説明

案内部を有する容器

【課題】食品を収納するものとしての十分な剛性及び耐熱性を有するだけでなく、食品が液汁や油に浸かることを防止することができ、しかも食品のカトラリーによる取り出しも簡単に行うことのできるシート成形された容器を提供すること。
【解決手段】容器の底壁11に互いに平行な複数の波状リブ11aを形成するとともに、これら各波状リブ11aの側部にカトラリー30の先端を案内する案内部17を形成し、これらの案内部17を前記平行方向に沿った面を有するものとしたこと。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シート成形される容器に関し、特に、箸やフォークを代表とするカテラリーを案内する案内部を底壁に設けた容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
合成樹脂シートを材料としてシート成形された容器は、安価にしかも衛生的なものであることから、近年では種々なものが提案されている。また、このようなシート成形された容器やトレーは、使い捨てされるものでもあることから、ゴミ減量のターゲットにもなっているため、材料である合成樹脂シートの厚さを薄くする努力もなされてきている。
【0003】
合成樹脂シートの厚さが薄くなってくると、これを材料としてシート成形した容器は、どうしても剛性が低くならざるを得ず、容器として必要な剛性を確保するために、特許文献1にも見られるように、「リブ」を形成することが行われている。
【特許文献1】特許第3939837号掲載公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記の特許文献1の技術によれば、「こんにゃく等の食品のへこみ発生や変形を防止できる」ものであるが、食品を入れる容器としての、次の問題は解決されていないものと考えられる。
【0005】
この種の容器内に収納されるものとしては、例えば液汁を発生し易い「刺身」や、揚げたて状態で収納されることのある「コロッケ」がある。液汁を発生し易い「刺身」では、自らが出した液汁に永く浸かっていることによって、味が落ちる可能性が高くなるものである。また、「刺身」を重ねて容器に入れた場合には、これらの「刺身」が互いに、あるいは容器の底壁にくっついてしまって、箸やフォーク(以下ではこれらを纏めてカトラリーという)で取り出そうとした場合、なかなか取り出せなくなるということが多く発生する。
【0006】
一方、「コロッケ」の場合は、揚げたてを容器内に収納する場合があるが、その際に、平らな底壁面に直接熱を伝えたり、余分な油が滴り落ちるといったことがある。「熱」が多く伝えられた容器は変形することがあるし、滴り落ちた油が再びコロッケに付着すれば、コロッケの味が落ちることがある。それだけでなく、底壁が平らであると、重いコロッケをカトラリーで容器から取り出そうとした場合、カトラリーから受けた力でコロッケが容器から飛び出して床に落ちてしまうことも間々あることである。
【0007】
そこで、本発明者等は、食品を収納するものとしての十分な剛性を有し、食品のカトラリーによる取り出しも外に不用意に飛び出させてしまうことなく行える容器とするにはどうしたらよいか、について種々検討を重ねてきた結果、本発明を完成したのである。
【0008】
すなわち、本発明の目的とするところは、食品を収納するものとしての十分な剛性及び耐熱性を有するだけでなく、食品が液汁や油に浸かることを防止することができ、しかも食品のカトラリー30による取り出しも簡単に行うことのできるシート成形された容器を、簡単な構成によって提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
以上の課題を解決するために、まず、請求項1に係る発明の採った手段は、後述する最良形態の説明中で使用する符号を付して説明すると、
「シート成形された容器10であって、
この容器10の底壁11に互いに平行な複数の波状リブ11aを形成するとともに、これら各波状リブ11aの側部にカトラリー30の先端を案内する案内部17を形成し、これらの案内部17を前記平行方向に沿った面を有するものとしたことを特徴とする容器10」
である。
【0010】
すなわち、この請求項1に係る容器10は、シート材料を真空または圧空成形(シート成形)したもので、全体形状は勿論、底壁11の一部に互いに平行に形成した複数の波状リブ11aや、これら各波状リブ11aの側部に、箸やフォークを代表とするカトラリー30の先端を案内するものとして形成した案内部17も、そのシート成形時に同時に形成されるものである。そして、各案内部17は、前記平行方向に沿った面を有するものとして形成されているものである。
【0011】
後述する最良形態に係る容器10では、平面視長方形状のものであるが、本発明は、容器10の形状がこの長方形状の場合だけでなく、平面視多角形状、円形状、あるいは楕円形状のもののいずれも対象とすることができる。いずれの平面視形状の容器10も、底壁11に波状リブ11a及び案内部17を形成することがあるからである。
【0012】
波状リブ11aは、図10〜図15に示すように、種々な形態のものが考えられるが、その基本構成は、図1及び図2A、または図7及び図8に示すように、容器10の底壁11の一部を当該波状リブ11aとしたこと、互いに平行であること、そして各波状リブ11aの側部にカトラリー30の先端を案内する案内部17が存在するようにしていることである。
【0013】
複数の波状リブ11aを互いに平行に形成する場合の「平行」とは、図2Aに示したように、長方形状の容器10の直線状の側壁15に対して平行、つまり各波状リブ11aが平面視で直線状になっている場合は勿論、湾曲あるいは折れ曲がってはいるが、互いの距離がどこをとっても同じ場合、つまり各波状リブ11aが湾曲あるいは折れ曲がっている場合も含むものである。
【0014】
また、互いに平行な各波状リブ11aを文字通り「波」として考えた場合、その高さ、振幅、幅が考えられるが、高さについて言えば、1.0mm〜5.0mmの範囲であるとよい。波状リブ11aの高さが1.0mmより低いと、当該波状リブ11aによる剛性が平らな底壁11の場合と殆ど変わらず剛性の確保が困難だからであり、5.0mmより高いと、カトラリー30の滑りが悪くなるからであり、なかでも、3.0mm〜4.0mmの範囲内にするのが好適である。
【0015】
この波状リブ11aの振幅については、5.0mm〜22.0mmであることがよい。波状リブ11aの振幅が5.0mmより小さいと、カトラリー30を滑らす際の「ゴツゴツ感」が増加して好ましくなく、22.0mmより大きいと、剛性の確保が困難になるからであり、中でも10.0mm〜15.0mmであると効果の高いものとなる。なお、この振幅に関連して、各波状リブ11aの外側曲面の半径を、3.0mm〜15.0mm、特に6.0mm〜10.0mmとすると、より効果の高い波状リブ11aとすることができる。
【0016】
一方、カトラリー30の先端を案内する案内部17も、図16または図17に示すような種々な態様のものが考えられるが、その基本構成は、上記各波状リブ11aの側部に形成されたこと、前記波状リブ11aの平行方向に沿った面を有することである。
【0017】
重要なことは、この案内部17として二種類の態様があることである。一つ目は、図1及び図2Aに示すように、この案内部17を底壁11にて立ち上がる「リブ」として形成する場合(この場合には、案内部17は、平面視凸状となる)であり、二つ目は、図7及び図8に示すように、波状リブ11aの側部に底壁11の一部により、「壁」として形成する場合である。いずれの場合も、各波状リブ11aの側部に位置して、前記各波状リブ11aの平行方向に沿った面を有するものとなっており、この面によって、図6または図9に示すように、箸やフォークを代表とするカトラリー30の先端を案内するものとなるのである。
【0018】
なお、この案内部17を、底壁11から底側に膨出する「リブ」として形成することが考えられるが(この場合には、案内部17は、平面視凹溝となる)、波状リブ11aの側部に底壁11の一部により「壁」として形成された部分または案内部17の凹溝が事実上のカトラリー30先端の案内部となるものであり、底壁11から下方に膨出させる「案内部17」は、主として剛性の確保に寄与することになる。
【0019】
一つ目の、この案内部17を底壁11にて立ち上がる「リブ」として形成する場合では、その平行方向に沿った面(実際にカトラリー30が当たる面)が、図16に示すような種々な態様になるものが考えられる。また、「リブ」としての各案内部17の断面形状としては、図17に示すような種々な態様のものが考えられる。
【0020】
二つ目の、波状リブ11aの側部に底壁11の一部により、「壁」として形成する場合では、図10〜図14の各(b)にて示すような種々な態様のものが考えられる。勿論、各案内部17を「壁」として形成するこの場合では、この「壁」が底壁11の一部により形成するのであるから、各波状リブ11aの間には、図8に示すように、所定の間隔が必要となる。この間隔としては、「シート成形」を考慮すると、0.5mm〜3.0mm程度が好ましい。
【0021】
さて、以上のような波状リブ11a及び案内部17を形成したこの容器10では、その底壁11が、これに形成した複数の波状リブ11a、及びこれら各波状リブ11aの側部に形成した案内部17とによって補強されているのである。何故なら、各波状リブ11a及び案内部17によって、当該容器10(の特に底壁11)を曲げようとする力方向に直交する面が何処かに形成されることになるからである。
【0022】
特に、波状リブ11aが列として複数存在することによって、各波状リブ11aの谷部がチリメンジャコや漬け物等の比較的小さい食品の収納部分ともなり、収納物がその収納位置からズレにくくなる。このため、例えば、収納物を収納した当該容器10を運搬したり、傾斜している陳列棚に陳列したりする場合に、収納物が各波状リブ11aの谷部に入っていることによって、大きく位置ズレすることがないのである。
【0023】
また、各波状リブ11aの「山部」やリブとして形成した場合の案内部17の上面は、収納した食品を「線」で支えることになるだけでなく、底壁11から少し浮かせた状態で支持することになる。このため、揚げたての「コロッケ」からの熱が底壁11に伝わりにくくなっているだけでなく、「刺身」から出る液汁や「コロッケ」から滴る油に浸ることなく、これらの食品を支持することになるのである。
【0024】
勿論、各案内部17によって、カトラリー30の先端の案内を行うことができて、当該容器10内に収納した食品の取り出しが容易に行える。すなわち、図6または図9に示すように、カトラリー30の先端を波状リブ11a上に当接させて、これを「刺身」や「コロッケ」などの収納物の下側に向けて滑らせれば、カトラリー30の先端は各案内部17によって案内されるから、カトラリー30の先端が他に不用意に移動することがなく、取り出そうとする食品を容器10から零れさせることがない。
【0025】
また、カトラリー30の先端は、波形にうねっている波状リブ11aの表面上を滑るのであるから、この波状リブ11aのうねりに応じて僅かに上下する。この上下動によって、互いにくっつき合っていた例えば「刺身」が引き剥がされることになり、「刺身」の掴みが容易にできることとも併せて、食品の取り出しが簡単に行えることになるのである。
【0026】
さらに、もしも、各案内部17の間に収納物(食品)が詰まったとしても、これらの各案内部17の間にてカトラリー30の先端を移動させれば、詰まった食品はこのカトラリー30の先端で簡単に取り出せるのである。
【0027】
従って、本発明に係る容器10は、食品を収納するものとしての十分な剛性及び耐熱性を有するだけでなく、食品が液汁や油に浸かることを防止し、しかも食品のカトラリー30による取り出しも簡単に行えるものとなっているのである。
【発明の効果】
【0028】
以上、説明した通り、本発明においては、
「シート成形された容器10であって、
この容器10の底壁11に互いに平行な複数の波状リブ11aを形成するとともに、これら各波状リブ11aの側部にカトラリーの先端を案内する案内部17を形成し、これらの案内部17を前記平行方向に沿った面を有するものとしたこと」
にその構成上の特徴があり、これにより、食品を収納するものとしての十分な剛性及び耐熱性を有するだけでなく、食品が液汁や油に浸かることを防止することができ、しかも食品のカトラリー30による取り出しも簡単に行うことのできるシート成形された容器10を、簡単な構成によって提供することができるのである。
【0029】
また、本発明によれば、波状リブ11aが列として複数存在することによって、各波状リブ11aの谷部がチリメンジャコや漬け物等の比較的小さい食品の収納部分ともなり、収納物をその収納位置からズレにくくすることができる。このため、例えば、当該容器10を運搬したり、傾斜している陳列棚に陳列したりする場合に、収納物が各波状リブ11aの谷部に入っていることによって、大きく位置ズレさせることがなく、商品(収納物)陳列を綺麗に行うことができるのである。
【発明を実施するための最良の形態】
【0030】
次に、上記のように構成した本発明を、図面に示した最良形態である容器10について説明すると、図1及び図7には、最良形態に係る容器10の上に蓋体20を嵌合した状態が、断面図で示してある。
【0031】
これらの容器10も蓋体20も、合成樹脂シートを材料として、真空または圧空成形したものであるが、本最良形態で使用した合成樹脂シートの厚さは、0.1mm〜2.0mmのものである。この合成樹脂シートの厚さが0.1mmより薄いと、当該容器10をゴミの減量に役立てることはできるが、上記シート成形によっては設計通りの波状リブ11aや案内部17が形成できない。また、この合成樹脂シートの厚さが2.0mmより厚い場合には、当該容器10をゴミの減量に役立てることができないだけでなく、上記シート成形によっては設計通りの波状リブ11aや案内部17が形成できない。以上のことを総合すると、使用する合成樹脂シートの厚さは、0.3mm〜0.5mmものが好適である。
【0032】
また、図1に示した最良形態の容器10の平面視形状は、長方形状のものであるが、本発明は、平面視形状が多角形状、円、楕円等の他の形状のもについても適用することができるものである。
【0033】
さて、容器10は、図2Aまたは図8に示したように、収納物(刺身やコロッケを代表とする食品あるいは惣菜)を載置するための底壁11を平面視ほぼ四角形状にしたものであり、その周囲に形成してある側壁15の上部に、本最良形態では、蓋体20側の嵌合フランジ21が嵌合される嵌合フランジ15aが形成してある。つまり、この容器10は、これ単独で、収納物を入れた状態でラップで包み込むようにして使用されることもあるが、蓋体20を嵌合して使用されることもあるものである。
【0034】
そして、この容器10においては、図6または図9に示したように、その底壁11に互いに平行な複数の波状リブ11aを形成するとともに、これら各波状リブ11aの側部にカトラリー30の先端を案内する案内部17を形成し、これらの案内部17を波状リブ11aの方向に沿った面を有するものとしてある。
【0035】
つまり、本最良形態に係る容器10の底壁11には、図2Aに示した例では、長辺方向に延在するリブ状の案内部17を複数本形成したものであり、これらの案内部17の間に波状リブ11aを形成したものである。また、図7及び図8に示した例では、長辺方向に延在する複数本の波状リブ11aを、その山部の頂点が底壁11の内面と一致するように形成しておき、これらの各波状リブ11aの側部になる部分を、図7に示したように、案内部17としたものである。
【0036】
この案内部17について重要なことは、この案内部17には二種類の態様があることである。一つ目は、図1及び図2Aに示したように、この案内部17を底壁11にて立ち上がる「リブ」として形成する場合であり、二つ目は、図7及び図8に示したように、波状リブ11aの側部に底壁11の一部により、「壁」として形成する場合である。
【0037】
一つ目の、この案内部17を底壁11にて立ち上がる「リブ」として形成する場合では、その平行方向に沿った面(実際にカトラリー30が当たる面)が、図16に示すような種々な態様にすることができる。また、「リブ」としての各案内部17の断面形状としては、図17に示すような種々な態様のものにすることができる。
【0038】
二つ目の、波状リブ11aの側部に底壁11の一部により、「壁」として形成する場合では、図10〜図14の各(b)にて示したような種々な態様のものが考えられる。勿論、各案内部17を「壁」として形成するこの場合では、この「壁」が底壁11の一部により形成するのであるから、各波状リブ11aの間には、図8に示したように、0.5mm〜3.0mm程度の間隔が設けてある。
【0039】
波状リブ11aについても、図10〜図15に示したような、種々な形態のものが考えられるが、その基本構成は、図1及び図2A、または図7及び図8に示すように、容器10の底壁11の一部を当該波状リブ11aとしたこと、互いに平行にしたこと、そして各波状リブ11aの側部にカトラリー30の先端を案内する案内部17を存在させたことである。
【0040】
複数の波状リブ11aを互いに平行に形成する場合の「平行」とは、図2Aに示したように、長方形状の容器10の直線状の側壁15に対して平行、つまり各波状リブ11aが平面視で直線状になっている場合は勿論、湾曲あるいは折れ曲がってはいるが、互いの距離がどこをとっても同じ場合、つまり各波状リブ11aが湾曲あるいは折れ曲がっている場合も含むものである。
【0041】
また、互いに平行な各波状リブ11aを文字通り「波」として考えた場合、その高さ、振幅、幅が考えられるが、本最良形態では、高さを3.0mm〜4.0mmの範囲内にしてある。波状リブ11aの振幅については、5.0mm〜22.0mmであることがよいが、本最良形態では、10.0mm〜15.0mmのものとしてある。なお、この振幅に関連して、各波状リブ11aの外側曲面の半径を、3.0mm〜15.0mm、特に6.0mm〜10.0mmとすると、より効果の高い波状リブ11aとすることができる。
【0042】
また、図示した最良形態に係る各波状リブ11aでは、例えば図2Aに示したように、各波の「山」に該当する部分が、隣接する波状リブ11aのそれとズレるように形成してある。このため、各波状リブ11aにおける「波の山」がランダムに位置することになって、底面11の補強を方向性なく行えるのである。
【0043】
一方、カトラリー30の先端を案内する案内部17も、図16または図17に示したような種々な態様のものが考えられるが、その基本構成は、上記各波状リブ11aの側部に形成されたこと、この波状リブ11aの平行方向に沿った面を有することである。
【0044】
各案内部17の上面を、図1に示したように、各波状リブ11aの「山」より高くなるように形成した場合には、収納物(食品)を支える面の各案内部17方向の補強を、例えば底壁11だけ、あるいはこれと波状リブ11aとによる場合に比較して、強固に行うことができる。
【0045】
さて、この容器10を構成している底壁11の各隅部(長方形状であるから合計4個ある)には、図2A及び図8に示したように、脚部12が形成してある。各脚部12は、各隅部の全てに独立したものとして形成して実施してもよく、また、隣接し合う各脚部12が連続して、「コ字状」のものとなるように形成して実施しても良い。
【0046】
なお、本最良形態の容器10では、各脚部12に対向する側壁15の内側に、図2A及び図8に示したように、複数の縦リブ18が形成してある。各縦リブ18は、当該容器10の各隅部の剛性を高める他、平らな上端面を有したものとして形成したものであることから、この上端面に、蓋体20側の隅リブ22の下面(これも平らな面に形成してある)が載置できるようにしたものである。つまり、最良形態の容器10は蓋体20が嵌合されるものでもあるが、蓋体20を嵌合した別の容器10が当該容器10の蓋体20上に載置(段積み)されたときに、当該容器10側の縦リブ18と蓋体20側の隅リブ22が当接し合うことにより、これらの蓋体20と隅リブ22とが「柱」あるいは「土台」の役目を果たすことになって、蓋体20や容器10が潰れるのを防止するのである。
【0047】
さて、これらの縦リブ18に向かう各脚部12の底壁12aには、第1補強リブ13のみを形成したり、図2B及び図8に示したように、第1補強リブ13と第3補強リブ16とを形成したり、第1補強リブ13と第2補強リブとを形成したりすることがなされる。
【0048】
第1補強リブ13は、脚部12の底壁12aの一部に形成されて、曲がり部13aを有したものであり、第2補強リブは、脚部12がその底壁12aの一部に曲がり部12bを有したものである場合に、この曲がり部12bにその対角線12cを横断するものとして形成されるものである。また、第3補強リブ16は、脚部12の底壁12aに形成されて、当該容器10の側壁15面に直交するものである。
【0049】
この第1補強リブ13については、曲がり部13aを有している必要があるが、この曲がり部13aの形状としては種々のものが適用できる。本最良形態の場合、各第1補強リブ13の曲がり部13aは、脚部12の対角線12c上になるが、この曲がり部13aの位置は必ずしも対角線12c上でなくても構わない。各対角線12cは、容器10が平面視正方形状、長方形状または多角形状のものであれば、各頂点を通るものであり、容器10が平面視円形状のものであれば、脚部12の中心線となる。
【0050】
各曲がり部13aの形状としては、「直交タイプ」、「Vの字タイプ」、あるいは「Uの字タイプ」がある。「Uの字タイプ」では、2本の第1補強リブ13が各曲がり部13aの先端にて接触させたり、各第1補強リブ13の各曲がり部13aの先端を離したり、先端に第1補強リブ13の存在しない空き部分を形成したりするこができる。
【0051】
一方、各第2補強リブは底壁12aの対角線12cに対して横断するものであるが、各対角線12cは、容器10が平面視、正方形状、長方形状または多角形状のものであれば、各頂点を通る対角線であり、容器10が平面視円形状のものであれば、脚部12の対角線となるものである。また、以上のような第2補強リブは、対角線12cを横断するものとしても実施できる。
【0052】
さて、以上の容器10に嵌合される蓋体20であるが、図18〜図20に示したように、上記容器10側の嵌合フランジ15aに上方から嵌合されることになる嵌合フランジ21を、当該蓋体20の側壁の下端に形成したものである。なお、この蓋体20における側壁は、図1、図7及び図19にも示したように、容器10側の側壁15よりも高さが高いものとして形成してあり、収納物の収納空間を十分となるようにするとともに、収納物の外部からの視認が容易になるようにしてある。
【0053】
また、この蓋体20の側壁の隅部近傍には、図18〜図20に示したように、外端面が天板の端から嵌合フランジ21に向けて傾斜する隅リブ22が形成してある。各隅リブ22は、前述した通り、その下面を平らなものとしたものであり、この下面は、当該蓋体20を容器10に嵌合したとき、容器10側の縦リブ18の平らな上端面に当接することになるものである。
【0054】
従って、最良形態の容器10に蓋体20が嵌合されたとき等において、蓋体20を嵌合した別の容器10が当該容器10の蓋体20上に載置(段積み)されたときに、上述したように、当該容器10側の縦リブ18と蓋体20側の隅リブ22が当接し合うことにより、これらの蓋体20と隅リブ22とが「柱」あるいは「土台」の役目を果たすことになって、これら容器10側の縦リブ18及び蓋体20側の隅リブ22は、蓋体20や容器10が潰れるのを防止するのである。
【図面の簡単な説明】
【0055】
【図1】本発明に係る容器に蓋体を嵌合したときの拡大縦断面図である。
【図2A】同容器の平面図である。
【図2B】図2Aに示した容器における右下部の部分拡大平面図である。
【図3】同容器の正面図である。
【図4】同容器の正面からみた縦断面図である。
【図5】同容器の側面からみた縦断面図である。
【図6】同容器内の収納物をカトラリーによって取り出そうとしている状態を示す断面図である。
【図7】本発明に係る別の容器に蓋体を嵌合したときの拡大縦断面図である。
【図8】同容器の平面図である。
【図9】同容器内の収納物をカトラリーによって取り出そうとしている状態を示す断面図である。
【図10】同容器における波状リブ11aと案内部17との形状及び位置関係の第1例を示すもので、(a)は案内部17がリブとして形成した場合の部分拡大断面図、(b)は案内部17が波状リブ11aの側部にできた壁である場合の部分拡大断面図である。
【図11】同容器における波状リブ11aと案内部17との形状及び位置関係の第2例を示すもので、(a)は案内部17がリブとして形成した場合の部分拡大断面図、(b)は案内部17が波状リブ11aの側部にできた壁である場合の部分拡大断面図である。
【図12】同容器における波状リブ11aと案内部17との形状及び位置関係の第3例を示すもので、(a)は案内部17がリブとして形成した場合の部分拡大断面図、(b)は案内部17が波状リブ11aの側部にできた壁である場合の部分拡大断面図である。
【図13】同容器における波状リブ11aと案内部17との形状及び位置関係の第4例を示すもので、(a)は案内部17がリブとして形成した場合の部分拡大断面図、(b)は案内部17が波状リブ11aの側部にできた壁である場合の部分拡大断面図である。
【図14】同容器における波状リブ11aと案内部17との形状及び位置関係の第5例を示すもので、(a)は案内部17がリブとして形成した場合の部分拡大断面図、(b)は案内部17が波状リブ11aの側部にできた壁である場合の部分拡大断面図である。
【図15】同容器における一つの波状リブ11aの断面形状を、(a)〜(e)の5種類例示した部分拡大断面図である。
【図16】同容器における一つの案内部17の側面形状を、(a)〜(e)の5種類例示した部分拡大断面図である。
【図17】同容器における一つの案内部17の断面形状を、(a)〜(e)の5種類例示した部分拡大断面図である。
【図18】同容器に嵌合される蓋体の平面図である。
【図19】同蓋体の正面図である。
【図20】同蓋体の側面図である。
【符号の説明】
【0056】
10 容器
11 底壁
11a 波状リブ
12 脚部
12a 底壁
12b 曲がり部
13 第1補強リブ
13a 曲がり部
15 側壁
15a 嵌合フランジ
16 第3補強リブ
17 案内部
18 縦リブ
20 蓋体
21 嵌合フランジ
22 隅リブ
30 カトラリー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
シート成形された容器であって、
この容器の底壁に互いに平行な複数の波状リブを形成するとともに、これら各波状リブの側部にカトラリーの先端を案内する案内部を形成し、これらの案内部を前記平行方向に沿った面を有するものとしたことを特徴とする容器。

【図1】
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【図2A】
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【図2B】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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