説明

核医学診断装置、及び、核医学診断装置における検出器の故障特定方法

【課題】核医学診断装置に設置された検出器のメンテナンスを行うときに、作業者の被曝を避けつつメンテナンスを行うことが可能な核医学診断装置を提供する。
【解決手段】放射線検出器10は、短冊状の形状を有するシンチレータ11と、2次元的に配置された複数の光電子増倍管12とを備えている。シンチレータ11の前方に、複数の光ファイバを並べることで形成された平面状の光導波部30が設置されている。光導波部30の一端には光源20が設置されている。放射線検出器10の検査を行うときには、光源20から光を照射することで、光源20から発せられた光は光導波部30を介してシンチレータ11に入射する。光源20からの光に基づく放射線検出器10からの出力に基づいて、放射線検出器10の故障の有無を判断する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、PET(Positron Emission Tomograpy)装置やSPECT(Single Photon Emission Computed Tomograpy)装置などの核医学診断装置に関する。また、この発明は、核医学診断装置に設置された検出器の故障個所を特定する方法に関する。
【背景技術】
【0002】
被検体に投与された放射性物質から放射された放射線を検出し、検出された放射線に基づいて被検体内の放射性物質の分布を画像化する核医学診断装置が知られている。核医学診断装置としては、PET装置やSPECT装置が挙げられる。
【0003】
従来、PET装置などの核医学診断装置では、使用時に問題が発生すると使用者(ユーザ)がサービスセンタに電話などで連絡を取って状況を伝えて、その問題に対処していた。また、電話などでの情報のやり取りでは核医学診断装置に発生した問題の解決が困難な場合には、サービスマンを派遣して、核医学診断装置が設置されている場所において故障個所の特定やメンテナンスを行っていた。さらに、メンテナンスの効率化と迅速化とを図るために、核医学診断装置における異常の発生の監視や故障個所の特定などを電話回線やADSL回線などを利用して遠隔地から実施する方法も採用されるようになっている。
【0004】
PET装置などの核医学診断装置のデータ収集系は、例えば、シンチレータと光電子増倍管(PMT)とからなる検出器と、検出器にて発生する電気信号を処理する収集処理部とを備えている。そして、演算処理部が、収集処理部によって収集されたデータにランダム補正、散乱線補正、正規化、及び減弱補正などの補正処理を施した後、OSEM(Ordered Subset Expectation Maxmization)などの再構成処理を実行することにより画像データを生成する(例えば特許文献1)。
【0005】
ここで、PET装置に設置されているPET検出器の構成を図6に示す。図6は従来技術に係る検出器を示す側面図である。従来技術に係るPET検出器100は、短冊状の形状を有するシンチレータ101と、2次元的に配置された複数の光電子増倍管(PMT)102とを備えている。2次元的に配置された光電子増倍管102の前面にシンチレータ101が設置されている。シンチレータ101としては、例えばBGO(BiGe12)結晶などが用いられる。シンチレータ101は複数に分離されており、それぞれがγ線の入射方向に伸びた構造を有している。1例として、10本(縦方向)×10本(横方向)の短冊状のシンチレータ101が2次元的に配置され、2本(縦方向)×2本(矛方向)の光電子増倍管102が2次元的に配置されている。シンチレータ101は、γ線が入射するとγ線をエネルギーに応じた光量の光に変換する。光電子増倍管(PMT)102は、シンチレータ101によって変換された光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する。
【0006】
以上のように、PET検出器100はγ線をシンチレータ101によって光に変換して、その光を光電子増倍管(PMT)102によって電気信号に変換する。そのため、PET検出器100を作動させるためには、被写体としてγ線を発生する放射性物質を含む物体200が必要となる。遠隔地からPET検出器の状態を監視したり故障箇所を特定したりする場合であっても、撮影領域内に放射性物質を含む物体200を設置する必要がある。
【0007】
遠隔地からのメンテナンスを行う場合には、サービスマンはPET装置が設置されている場所に派遣されないため、使用者(ユーザ)が放射性物質を含む物体200を設置する必要がある。しかしながら、放射性物質を含む物体の設置は被曝を伴う作業である。そのため、この作業をPET装置のメンテナンスのために使用者(ユーザ)が行うことは、使用者(ユーザ)をメンテナンスのために被曝の危険にさらさなければならない問題があった。SPECT装置についても同様の問題があった。従って、使用者(ユーザ)を被曝の危険にさらさずに、PET装置などの核医学診断装置に設置されている検出器のメンテナンスを遠隔操作で行える方法が望まれていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特開2008−196961号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
この発明は上記の問題を解決するものであり、核医学診断装置に設置されている検出器のメンテナンスを行うときに、作業者の被曝を避けつつメンテナンスを行うことが可能な核医学診断装置、及び核医学診断装置における検出器の故障特定方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載の発明は、放射線の入射を受けて前記放射線を光に変換するシンチレータと、2次元的に配置されて、前記シンチレータによって変換された光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する複数の光電子増倍管とを有し、被検体に投与された放射性物質から放射される放射線を検出する検出器と、前記検出器の出力に基づいて前記放射性物質の分布を画像化する画像生成手段と、光源と、前記シンチレータの前方に設置されて、前記放射線に代わって前記光源から発せられた光を前記シンチレータに入射させる光導波手段と、を有することを特徴とする核医学診断装置である。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3のいずれかに記載の核医学診断装置であって、前記光源からの光に基づく前記光電子増倍管からの出力に基づいて、前記検出器の故障の有無を判断する判断手段を更に有することを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、放射線の入射を受けて前記放射線を光に変換するシンチレータと、2次元的に配置されて、前記シンチレータによって変換された光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する複数の光電子増倍管とを有し、被検体に投与された放射性物質から放射される放射線を検出する検出器と、前記検出器の出力に基づいて前記放射性物質の分布を画像化する画像生成手段と、を有する核医学診断装置における検出器の故障特定方法であって、前記放射線に代えて光源から照射された光を、前記シンチレータの前方に設置された光導波手段によって前記シンチレータに入射させ、前記シンチレータは前記光導波手段によって入射された光を前記光電子増倍管に出力し、前記光電子増倍管は前記シンチレータからの光を増幅するとともに電気信号に変換し、前記光源からの光に基づく前記光電子増倍管からの出力に基づいて、前記検出器の故障の有無を判断することを特徴とする核医学診断装置における検出器の故障特定方法である。
【発明の効果】
【0011】
この発明によると、検出器の前方に光導波手段を設置して、放射線に代わって光源から発せられる光を光導波手段によって検出器に入射させることで、放射性物質を用いずに検出器の故障の有無を判断することが可能となる。このように放射性物質を用いないため、被曝を伴う作業を行わずに検出器のメンテナンスを行うことが可能となる。その結果、作業者の被曝を伴わずに、検出器の異常の監視や故障個所の特定を遠隔地から行うことが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】この発明の実施形態に係る核医学診断装置を示す図である。
【図2】この発明の第1実施形態に係る検出器を示す側面図である。
【図3】この発明の第1実施形態に係る検出器を示す正面図である。
【図4】この発明の第2実施形態に係る検出器を示す側面図である。
【図5】この発明の第2実施形態に係る検出器を示す正面図である。
【図6】従来技術に係る検出器を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
[第1の実施の形態]
この発明の第1実施形態に係る核医学診断装置について図1から図3を参照して説明する。図1は、この発明の実施形態に係る核医学診断装置を示す図である。図2は、この発明の第1実施形態に係る検出器を示す側面図である。図3は、この発明の第1実施形態に係る検出器を示す正面図である。この実施形態では核医学診断装置の1例としてPET装置について説明する。
【0014】
第1実施形態に係る核医学診断装置1は、データ収集部2と寝台装置50とを備えている。また、核医学診断装置1には、ネットワークNを介して処理装置60が接続されている。
【0015】
(核医学診断装置1)
データ収集部2は、複数の放射線検出器10、光源20、光導波部30、収集処理部3、画像生成部4、判断部5、表示部6、操作部7、制御部8、及び送受信部9を備えている。データ収集部2は、被検体に投与された放射性物質から放射された放射線(γ線)を検出し、検出された放射線に基づいて被検体内の放射性物質の分布を表す画像データを生成する。寝台装置50は、被検体を載置するための図示しない天板と、その天板を被検体の体軸方向に移動させる図示しない移動機構部とを備えている。なお、寝台装置50の天板の位置を固定させて、放射線検出器10を移動機構部によって天板に載置された被検体の体軸方向に移動させる構造としても良い。
【0016】
この実施形態では、核医学診断装置1に設置されている放射線検出器10の故障の有無を判断する。例えば、核医学診断装置1によって放射線検出器10の故障の有無を判断しても良いし、ネットワークNによって接続された処理装置60によって放射線検出器10の故障の有無を遠隔操作で判断しても良い。
【0017】
(放射線検出器10、光源20、光導波部30)
PET装置としての核医学診断装置1は図示しない環状保持部材を有し、その環状保持部材の内側に環状に設置されている複数の放射線検出器10を備えている。そして、環状に設置されている複数の放射線検出器10の内側に、寝台装置50の天板が挿入される領域が形成され、その領域に被検体を載置した天板を挿入して撮影を行う。このようにPET装置として核医学診断装置1では、複数の放射線検出器10が、寝台装置50の天板に載置された被検体の周囲に環状に配置される。そして、環状に設置されている複数の放射線検出器10は、被検体に投与された放射性物質から放射される一対のγ線を同時係数法によって検出する。
【0018】
図2の側面図に示すように放射線検出器10は、短冊状の形状を有するシンチレータ11と、2次元的に配置された複数の光電子増倍管(PMT)12とを備えている。2次元的に配置された光電子増倍管12の前面にシンチレータ11が設置されている。複数の放射線検出器10は、シンチレータ11を内側に向けた状態で環状に設置されている。シンチレータ11としては、例えばBGO(BiGe12)結晶などが用いられる。シンチレータ11は複数に分離されており、それぞれがγ線の入射方向に伸びた構造を有している。シンチレータ11は、γ線が入射するとγ線をエネルギーに応じた光量の光に変換する。光電子増倍管(PMT)12は、シンチレータ11によって変換された光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する。
【0019】
シンチレータ11側から見た放射線検出器10を図3に示す。図3の正面図に示すように各放射線検出器10には1例として、10本(縦方向)×10本(横方向)の短冊状のシンチレータ11が2次元的に配置され、シンチレータ11の後方に、2本(縦方向)×2本(横方向)の光電子増倍管(PMT)12が2次元的に配置されている。
【0020】
図2に示すように、この実施形態では、シンチレータ11の前方に光導波部30が設置されている。光導波部30はシンチレータ11の全面を覆う面状の形状を有して、シンチレータ11の前方に設置されている。光導波部30は放射性物質から放射されたγ線を透過させる物質で構成されている。1例として、管状の光ファイバを複数並べることで、平面状の光導波部30を形成する。
【0021】
さらに、光導波部30の一端には光源20が設置されている。光源20は撮影領域外に設置されている。すなわち、光源30は、被検体と放射線検出器10との間に形成される撮影領域の外側に設置されている。
【0022】
このように光源20と光導波部30とを設置することで、光源20から発せられた光を光導波部30によってシンチレータ11に入射させる。すなわち、光源20を点灯することで光源20から発せられた光は、光導波部30の一端に入射して他端側に進行する。光導波部30は光源20から発せられた光をシンチレータ11の前面に入射させる。
【0023】
光源20及び光導波部30は、複数の放射線検出器10のそれぞれに設けられている。これにより、各放射線検出器10に対して光源20からの光を入射させることが可能となっている。すなわち、各放射線検出器10に設置された光源20の点灯制御を選択的に行うことで、任意の放射線検出器10に光源20からの光を入射させることが可能となる。
【0024】
(操作部7、制御部8)
操作者が操作部7を用いて放射線検出器10の検査の指示を与えると、その検査の指示を示す情報が操作部7から制御部8に出力される。例えば、操作者が操作部7を用いて、通常の撮影モードに代えてメンテナンスモードの実行指示を与えると、メンテナンスモード実行指示を示す情報が操作部7から制御部8に出力される。さらに、操作者が操作部7を用いて光源20を点灯させる指示を与えると、操作部7から光源20の点灯を示す情報が制御部8に出力される。制御部8はメンテナンスモード実行指示を示す情報と点灯を示す情報とを操作部7から受けて、その情報が示す指示に従って光源20を点灯させる。例えば光源20にスイッチング回路を設けておき、制御部8はそのスイッチング回路をONすることで光源20を点灯させる。同様に、操作者が操作部7を用いて光源20を消灯させる指示を与えると、操作部7から光源20の消灯を示す情報が制御部8に出力される。制御部8は消灯を示す情報を操作部7から受けて、その情報が示す指示に従って光源20を消灯させる。例えば、制御部8はスイッチング回路をOFFすることで光源20を消灯させる。
【0025】
シンチレータ11に入射した光は、シンチレータ11を透過して光電子増倍管(PMT)12に入射する。光電子増倍管(PMT)12は、シンチレータ11を透過した光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する。
【0026】
(収集処理部3)
収集処理部3は、光電子増倍管(PMT)12によって変換された電気信号を収集し、収集されたデータを判断部5又は送受信部9に出力する。
【0027】
(判断部5)
判断部5は、光源20からの光に基づく放射線検出器10からの出力に基づいて、放射線検出器10の故障の有無を判断する。光電子増倍管(PMT)12から出力される電気信号は、放射線検出器10に入射する光の光量に比例する。この実施形態では、光源20から発せられる光の光量に対する、故障していない状態の放射線検出器10から出力される電気信号を予め測定しておき、その測定値を基準値として図示しない記憶部に予め記憶しておく。
【0028】
判断部5は、光源20からの光に基づく放射線検出器10からの出力と、図示しない記憶部に記憶されている電気信号の基準値とを比較して、その比較の結果に基づいて放射線検出器10の故障の有無を判断する。例えば、判断部5は、光源20からの光に基づく放射線検出器10からの出力と、図示しない記憶部に記憶されている電気信号の基準値との差分を求め、その差分が予め設定されている閾値以上であれば、放射線検出器10が故障していると判断する。一方、判断部5は、その差分が予め設定されている閾値未満であれば、放射線検出器10は故障していないと判断する。なお、故障の判断基準となる閾値を、図示しない記憶部に予め記憶させておく。判断部5は、放射線検出器10の故障の有無を示す情報を表示部6又は送受信部9に出力する。
【0029】
(表示部6)
表示部6は、判断部5から出力された判断結果を表示する。例えば判断部5によって放射線検出器10が故障していると判断された場合、表示部6は故障している旨を表示する。一方、判断部5によって放射線検出器10が故障していないと判断された場合、表示部6は故障していない旨を表示する。操作者は、表示部6に表示されている故障の有無を示す情報を参照することで、放射線検出器10の故障の有無を認識することが可能となる。
【0030】
(送受信部9)
送受信部9は送受信インターフェースなどで構成され、ネットワークNを介して処理装置60との間で情報の送受信を行う。例えば送受信部9は、放射線検出器10から出力された電気信号を収集処理部3から受けた場合、その電気信号を処理装置60に送信する。また、送受信部9は、放射線検出器10の故障の有無を示す情報を判断部5から受けた場合、故障の有無を示す情報を処理装置60に送信する。また、送受信部9は、放射線検出器10の検査指示を示す情報(メンテナンスモード実行指示を示す情報)を、ネットワークNを介して処理装置60から受信し、その検査指示を示す情報を制御部8に出力する。
【0031】
なお、放射線検出器10の検査を行わずに撮影を行う場合には、寝台装置50の天板上に被検体を載置して被検体に放射性物質を投与する。そして、環状に設置されている複数の放射線検出器10の内側に寝台装置50の天板を挿入して撮影を行う。撮影を行うときには、光源20を消灯させておく。被検体の周囲に環状に設置されている複数の放射線検出器10は、被検体に投与された放射性物質から放射されるγ線を同時係数法によって検出する。収集処理部3は、γ線に起因する電気信号を放射線検出器10から受けて、それを放射線投影データとして収集する。収集処理部3は、収集された放射線投影データを画像生成部4に出力する。
【0032】
(画像生成部4)
画像生成部4は、収集処理部3によって収集された放射線投影データにOSEMなどの再構成処理を施すことで、被検体内の放射線物質の分布を表す画像データを生成する。また、画像生成部4は、収集処理部3によって収集された放射線投影データにランダム補正、散乱線補正、正規化、及び減弱補正などの補正処理を施した後に、再構成処理を施すことで画像データを生成しても良い。画像生成部4は、生成された画像データを表示部6に出力する。表示部6は、画像生成部4によって生成された画像データに基づく画像を表示する。
【0033】
(処理装置60)
処理装置60は、核医学診断装置1に設置された放射線検出器10の故障を、ネットワークNを介した遠隔操作によって判断する。処理装置60は、操作部61、送受信部62、判断部63、及び表示部64を備えている。
【0034】
遠隔操作によって放射線検出器10の故障を判断する場合、操作者は操作部61を用いて放射線検出器10の検査の指示(メンテナンスモードの実行指示)を与える。操作部61によって与えられた検査指示を示す情報(メンテナンスモード実行指示を示す情報)が、操作部61から送受信部62に出力される。
【0035】
(送受信部62)
送受信部62は送受信インターフェースなどで構成され、ネットワークNを介して核医学診断装置1との間で情報の送受信を行う。例えば送受信部62は、放射線検出器10の検査指示を示す情報(メンテナンスモード実行指示を示す情報)を、ネットワークNを介して核医学診断装置1のデータ収集部2に送信する。データ収集部2の送受信部9は、放射線検出器10の検査指示を示す情報を処理装置60から受信し、その検査指示を示す情報を制御部8に出力する。さらに、操作者は操作部61を用いて、核医学診断装置1に設置されている光源20を点灯又は消灯させる指示を与えると、操作部61から光源20の点灯又は消灯を示す情報が送受信部62に出力される。送受信部62は、光源20の点灯又は消灯を示す情報を、ネットワークNを介して核医学診断装置1のデータ収集部2に送信する。データ収集部2の送受信部9は、光源20の点灯又は消灯を示す情報を処理装置60から受信し、光源20の点灯又は消灯を示す情報を制御部8に出力する。
【0036】
上述したように、制御部8は点灯又は消灯を示す情報を受けると、その情報が示す指示に従って光源20を点灯又は消灯させる。制御部8は、光源20に設置されているスイッチング回路をON又はOFFすることで、光源20を点灯又は消灯させる。
【0037】
遠隔操作によって放射線検出器10の故障の有無を判断する場合、核医学診断装置1の判断部5によって故障の有無を判断しても良いし、処理装置60によって故障の有無を判断しても良い。
【0038】
核医学診断装置1の判断部5によって故障の有無が判断された場合、送受信部9は故障の有無を示す情報を判断部5から受けて、故障の有無を示す情報を処理装置60に送信する。処理装置60の送受信部62は、故障の有無を示す情報を核医学診断装置1から受信して、その故障の有無を示す情報を表示部64に出力する。表示部64は、送受信部62から出力された故障の有無を示す情報に従って、放射線検出器10が故障している旨又は故障していない旨を表示する。
【0039】
一方、処理装置60によって放射線検出器10の故障の有無を判断する場合、送受信部9は、放射線検出器10から出力された電気信号を収集処理部3から受けて、その電気信号を処理装置60に送信する。処理装置60の送受信部62は、放射線検出器10から出力された電気信号を核医学診断装置1から受信して、その電気信号を判断部63に出力する。判断部63は、データ収集部2の判断部5と同じ機能を有する。判断部63は、光源20からの光に基づく放射線検出器10からの出力と、電気信号の基準値との差分を求め、その差分が予め設定された閾値以上であれば、放射線検出器10が故障していると判断する。一方、判断部63は、その差分が予め設定された閾値未満であれば、放射線検出器10は故障していないと判断する。判断部63は、放射線検出器10の故障の有無を示す情報を表示部64に出力する。表示部64は、判断部63から出力された判断結果を表示する。例えば、判断部63によって放射線検出器10が故障していると判断された場合、表示部64は故障している旨を表示する。一方、判断部63によって放射線検出器10が故障していないと判断された場合、表示部6は故障していない旨を表示する。なお、電気信号の基準値及び閾値を、図示しない記憶部に予め記憶させておく。
【0040】
なお、操作部7及び操作部61は、キーボードやマウスなどの入力装置によって構成されている。また、表示部6及び表示部64は、CRTや液晶ディスプレイなどのモニタによって構成されている。また、ネットワークNは、電子データの伝送が可能な電子通信回線である。例えば、電話回線、ISDN回線、ADSL回線、CATV、又はLANなどがネットワークNとして用いられる。
【0041】
処理装置60によって放射線検出器10の検査を行う場合、核医学診断装置1のデータ収集部2に判断部5を設けなくても良い。
【0042】
また、放射線検出器10において、シンチレータ11と光電子増倍管(PMT)12との間に光を導くいわゆるライトガイドを設けても良い。
【0043】
(動作)
次に、核医学診断装置1及び処理装置60の動作、すなわち、放射線検出器10の故障を特定する方法について説明する。
【0044】
(核医学診断装置1が設置されている場所で放射線検出器10の検査を行う場合)
核医学診断装置1が設置されている場所で放射線検出器10の検査を行う場合について説明する。まず、操作者が操作部7を用いてメンテナンスモード実行の指示を与える。さらに、操作者が操作部7を用いて、複数の放射線検出器10のうち検査対象となる放射線検出器10に対する光源20を点灯させる指示を与える。これにより、操作部7から光源20の点灯を示す情報が制御部8に出力される。制御部8は、点灯を示す情報に従って光源20を点灯させる。これにより、検査対象となる放射線検出器10に対する光源20から光が発せられて、光導波部30を介して光が検査対象となる放射線検出器10に入射する。収集処理部3は、検査対象となる放射線検出器10から出力された電気信号を収集して判断部5に出力する。判断部5は、光源20からの光に基づく放射線検出器10からの出力と、図示しない記憶部に記憶されている電気信号の基準値との差分を求め、その差分が予め設定されている閾値以上であれば、検査対象となる放射線検出器10が故障していると判断する。一方、判断部5は、その差分が閾値未満であれば、検査対象となる放射線検出器10は故障していないと判断する。そして、判断部5は判断結果を表示部6に出力する。表示部6は判断部5による判断結果に基づいて、検査対象となる放射線検出器10が故障している旨又は故障していない旨を表示する。
【0045】
以上のように、操作者は放射性物質を用いずに光源20を点灯させるだけで、検査対象となる放射線検出器10の検査を行うことが可能となる。すなわち、被曝を伴う作業を行わずに、複数の放射線検出器10のうち、どの放射線検出器10に異常が発生しているかを特定することが可能となる。
【0046】
(遠隔操作で放射線検出器10の検査を行う場合)
次に、遠隔操作によって放射線検出器10の検査を行う場合について説明する。まず、操作者が操作部61を用いてメンテナンスモード実行の指示を与える。操作者が操作部61を用いて、複数の放射線検出器10のうち検査対象となる放射線検出器10に対する光源20を点灯させる指示を与える。例えば、サービスマンが、核医学診断装置1から遠隔の地に設置された処理装置60の操作部61を用いて、検査対象となる放射線検出器10に対する光源20を点灯させる指示を与える。これにより、送受信部62は、検査対象となる放射線検出器10に対する光源20の点灯を示す情報を、ネットワークNを介して核医学診断装置1に送信する。また、操作者は操作部61を用いて、故障の判断を行う装置を指定する。処理装置60によって故障の判断を行う場合には、操作者は操作部61を用いて処理装置60を指定する。一方、核医学診断装置1によって故障の判断を行う場合には、操作者は操作部61を用いて核医学診断装置1を指定する。送受信部62は、故障の判断を行う装置を示す情報を、ネットワークNを介して核医学診断装置1に送信する。
【0047】
核医学診断装置1の送受信部9は、光源20の点灯を示す情報を処理装置60から受信し、光源20の点灯を示す情報を制御部8に出力する。制御部8は、点灯を示す情報に従って光源20を点灯させる。これにより、検査対象となっている放射線検出器10に対する光源20から光が発せられて、光導波部30を介して光が検査対象となる放射線検出器10に入射する。収集処理部3は、検査対象となる放射線検出器10から出力された電気信号を収集する。
【0048】
また、送受信部9は、故障の判断を行う装置を示す情報を制御部8に出力する。故障の判断を行う装置として処理装置60が指定された場合、制御部8は収集処理部3及び送受信部9を制御して、収集処理部3によって収集された電気信号を送受信部9によって処理装置60に送信する。処理装置60の送受信部62は、検査対象となる放射線検出器10から出力された電気信号を受信して判断部63に出力する。判断部63は、検査対象となる放射線検出器10から出力された電気信号に基づいて、検査対象となる放射線検出器10の故障の有無を判断する。表示部64は判断部63による判断結果に基づいて、検査対象となる放射線検出器10が故障している旨又は故障していない旨を表示する。
【0049】
一方、故障の判断を行う装置として核医学診断装置1が指定された場合、制御部8は収集処理部3、判断部5、及び送受信部9を制御して、判断部5に故障の有無を判断させ、その判断結果を送受信部9によって処理装置60に送信する。処理装置60の送受信部62は、検査対象となる放射線検出器10の故障の有無を示す情報を受信して、その故障の有無を示す情報を表示部64に出力する。表示部64は、その故障の有無を示す情報に従って、検査対象となる放射線検出器10が故障している旨又は故障していない旨を表示する。
【0050】
以上のように、核医学診断装置1から離れた場所に設置された処理装置60によって、放射線検出器10の故障の有無を判断することが可能となる。すなわち、遠隔操作によって放射線検出器10の検査を行うことが可能となる。例えば、サービスマンは、処理装置60の表示部64に表示されている故障の有無を示す情報を参照することで、遠隔地から放射線検出器10の故障の有無を判断することが可能となる。これにより、遠隔操作によって検査を行う場合であっても、被曝を伴う作業を行わずに、複数の放射線検出器10のうち、どの放射線検出器10に異常が発生しているかを特定することが可能となる。
【0051】
また、光源20及び光導波部30は、複数の放射線検出器10のそれぞれに設けられているため、各放射線検出器10に設置されている光源20の点灯制御を選択的に行うことで、任意の放射線検出器10に光源20からの光を入射させて、任意の放射線検出器10にて収集される電気信号を測定することが可能となる。そのことにより、任意の放射線検出器10を検査することが可能となる。
【0052】
[第2の実施の形態]
次に、この発明の第2実施形態に係る核医学診断装置について図4及び図5を参照して説明する。図4は、この発明の第2実施形態に係る検出器を示す側面図である。図5は、この発明の第2実施形態に係る検出器を示す正面図である。
【0053】
第2実施形態においては、放射線検出器の構成を変えた。第2実施形態に係る核医学診断装置において、放射線検出器以外の構成は、第1実施形態に係る核医学診断装置1と同じ構成である。図4の側面図に示すように放射線検出器10Aは、シンチレータ11と光電子増倍管(PMT)12との間に、光学シャッターとして機能する液晶パネル13を有している。液晶パネル13は、複数の液晶ブロックが格子状に配置された構造を有している。
【0054】
シンチレータ11側から見た放射線検出器10Aを図5に示す。図5においては、シンチレータ11を省略して、液晶パネル13と光電子増倍管(PMT)12とを示している。図5に示す正面図に示すように放射線検出器10Aには1例として、4本の光電子増倍管(PMT)12上に、(2×2)の格子状の液晶ブロックからなる液晶パネル13が設置されている。各光電子増倍管(PMT)12の位置と、液晶パネル13を構成する個々の液晶ブロックの位置とが対応している。すなわち、放射線検出器10Aは、4本の光電子増倍管(PMT)12の格子構造の位置と、液晶パネル13を構成する液晶ブロックの格子構造の位置とを合わせた構成を有している。
【0055】
なお、図5に示す放射線検出器10Aにおいては、各光電子増倍管(PMT)12の位置と各液晶ブロックの位置とを合わせているが、各シンチレータ11の位置と各液晶ブロックの位置とを合わせても良い。例えば、(10×10)の短冊状のシンチレータ11を用いる場合、(10×10)の格子状の液晶ブロックからなる液晶パネル13を、シンチレータ11と光電子増倍管12との間に設置する。
【0056】
また、液晶パネル13には、液晶パネル13を駆動するための電源部14が接続されている。例えば液晶ブロックの光透過制御を行うためのスイッチング回路を設けておき、そのスイッチング回路をON/OFFすることで、複数の液晶ブロックのうち所望の液晶ブロックを光透過状態にする。このように複数の液晶ブロックのうち一部の液晶ブロックを光透過状態とすることで、図4に示すように、液晶パネル13の一部に光透過部13Aが形成される。例えば操作者が操作部7を用いて光透過状態にする液晶ブロックを指定すると、液晶パネル13における指定された液晶ブロックの位置を示す情報が制御部8に出力される。制御部8は指定された液晶ブロックの位置を示す情報を受けて、その情報に従ってスイッチング回路をON/OFFすることで、指定された液晶ブロックを光透過状態にする。
【0057】
このように、部分的に光透過部13Aが形成された液晶パネル13は、シンチレータ11から出力された光の一部を、複数の光電子増倍管(PMT)12のうちのいずれかの光電子増倍管(PMT)12に入射させる。すなわち、各液晶ブロックの位置と各光電子増倍管(PMT)12の位置とが対応しているため、液晶パネル13は、シンチレータ11から出力された光の一部を、光透過状態の液晶ブロックの位置に対応した位置に設置されている光電子増倍管(PMT)12に入射させることができる。従って、所望の液晶ブロックを光透過状態にすることで、シンチレータ11から出力された光の一部を、複数の光電子増倍管(PMT)12のうちの所望の光電子増倍管(PMT)12に入射させることができる。そのため、光電子増倍管(PMT)12単位で異常の特定を行うことが可能となる。以下において、複数の光電子増倍管(PMT)12のうち光が入射した光電子増倍管(PMT)12を、「特定の光電子増倍管(PMT)12」と称する場合がある。
【0058】
なお、放射線検出器10Aにおいて、シンチレータ11と光電子増倍管(PMT)12との間に光を導くライトガイドを設けても良い。シンチレータ11と液晶パネル13との間にライトガイドを設けても良いし、液晶パネル13と光電子増倍管(PMT)12との間にライトガイドを設けても良い。
【0059】
(動作)
次に、放射線検出器10Aを備えた核医学診断装置及び処理装置60の動作、すなわち、放射線検出器10Aの故障を特定する方法について説明する。
【0060】
(核医学診断装置1が設置されている場所で放射線検出器10Aの検査を行う場合)
核医学診断装置1が設置されている場所で放射線検出器10Aの検査を行う場合について説明する。まず、操作者が操作部7を用いて、複数の放射線検出器10Aのうち検査対象となる放射線検出器10Aに対する光源20を点灯させる指示を与える。さらに、操作者が操作部7を用いて、検査対象となる放射線検出器10Aに含まれる液晶パネル13のうち光透過状態にする液晶ブロックを指定する。これにより、光源20の点灯を示す情報と指定された液晶ブロックの位置を示す情報とが、操作部7から制御部8に出力される。制御部8はスイッチング回路を制御することで、検査対象となる放射線検出器10Aに対する光源20を点灯させ、液晶パネル13のうち指定された液晶ブロックを光透過状態にする。これにより、検査対象となる放射線検出器10Aに設けられた液晶パネル13の一部に光透過部13Aが形成される。そして、検査対象となる放射線検出器10Aに対する光源20から光が発せられて、光導波部30を介して光が検査対象となる放射線検出器10Aに入射する。放射線検出器10Aに入射した光はシンチレータ11を透過し、液晶パネル13に形成された光透過部13Aを透過して、複数の光電子増倍管(PMT)12のうち、光透過部13Aの位置に対応する位置に設置されている光電子増倍管(PMT)12(特定の光電子増倍管(PMT)12)に入射する。光が入射した光電子増倍管(PMT)12は、光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する。収集処理部3は、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12から出力された電気信号を収集して判断部5に出力する。判断部5は、光源20からの光に基づく光電子増倍管(PMT)12からの出力と、図示しない記憶部に記憶されている電気信号の基準値との差分を求め、その差分が閾値以上であれば、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12が故障していると判断する。一方、判断部5は、その差分が閾値未満であれば、検査対象となっている放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12は故障していないと判断する。そして、判断部5は判断結果を表示部6に出力する。表示部6は判断部5による判断結果に基づいて、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12が故障している旨又は故障していない旨を表示する。
【0061】
以上のように、光電子増倍管(PMT)12の前方に液晶パネル13を設けて、光電子増倍管(PMT)12に入射する光を選択的に制限することで、光電子増倍管(PMT)12単位で異常の検知を行うことが可能となる。
【0062】
(遠隔操作で放射線検出器10Aの検査を行う場合)
次に、遠隔操作によって放射線検出器10Aの検査を行う場合について説明する。操作者が操作部61を用いて、複数の放射線検出器10Aのうち検査対象となる放射線検出器10Aに対する光源20を点灯させる指示を与える。さらに、操作者が操作部7を用いて、検査対象となる放射線検出器10Aに含まれる液晶パネル13のうち光透過状態にする液晶ブロックを指定する。これにより、送受信部62は、光源20の点灯を示す情報と指定された液晶ブロックの位置を示す情報とを、ネットワークNを介して核医学診断装置1に送信する。また、操作者は操作部61を用いて、故障の判断を行う装置を指定する。送受信部62は、故障の判断を行う装置を示す情報を、ネットワークNを介して核医学診断装置1に送信する。
【0063】
核医学診断装置1の送受信部9は、光源20の点灯を示す情報と指定された液晶ブロックの位置を示す情報とを処理装置60から受信し、光源20の点灯を示す情報と液晶ブロックの位置を示す情報とを制御部8に出力する。制御部8はスイッチング回路を制御することで、検査対象となる放射線検出器10Aに対する光源20を点灯させ、液晶パネル13のうち指定された液晶ブロックを光透過状態にする。これにより、検査対象となる放射線検出器10Aに設けられた液晶パネル13の一部に光透過部13Aが形成される。収集処理部3は、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12から出力された電気信号を収集する。
【0064】
また、送受信部9は、故障の判断を行う装置を示す情報を制御部8に出力する。故障の判断を行う装置として処理装置60が指定された場合、制御部8は収集処理部3及び送受信部9を制御して、収集処理部3によって収集された電気信号を送受信部9によって処理装置60に送信する。処理装置60の送受信部62は、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12から出力された電気信号を受信して判断部63に出力する。判断部63は、その電気信号に基づいて、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12の故障の有無を判断する。表示部64は判断部63による判断結果に基づいて、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12が故障している旨又は故障していない旨を表示する。
【0065】
一方、故障の判断を行う装置として核医学診断装置1が指定された場合、制御部8は収集処理部3、判断部5、及び送受信部9を制御して、判断部5に故障の有無を判断させ、その判断結果を送受信部9によって処理装置60に送信する。処理装置60の送受信部62は、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12の故障の有無を示す情報を受信して、その故障の有無を示す情報を表示部64に出力する。表示部64は、その故障の有無を示す情報に従って、検査対象となる放射線検出器10Aの特定の光電子増倍管(PMT)12が故障している旨又は故障していない旨を表示する。
【0066】
以上のように、核医学診断装置1から離れた場所に設置された処理装置60によって、光電子増倍管(PMT)12単位で異常を検知することが可能となる。
【0067】
なお、上述した第1実施形態及び第2実施形態では、核医学診断装置1としてPET装置について説明したが、SPECT装置についても同様の効果を奏することが可能である。すなわち、放射性物質を用いずに、SPECT装置に設置された放射線検出器の検査を遠隔操作によって行うことが可能となる。
【符号の説明】
【0068】
1 核医学診断装置
2 データ収集部
3 収集処理部
4 画像生成部
5 判断部
6 表示部
7 操作部
8 制御部
9 送受信部
10 放射線検出器
11 シンチレータ
12 光電子増倍管(PMT)
13 液晶パネル
14 電源部
20 光源
30 光導波部
50 寝台装置
60 処理装置
61 操作部
62 送受信部
63 判断部
64 表示部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
放射線の入射を受けて前記放射線を光に変換するシンチレータと、2次元的に配置されて、前記シンチレータによって変換された光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する複数の光電子増倍管とを有し、被検体に投与された放射性物質から放射される放射線を検出する検出器と、
前記検出器の出力に基づいて前記放射性物質の分布を画像化する画像生成手段と、
光源と、
前記シンチレータの前方に設置されて、前記放射線に代わって前記光源から発せられた光を前記シンチレータに入射させる光導波手段と、
を有することを特徴とする核医学診断装置。
【請求項2】
前記検出器は、前記シンチレータと前記複数の光電子増倍管との間に、前記シンチレータから出力された前記光源からの光の一部を、前記複数の光電子増倍管のうちいずれかの光電子増倍管に選択的に入射させる光学シャッターを更に有することを特徴とする請求項1に記載の核医学診断装置。
【請求項3】
前記光学シャッターは液晶パネルによって構成されていることを特徴とする請求項2に記載の核医学診断装置。
【請求項4】
前記光源からの光に基づく前記光電子増倍管からの出力に基づいて、前記検出器の故障の有無を判断する判断手段を更に有することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれかに記載の核医学診断装置。
【請求項5】
前記光学シャッターによって前記光源からの光が選択的に入射させられた前記光電子増倍管からの出力に基づいて、前記光が選択的に入射させられた前記光電子増倍管の故障の有無を判断する判断手段を更に有することを特徴とする請求項2又は請求項3のいずれかに記載の核医学診断装置。
【請求項6】
放射線の入射を受けて前記放射線を光に変換するシンチレータと、2次元的に配置されて、前記シンチレータによって変換された光を増幅するとともに増幅された光量に応じた電気信号に変換する複数の光電子増倍管とを有し、被検体に投与された放射性物質から放射される放射線を検出する検出器と、
前記検出器の出力に基づいて前記放射性物質の分布を画像化する画像生成手段と、
を有する核医学診断装置における検出器の故障特定方法であって、
前記放射線に代えて光源から照射された光を、前記シンチレータの前方に設置された光導波手段によって前記シンチレータに入射させ、
前記シンチレータは前記光導波手段によって入射された光を前記光電子増倍管に出力し、
前記光電子増倍管は前記シンチレータからの光を増幅するとともに電気信号に変換し、
前記光源からの光に基づく前記光電子増倍管からの出力に基づいて、前記検出器の故障の有無を判断することを特徴とする核医学診断装置における検出器の故障特定方法。
【請求項7】
前記シンチレータと前記複数の光電子増倍管との間に設けられた光学シャッターによって、前記シンチレータから出力された前記光源からの光の一部を前記複数の光電子増倍管のうちいずれかの光電子増倍管に選択的に入射させ、
前記光源からの光が選択的に入射させられた前記光電子増倍管からの出力に基づいて、前記光が選択的に入射させられた前記光電子増倍管の故障の有無を判断することを特徴とする請求項6に記載の核医学診断装置における検出器の故障特定方法。

【図3】
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【図5】
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【図1】
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【図2】
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【図4】
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【図6】
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【公開番号】特開2011−7614(P2011−7614A)
【公開日】平成23年1月13日(2011.1.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−151118(P2009−151118)
【出願日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(594164542)東芝メディカルシステムズ株式会社 (4,066)
【Fターム(参考)】