説明

架橋可能なシリコーンコーティング組成物

【課題】速やかに架橋する架橋可能なシリコーンコーティング組成物、さらに、粘着性物質を忌避する、低い剥離値を有する被覆をもたらす架橋可能なシリコーンコーティング組成物、さらに、粘着性物質を忌避する、低い抽出値、すなわち、わずかな部分の抽出可能な未架橋のシリコーンポリマーを有する被覆をもたらす架橋可能なシリコーンコーティング組成物を提供する。
【解決手段】以下、(1)アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン、(2)Si結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン、(3)Si結合した水素の脂肪族多重結合への付加を促進する触媒、および場合によっては(4)抑制剤を含有する架橋可能なシリコーンコーティング組成物によって解決される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、架橋可能なシリコーンコーティング組成物および該組成物の使用に関する。
【背景技術】
【0002】
US5,241,034は、SiC結合したω−不飽和基を有する、炭化水素橋を介して分岐したシロキサンを記載する。これらのω−不飽和基は長鎖アルケニル基、有利には5−ヘキセニル基であり、該基を介してこれらのシロキサンは、Ptで触媒される反応においてオルガノハイドロジェンポリシロキサンと架橋されうる。これらの分岐シロキサンの製造にもヒドロシリル化反応が使用されうる。同様にPtで触媒される反応プロセスは本質的に統計学的な法則性に従う。この記載された技術により、マルチアルケニル官能性オルガノポリシロキサンが製造されうる。
【0003】
US5,616,672から、式RSiOの規則的なT単位を介して分岐した末端アルケニル基を有するシロキサンを含有する、速やかに架橋する調製物が公知である。これらのT単位の組み込みは十分な速度において塩基触媒法を介してのみ可能であって、このことは広く行き渡った酸触媒法を排除する。
【0004】
それはQ単位を介して分岐した末端アルケニル基を有するシロキサンにより構成された、同様に高い架橋速度に達するWO2005/005544A1の調製物と似た作用を示す。合成には同様に塩基性製造法のみが適しており、そのためこの原則は一般的に用いることはできない。
【0005】
US6,258,913からは、速やかに架橋可能な分岐したアルケニルシロキサンが、アルケニルシロキサンとアルケニル−ハイドロジェンシロキサンとからも製造されうることが公知である。しかしながらこのためにヒドロシリル化反応が要され、該反応の実施には貴金属触媒が必要とされる。橋かけ単位は低分子量の炭化水素構造から成る。
【0006】
WO2007/023084A2は、1分子当たり一般式O3−a/2Si−Y(SiR3−a/2[式中、aは1または2に等しく、bは1〜11の整数であり、かつYは2価〜12価の有機基である]の少なくとも1つの構造単位を含有し、かつ加水分解法およびシランとの共加水分解を介して製造されるオルガノポリシロキサン化合物を記載する。
【特許文献1】US5,241,034
【特許文献2】US5,616,672
【特許文献3】WO2005/005544A1
【特許文献4】US6,258,913
【特許文献5】WO2007/023084A2
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
速やかに架橋する架橋可能なシリコーンコーティング組成物を提供する課題が存在していた。さらに、粘着性物質を忌避する、低い剥離値を有する被覆をもたらす架橋可能なシリコーンコーティング組成物を提供する課題が存在していた。さらに、粘着性物質を忌避する、低い抽出値、すなわち、わずかな部分の抽出可能な未架橋のシリコーンポリマーを有する被覆をもたらす架橋可能なシリコーンコーティング組成物を提供する課題が存在していた。該課題は本発明によって解決される。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の対象は、以下
(1)1分子当たり一般式
3−n/2Si−Y(SiR3−n/2 (I)
の少なくとも1つの構造単位と
SiO(3−b)/2 (II)
の少なくとも2つの単位を含有し、
かつ一般式
SiO(4−c)/2 (III)
の単位を含有する、
アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
[上記式中、
aは1または2、有利には1であり、
bは0、1または2、有利には1または2であり、
cは1、2または3、有利には2または3であり、
nは0または1、有利には1であり
Rは同じかまたは異なっていてよく、一価のSiC結合した1〜30個のC原子を有する有機基を意味し、該基は1つ以上の互いに分離されたO原子を含有してよく、かつ脂肪族炭素−炭素−多重結合を含まず、かつ
は2〜4個のC原子を有するアルケニル基、有利にはビニル基であり、
Yは1〜30個のC原子を有する二価または三価の有機基を意味し、
ただし、オルガノポリシロキサン(1)は式(II)の単位を、オルガノポリシロキサン(1)におけるアルケニル基Rの濃度が2mEqu./g(オルガノポリシロキサン(1)1g当たりのミリ当量)未満となるようなモル量で含有する]、
(2)Si結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン、
(3)Si結合した水素の脂肪族多重結合への付加を促進する触媒
および場合によっては
(4)抑制剤
を含有する架橋可能なシリコーンコーティング組成物である。
【0009】
有利には、Rは脂肪族炭素−炭素−多重結合を含まない1〜18個の炭素原子を有するSiC結合した炭化水素基を意味する。
【0010】
炭化水素基Rの例は、アルキル基、例えばメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、1−n−ブチル基、2−n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、t−ペンチル基、ヘキシル基、例えばn−ヘキシル基、ヘプチル基、例えばn−ヘプチル基、オクチル基、例えばn−オクチル基およびイソオクチル基、例えば2,2,4−トリメチルペンチル基、ノニル基、例えばn−ノニル基、デシル基、例えばn−デシル基、ドデシル基、例えばn−ドデシル基、およびオクタデシル基、例えばn−オクタデシル基;シクロアルキル基、例えばシクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロヘプチル基およびメチルシクロヘキシル基;アリール基、例えばフェニル基、ナフチル基、アントリル基およびフェナントリル基;アルカリール基、例えばo−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、キシリル基およびエチルフェニル基;およびアラルキル基、例えばベンジル基、α−およびβ−フェニルエチル基である。
炭化水素基Rは、エーテル基またはポリエーテル基を含有してよい。
【0011】
Rの有利な例はメチル基、エチル基およびフェニル基である。
【0012】
基Rの例はビニル基、アリル基および3−ブテニル基であり、その際、ビニル基は有利な一例である。
【0013】
式(II)の有利な一単位はRSiO1/2であり、かつ式(III)の有利な単位はRSiO1/2およびRSiOであり、その際、Rは有利にはメチル基であり、かつRは有利にはビニル基である。RSiO1/2単位がオルガノポリシロキサン(1)に含有されている場合、RSiO1/2単位対RSiO1/2単位のモル比は、有利には1より大きく、有利には2より大きく、とりわけ有利には3より大きい。
【0014】
それゆえ式(II)の単位の有利な一例はビニルジメチルシロキサン単位である。それゆえ式(III)の単位の有利な例はトリメチルシロキサン単位およびジメチルシロキサン単位である。
有利には、オルガノポリシロキサン(1)は平均して少なくとも3個のアルケニル基R、有利には少なくとも4個のアルケニル基Rを、有利にはRSiO1/2単位(II)として含有する。
【0015】
有利には、該アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(1)は、1分子当たり1、2、3、4または5個の式(I)の構造単位を含有する。
【0016】
有利には、アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン(1)は式(III)の少なくとも10個の単位を、有利には式(III)の少なくとも50個の単位を、とりわけ有利には式(III)の少なくとも80個の単位を含有する。
【0017】
式(I)におけるnは有利には1の値を有するので、構造単位(I)は有利には式ORSi−Y(SiRO)を有し、その際、R、Yおよびaはそれらに関連して上で記された意味を有する。
【0018】
有利には、式(I)におけるaは1の値を有し、かつYは二価の有機基である。
【0019】
Yの例はメチレン基およびメチン基、1,1−エタンジイル基および1,2−エタンジイル基、1,4−ブタンジイル基および1,3−ブタンジイル基である。
【0020】
Yが少なくとも2個のC原子を含有する場合、この基は不飽和であってもよい。この例は、式−CH=CH−(cisまたはtrans)、−C(=CH)−および−C≡C−の基である。
【0021】
有利なのは最大12個のC原子を有する有機基、とりわけ有利には2個のC原子を有する有機基である。とりわけ有利な基の例は、式−CHCH−、−CH(CH)−、−CH=CH−、−C(=CH)−および−C≡C−の基である。
【0022】
オルガノポリシロキサン(1)におけるアルケニル基Rの濃度は、有利には0.1〜1.2mEqu/g、有利には0.1〜0.8mEqu/g(mEqu/g=物質1g当たりのミリ当量)である。
【0023】
オルガノポリシロキサン(1)の粘度は、有利には50〜5000mPa.S(25℃)である。
【0024】
オルガノポリシロキサン(1)の製造法は、WO2007/023084A2の中で、殊に第4頁、第16行目〜第6頁、第6行目(参照をもって開示に含まれる)に記載されている。
本発明に従う化合物の有利な一製造法は、一般式(IV)
3−nSi−Y(SiR3−n (IV)、
[式中、Xは加水分解可能な基を意味しかつ
R、Y、aおよびnは上記の意味を有する]
の化合物の加水分解である。
有利には、Xはハロゲン基、酸基およびアルコキシ基であり;とりわけ有利には、Xはクロロ基、アセテート基、ホルメート基、メトキシ基またはエトキシ基である。
【0025】
とりわけ有利なのは、一般式(IV)の化合物と一般式(V)
SiX4−d (V)、
[式中、Xは加水分解可能な基を意味し、
はRまたはRを意味しかつ
dは1、2または3であり、有利には2または3である]
のシランとの共加水分解による方法である。
有利には、シラン(V)として式RSiXのシランが使用され、その際、R、RおよびXはこれに関して上で記された意味を有する。
【0026】
該方法の有利な一実施態様は2工程でのオルガノポリシロキサン(1)の製造である:濃縮物を製造するための化合物(IV)と(V)との共加水分解、続けて構造単位(I)を含有しないオルガノポリシロキサンを用いたこの濃縮物の平衡化。平衡化に際して、オルガノポリシロキサンとして、末端トリオルガノシロキシ基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン、末端ヒドロキシル基を有する直鎖状オルガノポリシロキサン、環状オルガノポリシロキサンおよび、ジオルガノシロキサン単位とモノオルガノシロキサン単位とからの混合ポリマーから成る群から選択されたオルガノポリシロキサンが使用されうる。有利には、末端トリオルガノシロキシ基を有する直鎖状オルガノポリシロキサンが使用される。この有利な例は、ビニルジメチルシロキサン単位とジメチルシロキサン単位とからの混合ポリマーおよびトリメチルシロキサン単位とジメチルシロキサン単位とからの混合ポリマーである。
平衡化によって、所望された濃度のアルケニル基Rがオルガノポリシロキサン(1)に生じる。
【0027】
Si結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン(2)として、一般式VI
【化1】

[式中、
は同じかまたは異なっていてよく、一価の場合によっては置換された、脂肪族炭素−炭素−多重結合を含まない1〜18個のC原子を有する炭化水素基を意味し、
eは0、1、2または3、
fは0、1または2
かつe+fの合計は0、1、2または3であり、
ただし、平均的に少なくとも3個のSi結合した水素原子が存在する]
の単位からの直鎖状、環状または分岐鎖状のオルガノポリシロキサンが使用される。
【0028】
有利には、有機ケイ素化合物(2)は、少なくとも3個のSi結合した水素原子を含有する。
【0029】
有利には、有機ケイ素化合物(2)として、一般式
3−hSiO(SiRO)(SiRHO)SiR3−h (VII)
[式中、Rはこれに関して上で記された意味を有し、
hは0、1または2、
oは0または1〜1500の整数でありかつ
pは1〜200の整数であり、
ただし、平均して少なくとも3個のSi結合した水素原子が存在する]
のオルガノポリシロキサンが使用される。
【0030】
この発明の範囲内で、式VIIは、o単位−(SiRO)−およびp単位−(SiRHO)−が任意の形でオルガノポリシロキサン分子中に分布していてよいと理解されるべきである。
【0031】
炭化水素基Rの例は、炭化水素基Rにも完全に適用される。
【0032】
そのようなオルガノポリシロキサン(2)の例は、殊にジメチルハイドロジェンシロキサン−、メチルハイドロジェンシロキサン−、ジメチルシロキサン−およびトリメチルシロキサン単位とからの混合ポリマー、トリメチルシロキサン−、ジメチルハイドロジェンシロキサン−およびメチルハイドロジェンシロキサン単位とからの混合ポリマー、トリメチルシロキサン−、ジメチルシロキサン−およびメチルハイドロジェンシロキサン単位とからの混合ポリマー、メチルハイドロジェンシロキサンおよびトリメチルシロキサン単位とからの混合ポリマー、メチルハイドロジェンシロキサン−、ジフェニルシロキサン−およびトリメチルシロキサン単位とからの混合ポリマー、メチルハイドロジェンシロキサン−、ジメチルハイドロジェンシロキサン−およびジフェニルシロキサン単位とからの混合ポリマー、メチルハイドロジェンシロキサン−、フェニルメチルシロキサン−、トリメチルシロキサン−および/またはジメチルハイドロジェンシロキサン単位とからの混合ポリマー、メチルハイドロジェンシロキサン−、ジメチルシロキサン−、ジフェニルシロキサン、トリメチルシロキサン−および/またはジメチルハイドロジェンシロキサン単位とからの混合ポリマーならびにジメチルハイドロジェンシロキサン−、トリメチルシロキサン−、フェニルハイドロジェンシロキサン−、ジメチルシロキサン−および/またはフェニルメチルシロキサン単位とからの混合ポリマーである。
【0033】
有利には、オルガノポリシロキサン(2)は25℃で10〜1000mPa.sの平均的な粘度を有する。
【0034】
有利には、オルガノポリシロキサン(2)は、オルガノポリシロキサン(1)におけるアルケニル基R1モルにつき0.5〜3.5グラム原子の、有利には1.0〜3.0グラム原子のSi結合した水素の量で使用される。
【0035】
Si結合した水素の脂肪族多重結合への付加を促進する触媒として、この架橋可能なシリコーンコーティング組成物の場合にも、Si結合した水素の脂肪族多重結合への付加を促進するのにこれまでも使用されえたものと同じ触媒が使用されうる。有利には、触媒(3)は白金金属の群からの金属または白金金属の群からの化合物または錯体である。そのような触媒の例は、担体上、例えば二酸化ケイ素、酸化アルミニウムまたは活性炭上に存在してよい金属の微粉砕された白金、白金の化合物または錯体、例えば白金ハロゲン化物、例えばPtCl、HPtCl*6HO、NaPtCl*4HO、白金−オレフィン錯体、白金−アルコール錯体、白金−アルコラート錯体、白金−エーテル錯体、白金−アルデヒド錯体、白金−ケトン錯体、例えばHPtCl*6HOとシクロヘキサノンとからの反応生成物、検出可能な無機的に結合したハロゲン含量を有するかまたは有さない白金−ビニルシロキサン錯体、例えば白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体、ビス−(ガンマ−ピコリン)−白金二塩化物、トリメチレンジピリジン白金二塩化物、ジシクロペンタジエン白金二塩化物、ジメチルスルホキシドエチレン白金−(II)−二塩化物、シクロオクタジエン−白金二塩化物、ノルボルナジエン−白金二塩化物、ガンマ−ピコリン−白金二塩化物、シクロペンタジエン−白金二塩化物である。
【0036】
有利には、触媒(3)は、それぞれ元素の白金金属として計算された、かつオルガノポリシロキサン(1)および(2)の全質量に対して10〜1000質量ppm(百万質量部当たりの質量部)、有利には20〜200質量ppmの量で使用される。
【0037】
この架橋可能なシリコーンコーティング組成物は、Si結合した水素の脂肪族多重結合への付加を室温にて遅延させる試剤、いわゆる抑制剤(4)を含有してよい。
【0038】
抑制剤(4)として、この架橋可能なシリコーンコーティング組成物の場合にも、同じ目的でこれまでも使用されえた全ての抑制剤が使用されうる。
【0039】
抑制剤(4)の例は、1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン、ベンゾトリアゾール、ジアルキルホルムアミド、アルキルチオ尿素、メチルエチルケトキシム、1012mbar(絶対圧)にて少なくとも25℃の沸点を有しかつ少なくとも1個の脂肪族三重結合を有する有機化合物または有機ケイ素化合物、例えば1−エチニルシクロヘキサン−1−オール、2−メチル−3−ブチン−2−オール、3−メチル−1−ペンチン−3−オール、2,5−ジメチル−3−ヘキシン−2,5−ジオールおよび3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、3,7−ジメチル−オクタ−1−イン−6−エン−3−オール、ジアリルマレイネートと酢酸ビニルとからの混合物、マレイン酸モノエステル、およびBASF社にて"Dehydrolinalool"の商品名で購入取得できる式HC≡C−C(CH)(OH)−CH−CH−CH=C(CHの化合物のような抑制剤である。
【0040】
抑制剤(4)が併用される場合、適宜、有機ケイ素化合物(1)および(2)の全質量に対して、好ましくは0.01〜10質量%、有利には0.01〜3質量%の量で使用される。
【0041】
この架橋可能なシリコーンコーティング組成物の場合に併用されうるさらに他の成分の例は、剥離力を調整するための試剤、エアロゾル形成を減少させる添加剤、有機溶剤、接着促進剤および顔料である。
【0042】
本発明による組成物を用いて製造される、粘着性物質を忌避する被覆の剥離力を調整するための試剤の例は、式
SiO1/2およびSiO
[式中、Rは水素原子、炭化水素基R、例えばメチル基、またはアルケニル基R、例えばビニル基であり、かつRはこれに関して上で記された意味を有し、かつ式RSiO1/2の単位は同じかまたは異なっていてよい]の単位からのシリコーン樹脂、いわゆるMQ樹脂である。式RSiO1/2の単位対式SiOの単位の比は、有利には0.6〜2である。有利には、該シリコーン樹脂は、有機ケイ素化合物(1)および(2)の全質量に対して5〜80質量%の量で使用される。
【0043】
曇り防止剤とも呼ばれる、エアロゾル形成を減少させる添加剤の例は、分岐鎖状シロキサンコポリマーであり、例えばそれはUS6,764,712、殊に第1欄、第57行目〜第2欄、第25行目(参照をもって開示に含まれる)およびUS7,238,755、殊に第2欄、第8行目〜第3欄、第8行目(参照をもって開示に含まれる)に記載されている。
【0044】
有機溶剤の例はベンジン、例えば70℃〜180℃の沸騰範囲を有するアルカン混合物、n−ヘプタン、ベンゼン、トルエンおよびキシレン、1〜6個の炭素原子を有するハロゲン化されたアルカン、例えば塩化メチレン、トリクロロエチレンおよびペルクロロエチレン、エーテル、例えばジ−n−ブチルエーテル、エステル、例えば酢酸エチル、およびケトン、例えばメチルエチルケトンおよびシクロヘキサノンである。
【0045】
有機溶剤が併用される場合、それは適宜、有機ケイ素化合物(1)および(2)の全質量に対して、好ましくは10〜90質量%、有利には10〜70質量%の量で使用される。
【0046】
たしかに成分(1)、(2)、(3)および場合によっては(4)を混合する場合の順序は決定的に重要ではないが、しかしながら実際には、成分(3)、つまり触媒を、他の成分の混合物にいちばん最後に添加することが有効であると実証された。
【0047】
本発明による組成物の架橋は、好ましくは70℃〜180℃で、有利には100〜150℃で行われる。加熱による架橋のためのエネルギー源として、有利には炉、例えば空気循環式乾燥庫、ヒータライン、加熱ロール、加熱プレートまたは赤外線領域の熱放射が使用される。
【0048】
本発明による組成物は、加熱する以外にも、紫外光を用いた照射またはUV光およびIR光を用いた照射によっても架橋されうる。通常、紫外光として253.7nmの波長を有するものが使用される。200〜400nmの波長を有する紫外光を放射し、かつ253.7nmの波長を有する紫外光を有利には放出する多数のランプが市販されている。
【0049】
さらに本発明の対象は、本発明による組成物の架橋によって製造された成形体である。
【0050】
該成形体は、好ましくはコーティングであり、有利には粘着性物質を忌避する被覆である。
【0051】
さらに本発明の対象は、本発明による架橋可能な組成物をコーティングされるべき表面上に塗布し、引き続き該組成物を架橋することによってコーティングを製造するための方法である。
【0052】
有利には、本発明による架橋可能な組成物は、粘着性物質を忌避する被覆の製造のために、例えば剥離紙の製造のために使用される。粘着性物質を忌避する被覆は、本発明による架橋可能な組成物を、粘着性物質を忌避するようにされるべき表面上に塗布し、引き続き該組成物を架橋することによって製造される。
【0053】
本発明による組成物を、コーティングされるべき表面上、有利には粘着性物質を忌避するようにされるべき表面上に塗布するのは、液状物質からコーティングを製造するために適したかつ様々の公知の任意の方法で行われえ、例えば浸し塗り、刷毛塗り、流し塗り、噴霧塗布、ロール塗布、例えばオフセットグラビア塗工装置による印刷、ナイフコーティングまたはドクターブレードコーティングまたはエアブラシによって行われうる。
【0054】
コーティングされるべき表面上の層厚は、好ましくは0.3〜6μm、とりわけ有利には0.5〜2.0μmである。
【0055】
本発明の範囲内で処理されうる、コーティングされるべき表面、有利には粘着性物質を忌避するようにされるべき表面は、室温および1012mbar(絶対圧)にて固体の任意の物質の表面であってよい。このような表面の例は、紙、木材、コルクおよびプラスチックシート、例えばポリエチレンシートまたはポリプロピレンシート、天然または合成繊維からの織布および不織布、セラミック物品、ガラス、例えばガラス繊維、金属、ポリエチレンでコーティングされた紙および板紙、例えばアスベストからの板紙の表面である。上で言及されたポリエチレンは、そのつど高圧ポリエチレン、中圧ポリエチレンまたは低圧ポリエチレンであってよい。紙は、低質紙種、例えば吸収紙、例えばクラフト原紙、すなわち化学物質および/または高分子天然物質で前処理されていない60〜150g/mの質量を有するクラフト紙、未サイズ紙、低い叩解度を有する紙、木材パルプ紙、光沢仕上げされていないかまたはカレンダー仕上げされていない紙、その製造に際して乾燥平滑ローラー(Trockenglaettzylinder)を使用することによって手間の掛かるさらに他の措置を施すことなく片面が平滑でありかつそれゆえ"片艶紙"と呼ばれる紙、未コーティング紙または紙くずから製造された紙、つまり、いわゆるくず紙であってよい。しかし当然のことながら、本発明により処理されるべき紙は、高質紙種、例えば吸収に乏しい紙、サイズ紙、高い叩解度を有する紙、上質紙、カレンダー仕上げされた紙または光沢仕上げされた紙、グラシン紙、パーチメント仕上げされた紙またはプレコート紙であってもよい。板紙も高級または低級であってよい。
【0056】
例えば、本発明による組成物は、剥離紙、マスキング紙、およびあい紙(Mitlaeuferpapieren)、例えばキャストフィルムまたは装飾フィルムの製造に際してか、またはフォーム物質、例えばポリウレタンからのフォーム物質の製造に際して使用されるあい紙の製造に適している。さらに例えば、本発明による組成物は、自己粘着性テープまたは自己粘着性フィルムの裏側または自己粘着性ラベルの貼り付け側の最終仕上げのための、剥離紙、マスキング紙、およびあい紙、アンダーシート(Mitlaeuferfolien)およびあい布(Mitlaeufertuechern)の製造に適している。本発明による組成物は、粘着物、例えば接着物質、粘着性食品、例えばケーキ、ハチミツ、アメおよび肉;ビチューメン、アスファルト、グリース塗布された材料および生ゴムの貯蔵および/または輸送に関して規定されている包装材料、例えば紙からの包装材料、ボール箱、金属箔およびキャスク、例えば板紙、プラスチック、木材または鉄からの包装材料の最終仕上げのためにも適している。本発明による組成物の使用のさらなる一例は、いわゆる"転写法"に際して感圧接着層を転写するための基材の最終仕上げである。
【0057】
本発明による組成物は、オフライン法のみならずインライン法にも従った、剥離紙と結合した自己粘着材料の製造に適している。
【0058】
オフライン法の場合、該シリコーン組成物は紙上に塗布されかつ架橋され、次いで後続工程において、通常は剥離紙のロールへの巻き取り後およびこのロールの貯蔵後に、例えばラベル面紙上に載置されている接着フィルムが、このコーティングされた紙上に塗布され、次いでその複合物が押し合わされる。インライン法の場合、該シリコーン組成物は紙上に塗布されかつ架橋され、このシリコーン被覆は接着物質でコーティングされ、次いでこのラベル面紙が該接着物質上に塗布され、かつその複合物が最終的に押し合わされる。
オフライン法の場合、巻き取り速度は、シリコーン被覆の粘着性をなくすのに必要な時間に従う。インライン法の場合、処理速度は、シリコーン被覆が移行しないようにするのに必要な時間に従う。
【0059】
本発明による架橋可能なシリコーンコーティング組成物は、それが速やかに架橋し、かつそれゆえ速やかに運転されるコーティング装置中でも使用されうるという利点を有する。
それゆえ殊に該組成物は、0.5〜15秒の硬化時間、有利には1.5〜18秒の硬化時間を有するコーティング装置中での使用に適しており、その際、この本発明による組成物は、20〜1600m/分の速度にて、コーティングされるべき表面上に塗布される。
【0060】
さらに本発明による架橋可能なシリコーンコーティング組成物は、低い剥離値および低い抽出値を有する、粘着性物質を忌避する被覆が得られるという利点を有する。低い抽出値、すなわち、わずかな部分の抽出可能な未架橋のシリコーンポリマーはすでに短い架橋時間にて達成される。それによって接着剤への未架橋の部分の移動が回避され、そうして接着剤の接着力が保持される。
【0061】
低い剥離力は、殊に非常に薄いラベル材料の場合に非常に重要である。なぜなら、それによってより低コストの材料の使用が可能となるからである。これらの低い剥離値はこれまで可能ではなかったか、または高い抽出部分による接着剤の損傷が同時に起こる場合にしか可能ではなかった。
【実施例】
【0062】
本発明によるオルガノポリシロキサン(1)の製造:
a)構造単位(I)および(II)からの縮合物:
ビニルジメチルクロロシラン270gを、1:1のハイドロジェンメチルジクロロシランとビニルメチルジクロロシランとからの付加生成物96gと均一に混合する。この混合物を5%のHCl溶液750mlの滴下によって氷冷下で共加水分解する。相分離後、得られたオリゴマーを水と2%の重炭酸塩溶液とで2回ずつ洗浄する。実質的に中性の油から3mbarおよび130℃で揮発性成分を除去する。オリゴマーの残留物としてのジビニルテトラメチルジシロキサン144gの他に、14.2mm/s(25℃)の粘度を有するクロロシランの共加水分解物107gが得られる。
【0063】
b)縮合物および直鎖状ビニルシロキサンの平衡化:
a)で製造した縮合物の表記された量と、第1表の中で表記された12600Daの平均分子量を有するビニルジメチルシロキシ基とジメチルシロキシ基とからの直鎖状ビニルシロキサンの量とを均一に混合し、かつ塩化リンニトリル200ppm(1.5倍量の酢酸エチル中に溶解)の添加後に120℃で粘度一定まで平衡化する。シロキサン1.4のケースにおいては、直鎖状ビニルシロキサンの半分を、機能が欠如した同じ鎖長のシリコーン油で代用した。
【0064】
一定の粘度に達した後、この出発物質をMgO 1%で不活性化し、ろ過し、かつ真空中で120℃にて揮発性成分を除去する。
【0065】
そうして得られたビニル基含有オルガノポリシロキサン(1)については、第1表の中でそれぞれ、式(I)の構造単位の量(モル%記載における(I)の含量)とビニル基の濃度(mEqu./g記載におけるC=C含量)とが表記されている。
【0066】
このビニル基含有オルガノポリシロキサン(1)を、本発明によるシリコーンコーティング組成物の製造に直接使用する。
【0067】
【表1】

【0068】
比較ポリマー:
シロキサンV1:
54のヨウ素価を有するWO2007/023084に従って製造されたビニル末端基を有する分岐したシロキサンポリマー(2.13mEqu./gのC=C含量)。
【0069】
シロキサンV2:
US6,274,692に記載の3.5:1の比のビニル基とメチレン末端基および5.4のヨウ素価を有する直鎖状ポリジメチルシロキサン(0.21mEqu./gのC=C含量)。
【0070】
シロキサンV3:
ハイドロジェン前駆物質HMeSiO(MeSiO)63(HMeSiO)0.9SiHMeと1,5−ヘキサジエンとから3.2のC=C/SiH比にて製造された、US5,241,034に記載の5−ヘキセニル基および1,6−ヘキサンジイル橋を有する分岐したシロキサンポリマー(Y=−(CH−、R=−(CH−CH=CH、R=−CH、a=1、b=2、c=2または3)。ヨウ素価は10.4である(0.41mEqu./gのC=C含量)。
【0071】
シロキサンV4:
ビニル末端基および4.1のヨウ素価を有する直鎖状ポリジメチルシロキサン(0.16mEqu./gのC=C含量)。
【0072】
シリコーンコーティング組成物:
以下の使用例において、部および百分率の全ての表記は質量に対するものである。実施例を、周囲雰囲気の圧力で、つまり約1012mbarの圧力で、かつ室温で、つまり約21℃で実施した。粘度は25℃で測定した。
【0073】
実施例および比較試験:
標準調製物として、
1.6:1のSiH基対それぞれのポリマーの不飽和基のモル比を保証する量で、それぞれ本発明によるポリマーのシロキサン1.1〜1.4および比較ポリマーのシロキサンV1〜V4、トリメチルシロキサン末端単位と25mPa.sの粘度(25℃)を有する直鎖状ハイドロジェンメチルシロキサン100質量部、
25℃で1000mPa.sの粘度を有するα,ω−ジビニルジメチルポリシロキサンにおける白金−1,3−ジビニル−1,1,3,3−テトラメチルジシロキサン錯体1質量%(元素の白金に対して)の溶液の1質量部および
1−エチニルシクロヘキサノール0.25質量部
とからの混合物を使用した。
【0074】
これらの混合物を、紙コーティングのために使用した。
【0075】
基材として、Glassine Silca Classicの名称のAhlstrom社の紙を用いた。5つのロール塗布ツールを有する型番1060のDixon社のコーティング装置にて60m/分でコーティングを行った。このコーティングを、長さ3mの乾燥炉中で140℃にて硬化した。これは3秒間の架橋時間に相当する。
【0076】
コーティング量を、蛍光X線分析によって、適した標準を参照して決定した。
【0077】
コーティング系の硬化を、MIBK(=メチルイソブチルケトン)での未架橋部分の抽出および抽出されたケイ素含量の原子吸光分析法による調査によって決定した。
【0078】
コーティングした紙を、ラベル工業および接着テープ工業において通常用いられている試験接着テープTESA T 6154とTESA A 7475とを用いた試験において24時間後に貼り付け、かつFINAT試験法FTM 10に従って70g/cmの圧力にて40℃で20時間貯蔵した。
【0079】
そうして製造した積層体の剥離値を、FINAT試験法FTM 10に従って0.3m/分、10m/分および300m/分の引き離し速度にて決定し、かつN/mで表記した。
【0080】
この試験法はWacker Chemie AG社のパンフレットDEHESIVE(R)Silicones Testmodenの中と、FINAT Technischen Handbuch (Testmoden),第6版の中とに記載されている。
【0081】
結果は第2表の中でまとめられている。
【0082】
【表2】

【0083】
非常に低い抽出値にて、シロキサン1.1および1.2を有する本発明による調製物は2つの試験接着テープに対して意想外にも低い剥離値を示すが、この低い剥離値は、比較ポリマーのシロキサンV1(WO2007/023084に記載)の高いビニル基の場合には、たとえそれが同じ構造要素を含有していても、もはや実現されえない。
【0084】
付加的なメチレン末端基を有するシロキサン(シロキサン1.4)をベースとする調製物は、原則的により高い抽出レベルにて、特に引き離し速度が小さい場合に、アルケニル末端100%を有するシロキサン1.1および1.2との比較においてまたより低い剥離値をもたらす。部分的にメチルで末端基化されたシロキサンV2(US6,274,692に記載)と比較して、同様に部分的にメチルで末端基化されたシロキサン1.4は、大いに許容可能な抽出レベルにて、従来技術と比較して同じく減少した剥離値も示す。
【0085】
上で記載したように、本発明によるポリマーのシロキサン1.2および1.3ならびに比較ポリマーのシロキサンV3およびシロキサンV4を用いてコーティングを製造し、かつ140℃の温度で6秒もしくは1.2秒間、架橋した。該コーティングの硬化を、MIBKでの未架橋部分の抽出によって、上で記載したように決定し、かつこの抽出値を第3表の中でまとめた。
【0086】
【表3】

【0087】
本発明によるシロキサン1.2および1.3を有する完全に硬化された調製物(6秒間の硬化時間)は、比較ポリマーのシロキサンV3およびV4を有する2つの調製物と比較して、この比較調製物の値のおよそ半分にしかすぎない完全に低い抽出レベルを示す。たしかにヘキセニルシロキサンV3(US5,241,034に記載)を有する調製物は高い架橋速度も有する(1.2秒の硬化時間後の抽出値から明らかなように)が、しかし完全に硬化されたシリコーンコーティング(6秒の硬化時間)においては本発明による調製物の非常に良好な抽出レベルには達しない。直鎖状の比較ポリマーV4は、1.2秒の硬化時間でも6秒の硬化時間でも本発明によるシロキサン1.2および1.3に劣っている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
架橋可能なシリコーンコーティング組成物であって、以下
(1)1分子当たり一般式
3−n/2Si−Y(SiR3−n/2 (I)
の少なくとも1つの構造単位と一般式
SiO(3−b)/2 (II)
の少なくとも2つの単位を含有し、
かつ一般式
SiO(4−c)/2 (III)
の単位を含有する、
アルケニル基を有するオルガノポリシロキサン
[上記式中、
aは1または2、有利には1であり、
bは0、1または2、有利には1または2であり、
cは1、2または3、有利には2または3であり、
nは0または1、有利には1であり
Rは同じかまたは異なっていてよく、かつ一価のSiC結合した1〜30個のC原子を有する有機基を意味し、該基は1つ以上の互いに分離されたO原子を含有してよく、かつ脂肪族炭素−炭素−多重結合を含まず、かつ
は2〜4個のC原子を有するアルケニル基、有利にはビニル基であり、
Yは1〜30個のC原子を有する二価または三価の有機基を意味し、
ただし、オルガノポリシロキサン(1)は式(II)の単位を、オルガノポリシロキサン(1)におけるアルケニル基Rの濃度が2mEqu./g(物質1g当たりのミリ当量)未満となるようなモル量で含有する、
(2)Si結合した水素原子を有するオルガノポリシロキサン、
(3)Si結合した水素の脂肪族多重結合への付加を促進する触媒
および場合によっては
(4)抑制剤
を含有する架橋可能なシリコーンコーティング組成物。
【請求項2】
がビニル基であることを特徴とする、請求項1記載の架橋可能なシリコーンコーティング組成物。
【請求項3】
Yが式−CHCH−の基であることを特徴とする、請求項1または2記載の架橋可能なシリコーンコーティング組成物。
【請求項4】
bが2であり、かつcが2または3であることを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の架橋可能なシリコーンコーティング組成物。
【請求項5】
請求項1から4までのいずれか1項記載の組成物の架橋によって製造された成形体。
【請求項6】
該成形体がコーティングであることを特徴とする、請求項5記載の成形体。
【請求項7】
該成形体が、粘着性物質を忌避する被覆であることを特徴とする、請求項5記載の成形体。
【請求項8】
コーティングされるべき表面上への請求項1から4までのいずれか1項記載の架橋可能な組成物の塗布および該組成物の引き続く架橋によるコーティングの製造法。
【請求項9】
粘着性物質を忌避するようにされるべき表面上への請求項1から4までのいずれか1項記載の架橋可能な組成物の塗布および該組成物の引き続く架橋による、粘着性物質を忌避する被覆の製造法。

【公開番号】特開2009−144161(P2009−144161A)
【公開日】平成21年7月2日(2009.7.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−320472(P2008−320472)
【出願日】平成20年12月17日(2008.12.17)
【出願人】(390008969)ワッカー ケミー アクチエンゲゼルシャフト (417)
【氏名又は名称原語表記】Wacker Chemie AG
【住所又は居所原語表記】Hanns−Seidel−Platz 4, D−81737 Muenchen, Germany
【Fターム(参考)】