枝豆もぎ取り装置4の故障が可及的に防止されることになり、また、機体5の走行移動の抵抗を低減することもでき、また、茎2や葉が周囲へ飛散するのも確実に抑制することができ、また、枝豆もぎ取り装置4でのもぎ取り作業後の仕分けも良好となる。
【実施例】
【0031】
本発明の具体的な実施例について図面に基づいて説明する。
【0032】
本実施例は、植えてある植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る枝豆もぎ取り装置4を、植付枝豆1の植付地面に対して走行移動する機体5に設けた枝豆収穫機において、前記機体5をトラクタATの側方に浮上状態に並設し、トラクタATに設けた昇降装置51に前記機体5を連結し前記機体5を昇降自在に設けて、トラクタATの運転席に設けた前記昇降装置51の操作部の操作により前記機体5をトラクタATに対して昇降させて機体5の植付地面に対する高さを昇降調整し得るように構成したものである。
【0033】
本実施例では、トラクタATとして既存の各種機能を具備したトラクタATを採用しており、このトラクタATに具備せしめられる既存の駆動部52に機体5に設けられる連結部53を連結して昇降装置51は構成されている。尚、この駆動部52は、通常トラクタATに装着されるロータリなどの作業装置の昇降作業等に利用される。
【0034】
具体的には、昇降装置51は、図2〜5に図示したようにトラクタATの運転席に設けられる操作部の操作によって伸縮動する駆動部52と、この駆動部52に連結され、該駆動部52の伸縮に伴い作動する連結部53とで構成されている。
【0035】
この連結部53は、図2〜5に図示したように駆動部52の動力を機体5に伝達するリンク構造体であり、駆動部52に枢着連結される第一リンク部材53Aと、この第一リンク部材53Aに枢着連結される第二リンク部材53Bと、この第二リンク部材53Bに枢着され、機体5に枢着連結される第三リンク部材53Cとで構成されている。この第三リンク部材53Cは機体5をトラクタATの側方に並設状態に配されるように構成されており、また、第三リンク部材53Cの一部はトラクタATの車体に設けられるフレーム部54にも連結される。
【0036】
従って、図2,3に図示したように駆動部52が縮み状態においては連結部53が降下して機体5は植付地面に近づいた下方位置に配されることになり、図4,5に図示したように駆動部52が伸び状態においては連結部53が上昇して機体5は地面から離れた上方位置に配されることになる。また、機体5はトラクタATの走行によって走行移動することになる。
【0037】
以下、枝豆もぎ取り装置4を具備した機体5の詳細な説明をする。
【0038】
機体5は、図1,6に図示したように金属製のフレーム体32で構成され、このフレーム体の前方部位32Aには、その上面及び左右側面を覆う透明部33a付きのボックス体33が配設され、このボックス体33の上面には開閉扉34が設けられている。
【0039】
また、ボックス体33の正面となる部位には開口部33bが設けられ、この開口部33bは植付枝豆1を通過させることができる高さ及び巾を備えて植付枝豆1の植付枝豆導入部として構成されている。
【0040】
この植付枝豆導入部33bには図示省略の閉塞体が設けられている。
【0041】
この閉塞体は、適度な柔軟性を備えた一対のブラシ材で構成され、このブラシ材は、夫々植付枝豆導入部の対向する開口左右縁に互いに先端同志が当接するように前方部の内方へ向けて突設されている。
【0042】
このブラシ材の柔軟性とは、後述する引き寄せ導入装置9に係る回動軸8Aは勿論、植付枝豆1の通過を許容し、且つ、植付枝豆1が植付枝豆導入部33bを通過した際、植付枝豆1の形状に応じて形状変化をして植付枝豆1が挟まった状態にあっても植付枝豆導入部33bの閉塞状態を維持して植付枝豆1の通過を許容する程度の柔軟性に設定されている。
【0043】
従って、この閉塞体により後述する枝豆もぎ取り装置4でもぎ取られた枝豆3が植付枝豆導入部33bから機体5の外部へ排出されるのが防止されることになる。尚、この閉塞体として、本実施例のように適度な柔軟性を備えたブラシ材を採用する他、例えばゴムなどの樹脂部材で構成するなど、本実施例の特性を発揮し得る材質のものであれば適宜採用し得るものである。
【0044】
また、機体5の前方部32Aには枝豆もぎ取り装置4が設けられている。
【0045】
具体的には、この枝豆もぎ取り装置4は、図6,7に図示したように植付枝豆1の茎2を挟んで対向し得るように回転部6を対向配設し、この回転部6を回転させた機体5を走行移動させて植付枝豆1を回転部6間に導入することで、回転部6のもぎ取り部7によるしごき(打撃若しくは振り払い)によって枝豆3を茎2からもぎ取るように構成されている。
【0046】
この左右の回転部6は、夫々回転軸6Aの対向位置に放射状にして螺旋状に柔軟板材から成るもぎ取り部7を突設して構成されている。尚、回転部6の回転方向と螺旋状のもぎ取り部7の螺旋方向とは植付枝豆1を良好に引き寄せる条件となるよう適宜設計するものである。
【0047】
また、この回転部6は、夫々前方部32A内に回転軸6Aが植付枝豆1の植付方向が軸方向となるように配される共に、互いに所定の間隔を介した状態で前進方向に対して後方側を高くして斜設され(対向する前記回転部6の回転軸6Aは植付枝豆導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設され)、前述したトラクタATのエンジンの動力を介して回転自在に設けられている。
【0048】
具体的には、図8に図示したようにトラクタATのエンジンの作動により回動する駆動軸部55をトラクタATの車体の後方に配し、この駆動軸部55からギアやチェーンやプーリーやベルトなどの駆動伝達機構を介して各種装置へ分岐しており、前述した枝豆もぎ取り装置4(回転部6)はボックス56に収納される伝達機構A(詳細図示省略)により作動するように構成されている。尚、この回転部6を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0049】
また、この左右の回転部6は、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となる(正面視ハ字状となる)ように配されている。
【0050】
以上の構成からなる回転部6における枝豆3のもぎ取り処理工程について説明すると、回転させた回転部6間に植付枝豆1を通過させると、2本の回転部6夫々のもぎ取り部7の先端同志が枝豆3を上方にしごき上げるようにして(打撃若しくは振り払いして)、植付枝豆1の根本側から上端側へと茎2から枝豆3をもぎ取るもぎ取り処理が行われることになる。
【0051】
また、機体5の前方部32A正面位置にして枝豆もぎ取り装置4の対向回転部6間の植付枝豆導入口側には、この対向回転部6間に導入される若しくは導入された植付枝豆1をこの導入方向に引き寄せる引き寄せ力を付与する引き寄せ回転部8から成る引き寄せ導入装置9が設けられている。
【0052】
この引き寄せ導入部9は、機体5の正面に、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となって奥部に配設した枝豆もぎ取り装置4の回転部6間への植付枝豆1の導入をガイドするガイド部11を、植付枝豆1の植付方向に沿って植付枝豆1を境にした左右に対設して構成されている。
【0053】
具体的には、このガイド部11は、図7に図示したように先端部から前記枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向を軸方向とし、トラクタATのエンジンの作動(伝達機構A)により回転する回転軸8Aに引き寄せ部10を突設して成る引き寄せ回転部8を対設して構成されており、この引き寄せ部10は回転軸8Aに螺旋状に突出した構成とし、この回転軸8Aを回転させることでこの螺旋状の引き寄せ部10により植付枝豆1を導入方向である後方に押圧付勢して引き寄せ力を生じせしめて、少なくとも回転部6間に植付枝豆1を導入した際若しくは導入後前記枝豆3のもぎ取りを開始する際に生じる植付枝豆1の導入反対方向に生じる逃げ力に抗するように引き寄せ導入装置9を構成している。尚、この引き寄せ回転部8を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0054】
また、引き寄せ回転部8は、図6に図示したように引き寄せ回転部8の回転軸8Aを枝豆もぎ取り装置4の回転部6の前方であって、先端部から後方の回転部6に向かう方向に登り傾斜状態に構成して、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成されている。
【0055】
また、この引き寄せ回転部8は、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となる(正面視ハ字状となる)ように配されている。
【0056】
また、引き寄せ導入装置9の引き寄せ回転部8は、回転部6の上方に配設されるように構成されている。
【0057】
具体的には、対向する回転部6の回転軸6Aは導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設して植付枝豆1の根本側から上端側へとその枝豆3をもぎ取るように構成し、引き寄せ回転部8は先端側から後方の回転部6側に向かって登り傾斜するように構成し、この後端部は回転部6間の導入口部と近接又は回転部6間の植付枝豆導入口部の上方でやや重合するように配設している。また、図6に図示したように回転軸8Aの後端部にして引き寄せ部10が突設されていない部位においても回転部6の上方に配される構成とし、当該部位もガイド機能を発揮するように構成されている。尚、引き寄せ回転部8の後端部は回転部6間の導入口部の上方において必要以上に重合させる必要はなく、上方で一致するようにしても良いなど適宜設計変更し得るものである。
【0058】
以上の構成からなる引き寄せ導入装置9における植付枝豆1の引き寄せについて説明すると、回動させた回転部6間に植付枝豆1を通過させると、回転する引き寄せ回転部8の引き寄せ部10で植付枝豆1を回転部6間への導入方向へ押圧若しくは打撃し引き寄せ力を生じせしめて、当該回転部6間へ植付枝豆1を導入することになる。
【0059】
従って、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができるから、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0060】
また、本実施例は、この引き寄せ導入装置9で植付枝豆1を引き寄せることで、機体5の走行移動に対する抵抗が減少することになり、よって、この引き寄せ導入装置9がトラクタAT(機体5)の走行を助力することにもなる。
【0061】
また、本実施例は、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成したから、種々の高さ位置にある植付枝豆1を起こしつつ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0062】
また、本実施例は、先端部から枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向を軸方向とする回転軸8Aに引き寄せ部10を突設して引き寄せ回転部8を構成し、この引き寄せ部10は回転軸8Aに螺旋状に突出した構成とし、この回転軸8Aを回転させることでこの螺旋状の引き寄せ部10により植付枝豆1を導入方向である後方に押圧付勢するように構成したから、植付枝豆1を叩き起こすような強引に引き寄せるのではない為、植付枝豆1が傷つくのを可及的に防止しつつ円滑且つ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0063】
また、本実施例は、引き寄せ回転部8の回転軸8Aを枝豆もぎ取り装置4の回転部6の前方であって、先端部から後方の回転部6に向かう方向に登り傾斜状態に構成して、引き寄せ回転部8の引き寄せ部10による植付枝豆1への引き寄せ力が導入方向の水平後方でなく導入方向の後方斜め上方となるように構成した場合には、例えば広がったり倒れたりしている茎2や枝を束ねるように植付枝豆1を起こしつつ確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0064】
また、本実施例は、機体5に、先端部が幅広で奥部へ行く程幅狭となって奥部に配設した枝豆もぎ取り装置4の回転部6間への植付枝豆1の導入をガイドするガイド部11を、植付枝豆1の植付方向に沿って植付枝豆1を境にした左右に対設したから、例えば進行方向に対して左右に広がる植付枝豆1を束ねるようにして確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができ、しかも、この左右に対設されるガイド部11によって植付枝豆1をセンター出しが行なわれた状態で確実に枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0065】
また、本実施例は、先端部から枝豆もぎ取り装置4の回転部6に向かう方向に長さを有する引き寄せ回転部8を対設してこの引き寄せ回転部8をガイド部11としたから、このガイド部11として枝豆もぎ取り装置4における回転構造と同様の回転構造を採用することで、より一層確実且つ良好に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0066】
また、本実施例は、少なくとも回転部6間の植付枝豆導入口部は植付枝豆1になる枝豆3よりも下方に位置するように構成し、この回転部6の上方に引き寄せ導入装置9の引き寄せ回転部8を配設した場合には、確実に植付枝豆1の下方から上方までなる枝豆3を引き寄せ導入装置9によって引き寄せつつ枝豆もぎ取り装置4へ導入することができる。
【0067】
また、本実施例は、対向する回転部6の回転軸6Aは導入口側から後方に向かって夫々登り傾斜状態に配設して前記植付枝豆1の根本側から上端側へとその枝豆3をもぎ取るように構成し、引き寄せ回転部8は先端側から後方の回転部6側に向かって登り傾斜するように構成し、この後端部は回転部6間の導入口部と近接又は回転部6間の導入口部の上方でやや重合するように配設したから、引き寄せ回転部8は植付枝豆1が回転部6間に導入されるまで確実にガイドすることになり、よって、より一層確実且つ良好に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4へ導入することができることになり、しかも、植付枝豆1の下方から上方までなる枝豆3を回転部6の間へ導入して確実にもぎ取ることができる。
【0068】
また、本実施例は、機体5(前方部32A)の正面下部左右位置にして前記枝豆もぎ取り装置4に対して水平若しくは下方となる位置に植付地面31aを滑走する一対の滑走部12を設けている。
【0069】
この各滑走部12は、その先端部に畝31上部の植付地面31aを削り取る削り縁13を設けると共にこの削り取った土を夫々側部外方へ誘導する土誘導壁14を立設して、機体5を走行移動させると植付地面31aの植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられる土除去用滑走装置15を設け、更に、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面を振り払い除去する振り払い移動部16から成る土除去用振り払い装置17を枝豆もぎ取り装置4の前方に設けている。
【0070】
土除去用滑走装置15は、滑走板を滑走部12とし、この滑走板の先端縁を前記削り縁13とし、この削り縁13によって削りとられて滑走板上に乗り上がる土が当接する立ち上がり部を滑走板に形成して土誘導壁部14とし、少なくともこの土誘導壁部14の上方から見た形成方向を後方に行く程外側へ位置するように形成することで、機体5を走行移動させると前記植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように構成されている。
【0071】
更に具体的には、土除去用滑走装置15は、図7に図示したようにL形アングル材(正面方向から見て外方へ屈曲状)の先端縁を削り縁13とし、底板部を滑走部12とし内側の立ち上がり部を土誘導壁部14とし、このL形アングル材を機体5の先端部左右にハ字状に配設して、この滑走部12間に植付枝豆1が通過するように機体5を走行移動させると、植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように構成されている。
【0072】
また、滑走部12は、その後方部位に後述する土除去用振り払い装置16に係る振り払い移動部16により払われた土を排出する排出孔部(図示省略)が切り欠き状に設けられている。
【0073】
土除去用振り払い装置17は、振り払い移動部16を植付枝豆1を挟んだ左右位置に夫々設けて構成されている。
【0074】
この振り払い移動部16は、図1,3,5に図示したように下端縁が植付枝豆1の側方の植付地面31aに接地する回転板16AをトラクタATのエンジンの作動(伝達機構A)により回動する回動軸39の下端部に設けて回転移動自在に設けて構成されている。尚、この回動軸39を回動させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0075】
また、振り払い移動部16は、回転板16Aの長さを機体5の走行により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定されており、振り払い移動部16の長さを振り払い移動時に、機体5の走行移動により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定している。尚、振り払い移動部16は植付枝豆1に近接する長さに設定しても良い。
【0076】
また、振り払い移動部16に係る回転板16Aは適度な柔軟性を有する部材(合成樹脂部材)で構成されており、よって、振り払い移動部16は屈曲自在であり、該振り払い移動部16が植付枝豆1に当接しても屈曲することで植付枝豆1を倒伏しないように構成されている。
【0077】
以上の構成からなる滑走部12における機能に説明すると、土除去用滑走装置15は、機体5を走行移動させると植付地面31aの植付枝豆1左右の土を削りつつ左右外方へ押し分けて除去し、土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面を土除去用振り払い装置17で振り払い除去することになる。この際、機体5に設けた枝豆もぎ取り装置4を、除去した土分だけ低い位置で植付枝豆1に対して走行移動し得ることになる。
【0078】
従って、土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により、確実に植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けるとともに、この土除去用滑走装置15の滑走部12間の削り縁13によっては削りとられない植付枝豆1の根本間近の地面が振り払い除去されることになるから、枝豆もぎ取り装置4をどの低い位置で植付枝豆1に対して走行移動させても常に枝豆もぎ取り装置4が通過する位置は土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により土が除去されることになり、枝豆もぎ取り装置4で植付地面の土を拾ってしまうようなことはなく、よって、この構成から、植付枝豆1の低い位置(植付地面に近い位置)になる枝豆3を確実且つ良好にもぎ取ることができることになる。
【0079】
また、本実施例は、機体5の先端部左右に植付地面を滑走する滑走部12を設けることにより機体5の走行移動が安定することになり、しかも、この滑走部12に土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17を設けることにより、常に機体5を水平な状態で走行移動させることができることになるから、地面の状態によって機体5が斜めを向いたりすることがなく、常に枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態が得られることになる(枝豆もぎ取り装置4は、機体5が水平状態の際、枝豆3が良好にもぎ取られるように設計される。)。
【0080】
また、本実施例は、滑走板を滑走部12とし、この滑走板の先端縁を削り縁13とし、この削り縁13によって削りとられて滑走板上に乗り上がる土が当接する立ち上がり部を滑走板に形成して土誘導壁部14とし、少なくともこの土誘導壁部14の上方から見た形成方向を後方に行く程外側へ位置するように形成することで、機体5を走行移動させると植付地面の植付枝豆1左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられるように土除去用滑走装置15を構成したから、確実に植付地面の植付枝豆1左右の土を削り取って左右外方へ押し分けることができ、しかも、極めて簡易構造であるからコスト安にして量産性に秀れることになる。
【0081】
また、本実施例は、下端縁が植付地面に接地する回転板16Aを植付枝豆1の側方で回転移動自在に設けて振り払い移動部16を構成し、回転板16Aの長さを機体5の走行により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定したから、より一層植付枝豆1の根元間近の地面を振り払い除去することができることになる。
【0082】
また、本実施例は、振り払い移動部16の長さを振り払い移動時に、機体5の走行移動により土除去用滑走装置15の滑走部12間を通過する植付枝豆1に当接する長さに設定し、この振り払い移動部16を屈曲自在に設けてこの振り払い移動部16が植付枝豆1に当接しても屈曲することで植付枝豆1を倒伏しないように土除去用振り払い装置17を構成したから、植付枝豆1が枝豆もぎ取り装置4に導入する前に植付枝豆1(茎2)を折ったり傷付けてしまうようなことはなく、よって、枝豆もぎ取り装置4へ最良の状態で植付枝豆1を導入することができることになる。
【0083】
また、本実施例は、振り払い移動部16を植付枝豆1を挟んだ左右位置に夫々設けて土除去用振り払い装置17を構成したから、少なくとも植付枝豆1の根元間近の左右の土を確実に除去することができることになる。
【0084】
また、機体5の前方部3Aの先端側下部には、茎1を浮かせないようにし、茎1から枝豆2を良好にもぎ取る為のソリ状の接地板(図示省略)が左右に並設されている。この接地板の間は植付枝豆1の茎2を通過させる茎導入間隙に設定されている。
【0085】
この接地板の後端は少なくともに枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の先端位置より後方に位置させることが望ましい。これは、枝豆3が回転部6間でしごき上げられ該枝豆3がもぎ取られる初期段階において茎2が地面から引き抜かれようとする力が最も働き、よって、これを防止する為、接地板の後端は少なくとも枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の先端位置より後方に位置にする必要がある為である。
【0086】
尚、接地板の内側に挟持板を立設して茎2を挟持するように構成しても良いし、挟持板の代わりに左右に挟持無端ベルトを対設し、この対向するベルト間で挟持する構成を採用しても良い。
【0087】
また、機体5には、茎葉除去装置18が設けられている。
【0088】
この茎葉除去装置18は、図1,6,7に図示したように植付枝豆1の上部の茎2を切断除去するように枝豆もぎ取り装置4の前方に設けて、機体5を走行移動させて枝豆もぎ取り装置4により植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に植付枝豆1の上部の茎2を切断除去するように構成されている。
【0089】
具体的には、この茎葉除去装置18は、機体5に係る前方部32Aの正面下部中央位置に設けた植付枝豆1の上部が導入されるケース体から成る導入部20に切断用回転部19を前述したトラクタATのエンジンの作動(伝達機構A)により回転自在に配設して構成されており、機体5の走行移動により接近する植付枝豆1の上部の茎2を切断除去する切断用回転部19により構成している。尚、この切断用回転部19を回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0090】
また、導入部20の側方部には、排出開口部を設けて切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎2及び葉を外方へ導出する茎葉導出部21が設けられており、この茎葉導出部21からは切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎2及び葉を機体5の進行方向と直交する方向に排出することになる。
【0091】
以上の構成からなる茎葉除去装置18における機能に説明すると、機体5を走行移動させた際、枝豆もぎ取り装置4により植付枝豆1の茎2から枝豆3をもぎ取る前に茎葉除去装置18により植付枝豆1の上部の茎や葉などは切断除去され、植付枝豆1は所定の高さとなる。
【0092】
従って、前述した茎葉除去装置18により確実に植付枝豆1の上部の茎2や葉を切除除去するから、常に植付枝豆1を枝豆もぎ取り装置4が良好に機能する状態にすることができ、枝豆もぎ取り装置4の機能を最大限に発揮させることができて良好な枝豆のもぎ取りが行なわれることになる。
【0093】
また、本実施例は、茎葉除去装置18で予め切断除去することにより大量の葉が枝豆もぎ取り装置4へ導入されることがないから、この点においても枝豆もぎ取り装置4の取り残しを減らすことができ、しかも、茎2や葉を詰まりにくくすることができて枝豆もぎ取り装置4の故障が可及的に防止されることになり、また、機体5の走行移動の抵抗を低減することもでき、また、茎2や葉が周囲へ飛散するのも確実に抑制することができ、また、枝豆もぎ取り装置4でのもぎ取り作業後の仕分けも良好となる。
【0094】
また、本実施例は、茎葉除去装置18は、機体5の走行移動により接近する植付枝豆1の上部の茎2や葉を切断除去する切断用回転部19により構成したから、機体5を走行移動させながら確実に植付枝豆1の上部の茎を切断除去することができることになる。
【0095】
また、本実施例は、機体5の走行移動により植付枝豆1の上部が導入される導入部20に切断用回転部19を回転自在に配設したから、植付枝豆1を導入部20内に順次導入させて切断用回転部19により確実に切断除去することができる。
【0096】
また、本実施例は、導入部20に切断用回転部19の回転によって切断除去した植付枝豆1の茎及び葉を外方へ導出する茎葉導出部21を設けたから、切断除去した茎及び葉を決められた位置から排出してコントロールすることができ、周囲への飛散等を確実に抑制することができる。
【0097】
また、機体5には搬送体40が設けられている。
【0098】
この搬送体40は、前述したトラクタATのエンジン(伝達機構A)の作動により回動する一対の回動軸40aと、この回動軸40a間に架設される一対の搬送ベルト40bとで構成されており、機体5に係る前方部32A内にして枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の後方(下方)位置に平行状態となるように斜設されている。従って、この搬送体40に受けられた枝豆3は後方部32B側へ搬送されることになる。尚、この回動軸40aを回動させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0099】
また、搬送体40は、その先端側(下端側)中央部位に間隙(通過部)が形成されている。
【0100】
この通過部は、前述した接地板と同様に枝豆がもぎ取られた植付枝豆1を搬送体40の後方へ移動可能にする為のものである。
【0101】
更に具体的に説明すると、この通過部は、回転部6間の下方位置(後方位置)にして搬送体40の中央位置に設けられているが、これは、本実施例は、搬送体40を回転部6の後方に設けることで、該回転部6から落下する枝豆3を確実に受けることができる構成とした為、当該搬送体40の位置に植付枝豆1を通過させる必要があるからである。
【0102】
また、通過部には、もぎ取られた枝豆3が通過するのを阻止する図示省略の閉塞体が設けられている。
【0103】
この閉塞体は、植付枝豆1の通過を許容し得る程度の適度な柔軟性を備えた一対のブラシ材から成り、この一対のブラシ材を通過部の開口左右縁に互いに内方へ向けて対向状態に突設して構成されている。従って、閉塞体は、植付枝豆1が回転部間を通過させた際、茎の形状に応じて形状変化することで植付枝豆1のみの通過を許容することになり、よって、植付枝豆1が通過部を通過中であっても、回転部6でもぎ取られた枝豆3が植付枝豆1の通過部から機体5の外部へ排出されるのが可及的に防止されることになる。つまり、仮に、閉塞体が硬質のもので構成された場合、この閉塞体を通過する植付枝豆1が挟まってつっかえ棒のような状態となり、当該閉塞体を構成する部材間に隙間が生じてしまい、よって、この隙間から枝豆3が機体5の外部へ排出されることになってしまうが、この点、本実施例の構成であればそのような問題が生じることはない。尚、この閉塞体としては、本実施例のように適度な柔軟性を備えたブラシ材を採用する他、例えばゴムなどの樹脂部材で構成するなど、本実施例の特性を発揮し得る材質のものであれば適宜採用し得るものである。また、この閉塞体と同素材のものが前記茎導入部にも設けられている。
【0104】
以上の構成から、機体5の前方部32Aは略全面を閉塞されたケース状に構成され、よって、枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6でもぎ取られた枝豆3が機体5の外部へ排出(落下)することは可及的に防止されることになる。
【0105】
また、機体5の後方部32Bにして搬送体40の終端位置近傍には仕分け体41が設けられている。
【0106】
この仕分け体41は、図6に図示したように複数の円柱状の軸体41aを回動自在に並設したものであり、この回転軸体41a同志は所定の間隔を介した位置に配設され、この間隙は、万一枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6の作用により地面から抜けたり或いは折れたりした植付枝豆1が搬送体40で搬送された場合、該植付枝豆1をこの仕分け体41を介して間隙の下方に設置されるコンベア44に落下させず、該仕分け体41の後方へ送り出すようにする為のものである。
【0107】
また、コンベア44は、図9に図示したように機体5の後方部32Bにして仕分け体41の下方位置に設けられており、前述したトラクタATのエンジンの作動により発電する発電装置45の電気を利用して作動するモーターによって作動するように構成されている。尚、この発電装置45を利用して種々の装置の発展性が期待できる。
【0108】
また、このコンベア44の終端下方位置には収穫箱42が配設されている。
【0109】
また、機体5の後方部32Bにしてコンベア44の終端の上方位置に送風装置43(ブロアー)が設けられている。
【0110】
この送風装置43は、前述したトラクタATのエンジンの作動により回転する回転羽根43aを設け、コンベア44の終端に上方から後方向へ向けて所定の風圧で風が吹き上がるように構成されており、この風圧とは、この風に吹き飛ばされる重量の軽い葉屑やゴミなどは間隙を通過させることなく上記植付枝豆1と同様に機体5の後方(外部)へ排出させ、一方、この風に吹き飛ばされない比較的重量の重い枝豆3は収穫箱42内に落下するように構成されている。尚、この回転羽根43aを回転させる駆動源として電動モータを採用しても良い。
【0111】
従って、コンベア44で搬送される枝豆3だけが収穫箱42内へ落下して、それ以外の葉屑や植付枝豆1などと確実に選別されることになる。
【0112】
以下、本実施例に係る枝豆収穫機を使用した枝豆の収穫方法について説明する。
【0113】
まず、トラクタATを畑の畝31を跨がせた状態で機体5を畝31の上方を走行移動させ、枝豆もぎ取り装置4に係る回転部6を回転させながら前進させると、引き寄せ導入装置9により植付枝豆1は引き寄せられると共に、左右の接地板間に植付枝豆1は導入され、そのまま機体5を前進させると、一対の回転部6は機体5の前進に伴ってその植付枝豆1へのもぎ取り位置が次第に高い位置となり植付枝豆1から枝豆3が全てもぎ取られることになる。この際、土除去用滑走装置15及び土除去用振り払い装置17により畝31の邪魔な土は除去されると共に、茎葉除去装置18により植付枝豆1の上方の茎や葉は除去される。
【0114】
続いて、もぎ取られた枝豆3や一部の葉屑などは搬送体40により上方へ送られ、適宜選別されて枝豆3のみが収穫箱42へ集められることになる。
【0115】
本実施例は上述のように構成したから、枝豆もぎ取り装置の機能を最大限に発揮させて枝豆のもぎ取り作業がより一層良好に行なわれることになる。
【0116】
尚、本発明は、本実施例に限られるものではなく、各構成要件の具体的構成は適宜設計し得るものである。
【図面の簡単な説明】
【0117】
【図1】本実施例を示す斜視図である。
【図2】本実施例に係る要部の説明斜視図である。
【図3】本実施例の動作説明図である。
【図4】本実施例に係る要部の説明斜視図である。
【図5】本実施例の動作説明図である。
【図6】本実施例の使用状態説明図である。
【図7】本実施例に係る要部の説明図である。
【図8】本実施例に係る要部の説明斜視図である。
【図9】本実施例に係る要部の説明斜視図である。
【符号の説明】
【0118】
AT トラクタ
1 植付枝豆
2 茎
3 枝豆
4 枝豆もぎ取り装置
5 機体
6 回転部
7 もぎ取り部
12 滑走部
13 削り縁
14 土誘導壁部
15 土除去用滑走装置
16 振り払い移動部
17 土除去用振り払い装置
18 茎葉除去装置
51 昇降装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植えてある植付枝豆の茎から枝豆をもぎ取る枝豆もぎ取り装置を、植付枝豆の植付地面に対して走行移動する機体に設けた枝豆収穫機において、前記機体をトラクタの側方に浮上状態に並設し、トラクタに設けた昇降装置に前記機体を連結し前記機体を昇降自在に設けて、トラクタの運転席に設けた前記昇降装置の操作部の操作により前記機体をトラクタに対して昇降させて機体の植付地面に対する高さを昇降調整し得るように構成したことを特徴とする枝豆収穫機。
【請求項2】
前記植付枝豆の茎を挟んで対向し得るように回転部を対向配設し、この回転部を回転させた前記機体を走行移動させて前記植付枝豆を前記回転部間に導入することで、前記回転部のもぎ取り部によって枝豆を茎からもぎ取るように前記枝豆もぎ取り装置を構成し、この枝豆もぎ取り装置の前記対向回転部間の植付枝豆導入口側に、少なくともこの対向回転部間に導入される若しくは導入された植付枝豆をこの導入方向に引き寄せる引き寄せ力を付与する引き寄せ回転部から成る引き寄せ導入装置を設けたことを特徴とする請求項1記載の枝豆収穫機。
【請求項3】
前記機体の先端部左右に前記植付地面を滑走する滑走部を設け、この各滑走部の先端部には前記植付地面を削り取る削り縁を設けると共にこの削り取った土を夫々側部外方へ誘導する土誘導壁を立設して、機体を走行移動させると前記植付地面の植付枝豆左右の土が削り取られて左右外方へ押し分けられる土除去用滑走装置を設け、この土除去用滑走装置の前記滑走部間の前記削り縁によっては削り取られない植付枝豆の根本間近の地面を振り払い除去する振り払い移動部から成る土除去用振り払い装置を前記枝豆もぎ取り装置の前方に設けて、前記機体に設けた前記枝豆もぎ取り装置を、前記除去した土分だけ低い位置で植付枝豆に対して走行移動し得るように構成したことを特徴とする請求項1,2のいずれか1項に記載の枝豆収穫機。
【請求項4】
前記植付枝豆の上部の茎や葉などを切断除去する茎葉除去装置を前記枝豆もぎ取り装置の前方に設けて、前記機体を走行移動させて枝豆もぎ取り装置により前記植付枝豆の茎から枝豆をもぎ取る前に前記茎葉除去装置により植付枝豆の上部の茎や葉などを切断除去するように構成したことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の枝豆収穫機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2006−254719(P2006−254719A)
【公開日】平成18年9月28日(2006.9.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−73258(P2005−73258)
【出願日】平成17年3月15日(2005.3.15)
【出願人】(000137720)株式会社ミツワ (10)
【Fターム(参考)】