説明

柄の継手構造

【課題】 柄の継手構造において、第1の柄と第2の柄を強固に連結すること。
【解決手段】 第1の柄11と第2の柄13を互いに揺動自在に枢支して連結する柄の継手構造であって、第1の柄11に、2個の薄肉外側部材71と、薄肉両外側部材71に挟まれる厚肉中部材72を互いに3又状をなすように設け、2個の厚肉連結部材81を互いに2又状をなすように設け、両連結部材81の間に中空間82を形成し、第1の柄11の中部材72を第2の柄13の中空間82に差し込むことにより、第1の柄11の両薄肉外側部材71の揺動中心位置に設けた枢支孔71Aを該両外側部材71の外方への弾性変形下で第2の柄13の両連結部材81の外面に設けた枢軸81Aに係合して両者を連結するもの。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は清掃具等に用いて好適な柄の継手構造に関する。
【背景技術】
【0002】
清掃具の柄の継手構造として、特許文献1に記載の如く、第1の柄(柄1)に2個の外側部材を2又状に設け、この2又状の外側部材の間の空間に、第2の柄(本体部9)を差し込み、第1の柄の両外側部材に設けた枢支孔を第2の柄に設けた突起に弾発的に凹凸係合して両者を揺動自在に連結するものがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平8-228985
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1の清掃具では、第1の柄の両外側部材の枢支孔に第2の柄の突起を弾発的に凹凸係合するため、第1の柄の両外側部材の肩部(2又の付根部)を肉薄にして変形できるようにする必要がある。
【0005】
このため、使用状態で、第1の柄から第2の柄に操作力が加わるとき、2又をなす両外側部材がこじられて開き易く、両者の差し込み部にガタを生じ、ひいては外れるおそれがある。
【0006】
本発明の課題は、柄の継手構造において、第1の柄と第2の柄を強固に連結することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
請求項1の発明は、第1の柄と第2の柄を互いに揺動自在に枢支して連結する柄の継手構造であって、第1の柄に、2個の薄肉外側部材と、薄肉両外側部材に挟まれる厚肉中部材を互いに3又状をなすように設け、2個の厚肉連結部材を互いに2又状をなすように設け、両連結部材の間に中空間を形成し、第1の柄の中部材を第2の柄の中空間に差し込むことにより、第1の柄の両薄肉外側部材の揺動中心位置に設けた枢支孔を該両外側部材の外方への弾性変形下で第2の柄の両連結部材の外面に設けた枢軸に係合して両者を連結するようにしたものである。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、柄の継手構造において、第1の柄と第2の柄を強固に連結することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】図1は清掃具を示す全体図である。
【図2】図2は清掃具を示す斜視図である。
【図3】図3は清掃具を示す断面図である。
【図4】図4は清掃具を示す底面図である。
【図5】図5は清掃具を一部破断して示す斜視図である。
【図6】図6はゴミ受け部とピックアップ部材を示す斜視図である。
【図7】図7はピックアップ部材の上下変位構造を示す模式図である。
【図8】図8は清掃具によるフローリングの前進清掃状態を示す模式図である。
【図9】図9は清掃具によるフローリングの後進清掃状態を示す模式図である。
【図10】図10は清掃具によるカーペットの清掃状態を示す模式図である。
【図11】図11は柄の継手構造を示す分解斜視図である。
【図12】図12は柄の継手構造を示す断面図である。
【図13】図13は柄の継手構造の変形例を示す断面図である。
【図14】図14は清掃具のアーム枢着構造を示す分解斜視図である。
【図15】図15は清掃具のアーム枢着状態を示す断面図である。
【図16】図16は図15のXVI−XVI線に沿う断面図である。
【図17】図17は清掃具のアーム枢着構造の変形例1を示す断面図である。
【図18】図18は清掃具のアーム枢着構造の変形例2を示す断面図である。
【図19】図19は清掃具のアーム枢着構造の変形例3を示す断面図である。
【図20】図20は柄の継手構造の変形例を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
清掃具10は、床面等の清掃面上のゴミ、例えば大粒、小粒の粒ゴミ、又はカーペット等の繊維に絡み付いた髪の毛等のゴミを捕集するものであり、図1〜図10に示す如く、柄11の先端部に継手12を介して支持アーム13を清掃方向に交差する左右方向に揺動自在に結合し、支持アーム13の両側アーム部13Aに枢着部14を介してフレーム15を清掃方向に沿う前後方向に揺動自在に支持している。
【0011】
フレーム15の清掃方向に沿う前部には可撓掻き上げ体16が回動自在に支持され、フレーム15の清掃方向に沿う後部には接触回転体18が回動自在に支持され、掻き上げ体16と接触回転体18は平行に並べられて配置される。
【0012】
掻き上げ体16は、回転軸16Aと、回転軸16Aの軸方向の全長に渡ってブラシの毛が植設されたブラシロールからなる掻き上げ部16Bと、回転軸16Aの両端部に結合された両側の増速タイヤ17(変速タイヤ)からなる。掻き上げ部16Bは粘着ロール21に接触しても、接触しなくても良い。掻き上げ部16Bの毛の長さは互いに5mm程(ロール径に30mmに対して)ばらつくように作ってある。両側のタイヤ17は該タイヤ17にゴミがかみ込まないようにフレーム15の両外側に配置されるが、フレーム15の内側に設けても良い。
【0013】
接触回転体18は、粘着ロール21のための駆動手段であり、回転軸18Aと、回転軸18Aの軸方向の両端側2位置(軸方向3位置等の複数位置でも可)に固定される円盤状の回転子18Bと、回転軸18Aの両端部に結合された両側の増速タイヤ19(変速タイヤ)からなる。回転子18Bは粘着ロール21に接触する。両側のタイヤ19はフレーム15の両外側に配置される。
【0014】
掻き上げ体16の掻き上げ部と接触回転体18の回転子18Bの上には、それらに跨がる粘着ロール21が乗せられて載置され、粘着ロール21は掻き上げ体16と接触回転体18の回転に連れ回る。粘着ロール21は、粘着シートの巻取りロールの構成、又は表面が粘着性のエラストマーからなり、その表面を洗浄して再使用可能とする構成等を含む。本実施例の粘着ロール21は、粘着シート21Aをコア21Bに巻き回し、粘着シート21Aの粘着面を外側に向けて巻出し可能であって、1回使用分ずつさなだ巻きをした巻取りロール又は切断可能にした巻取りロールにて構成される。
【0015】
清掃具10は、図3に示す如く、フレーム15における掻き上げ部16Bに対する清掃方向の後部に塵取部30(ゴミ捕集部)を配置する。塵取部30は、フレーム15にネジ31Aにて取付けられるゴミ受け部31を有し(図6)、ゴミ受け部31の前方下部から下ゴミ止め部32を立ち上げ、前方上部に上ゴミ止め部33を設ける。上ゴミ止め部33は後述する粘着ロールホルダ50の回転カバー52の回転により進入する際の外周に沿う円弧状をなし、上ゴミ止め部33の下縁は掻き上げ部16Bの外周に近接(又は接触)する。下ゴミ止め部32の上縁と上ゴミ止め部33の下縁の間をゴミ送り間隔(ゴミ送り込み口)34とする。掻き上げ部16Bが弾き飛ばすゴミがゴミ送り込み口34経由でゴミ受け部31に捕集される。
【0016】
塵取部30は、ゴミ受け部31の後部開口31Aに後蓋35を開閉自在に備える。後蓋35は、ゴミ受け部31の後方下部に設けた支軸35Aに下端部を揺動自在に支持され、上端部に係止レバー36を備える。係止レバー36は、後蓋35に軸37を介して枢着され、コイルばね38のばね力によりゴミ受け部31の後方上部に設けた係止爪31Bに係止し(図3)、手動操作によって回動されて係止爪31Bとの係止を解除する。塵取部30へのゴミ捕集時には、後蓋35によりゴミ受け部31の後部開口31Aを閉じ、ゴミ払い出し時には、係止レバー36により開き操作される後蓋35によりゴミ受け部31の後部開口31Aを開き、後部開口31Aからゴミ除去する。尚、ゴミ受け部31と後蓋35の間で、支軸35Aのまわりには、後蓋35を開き方向に付勢する後蓋開き用コイルばね39が設けられる。塵取部30のゴミ受け部31、後蓋35等は、ゴミの捕集状態を視認できるような透明又は半透明の材料にて構成されるのが良い。
【0017】
塵取部30は、ゴミ受け部31の下ゴミ止め部32の前縁側、かつ掻き上げ体16の掻き上げ部16Bの後部に設けられ、掻き上げ部16Bの全幅に渡って隙間なく又は隙間を介して)相対するピックアップ部材40を備える。ピックアップ部材40は、掻き上げ部16Bが床から掻き上げるゴミを塵取部30へとガイドするすくい面41と、床にならってすくい面41を床に対して一定の角度に保持する底面42とを有する。すくい面41は左右両側部から立上るガイド壁43を備える。ガイド壁43は、掻き上げ部16Bが掻き上げたゴミの横外方へのこぼれ落ち防止を図るとともに、すくい面41から前方に突出した部分の下角部に大きなアールを設け、この下角部がカーペットの下に潜り込むことを防止する。
【0018】
塵取部30は、図5、図6に示す如く、ゴミ受け部31の下ゴミ止め部32の前縁の左右2ヶ所に、ゴミ受け部31の底部に対し鋭角をなして斜交するスライド筒44を設ける。ピックアップ部材40は、底面42の上面の左右2ヶ所に、すくい面41に平行するスライドロッド45を設け、すくい面41の裏面とスライドロッド45の間につなぎ板46を設け、スライドロッド45の上端側環状溝45Aには抜け止め用止め輪47A及びワッシャ47Bが係着できる。
【0019】
塵取部30は、図6、図7に示す如く、ピックアップ部材40のスライドロッド45をゴミ受け部31のスライド筒44に嵌合するとともに、スライドロッド45に付設されているつなぎ板46をゴミ受け部31の底部及びスライド筒44の前面側に切開されているスライド溝44Aに嵌合し、スライド筒44から突き出たスライドロッド45の上端側環状溝45Aに止め輪47を係着して抜け止めとする。これにより、塵取部30は、ピックアップ部材40のスライドロッド45をゴミ受け部31のスライド筒44に対してスライド自在にし、ピックアップ部材40をゴミ受け部31に対し、上下方向に変位自在にする。ピックアップ部材40の底部は、ゴミ受け部31の底部より被清掃面寄りに突き出る下降位置と、ゴミ受け部31の底部と概ね面一をなす上昇位置との間で、上下方向に変位する。ピックアップ部材40は、下降位置にあっても、上昇位置にあっても、平面状(又は曲面状)のすくい面41を、掻き上げ体16の掻き上げ部16Bの全巾に沿って隙間なく(又は隙間を介して)相対する後方に向けて上り勾配をなし、該すくい面41の最下端部を被清掃面としての床面に接し、掻き上げ体16の掻き上げ部16Bが掻き上げるゴミを床面に沿う後方に逃がすことなく、その全てのゴミを上方にガイドする。
【0020】
塵取部30は、図6に示す如く、ピックアップ部材40に覆われるゴミ受け部31における底部の前縁中央部にねじりばね(弾性体)48の中央ねじり部を固定し、ねじりばね48の両側先端部をピックアップ部材40における底面42の裏面に圧接する。
【0021】
清掃具10によるフローリング等の清掃時には、塵取部30のピックアップ部材40が自重及びねじりばね48の付勢力により下降位置に設定され、ピックアップ部材40の最下端部を床面に隙間なく接し、ゴミ受け部31の底部を床面から浮かす。
【0022】
他方、清掃具10によるカーペット等の清掃時には、塵取部30のピックアップ部材40がカーペットの毛足の抵抗によりゴミ受け部31に近づく側に上昇せしめられる。このとき、ねじりばね48は圧縮されて弾性変形する。
【0023】
尚、ゴミ受け部31の側のスライド筒44と、ピックアップ部材40の側のスライドロッド45は余裕(ガタ)をもって挿入されており、ピックアップ部材40がスライド軸方向にスライドしたり、清掃前後方向に揺動したり、左右方向に揺動したりできる。これにより、ピックアップ部材40のすくい面41、床面42が床の凹凸に柔軟に追従できる。
【0024】
清掃具10は、図9、図10に示す如く、ゴミ受け部31の前縁側底部の最前部の概ね全域に連続(又は不連続でも可)をなす凸状リブ49Aを設けるとともに、ピックアップ部材40の底面42の後縁部の概ね全域に連続(又は不連続でも可)をなし、上記凸状リブ49Aと概ね同一高さの上向き立上り部49Bを設ける。そして、ピックアップ部材40が上方に変位したときに、ピックアップ部材40の底面42の上面をゴミ受け部31の凸状リブ49Aに当接可能にし、かつピックアップ部材40の上向き立上り部49Bをゴミ受け部31の前縁側底部の下面に当接可能にするものである。
【0025】
清掃具10は、フレーム15における掻き上げ体16と接触回転体18の上部に粘着ロールホルダ50を設け、掻き上げ体16と接触回転体18の上に粘着ロール21を載置する。粘着ロール21は、粘着ロールホルダ50の後述する両ロール支軸53、54に径方向遊びをもってセットされながら、掻き上げ体16と接触回転体18の上に載置され、接触回転体18の回転に連れ回り、掻き上げ体16の回転方向と逆方向に回転する。
【0026】
粘着ロールホルダ50は、フレーム15の前方寄り上面で清掃方向に直交する横方向において、掻き上げ体16と接触回転体18に相並ぶ範囲に渡る、概ね矩形枠状をなす窓枠51を設け、この窓枠51の左右両側部内面に回転カバー52を回転可能に設ける。回転カバー52は、半円弧状段面又はU字状断面等の透明材料からなる略半割筒状体をなし、両側壁を有する。回転カバー52の左右一方の側壁に固定側ロール支軸53を設けるとともに、左右他方の側壁にスライド側ロール支軸54を設け、両ロール支軸53、54に粘着ロール21のコア21Bを回転自在に支持する。
【0027】
粘着ホルダ50は、掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21をフレーム15に支持された状態を維持してそれらの掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21の接触状態と非接触状態を切り替える隔離手段を構成する。具体的には、粘着ロールホルダ50は、回転カバー52の両側壁の外面に突設させた左右の回転支軸55を、窓枠51の左右両側部に設けた軸孔に嵌合し、回転カバー52をそれらの回転支軸55まわりで開閉回転できる。このとき、回転カバー52の回転支軸55を、ロール支軸53、54に対し偏芯させる。回転カバー52の閉じ状態で、回転支軸51よりも、ロール支軸53、54を掻き上げ体16と接触回転体18に近づける(回転支軸51が掻き上げ体16、接触回転体18に対する距離よりも、ロール支軸53、54が掻き上げ体16、接触回転体18に対する距離を小さくする)。これにより、回転カバー52の回転時に、回転カバー52が掻き上げ体16、接触回転体18に干渉しない。
【0028】
回転カバー52は、図3に示す如く、回転カバー52の半円弧状断面又はU字状断面等の半割断面の前縁フランジ(磁石56を具備する)を窓枠51の前部上縁の鉄板57に当接する閉じ位置に位置付けられた状態で、窓枠52を閉じ、両ロール支軸53、54に支持されている粘着ロール21を覆い、掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21を接触状態にする。他方、回転カバー52の前縁フランジを窓枠51の後部上縁の鉄板58に当接する開き位置に位置付けられた状態で、窓枠51を開き、回転カバー52を掻き上げ体16、接触回転体18と粘着ロール21の間に介在して粘着ロール21を外界に臨ませ、掻き上げ体16及び接触回転体18と粘着ロール21を非接触状態にし、両支軸53、54に新旧粘着ロール21のコア21Bを着脱し、又は両ロール支軸53、54にセットされている粘着ロール21の使用済粘着シート21Aを剥離除去可能にする。即ち、回転カバー52は閉じ位置から開き位置へ移行するとき、回転カバー52の前縁フランジと反対側の後縁部を掻き上げ体16、接触回転体18の上方に通過させ、これによって掻き上げ体16、接触回転体18と粘着ロール21の間に介在する。これにより、回転カバー52を開き状態にして、両支軸53、54にセットされている粘着ロール21の粘着シート21Aの使用済の1周巻き分を剥離除去しようとするとき、粘着シート21Aを掻き上げ体16、接触回転体18の外周に粘着させずにスムースに剥離できる。粘着シート21Aは1回使用分を重ねて巻いて1枚ずつ剥離除去するものの他、粘着シート21Aの剥離端を回転カバー52の前縁又は後縁のエッジを用いて切断するものであっても良い。
【0029】
清掃具10による清掃動作は以下の通りなされる。
(1)柄11の軸方向に加える操作力によりフレーム15を介して掻き上げ体16のタイヤ17及び接触回転体18のタイヤ19を床面に加圧しながら清掃具10を前進させ、掻き上げ体16及び接触回転体18を回動させ、同時に粘着ロール21を連れ回り回転させる。
【0030】
(2)掻き上げ体16の掻き上げ部16Bが床面上のゴミを掻き上げると、このゴミは塵取部30を構成するピックアップ部材40のすくい面41にガイドされて掻き上げ体16の後方と上方に送り出され、大きなゴミはすくい面41からゴミ受け部31に送り込まれて捕捉され、掻き上げ部16Bに付着したゴミや掻き上げ部16Bにからみついたゴミは、粘着ロール21の粘着面に吸着捕捉される。
【0031】
(3)粘着ロール21の粘着面の全周に多量のゴミが捕捉されたことが視認されたら、粘着ロールホルダ50の回転カバー52を開き、粘着シート21Aの1周分を剥離切断除去し、新規粘着面を露出せしめる。
【0032】
(4)塵取部30のゴミ受け部31に多量のゴミがたまったことを視認したら、後蓋35を開き、ゴミ受け部31のゴミを廃棄する。
尚、清掃具10は前進だけでなく、後進もできる。
【0033】
清掃具10にあっては、(A)ピックアップ部材40の構造、(B)柄11の継手構造、(C)アーム13の枢着構造を以下の如くに有する。
【0034】
(A)ピックアップ部材40の構造(図3、図4、図8〜図10)
清掃具10は、図3、図4に示す如く、ピックアップ部材40の底面42における、すくい面41の最下端部に隣接(近接)する前側部の左右方向で概ね全幅に渡る拭部材61を備える。
【0035】
また、ピックアップ部材40の底面42における、すくい面41から離隔する後側部にサブ拭部材62を備える。サブ拭部材62は、底面42の左右方向の中央部の狭幅範囲にだけ設けられる。
【0036】
拭部材61、62は、起毛布、スポンジ等のクッション性のある柔軟材料からなる。本実施例では、拭部材61(62も同じ)は、平板状基部61Aに多数の起毛61Bを植設した起毛布からなる。
【0037】
清掃具10は、ピックアップ部材40の底面42における拭部材61、62が設けられる部分にくぼみ63、64を設け、拭部材61の基部61Aは粘着テープ等の接着剤63Aを介してくぼみ63の内部でその底面に接着され(図19(B))、拭部材62の基部も粘着テープ等の接着剤を介してくぼみ64の内部でその底面に接着される。
【0038】
清掃具10において、ピックアップ部材40が拭部材61、62を備えたことによる清掃動作の詳細について説明する。
【0039】
(1)フローリングの前進清掃状態(図8)
清掃具10のフローリング上での前進時、フローリング上のほこりや小さなゴミは、ピックアップ部材40のすくい面41の最下端部に隣接する底面42の拭部材61により集められ、拭部材61により集められてすくい面41の最下端部から前方に溢れたゴミは、掻き上げ体16の掻き上げ部16B(ブラシロール)によりすくい面41上を掻き上げられる。従って、細かいほこりや小さなゴミも、拭部材61の後方に逃がすことなく捕集できる。尚、この前進時に拭部材61からすくい面41の最下端部の間に残るほこりは、後述する後進時に除去される。
【0040】
ピックアップ部材40の底面42の前後2ヶ所に拭部材61、62を設けたから、硬質プラスチックからなる底面42を床に接触させず、床をこする異音の発生がない。また、底面42と床の間に直に土ほこり等の硬い汚れを挟んでこれを床に押し付けることがなく、床を傷つけることも防止できる。サブ拭部材62は底面42の全幅に渡って設けても良いが、カーペット清掃時の抵抗が大きくなるし、底面42の中央部に設けるだけで上述の底面42を床に接触させない機能を果たすことができるから、本実施例では底面42の中央部にだけ設けることにした。
【0041】
(2)フローリングの後進清掃状態(図9)
清掃具10は、掻き上げ体16の掻き上げ部16Bのブラシの毛の長さを前述の如く5mm程度ばらつくように作ってあるから、掻き上げ部16Bの一部の毛は塵取部30の上ゴミ止め部33に接触して抵抗を受け、またピックアップ部材40のすくい面41に接触して抵抗を受ける。清掃具10の後進時には、前タイヤ17が若干浮き、掻き上げ体16を駆動する力が小さいため、掻き上げ部16B(ブラシロール)は上記抵抗により回転しない。尚、清掃具10の前進時には、前タイヤ17に柄11からの操作力が加わり、掻き上げ体16を駆動する力が大きくなるため、掻き上げ部16Bは上記抵抗に打ち勝って回転する。
【0042】
即ち、清掃具10のフローリング上での後進時には、掻き上げ部16Bが回転しないので、上述(1)の前進時に拭部材61からすくい面41の最下端部にかけて残ったほこりや小さなゴミが掻き上げ部16Bの方へと移動し、掻き上げ部16Bのブラシの間に絡む。従って、残ったほこりが床に筋状に残ることがない。また、掻き上げ部16Bのブラシに絡んだほこりは次の前進時に掻き上げ体16の回転とともに掻き上げられ、塵取部30或いは粘着ロール21に捕捉される。
【0043】
(3)カーペットの清掃状態(図10)
清掃具10のカーペットでの清掃時には、ピックアップ部材40の床面42のくぼみ63、64に接着されている拭部材61、62は、カーペットの毛にそれらの起毛61Bを押されてなびき、抵抗は小さい。
【0044】
また、ピックアップ部材40の底面42は硬質プラスチックからなり、カーペットの毛がこの広い硬質床面42を押し上げるから、ピックアップ部材40が必要以上にカーペットに沈み込むことがなく、抵抗は小さい。尚、拭部材61、62の起毛61Bとカーペットとの抵抗により、ピックアップ部材40は適度な抵抗を受け、少しカーペットに沈むから、すくい面41によりカーペット表面のゴミをすくい上げ易くなる。また、ゴミ受け部31の側の凸状リブ49Aとピックアップ部材40の側の上向き立上り部49Bの働きで、ピックアップ部材40は先端が上がりすぎて掻き上げ部16Bのブラシの毛先を踏んだり、先端が下がりすぎてカーペットの毛の中に突き刺さったりして抵抗が大きくなることもない。
【0045】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)清掃具10の前進時に、床上の微細ゴミや薄ゴミがピックアップ部材40のすくい面41の下をすり抜けようとしても、拭部材61が直ちにこれらのゴミを集める。拭部材61に集められてすくい面41の最下端部(下端エッジ)からあふれるゴミは掻き上げ体16により掻き上げられる。従って、床上のゴミをピックアップ部材40のすくい面41の下から後方に逃すことなく、ゴミ受け部31や粘着ロール21に捕集できる。
【0046】
(b)ピックアップ部材40の裏面の前後2ヵ所に拭部材61とサブ拭部材62とを設けた。これにより、ピックアップ部材40の硬質プラスチック等からなる底面42を床に接触させないから、その底面42が床をこする騒音を防止できるし、その底面42が土ほこり等の硬い汚れを床にこすって床キズを生ずることを防止できる。
【0047】
(c)拭部材61を起毛布等のクッション性のある柔軟材料からなるものとすることにより、拭部材61は床に隙間なく接してゴミを集める。起毛布は、スポンジに比して、耐久性があるし、摩擦抵抗が小さい。
【0048】
(d)掻き上げ体16のブラシロールの毛の長さにばらつきがあるから、一部の毛がすくい面41や上ゴミ止め部33に接触して抵抗を受ける。清掃具10の後進時には、前タイヤ17が若干浮き、掻き上げ体16を駆動する力が小さいため、上記抵抗により掻き上げ体16は回転しない。掻き上げ体16が回転しないので、前進時に拭部材61からすくい面41の最下端部にかけて残ったゴミは掻き上げ体16のブラシロールの方へ移動し、ブラシロールの毛の間にからむ。従って、後進時に残った上述のゴミが床にすじ状に残ることがない。ブラシロールの毛の間にからんだゴミは、次の前進時に、掻き上げられ、ゴミ受け部31や粘着ロール21に捕集される。
【0049】
(e)拭部材61、62はピックアップ部材40の底面42に設けたくぼみ63、64に接着される。従って、カーペットの清掃時、拭部材61、62の起毛61Bはカーペットの毛に押されてなびき、抵抗は小さい。くぼみ63、64がないとき、拭部材61、62の基部61Aがピックアップ部材40の底面42より突出し、基部61Aの前縁がカーペットの毛に当たり、大きな抵抗になる。
【0050】
(B)柄11の継手構造(図3、図11、図12)
清掃具10は、柄11(第1の柄)と支持アーム13(第2の柄)を、以下の如く、継手12を介して互いに揺動自在に連結する(図3、図11)。
【0051】
柄11は、2個の薄肉外側部材71、71と、両外側部材71、71に挟まれる厚肉中部材72を互いに前後(清掃方向)に並んで3又状をなすように設け、各外側部材71、71と中部材72の間に両側空間73、73を形成する。両外側部材71、71と中部材72は互いに同軸をなす貫通状の枢支孔71A、72A(枢支部)を備える。
【0052】
支持アーム13は、中央外側面に2個の厚肉連結部材81、81を互いに前後(清掃方向)に並んで2又状をなすように設け、両連結部材81、81の間に中空間82を形成する。両連結部材81、81は、外方に臨む枢軸81A(枢支部)と、内方の中空間82に臨む小突起部81Bを備える。
【0053】
柄11と支持アーム13は以下の如くにして継手12を形成する。柄11の中部材72を支持アーム13の中空間82に差し込み、かつ柄11の両側空間73、73に支持アーム13の各連結部材81、81を差し込み、この差し込み過程で柄11の両外側部材71、71を弾性拡縮変形させて柄11の両外側部材71、71に設けた枢支孔71Aを支持アーム13の両連結部材81、81の外面に突設させた枢軸81Aに弾発的に凹凸係合して両者を連結する。枢軸81Aは清掃具10の清掃方向(前後方向)に沿う鉛直面内に配置される。尚、柄11の中部材72に設けた枢支孔72Aは支持アーム13の両連結部材81、81の内面の小突起部81Bに軽く凹凸係入する。
【0054】
柄11と支持アーム13はそれらの差込部まわりにクリックストップ機構部90を設ける。クリックストップ機構部90は、支持アーム13の中空間82の底部に設けた収納孔にコイルばね91とボール92を収納し、ばね91に付勢されるボール92を、柄11の中部材72の円弧状先端面の周方向複数位置に設けた凹み93のいずれかに選択的に係合可能にする。
【0055】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)柄11と支持アーム13を連結するに際し、柄11の中部材72は支持アーム13の両連結部材81の間の中空間82に変形されずに単に又は軽く差し込まれ、支持アーム13の両連結部材81も変形しないから、それらの中部材72と両連結部材81をともに厚肉化できる。柄11から支持アーム13に操作力が加わってそれらの中部材72と両連結部材81がこじられようとしても、それらが厚肉の故に変形せず、両者の差し込み部にガタを生じにくく、外れることを防止する。
【0056】
(b)柄11の両外側部材71の枢支部(枢支孔71A)に、支持アーム13の両連結部材81の枢支部(枢軸81A)を弾発的に凹凸係合するため、両外側部材71の肩部を肉薄にして変形できるようにしても、柄11から支持アーム13に加わる操作力は上述(a)の中部材72と両連結部材81とで負担され、両外側部材71をこじり開くことを防止できる。両外側部材71は変形しにくく、それらの枢支部(枢支孔71A)を両連結部材81の枢支部(枢軸81A)に安定的に枢着維持することができる。
【0057】
(c)柄11と第2の差し込み部まわりにクリックストップ機構部90を設けた。従って、使用者は柄11と支持アーム13を選択したいずれかの揺動位置に保持できる。
【0058】
(d)清掃具10において、上述(a)〜(c)を実現できる。
【0059】
(e)柄11と支持アーム13を連結する枢支部の枢軸81Aを清掃方向に沿う鉛直面内に配置した。清掃具10の前進時に、柄11から支持アーム13に加える操作力により清掃具のタイヤ17を床にしっかりと押付け、清掃作業性を向上しながら、柄11と支持アーム13を安定的に連結維持できる。
【0060】
図20は、柄11の継手構造の変形例を示すものである。図20の柄11は、図12の柄11と同様に、2個の薄肉外側部材71、71と、両外側部材71、71に挟まれる厚肉中部材72を互いに前後(清掃方向)に並んで3又状をなすように設け、各外側部材71、71と中部材72の間に両側スリット73、73を形成する。両外側部材71、71は内方の両側スリット73に臨む枢軸74(枢支部)を備える。
【0061】
支持アーム13は、中央外側面に2個の厚肉連結部材81、81を互いに前後(清掃方向)に並んで2又状をなすように設け、両連結部材81、81の間に中スリット82を形成する。両連結部材81、81は、貫通状の枢支孔83(枢支部)を備える。
【0062】
柄11と支持アーム13は以下の如くにして継手12を形成する。柄11の中部材72を支持アーム13の中スリット82に差し込み、かつ柄11の両側スリット73、73に支持アーム13の各連結部材81、81を差し込み、この差し込み過程で柄11の両外側部材71、71を弾性拡縮変形させて柄11の両外側部材71、71に設けた枢軸74を支持アーム13の両連結部材81、81の枢支孔83に弾発的に凹凸係合して両者を連結する。枢軸74は清掃具10の清掃方向(前後方向)に沿う鉛直面内に配置される。本変形例によれば、上記実施例と同様の作用効果を奏する。
【0063】
図13は、柄11の継手構造の参考例を示すものである。図13において、柄11は、2個の厚肉外側部材101、101と、両外側部材101、101に挟まれる2個の薄肉中部材102を互いに前後(清掃方向)に並んで4又状をなすように設け、各外側部材101、101と各中部材102の間に両側空間103、103を形成するとともに、両中部材102、102の間に空間104を形成する。両外側部材101、101は両側空間103に臨む小突起部101Aを備え、両中部材102、102は両側空間103に臨む枢軸102A(枢支部)を備える。
【0064】
支持アーム13は、中央外側面に2個の厚肉連結部材111、111を互いに前後(清掃方向)に並んで2又状をなすように設け、両連結部材111、111の間に中空間112を形成する。両連結部材111、111は、互いに同軸をなす貫通状の枢支孔111A(枢支部)を備える。
【0065】
柄11と支持アーム13は以下の如くにして継手12を形成する。柄11の両中部材102を支持アーム13の中空間112に差し込み、かつ柄11の両側空間103、103に支持アーム13の各連結部材111、111を差し込み、この差し込み過程で柄11の両中部材102、102を弾性拡縮変形させて柄11の両中部材102、102に設けた枢軸102Aを支持アーム13の両連結部材111、111に設けた枢支孔111Aに弾発的に凹凸係合して両者を連結する。枢軸102Aは清掃具10の清掃方向(前後方向)に沿う鉛直面内に配置される。尚、柄11の両外側部材101に設けた小突起部101Aが支持アーム13の両連結部材111、111の枢支孔111Aに軽く凹凸係入する。
【0066】
参考例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)柄11と支持アーム13を連結するに際し、柄11の両外側部材101は支持アーム13の両連結部材111の外側に変形されずに単に又は軽く差し込まれ、支持アーム13の両連結部材111も変形しないから、それらの両外側部材101と両連結部材111をともに厚肉化できる。柄11から支持アーム13に操作力が加わってそれらの両外側部材101と両連結部材111がこじられようとしても、それらが厚肉の故に変形せず、両者の差し込み部にガタを生じにくく、外れることを防止する。
【0067】
(b)柄11の両中部材102の枢支部(枢軸102A)に、支持アーム13の両連結部材111の枢支部(枢支孔111A)を弾発的に凹凸係合するため、両中部材102の肩部を肉薄にして変形できるようにしても、柄11から支持アーム13に加わる操作力は上述(a)の両外側部材101と両連結部材111とで負担され、両中部材102をこじり変形させることを防止できる。両中部材102は変形しにくく、両中部材102の枢支部(枢軸102A)を両連結部材111の枢支部(枢支孔111A)に安定的に枢着維持することができる。
【0068】
(C)支持アーム13の枢着構造(図14〜図19)
清掃具10は、柄11付支持アーム13の両側アーム部(両側部)13Aを、以下の如く、枢着部14を介してフレーム15の両外側部に回転自在に枢着する(図14〜図16)。
【0069】
フレーム15の両外側部で、前側タイヤ17と後側タイヤ19に挟まれる部分には枢軸121(枢支部)が植設されて固定的に設けられる。他方、支持アーム13の両側アーム部13Aの先端部には軸孔122(被枢支部)が設けられる。清掃具10は、支持アーム13の側の軸孔122をフレーム15の側の枢軸121に枢着するに際し、位置決め手段130と回転抵抗手段140を有する。位置決め手段130は、フレーム15の枢軸121の軸方向に対し、支持アーム13の両側アーム部13Aがなす位置を位置決めし、フレーム15の外面と両側アーム部13Aの間に一定の隙間G(図15)を規制する。回転抵抗手段140は、支持アーム13に一定の回転抵抗力を付与する。
【0070】
本実施例では、位置決め手段130をC字リング等のクリップ131とする。図15、図16に示す如く、両側アーム部13Aの軸孔122まわりの先端部に設けた円環部132の外周にクリップ131を係着するとともに、クリップ131の内周面の周方向中央部に張り出し形成した弦状のストッパ部131Aを両側アーム部13Aの軸孔122まわりの上記円環部132の下部に穿設した溝132Aに通し、このストッパ部131Aの先端部を更にフレーム15の側の枢軸121の外周に設けた環状溝121Aに係合させる。クリップ131は、ストッパ部131Aの先端の一部だけを枢軸121の環状溝121Aの溝側壁に対し、その溝周方向の一部に係合する。
【0071】
回転抵抗手段140は、本実施例では、枢軸121のまわりで、フレーム15の外面と両側アーム部13Aの隙間Gに一定量圧縮されて介装されるクッションリング141からなり、両側アーム部13Aの側面に摺接して摩擦接触する。クッションリング141の一定摺動抵抗力が支持アーム13の一定回転抵抗力になる。クッションリング141は、ゴム、不織布、金属、樹脂等にて形成される。ゴムにシリコンオイルを含浸させたものを用いると、静摩擦係数が低くなり、動き始めから一定の抵抗力を発生できる。
【0072】
本実施例によれば以下の作用効果を奏する。
(a)清掃具10は、位置決め手段130により、支持アーム13の寸法精度によらず、フレーム15の枢軸121の軸方向に対し、支持アーム13の両側アーム部13Aがなす位置を位置決めできる。しかも、回転抵抗手段140により、支持アーム13に一定の回転抵抗力を付与でき、使用者の操作感を向上できる。
【0073】
(b)クリップ131を支持アーム13に係着するとともに、支持アーム13の軸孔122まわりに穿設した溝132Aを通ってフレーム15の枢軸に設けた環状溝121Aに係合させることにより、コンパクトな位置決め手段130を構成できる。
【0074】
(c)クリップ131をフレーム15の枢軸の環状溝121Aと溝周方向の一部にて係合させることにより、クリップ131と枢軸との接触面積を小さくし、支持アーム13の両側アーム部13Aの弾性的な狭まり力のばらつきが、該支持アーム13と枢軸との間で生じ得る回転抵抗力のばらつきを可及的に少なくする。これにより、支持アーム13に付与する回転抵抗力を、可及的に回転抵抗手段140だけによって管理可能にし、支持アーム13に一定の回転操作力を付与する。
【0075】
(d)回転抵抗手段140をクッションリング141により簡易に構成できる。
図17〜図19はそれぞれ支持アーム13の枢着構造の変形例を示すものである。
【0076】
図17の変形例は、回転抵抗手段140として、両側アーム部13Aの側面に摺接する摩擦リング141Aを用いるとともに、フレーム15の外面と摩擦リング141Aの端面の間に圧縮コイルばね142を介装したものである。摩擦リング141Aの一定摺動抵抗力が支持アーム13の一定回転抵抗力になる。摩擦リング141として、前述のクッションリング141と同材質を採用できる。ばね140により、摩擦リング141Aが両側アーム部13Aに及ぼす摺動抵抗力を容易に調整できる。
【0077】
図18の変形例は、回転抵抗手段140として、両側アーム部13Aの軸孔122に開口するように両側アーム部13Aに設けた収納孔に装填した摩擦シュー143を用いる。摩擦シュー143は、圧縮コイルばね144によりバックアップされて軸孔122内に一部突出し、枢軸121の外周面に摺接する。摩擦シュー143の一定摺動抵抗力が支持アーム13の一定回転抵抗力になる。摩擦シュー143として、前述のクッションリング141と同材質を採用できる。ばね144により、摩擦シュー143が枢軸121に及ぼす摺動抵抗力を容易に調整できる。
【0078】
図19の変形例は、フレーム15の中空枢軸121の外側端面から頭付ビス151を挿入し、ビス151の先端係止爪151Aをフレーム15の内面に係止させ、かつビス151の中間段差面151Bを枢軸121の外側端面に当接させることで、フレーム15の外面とビス151の中間段差面151Bとの間隔を一定にする。支持アーム13の両側アーム部13Aの軸孔122まわりには、フレーム15の外面に接する環状凸面122Aと、ビス151の中間段差面151Bに接する環状面122Bを備える。ビス151は、位置決め手段130を構成し、両側アーム部13Aの環状凸面122Aと環状面122Bが、フレーム15の外面とビス151の中間段差面151Bとの間隔内に僅かな隙間を介して位置決めされる。ビス151の頭面151Cと両側アーム部13Aの環状面122Bの間に、回転抵抗手段140を構成するクッションリング152が一定量圧縮されて装填され、クッションリング152が両側アーム部13Aに及ぼす一定の摺動抵抗力が支持アーム13の一定回転抵抗力になる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明によれば、柄の継手構造において、第1の柄と第2の柄を強固に連結することができる。
【符号の説明】
【0080】
10 清掃具
11 柄(第1の柄)
12 継手
13 支持アーム(第2の柄)
71 外側部材
72 中部材
71A、72A 枢支孔(枢支部)
73 両側空間
81 連結部材
81A 枢軸(枢支部)
81B 小突起部
82 中空間
90 クリックストップ機構部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の柄と第2の柄を互いに揺動自在に枢支して連結する柄の継手構造であって、
第1の柄に、2個の薄肉外側部材と、薄肉両外側部材に挟まれる厚肉中部材を互いに3又状をなすように設け、
2個の厚肉連結部材を互いに2又状をなすように設け、両連結部材の間に中空間を形成し、
第1の柄の中部材を第2の柄の中空間に差し込むことにより、第1の柄の両薄肉外側部材の揺動中心位置に設けた枢支孔を該両外側部材の外方への弾性変形下で第2の柄の両連結部材の外面に設けた枢軸に係合して両者を連結する柄の継手構造。
【請求項2】
前記第2の柄の連結部材は、外方に臨む前記枢軸と内方の中空間に臨む小突起部を備え、第1の柄の前記中部材に設けた枢支孔が第2の柄の前記小突起部に軽く凹凸係入している請求項1に記載の継手構造。
【請求項3】
前記第1の柄と第2の柄の差し込み部まわりにクリックストップ機構部を設けた請求項1又は2に記載の柄の継手構造。
【請求項4】
請求項1〜のいずれかに記載の柄の継手構造を用いた清掃具。
【請求項5】
前記第1の柄と第2の柄を揺動自在に枢支して連結した揺動中心軸を清掃方向に沿う鉛直面内に配置する請求項に記載の清掃具。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【公開番号】特開2011−152446(P2011−152446A)
【公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−102943(P2011−102943)
【出願日】平成23年5月2日(2011.5.2)
【分割の表示】特願2005−215039(P2005−215039)の分割
【原出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【出願人】(000000918)花王株式会社 (8,290)
【Fターム(参考)】