説明

栽培構造及び栽培方法

接続した少なくとも一つの畝(1)と少なくとも一つの溝箱体(2)を含んで、溝箱体(2)に有機材料を充填し、有機材料の密度は畝(1)の密度より低い栽培構造、及び栽培方法を提供する。このような栽培構造と方法は、土壌を調理でき、野生又は栽培植物の生長力を向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、農業技術分野に関して、特に、野生や栽培植物の成長力を著しく向上させることができる栽培構造に関する。この栽培構造は、地球上のほぼ全ての植物の成長速度、生産量、生物量などを効率に著しく向上させて、さらに数倍以上に向上させることができ、同時に植物の品質を改善・向上させることができる。また、土壌の改良、土壌汚染の除去、環境にやさしいなど作用を有する。
【背景技術】
【0002】
現代社会の発展と進歩や、世界人口の数量の全体的な成長や、人間の地球資源に対する消耗、特に植物資源または食糧資源に対する消耗の倍増などで、グローバル資源の制約と不足が起こり、今後も継続していく傾向にある。
【0003】
石油と天然ガス資源を過剰消耗しているため、環境汚染が悪化し、森林資源を過剰消耗しているため、大気汚染のバランスが崩れて、人間に必要なクリーンな空気が不足になって、野生植物、草原、低木が過剰消耗・破壊されることにより大幅に減少して、土地の砂漠化がますます深刻化している。より多くの収穫物を得るために、農薬、化学肥料、各種の成長ホルモンなどの投入量がますます増加されて、土壌の汚染・圧縮をますます深刻化させて、栄養利用効率も絶えずに下がり、生産力が低下し、収穫物の品質、種の品質も年々に損害されている。また、農業土地、果物産業土地、森林再生林土地などの高い投入量は、さらに増加して、低い利用効率と品質は、まだ絶えず低下し、生産量も絶えず低下の傾向にある。現在の生産量を維持するために、投入コストもますます高くなっているので、各国においても、農業に対して、大量の資金や材料の補助を行っている。中国では、農業栽培の利益が非常に少ないので、多くの自営業の農民は、農業栽培を放棄し、又は栽培用地を栽培量が大きい農業者に売って、その代わりに出稼ぎでお金を稼いで栽培により得られない収入を補償するようにしている。すなわち、堤防内の損失を堤防外で補償するというやり方をしている。
【0004】
現代の農業は、植物の栽培についての研究・技術革新手段の面で、非常に発達し、先進になっている。世界の各先進国は、土壌に対する分析、農薬や化学肥料の投入比率、各種の新規肥料や植物薬、並びに、土壌や植物に使用される薬物や肥料の比率に対する測定、植物の成育結果に対する測定、定量又は定性的な分析・計算、水、肥料、大気、熱、葉、茎、根系などに対する調整制御手段や方法についても、飛躍的な成果を取得している。例えば、中国などの国は、土壌や植物における栄養を迅速に分析すること、わらの戻り、延期、配分、放出などの肥料投入技術及びその技術を先に応用すること、及び雨水を収集して灌漑の水を節約する技術、植物製品の安全性の測定技術なども完全に成熟している。その他には、植物技術の先進の各国は、多くの先進な技術を研究開発・革新している。例えば、イスラエルの点滴灌漑技術、イスラエルやフランスの無土壌栽培技術、フランスの成長ホルモン及び汚染なしのクリーンな肥料、オーストラリアの制御交通保全耕うん技術、米欧の保全耕うん技術及び植物の植え付け戻し技術なども、目前の植物の成育または植物の栽培における多くの重大問題を解決してきた。
【0005】
目前の植物栽培技術を含むグローバル植物技術は、すでに上記した成熟先進の程度に発展しているものの、人工植物の成育、植物栽培の面で、栽培と植物、栽培と土壌、土壌と構造、土壌とエネルギーなどの問題を相変わらず解決できなく、又は効率的に解決できなくて、投入と汚染、投入と利用、投入と配分のバランス・調和はいずれも長期の世界的難題である。このため、相変わらず、植物の生産量又は重量、或いは体積の使用空間率を人工で普遍に30%以上に向上させることを解決できない(50%、100%延いて500%などはいうまでもない)。同時に、植物及びその果実の品質を史上最高レベルに戻させることを効率に解決できない。
【0006】
本発明者は不断の努力により、土壌植物のエネルギーの自動的な良性循環、配分、供給の新しい構造技術(以下、「土、植のエネルギーの新規構造技術」と言う)を創造した。この技術は、植物(農作物を含む)と土壌、栄養、エネルギーとの問題を一回限りで効率に徹底的に解決できる。これにより、植物の成長・成育、植物の栽培、土壌自身と植物自身が水、肥料、大気、熱、葉、茎、根系に対するエネルギーを完全に投入するとともに、良性的に効率に運行、延長、転移、交換、配分をすることによって、理想且つ完全な自動配分、調和、バランス配置の自動循環システムを形成して、投入が吸収されないことによる汚染の問題、及び環境に優しくない問題、投入が吸収されないことによりエネルギーが多く消費され、効率に利用できない問題、投入されたエネルギー(薬物、肥料、水、大気、熱など)が自動に良性循環できなくて、効率に自動配分できない問題、植物が効率よく倍増できない問題、植物及びその果実の品質を史上最高レベルに戻すことができなくて、年々に低減する問題を徹底的に解決できる。本発明に係る「土、植のエネルギーの新規構造技術」によって解決される上記問題は、いずれも目前の植物の成長・成育、植物の栽培における世界的難題であって、本発明は重大な意義を持つ。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明の目的は、植物の成長量又は生産量を向上させるための栽培構造を提供することである。
【0008】
本発明の他の目的は、上記栽培構造による栽培方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る栽培構造は、接続した少なくとも一つの畝と少なくとも一つの溝箱体を含んで、溝箱体に有機材料を充填し、この有機材料の密度は土壌の密度より低いことを特徴とする。
【0010】
上記栽培構造は、接続した複数の畝と複数の溝箱体を含む構造であってもよく、畝同士の間に、溝箱体で隔たることを特徴とする。
【0011】
上記栽培構造において、前記畝は、土壌及び/又はその他の植物根系支持物であってもよい。前記土壌は荒漠土、砂漠土、塩類−アルカリ土、半塩類−アルカリ土、酸性土又は砂壌土であってもよい。本発明に係る栽培構造は、荒漠土、塩類−アルカリ土及び酸性土などの品質の悪い土壌に使用される時の効果がよりよく、通常の栽培より、植物の生産量が数倍まで向上できる。前記その他の根系支持物は、砂、砕石、プラスチック、木屑および泥炭からなる群から選ばれる一つ又は複数であってもよい。
【0012】
前記栽培構造において、前記畝は、長方形、円形、楕円形、又は不規則な形状であってもよい。ここで、上記した各形状は、上方から見ると、畝の形状である。
【0013】
前記栽培構造において、前記畝の縦断面は、アーチ形、台形、逆台形、四角形又は不規則な形状であってもよい。
【0014】
前記栽培構造において、前記溝箱体の形状は、畝の形状と相応する。当業者は、ここでいわゆる相応とは、例えば、畝の縦断面が台形である場合に、相応する溝箱体の縦断面が逆台形であって、別の例として、畝が長方形である場合に、相応する溝箱体も長方形であることを指す。この原因は、畝と溝箱体は密に接続され、延いては一体式であるためであり、一般的には、畝と溝箱体は、土壌を掘ることにより形成されるもので、即ち、土壌自身は、掘ることにより形状変化を得る。もちろん、ある場合に、土壌が軟らかいため、又は、他の原因により、溝箱体の崩壊を引き起こすと、溝箱体の壁を補強する必要があるが、この場合に、溝箱体の形状も相変わらず畝と相応するものである。前記畝は円形又は楕円形である場合に、前記溝箱体はそれに相応する円形又は楕円形になってもよい。
【0015】
前記栽培構造において、一般的には、溝箱体の壁の上端縁は畝と等高又は畝より低いであるが、必要に応じて、溝箱体の壁の上端縁は畝より高くてもよく、この場合に、本発明には、それを隠し畝溝型構造という。
【0016】
前記栽培構造において、前記畝及び/又は溝箱体には、栄養及び/又は水分の供給パイプを配置してもよい。
【0017】
前記栽培構造において、前記有機材料は、リグニン、セルロース、ヘミセルロース、緑肥、粉砕又は切砕したわら、おが屑、動物体及びその付着物、及び動物排泄物からなる群から選ばれる一つ又は多種であってもよく、被覆有機材料であってもよい。
【0018】
前記有機材料の形状として、好ましい粒度が1mm〜5mmである粉状、好ましい各ブロックのサイズが5mm〜50mmであるブロック状、好ましい棒長が30〜70mm、又は、好ましい直径が5mm〜25mmである棒状であってもよい。
【0019】
しかし、有機材料のサイズは、極めて細い場合に、0.01nmになってもよく、さらにはそれより小さくなってもよい。
【0020】
前記栽培構造は、複層式の立体構造であってもよい。例えば、通常に温室において、スタンドにより構築された複層式栽培構造であり、その各層には、接続した畝と溝箱体を有する。
【0021】
本発明は、前記栽培構造と、転送機構とを備える携帯式植物栽培構造をさらに提供する。転送機構として、例えば、車輪付けの取り外し可能な支えが挙げられる。これは、重要な経済的な植物に対して重要な意義を有する。
【0022】
本発明は、上記栽培構造の畝に植物を植える栽培方法を提供する。また、溝箱体に植物を植えてもよい。
【0023】
本発明は、土壌に対して処理を行うことによって、上記接続した畝と溝箱体構造を形成して、土壌の密度より低いように溝箱体に有機材料を添加する土壌調理方法を提供する。比較的低い密度の有機材料は、水を貯め肥料を保持するように配分の作用を有して、畝における過剰栄養、エネルギー及び成長に不利な塩類−アルカリなどを、雨水の洗い流し又は人工灌漑により、溝箱体に流させることで、土壌の構造をより合理にさせる。一方、溝箱体における水分や栄養などを、畝における土壌との、水分や栄養の動的バランスを構造する。このように処理することにより、土壌の構造をより合理にさせて、養分の利用率を大幅に向上させる。塩類−アルカリ土、酸性土では、土壌中の塩類−アルカリ、酸性物質を排出し、土壌の長期圧縮である欠陥を克服することができ、土壌を栽培に一層適するようにさせる。
【0024】
本発明は、溝箱体内に有機材料(例えば、おが屑である)を充填することによって、よい保水機能を達成することができ、水分が蒸発しにくく、砂漠で干ばつに対抗することができる。同時に、洪水地域では、溝箱体内に乾燥の有機材料を埋めることによって、よい貯水機能を発揮することができ、雨季にも一定の水害に対抗する作用を有する。本発明に係る栽培構造は、異なる多種の地域で、飛躍的に進歩を得る。特に、砂漠地域では、溝箱体の保水機能により、木の種を畝に直接に点播し又は撒き、それが低木林になるまで成長する。このようにすると、従来に草種を植えてから木の種を植えるような、移植生存率の低く且つ時間や工夫がかかる方式を破って、時間コストと投資コストを大幅に低減できる。本出願人は、砂漠地域で、栽培試験を150ムー行って、既に成功を取得した。本発明に係る栽培構造は、イスラエルに採用されている点滴灌漑技術より、実際の応用で効果があって、点滴灌漑技術を採用すると、水分が速く蒸発し、不断的に継続に行う必要があるため、コストが高くて、効率が低い。一方、本発明における溝箱体は、水の緩放性物に類似するため、水分の急激な消費を避けて、干ばつ地域、特に砂漠地域での使用に適する。
【発明の効果】
【0025】
本発明の効果は、下記の通りである。
1)土壌に投入した質量(農薬、肥料、水、大気、熱、生物製剤など)は、本発明に係る「構造」に十分に配分されていて、自動的な良性循環の種類を達成することによって、植物が極大的に吸収、交換、転化の能力を有して、土壌における過剰の投入が効率に利用されていて、汚染が確実に低下・減少され、且つ不断に改善されていて、良性方向への転化を形成する。土壌の圧縮や汚染は、完全に消失するまで継続に解決されている。
【0026】
2)土壌におけるエネルギーの流れ、交換、転化、移動などは、本発明に係る「構造」に自動的に循環されてきてから、土壌上の植物の、栄養エネルギーを吸収・利用・転化する吸収融合力も全面に補強と整えることができる。このため、土壌上の植物の、生産量を効率に倍増させて、品質質量を不断に向上させることを効率的に徹底に保障でき、史上の最高レベルに戻すことができる。
【0027】
3)本発明は、土壌における全ての既存エネルギーを十分に配分し直すことができ、それを、「構造」に設置されたシステムにおいて自動的に循環、移動、延長、交換、転化させることで、完全に効率に利用されることを達成する。
【0028】
4)本発明は、エネルギーの自動的な循環において、土壌と植物が完全的に使用されて、十分に利用されるようにして、塩類−アルカリ土と砂土上の植物と栽培物のエネルギーが耕地と同等又は近接レベルの保障である条件で、その生産量も同様に、本発明の構造を使用する耕地と同等又は近接レベルを達することができ、その品質質量も最終、史上の最高レベルに戻すことができる。
【0029】
5)上記した1)、2)、3)、4)の条件を有するため、土壌自身に残る余計なエネルギー(農薬、化学肥料、水、大気、熱、重金属、大量残留農薬など)は、本発明に係る栽培構造に十分に利用され、使用され、及び消費されることで、土壌における余計な残留(即ち、汚染である)の消失を不断に形成して、土壌の圧縮や汚染の問題を効率に解決するとともに、土壌に投入されたエネルギーの利用率を最高レベルに向上させる。
【0030】
6)本発明に係る栽培構造は、土壌での投入と汚染との、投入と利用との、投入と配分との矛盾を効率に解決し、調和やバランスを達した場合、土壌自身の品質が不断に改善と向上される以外、土壌と植物との良性の相互作用、転化で、植物の品質質量を、史上の最高の品質質量に達するまで不断に向上させて整える。
【0031】
7)本発明に係る栽培構造は、塩類−アルカリ土や砂土に使用される場合に、塩類−アルカリ土や砂土は一般の耕地よりよい使用価値と品質価値を有するようにする。
【0032】
8)本発明に係る栽培構造は、実施中で、その自身の特徴から、この技術にコストを投入する必要はほぼなく、且つ、簡単に容易に行うことができ、非常に経済価値と実用性価値を有して、低いコスト、高い産出、品質を備える理想的な植物成長、成育、栽培のプラットフォームである。
【0033】
9)本発明に係る栽培構造は、栽培人に従う性能を極めてよく有する。即ち、主な栽培人の、任意の栽培可能な環境における任意種類の任意栽培計画や手配に完全に適用できる。主な栽培人は、これに応じて、栽培手配や計画、栽培習慣などを変える必要はなくても、倍増の収穫物を効率に達成でき、収穫物の品質が本発明の技術を使用しない収穫物よりよく、優れることを達成できる。同時に、本発明は、遺伝変異の点から植物を変えることではなく、土壌の栽培構造システムを利用して、植物細胞に対して、よりよいエネルギーの生存、運行、移動、交換、転化の推進プラットフォームを提供するため、本発明に係る栽培構造は、大規模に遺伝子導入植物を使用することを避けて、遺伝子導入植物による潜在的な危機を効率に防止して、人と植物との関係を調和、安全になるようにする。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】図1は畝溝構造を示す図である。
【図2】図2は複数畝溝構造を示す図である。
【図3】図3は複数の隠し畝を示す図であり、畝が地平面と等高である。
【図4】図4は別の複数の隠し畝を示す図である。
【図5A】図5Aは荒漠地域での使用に適する畝溝構造を示す図である。
【図5B】図5Bは砂防止の壁を添加する図である。
【図6】図6は浅海域での使用に適する栽培構造を示す図である。
【図7】図7は複層畝溝栽培構造を示す図である。
【図8】図8は家庭での使用に適する小型の畝溝栽培構造を示す図である。
【図9】図9は坂での栽培構造を示す図である。
【図10】図10は携帯式の栽培構造を示す図である。
【図11】図11は林での使用に適する栽培構造を示す図である。
【図12】図12は低木を植えることに適する栽培構造を示す図である。
【図13】図13は草原を植えることに適する栽培構造を示す図である。
【図14】図14は干ばつ土での使用に適する栽培構造を示す図である。
【符号の説明】
【0035】
以上の図において、1 畝、2 溝箱体、3 有機材料、4 苗(植物)、5 根、6 給水管、7 給養管、8 砂防止の壁、9 膜網、10 穴、11 車輪、12 接続のエッジ、13 地平面
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下、図面を参照して、さらに本発明の内容を詳しく説明するが、本発明をこれに制限することはない。当業者は、本発明の精神と実質を逸脱しない場合に、以下の実施形態に対して各種の変更又は取替えを行うことができる。
【0037】
本発明に提供される栽培構造は、畝溝結合式の栽培構造であり、具体的に、接続した畝と溝箱体を含んで、溝箱体にバイオマス材料を充填している。
【0038】
実際に、溝箱体に有機材料を充填した後、炭素含有量が高く、密度が低い炭素溝を形成した、このような構造は積み重ねることが困難で、よい気体透過性と吸着作用を有して、水を貯め肥料を保持する作用を達成して、畝との水や栄養の交換循環を実現でき、肥料を継続的に投入することにより途切れない植栽を耐えることができる。また、溝箱体内の有機物は微生物の作用によって継続的に発酵して、蒸気熱の温度制御の作用を生じると共に、有毒汚染を代謝によって排出することができる。微生物の活発により、土壌をさらに改良し、延いて、短い植物連鎖を生じて、栄養を最大限に活用するようになる。
【0039】
畝と溝箱体の構造の形成に必要な材料は、土壌自身であってもよく、金属、プラスチック又は木材などにより補強を実施して成形されてもよい。他の材料を使用する場合も、相変わらず畝と溝箱体とを直接に接続する(少なくとも、一部分で直接に接続する)必要がある。
【0040】
本発明に係る栽培構造は、一般的に、以下の種類を分けることができる。
A:畝と溝箱体の基本構造であり、単に畝溝型構造という(図1)。
B:複数の畝と複数の溝箱体とを接続した基本構造であり、単に複数畝溝接続型構造という(図2)
C:複数の畝と複数の平地溝箱体とを接続した基本構造であり、単に複数の隠し畝平溝接続型構造という(図3、4)。
【0041】
以上の3種類の構造は本発明に係る栽培構造の最も基本構造であって、これらの基本構造を基礎として、異なる実施形態を拡張できることで、地域の情況によって、環境、土壌と植物の成長成育、開花結実の最適な要求に対応するように各種システムを設置して、エネルギー良性自動循環システムの供給と需要である最高の構造プラットフォームを形成している。
【0042】
以下、3種類の基本構造およびそれを基礎として拡張された各種の副構造について、それぞれ詳しく説明する。
【0043】
第一:畝と溝箱体の基本構造、即ち、畝溝型構造の設計及びその体系について、それぞれ説明する。
【0044】
畝:単に畝という。畝とは、栽培又は自然種蒔きしようとする土の平面の上で、一層の土を積み重ねて形成されたものであり、即ち、この土層は畝という。畝の高さは、最大が35cmであり(実際の必要に応じて、より高くなってもよい)、最小が2.5cmであって、その最も適切な高さが20cm程度であり、最も適切な低さが5cm程度である。畝の幅は、実際の必要に応じて、幅に制限されなくてもよい(溝と相応する場合)が、一般的には、幅が最大10メートルであり、最も好ましい幅が2.5メートル未満である(即ち、2.5メートル以内)。畝が長方形の場合に、畝の長さに制限されなくてもよいが、一般的に、最も好ましい長さが50メートルである(畝が溝に相応することにより長さが決定される)。畝の形状は、土の実際状況と環境に応じて、長方形、正方形、円形、楕円形等が設置されて、例えば、円形である場合、一般的にその最大値が直接に2.5メートル程度であり、楕円形である場合、一般的にその最大半径が5メートルを超えなく、最も好ましい半径が1.25メートル程度である。以上、本革新発明に係る畝の構造、形状及び寸法について説明するものである。畝の面積空間及び底層空間、周辺空間は、植物の成長、生育、開花結実の場所であり、一般的には、植物(栽培植物の種を含む)は、畝の表面積空間で人工栽培又は自然種蒔きを行い、成長、生育、開花したものであり、その結実が、異なる植物により、上方、下方又は周辺、或は全ての空間で行われている。一般的には、畝の面積においての人工栽培による成長される植物(開花と結実しない時)を苗と総称して、畝の内における植物体(開花と結実しない時)を根系と総称し、単に「根」という。畝に自然種蒔きされる植物について、その上部を自然苗と言って、その下部を自根という。植物に必要な各種のエネルギー(薬物、肥料、水、大気、熱など)、栄養成分は従来の伝統操作方法に応じて、直接に畝の表面及び内部、又は苗の底部に施される。
【0045】
溝箱体:単に溝という。溝箱体とは、栽培又は自然種蒔きしようとする土の平面の下で、一つの溝を掘って形成されたものであり、単に、溝という。一般的に、この溝(堀)箱体は長方形であるが、栽培又は自然種蒔きの植物と環境との要求に応じて(例えば、砂浜、山の坂、又は人工製作された移動可能な植物生存体など)、正方形、円形、楕円形又は他の形状であってもよい。
【0046】
溝箱体、即ち溝は、長方形(立体)状態で、その寸法(長さ、幅、高さ、又は深さ)において、その長さに制限されていなく、必要に応じて決定されることができる。一般的に、その最も好ましい長さは50メートルであり(畝の長さに相応することを基準とする)、その幅にも制限されていなく(畝の幅に相応することが適切である)、一般的に、溝の最も好ましい幅が15cmより少なくない(畝の幅に相応することが適切である)。一般的に、溝の最大の深さ、即ち最大の高さは、土の平面から上方に向かう(露頭)露出部分(土の平面を基準とする)が0.5cm〜15cmであり、土の平面から下方に向かう部分が2.5cm〜200cmである。溝箱体の最も好ましい深さ(高さ)は、土の平面から上方に向かう露出部分が5cm以下であり、土の平面から下方に向かう部分が15cm〜125cmである。他の形状の溝箱体は、原則として、畝と相応して設置される場合、長方形の溝の寸法を基本的な参照データとするが、実際の必要に応じて決定される必要もある。
【0047】
溝箱体が畝と相応して使用される場合に、まだ長さに制限されていなく、最も好ましい長さは50メートルである。しかし、幅の方向から見ると、二つの溝箱体は両側にあり、その間に畝がある。二つの溝箱体の間の距離は、原則として、2.5メートル未満であることがよく、即ち、この時に、相応する畝の幅も2.5メートル未満であるが、特殊の場合に、幅の方向より最大の寸法を決定する場合に、二つの溝箱体の間の距離は大きく、4メートル未満である。この時に、溝箱体自身の幅も適宜に拡大しなければならない。即ち、畝自身の幅は4メートルである場合、その両側に位置する溝箱体自身の幅は、30cm程度であり、最も好ましくは30cm未満であるが、広すぎた場合、土地面積の浪費を引き起こすが、畝における植物の成長に影響しない。溝箱体のトップ層には、補完且つ互恵的に他の植物を植えることができ、この場合に、溝箱体の幅も拡大する必要もある。
【0048】
畝と溝の設計は本発明の核心技術であり、それらは一体的で、畝は溝から離れなく、溝は畝から離れなく、互いに補い合う。その中に、溝は核心技術構造に設置された最核心の要素である。空溝は、溝箱体内に、基本的に空の理念を基礎として、これによって、溝箱体内に有機物を充填材料としなければならない。原則として、有機材料を溝箱体内の充填材料とすること以外、溝箱体内の密度は軟らかくなければならなくて、畝内の密度より低くて、畝の底層での物質(土壌を含む)の密度より低くなければならなく、これは実行しなくてはならない。一般的に、溝箱体内の容積重量は最大範囲が0.009〜1g/cmであり、最も好ましい範囲が0.5〜0.8g/cmである。畝は土壌であっても、砂や石のような他の充填物(畝内も充填物である)であっても、溝箱体内の充填物の密度は畝より低く、軟らかい隙間を有する。
【0049】
溝箱体と畝は下記のような関係を有する。
【0050】
1.溝箱体は畝にサービスするものであり、畝における植物のために設置されている必要な構造体系であるので、溝箱体内の充填物も畝及びその内容にサービスするものである。溝箱体は畝から独立して存在が意味をなさないため、溝箱体の寸法、サイズ、形状設計は、いずれも畝の必要に応じて決定されるものであり、畝の変化に応じて相応しなければならない。
【0051】
2.畝と溝箱体のエッジは一本の線において接続するようになっている。長方形(上から見る)である場合、畝の両側のエッジは、二つの溝箱体のエッジのうちの一方の左端エッジ及び他方の右端エッジとそれぞれ接続している(図1)。接続しない場合、接続されないことにより形成された未接続空間には塩分を集めることで、養分(薬物、肥料、水、大気、熱など)の効率的な完全な自動循環運動を、異なる程度で遮断して、エネルギー養分の利用率を大幅に低下させる。また、塩分は未接続空間に集まれば集まるほど多くて、土壌圧縮を形成して、エネルギーの流れをひどく遮断し、植物の成長成育、開花結実に必要な栄養に十分な効率的な循環供給をひどく影響する。
【0052】
3.畝の高さが溝箱体と同じ水平線又は高さの差が少しある場合(一般的に、溝箱体は畝より低いが、ここで、畝は土地の平面からの上方にあり、溝箱体は大部分又は全部で土地の平面から下方にある)、畝幅の二つのエッジは、畝に接続している溝箱体幅の二つの左端、右端エッジになるようにそれぞれ形成されている。即ち、畝幅の左端エッジは同時に一方の溝箱体の左端エッジとなって、畝幅の右端エッジは他方溝箱体の左端エッジとなっている。実際の必要に応じて、畝の二つの左右端エッジは二つの溝箱体の左右端エッジ内にそれぞれ入れてもよい。例えば、環境やそのほかの理由により、エッジ線を合わせることが困難である場合に、未接続空間を形成するために、安全として、溝のエッジ内に入れることができる。
【0053】
4.溝箱体が有機材料の充填を完成した後、溝箱体は植物を効率に支持し立てさせる 条件を有する場合(例えば、土壌である)に、溝箱体のトップ層において、選択性に植物を植えることを許可する。その条件は、下記に記述している。第一、溝箱体のトップ層には、植物を効率的に支持し立てさせる土壌又はその他材料を有して、例えば、砂、石などである。第二、溝箱体のトップ層の幅は少なくとも5cm以上である。第三、溝箱体のトップ層に植えられる植物の高さは畝における植物より低く、且つ必ず倒れない植物であると共に、畝における植物と適応し相応して、相互に有益にする。例えば、畝にトウモロコシを植える場合に、溝のトップ層に麦、大豆又は大蒜を植えればよい。畝に大豆を植える場合に、溝にキノコ、ネギなどの植物を選んで植えればよい。
【0054】
5.溝箱体の幅は5cm未満である場合、溝箱体のトップ層における土地(或いは、他の砂、石など)の平面には、植物を植えて維持することはできない。特に、畝における植物の高さより高い、倒れやすい植物を植えて維持することはできない。総原則として、溝は畝にサービスしているものであるので、溝での栽培も畝での栽培にサービスしている。
【0055】
6.溝箱体内に充填材料は有機材料でなければならない。
【0056】
本発明はに係る栽培構造は、目前植物及びその栽培の根本的な困難を効果的に完全に徹底に解決して、即ち、投入と汚染、投入と利用、投入と配分とのバランス無しと調和なしなど世界的な問題を解決して、バランスと調和にさせている。本発明に係る栽培構造は、土(塩類−アルカリ土、砂地、耕地を含む)、植物支持物と植物との間のエネルギー、即ち、各種の栄養(薬物、肥料、水、大気、熱などのような)、各種の成分(過剰の汚染を形成した各種成分を含む)、重金属などを、畝溝構造内で効果的に自動循環で作用させてきて、配分、延長、転換、交換、転化、組み換えについての良性のエネルギー運行を取り直して、植物の栄養、水分の供給を改善して、植物の、成長成育、開花と結実ような異なる時点においての、栄養に対する吸収と利用を最良の状態に達成させて、その結果、植物の収穫物が、質と量を保持する上で倍増されている。
【0057】
第二:複数の畝と複数の溝箱体とを接続した基本構造が設置されている。単に多畝多溝接続基本構造という。
【0058】
複数の畝と複数の溝箱体とを接続した基本構造は、畝と溝箱体の基本構造を基礎として、畝と溝箱体の幅の左右両側に、数に限らない複数の畝と溝箱体を、エッジ対エッジ、又はエッジ対内部で接続して、複数の畝と溝箱体(幅に準じる)とを接続している基本構造が設置されている。単に、多畝多溝接続基本構造という。
【0059】
第三:複数の隠し畝と複数の平溝箱体とを接続した基本構造であり、単に複数の隠し畝と複数の平溝との接続基本構造という。
【0060】
このような複数の隠し畝と複数の平溝箱体とを接続した基本構造は、畝溝接続基本構造、及び多畝多溝接続基本構造を基礎として、畝を土地平面(他の、栽培又は植物の自然種蒔き可能な植物支持物の平面を含む)の上方から土地平面の下方に移動することによって、地上の露出畝が土地平面の下方の隠し畝になって、この時、溝は畝の高さと同じ、又は畝の高さより低い、又はやや低い、又はやや高いものになることで、平溝になっている。これも数に限らない複数の畝と溝箱体とを接続してなるものであるので、複数の隠し畝と複数の平溝と接続の基本構造になっている。これはこの構造の設置起源であって、その長所は地域の情況によると調整でき、労働工夫を減少・節約できることなどである。
【0061】
複数の低畝と複数の低溝箱体とを接続した基本構造であり、単に、複数の低畝溝接続基本構造という。
【0062】
低畝は、隠し畝を基礎とし、畝の高さを土地平面から下方に向かって掘ることにより、貯水面を形成して、下方に向かって掘る最も深い寸法は0.5メートル〜1.5メートルであり、最も好ましい深さは15cm〜25cmである。低畝の設計は、比較的特殊な植物と地域に適応するように設置されているものであり、ある植物、例えば、天水農業地域の植物、砂漠地域の植物は、その自身が低いである。ある植物は人工栽培のものであり、その植物自身の栽培は、貯水と保水ための一つの低畝を必要として、塩の浄化を抑制することにより成長させている。
【0063】
低畝の設置を完成した同時に、それと分離できない溝箱体は、低畝より低くように設置されている。それと低畝との接続高さは、その上端エッジの高さは低畝の底部エッジの高さとなって、これは低畝と低溝箱体との接続部である。
【0064】
以下、有機材料について具体的に記述する。
【0065】
1.有機材料の構造形態
リグニン
セルロース
ヘミセルロース(例えば、分解したもの、黒を浸漬したもの)
緑肥(新鮮的な緑肥を含む)
わら(新鮮的なわらを含む)
おが屑(新鮮的なおが屑を含む)
【0066】
炭素含有量の高い他の植物体は、例えば、麦、水稲茎などである。上記有機材料を充填物として溝箱体内に置いて、溝箱体とともに一つの効果的な構造体を形成して、分離できない全体構造となる。また、有機材料は被覆有機材料であってもよく、例えば、被覆肥料である。これらの有機材料は、畝の投入エネルギー(薬物、肥料、水、大気、熱など)を効果的に溝箱体へ延ばさせて運動させることにより、畝溝構造内にエネルギーの自動循環運行を形成して、投入物の汚染を低減させて、投入エネルギーの配分や組合せを徹底に改良して、投入エネルギーが効果的に十分に利用されている。
【0067】
有機材料の形態は、好ましい粒度が1mm〜5mmである粉状、各ブロックの好ましいサイズが5mm〜50mmであるブロック状、好ましい棒長が30〜70mm、好ましい棒の細さが5mm〜25mmである棒状を含む。最小の細さは、0.01nm〜5mmである。
【0068】
被覆肥料の形状は半円形であってもよく、及び他の各タイプ、例えば、円形、楕円形、棒形、立体三角形、多角形などであってもよい。実際の必要に応じて決定されることができる。最も好ましいサイズは5mm〜30mmであり、その上で無機肥料を付着してもよい。
【0069】
2.有機材料と施肥
有機材料の充填位置には肥料を与えなく、又は、少なくとも無機肥料を与える(充填位置は溝箱体である)。
【0070】
3.投入できる位置
エネルギー(薬物、肥料(無機肥料を含む)、水、大気、熱など)を畝の面積上及びその周辺に投入して、即ち、植物栽培の根部土壌上及びその近傍に投入する。
【0071】
4.有機材料の間隔距離
有機材料の間隔距離は2.5m未満であることが好ましく、特殊の状況で、4m未満でなければならない。即ち、二つの溝箱体の距離は2.5m未満であることが好ましい。
【0072】
5.有機材料を溝箱体の充填物とする作用
有機材料を溝箱体に充填した後、有機材料と溝箱体が一つの自動循環全体を効果的に形成している。これの主な作用は下記の通りに記述する。
【0073】
A)保肥:投入エネルギー、施肥位置に流失(残留)されたエネルギー、養分を効果的に吸収する(植物に供給し直すため)。
【0074】
B)保水:雨水を保持、保蔵した後、灌漑した後の水分。
【0075】
C)根形の保持:有機材料充填の地域、即ち、溝箱体内は、根系(延長)の主な成長地域になって、特に、植物の根系毛根の主な分布地域である。
【0076】
6. 有機材料を配分する
栽培の効果をさらに改良するために、栽培の環境と具体的な栽培植物に応じて、溝箱体内の有機材料を配分することによって、植物の最適な成長効果を達成できる。
【0077】
配合に用いられる有機材料は、上記した各種のほか、動物自身及びその付着物を含んで、例えば、毛、髪、骨などを含む。また、必要に応じて、各種の無機物を添加することができる。配置に用いられる各種の原材料と各種の有機材料、一部の無機材料とを混合して、各種の物質を製造した後、有機材料とともに植物と栽培の植物の溝箱体に充填する際に、所要な各種の、極めて強い医療・治療機能を有する植物収穫物を生産できることで、遺伝子組み換え食品の副作用を克服して、極めて強い薬効を有する純粋な植物食品、及び治療・薬用機能の食品をより多くよりよく生産できる。同時に、各種の特別な要求の、特別な機能の純粋な植物食品の植物収穫物を生産できる。
【0078】
以下、実施例において説明していない場合には、溝箱体内にも有機材料を充填している。
実施例1
【0079】
図5Aに示すように、砂漠中に適用する栽培構造である。接続した畝(1)と溝箱体(2)を含んで、溝箱体に充填物(3)を有して、畝(1)に苗(4)を植えて、苗の根系(5)の成長が溝箱体(2)へ発展しがちである。
【0080】
砂漠環境に適用するため、給水管(6)と給養管(7)をさらに設置されている。給水管(6)は、砂漠土で、水を浸潤方式と点滴散水方式で植物の根部に給水する機能がある。該管は畝と溝箱体にも敷かれている。
【0081】
ここで、点滴散水とは、圧力がある場合に、植物と接触したノズルが自動的に開いて、精細的な水滴を噴き出し、圧力がない場合に、ノズルが自動的に閉じる。浸潤とは、管に設置された植物の根系に囲んで接触した出口には、透過性膜が取り付けられて、且つ、透過性膜の浸透時間と時間間隔が設定され、透過性膜の口が、設定の根系を侵入する浸透時間内に、管内の水を浸潤方式で植物の根系に与えている。
【0082】
図5Bに示すように、改善の実施方式として、栽培構造の片側又は両側に砂防止用壁(8)が設置されていて、砂防止用壁は防砂と防風の両方作用を有する。砂防止用壁の主な材料は砂であってもよい。栄養管と供水管のいずれもは、砂地に付着され、又は、砂地の下に埋設されて、必要に応じて安定用装置を設置してもよい。
【0083】
図8は移動可能な砂箱土地の栽培構造を示す図であり、主に、人工箱において、根及びその根系を安定させるために、砂を設置している。この投入した砂は畝であり、溝箱体はその両側又はその底側に置いてもよく、或は、畝の両側と底側にも同時に置いてもよい。作物の栄養を吸収する時点によって、相応的な栄養供給を達成する(管を用いる)。
【0084】
図5Aに示す栽培構造によれば、砂地を畝溝構造を形成するように掘って、且つ、畝には給水と給養用管を敷いている。畝の縦断面は台形であり、相応した溝箱体は逆台形であり、畝は、幅3メートルで、土地平面より10cmほど高くなっている。溝箱体は幅30cmで、深さ90cm(土地平面に対して)である。溝箱体に、5mm〜25mmまでに粉砕したトウモロコシのわらが充填されて、畝にアルファルファを植えている。同時に、比較例として、本地域における処理しない砂地にアルファルファを植えて、4月の種蒔きから、従来のように管理し、8月まで栽培して、栽培期間は4ヶ月である。比較例と比べると、植物の生長量は平均で23倍向上している。
実施例2
【0085】
本実施例は、淡海水の条件に適用する栽培構造である。淡海水とは、江、河から海へ流入している水、例えば、長江、黄河の海へ流す水と指す。本実施例の栽培地域は、河水が海に流入している場所である。
【0086】
一般的な構造と比べると、この栽培構造は、畝の外部に一層の膜網(9)が設置されて(図6)、いわゆる膜網式畝が構造されている。このような栽培構造は、逆浸透作用を有する必要があり、例えば、逆浸透膜である。その作用は、淡水を膜内に進入させ、海水を膜網の外部に阻止(逆浸透)させることである。また、砂、石などの他の充填物が直接に河口に設置されて、栽培地域が構成されている。
【0087】
栽培地域において、膜網式畝、溝箱体などで栽培箱が構成されている。膜網を使用せず、直接に石、砂などを使用して栽培地域が構成されてもよく、これは実際の栽培状況によって決定されてもよい。即ち、その基本構造は相変わらず畝溝構造である。
実施例3
【0088】
本実施例は、複層式の立体栽培構造で、例えば、通常に温室において、スタンドで構築された複層式栽培構造であり、その各層にも、接続した畝と溝箱体を有する(図7)。このような栽培構造は、空間を十分に利用するように、建築物の内部、ペランダ又は屋根に設置されてもよい。管理に都合がよいために、各層の畝と溝箱体にも、給養管と給水管を敷く必要がある。
実施例4
【0089】
本実施例は、家庭用小型携帯式植物栽培構造である(図8)。このような構造は、溝箱体(2)の主な部分を畝(1)の下方に置いて、畝の可使用面積を増加する。畝の上方に、一つ又は複数の穴(10)が設置されて、穴は溝箱体(2)の内部とつながって、栄養と水分を供給することに用いられる。
【0090】
家庭式の栽培構造は、数人家族に食用される野菜、果物を解決でき、所要な肥料栄養が市販により手に入れてもよく、家族構成員の大小便を使用してもよい。
実施例5
【0091】
図9の示すような栽培構造は、山の坂、丘陵などの、一定の斜度又は起伏を有する地域に適用する栽培構造である。これは、一般的な構造と類似するが、畝(1)及び溝箱体(2)の形状は不規則的になることがある。具体的な形状は、坂の形状により決定される必要がある。畝と溝箱体は、複数の隠し畝溝及び複数の低畝溝のような形式を採用することが好ましい。
実施例6
【0092】
図10に示すような栽培構造は、移動式畝溝結合の栽培構造であり、その溝箱体(2)は畝(1)の両側(周辺にあってもよい)に設置されて、栽培構造を移動させるために、栽培構造の底部に車輪(11)が取り付けられる。畝(1)の上方に、一つ又は複数の穴(10)が設置されて、穴は溝箱体(2)の内部とつながって、栄養と水分を供給することに用いられる。
【0093】
この移動式多機能畝溝型構造は、スーパーマーケットで市販されることができ、特に、砂漠地域で人の生活必需に適して、任意の植物を栽培でき、投入コストが少なく、環境を保護し汚染がなくて、家族構成員の大小便が植物に所要な栄養を満足できるようになる。
実施例7
【0094】
図11Aに示すように、本実施例に係る栽培構造は畝(1)が円形になって、その周辺には一周りの溝箱体(2)が設置され、その形状が畝と相応した円形である。この形状構造のような栽培構造は、特に、ユーカリのような高い木の栽培・植え付けに適して、森(林)土地で広く使用されて、また、道の両側に植えている木にも特に適した。
【0095】
上記した栽培構造の変形として、溝箱体(2)は畝(1)を半分で囲んでいる実施形態であってもよい(図11B)。また、もう一つの変形例は、畝(1)の周辺に、分散の点状で複数の溝箱体(2)が設置されて、この実施形態は、特に林地に適用する。
【0096】
図11Aに示す栽培構造によれば、雲南におけるゴムの木を植えている林地には、畝溝構造が設置されて、畝の平均直径は2.5cm(ゴムの木のサイズに応じて調整できる)であり、溝箱体は幅15cm、深さ30cmであり、溝箱体におが屑を充填して、従来のように管理している。畝溝構造に変更した100本のゴムの木を実験組とし、変更しない100本のゴムの木を比較組として、同じの条件で従来のように管理している。2008年初から年末までの一年間に、年間のゴム生産量を統計した結果、実験組の生産量は比較組より平均1.0倍高くなっている。
実施例8
【0097】
図12に示すように、このような畝(1)と溝箱体(2)との接続は比較的に緩やかで、畝(1)はアーチ形であり、溝箱体(2)は逆アーチ形である。特に、このような栽培構造は低木の生長に適する。
実施例9
【0098】
図13に示すように、このような畝(1)は比較的広く、且つ平坦であり、溝箱体(2)は比較的狭く、相対に比較的深いである。このような畝(1)の可使用面積は大きく、特に、草原で植えることに適する。
実施例10
【0099】
図14に示すような栽培構造は、複数の隠し畝式栽培構造である。畝(1)は溝箱体(2)の側壁より低く、且つ溝箱体(2)は逆台形である。溝箱体の側壁が上方に向かって延びることによって、溝箱体(2)の開口をより小さくするとともに、雨水を畝に収集と灌漑させる目的を達成する。このような構造は特に、干ばつ地域に適用して、例えば、干ばつ地域で果物の木を植える。
【産業上の利用可能性】
【0100】
本発明に係る栽培構造は、植物を成長速度、生産量、生物量などの面で著しく向上させて、さらには、数倍に向上させることができ、同時に、植物の品質を改善・向上させることができる。また、土壌の改良、土壌汚染の除去、環境にやさしい作用などを有する。農業に広く利用されることに適する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
接続した少なくとも一つの畝と少なくとも一つの溝箱体を含んでいるものであって、溝箱体に有機材料を充填し、前記有機材料の密度は畝の密度より低いことを特徴とする栽培構造。
【請求項2】
接続した複数の畝と複数の溝箱体を含んでいるものであって、畝同士の間に溝箱体で隔たることを特徴とする請求項1に記載の栽培構造。
【請求項3】
前記畝は、長方形、円形、楕円形、又は不規則な形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項4】
前記畝の縦断面は、アーチ形、台形、逆台形、四角形又は不規則な形状であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項5】
前記溝箱体の形状は畝の形状と相応することを特徴とする請求項3に記載の栽培構造。
【請求項6】
前記溝箱体の形状は畝の形状と相応することを特徴とする請求項4に記載の栽培構造。
【請求項7】
前記畝は円形又は楕円形である場合に、前記溝箱体はそれと相応する円形又はアーチ形であることを特徴とする請求項5に記載の栽培構造。
【請求項8】
前記溝箱体の壁は畝より高いであることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項9】
前記畝及び/又は溝箱体には、栄養及び/又は水分の供給管を敷くことを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項10】
前記畝は、土壌及び/又は他の植物根系支持物であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項11】
前記土壌は荒漠土、砂漠土、塩類−アルカリ土、半塩類−アルカリ土、酸性土又は砂壌土であり、前記他の根系支持物は、砂、砕石、プラスチック、木屑および泥炭からなる群から選ばれる一つ又は複数であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項12】
前記有機材料は、リグニン、セルロース、ヘミセルロース、緑肥、粉砕又は切砕したわら、おが屑、動物体及びその付着物、及び動物排泄物からなる群から選ばれる一つ又は多種であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項13】
前記有機材料は、炭素含有量の高い有機体であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項14】
前記有機材料の形状は、
粒度1mm〜5mmの粉状、
各ブロックのサイズが5mm〜50mmのブロック状、又は、
棒長30〜70mm、直径5mm〜25mmの棒状
であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項15】
前記有機材料のサイズは0.01nm〜5mmであることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項16】
前記有機材料は被覆有機材料であることを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項17】
前記栽培構造は、複層式の立体構造であり、各層には、接続した畝と溝箱体を有することを特徴とする請求項1又は2に記載の栽培構造。
【請求項18】
請求項1〜17のいずれかに記載の栽培構造と、転送ための機構とを備える携帯式植物栽培構造。
【請求項19】
請求項1〜18のいずれかに記載の栽培構造の畝に植物を植えることを特徴とする栽培方法。
【請求項20】
さらに、前記栽培構造の溝箱体に植物を植えることを特徴とする請求項19に記載の栽培方法。
【請求項21】
土壌に対して処理を行うことによって、請求項1〜9のいずれかに記載の栽培構造における畝と溝箱体構造を形成して、溝箱体に、畝の密度より低い有機材料を添加していることを特徴する土壌調理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5A】
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【図5B】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【公表番号】特表2013−518564(P2013−518564A)
【公表日】平成25年5月23日(2013.5.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−551474(P2012−551474)
【出願日】平成23年1月31日(2011.1.31)
【国際出願番号】PCT/CN2011/000184
【国際公開番号】WO2011/095058
【国際公開日】平成23年8月11日(2011.8.11)
【出願人】(512205326)ランジョウ チンフーラー バイオテクノロジー カンパニー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】LANZHOU JINFULE BIOTECHNOLOGY CO.,LTD.
【住所又は居所原語表記】No.1686,Nanchang Road Chengguan District Lanzhou Gansu 730030(CN)
【出願人】(509059103)キン スター インターナショナル リミテッド (3)
【出願人】(512205337)スプリング パワー リミテッド (1)
【氏名又は名称原語表記】SPRING POWER LIMITED
【住所又は居所原語表記】Tropic Isle Building P.O.Box 438 Road Town Tortola(VG)
【出願人】(509058553)チン チン パシフィーク コンパニー (2)
【Fターム(参考)】