説明

柄付金属タワシ

【課題】 金属タワシ単体での調理器具の洗浄は、金属タワシがバラケ、寿命が短い、柄付金属タワシも販売されているが、表面積が小さく磨き時間や労力は変わらず、現在でも金属タワシ単体が主流である。寿命が長く、半分の労力や時間にする必要がある。
【解決手段】 掴み具として、一対の掴み部、柄部、連結部及び固定部を設ける。前記一対の掴み部の先端に折曲部を設け相互にかみ合いをずらす、2重のリングを有する金属タワシ複数個を一対の掴み部及折曲部に挿入し、柄部を掴んで加圧し固定具で一体化する。金属タワシ外周囲を鋼線で縫い付けて固定し、内外で小型金属タワシを固定した柄付金属タワシ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、調理器具の洗浄具である柄付金属タワシに関するものである。
【背景技術】
【0002】
食器及び調理器具の洗浄乾燥で、一番ネックになっているのが、調理器具の焦げ付きで、時間を要し、労力を伴う。これを落とすため、鍋などの焦げ付きは、研磨の工程を要し、手洗いでは、金属タワシと洗剤を使用して磨き落とす方法が一般的に行われている。金属タワシは、スパイラル状の線が筒状に巻き取られて収縮してボール状で販売されている。この金属タワシは、バラケ易く、すぐに原型をとどめない形状に崩れ、寿命が短い。
【0003】
更に手が洗剤や水に直接触れるので、手も荒れ、気持が悪く、手袋をはめて行う。調理具の油汚れの焦げ付きは、一個当たり数分を要し、数点あるとそれだけで10〜20分程度かかり、食器及び調理器具の手洗い時間は、45点の食器及び7点の調理器具では、一時間ほどかかる。この労力や時間を半減しなければならない。
【0004】
フライパンは、焦げ付き対策として、表面にコーティングして焦げ付き対策した物が多く販売されているが、熱伝達率が悪くエネルギィーを多量に消費し、COの排出が多い、又体にも良くない成分が微量ずつ体内にはいる、更に又フライパンがすぐ傷つき寿命も非常に短いので鉄製が良く、金属タワシ洗浄が依然必要とされている。
【0005】
市販されている柄付き金属タワシが2種類ある。一種類は、2本の鋼線を捩って、これに金属タワシを巻きとって、馬蹄形に曲げた両端部と柄部とを射出成型し固定したものである。金属タワシの量は、中と小タワシの中間の1個分で、100円ショップで購入できるが、表面積が小さく、柄付タワシ形状をしているため、洗浄物を傾斜し回転さして、部分ごとに磨き、一周すると時間がかかり、労力も削減されない。更にすぐ目詰まりを起こし、巻いているのみで、しばらく使用すると先端が、バラケル欠点がある。
【0006】
他の種類は、金属タワシにプラスチックの網ネットを被せ、プラスチックの柄を作り、金属タワシの巻き中心を、柄の両サイドから突起を出し吊り下げているものがあるが、全く力が入らず実用性は無い。残念ながら、金属タワシ単体を、手袋をはめて掴んで磨く方法が、未だ圧倒的に多く採用されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
先行調査結果を記述する。
【特許文献1】特開2000−116585号公報
【特許文献2】特開平10−295605号公報
【特許文献3】実用新案登録第3123060号公報
【特許文献4】実開昭62−43556号公報
【特許文献5】特開昭61−48330号公報
【特許文献6】実開昭64−8371号公報
【特許文献7】特開2003−93319号公報
【0008】
特許文献5によると、金属タワシが公知のスパイラル状線で製作されていることを記述している、本発明は金属タワシそのものの製法や構造を変える発明ではなく公知の金属タワシを使用したことが前提である。特許文献6によると、市販のタワシを掴み具で掴み止め金を使用して固定することが記述されているが、掴み具は公知で似たものであるが、目的に合った構造を構成していることや掴むものとの関係で進歩性を生み出すものである、記述された掴み具は公知の機能を有するのみで、何の進歩性も有していない。特許文献7は、使用目的に合わし、U字形状の柄部や挟むためにそれぞれの円筒状連結部を必要としたもので、本発明の用途や機能とは、全く関係がなく類似性もない。更に特許文献4によると、金属タワシを分割して縛る方法が開示されているが、金属タワシ単体と比べ機能を大幅に低下さす、ドーナツ状になり部分的にしか使用できない欠点がある、更に本方式に使用すると、引き伸ばすと縛るワイヤがリング状ではみ出て、かえって邪魔になる、スパイラル状に巻いて自在に伸縮しフィットすることが進歩性である。上述したように、上記特許文献と本発明とは、類似性は認められないし、本発明に役立つものは全くなく、更に
実用化されたものは全く見当たらない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明は、従来の金属タワシに上記の難点があったことに鑑みて為されたもので、第1の課題は、金属タワシに柄を設け、洗剤に触れないこと、第2の課題は、コイルのバラケ防止し、数十倍以上の寿命があること。第3の課題は、金属タワシの先端及び側面の全面が、コイルで覆われ、広い面積を有し全面が使用され、金属タワシを回転して研磨できること。第4の課題は、従来の方法に比べ、半分の時間と労力で磨けること。
【課題を解決するための手段】
【0010】
金属タワシと掴み具とを有する柄付金属タワシにおいて、前記金属タワシは、金属製のスパイラル状線をリング状に捲回した金属タワシを引き伸ばして、楕円リング状に拡げ、1回捩じって8の字状にして交点を作り、該交点を基点にして折り曲げて並列に並べ、2重のリングを有する金属タワシを構成し、前記掴み具は、一対の柄部と、前記一対の柄部を連結する連結部と、前記一対の柄部の各先端に設けられた一対の掴み部と、前記一対の掴み部の各先端に内側に折曲された折曲部を設け、一対の折曲部の相互位置関係は多少のずれが有り、前記一対の折曲部を閉じると、すれ違い一方の折曲部の先端が、他方の掴み部に当たり位置を決める、更に閉じた状態を維持するための固定具が設けられており、前記2重のリングを有する金属タワシの交点を、内向きで複数個を、前記一対の折曲部及び掴み部に挿入し閉じて、一体化し固定具で固定して構成する柄付金属タワシを特徴とする。
【0011】
前記複数の金属タワシを相互に固定するための固定ワイヤを更に備え、前記固定ワイヤは、金属タワシの複数本のスパイラル状線を、1回転して締め付け適当な間隔を空けて連続して前記の動作が行われ、前記の金属タワシの外周の表面部を、一周して固定される請求項1に記載の柄付金属タワシを特徴とする。
【0012】
前記の金属製のスパイラル状線をリング状に捲回した金属タワシに、リング状の中心部を貫いて、スパイラル状に一周を適当なピッチで巻きつけた金属線と、を有する請求項1又は請求項2に記載の柄付金属タワシを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
金属タワシに柄が付いたことで、手が洗剤に触れないので手荒れはない。更に汚い金属タワシを握ることも無く、更に又、柄付金属タワシをハンガーに吊るして乾燥でき清潔である。
【0014】
2重のリングを有する金属タワシが、前記曲がり部や掴み部及び柄部の一部に強固にフィットし、更に前記曲がり部や掴み部及び柄部の一部の内側の、一対の2重のリングを有する金属タワシが、一対の柄部の圧力で、圧縮又は、挟まれて保持され、更に又、金属タワシの外周を固定ワイヤで固定されたことで、強力なバラケ防止ができ、単体の金属タワシに比べ数十倍以上、寿命が伸びた。
【0015】
一対の折曲部及び掴み部及び柄部の一部の周囲全面が金属タワシで覆われ、調理器具等を固定したままで、焦げ付きの内部を洗浄する場合、柄付金属タワシの側面を内面に沿って回転さすだけで、全周囲が均一に接触し、目詰まりを起こさず一気に磨け、時間や労力を半減できる。
【0016】
請求項3による方法では、小型金属タワシ単体を金属線でスパイラル状に一周巻きつけ、小型金属タワシ単体の形状を強力に保持し、請求項1又は2に記載された方法で柄付金属タワシを構成すれば、バラケ防止が一層強化され、油汚れで焦げ付きがひどく、且つ複雑な形状の調理器具にも適用でき、長期に使用ができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明を実施するための小型金属タワシ10の正面図と断面図を示す。
【図2】本発明を実施するための小型金属タワシを引き伸ばし捩じって8の字状態の金属タワシ12にしたものであり、それを2重の輪13にした状態の断面図を示す。
【図3】本発明を実施するための掴み具の側面図である。
【図4】本発明を実施するための掴み具に金属タワシを挿入した状態の側面図である。
【図5】本発明を実施するための柄付金属タワシを挟んで固定し、金属タワシ群の側面の外周を鋼線で縫い付け固定した側面図である。
【図6】単体の金属タワシに金属線をスパイラル状に巻きつけて固定した、正面図及び断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施の形態を図に基づいて説明する。
【実施例】
【0019】
図1に小型金属タワシ10の正面図及び断面図を示す。小型金属タワシ10は、スパイラル線を平巻きして重ねたもので、お互いの絡み合いだけでダンゴ状に丸まっているのみである。従って外力が加わると容易にバラケル構造になっている。小型金属タワシ10は、1個8〜10gで直径が42〜45mm程度のもので、材質はSUS製が適用される、これは、掴み具の大きさに関係があり、入手しやすさや使いやすさ更にコストも考慮して選定したものであり、大型が必要な場合は通常の金属タワシも適用できる。
【0020】
小型金属タワシ10は、弾性は十分あり、図2に示すように、小型金属タワシ10を引き伸ばし楕円状のリングにして、一回捩じって8の字状金属タワシ12にして、交点14を作り、該交点14を基点にして折り曲げ、並列に並べ2重のリングを有する金属タワシ13を作る。
【0021】
図3には掴み具20の側面図を示す。前記掴み具20は、一対の掴み部22や柄部23及び連結部24から構成され、連結部24はピン25で連結されるタイプと柄部と一体化した構造(図示されていない)のものがある、又掴み部22の先端部に折曲部21が設けられる、一対の柄部23を掴んで閉じると、一対の折曲部21は相互に多少のずれが有り、すれ違って一方が掴み部22に当たり位置決めができ、その状態を保つため、固定具26を移動して固定する。連結部24には、開閉のバネは必ずしも必要ないがあってもかまわない。先端部に一対の折曲部21が設けられている理由は、先端部に相当量の2重のリングを有する金属タワシ13を蓄えるスペースを確保することと、不連続な保持部となるのでかみ合せて強固な2重の保持部を構成するためである。固定具26は、図3に示す以外にインシュロックを使用しても良い。
【0022】
図4に、前記の掴み具20の一対の折曲部21、掴み部22や柄部23の一部に、2重のリングを有する金属タワシ13を3個ずつ挿入した側面図を示す。2重のリングを有する金属タワシ13の配置は、交点14が掴み具20の内部に位置するように装着され、外部表面部には現れないように配慮されている。2重のリングを有する金属タワシ13は、一対の折曲部21、掴み部22や柄部23の一部に装着するだけで、密着度は強固で、これだけでも小型金属タワシ単体の数倍のバラケ防止ができる。前記の掴み具20の一対の折曲部21、掴み部22や柄部23の一部に、各3個挿入すると、通常の大きさの鍋の側面の長さに相当する。前記の掴み具20の一対の折曲部21、掴み部22や柄部23の一部に、各4個入れて、大型の柄付金属タワシも製作できる。
【0023】
図4に示す状態で、前記一対の柄部23を掴み閉じると、図5に示すように、2重のリングを有する金属タワシ13は、加圧され圧縮される、同時に他の部分に挿入された2重のリングを有する金属タワシ13の内側部や交点14も加圧されて固定具26で一体化する。
【0024】
図5に示すように、固定ワイヤ30で金属タワシの複数本のスパイラル状線を、1回転して締め付け適当な間隔を空けて連続して前記の動作が行われ、前記の金属タワシの外周表面部を、一周して固定する。その結果、内部と外部で固定されることで強力なバラケ防止が可能となり、柄付金属タワシ40が完成する。固定ワイヤ30は、渡る線が上になる方法と下になる方法がある、下を渡る方が見栄え良いし、表面に出て邪魔せず性能面でも良好である。固定ワイヤ30はSUS線で、直径が0.5〜0.6mmを使用する、理由は、先端を釣り針の形状を大きくした形状で、引っかかる部分が無いこと、これを実現できる最重要ポイントで、これを試行錯誤して一年かけて開発した。
【0025】
図6に示すように、図1の小型金属タワシ10の内部、側部及び外部に沿って金属線31をスパイラル状に巻きつけた小型金属タワシ11を前記に示した方法で製作した柄付金属タワシ40は更にバラケ防止が強化される。金属線30としてSUS線で直径が0.2〜0.3mmを使用した。スパイラル状のピッチは一周を8〜16分割する程度が良い。
【0026】
開発及び商品化に4年以上を要し、十分な耐久力、洗浄効果、コスト及び市場性を確認して、今回の出願をしたものである。
【符号の説明】
【0027】
20 掴み具
21 折曲部
22 掴み部
23 柄部
24 連結部
25 ピン
26 固定部
10 小型金属タワシ
11 鋼線を螺旋状に巻きつけた小型金属タワシ
12 8の字状金属タワシ
13 2重のリングを有する金属タワシ
14 交点
30 固定ワイヤ
31 金属線
40 柄付金属タワシ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
金属タワシと掴み具とを有する柄付金属タワシにおいて、前記金属タワシは、金属製のスパイラル状線をリング状に捲回した金属タワシを引き伸ばして、楕円リング状に拡げ、1回捩じって8の字状にして交点を作り、該交点を基点にして折り曲げて並列に並べ、2重のリングを有する金属タワシを構成し、前記掴み具は、一対の柄部と、前記一対の柄部を連結する連結部と、前記一対の柄部の各先端に設けられた一対の掴み部と、前記一対の掴み部の各先端に内側に折曲された折曲部を設け、一対の折曲部の相互位置関係は多少のずれが有り、前記一対の折曲部を閉じると、すれ違い一方の折曲部の先端が、他方の掴み部に当たり位置を決める、更に閉じた状態を維持するための固定具が設けられており、前記2重のリングを有する金属タワシの交点を、内向きで複数個を、前記一対の折曲部及び掴み部に挿入し閉じて、一体化し固定具で固定して構成することを特徴とする柄付金属タワシ。
【請求項2】
前記複数の金属タワシを相互に固定するための固定ワイヤを更に備え、前記固定ワイヤは、金属タワシの複数本のスパイラル状線を、1回転して締め付け適当な間隔を空けて連続して前記の動作が行われ、前記の金属タワシの外周表面部を、一周して固定されることを特徴とする請求項1に記載の柄付金属タワシ。
【請求項3】
前記の金属製のスパイラル状線をリング状に捲回した金属タワシに、リング状の中心部を貫いて、スパイラル状に一周を適当なピッチで巻きつけた金属線と、を有することを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の柄付金属タワシ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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