説明

核燃料製造における、臨界予防装置および方法

【課題】本発明は、民生または軍事起源のプルトニウム酸化物、炭化物および/または窒化物の形態のプルトニウムを、処理し、移送し、集積しおよび/または移送するための容器の提供。
【課題手段】プルトニウムは前記物質(アメリシウム、ネプチウムまたはキュリウムの様な他のアクチニド系列を伴うこともあり得る)中で、好ましくは20〜50重量%の間の許容された最大値を超えない濃度で存在する。前記物質は、好ましくは粉末、顆粒および/またはタブレットである。容器は前記物質を収容するための20〜70リットルの中空部を有し、少なくとも2枚の平行な壁によって区画され、これら2枚の壁は8〜15 cmの間の距離eで隔てられている。本発明はまた、類似の形状的に臨界を防止する手段(底部受け部)を有する囲い、好ましくは一組の前記囲いを搭載されたそのような一組の容器を有する燃料製造プラント、好ましくは一組の前記囲いを搭載されたそのような一組の容器で実施される核燃料製造方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は核燃料製造のための装置と方法に関する。
【0002】
核エネルギーは、持続可能な世界エネルギー・ミックスに、増加する役割を果たすことを求められている。経済的に魅力的なウラン資源の限界のある性質は、使用済燃料の中にある再使用可能な物質を再利用することをますます正当化するであろう。ウランおよび民間のプルトニウムの混合酸化物含有MOX核燃料の製造は、北京で開催された(2005年5月16〜20日)第13回原子力工学国際会議(ICONE)でA.VandergheynstおよびY.Vanderborckによって発表された論文「MIMAS、プルトニウム・リサイクルのための世界的な標準の設定」の中に記載されていたMIMAS生産工程を実行するプラントの中で既に産業上証明されている。熱中性子と高速中性子炉のための混合酸化物燃料製造は、兵器グレードプルトニウムの非軍事化プログラムのための目下の引用文献である。核燃料へ転換可能なまたは不活性なマトリックス核燃料に頼る新しいタイプの新世代原子炉が、増殖危険(例えばGNEPイニシアチブ)を減らす目的の幾つかのケースで、今後数十年間考慮されている。U−Thサイクルのような、新しいサイクルが考慮される。既に有名な酸化物および炭化物以外の非金属燃料、例えば、窒化物のような、が考慮される。
【0003】
次の数十年間、目下の軽水炉のための、および直ぐの次世代3+(ABWR、EPR、AP)の原子炉のためのMOX燃料の製造は、引き続き引用文献であり続けるだろうし、およびきつい被覆管で囲まれた燃料タブレットの形で、それら自身は束(あるいはアセンブリー)にされて、許容され続けるであろう。
【0004】
他方では、使用済燃料の最終処分問題は再処理/再循環を復活させるかもしれない。産業上実証されたPUREXプロセスより恐らくより非核拡散性の新使用済み燃料再処理プロセス(例えばUREX)が開発され、産業化されるであろう。現在の方法は、グローブボックス型囲いの中で、即ち、アルファ密閉方式中でオペレーターが物質を操作し、および/または容器内のプロセス機器を維持することを可能にするように、容器の壁のうちの1つに組み込まれた少なくとも1つの透明窓および少なくとも1個のグローブを備えたシール容器中で、通常行なわれているが、これらの新しい方法は、プルトニウムの他に存在するアメリシウム、ネプツニウムあるいはキュリウムのような超ウラン元素であるアクチニド系列の極度のγ放射のために、ホットセル、すなわち遠隔操作機を備えた極度に遮蔽された部屋での、燃料製造の少なくとも部分的な実施を必要とするかもしれない。遠隔操作機を備えたプロセス機器メンテナンスの難しさを考慮すると、燃料処理工程がこのようなホットセル内で行なわれるように、できるだけ単純化することが望ましい。
【0005】
経済のグローバル化およびエネルギー市場の自由化の枠組みの中で、これらのすべての問題の一般的な経済学は、現在および将来とも、人口または環境への、例えマイナーであろうとも如何なる譲歩もなしで、将来の発展の実行可能性の決定的要素になるであろう。
【0006】
建設されるであろう新しい中規模および大規模の燃料生産プラントは、何十キログラムの単位でプルトニウムのような核分裂性物質を扱うであろう。このため、可能性としての臨界危険を伴う。既に決定されまたは提案されたプラントは、純粋な酸化プルトニウムを、または例えば、日本の50 wt%のような、高い酸化プルトニウム含量の酸化ウランと酸化プルトニウムとの混合物を、供給生産物として用いるが、このことは明らかに増殖抵抗を改善する。
【0007】
核分裂性物質および中性子減速材を、所定の質量と構成とで配置することによってもたらされる臨界事故の発生危険は、可能性のある放射線学的・機械的な結果のために受け入れ難い。このような危険性は正常運転に近い開発的操作、例えば自動制御の失敗、またはオペレーターのエラーのみならず、内部要因による事故的状況、例えば火災、構造上の失敗、負荷の低下、または内部洪水など、または外部要因による事故的状況、例えば地震、飛行機の墜落または自然洪水など、によって発生しえる。そのような事故的状況は自然の、または/および人的起源を有し得る。
【0008】
本発明の目的は将来の燃料プラントにおける臨界危険をよりよく防ぐことである。本発明の装置および方法は、それらの信頼性を増加させて、かつそれらのメンテナンスを単純化するために予防システムを単純化することを目的とする。これをすることによって、それらは、また投資および運転コストを縮小するのに役立つ。操作性および保全性条件が縮小されるために、これらの装置および手順の実施は、核燃料製造がホットセル中で起こる場合、特に有利である。
【背景技術】
【0009】
一般に、現在の原子炉で用いられる核燃料は、次世代の原子炉におけると同様に、核燃料棒の集合体、すなわち束からできている。かかる棒は、2つの端プラグによってその開口端で密閉され、ウランまたはプルトニウムのような少なくとも1つの核分裂性の元素の酸化物、窒化物あるいは炭化物を含有する複数の円筒状のセラミック・ペレット化剤を含む金属の被覆管を通常含む。燃料管理戦略に応じて、他の核燃料へ転換可能な、または不活性な元素が少なくとも1つの核分裂の元素に混合されてよい。混合窒化物および/または炭化物は提案されたが、様々な既存の核燃料生産プラントがウラン、およびプルトニウムの混合酸化物(MOX)を含むような核燃料ペレットを製造する。これらの既存のプラントは40〜200トンの重金属、即ち、1年当たり2〜10トンのプルトニウム金属の処理能力がある。供給生成物として、これらのプラントは転換プラントから新鮮な酸化ウランを受け入れ、および再処理プラントから酸化プルトニウムを受け入れる。この酸化プルトニウムは、純粋で、または既に酸化ウランで薄められて、受け入れられる。かかる混合物は再処理プラントにおいて湿式相の中で製造されたかもしれない。供給生成物は粉末状および/または顆粒状であってもよい。
【0010】
第1処理工程で、酸化ウランおよび純粋なまたは希釈された酸化プルトニウムは、バッチ中で機械的に混合される。次に、それらは均一な混合物を製造するために粉砕されまたはすり潰されて、その燃料が反応炉中に装填されたときにホットスポットを形成することとなる燃料ペレット中の高度に濃縮された領域を避け、および/再処理を促進するために燃料の化学的溶解性を向上させる。
【0011】
許容される安全性ならびに製造および質を同時に目的に適合させると証明されたプラントの中には、国際特許出願WO 00/45394号(特許文献1)またはWO 01/03143号(特許文献2)に記載のMIMASプロセスによるグローブボックス中で操作するプラントがある。MIMASはMIcronization-MASterブレンドの頭字語である。このMIMASプロセスは、上述の論文「プルトニウム・リサイクルのため世界的な標準を定めるMIMAS」に記載されているように、UO2−類似の燃料、即ち、U O2マトリックスにおける(U-Pu) O2リッチな粒子の固溶体の形態の燃料を製造する。これを達成するために、このMIMASプロセスは第2の混合ステップを含み、そこでは、粉砕されて、前に述べた粉砕工程の生成物が、追加的な酸化ウラン中へ粉末および/または顆粒の状態でブレンドされる。しかしながら、例えばSBRやCOCAとして知られているような他の既知の混合酸化物(MOX)燃料生産工程は、かかる第2の混合ステップを含まない。これらの代替法においては、バッチのウランおよびプルトニウムの酸化物は全て単一ステップ中で混合される。
【0012】
更なるペレット化のために混合物の流動性を改善するために、球状化のような追加の機械的処理工程が、混合および細分化の後に実行されてよい。
添加剤も混合物に加えられるかもしれない。
【0013】
添加剤も混合物に加えられてよい。いくつかの添加剤、例えば有機金属の細孔形成剤および/またはU3O8のような、より低密度の酸化物のようなものを、焼結後の混合物の密度を制御するために添加してよい。ステアリン酸の亜鉛、カルシウムおよび/またはリチウム塩のような潤滑用添加剤を、ペレット化を容易にするために加えてよい。
これらの添加剤のうちのいくつかは、それらの水素および/または炭素の含有により、中性子減速特性を提示する。
【0014】
その後、緩い混合物は打錠系によってペレットの形状にされる。固体の質量潤滑の代替として、打錠用ダイは将来的には油脂の注入によって潤滑化されてよい。
【0015】
最後に、ペレットはそれらを強固にするために焼結オーブン中で焼結される。
円筒研削とスタッキングの後、得られる焼結された核燃料ペレットは、その段階で核燃料棒に装填される準備ができている。燃料棒は原子炉へ装填するために束かアセンブリーへ今度は束ねることができる。
【0016】
かかる核燃料生産プラントおよびプロセスにおいて、燃料製造は追跡可能性と品質管理の目的のため、バッチで編成される。および、混合、粉砕、圧縮、または焼結のような生産工程の主な機械的または熱的操作は乾燥している、すなわち水性の、または液状媒体を回避する。これらの同じプラントにおいて、臨界予防は、異なった方法によって保存およびプロセス機器に一般に許容される。
【0017】
大量貯蔵および配管内または配管経由減速貯蔵装置のような貯蔵装置にとって、最良の予防は、精々1つの非常に制限された火災の危険と耐震構造とを備えた別個の区域に個々の装置を設置することにより、およびすべての減速条件に対して十分な格子ピッチ、これはあらゆる偶然の条件に許容されている個々のコンテナ間の形状的な距離である、この格子ピッチを保つことにより、慣例通りに許容される。
【0018】
例えば1次または2次混合、粉末化、破砕、造粒、均質化、ペレット化、焼結、研削、または屑再循環のような、通常1つの施設に数装置の割合で存在するプロセス機器にとって、正常なまたはほぼ正常な開発状態での臨界の予防は、各装置における核分裂性物質の制限によって、または水素および/または炭素を含むプロセス添加剤、例えば粉末潤滑剤および細孔形成剤によって提供される減速の同様な建屋によって、慣例通りに許容される。従って、臨界事件または臨界事故は起こりそうもない。なぜならば、それが独立して起こりそうもない、「ダブルの偶発性」として知られている2つの例外の同時発生を必要とするからであり、および広い安全域があるからである。というのも、すべての中性子源は完全に水で反射された球体としてモデル化されるからであり(「球状のプルトニウム・システム上での臨界コードのバリデーション」、B.Lance et al、「低く減速されたMOX燃料を備えた相対的実験の必要に関するワークショップ」,Paris, April 14-15, 2004(非特許文献1);および「BELGONUCLEAIRE MOXプラントの安全面の多目的ツールとしての、DANTSYSおよびMCNP」、M.Labilloy et al、M&C 議事録、Avignon、Sep. 12-15, 2005)(非特許文献2)。
【0019】
この漸進的な手法は、研究所装置からパイロット装置へ、そして最終的には大容量産業施設への段階的な発展によって、決定付けられた。今まで、装置の限りある数、方法と安全性の制約の多重度、ならびにこれらの装置のコスト、投資および分解するコストに関しての両方のコスト、および実施できる実物大の実験の難しさは、核オペレーターおよび技術者をして、他のプラントや設備概念を追求することなく、質量(mass)の制限および減速剤というこの方法を維持し、補助的な自動制御を搭載することを維持させてきた。
【0020】
これらのプラントにおいては、これらの質量および減速の制限が、例えば、秤、物差し等の少なくとも1つのセンサーと、少なくとも1つの単純なおよび/または余分の計算機、
例えば、各物質管理電卓、プログラマブル論理制御器またはプログラマブル臨界安全自動制御システムとの組み合わせによって一般的に保障されてきた。これらの装置は恐らく複雑で、制限のある信頼性しかなく、従って、可能な誤差要因を構成する。
【0021】
様々な動作条件の下の様々な物質密度により、プロセス装置は処置される物質の数倍の名目量まで受け取ることができる。失敗またはエラーの場合には、核物質の質量の数パーセントに通常制限されている減速物質を数回加えることができるかもしれない。これは「倍または多重計量」として知られている。
【0022】
プロセス装置の操作の間に、破壊または遮断状態のような作動妨害は、核分裂性物質がある状態でルーチンを越える介入を必要とするかもしれない。これは、可変状態、そのすべての臨界安全面が広範囲に前もって評価することができなかった状態、に導くかもしれない。
【0023】
プロセスまたは貯蔵装置における減速物質の質量の制限は、またすべての状況で、グローブボックスまたはホットセルのような囲いの中の、および/またはこれらの装置が設置される建屋の、減速物質の分散を防ぐことを必要とする。このような減速物質は、例えば水冷機構、または雨もしくは洪水のような天然由来からの水でありえる。また、それは例えばペレット化プレスのようなプロセス機器からの静水圧流体でありえる。非分散のこの要求は複雑であり、充足するには高価である。更には幾つかのプロセス装置中で、処理された核分裂性物質の質量は、最適の減速/反射の準臨界球体の質量より高いから、地震のような偶然の状況においてさえ、核分裂性物質が保障された品位の容器およびプロセス装置の中に留まっているだろうことを保証することが必要である。
【0024】
様々なプロセスおよび貯蔵装置に供給される核分裂性および減速性物質の質量の制限は、建設、品質、および操作で数多くの要求を生ずる、例えば:
非多角的な計量操作の防止;
管理的操作に従事する人員の訓練および監督;
構造物の寸法決め(dimensioning)および建設の品質保証;
および
それらの全体のライフ・サイクル中における、自動化システム中の冗長性、ならびに、様々な制御装置および/またはプログラマブル・システムにおける品質保証などである。
【0025】
偶発的状況下での安全性保証の適格性は、重要な適格性努力および/または過剰な寸法決め(overdimensioning)を必要とする場合がある。このような適格性努力は、振動テーブル上での1:1スケールの地震適格性、またはストレス時間の履歴計算のような工程を含み得る。
【0026】
消火手段としての水の使用が、その減速的特性のために、中型の、または大型の燃料プラントで系統的に排除されてきたことは、また注目されるだろう。
【0027】
これら全ての手段にもかかわらず、偶発的結合の高度に仮定的なまたは究極の状況、例えば、地震に続いての出火が、時には考慮されて来なかった。
【0028】
これらの問題を解決するために、核分裂性物質貯蔵装置および処理装置では、可能な限り安全性形状を用いることが先行技術の中で提案されて来た。非原子炉設備における臨界防止のために、核大国の安全性権威によって命ぜられた設計および操作の規則(例えば、
フランスの「Regle Fondamentale de Surete」RFS I.3.c -1984年10月(非特許文献2)、およびアメリカのANSI 8.1.1998(非特許文献3))は、安全性形状を推奨する一方、核燃料構成のための質量および減速の制限の方法を実は認める。
【0029】
1つの先行技術は、1972年に公表されたAlkemの英国特許GB1280864号(特許文献3)に示された環状細長水平軸乾式装置によって表わされる。しかしながら、この混合装置の提案された寸法が明示された目的もまた臨界を防ぐことである一方、この装置はペレット化の前にもっぱら粉末の核燃料の混合(すなわち核燃料粉体製造の最終段階)に用いられるように意図され、従って、MOX粉末の製造の間に到達することができる20〜50重量%のプルトニウムのような核分裂性物質の高濃度には適していない。80リットルの提案された中空部で、この混合装置は、事故の場合にさえ大きすぎるので、あらゆる減速条件の下でも、核分裂性物質のこのような高濃度での臨界を防ぐことができないように見える。
【0030】
UO2およびPuO2を解塊し、混合する方法および装置が1996年に公開されたMMCの日本特許出願JP08-089775号(特許文献4)に開示されており、水平の回転円板が安全なスラブ形状と共に用いられる。この場合、しかしながら、装置の提案された中空部は経済的に最適なプロセスとしては小さすぎる様に見える。
【0031】
提案された他のプルトニウム処理装置は、水相分離および転換プラント用の比較的安全な形状に基づく:
【0032】
2004年公開のBNFLの国際特許出願WO 2004078303号(特許文献5)は、或るスラブ形状を備えた容器での連続的な液相電気化学的分離プロセス(U-Pu)を開示している。しかしながら、提案された容器の大きな中空部(100あるいは300リットル)は、事故の場合にさえ、あらゆる可能な減速条件下でも、安全性を保証しないように見える。
【0033】
1997に公開されたCEAの欧州特許出願EP0767465号(特許文献6)は、準臨界の形状を備えた容器中でのUとPuとの酸化混合物の希釈方法および装置を開示している。しかしながら、容器の正確な形状および寸法は示されていない。
【0034】
1997年に公開されたMMCの日本特許出願JP 09-178888号(特許文献7)に記載の、スラブ・プロセスおよび装置における回復技術。
【0035】
1992年に公開された、動力炉&核燃料公社の日本特許出願JP 04-031792号(特許文献8)は、環状の溶液貯溜タンクを開示しているが、その寸法を特定しているようには見えない。
【0036】
1961年に公開された、AEAの英国特許GB8822950号(特許文献9)は、プルトニウム溶液を入れるための限定された直径を備えた管状容器を開示している。
JP04-031792号と同様に、臨界条件を防ぐ目的は述べられているが、特定の寸法は開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0037】
【特許文献1】国際特許出願WO 00/45394号
【特許文献2】国際特許出願WO 01/03143号
【特許文献3】英国特許GB1280864号
【特許文献4】日本特許出願JP08-089775号
【特許文献5】国際特許出願WO 2004078303号
【特許文献6】欧州特許出願EP0767465号
【特許文献7】日本特許出願JP09-178888号
【特許文献8】日本特許出願JP04-031792号
【特許文献9】英国特許GB8822950号
【非特許文献】
【0038】
【非特許文献1】「球状のプルトニウム・システム上での臨界コードのバリデーション」、B.Lance et al、「低く減速されたMOX燃料を備えた相対的実験の必要に関するワークショップ」, Paris, April 14-15, 2004
【非特許文献2】「Regle Fondamentale de Surete」RFS I.3.c -1984年10月
【非特許文献3】ANSI 8.1.1998
【発明の概要】
【0039】
「発明の要約」
本発明は第1に、民間または軍事起源のプルトニウムを、前もって定義した同位体の外装を有する酸化物、炭化物および/または窒化物の形で含有物質用の安全な処理、移送、集積および/または貯蔵の各容器に関する。前記物質は、アメリシウム、ネプツニウムあるいはキュリウムのような他のアクチニド系列を含んでいてよい。さらに、前記物質は好ましくは、特に粉末、顆粒、および/またはタブレットの形の固体である。
【0040】
本発明の目的は、これらの容器が設置されるPu含有燃料処理施設で恐らく遭遇するあらゆるプルトニウム濃度、密度および同位体組成に対すると同様に、そのような容器で、正常な、偶然の、または事故的状態で遭遇する、そのような容器全ての満杯状態および中性子減速および反射の全ての状態におけるそのような臨界を防止することである。この目的のため、本発明の容器は、前記物質を収容するために20〜70リットルの中空部(volume)を含み、少なくとも2つの実質的に並列の壁によって区画され、およびこの2つの壁は、8〜15 cmの間隔で分離されている。「実質的に並列の」とは、壁が15°以下の角度で反れてもよいと、理解されるべきである。
【0041】
有利には、前記中空部は20〜50リットルであり、30〜60 cmの間の高さhを有し、および前記2つの実質的に平行な壁のうちの1つが内部で、および他方が外部であり、前記壁の各1つは実質的に回転対称な表面を形成し、前記表面は同心状であり、および内部壁は10〜30 cmの間の直径dを備えたコアを区画する。この形態で、内壁と外壁との間の所定の距離を制限ある高さおよび巾の寸法内に保ちつつ、高さ方向に物質の流れを可能にする容器を形成することは可能である。この装置はこのように安全なだけでなく、コンパクトなジャーまたはホッパーを形成することができる。
【0042】
特に有利には、前記中空部は、前記物質の導入および抽出の唯一の開口部を含み、前記表面は好ましくは、実質的に円筒状である。「実質的に円筒状の」とは、15°以下の円錐角度与えることができる壁であると理解されている。容器のこの形態で、安全であるが、特にコンパクトなジャーを形成することができる。
【0043】
それに代えて、しかし特に有利に、前記表面の対称軸は実質的に垂直であり、および前記中空部は、前記物質の導入のための上方開口部、および前記物質の取り出しのための下方開口部を含む。この形態において、装置は、安全であるが特にコンパクトなホッパーを形成することができる。
【0044】
それに代えて、前記中空部は40〜70リットルで、実質的に円筒状および偏平形状であって、前記2つの壁は実質的に平面であり、および前記中空部もまた実質的に円筒状で、70〜90cmの直径Dを備え、2つの実質的な平壁を結合している第3の、実質的に筒状の壁によって境界を定められている。このディスク状の形態において、容器は、プルトニウム含有固形物質を砕くか細粉化するための、安全であるが特に効率的な装置を形成することができる。特に、それは安全で効率的なボールミルを形成することができる。
【0045】
本発明のもう一つの目的は、プルトニウム酸化物、炭化物および/または窒化物の形で含まれている、民間または軍事起源のプルトニウム処理物質を含有、例えばグローブボックスまたはホットセルのような封じ込め囲い中で、前記プルトニウム含有物質の漏洩によって臨界が到達され得るのを防ぐことである。プルトニウム含有物質は、またアメリシウム、ネプツニウムあるいはキュリウムのような他のアクチニド系列を含み得る。さらに、前記プルトニウム含有物質は、好ましくは粉末、顆粒および/またはペレットの形をしている。前記封じ込め囲いは、囲いと底面とを含む。
【0046】
本発明のこの実施態様によって扱われた問題は、また、正常な状態、正常に近い状態、偶発的状態または突発的状態のようないずれかの状態で遭遇することがある、すべての中性子減速および反射状態の臨界危険性の予防である。
【0047】
この目的のため、前記封じ込め囲いはその底面および恐らくその周囲に、漏洩したプルトニウム含有物質を捉える複数の別個の準臨界空間を含む。
【0048】
有利には、前記準臨界空間は、少なくとも部分的に金属で、好ましくは固体、鉱物および中性子吸収物質で満たされた受け部によって分離され、前記準臨界空間のそれぞれ1つは少なくとも2つの実質的に並列・垂直の、30〜50 cmの高さhを有する壁によって区画され、および8〜12 cmの距離eによって分離され、および前記少なくとも部分的に金属の部分は、10〜15 cmの層pを有する。「実質的に垂直の」は、垂直に関して15°より大きな角度を表わさない壁であると理解される。これらの寸法は、広い同位体の外装に、および最も負の中性子減速および反射状態においてさえ、プルトニウム濃度、密度、の大きな範囲内の準臨界を保証する。
【0049】
漏洩の場合には、これらの準臨界空間(その形状および中空部は中性子減速のどの条件下でもそれらの準臨界を保証するであろう)が、漏洩したプルトニウム含有物体を受け入れることができる。好ましくは、準臨界空間の利用可能な中空部は、どのような瞬間においても、前記封じ込め囲い中で同時に処理することができ、および/または格納されるプルトニウム含有物体の中空部より優れており、その結果、前記プルトニウム含有物体がすべて漏洩したとしても、安全に前記準臨界空間へそれを受け入れることができるかもしれない。
【0050】
有利には、本発明による前記囲い(enclosure)は、本発明による前記容器(vessels)の少なくとも1つを含有する。
【0051】
有利には、封じ込め囲いの前記空間の全体積は、前記少なくとも1個の容器の容積より大きいであろう。このように、前記封じ込め囲い内の前記容器内のプルトニウム含有物質がすべて、偶然の条件下で例えば漏洩したとしても、即ち、最悪の傾斜したプルトニウム含有粉体を持った傾斜効果、即ち、30°までの傾斜角度の効果を考慮にいれたとしても前記準臨界空間によってそれを安全に受け入れることができ得る。
【0052】
本発明はまた、ウラン酸化物、炭化物および/または窒化物、民間または軍事起源のプルトニウム酸化物、炭化物、窒化物、および恐らくアメリシウム、ネプツニウムあるいはキュリウムのような他のアクチニド系列の混合物用の処理プラントに関する。このプラントは、臨界危険を防ぐために、本発明による1セットの前記囲いに搭載された本発明による1セットの前記容器を含む。
【0053】
本発明はまた、ウラン酸化物、炭化物または窒化物、民間または軍事起源のプルトニウムの、各々酸化物、炭化物または窒化物、および恐らくアメリシウム、ネプツニウムあるいはキュリウムのような他のアクチニド系列の混合物を用いる核燃料を製造する方法に関する。
【0054】
臨界危険を防ぐために、前記混合物は、最大許容プルトニウム濃度より高くないプルトニウム濃度、および予め決定された外装(envelope)内の同位体組成を有する。全工程を通して、実質的に、この混合物のすべて、およびそれに起因するいかなる物質も、例え前記プルトニウム混合物の前記最大許容プルトニウム濃度で完全に満たされたとしても、前記所定の同位体の外装内のいかなる同位体組成で満たされたとしても、最大の保障されたプロセス密度までのいかなる密度および最も否定的中性子反射および減速条件下において準臨界になるような寸法にされた1セットの容器内に収納される。
【0055】
全工程にわたってプルトニウムを含有するすべての容器のためのかかる安全な形態を用いることによって、例えば、複雑で本質的に脆弱な立証およびコントロールシステムに頼ることなく、例えば2重計量または混合誤りのようなヒューマン・エラーに対してさえ、臨界が防止されることを保証することは可能である。
【0056】
有利には、前記プロセスは、特に均一な混合を得、および核燃料におけるホットスポットを防ぐために、粉砕化工程を含む。
【0057】
有利には、前記プロセスはさらに少なくとも1つの追加の混合ステップを含み、そこでは、前記混合物は追加的なウランの酸化物、炭化物または窒化物と混合される。すべての引き続く工程もまた、混合物の最大許容プルトニウム濃度でさえも準臨界であるような寸法の容器を用いて実施されるから、引き続く工程での臨界は、少なくとも1つの追加的混合工程が誤って抜かれた場合でさえも、回避される。
【0058】
有利には、前記核燃料はペレット化され、および得られる核燃料ペレットは好ましくはその後、焼結される。
【0059】
有利には、前記プロセスは恐らく中性子を減速するプロセス添加剤を利用する。
【0060】
有利には、前記混合物は下記工程を含む乾式プロセスによって得られる:
−1組のコンテナにプルトニウムの酸化物、炭化物または窒化物の形態で含まれたプルトニウムの、所定の質量および同位体組成を検証すること;
−封じ込め囲い(enclosure)、前記囲い(enclosure)は、例えば、グローブボックスまたはホットセルの形態にあるが、その中へ、せいぜい、混合物の単一の準臨界バッチ用の十分なプルトニウムだけを含有するように一組のコンテナを導入すること;
−コンテナの前記バッチが、せいぜい、混合物の前記単一バッチ用に十分なだけのプルトニウムを含むことを、好ましくはそれらの所定の質量を機械的に検証することにより検証すること;
−コンテナの前記バッチを、前記封じ込め囲い中に同様に設置されて、混合容器へ接続されている、取出し容器へのそれらの気密な結合の後に開けること;
−前記撹拌容器に、せいぜい、1バッチの混合物用に十分なだけのプルトニウムおよびそれと混合されるべきウランを、ウランの酸化物、炭化物、窒化物の形で導入すること;
−撹拌容器の中で、機械的手段によって混合物の連続かつ粗い均一化を実施すること;
−混合物の全量を少なくとも機械的に確認し、およびその中性子放射を測定することによって、混合物のバッチのプルトニウム含有量を、出力で確認すること。
【0061】
前記構成プロセスは、最大に許容されたプルトニウム含有量より下のある範囲内に混合物のプルトニウム含有量が維持されることを保証することという長所を持つ。このことは翻って、本発明による容器の助けを借りて、下流で臨界危険を防ぐために寄与する。
【0062】
従って、処理プラントの臨界危険の予防はそれ故に:
−処理容器が正常なまたは偶発的な状況で必要とする中性子減速物質を供給する機能として、同じような臨界危険を呈する処理容器をプラントの様々な建屋に分割すること、;
−プルトニウム含有量、プルトニウム同位体組成およびプルトニウム含有物質の密度の範囲の同定および保証、ならびにこれらの範囲に対するすべてのプロセスおよび貯容器における臨界の予防;
−永久的および容易に保証できる形状的な配置による、正常な、ほぼ正常な、偶然の、および突発的のあらゆる状況での臨界の防止、
を含む。
【0063】
本発明はまた、臨界危険の予防を危険にさらす必要なしに、最も有効な火災防止/消火を保持する手段を維持することを目標とする。例えば、それは、可燃性物質、燃焼および着火源とする火災3原則が満たされるような証明された火災の危険が存在するすべての時に、水を消火手段に用いることを許容し得、および水は最も示唆的な消火性流体を構成する。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、本発明の実施態様による、環状の移送容器の断面図をジャーの形で表わす。
【図2】図2は、本発明のもう1つの実施態様による、環状の集積容器の断面図をホッパーの形で表わす。
【図3】図3は、本発明のもう1つの実施態様による、ボールミルの断面図を表わす。
【図4】図4は、本発明のもう1つの実施態様による、撹拌容器を含有する封じ込め囲いの模式図を表わす。
【図5】図5は本発明のもう1つの実施態様による、封じ込め囲いを表わす。
【図6】図6は、図5のA-A線に沿った同じ封じ込め囲いのもう一つの図を表わす。
【図7】図7は、単一のまたは二重の同位体均一化を達成する本発明の製造方法の略図である。
【図8】図8は、本発明による核燃料処理プラントの略図である。
【図9】図9は、本発明の2つの異なる実施態様による、容器の中空部の模式的な斜視図である。
【図10】図10は、本発明の2つの異なる実施態様による、容器の中空部の模式的な斜視図である。
【図11】図11は、図5および6に表わされたような封じ込め囲いの準臨界中空部の模式的な斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0065】
「発明の詳細な説明」
発明の特定の実施態様に関する詳細は、例示的および非制限的に、図面に言及しつつ今後記述する。
【0066】
プルトニウムをプルトニウム酸化物、炭化物および/または窒化物の形で含有する物質を備えた核燃料生産プラントおよび生産方法において、生産工程を通して、プルトニウム含有物質に対する最大の許容されたプルトニウム含量および密度、ならびに同位体プルトニウム外装体を、供給物質のプルトニウム含量、密度および同位体組成に基づいて確立することは可能である。プルトニウム含有物質を、それが前記最大の許容されたプルトニウム含量および密度、ならびに同位体組成外装体においてさえ準臨界に留まる様に、プルトニウム含有物質を収容しおよび処理するために用いられる全ての多様な容器および装置を設計することによって、ヒューマン・エラーまたは制御システムの失敗によって正常なプルトニウム含量および/または密度が所定の工程においてオーバーしたときでさえ、臨界危険を阻止することが可能である。このようなことは、例えば、プルトニウム酸化物が十分に薄められない場合、または、MIMASのような二重の混合を備えた核燃料生産工程の中で、1次が2次混合と取り違えられた場合に、起こり得る。
【0067】
特定の準臨界形状を用いることで、正常な、正常に近い、および/または偶発的な状況において、最もネガティブな充填、反射および減速条件にとってさえ、この臨界防止を保証することは可能である。
【0068】
正常に近い、または偶発的な状況としては、計算機、シーケンス自動制御、自動供給制御、またはセンサーのような、自動制御の1つまたは幾つかのハードウエアまたはソフトウエアの失敗、または、誤った物質取得・委託・指令入力・データ報告または入力のような誤った管理操作から発生し得る全ての異常および失敗であると理解されている。
【0069】
また、これらの形状は、例えば水あるいは油ダクトの破損、水スプリンクラーによる消火によってもたらされる中性子減速物質の偶然の供給に対しても安全である。
【0070】
発明の様々な実施態様は、これらの容器の品質の偶発的損失から生ずる、プルトニウム含有物質の漏洩を安全に集めるための形状的に安全な底部受け器を備えた、例えばグローブボックス、ホットセルのような封じ込め囲いと同様に、プルトニウム含有物質用の形状的安全な容器の全ての類型を含有する。
【0071】
プルトニウム含有粉体および/または顆粒の製造のため、その寸法が準臨界と検証され、利用可能な中空部の部分的または全体的充填、限界での水の層による反射、ならびに水および/または環もしくはスラブ(slab)中におそらく存在する他の減速物質による全ての減速条件に対して、関係当局によって課される安全および不確定係数を持った環状またはスラブ状の装置が選ばれる。この方法で、プルトニウム含有物質、および/または減速添加剤の2重または多重計量に対して予防することはもはや必要ではない。
【0072】
図1は、移送および/または撹拌用の容器を、環状の形状を備えたジャー101の形で示す。このジャー101は、30〜60 cmの間の高さhで、20〜50リットルの中空部103を含み、および8〜15 cmの間の距離eだけ分離された実質的に同心状のおよび実質的に円筒状の壁102, 104で区画される。内壁104は、10〜30 cmの間の直径dを備えたコアを区画する。この内壁104は、実質的に円筒状であるが、ジャー101からの粉末物質の取出しを容易にするために15°までの若干の円錐形状を呈してよい。芯は中性子吸収体105を含んでよい。ジャー101には中空部103へプルトニウム含有物質を導入しおよび/または取り出すための単一の開口部109がある。この中空部103も、図9で模式的に示される。ジャー101も、ジャー101を囲むものを防御するために放射線遮蔽材107が、およびジャー101に含まれる粉体の中にある添加剤の著しい温度上昇を防ぐために冷却106が備えられている。
【0073】
このジャー101は垂直に、または傾いた状況に保持されてよいし、または水平軸のまわりで傾いてあってよい。
【0074】
図2は、集積および/または移送用容器をホッパー201の形で示す。このホッパー201はまた、環状の形状を有する。しかしながら、ホッパー201の中空部203は実質的に円錐形の壁203, 204によって区画される。特に、外壁203および内壁204の両方は、限界内のホッパー201の高さおよび最大部直径の両方を維持しつつ、シールを備えた、上方開口部209と下方開口部208の間のプルトニウム含有物質の流れを容易にするように回転の単一の縦軸のまわりの2重錐体として実質的に形づくられる。ジャー101における様に、ホッパー203における中空部203は、30〜60 cmの間の高さh、および8〜15cmの間の外壁と内壁203, 204の間の距離eを有していて、20〜50リットルである。内壁204は、また恐らく中性子吸収体205を含んで、10〜30 cmの間の直径dを備えたコアを区画する。
【0075】
プルトニウム含有物質を砕くため、1つの可能性は、安全な形状を備えた「エアージェット」型の破砕機である。もう一つの可能性は、図3に示されるように、水平に円筒状の形状を備えたボールミル301である。このボールミル301において、プルトニウム含有物質を受け入れるための中空部303および複数の破砕ミル・ボール309が、8〜15 cmの間の距離eだけ隔てられた2つの実質的に平面で実質的に並列な壁302、 304、および70〜90 cmの間の直径Dを持った円筒壁305によってによって区画される。この形状も、図10で模式的に示される。中空部303は40〜70リットルである。
【0076】
ボールミル301は非垂直軸のまわりに回転可能に取り付けられ、その結果、ミル・ボール309は回転の間に、中空部303内のプルトニウム含有物質を砕く。前記プルトニウム含有物質は、前記ボールミル301の好ましくは中心に位置する開口部を通して、中空部303に導入され、および/またはそこから取出される。前記開口部は、図3に示されるように、好ましくはボール保持格子311を含む。また前記開口は、保持/連結具310を用いて、ジャー101の開口部109と連結することができる。また図3に示されるように、プルトニウム含有物質は、ジャー101とボールミル301の間で、連結されたジャー101およびボールミル301を実質的に水平な軸の回りで傾けることによって、移送され得る。
【0077】
図4で示されるように、少なくとも1つのベアリング415上で非垂直軸のまわりに回転可能に配置されたジャー101が、産業スクリューミキサーの代わりに撹拌容器として予備的均一化に代替的に用いられ得る。
【0078】
プルトニウムの同位体組成、プルトニウム含量および密度にとっての前記所与の範囲、および反射および減速の最もネガティブな条件にとってさえも、偶発的状況での臨界の防止もまた、図5と6とに示されるように、特異な形状を備えた底部受け器装置を用いて保証することができる。
【0079】
偶発的状況は、例えば地震の状況、火災の状況、および偶発的な移動荷重の落下であり得る。かかる地震の状況は自然のおよび/または人工の起源であり得る。人工の地震の状況は、例えば、民間または軍事の飛行機墜落によって発生し得る。偶発的火災状況も、消火目的のための水スプリンクラーの使用によって悪化し得る。偶発的滝もまた、潜在的危険である。と云うのも、例えば、粉体の重力移送ブラントでは、前記プルトニウム含有物質を処理装置に充填するために、プルトニウム含有物質を含有する容器が、処理装置を越えてしばしば持ち上げられるからである。
【0080】
核燃料処理プラントのこれらの状況に対する保護については、可能性としての部分的な可塑性変形を備えた一般的安全性基準を満たすために、および標準的火災の間、例えば図5および6に示すように、少なくとも金属性構造物617の幾つかを耐火性塗料619で塗装することによって、処理設備および封じ込め囲い構造体の安全性を保証するために、注意が寸法設計に向けられるであろう。
【0081】
それにも拘わらず、封じ込め囲いの中および/または周りでの、プルトニウム含有物質の最終的な漏洩対応するために、準臨界の底部受け器500が封じ込め囲いの中または周囲に配置され得る。図5および6は、透明パネルを持った構造体620によって形成されたグローブボックス・タイプの封じ込め囲いの底部にあるそのような底部受け器500を示す。図示する実施態様において、封じ込め囲いはロール616上で輸送されたジャー101を囲むために提供される。その結果、ジャーはホッパー201からプルトニウム含有物質で充填することができる。ジャー101、ホッパー201または他のプロセス容器からのいかなる漏洩も捕捉するために、底部受け器500は、受け部601によって分離された複数の準臨界空間603を含む。分離器として知られているこれらの受け部601は少なくとも、部分的に金属製で、好ましくは固体、鉱物および中性子吸収物質605で満たされる。前記準臨界空間603はそれぞれ、30〜50cmの間の高さhを持った、8〜12 cmの間の距離eによって分離された、少なくとも2つの実質的に並列・垂直の壁602および604によって区画される。部分601は10〜15 cmの間の層pを有する。図示する実施態様の底部受け器500は、火災、地震および負荷物の落下の状況下でもその形状を保証するように寸法設計されおよび/または適格化されている。受け器は、垂直に対して最大30°までのスロープ角度を呈している低い流動性の粉体の傾斜効果(sloping effect)によって制限されている有効な保持容量を考慮に入れた時でも、いかなる瞬間においても同時に封じ込め囲い中に存在するプルトニウム含有物質の全体量の維持を保証するように、および中性子減速の全ての条件で準臨界であるように、寸法設計されている。これらの分離器の上部のレベル以上のその傾斜する角度で集積するかもしれないプルトニウム含有物質の堆積体積は、全体量の無視できる部分を形成するべきである。例えば、それは、漏洩したプルトニウム含有物質の全量の10%未満の質量、または円錐の錐体の円形基部の直径は、1つの勾配(すなわち層pおよび距離eの和)未満である。
【0082】
臨界を防ぐための前述の原理はすべて、プルトニウムとウランとの混合酸化物の処理のために、単一のプラントに統合することができる。
【0083】
このようなプラントにおいて、臨界の観点から見て特定の危険を表示する装置が、特別の建屋に好ましくは設置される。このような特別の建屋の1つは図4に示される。この特別の建屋は、プルトニウムの許容された最大含有量の混合物を実現するように、プルトニウム・コンテナ412に入れて建屋へ導入された酸化ウラン、スクラップおよびプルトニウム酸化物の混合のための混合ジャー101を含有する。これは純粋なプルトニウムを受け入れるプラントで、さらに処理の前にプルトニウムを薄めるために必要となり得る。
【0084】
次の配置の組合わせによって、臨界は防がれ、および混合物のプルトニウム含有量は許容される:
機械的にフール・プルーフされたコンテナ412の使用;
混合ジャー101への、混合物を構成する要素の逐次的導入;
および
図示される実施態様中で、混合物の形成の間にジャーを回転させることによるような、機械的手段による混合物の連続的で粗い均質化。
【0085】
様々な高信頼性機械操作装置が、ある制御に好ましくは用いられる。例えば、コンテナ412および/または混合ジャー101はそれらの形状および寸法によって機械的にフール・プルーフすることができ、プルトニウム含有物質の質量は連結式のレールセグメントおよび/または予備圧縮されたバネ・システムを用いて検証することができ、装置中のまたは補修レール上のジャー101の数は機械的メモリーで確認することができる等である。
【0086】
この様な信頼できる機械制御装置は、信頼性がより低く、より高価な、および更には校正、零点調整、および/または停電のない電源への特別な注意が必要な機器の搭載、またはデジタルの装置を回避する。
【0087】
貯蔵施設は、異なった危険を提示し、減少した火災の危険と保証された消火とを備え、およびこのようにプロセス設備とは異なった解決を必要とせざるをえないが、この目的のためだけに取っておかれた、特別の耐火構造に仕切られた建屋に設置されてよい。
【0088】
図8に示されるように、ひたすら耐火性の小部屋化された建屋において、焼結炉および静水圧によりペレット化する装置を再編成することは、必要ではないとしても、好ましいであろう、というのは、それらは増大した火災危険火を提示し、炉冷却水およびペレット化のための静水圧プレスからの油のような中性子減速物質を含むからである。理想的には、偶発的状態で達成することは困難であるが、火災消火用のスプリンクラーは熟練した人間によって規則に従って適用され得る。
【0089】
説明的に、プルトニウム酸化物の形をしている民生および軍事起源のプルトニウムからのMOX燃料を製造する工程を、図7と8とに関して概説する。通常、プルトニウム含有供給物質中で最大25%のプルトニウム含量が、軍事起源のMOX燃料プラントの中で遭遇するであろうし、および商業用軽水炉からの廃UO2燃料の再処理から生ずるプルトニウムを利用するMOX燃料プラント中では、最大50%のプルトニウム含有に遭遇するであろう。これは、これらのプラントが軽水炉用のまたは高速中性子増殖炉用の燃料を生産する意図の如何による。
【0090】
プルトニウム酸化物が上流の商業処理施設または転換炉において希釈されるプラントにおいては、MOX製造工程全体の中で、プルトニウム含量50重量%に対して、このプラントの出口での制御、および/またはプルトニウム含量を許容するMOX燃料製造工程を遂行しているこのプラント入口での制御によって臨界の防止を保証することが可能であろう(例えば、日本の六ヶ所村にあるJNFL処理プラントからのMH-MOXを受け入れているJMOXにおいて)。
【0091】
当業者は、商業的な再処理UO2使用済み燃料から生ずる、50 GWd/tまでの燃焼力を備えた、各プルトニウム同位体Pu239、Pu240、Pu241、Pu242に対応する概略70/18/10/2の同位体組成に一般的に気付いている。
他方では、軍事用プルトニウムまたは例えばマグノックス原子炉のような、黒鉛/ガス炉からの使用済み燃料の再処理に起因するプルトニウムは、臨界安全中性子計算に用いられる95/4/1/- の同位体組成を通常有する。
【0092】
砕かれ−微粉化されたMOX混合物、または緩く焼結されたMOXタブレットの最高濃度は、5〜5.5 g/cm3と推定される。
【0093】
これらのパラメーターで、本発明による核燃料製造方法の次の実施態様が、図8に図示されるようなLWR MIMAS MOX燃料製造用の中間の出力(80のtHM MOX/年)のプラント中で行なわれ得る。
【0094】
供給物質は、100 kgのバッチに起源する3kgの純粋な酸化プルトニウムと、3000 kgのバッチに起源する新鮮なバルクのウランとの缶のような封止されたコンテナの形で、プラントへ受け入れられる。酸化プルトニウム701は1組の封止されたコンテナ412でプラントへ導入される。このセットの各コンテナ412の質量および同位体組成は、それが保証された外装に対応するように、プラントに導入されるとともに検証される。
【0095】
プラント内では、耐火区画801中の、グローブボックスまたはホットセルのような封じ込め囲い414は、上に記述され、図1および4中で示されるように、環状の混合ジャー101を含有する。第1段階の701において、酸化ウランと酸化プルトニウムとの1次混合物が、前記封じ込め囲い414中に構成される。
【0096】
コンテナ412のセットから、合計で20 kg以上の酸化プルトニウムを含まない1バッチのコンテナ412が、その後、封じ込め囲い414へ導入される。封じ込め囲い414に導入されたコンテナ412のバッチの質量は、恐らくは機械的メモリーを供えた関節部のあるレール部分および/または予め歪のかかったバネ・システムを用いて、その入口または出口で検証される。
【0097】
この封じ込め囲い414内では、コンテナ412がそれぞれ次に、それ自体が気密方式で環状の混合ジャー101に接続している取出し装置413へ、気密様式によって接続される。その後にのみ、コンテナ412は開かれ、酸化プルトニウムを環状の混合ジャー101へ取出しする。PuO2で30%の濃度を有する1次混合物を60 kg作るために、3 kgのコンテナ412が5個開けられて取出しされ、一方、核燃料製造スクラップおよび/または酸化ウラン45 kgも同様に同一の環状の混合ジャー101に導入される。前記スクラップは、最終産物では使用できない物質から成る。それはサンプル、拒否されたペレット、ペレットの径にするための研磨から生ずる物質、および過剰に生産された物質のような、燃料生産の異なる工程から発生する。製造スクラップは異なった形態(焼結体/未焼結体、粉末またはペレット)および質で入手可能である。一定して特長ある特性を持った第3の供給生成物として燃料中にリサイクルされるために、スクラップ類は現在、ペレット化、焼結、粉砕、細粉化、および混合等の異なった乾式バッチ工程を経ている。酸化プルトニウム、スクラップ類および酸化ウランは次に、環状の混合ジャー101を回転することによって粗く混合され、60 kgの1次混合物を製造する。1次混合物は、前述されたようなボールミル301の様なミルを含む他の封じ込め囲いに移送される。このボールミルは図3にも示されており、この1次混合物が粉砕弁で細粉化される。しかしながら、エアージェット・ミルの様な異なるタイプのミルも代わって使うことができる。
【0098】
次のステージ703で、細粉化された60 kgの1次混合物が次に中間の5 kg缶で調整され、最終的には別個の耐火区画803中の緩衝貯蔵封じ込め囲い802に持ち込まれる。
【0099】
必要なとき、例えば、PuO2の6 %濃度を有する2次ブレンドを製造するときは、細粉化された1次混合物の45 kg缶が、2次混合物の構成704用に、第2の混合ジャー101に移送される。このジャーは別途の耐火区画805中の他の封じ込め囲い804中に搭載されている。この第2の混合ジャー101で、3000 kgのバッチからの新鮮な追加的酸化ウラン60 kgがまた導入され、細粉化された1次混合物と混合される。得られる80 kgの核物質は次に前記封じ込め囲い804内で他のミキサー(表示されていない)中で混合されて2次混合物を形成し、そして、別個の耐火区画807中のペレット化封じ込め囲い806中に設置された静水圧ペレット化プレス中でペレット化705するために、ホッパー201(先述のような、および図2に示すような)に導入される。これらの耐火区画807中における、減少した臨界危険であるが増加した火災危険のために、これらの区画は火災防止のためにスプリンクラーシステム808が装備され得る。
【0100】
添加剤も1次または2次混合物に加えられてよい。例えば有機金属細孔形成剤のようないくつかの添加剤が、混合物の密度を制御するために添加されてよい。ステアリン酸亜鉛のような潤滑添加剤も、ペレット化を促進するために、添加されてよい。これらの添加剤は、水素および/または炭素の存在によって中性子減速特性を示す。
【0101】
その後、ペレット化プレスに、ホッパー201から2次混合物が充填される。この2次混合物は次に圧縮されて、MOX燃料ペレットが製造され、それは、別個の耐火区画810中の他の封じ込め囲い809中の最終の中間貯蔵の後に、スプリンクラー808が装備された焼結耐火区画811中に焼結用のために導入され、そこで封止された焼結炉812(この炉もまた封じ込め囲いを形成する)中で、強固にするために焼結される。その後、焼結されたペレットは、他の封じ込め囲い814中で貯蔵されるために、他の耐火区画813に移送され、そこからペレットは、例えば直径研磨(diameter grinding)および燃料棒および集積体への最終統合または船積みのための最終スタッキングのような更なる処理のために抜き出されてよい。
【0102】
高められた安全性、質および効率のため、このすべてのプロセスは、少なくともペレット化までは、「看板」方式にそって管理されてよい。
【0103】
封じ込め囲い414、804、806、および/または812の各々の中でおよび/または周辺で、底部受け器、例えば、上述のおよび図5および6に示された底部受け器500が、プルトニウム含有物質の漏洩の場合においてさえ、臨界危険を防止するために、設置されてよい。
【0104】
個々の耐火区画はそれぞれ1つまたは数個の防火ロック815を通してのみ接近可能である。
【0105】
表1〜3は、準臨界の形状の例示的選択を表示する、即ち、全ての充填および減速条件およびH2Oでの反射に対して有効中性子増幅率keff<0.95を示す形状:
【0106】
ジャー101およびホッパー201のような移送と集積の容器のための、図1、2、8および表1に示されるような環状の形状;
ボールミル301用の平坦な円筒状の形状 (図3および10、ならびに表2);および
封じ込め囲い中の受け器装置用の並列のスラブ形状 (図5、6、11および表3)。
【0107】
この説明が、増殖への抵抗を増加するための、恐らくアメリシウム、ネプツニウムおよび/またはキュリウムなどの他の超ウラン元素のアクチニド系列と会合した、ウランおよびプルトニウムの、混合酸化物、炭化物および/または窒化物の製造の領域の方へ向いていたとしても、本発明のプロセスおよび装置は次の燃料ファミリー:
プルトニウムの酸化物、炭化物および・または窒化物のような、プルトニウムの非金属化合物の不活性マトリックス中における分散;または
トリウムおよびウランサイクルを実行する燃料
にも、拡張することができる。
【0108】
本発明は特定の典型的な実施態様に関して記述されたが、請求項で述べられるような発明のより広い範囲から逸脱せずに、その様々な改良および変化がこれらの実施態様に加えられてもよいそれは明白であろう。従って、説明と図面は限定的な意味ではなく、例示的な意味であると看做されるべきである。
【0109】
【表1】

【0110】
【表2】

【0111】
【表3】

【符号の説明】
【0112】
101 ジャー
102 外壁
103 中空部
104 内壁
105 中性子吸収体
106 冷却
107 放射線遮蔽体
109 開口部
201 ホッパー
202 外壁
203 中空部
204 内壁
205 中性子吸収体
206 冷却
207 放射線遮蔽体
208 封止を有する下方開口部
209 上方開口部
301 ボールミル
302 平壁
303 空間
304 平壁
305 円筒状壁
309 ミル・ボール
310 保持具/連結器
311 ボール保持格子
410 保持具/連結器
412 不透過性のプルトニウム・コンテナ
413 取出し装置
414 建屋
415 回転ベアリング
601 平面受け部(passive part)
602 壁
603 中空部
604 壁
605 固体および鉱物の中性子吸収体
616 巻き取りコンベヤー
617 固体および鉱物の中性子吸収体
618 透明パネル
619 難燃性の塗料
620 封じ込め囲い構造物
621 難燃性の塗料
622 プロセス機器構造物
623 格子
624 コンクリート床
625 金属の底部
701 PuO2粉末のバッチ
702 ジャー中の1次混合物の構成
703 中間缶での1次混合物のコンディショニングおよび可能な貯蔵
704 ジャー中の2次混合物の構成
705 ペレット化
801 耐火区画
802 封じ込め囲い
803 耐火区画
804 封じ込め囲い
805 耐火区画
806 封じ込め囲い
807 耐火区画
808 スプリンクラー装置
809 封じ込め囲い
810 耐火区画
811 耐火区画
812焼結オーブン
813 耐火区画
814 封じ込め囲い
815 防火ロック
901 容器
902 外壁
903 中空部
904 内壁

【特許請求の範囲】
【請求項1】
プルトニウムの酸化物、炭化物、および/または窒化物の形態であって、アメリシウム、ネプツニウムおよび/またはキュリウムの様な他のアクチニド系列を含有することがある、民生または軍事起源のプルトニウムを含有する物質の安全な処理、移送、集積および/または貯蔵用の容器(101, 201, 301, 901)であって、前記物質は好ましくは粉末、顆粒および/またはタブレットの形状であり、装置(101, 201, 301, 901)は20〜70リットルの中空部(103, 203, 303, 903)を有し、前記物質の収容用に少なくとも実質的に平行な壁(102, 104; 202, 204; 302, 304; 902, 904)によって区画され、これら2つの壁(102, 104; 202, 204; 302, 304; 902, 904)は8〜15 cmの間の距離eによって分離されている、容器。
【請求項2】
前記中空部(103, 203, 903)が20〜50リットル、および30〜60 cmの間の高さhを有し、該2枚の壁は環状の形状を有し、壁(104, 204, 904)の内の1つは内部であり、他の壁(102, 202, 902)は外部であり、前記壁(102, 104; 202, 204; 902, 904)の各々は実質的に回転対称の表面を形成し、前記表面は実質的に同心状であり、および内壁は10〜30 cmの間の距離dを有するコアを区画していることを特徴とする、請求項1に記載の容器(101,201,901)。
【請求項3】
前記中空部(103)が前記物質の導入および取出し用の単一の開口部(109)を有し、前記実質的に同心状の表面が、好ましくは実質的に円筒状であることを特徴とする、請求項2に記載の容器。
【請求項4】
前記表面の対称軸が実質的に垂直で、前記中空部(203)は前記物質の導入用の上方開口部(209)および前記物質の取出し用の下方開口部(208)を含むことを特徴とする、請求項2に記載の容器。
【請求項5】
前記中空部(303)が40〜70リットルであり、ならびに実質的に円筒状および平坦な形状を有し、前記2つの壁(302,304)は実質的に平坦であり、前記空間(303)も、2つの実質的に平坦な壁(302,304)を連結している70〜90cmの間の直径Dを備えた実質的に円筒状の第3の壁(305)によって区画されていることを特徴とする、請求項1に記載の容器(301)。
【請求項6】
容器がボールミルであることを特徴とする、請求項5に記載の容器(301)。
【請求項7】
プルトニウムの酸化物、炭化物、および/または窒化物の形態であって、アメリシウム、ネプツニウムおよび/またはキュリウムの様な他のアクチニド系列を含有することがある、民生または軍事起源のプルトニウムを含有する物質の処理用の封じ込め囲いであって、前記物質は好ましくは粉体、顆粒および/またはタブレットの形状をしており、前記封じ込め囲いは円周部と底部とを有し、その底部に、そして場合によりその円周部周辺にも、漏洩プルトニウム含有物質を捕捉するための複数の分離した準臨界空間(603)を有する、封じ込め囲い。
【請求項8】
前記準臨界空間(603)は、少なくとも部分的に金属製で、好ましくは固体、鉱物および中性子吸収体で満たされた受け部(601)によって分離され、前記準臨界空間(603)の各々は、30〜50 cmの間の高さhを示し、8〜12 cmの間の距離eによって分離された少なくとも2つの実質的に平行で垂直な壁(602,604)によって区画され、および前記部分は10〜15 cmの間の厚さpを有することを特徴とする、請求項7に記載の封じ込め囲い。
【請求項9】
請求項7または8のうちのいずれか1つに記載され、および請求項1〜6のうちの1つに記載の少なくとも1つの容器を有する、封じ込め囲い。
【請求項10】
前記準臨界空間(603)の有効体積は、前記少なくとも1つの容器の全体積よりも大きい、請求項9に記載の封じ込め囲い。
【請求項11】
ウランと民生または軍事起源のプルトニウムとの(アメリシウム、ネプツニウムおよび/またはキュリウムの様な他のアクチニド系列も同様に含むことある)混合酸化物、炭化物、および/または窒化物含有核燃料を製造するための処理プラントであって、前記処理プラントは、請求項1〜6の1つに記載の一組の容器を有し、好ましくは請求項7〜10の1つに記載の一組の封じ込め囲いを備えた、処理プラント。
【請求項12】
ウランと民生または軍事起源のプルトニウムとの、(アメリシウム、ネプツニウムおよび/またはキュリウムの様な他のアクチニド系列も同様に含むことある)混合酸化物、炭化物、および/または窒化物含有混合物を用いて核燃料を製造する方法であって、
−前記混合物がプルトニウムの最大許容濃度を超えないプルトニウム濃度、および所定外装内のプルトニウム組成を有し、
−全工程を通して、容器が完全に前記混合物の前記最大許容プルトニウム濃度で満たされた場合でも、前記所定の同位体外装内の如何なる同位体組成で、事前決定された最大許容プロセス密度および最もネガティブな中性子反射および減速条件下でも、準臨界であるような寸法の一組の容器内に、この混合物およびそれから生ずる実質的に全てが収容される方法。
【請求項13】
更に細粉化工程を有することを特徴とする、請求項12に記載の方法。
【請求項14】
更に少なくとも1つの追加的混合工程を有し、前記混合物が追加的なウランの酸化物、炭化物または窒化物と混合されることを特徴とする、請求項12または13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
核燃料がぺレット化され、そして生ずる核燃料ペレットが好ましくはその後、焼結される、請求項12〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
少なくとも1つの前記一組の容器が請求項1〜6のいずれか1つに記載の容器であり、好ましくは請求項7〜10のいずれか1つに記載された封じ込め囲いが設置されたものである、請求項12〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
場合により中性子減速化工程添加剤を用いる、請求項12〜16のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
−プルトニウム酸化物、炭化物、窒化物の形態で、一組のコンテナ(412)に含まれるプルトニウムの所定の質量および同位体組成を検証する工程、
−例えばグローブボックスまたはホットセルの形状の封じ込め囲い中に、最大でも、混合物の単一の準臨界バッチ用に十分なプルトニウムだけを含有するようにした前記一組のコンテナ(412)から選ばれた単一バッチのコンテナ(412)を導入する工程、
−前記バッチのコンテナ(412)が、最大でも、混合物の単一の準臨界バッチ用に十分なだけのプルトニウムを含有することを、好ましくはそれらの所定の質量を機械的に検証する工程、
−前記バッチのコンテナ(412)を、前記封じ込め囲い(414)中に配置された混合容器(101)へ気密状態で連結された取出し装置へ気密連結後に、開放する工程、
−前記混合容器(101)に、せいぜい前記バッチの前記単一バッチ用に十分なだけのプルトニウムおよび、ウランを、ウラン酸化物、炭化物、窒化物の形態で、そこで混合されるように導入する工程、
−混合容器(101)中で、混合物の機械的手段による連続的で粗い均一化を実施する工程、
−混合物のバッチのプルトニウム含量を出口で、少なくとも機械的に混合物の全質量を検証しおよびその中性子放出を検証することによって、チェックする工程、
を有する乾式法によって、前記混合物が得られる、
請求項12〜17のいずれか1つに記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−255795(P2012−255795A)
【公開日】平成24年12月27日(2012.12.27)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2012−174043(P2012−174043)
【出願日】平成24年8月6日(2012.8.6)
【分割の表示】特願2009−514806(P2009−514806)の分割
【原出願日】平成19年6月14日(2007.6.14)
【出願人】(501296379)ベルゴニュークレール・ソシエテ・アノニム (4)
【氏名又は名称原語表記】BELGONUCLEAIRE SA