説明

梁部材及び梁部材と柱との接合構造

【課題】梁部材のウェブと下フランジとに同じ板厚で同じ強度の鋼板を用いることは不経済であった。
【解決手段】本発明の梁部材2は、相対峙したウェブ4;4と、一方のウェブ4の下端部と他方のウェブ4の下端部とに接合されて一方のウェブ4の下端部と他方のウェブ4の下端部との間を塞ぐ下フランジ6とを備えた梁部材2において、下フランジ6がウェブ4の板厚より厚い板厚の金属板で形成されたり、下フランジ6がウェブ4よりも高強度の材料で形成されたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、相対峙する二枚の側板(以下、ウェブと言う)とこれらウェブの下端間を塞ぐ下板(以下、下フランジと言う)とを備えた梁部材などに関する。
【背景技術】
【0002】
相対峙する二枚のウェブ、一方のウェブの下端と他方のウェブの下端とに接合されてこれら下端と下端との間を塞ぐ下フランジとを備えた梁部材が知られている。
【特許文献1】実開昭53−55209号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
特許文献1では、梁部材のウェブと下フランジとが板厚及び強度の同じ鋼板により形成される。しかしながら、ウェブに要求される耐力と下フランジに要求される耐力とが異なるので、ウェブと下フランジとに同じ板厚で同じ強度の鋼板を用いることは不経済であった。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の梁部材は、相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジとを備えた梁部材において、下フランジがウェブの板厚より厚い板厚の金属板で形成されたことを特徴とする。
相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジとを備えた梁部材において、下フランジがウェブよりも高強度の材料で形成されたことも特徴とする。
ウェブの上端部に接合されて床スラブの下面に沿うように設置される上フランジを備えたことも特徴とする。
別個に形成されたウェブと上フランジとが互いに溶接で接合され、別個に形成されたウェブと下フランジとが互いに溶接で接合されたことも特徴とする。
一枚の板体が折曲されてウェブと上フランジと下フランジとが形成されたことも特徴とする。
一枚の板体が、別個に形成されたウェブと上フランジと下フランジとが互いに溶接で接合されて構成されたことも特徴とする。
一枚の板体が折曲されてウェブと上フランジとが形成され、このウェブと下フランジとが互いに溶接で接合されたことも特徴とする。
下フランジの両側部より同方向に延長する側片とを備え、側片の上端とウェブの下端とが互いに溶接で接合されたことも特徴とする。
下フランジあるいはウェブが、下フランジとウェブとで囲まれた領域に打設されたコンクリートに係合するスタッドを備えたことも特徴とする。
上フランジが床スラブのコンクリートに係合するスタッドを備えたことも特徴とする。
相対峙したウェブ間の間隔が、ウェブの下端から上端に近づくに従って漸次大きくなるよう形成されたことも特徴とする。
ウェブの上部には、床スラブの鉄筋を通すための孔が形成されたことも特徴とする。
相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジと、一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部とに接合されて一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部との間を塞ぐ上フランジとを備えるとともに、ウェブの上部には、床スラブコンクリートの打設部に流し込まれた流動性を有したコンクリートをウェブと下フランジとで囲まれた領域に取り込むコンクリート流入孔を備えたことも特徴とする。
相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジと、一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部とに接合されて一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部との間を塞ぐ上フランジと、上フランジと下フランジとウェブとで囲まれた領域に打設されたコンクリートと、上フランジに設けられて床スラブのコンクリートと係合するスタッドとを備えたことも特徴とする。
本発明による梁部材と柱との接合構造は、中空の柱を横断するダイヤフラムが上フランジと下フランジとの間隔に合せた間隔を隔てて柱の上下に設けられ、上フランジと上のダイヤフラムとが接合され、下フランジと下のダイヤフラムとが接合されたことを特徴とする。
梁部材と接合される梁接合部分となる中空の柱の一部分の板厚が梁接合部分の上下に位置する中空の柱のその他の部分の板厚よりも厚く形成され、中空の柱の一部分の外面に梁部材が接合されたことも特徴とする。
【発明の効果】
【0005】
本発明の梁部材によれば、下フランジがウェブの板厚より厚い板厚の金属板で形成されたので、下フランジの破断防止が図れるとともに、ウェブと下フランジとを同じ板厚の金属板で形成する場合に比べて梁部材を経済的に構成できる。
下フランジがウェブよりも高強度の材料で形成された梁部材でも、下フランジの破断防止が図れるとともに、ウェブと下フランジとを同じ板厚の金属板で形成する場合に比べて梁部材を経済的に構成できる。
上フランジを備えたので、梁部材を用いて形成される梁の耐力を上げることができる。
別個に形成されたウェブと上フランジとが互いに溶接で接合され、別個に形成されたウェブと下フランジとが互いに溶接で接合された梁部材によれば、溶接位置によって梁部材の梁幅Wや梁背Hを自由に調整できる。
一枚の板体が折曲されてウェブと上フランジと下フランジとが形成されたので、梁部材の梁幅Wや梁背Hを自由に調整できる。
一枚の板体が、別個に形成されたウェブと上フランジと下フランジとが互いに溶接で接合されて構成されたので、ウェブ、上フランジ、下フランジを個々に成形すればよいので、製造が容易となる。
一枚の板体が折曲されてウェブと上フランジとが形成され、このウェブと下フランジとが互いに溶接で接合された梁部材によれば、溶接位置によって梁部材の梁幅Wを自由に調整できる。
下フランジの両側部より同方向に延長する側片とを備え、側片の上端とウェブの下端とが互いに溶接で接合された梁部材によれば、縁応力が大きくなるウェブと下フランジとの境界角部での溶接を避けることができ、境界角部の負担を軽減できる。
下フランジあるいはウェブが、下フランジとウェブとで囲まれた領域に打設されたコンクリートに係合するスタッドを備えた梁部材によれば、スタッドにより梁部材とコンクリートとの結合を強固にでき、梁部材とコンクリートとの一体性を高めることができる。
上フランジが床スラブのコンクリートに係合するスタッドを備えた梁部材によれば、スタッドにより梁部材と床スラブのコンクリートとの結合を強固にでき、梁部材とコンクリートとの一体性を高めることができる。
相対峙したウェブ間の間隔が、ウェブの下端から上端に近づくに従って漸次大きくなるよう形成された梁部材によれば、運搬効率を向上できる。
ウェブの上部に、床スラブの鉄筋を通すための孔が形成された梁部材によれば、上フランジ及びウェブを床スラブ内に食い込ますことができるので、梁の梁成(梁背)を小さくできるので、梁の梁底の位置を上げることができ、建物内空間を広くできる。
ウェブの上端部間を塞ぐ上フランジを備え、ウェブの上部には、床スラブコンクリートの打設部に流し込まれた流動性を有したコンクリートをウェブと下フランジとで囲まれた領域に取り込むコンクリート流入孔を備えた梁部材によれば、上フランジ及びウェブを床スラブ内に食い込ますことができ、梁の梁成を小さくできるので、梁の梁底の位置を上げることができ、建物内空間を広くできる。
ウェブの上端部間を塞ぐ上フランジと、上フランジと下フランジとウェブとで囲まれた領域に打設されたコンクリートと、上フランジに設けられて床スラブのコンクリートと係合するスタッドとを備えた梁部材によれば、梁部材内のコンクリートと床スラブのコンクリートとを打ち分けることができる。従って、足場のよい工場などにおいて梁部材内へのコンクリートの充填作業を行えるため、安価なコンクリートを用いて当該安価なコンクリートを梁部材内に満遍なく均等に充填できて安定な品質の梁を低コストで得ることができる。
本発明による梁部材と柱との接合構造によれば、中空の柱を横断するダイヤフラムが上フランジと下フランジとの間隔に合せた間隔を隔てて柱の上下に設けられ、上フランジと上のダイヤフラムとが接合され、下フランジと下のダイヤフラムとが接合されたので、柱の負担を軽減できる。
また、梁部材と接合される梁接合部分となる中空の柱の一部分の板厚が梁接合部分の上下に位置する中空の柱のその他の部分の板厚よりも厚く形成され、中空の柱の一部分の外面に梁部材が接合されたので、ダイヤフラムを設けるための加工や溶接などの作業を少なくでき、また、柱内に打設するコンクリートの強度を低減できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0006】
最良の形態1
図1乃至図3は最良の形態1を示す。図1は梁部材及び床スラブを断面で示し、図2は梁部材を示し、図3は梁部材と柱との接合構造を示す。
【0007】
梁1は、図1に示すように、梁部材2とコンクリート部3とにより形成される。梁部材2は、図2に示すように、二枚のウェブ4;4、二枚の上板(以下、上フランジと言う)5;5、下フランジ6、係合部材(以下、スタッドという)23を備える。
【0008】
図1を参照し、梁1の構成を説明する。梁部材2の下フランジ6は板厚aの平板状の鋼板のような金属板によって形成され、上フランジ5は板厚bの平板状の鋼板のような金属板によって形成され、ウェブ4は板厚cの平板状の鋼板のような金属板によって形成される。板厚の大小関係は、板厚a≧板厚b>板厚cである。コンクリート部3は、上フランジ5とウェブ4と下フランジ6とで囲まれた領域、即ち、梁部材2の内側に設けられる。このように梁部材2の内側にコンクリート部3を備えたことにより、梁1の熱容量が増え、梁1の耐火性能が向上する。
上フランジ5の板の他面12には、床スラブ21のコンクリート22に係合する金属棒状のスタッド23が設けられる。スタッド23は、上フランジ5の他面12より垂直に延長する軸部25と軸部25の先端に設けられた頭部24とを備え、頭部24の径は軸部25の径より大きい。頭部24と軸部25との段差とコンクリート22とが係合することにより、コンクリート22と梁部材2との結合が向上する。
【0009】
本形態では、ウェブ4、上フランジ5、下フランジ6が個々に用意され、これらウェブ4と上フランジ5とが互いに溶接33で接合され、ウェブ4と下フランジ6とが互いに溶接34で接合されることによって梁部材2が形成される。
即ち、一方のウェブ4の下端部と下フランジ6の一面10の一端14側とが溶接34で接合され、他方のウェブ4の下端部と下フランジ6の一面10の他端14側とが溶接34で接合されることによって、一方のウェブ4の下端と他方のウェブ4の下端との間が下フランジ6で塞がれ、これにより、二枚のウェブ4は、所定間隔を隔てて鋼板の一面7;7同士が互いに平行に相対峙するよう設置される。ウェブ4の下端部は、下フランジ6の一面10における一端14から離れた中央部寄りの部分に突き合わされた状態で接合される。
上フランジ5は、スタッド23を備えた他面12を上に向けて設置され、一方の上フランジ5の一端8と他方の上フランジ5の一端8とが所定間隔を隔てて対向するように設けられる。即ち、一方のウェブ4の上端部と一方の上フランジ5の一面9とが溶接33で接合され、他方のウェブ4の上端部と他方の上フランジ5の一面9とが溶接33で接合される。ウェブ4の上端部は、上フランジ5の一面9における一端8から離れた中央部寄りの部分に突き合わされた状態で接合される。
下フランジ6と上フランジ5とは、下フランジ6の一面10と上フランジ5;5の一面9とが互いに平行となるように位置され、ウェブ4;4は、下フランジ6の一面10と上フランジ5の一面9とに対して垂直をなすように位置される。
【0010】
図1乃至図3を参照し、梁1の形成方法を説明する。
まず、柱13間を繋ぐように柱13と柱13とに梁部材2を溶接で接合する。そして、梁部材2間を跨ぐように金属プレート31を設置し、金属プレート31の下面と上フランジ5の他端縁側の上面とを互いに接触させて金属プレート31と上フランジ5とを互いに溶接32で接合する。
図1の紙面と直交する方向においての梁部材2と柱13との接合は、図3に示すように、梁部材2のウェブ4、上フランジ5、下フランジ6における側端部2Sと柱13の外面39とが溶接35によって接合される。柱13と柱13との間においては、図2に示すように複数の単位梁部材2Aをリベット継手のような接合継手36で接合することにより複数の単位梁部材2Aで柱13と柱13との間に跨る梁部材2を形成してもよいし、あるいは、図2の長手方向の長さLを柱13と柱13との間の長さに合せて形成した1つの単位梁部材2Aを柱13と柱13との間に設けることによって柱13と柱13との間に跨る梁部材2を形成してもよい。
そして、金属プレート31の上に鉄筋37を配置した後に、金属プレート31の上及び梁部材2の内側に流動性を有したコンクリート(以下、生コンクリートという)を流して固化させることによって、金属プレート31の上に床スラブ21が形成されるとともに、梁部材2の内側にコンクリート部3が形成される。
以上により、金属プレート31の上に鉄筋コンクリート38による床スラブ21が形成されるとともに、梁部材2の内側にコンクリート部3を備えた梁1が、床スラブ21の下方における柱13と柱13との間に形成される。
【0011】
最良の形態1によれば、下フランジ6の板厚aをウェブ4の板厚cよりも厚く構成したので、下フランジ6の破断防止が図れるとともに、ウェブ4と下フランジ6とを同じ板厚の鋼板で形成する場合に比べて梁部材2を経済的に構成できる。
最良の形態1によれば、ウェブ4の上端部に接合されて床スラブ21の下面に沿うように設置される上フランジ5を備えたので、梁1の耐力を上げることができる。
最良の形態1によれば、ウェブ4、上フランジ5、下フランジ6を個々に用意し、これらを溶接で接合することによって梁部材2が形成されたので、梁1の梁幅Wや梁1の梁背Hを自由に調整できるようになる。
最良の形態1によれば、上フランジ5の他面12にコンクリート22と係合する頭部24を有したスタッド23を備えたので、コンクリート22と梁部材2との結合を強固にでき、床スラブ21と梁部材2との一体性を高めることができる。
最良の形態1によれば、ウェブ4の上端部が、上フランジ5の一面9における一端8から離れた中央部寄りの部分に突き合わされた状態で接合されたので、ウェブ4の上端部における一面7及び他面15と上フランジ5の一面9とをT継手溶接でき、ウェブ4と上フランジ5との接合強度を高くできる。また、ウェブ4の下端部が、下フランジ6の一面10における一端14から離れた中央部寄りの部分に突き合わされた状態で接合されたので、ウェブ4の下端部における一面7及び他面15と下フランジ6の一面10とをT継手溶接でき、ウェブ4と下フランジ6との接合強度を高くできる。
【0012】
最良の形態2
最良の形態1においては、下フランジ6の板厚a、上フランジ5の板厚b、ウェブ4は板厚cの大小関係を、板厚a≧板厚b>板厚cとした構成の梁部材2を説明したが、下フランジ6、上フランジ5、ウェブ4のそれぞれを異なる材質の鋼板で形成した構成の梁部材2を用いてもよい。例えば、下フランジ6の鋼板の強度a、上フランジ5の鋼板の強度b、ウェブ4の鋼板の強度cとした場合に、強度の大小関係を、強度a≧強度b>強度cとした構成の梁部材2を用いる。例えば、下フランジ6の鋼板として高強度の鋼材(例えば、JIS規格のSN490B)を用い、ウェブ4の鋼板として低強度の鋼材(例えば、JIS規格のSN400A)を用い、上フランジ5の鋼板として、下フランジ6の鋼板より強度が低く、ウェブ4の鋼板より強度が高い鋼板を用いる。
この梁部材2によれば、下フランジ6をウェブ4よりも高強度の材料で形成したことにより、下フランジ6の破断防止が図れるとともに、ウェブ4と下フランジ6とを同じ強度の鋼板で形成する場合に比べて梁部材2を経済的に構成できる。
【0013】
以下に述べる各最良の形態で説明する梁部材2は、最良の形態1又は最良の形態2の構成、即ち、下フランジ6がウェブ4の板厚より厚い板厚の金属板で形成されるか、下フランジ6がウェブ4よりも高強度の材料で形成された構成を備える。
【0014】
最良の形態3
図4に示すように、ウェブ4の上端部と上フランジ5の一面9における一端部8aとが突き合わされて溶接41で接合され、ウェブ4の他端部と下フランジ6の一面10における端部14aとが突き合わされて溶接42で接合された構成の梁部材2とした。この梁部材2によれば、梁幅Wを大きくできる。溶接41や溶接42は、ウェブ4の上端部や下端部の外面側を切り欠いて溶接することにより、引張力に強い接合を実現できる。
【0015】
最良の形態4
板体を折曲して形成した梁部材2でもよい。この梁部材2の形成方法としては、図5に示すように、ウェブ4、上フランジ5、下フランジ6を備えた一枚の板体48をロール成形などの成形法により成形し、板体48におけるウェブ4と上フランジ5との境界部付近及びウェブ4と下フランジ6との境界部付近を折曲して梁部材2を形成する方法(以下、方法1という)、あるいは、図6(a)に示すように、ウェブ4、上フランジ5、下フランジ6を個々に用意し、図6(b)に示すように、これらウェブ4、上フランジ5、下フランジ6の端部同士を溶接46で接合することによって1つの板体47を形成し、板体47におけるウェブ4と上フランジ5との境界部付近及びウェブ4と下フランジ6との境界部付近を図6(c)に示すように折曲して梁部材2を形成する方法(以下、方法2という)がある。尚、スタッド23は、板体47や板体48を折曲した後に、上フランジ5の他面12に溶接によって接合する。
最良の形態4による梁部材2によれば、梁部材2を予め工場で製作できるので、現場での作業を少なくできる。方法2によれば、ウェブ4、上フランジ5、下フランジ6を個々に成形すればよいので、製造が容易となる。方法1によれば、ウェブ4、上フランジ5、下フランジ6の端部同士を溶接する作業を不要とできる。
【0016】
最良の形態5
図7に示すように、一枚の板体51を折曲して上フランジ5とウェブ4とを形成し、このウェブ4と下フランジ6とを互いに溶接52で接合した構成の梁部材2でもよい。
最良の形態5によれば、個々に用意されたウェブ4と下フランジ6とを溶接52で接合することによって梁部材2を形成できるので、梁部材2の梁幅Wを自由に調整できる。
【0017】
最良の形態6
下フランジ6とウェブ4とを備えた梁部材2でもよい。図8(a)に示すように、一枚の板体53を折曲して下フランジ6とウェブ4とを形成した梁部材2でもよいし、図8(b)に示すように、個々に形成されたウェブ4と下フランジ6とを互いに溶接52で接合した構成の梁部材2でもよい。
最良の形態6の梁部材2によれば、小型の梁1を形成する場合に好適である。
【0018】
最良の形態7
図9に示すように、上フランジ5とウェブ4とを形成する板体55と下フランジ体6Aを形成する板体56とを個別に用意し、板体55を折曲して上フランジ5とウェブ4とを形成し、板体56の両側部を同方向に折曲して平板状の下フランジ6と下フランジ6の両側に設けられた側片57;57とを備えた断面凹形状の下フランジ体6Aを形成し、ウェブ4の下端と下フランジ6の両側に設けられた側片57の上端とを互いに溶接で接合した構成の梁部材2でもよい。
最良の形態7の梁部材2によれば、縁応力が大きくなるウェブ4と下フランジ6との境界角部での溶接を避けることができ、当該境界角部の負担を軽減できる。
【0019】
最良の形態8
最良の形態1乃至最良の形態7の梁部材2の構成に加え、例えば図10に示すように、スタッド23と同じ構成のスタッド58がウェブ4の一面7と垂直に延長するように当該一面7に溶接で接合され、スタッド23と同じ構成のスタッド59が下フランジ6の一面10と垂直に延長するように当該一面10に溶接で接合された構成の梁部材2でもよい。
最良の形態8の梁部材2によれば、スタッド58;59により梁部材2とコンクリート部3との結合を強固にでき、梁部材2とコンクリート部3との一体性を高めることができる。
【0020】
最良の形態9
図11に示すように、相対峙したウェブ4;4間の間隔dが、ウェブ4の下端から上端に近づくに従って漸次大きくなるよう形成された梁部材2でもよい。
最良の形態9の梁部材2によれば、一のウェブ4;4間の凹部60内に他の梁部材2のウェブ4;4及び下フランジ6の部分を収納できるようになり、複数の梁部材2を順次積み重ねていくことができるので、運搬効率を向上できる梁部材2を提供できる。
【0021】
最良の形態10
図12に示すように、ウェブ4の上部に床スラブ21の鉄筋37を通すための孔61が形成された梁部材2でもよい。ウェブ4の孔61よりも下で孔61に近い位置には、床スラブ21の下面に沿うように設置されるアングル62が設けられる。アングル62は、例えば、1枚の長尺な板を、短辺の中心で長尺の方向に沿って折曲して、折曲部を中心として板と板とが90°をなすように形成された断面L字形状の長尺部材である。
最良の形態10の梁部材2によれば、上フランジ5及びウェブ4を床スラブ21内に食い込ますことができるので、梁1の梁成(梁背)を小さくできる。即ち、梁1の梁底の位置を上げることができるので、建物内空間を広くできる。
尚、図12に示すように、床スラブ21の鉄筋37と絡まってウェブ4とウェブ4との間に延長する補強筋63を設けることによって、梁1の耐力を上げることができる。
【0022】
最良の形態11
図13に示すように、最良の形態11による梁部材2は、相対峙したウェブ4;4と、一方のウェブ4の下端部と他方のウェブ4の下端部とに接合されて一方のウェブ4の下端部と他方のウェブ4の下端部との間を塞ぐ下フランジ6と、一方のウェブ4の上端部と他方のウェブ4の上端部とに接合されて一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部との間を塞ぐ上フランジ5と、上フランジ5と下フランジ6とを繋ぐ補強繋ぎ板64と、ウェブ4の上部に形成されたコンクリート流入孔65と、補強繋ぎ板64の上部に板を貫通するよう形成された貫通孔66と、補強繋ぎ板64に板を貫通するよう形成された貫通孔67と、ウェブ4のコンクリート流入孔65の下縁に沿って設けられて床スラブ21の下面に沿うように設置されるアングル62とを備えた構成である。
コンクリート流入孔65は、鉄筋37が配置され金属プレート31の上、即ち、床スラブコンクリートの打設部に打設された生コンクリートをウェブ4と下フランジ6とで囲まれた梁部材2の内部領域内に取り込むための開口部である。
当該梁部材2を用いた梁1の形成方法を説明する。梁部材2の側端部2Sを柱13に接合するとともにアングル62と金属プレート31とを接合することにより、上フランジ5とコンクリート流入孔65とが床スラブ21の下面となる位置より上方に位置される。金属プレート31の上に鉄筋37を配置する。この際、いくつかの鉄筋37が梁部材2の貫通孔66を貫通するように設置される。そして、床スラブコンクリートの打設部に生コンクリートを流し込むと、当該生コンクリートがコンクリート流入孔65を経由して梁部材2の内部領域内に入り込み、補強繋ぎ板64の貫通孔67;66内に入り込んだ後、生コンクリートが固化する。これにより、コンクリートが梁部材2の内部領域内に打設された梁1が形成される。
最良の形態11の梁部材2によれば、最良の形態10の梁部材2によれば、上フランジ5及びウェブ4を床スラブ21内に食い込ますことができるので、梁1の梁成を小さくでき、梁1の梁底の位置を上げることができるので、建物内空間を広くできる。また、補強繋ぎ板64を備えるとともに、コンクリート流入孔65、貫通孔66、貫通孔67を備えるので、これら孔の内側に生コンクリートが入り込んで固化することにより、コンクリートと梁部材2との一体性が向上するので、梁1の耐力を上げることができる。
尚、上フランジと補強繋ぎ板64と下フランジとを個別に形成し、これらを溶接しても良いが、上フランジ5と補強繋ぎ板64と下フランジ6を、例えば、H形鋼やI形鋼により形成すれば、溶接手間が少なくでき、梁部材2の形成を容易にできる。
【0023】
最良の形態12
図14に示すように、最良の形態12による梁部材2は、相対峙したウェブ4;4と、一方のウェブ4の下端部と他方のウェブ4の下端部とに接合されて一方のウェブ4の下端部と他方のウェブ4の下端部との間を塞ぐ下フランジ6と、一方のウェブ4の上端部と他方のウェブ4の上端部とに接合されて一方のウェブ4の上端部と他方のウェブ4の上端部との間を塞ぐ上フランジ5と、上フランジ5と下フランジ6とウェブ4とで囲まれた領域内に打設されたコンクリート69と、上フランジ5に設けられて床スラブ21のコンクリート22と係合するスタッド23と、上フランジ5と下フランジ6とを繋ぐ補強繋ぎ板64と、ウェブ4の上部に形成されたコンクリート注入孔70と、補強繋ぎ板64に板を貫通するよう形成された貫通孔67とを備えた構成である。つまり、ウェブ4、下フランジ6、上フランジ5で囲まれて形成された筒の両方の側端部71の開口72を図外の塞板で塞いで、コンクリート注入孔70より筒内に生コンクリートを注入して固化させることで梁部材2を形成する。なお、コンクリート注入孔70は後に塞板73で塞ぐ。この梁部材のスタッド23を床スラブ21のコンクリート22に係合させることによって梁1を形成する。
最良の形態12の梁部材2によれば、梁部材2内のコンクリート69と床スラブ21のコンクリート22とを打ち分けることができる。つまり、現場において梁部材を柱に設置した後に梁部材内にコンクリートを充填する場合は、床スラブに打設したコンクリートが梁部材内に満遍なく均等に充填されにくいが、最良の形態12の梁部材2を用いれば、足場のよい工場などにおいてコンクリート69の充填作業を行えるため、安価なコンクリート69を用いてコンクリート69を梁部材2内に満遍なく均等に充填できて安定な品質の梁1を低コストで得ることができる。また、補強繋ぎ板64を備えたので、梁部材2の耐力が向上し、スタッド23を備えたので、床スラブ21のコンクリート22と梁部材2との一体性が向上するので、梁1の耐力を上げることができる。
【0024】
最良の形態13
図15を参照し、上記各最良の形態1乃至11で説明した梁部材と柱との接合部の構造を説明する。
柱13には、柱13を横断する接合板(以下、ダイヤフラムという)75が設けられる。柱13は、例えば四角形断面の四角鋼管により形成される。ダイヤフラム75は、柱13を形成する四角鋼管の断面より一回り大きな四角平板状の鋼板のような金属板により形成され、柱13の中途において互いの面が上下で平行に対向するように上下に設けられる。尚、ダイヤフラム75の中央部及び4隅部には貫通孔76が形成される。柱13の四角鋼管の4面より外に突出するダイヤフラムの4つの辺縁部77及び柱13の外面78にそれぞれ梁部材2が接合される。梁部材2の上フランジ5の側端部2S(図3参照)と上のダイヤフラム75aの辺縁部77とが溶接で接合され、梁部材2の下フランジ6の側端部2S(図3参照)と下のダイヤフラム75bの辺縁部77とが溶接で接合される。即ち、中空の柱13を横断するダイヤフラム75が梁部材2の上フランジ5と下フランジ6との間隔に合せた間隔Sを隔てて柱13の中途の上下に設けられ、上フランジ5と上のダイヤフラム75aとが接合され、下フランジ6と上のダイヤフラム75bとが接合された構成である。尚、床スラブコンクリートの打設部に流し込まれた生コンクリートが、梁部材2の内側に充填されるとともに、上のダイヤフラム75aの貫通孔76を経由して上のダイヤフラム75aと下のダイヤフラム75bとの間に設けられた柱13内に充填される。
最良の形態13の接合構造によれば、ダイヤフラム75と梁部材2とを溶接で接合したので、柱13の負担を軽減できる。
【0025】
最良の形態14
図示しないが、柱13の内側にダイヤフラムを設けてもよい。即ち、中空の柱13を横断する方向に沿って柱13内に設置されて柱13の内面と接合されたダイヤフラムが梁部材2の上フランジ5と下フランジ6との間隔に合せた間隔を隔てて柱13の中途の上下に設けられ、上フランジ5が上のダイヤフラムの接合された柱13の内面と対応した柱13の外面に接合され、下フランジ6が下のダイヤフラムの接合された柱13の内面と対応した柱13の外面に接合された梁部材2と柱13との接合構造としてもよい。
最良の形態14の接合構造によれば、ダイヤフラム75が設けられた柱13の外面と梁部材2とを溶接で接合したので、柱13の負担を軽減できる。
【0026】
最良の形態15
図示しないが、中空の柱13の外周面にダイヤフラムを設けてもよい。即ち、中空の柱の外周面と接合されたダイヤフラムが梁部材2の上フランジ5と下フランジ6との間隔に合せた間隔を隔てて柱13の中途の上下に設けられ、上フランジ5と上のダイヤフラムとが溶接で接合され、下フランジ6と下のダイヤフラムとが溶接で接合された梁部材2と柱13との接合構造としてもよい。
最良の形態15の接合構造によれば、柱13の外周面に設けられたダイヤフラム75と梁部材2とを溶接で接合したので、柱13の負担を軽減できる。
【0027】
最良の形態16
ダイヤフラムを設けない場合の梁部材と柱との接合部の構造を説明する。
ダイヤフラムを設けない場合には、図16に示すように、梁部材2と接合される柱13の梁接合部分となる一部分80の板厚をその他の部分81の板厚よりも厚く形成し、その板厚の厚い一部分80の外面82に梁部材2の側端部2S(図3参照)を溶接で接合する。尚、柱13内にはコンクリート83が打設される。即ち、梁部材2と接合される梁接合部分である中空の柱13の一部分80の板厚がこの一部分80の上下に位置するその他の部分81の板厚よりも厚く形成され、この一部分80の外面82に梁部材2の側端部2Sが接合された梁部材2と柱13との接合構造としてもよい。
最良の形態16の接合構造によれば、所謂、ノンダイヤフラム形式としたので、ダイヤフラムを設けるための加工や溶接などの作業を少なくでき、また、柱13内に打設するコンクリート83の強度を低減できる。
【産業上の利用可能性】
【0028】
下フランジ6の板厚a、上フランジ5の板厚b、ウェブ4の板厚cの大小関係を、板厚a>板厚b≧板厚cとした構成の梁部材2を用いてもよい。下フランジ6の鋼板の強度a、上フランジ5の鋼板の強度b、ウェブ4の鋼板の強度cとした場合に、強度の大小関係を、強度a>強度b≧強度cとした構成の梁部材2を用いても良い。即ち、梁部材2の耐力は床スラブ21に近い部分ほど大きく、下フランジ6に近いほど小さいので、下フランジ6の板厚を上フランジ5やウェブ4の板厚よりも厚くして下フランジ6の耐力を大きくしたり、下フランジ6の強度を上フランジ5やウェブ4の強度よりも大きく下フランジ6の耐力を大きくすることによって、下フランジ6の破断を防止できるとともに経済的な梁部材2を提供できる。
尚、ウェブ4の耐力は小さくてもよいため、板厚a>板厚b>板厚cや、強度a>強度b>強度cとした構成の梁部材2とすれば、下フランジ6の破断を防止できるとともにウェブ4の材料費を安くできて経済的な梁部材2を提供できる。
【0029】
上フランジ5を備えない構成の梁部材2を用いてもよい。この場合、下フランジ6の板厚a、ウェブ4の板厚cの大小関係を、板厚a>板厚cとするか、下フランジ6の鋼板の強度a、ウェブ4の鋼板の強度cとした場合の強度の大小関係を、強度a>強度cとする。
【0030】
金属プレート31の代わりに、プレキャストコンクリート(PC)板を用いてこのPC板の上に床スラブ21を形成してもよいし、金属プレート31の代わりに、ベニヤ型枠を用いてベニヤ型枠の上に床スラブ21を形成してからベニヤ型枠を撤去してもよい。
【0031】
例えば小型の梁1を形成するような場合には、梁部材2にスタッド23を設けなくともよい。
【0032】
下フランジ6とウェブ4とで囲まれた領域に鉄筋コンクリート部を備えた梁1とすれば、梁1の圧縮強度を大きくできる。
【0033】
ダイヤフラム75を用いる場合、柱13の外側においてダイヤフラム75の近傍の上方に梁主筋の上筋を設けることによって、上筋とダイヤフラム75との連成効果が得られる。
【0034】
梁1のコンクリート部3内に鉄筋を設けた構成としてもよい。例えば、図1;図12;図13;図14に示す梁1のコンクリート部3に鉄筋を設けることによって、梁1の耐火性能が向上する。この場合、鉄筋を少なくとも梁1内の中央部に設置すればよい。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】梁と床スラブとの断面図(最良の形態1)。
【図2】梁部材の斜視図(最良の形態1)。
【図3】梁部材と柱との接合構造を示す側面図(最良の形態1)。
【図4】梁部材を示す図(最良の形態3)。
【図5】梁部材を形成するための板材を示す図(最良の形態4)。
【図6】梁部材の形成方法を示す図(最良の形態4)。
【図7】梁部材を示す図(最良の形態5)。
【図8】梁部材を示す図(最良の形態6)。
【図9】梁部材を示す図(最良の形態7)。
【図10】梁部材を示す図(最良の形態8)。
【図11】梁部材を示す図(最良の形態9)。
【図12】(a)は梁と床スラブとの断面図、(b)梁部材の側面図(最良の形態10)。
【図13】(a)は梁部材の斜視図、(b)は梁と床スラブとの断面図(最良の形態11)。
【図14】(a)は梁部材の斜視図、(b)は梁と床スラブとの断面図(最良の形態12)。
【図15】(a)は梁部材と柱との接合構造を示す側面図、(b)は(a)図のA−A断面図(最良の形態13)。
【図16】(a)は梁部材と柱との接合構造を示す側面図、(b)は(a)図のA−A断面図(最良の形態16)。
【符号の説明】
【0036】
1 梁、2 梁部材、4 ウェブ、5 上フランジ、6 下フランジ、13 柱、21 床スラブ、23 スタッド、61;66 孔、65 コンクリート流入孔、
75 ダイヤフラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジとを備えた梁部材において、下フランジがウェブの板厚より厚い板厚の金属板で形成されたことを特徴とする梁部材。
【請求項2】
相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジとを備えた梁部材において、下フランジがウェブよりも高強度の材料で形成されたことを特徴とする梁部材。
【請求項3】
ウェブの上端部に接合されて床スラブの下面に沿うように設置される上フランジを備えたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の梁部材。
【請求項4】
別個に形成されたウェブと上フランジとが互いに溶接で接合され、別個に形成されたウェブと下フランジとが互いに溶接で接合されたことを特徴とする請求項3に記載の梁部材。
【請求項5】
一枚の板体が折曲されてウェブと上フランジと下フランジとが形成されたことを特徴とする請求項3に記載の梁部材。
【請求項6】
一枚の板体が、別個に形成されたウェブと上フランジと下フランジとが互いに溶接で接合されて構成されたことを特徴とする請求項5に記載の梁部材。
【請求項7】
一枚の板体が折曲されてウェブと上フランジとが形成され、このウェブと下フランジとが互いに溶接で接合されたことを特徴とする請求項3に記載の梁部材。
【請求項8】
下フランジの両側部より同方向に延長する側片とを備え、側片の上端とウェブの下端とが互いに溶接で接合されたことを特徴とする請求項1乃至請求項7のいずれかに記載の梁部材。
【請求項9】
下フランジあるいはウェブが、下フランジとウェブとで囲まれた領域に打設されたコンクリートに係合するスタッドを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項8のいずれかに記載の梁部材。
【請求項10】
上フランジが床スラブのコンクリートに係合するスタッドを備えたことを特徴とする請求項1乃至請求項9のいずれかに記載の梁部材。
【請求項11】
相対峙したウェブ間の間隔が、ウェブの下端から上端に近づくに従って漸次大きくなるよう形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項10のいずれかに記載の梁部材。
【請求項12】
ウェブの上部には、床スラブの鉄筋を通すための孔が形成されたことを特徴とする請求項1乃至請求項11のいずれかに記載の梁部材。
【請求項13】
相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジと、一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部とに接合されて一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部との間を塞ぐ上フランジとを備えるとともに、ウェブの上部には、床スラブコンクリートの打設部に流し込まれた流動性を有したコンクリートをウェブと下フランジとで囲まれた領域に取り込むコンクリート流入孔を備えたことを特徴とする梁部材。
【請求項14】
相対峙したウェブと、一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部とに接合されて一方のウェブの下端部と他方のウェブの下端部との間を塞ぐ下フランジと、一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部とに接合されて一方のウェブの上端部と他方のウェブの上端部との間を塞ぐ上フランジと、上フランジと下フランジとウェブとで囲まれた領域に打設されたコンクリートと、上フランジに設けられて床スラブのコンクリートと係合するスタッドとを備えたことを特徴とする梁部材。
【請求項15】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の梁部材と柱との接合構造であって、中空の柱を横断するダイヤフラムが上フランジと下フランジとの間隔に合せた間隔を隔てて柱の上下に設けられ、上フランジと上のダイヤフラムとが接合され、下フランジと下のダイヤフラムとが接合されたことを特徴とする梁部材と柱との接合構造。
【請求項16】
請求項1乃至請求項14のいずれかに記載の梁部材と柱との接合構造であって、梁部材と接合される梁接合部分となる中空の柱の一部分の板厚が梁接合部分の上下に位置する中空の柱のその他の部分の板厚よりも厚く形成され、中空の柱の一部分の外面に梁部材が接合されたことを特徴とする梁部材と柱との接合構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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