説明

核酸複合体

【課題】DNAやRNAなどの核酸における鎖状分子の熱安定化を図り、もって耐熱性を備えた核酸複合体を提供すること。
【解決手段】天然型や人工型のDNA若しくはRNA、あるいはこれらの誘導体から選ばれる核酸と、スペルミンやスペルミジンなどに代表されるポリアミンやポリアミン塩、ポリアミン誘導体、アミン縮合体とを複合化して、核酸複合体とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、核酸の熱安定化技術に係わり、耐熱安定性に優れ、例えば既知の塩基配列を有することによって工業製品を始めとする各種物品の出所・経歴情報として用いることができる核酸複合体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
生物体に由来する核酸は、一般に耐熱安定性に乏しく、長期保存の観点から、あるいは塩基配列が既知の核酸(情報化核酸)を上記のような出所・経歴情報として各種物品に適用する場合には、耐熱安定性に優れることが望ましい。
【0003】
従来、ポリアミンやポリアミン塩によるDNAの熱安定化が知られており、DNA融解温度(Tm)を上昇させるという報告がある(例えば、非特許文献1)。
ポリアミンは高等生物にも存在するが、高度好熱菌という80℃以上の高温条件に好んで生息する菌類に非常に多く存在し、自身のDNAを安定化していると考えられており、これはポリアミン中の窒素原子とNDAのリン酸基部分との相互作用によるものと考えられている。
【非特許文献1】Y.Terui and others,Biochem.J.(2005)388,p.427−433
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、上記非特許文献1に記載の技術は、2重らせんDNAの3次元構造が崩れる温度である融解温度(Tm)の安定化を試みているものであって、鎖状分子の切断挙動を安定化することについて言及していない。すなわち、2本鎖のDNA間に働く水素結合力を見ているものに過ぎなく、DNA鎖の共有結合力を向上することについての記載はない。
【0005】
本発明は、このような従来技術における核酸の熱安定化に関する上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的とするところは、DNAやRNAなどの核酸における鎖状分子の熱安定化を図り、もって耐熱性を備えた核酸複合体を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明者らは、上記課題を解決すべく鋭意検討を重ねた結果、ポリアミンやポリアミン塩などを核酸に複合化することによって、上記目的が達成できることを見出し、本発明を完成するに到った。
【0007】
本発明は上記知見に基づくものであって、本発明の核酸複合体は、核酸と、ポリアミン、ポリアミン塩、ポリアミン誘導体及びアミン縮合体から成る群より選ばれた少なくとも1種から成ることを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、核酸に、ポリアミンやポリアミン塩、ポリアミン誘導体、アミン縮合体といった化合物を複合させたことから、鎖状分子の熱安定性が改善され、核酸の耐熱性が向上する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明の核酸複合体について、さらに詳細に説明する。なお、本明細書において、「%」は特記しない限り質量百分率を意味するものとする。
【0010】
本発明の核酸複合体は、核酸と、ポリアミン、ポリアミン塩、ポリアミン誘導体及びアミン縮合体から成る群より選ばれた少なくとも1種の化合物から成り、これらポリアミンやポリアミン塩などの化合物における窒素原子が核酸のリン酸基と相互作用すること及び窒素原子がメチレン鎖で連結していることにより、核酸の鎖状分子の共有結合が強化され、もって核酸の熱安定性が向上するものと考えられる。
ここで、核酸とは、DNA(デオキシリボ核酸)、RNA(リボ核酸)及びこれらの誘導体をいい、天然型でも人工型でも良いが、保存や使用される環境が厳しい場合を考慮すると、構造的に安定している人工型を使用するのが好ましい。人工型においては天然型には存在しない結合様式の(例えばヌクレオシド同士の結合がリン酸エステル結合だけでなくチオリン酸エステル結合のような非天然型を含むなどの)配列を形成できる。
【0011】
また、上記核酸としては、一本鎖構造のものを用いることができる。一本鎖DNAの方が2本鎖DNAよりも合成が容易かつ、低コストで行うことができる。
【0012】
さらに、核酸として情報化核酸を用いることもできる。
すなわち、情報化核酸とは、任意且つ既知の塩基配列を有する部位を備えたものであって、塩基配列の異なる情報化核酸を各種物品、例えば工業製品のそれぞれの部位にあらかじめ仕込んでおくことによって、この塩基配列を検出指標とする製品情報、例えば出所・経歴データの個別認証が可能になる。そして、当該情報化核酸は視認することができず、従って製品から除去することが実質的に不可能な個別認証手段となる。
【0013】
なお、当該情報化核酸において、塩基配列部位が任意であるとは、検出可能な塩基配列である限り無作為に選択され得るものであることを意味し、塩基配列部位が既知であるとは、個別認証に用いられる塩基配列が予め把握されているものであることを意味する。
【0014】
上記情報化核酸の大きさとしては、当該核酸全体における塩基数が200以下であることが好ましい。即ち、塩基数が200を超えると合成の段階でごく僅かずつ未反応部位が生成し、塩基が欠けたものの含有量が増大し易い。なお、100塩基程度であることがより好ましい。
また、チミンがダイマー化するのを抑制する観点から、上記塩基配列においてチミン同士が隣接しないことが好ましい。
【0015】
一方、ポリアミンとは、アミノ基を有する直鎖状炭化水素を言い、スペルミンやスペルミジンなどの天然品を使用してもよいが、合成品を使用することもできる。
このようなポリアミンの具体例としては、図1に示すようなものを挙げることができる。これらは、天然ポリアミンの例を示すものであって、上記非引用文献1から引用したものである。
【0016】
また、ポリアミン塩としては、上記したポリアミンの種々の塩、例えば塩酸塩、硝酸塩、過塩素酸塩、硫酸塩、酢酸塩、蟻酸塩、炭酸塩、リン酸塩、トルエンスルホン酸塩、トリフルオロ酢酸塩、クエン酸塩、酒石酸塩、フタル酸塩、安息香酸塩などを使用することができる。
【0017】
さらに、図2に示すような合成ポリアミン誘導体を使用することも可能である。また、図3に示すようなアミン縮合体を使用することも可能である。
これらポリアミンやポリアミン塩、ポリアミン誘導体などの化合物は、1分子中に存在するアミノ基が、2つ以上、さらには3つ以上であることが望ましい。すなわち、アミノ基が1つだと核酸との相互作用が低くなり、熱安定化の効果が損なわれる傾向がある。
【実施例】
【0018】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
【0019】
(1)ポリアミンの合成
化合物(2)の合成
図4に示すように、1,4−ブタンジアミン(1) 〔2.28mL,22mmol〕に0℃においてアクリロニトリル〔1.73mL,26.4mmol〕を撹拌しながら加えた。室温下17 時間撹拌後、 アクリロニトリル〔1.15mL,17.6mmol〕を追加し、混合物をさらに6時間撹拌したのち、さらに60℃に加熱して5時間撹拌した。
その後、未反応のアクリロニトリルをイソプロパノールと共沸させて除いた。残渣はカラムクロマトグラフィー(シリカゲル、10%MeOH/CHCl)によって分離し、化合物(2)を黄色いオイルとして得た(3.06g)。
【0020】
化合物(3)の合成
図4に続けて示すように、上記により得られた化合物(2)〔388.5mg,2.0mmol〕、トリエチルアミン〔0.67mL,4.8mmol〕及びp−N,N−ジメチルアミノピリジン〔26mg,0.2mmol〕のジクロロメタン〔4mL〕溶液に、無水酢酸 〔0.46mL,4.8mmol〕を0℃撹拌下で加えた。混合物を室温下17時間撹拌した。
反応混合物をCHCl〔20mL〕で希釈し、飽和食塩水、飽和炭酸水素ナトリウム水溶液、並びに塩酸酸性にした飽和食塩水にて有機層をそれぞれ洗浄した。有機層は無水硫酸ナトリウムで乾燥後、ジクロロメタンを減圧留去した。残渣を再結晶することにより、無色針状晶である化合物(3:AcOEt/n−Hexane) を得た(420.9mg)。
【0021】
化合物(4)の合成
さらに、図4に示すように、上記で得られた化合物(3)〔200mg,0.718mmol〕のTHF(テトラヒドロフラン)溶液〔1.4mL〕はアルゴンに脱気置換後、ボランTHF溶液〔22.9mL,22.9mmol〕 が0℃で加えられた。溶液をアルゴン下撹拌しながら20時間加熱還流後MeOH〔15mL〕を加えてボランを分解後、減圧濃縮した。得られた生成物を再びMeOHに溶解し、次に4NのHCl−ジオキサン溶液を加えて1.5時間加熱還流した。減圧濃縮後、30%NaOH水溶液でアルカリ性にした。
混合物は、飽和食塩水で希釈後さらに食塩を加え、混合有機溶媒(CHCl:イソプロパノール=1:1)で抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、淡黄色オイル状の化合物(4)を得た(191.3mg)。
【0022】
化合物(5)の合成
さらに、図4に続けて示すように、上記により得られた化合物(4)〔90mg,0.35mmol〕のDMF(ジメチルホルムアミド)溶液〔0.69mL〕に、トリエチルアミン〔116.2μL,0.84mmol〕及びn−吉草酸クロリド〔101.2μL,0.84mmol〕を0℃で加えた。反応混合物を室温下8時間撹拌した。混合物は酢酸エチル〔7mL〕で希釈し、飽和食塩水〔9mL、11mL、10mL〕及び 飽和NaHCO溶液〔10mL、11mL、10mL〕で洗浄した。
合わせた水層は、混合有機溶媒(CHCl:イソプロパノール=1:1)で抽出を行い、有機層を合わせて無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、白色固体(427.6mg)を得た。固体はカラムクロマトグラフィー(アルミナ、2%MeOH/CHCl)で精製し、淡黄色オイル状の化合物(5)を得た(25.2mg)。
【0023】
化合物(6)の合成
図4に続けて示すように、上記により得られた化合物(5)〔32.9mg,0.077mmol〕のTHF溶液に、ボラン−THF溶液〔1.54mL,1.54mmol〕をアルゴン下0℃で加えた。混合物は撹拌下加熱により19時間加熱還流を行った。溶媒留去後メタノールを加え、減圧濃縮した。得られた生成物を再びMeOHに溶解し、次に4N HCl−ジオキサン溶液を加えて1.5時間加熱還流した。
減圧濃縮後30%NaOH水溶液〔2mL〕でアルカリ性にした。混合物は飽和食塩水で希釈後さらに食塩を加え、ジクロロメタンで抽出し、合わせた有機層を無水硫酸ナトリウムで乾燥した。溶媒を留去後、淡黄色オイルを得た(64.5mg)。オイルをさらにカラムクロマトグラフィーで精製し(アルミナ、EtOH:AcOEt=1:3 → EtOH:AcOEt=1:1)、無色オイル状の化合物(6)を得た(28.7mg)。
【0024】
化合物(7)の合成
上記化合物(6)〔5.0mg〕を2N塩酸1mLに溶解し、少し撹拌して1時間経過後塩酸を減圧留去後、凍結乾燥することによって、図5に示す化合物(7)を得た。
【0025】
化合物(8)の合成
上記化合物(4)〔3.0mg〕を2N塩酸1mLに溶解して少し撹拌し、1時間経過後塩酸を減圧留去後、凍結乾燥することによって、図5に示す化合物(8)を得た。
【0026】
化合物(9)の合成
トリス(3−アミノプロピル)アミン(東京化成工業株式会社製)〔2.0g,5.8mmol〕と無水フタル酸 〔16.0g,108mmol〕、無水酢酸ナトリウム〔2.40g,29.0mmol〕を混合し、20分間200℃に加熱を行った。その後、500mLの水を加え、混合物を100℃にて10分加熱した。
溶液を室温まで冷却した後、炭酸水素ナトリウム(約20g)でpH8に調整し、酢酸エチルで抽出操作を行った。酢酸エチルを乾燥・留去後、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(n−ヘキサン:酢酸エチル=1:1)で精製し、トリス(3−フタルイミドプロピル)アミンを得た(2.4g)。
【0027】
次に、まず、N−(3−ブロモプロピル)フタルイミドを5当量のヨウ化ナトリウムとアセトン中加熱還流することにより、N−(3−ヨードプロピル)フタルイミドを得た。 次いで、N−(3−ヨードプロピル)フタルイミド〔578mg,1.8mmol〕とトリス(3−フタルイミドプロピル)アミン〔884mg,1.5mmol〕を最小量の無水ジオキサンに溶解し、窒素雰囲気下で3時間加熱還流を行った。生成した白い固体を濾取し、固体は少量のジクロロメタンで洗浄した。濾液と洗浄液は合わせ、溶媒を減圧留去した。残渣は再び少量の無水ジオキサンに溶解し1時間加熱還流した。また生じた白色固体は濾取した。この操作を数回繰り返した。
【0028】
生成した固体は合わせ、乾燥させることによりテトラキス(3−フタルイミドプロピル)アンモニウムアイオダイドを白色粉末として得た〔952mg,1.0mmol〕。
テトラキス(3−フタルイミドプロピル)アンモニウムアイオダイド〔171mg,0.2mmol〕は、12モル当量のヒドラジンのエタノール溶液に溶解して2時間加熱還流することにより脱保護を行った。析出した固体は濾去し、エタノールで洗浄した。濾液と洗浄液を合わせて、Dowex 50W−X4のカラムに乗せ、6N塩酸で溶出した。4級塩画分を合わせて塩酸を減圧留去することにより、図5に化合物(9)として示すテトラキス(3−アミノプロピル)アンモニウムクロリドを淡黄色粉末として得た(38mg)。
【0029】
化合物(10)の合成
スペルミン(和光純薬工業株式会社製)〔3.2mg〕を2N塩酸1mLに溶解し、少し撹拌して1時間経過後塩酸を減圧留去後、凍結乾燥することによって、図5に示す化合物(10)を得た。
【0030】
化合物(11)の合成
ノスペルミジン(東京化成工業株式会社製)〔 4.0mg〕を2N塩酸1mLに溶解し、少し撹拌して1時間経過後塩酸を減圧留去後、凍結乾燥することによって、図5に示す化合物(11)を得た。
【0031】
(2)一本鎖DNAの調整
常法の固相合成法による自動合成装置を用いて合成し、5’−TGCACGCACCGTGTACTCCAGGTCTCAAACGCGTGCGTGCCGAGTAGACCT−3’(51mer)という塩基配列を有する一本鎖DNA(オペロンバイオテクノロジー株式会社製、簡易カラム精製凍結乾燥品、品名:Code7−1)を用意した。
なお、上記一本鎖DNAは、情報化核酸に相当するものであって、上記した塩基配列における下線部分は、個別認証に使用するために予め設定した既知の塩基の配列から成る情報化部位である。この情報化部位は任意に設定することができ、このような配列既知の情報化部位を備えた一本鎖DNAを含む核酸複合体を各種の工業製品などに組み込むことによって、当該製品の個別情報、例えば出所・経歴データなど認証が可能となる。
【0032】
上記の一本鎖DNA(Code7−1)10nmolに、滅菌超純水を100mL加えて濃度10−4Mの水溶液を調製し、滅菌超純水でさらに100倍に希釈した10−6Mの水溶液とした。
【0033】
(3)核酸−ポリアミン複合体の調整
エッペンドルフチューブ内において、上記一本鎖DNA(Code7−1)の10−6Mの水溶液30μLに、上記により合成した7種のポリアミン又はポリアミン塩、すなわち化合物(6)、(4)、(7)〜(11)の水溶液(1μg/μL)を上記のDNAに対して、それぞれ50倍量(mol)となるように加え、3時間混合した。反応時間として、遮光しながら室温下保存した後、凍結乾燥を5時間行った。
そして、乾燥した状態でドライサーモユニットを用いて、110 ℃に保持し、下記の方法によって熱安定性を評価した。
【0034】
なお、図6は、上記により得られた核酸複合体の一般的模式図として、窒素を4つ含むポリアミンを用いた複合体の構造を示すものである。
【0035】
(4)熱安定評価
上記により得られた各核酸複合体のサンプルを一定時間ごとに取り出し、30μLの滅菌超純水を加え、そのうち30μLを20%ポリアクリルアミドゲル電気泳動にかけ、核酸用銀染色(ニッポンジーン)を行い、上記DNAの熱分解の経過を観察し、NDAのみの比較例と対比した。
なお、電気泳動条件及び20%ポリアクリルアミドゲル組成は、下記の通りである。また、銀染色における染色及び現像時間は、それぞれ30分及び7〜10分とした。
【0036】
電気泳動条件
装置:BIO−RAD ミニプロティアン3セル
泳動バッファー:1×TBEバッファー(Tris/ホウ酸/EDTA)
Pre−run:15分(200V)
泳動:60分、200V
【0037】
20%ポリアクリルアミドゲル組成(BIO−RAD用2枚分)
30%アクリルアミド ・・・ 10.02mL
10×TBE ・・・ 1.5mL
滅菌超純水 ・・・ 3.36mL
10%APS*1 ・・・ 120μL
TEMED*2 ・・・ 24μL
*1 ammonium persulfate
*2 N,N,N',N'−tetramethylethylenediamine
【0038】
熱安定性の評価結果を表1に示す。
なお、表中において、「○」はDNAが検出されたもの、「×」はDNAが熱分解して検出されなかったもの、「−」はデータが採れていないものをそれぞれ示す。
【0039】
【表1】

【0040】
この結果、一本鎖DNAとポリアミンやポリアミン塩から成る本発明の実施例1〜7の核酸複合体においては、DNAのみから成る比較例1の核酸に較べて、いずれも長期間DNAの存在が確認され、熱安定性に優れることが確認された。
なお、実施例の中では、ポリアミンの塩酸塩を用いたものにおいて、DNAがやや早期に熱分解する傾向が認められたが、これはポリアミンが塩になると弱酸性となり、核酸は耐酸性に若干劣ることから、分解が早めに進んだものと考えられる。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明に用いられるポリアミンの具体例として、天然ポリアミンの例を示す説明図である。
【図2】本発明に用いられる合成ポリアミン誘導体の具体例を示す説明図である。
【図3】本発明に用いられるアミン縮合体の具体例を示す説明図である。
【図4】本発明の実施例におけるポリアミンの合成過程を示す説明図である。
【図5】本発明の実施例に用いた化合物(7)〜(11)の構造を示す説明図である。
【図6】本発明の実施例により得られた核酸複合体の構造を示す説明図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
核酸と、ポリアミン、ポリアミン塩、ポリアミン誘導体及びアミン縮合体から成る群より選ばれた少なくとも1種から成ることを特徴とする核酸複合体。
【請求項2】
上記核酸が一本鎖であることを特徴とする請求項1に記載の核酸複合体。
【請求項3】
ポリアミン、ポリアミン塩、ポリアミン誘導体及びアミン縮合体から成る群より選ばれた少なくとも1種が2個以上のアミノ基を有していることを特徴とする請求項1又は2に記載の核酸複合体。
【請求項4】
上記核酸が天然型か人工型のDNA若しくはRNA、又はこれらの誘導体であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つの項に記載の核酸複合体。
【請求項5】
上記核酸が任意且つ既知の塩基配列を有する部位を備えた情報化核酸であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つの項に記載の核酸複合体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−213390(P2009−213390A)
【公開日】平成21年9月24日(2009.9.24)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−59853(P2008−59853)
【出願日】平成20年3月10日(2008.3.10)
【出願人】(000003997)日産自動車株式会社 (16,386)
【出願人】(506218664)公立大学法人名古屋市立大学 (48)
【Fターム(参考)】