梨の石細胞を含む漬物の製造方法および梨の石細胞を含む漬物、梨の石細胞を含む飲料の製造方法および梨の石細胞を含む飲料、並びに漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実の製造方法および漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実
【課題】 この発明は、フルーツをそのまま食した時の独特の食感が得られるような、また滑らかで円やかな味わいの酸味を加味出来るような、これまでにない珍しい漬物やその調味液や飲料を提供することを課題とする。
【解決手段】 この発明では梨の実を石細胞を残すようにして卸して乳酸菌食品と混ぜ合わせこれに具材を漬け込むか、または梨の実を石細胞を残すようにして卸し、具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させ、これを前記梨の卸し実に漬け込んで、石細胞を付着させた状態で提供するようにした。これにより梨の実であった時のつぶつぶしゃきしゃきとした食感を漬物に残すことが出来、また乳酸菌食品による一種滑らかな独特の味を味わうことが出来るようになった。またこのようにして梨の石細胞を含むソースや飲料を提供することが出来る。
【解決手段】 この発明では梨の実を石細胞を残すようにして卸して乳酸菌食品と混ぜ合わせこれに具材を漬け込むか、または梨の実を石細胞を残すようにして卸し、具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させ、これを前記梨の卸し実に漬け込んで、石細胞を付着させた状態で提供するようにした。これにより梨の実であった時のつぶつぶしゃきしゃきとした食感を漬物に残すことが出来、また乳酸菌食品による一種滑らかな独特の味を味わうことが出来るようになった。またこのようにして梨の石細胞を含むソースや飲料を提供することが出来る。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は調味液に梨の卸し液と乳酸菌とを用いた漬物に係り、更に詳しくは卸し液に梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉などを漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴とするものに関する。なお梨の石細胞と乳酸菌とを含む飲料やソースにも関連している。
【背景技術】
【0002】
これまで野菜の漬物には糠漬や浅漬やピクルスがあった。しかしながらライト指向の今日にあっては、サラダ風の漬物としての浅漬やピクルスが特に人気が高い。また大根などの辛味のある漬物は敬遠され勝ちであるため、特開2004−173612のような辛味を除去または軽減した大根浅漬の製造方法が提案されている。このものは大根をクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸を含む調味液に下漬けする工程を経る製造方法である。また漬物をフルーティーで円やかなものとするために、調味液にリンゴジュースやカボスジュースを入れて漬けたものもある。
【0003】
また獣肉を用いた鉄板焼きなどに於いて、予め獣肉を焼き肉のタレに漬け込むことが行われているが、このタレにリンゴ果汁などを入れて美味しさを向上させたものがある。獣肉を生で食する場合にも各種のタレが用いられる。また魚肉の場合にも同様のものが存在する。
【0004】
なおこのようなタレの用途を広げて、洋食・中華・和食・エスニック料理等々に用いるソースとしたり、野菜サラダに用いるソース(ドレッシングを含む)とするなどの試みが為されているが、その何れにもフルーティーさを加えるためにリンゴ果汁などを混入することが行われている。なおリンゴ果汁などはそのままジュースとしても提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−173612
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かに特開2004−173612のようにクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸を含む調味液を用いることで辛味が除去され、またリンゴジュースなどの果汁を含む調味液のようなものであれば、フルーティーで円やかな野菜の漬物を提供することは出来る。しかしながら確かに味はリンゴなのであるが、リンゴをそのまま食した時のシャリシャリする食感は完全に失われたものとなっている。また焼肉用や生食用のタレに付いても同様であり、加えられているフルーツの味はするものの、フルーツをそのまま食した時の独特の食感は失われてしまっている。このような問題は魚肉を食する場合にも起こることである。また上述したソースやドレッシングに関しても、加えられたフルーツの味がするためにフルーティーさは感じられるものの、そのフルーツが本来備えた独特の食感を得ることは出来ないでいる。
【0007】
もしもフルーツをそのまま食した時の独特の食感が得られるのであれば、またクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸ではない、何か別のものを用いることが出来るのであれば、調味液としては全く新規で珍しいものとなるであろう。そしてこのような調味液に漬けた漬物は、用いたフルーツが本来備えた独特の食感が得られるに違いない。またジュースなどの飲料に付いても同様である。
【0008】
そこでこの発明は、上述したような問題を解決して、フルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感をそのまま活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しい野菜の漬物を提供することを課題とする。また獣肉に付いてもこのような考えを適用したい。また同様に魚肉に付いてもこのような考えを適用したい。またフルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感をそのまま活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しいソースを提供したい。またフルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感をそのまま活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しい飲料を提供したい。本発明はこのような問題点を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題の解決のために当発明者は、フルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、どのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いて鋭意研究を行った。この結果、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功した。また上述した可食性酸ではなく、乳酸菌や乳酸菌食品を石細胞とその梨に合わせられるのではないかと言う知見を得た。
【0010】
すなわち上記課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これに具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。梨は丸ごと卸しても良いが、石細胞の特徴を際立たせるためには剥き実とするのが好ましい。また石細胞を残すようにとは、梨を卸した液につぶつぶした状態が残るように卸すことを言う。また卸すとは、卸金や金網ですったり、細かく刻んで潰したりすることを言う。またこれ以外の方法を用いても良い。
【0011】
漬物の具材には野菜を用いることが出来る。長芋、人参、大根、胡瓜、茄子など、多くの野菜を使用することが出来る。またこの調味液には、塩、昆布、鷹の爪、酢、化学調味料などを必要に応じて追加することが出来る。後述の酢を加えた場合では、漬物と言うよりはむしろ和風のピクルスとなる。ピクルスでは更にワインや砂糖を加えるようにしても良い。また乳酸菌食品にヨーグルトや乳酸菌飲料を用いて、石細胞を残した梨の卸した液に加えるようにする。乳酸菌食品には粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態のものを用いることが出来る。これを石細胞を残した梨の卸し液に加えるようにすれば良い。
【0012】
上記調味液としての卸し液には石細胞が含まれており、これにより作った野菜の漬物はその表面に石細胞を纒った独特のものとなっている。この漬物は表面の石細胞を洗い流さないようにして食する。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。逆に言えばつぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感があるにも拘らず漬物になっていると言うギャップに驚きがある。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では決して得られない貴重なものであり、梨のまるごとの実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。このことは後述する飲料やソースに付いても言うことが出来る。
【0013】
またこの発明によれば、ヨーグルトや乳酸菌飲料のような乳酸菌食品が含まれていることによって、上述した可食性酸の場合とは異なる、一種滑らかな独特の味を味わうことが出来る。
【0014】
上記で漬物の具材には野菜を用いることが出来ることに言及した。さらに酢を加えることにも言及した。そこで次に具材としての野菜にらっきょうを用いることを説明する。らっきょうを石細胞を含む梨の卸し液に乳酸菌食品と酢とを加えて漬け込むのである。加える酢の分量の数値に限定はないが、好適な分量として石細胞を含む梨の卸し液80重量パーセントに対して酢20重量パーセントを上げる。
【0015】
従来よりらっきょうの甘酢漬けと言うものがあったが、このツーンとくる香りを嫌う人が多く存在する(上述した酢を加えることとは別問題である)。従ってこのような人達にも食して貰うためにはどうしたら良いかはこの発明の別の課題でもある。そこで石細胞を含む梨の卸し液に、上述した乳酸菌食品と酢とを加えてらっきょうを漬け込むようにすると、ツーンとせずフルーティーにまとまった新規ならっきょう漬けと成る。このようにして酢の健康に対する効果と梨の石細胞による効果との相乗効果を得ることが出来るのである。
【0016】
なお梨の石細胞を用いることが如何に特殊なことであるかは、石細胞の効能の他の側面を知ることによって更に確実なものとなる。すなわち梨の石細胞は腸内に於いてコレステロールに吸着して、腸にコレステロールの吸収をしにくくする作用がある。すなわち結果として血中コレステロール値を下げる働きがあるのである。従って肉料理などと共にこの発明の梨の石細胞を含む漬物を提供するのは好ましく、またこの意味で後述する獣肉や魚肉の漬物は理に適ったものであると言うことが出来る。なお乳酸菌に整腸作用があるのは良く知られていることである。
【0017】
次に、漬物の具材に獣肉を用いることが出来る。生食用には牛肉が一般的である。鶏肉や豚肉のように一度湯に潜らせたものを用いる場合がある。また焼いた肉を用いる場合もある。このようにして獣肉の漬物を得るが、このようなものはこれまでになかった珍しいものである。
【0018】
この調味液としての卸し液を用いることによって梨独特の石細胞を表面に纒った獣肉の漬物を得るが、このものは表面に付着した梨の石細胞を洗い流さないようにして食するものである。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では得られない貴重なものであり、梨の実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。
【0019】
また漬物の具材に魚肉を用いることが出来る。生肉にも焼き物にも用いることが可能である。生肉の漬物では海鮮丼などへの用途がある。この魚肉の漬物の作用効果は獣肉の場合と同様のものであり、このような魚肉の漬物は新規で珍しいものである。
【0020】
ところで規格外の梨は廃棄処分されることが多い。旨さには何等問題はないのであるが、ただ規格外であると言うだけで処分されている。これは誠に勿体ないことであるが、この発明の石細胞を含む漬物の製造に活用することは十分可能であり、産業上の利益には計り知れないものがある。なおまた漬物の素材が野菜である場合に、これまでは規格外につき廃棄される運命にあったものを活かすことが可能となるなど本発明の影響は広範に及ぶ。
【0021】
また上記の課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を滴時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて野菜や獣肉や魚肉等の具材を漬け込む、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。なお冷凍に先立って卸し液を漉すなどして濃縮したものとしても良い。これは言わば石細胞を含む梨の「濃縮冷凍卸し実」であって解凍後に希釈して用いることになるが、卸し液が濃縮してあるのでアイスの重量を低減させることが出来ると言う効果がある。なお上記製造方法に於いて、石細胞を含む梨の卸し液と乳酸菌食品とを混ぜ合わしたものに、これを冷凍する前にまたは解凍した後で、適量の酢を加えるようにすることが出来る。
【0022】
前記石細胞と乳酸菌食品とを含む梨の「冷凍卸し実」は、この発明により初めて提案されたものである。梨は季節ものであって長期保存することが出来ない。柿のように乾燥保存することにも、みかんのように冷凍保存することにも不向きな果実である。一見すると冷凍保存には可能性があるように思われるが、冷凍すると品質が劣化してしまうのが実のままの梨の実状である。従って梨は全くのところ季節ものなのである。しかしながら梨の実を石細胞を残すようにして卸し、乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作っておけば、年間を通して漬物作りに利用することが可能になる。これによって梨のシーズンオフであっても、この発明の漬物を食することで梨を味わうことが出来る格別の効果を奏するのである。なお解凍時に解凍しやすいように、冷凍卸し実をクラッシュアイスのように破砕しておくようにしても良い。
【0023】
また漬物用の梨の冷凍卸し実は、これだけを単独で流通させることが可能であるため、各地でその土地土地の野菜や獣肉や魚肉を用いた漬物に利用することが可能となることは実に重要であり、産業上に与える影響にも極めて大きいものがある。
【0024】
なおこの発明に於いても酢を加えるようにすることが出来る。また漬物の具材に野菜を用いることが可能である。獣肉や魚肉を用いても良い。また具材としての野菜にらっきょうを用いることが出来る。
【0025】
また上記の課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させ、これを前記梨の卸し実に漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。
【0026】
ここでは具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させたものを用いる点に特徴を有する。或いは具材としての野菜に、西洋のザワークラウトや木曽のすんき漬けのような、乳酸菌発酵させた野菜を用いることが出来る。これによりザワークラウトやすんき漬けのような乳酸菌発酵させた野菜の味と、このつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな味とのコラボレーションを楽しむことが出来る。
【0027】
さらに酢を加えるようにしても良い。また漬物の具材に、野菜や獣肉や魚肉を用いることが可能である。また具材としての前記野菜にらっきょうを用いることが出来る。
【0028】
さてこれまで説明して来たようにフルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、この発明はどのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いての研究成果であり、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功したわけである。そしてこれに乳酸菌食品を加えて野菜や獣肉や魚肉を漬け込むことで新規な漬物を作っている。あるいは乳酸菌発酵させた野菜を具材として用いて漬物を作っている。従って乳酸菌を用いた石細胞を有する調味液やソースが重要である。(乳酸菌を用いた石細胞を有する飲料を提供することも重要なテーマとなるが、これに付いては別に述べる。)
【0029】
この一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に上述した乳酸菌飲料などの乳酸菌食品を加え、卸し野菜の卸し液を混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。或いはまた、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、一方で乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させた具材を卸しておき、これに前記梨の卸し実を混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。このような、乳酸菌を用いると共に野菜の卸し液が混入した梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いる他にドレッシングとしての用途がある。またこれだけを単独で流通させることが可能である。なお前記梨の卸し液を漉すなどして濃縮したものに野菜の卸し液を混入して撹拌したものを提供することが出来る。また前記梨の卸し液と乳酸菌発酵させた野菜の卸し液とを混ぜて漉すなどして濃縮したものを提供することが出来る。またこれらを冷凍することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0030】
また一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に上述した乳酸菌飲料などの乳酸菌食品を加え、これにビネガーを混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。このように乳酸菌を用いると共に、ビネガーが混入した、梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いられる他に、例えば鶏肉や小魚の空揚げ用の料理ソースとしての用途がある。また上記同様にこれだけを単独で流通させることが可能である。なおこの卸し液を漉すなどして濃縮したものに、ビネガーを混入して撹拌したものや、更にこれを冷凍したものを提供することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0031】
また一例として、乳酸菌を用いると共にビネガーが混入した梨の石細胞を含むソースを、野菜としてのらっきょうの漬物などに用いる用途がある。ビネガーにはフルーツビネガーやワインビネガーなどがある。少し酸味が欲しいような場合にこの味付けのためにビネガーを用いるが、乳酸菌の酸味とも相まってフルーティーな全く新しいらっきょう漬けを得ることが出来る。
【0032】
さてこの発明では、乳酸菌を用いた石細胞を有する飲料を提供することも重要なテーマであると説明した。すなわち梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品を混ぜ合わせて提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法や、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法を創出した。またこれ等の製造方法による、梨の石細胞を含む飲料とした。
【0033】
上記梨の卸し液には石細胞が含まれており、これにより作った飲料はその中に乳酸菌を含むと共に石細胞が存在する独特のものとなっている。この飲料は石細胞を漉さないようにして飲むものである。そして飲んだ際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られる。なおこの飲料を冷凍することが出来、これにより解凍して用いると言う用途が可能となる。また濃縮冷凍したものに付いては解凍し希釈して用いると言う用途が開ける。
【発明の効果】
【0034】
この発明によれば、梨の石細胞と乳酸菌とに着目することによって、つぶつぶしゃきしゃきとした食感のある、世界でも全く新しい味の乳酸菌入り漬物を提供することが出来るようになった。またこの発明の石細胞を含む梨の冷凍卸し実を用いることによって、年間を通して、且つ日本中、世界中にこの発明の漬物を提供することが可能となった。またこの発明の、野菜の卸し液に梨の石細胞と乳酸菌とを含むソースは、これまでにない食感のソースとなっている。同様に梨の石細胞と乳酸菌とを含む飲料は、これまでにない味と食感の飲料となっている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図2】同実施形態の製造状態を表わす説明図である。
【図3】同実施形態の漬物を表わす説明図である。
【図4】第2実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図5】同実施形態の冷凍卸し実を表わす説明図である。
【図6】第3実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図7】第4実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図8】第5実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図9】第6実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図10】第7実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図11】第8実施形態のソースを表わす説明図である。
【図12】同実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図13】第9実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図14】第10実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図15】第11実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図16】第12実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図17】第13実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図18】第14実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下この発明の14種の実施形態を図面を参照しつつ説明するが、この発明はこれ等の実施形態に限定されるものではない。
【0037】
第1実施形態
この実施形態は野菜の浅漬の製造方法に係るものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS1)、これに塩、昆布、鷹の爪、乳酸菌飲料を加えて調味液2とし(ステップS2)、この石細胞20を含む調味液2を漬物容器1に入れてこれに刻んだ野菜3を漬けて重石10を載せ(ステップS3)、頃合を調べて漬物容器1より取り出し、水洗いせずにそのまま密封包装する(ステップS4)。図2から明らかとなるように、野菜3は乳酸菌飲料を含む調味液2に浸されているが、この調味液2の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が見られる。なお野菜を刻まずに漬物容器1に入れる実施例も可能である。なお塩分に付いては、梨の甘みをしっかりと残すのであれば塩分控えめとすることが好ましい。
【0038】
このようにして漬いた野菜3の周りには、図3で表したように乳酸菌飲料を含む調味液2が纒わり着いているが、調味液2には石細胞20がたっぷりと含まれている。このことによって漬いた野菜3を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。なお乳酸菌飲料は任意に調製したものを使用すれば良いが、市販の例えばカルピス(登録商標)などをそのまま使用することも可能である。
【0039】
第2実施形態
この実施形態は野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS5)、これに赤ワインと乳酸菌飲料とを加えてピクルス用の調味液21を作り(ステップS6)、この調味液21を冷凍装置にて冷凍し(ステップS7)、この冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋4に入れて密封包装を行ない(ステップS8)、石細胞20を含む梨の冷凍卸し実を得る。図5の円内には冷凍卸し実22が拡大されて描かれているが凍った調味液21の中にたくさんの石細胞20が見られる。
【0040】
この梨の冷凍卸し実22は長期間に亘る保存が可能であり、必要な時に解凍して漬物に使用することが出来る。この実施形態ではクラッシュアイスのように破砕されているため、解凍の際には短時間での解凍が可能になっている。なおこの実施形態では野菜のピクルス漬けのために赤ワインと乳酸菌飲料とを加えているが、これ等を加えることなく冷凍したプレーンな冷凍卸し実として、解凍してから追加の調味料(赤ワインと乳酸菌飲料など)を加えるようにすることも可能である。なおクラッシュアイスに破砕する加工を施さずに、例えばキューブ形状の冷凍調味液を成型するようにしても良いし、解凍に時間を掛けられるのであれば或いは解凍時間を気にしないのであれば、全凍結のままの冷凍調味液を本発明の冷凍卸し実として提供するようにしても良い。
【0041】
第3実施形態
この実施形態は梨のシーズンオフに野菜のピクルス漬けを作る方法に係るものである。予め用意しておいた第2実施形態の、野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実を解凍して(ステップS9)、これに胡瓜などの野菜を刻んで漬け込み(ステップS10)、所要時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS11)。
【0042】
解凍した梨の冷凍卸し実には石細胞20が含まれているため、このピクルス漬けを食すると、ピクルス漬けの周りに付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした感じを楽しむことが出来る。
【0043】
第4実施形態
この実施形態では予め赤カブの菜葉を乳酸菌発酵させたすんき漬けを用意しておく。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS12)、これに予め用意しておいた前記すんき漬けを漬け込み(ステップS13)、所要時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS14)。
【0044】
この実施形態では、乳酸菌発酵させたすんき漬けを用いている点に特徴を有する。しかもすんき漬けの周りに付着した梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきした食感が楽しめる。
【0045】
第5実施形態
この実施形態で用いる鮒は、頭を落とし腹を割いて内臓を取り去った上で、飯を混ぜ日本酒を加えて重石をし、乳酸菌発酵させて成るものである。すなわち梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けて、つぶつぶとした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS15)、これに予め乳酸菌発酵させておいた前記鮒を漬け込み(ステップS16)、所要の時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS17)ようにしている。なお漬け込んだ米が形を残しているような場合にはこれを取り去るようにして良い。
【0046】
この鮒の漬物は、具材としての鮒を予め乳酸菌発酵させたものであり、この鮒の周りに石細胞20が付着しており、これによって食した時になれずしの鮒のような食味と、梨の石細胞20のつぶつぶしゃきしゃきとした食感を楽しむことが出来るのである。なお乳酸菌発酵させる魚肉としては鯖もポピュラーである。
【0047】
第6実施形態
この実施形態は牛肉の漬物の製造方法に係るものである。梨の皮を剥きこれを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにして卸し(ステップS18)、これを真空パックの袋に入れて、乳酸菌飲料、塩、酢、昆布、鷹の爪、化学調味料から成る調味液を加えて(ステップS19)、この袋に薄切りにした牛肉を漬け込み真空パックを行ない(ステップS20)、この袋を冷凍庫内に入れて冷凍する(ステップS21)。
【0048】
この牛肉の漬物は水洗いせずにそのまま食するものであるが、上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば(野菜3を牛肉に置き換える)、漬いた牛肉の周りにはこの実施形態の調味液が纒わり着いており、この乳酸菌飲料を含む調味液に石細胞20がたっぷりと含まれるものである。このことによって漬いた牛肉を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした、梨の実である時の食感を継承した食感が生まれるのである。また乳酸菌飲料が含まれていることによって一種滑らかな独特の味を味わうことが出来る。
【0049】
第7実施形態
この実施形態は、魚肉としての鮭身を用いた漬物の製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶとした石細胞を残すようにして卸し(ステップS22)、これをファスナー付きの袋に入れて、乳酸菌飲料、塩、酢、化学調味料から成る調味液を加えて(ステップS23)、この袋の中に薄切りにした鮭身の複数枚を、これ等の間間に昆布と輪切りにした鷹の爪とを挟み込むようにしたものを漬け込んで、袋の口をファスナーで密閉し(ステップS24)、この袋を冷蔵庫に入れて冷蔵する(ステップS25)。
【0050】
上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば、野菜3を鮭身に置き換えるのであるが、この生鮭の漬物は、鮭身の周りにたっぷりと付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした、梨が実であった時の食感を楽しむことが出来るのである。つぶつぶとした食感はざらざらした感じとも取れるが、梨の実の場合にはこれが梨独特の舌や歯に心地良いものとなっている。なおこのためにはこの鮭身の漬物は水洗いせずにそのまま食するようにする。乳酸菌飲料の独特の味も加味されて美味しい。
【0051】
第8実施形態
この発明は調味液に梨の卸し液と乳酸菌食品とを用いた漬物に係り、卸し液に付いては梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴としており、この実施形態では料理用のソースを製造するための製造方法を解説する。
【0052】
梨の皮を剥きこの芯を取ったものを卸し機に掛けて、つぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS26)、これに乳酸菌食品としてのヨーグルトと別途用意しておいた各種野菜の卸したものとを混ぜ合わせて成る調味液を混入し(ステップS27)、こうして得られたソースを真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS28)。
【0053】
図11から明らかとなるように、梨のジュースと調味液6とから成る料理用のソースには多くの石細胞20を見ることが出来るし、ヨーグルトによる独特の酸味と滑らかさとを備えている。使用時には包装袋5を開封して料理用のソースを取り出す。なおこの実施形態の料理用のソースは包装袋5のまま流通させることが出来るものである。
【0054】
第9実施形態
この実施形態のソースは、上述の図11を借りて説明すれば、各種野菜の卸したものを含む調味液6の代わりに、乳酸菌飲料とビネガーとを含むものである。梨の皮を剥き、この芯を取ったものを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS29)、このものに乳酸菌飲料とビネガーとを加えて混ぜ合せ(ステップS30)、こうして得られた漬物用のソースを真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS31)。
【0055】
この漬物用のソースには、噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感を生む梨の石細胞がたっぷりと含まれている。この食感は梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を正に継承したものである。また乳酸菌飲料による独特の味と滑らかさとを有している。この漬物用ソースは、野菜用、獣肉用、魚肉用として広範に用いられる。また包装袋5のまま流通させることが可能である。
【0056】
第10実施形態
この実施形態は野菜や獣肉や魚肉などの漬物に用いられる、梨の濃縮冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにしつつ卸し(ステップS32)、この石細胞を含む卸し液を膜濃縮により濃縮し(ステップS33)、このものに乳酸菌食品としてのヨーグルトを加えて混ぜ合わせ(ステップS34)、このようにして得られた漬物用ソースを冷凍装置にて冷凍し(ステップS35)、更にこの冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋に入れて密封包装を行ない(ステップS36)、石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を得る。これを図5を借りて説明すると、クラッシュアイス状の濃縮ソースの中にたくさんのつぶつぶとした石細胞20が見られるのである。
【0057】
石細胞を含む卸し液を濃縮する方法には真空濃縮法や凍結濃縮法や加熱濃縮法などがあるが、ステップS33では瀘過膜を用いた膜濃縮法によっている。またステップS34とステップS33とを逆にする製造法も可能である。この石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を用いる際には、先ず解凍してから、水を加えて濃縮還元を行うようにするのである。解凍に水を用いて濃縮還元まで行うことも可能である。またこの段階で新たに調味料を加えることも可能である。この濃縮された冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、所要時に解凍して漬物に供することが出来る。なお卸し液の濃縮は、卸し液の品質レベルの一定化を実現したりアイスの重量を低減させることに寄与する。
【0058】
第11実施形態
この実施形態はフルーツ感覚あるいはサラダ感覚で食することが出来る新しいらっきょう漬けの製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS37)、この卸し実80重量パーセントに対して20重量パーセントの乳酸菌飲料を加えて調味液7とし(ステップS38)、この石細胞20を含む調味液7の中にらっきょう8を漬け(ステップS39)、頃合を調べてそのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS40)。
【0059】
らっきょう8の周りには、図15のステップS39の右横に説明図として図示した通り、調味液7がまとわり付いているが、この調味液7の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が含まれている。このことによって、らっきょう8を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。なおらっきよう8の代わりに黒らっきようを用いることが可能である。黒らっきようは鳥取県園芸試験場で開発されたものであり、熟したらっきょうの実を摂氏90度で2日間ほど蒸し焼きにして成るものである。鳥取県産の梨との相性も良好である。
【0060】
第12実施形態
この実施形態は新しいニンニク漬けの製造方法に係るものである。梨の皮を剥き、卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るようにして卸し(ステップS41)、これに乳酸菌食品としてのヨーグルトと、予め製造しておいた発酵ニンニクである黒ニンニクとを混ぜ合わせ(ステップS42)、頃合を見てそのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS43)。
【0061】
発酵ニンニクの周りにはヨーグルトの調味液がまとわり付いており、この調味液には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が含まれている。これによってヨーグルトの円やかな食味と梨の実の食感であるつぶつぶしゃきしゃきした感じが得られるのである。
【0062】
第13実施形態
この実施形態は新しいドリンクの製造方法に関するものである。梨の皮を剥いて、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞が残るようにして卸し(ステップS44)、これに市販の一例カルピス(登録商標)のような乳酸菌飲料を加えて(ステップS45)、そのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS46)。
【0063】
このドリンクには乳酸菌飲料と石細胞をたっぷりと含んだ梨ジュースとが含まれており、乳酸菌飲料による円やかな味わいと、喉越しのつぶつぶしゃきしゃきとした感じとを楽しむことが出来る。
【0064】
第14実施形態
この実施形態は梨の冷凍ドリンクの製造方法に関するものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けて、つぶつぶとした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS47)、これに乳酸菌飲料としての市販の飲むヨーグルトを加え(ステップS48)、これに別途予め作っておいた発酵ニンニク(黒ニンニク)を卸したものを混ぜ合わせ(ステップS49)、袋に詰めて冷凍する(ステップS50)。
【0065】
このようにして提供された冷凍ドリンクは解凍して用いられるが、解凍前であれば長期間に亘る保存が可能である。なおクラッシュアイスまたはキュービックアイスなどとしての提供も可能である。また冷凍ドリンクとしてのみならず漬物用の冷凍卸し実としての使用が可能である。その何れにせよ、飲むヨーグルトによる円やかな味わいと、梨の石細胞によるつぶつぶしゃきしゃきとした食感とを楽しむことが出来るのである。
【0066】
その他の実施形態
この発明では具材に獣肉を用いることが出来るが、獣肉には生肉の他にサラミやハムソーセージなどの加工肉を用いても良い。また具材に魚貝類を用いることが出来るが、魚介類にはカニ肉やエビ肉などの他に、カニカマボコなどの加工品を用いても良い。また具材に用いる野菜として、ドライフルーツなどの乾燥果肉や千切大根などの乾燥野菜を利用することが可能である。葉野菜のみならず根菜類も利用し得る。
【0067】
またこの発明では、調味液にミリンや日本酒やワインなどのアルコールを混ぜ合わせることが出来る。
【0068】
またこの発明では和梨を用いても洋梨を用いても良い。従って例えば大きめの石細胞を含む和梨の卸しと小さめの石細胞を含む洋梨の卸しとを混合したものとして提供しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
この発明の内、梨の冷凍卸し実に関しては、これを家庭用の調味液として販売することが出来る。また漬物のためのみならず、例えば和食や洋食や中華などの料理や菓子やドリンク等に用いるソース材料として提供することが出来る。なおこの新しいソースを用いた料理や菓子やドリンク等を冷凍して、冷凍食品として提供することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 漬物容器
10 重石
2 調味液
20 石細胞
22 冷凍卸し実
3 野菜
4 包装袋
5 包装袋
6 調味液
7 調味液
8 らっきょう
【技術分野】
【0001】
この発明は調味液に梨の卸し液と乳酸菌とを用いた漬物に係り、更に詳しくは卸し液に梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉などを漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴とするものに関する。なお梨の石細胞と乳酸菌とを含む飲料やソースにも関連している。
【背景技術】
【0002】
これまで野菜の漬物には糠漬や浅漬やピクルスがあった。しかしながらライト指向の今日にあっては、サラダ風の漬物としての浅漬やピクルスが特に人気が高い。また大根などの辛味のある漬物は敬遠され勝ちであるため、特開2004−173612のような辛味を除去または軽減した大根浅漬の製造方法が提案されている。このものは大根をクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸を含む調味液に下漬けする工程を経る製造方法である。また漬物をフルーティーで円やかなものとするために、調味液にリンゴジュースやカボスジュースを入れて漬けたものもある。
【0003】
また獣肉を用いた鉄板焼きなどに於いて、予め獣肉を焼き肉のタレに漬け込むことが行われているが、このタレにリンゴ果汁などを入れて美味しさを向上させたものがある。獣肉を生で食する場合にも各種のタレが用いられる。また魚肉の場合にも同様のものが存在する。
【0004】
なおこのようなタレの用途を広げて、洋食・中華・和食・エスニック料理等々に用いるソースとしたり、野菜サラダに用いるソース(ドレッシングを含む)とするなどの試みが為されているが、その何れにもフルーティーさを加えるためにリンゴ果汁などを混入することが行われている。なおリンゴ果汁などはそのままジュースとしても提供されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2004−173612
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
確かに特開2004−173612のようにクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸を含む調味液を用いることで辛味が除去され、またリンゴジュースなどの果汁を含む調味液のようなものであれば、フルーティーで円やかな野菜の漬物を提供することは出来る。しかしながら確かに味はリンゴなのであるが、リンゴをそのまま食した時のシャリシャリする食感は完全に失われたものとなっている。また焼肉用や生食用のタレに付いても同様であり、加えられているフルーツの味はするものの、フルーツをそのまま食した時の独特の食感は失われてしまっている。このような問題は魚肉を食する場合にも起こることである。また上述したソースやドレッシングに関しても、加えられたフルーツの味がするためにフルーティーさは感じられるものの、そのフルーツが本来備えた独特の食感を得ることは出来ないでいる。
【0007】
もしもフルーツをそのまま食した時の独特の食感が得られるのであれば、またクエン酸やリンゴ酸などの可食性酸ではない、何か別のものを用いることが出来るのであれば、調味液としては全く新規で珍しいものとなるであろう。そしてこのような調味液に漬けた漬物は、用いたフルーツが本来備えた独特の食感が得られるに違いない。またジュースなどの飲料に付いても同様である。
【0008】
そこでこの発明は、上述したような問題を解決して、フルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感をそのまま活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しい野菜の漬物を提供することを課題とする。また獣肉に付いてもこのような考えを適用したい。また同様に魚肉に付いてもこのような考えを適用したい。またフルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感をそのまま活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しいソースを提供したい。またフルーティーで円やかであると共に、「フルーツが実である時の食感をそのまま活かすこと」が出来るような、これまでにない全く新しい飲料を提供したい。本発明はこのような問題点を解決することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この課題の解決のために当発明者は、フルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、どのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いて鋭意研究を行った。この結果、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功した。また上述した可食性酸ではなく、乳酸菌や乳酸菌食品を石細胞とその梨に合わせられるのではないかと言う知見を得た。
【0010】
すなわち上記課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これに具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。梨は丸ごと卸しても良いが、石細胞の特徴を際立たせるためには剥き実とするのが好ましい。また石細胞を残すようにとは、梨を卸した液につぶつぶした状態が残るように卸すことを言う。また卸すとは、卸金や金網ですったり、細かく刻んで潰したりすることを言う。またこれ以外の方法を用いても良い。
【0011】
漬物の具材には野菜を用いることが出来る。長芋、人参、大根、胡瓜、茄子など、多くの野菜を使用することが出来る。またこの調味液には、塩、昆布、鷹の爪、酢、化学調味料などを必要に応じて追加することが出来る。後述の酢を加えた場合では、漬物と言うよりはむしろ和風のピクルスとなる。ピクルスでは更にワインや砂糖を加えるようにしても良い。また乳酸菌食品にヨーグルトや乳酸菌飲料を用いて、石細胞を残した梨の卸した液に加えるようにする。乳酸菌食品には粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態のものを用いることが出来る。これを石細胞を残した梨の卸し液に加えるようにすれば良い。
【0012】
上記調味液としての卸し液には石細胞が含まれており、これにより作った野菜の漬物はその表面に石細胞を纒った独特のものとなっている。この漬物は表面の石細胞を洗い流さないようにして食する。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。逆に言えばつぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感があるにも拘らず漬物になっていると言うギャップに驚きがある。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では決して得られない貴重なものであり、梨のまるごとの実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。このことは後述する飲料やソースに付いても言うことが出来る。
【0013】
またこの発明によれば、ヨーグルトや乳酸菌飲料のような乳酸菌食品が含まれていることによって、上述した可食性酸の場合とは異なる、一種滑らかな独特の味を味わうことが出来る。
【0014】
上記で漬物の具材には野菜を用いることが出来ることに言及した。さらに酢を加えることにも言及した。そこで次に具材としての野菜にらっきょうを用いることを説明する。らっきょうを石細胞を含む梨の卸し液に乳酸菌食品と酢とを加えて漬け込むのである。加える酢の分量の数値に限定はないが、好適な分量として石細胞を含む梨の卸し液80重量パーセントに対して酢20重量パーセントを上げる。
【0015】
従来よりらっきょうの甘酢漬けと言うものがあったが、このツーンとくる香りを嫌う人が多く存在する(上述した酢を加えることとは別問題である)。従ってこのような人達にも食して貰うためにはどうしたら良いかはこの発明の別の課題でもある。そこで石細胞を含む梨の卸し液に、上述した乳酸菌食品と酢とを加えてらっきょうを漬け込むようにすると、ツーンとせずフルーティーにまとまった新規ならっきょう漬けと成る。このようにして酢の健康に対する効果と梨の石細胞による効果との相乗効果を得ることが出来るのである。
【0016】
なお梨の石細胞を用いることが如何に特殊なことであるかは、石細胞の効能の他の側面を知ることによって更に確実なものとなる。すなわち梨の石細胞は腸内に於いてコレステロールに吸着して、腸にコレステロールの吸収をしにくくする作用がある。すなわち結果として血中コレステロール値を下げる働きがあるのである。従って肉料理などと共にこの発明の梨の石細胞を含む漬物を提供するのは好ましく、またこの意味で後述する獣肉や魚肉の漬物は理に適ったものであると言うことが出来る。なお乳酸菌に整腸作用があるのは良く知られていることである。
【0017】
次に、漬物の具材に獣肉を用いることが出来る。生食用には牛肉が一般的である。鶏肉や豚肉のように一度湯に潜らせたものを用いる場合がある。また焼いた肉を用いる場合もある。このようにして獣肉の漬物を得るが、このようなものはこれまでになかった珍しいものである。
【0018】
この調味液としての卸し液を用いることによって梨独特の石細胞を表面に纒った獣肉の漬物を得るが、このものは表面に付着した梨の石細胞を洗い流さないようにして食するものである。そして食した際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られるのである。このようなつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな食感は他のフルーツを用いた場合では得られない貴重なものであり、梨の実である時の食感をそのまま野菜の漬物に継承させることにこの発明は成功したのである。
【0019】
また漬物の具材に魚肉を用いることが出来る。生肉にも焼き物にも用いることが可能である。生肉の漬物では海鮮丼などへの用途がある。この魚肉の漬物の作用効果は獣肉の場合と同様のものであり、このような魚肉の漬物は新規で珍しいものである。
【0020】
ところで規格外の梨は廃棄処分されることが多い。旨さには何等問題はないのであるが、ただ規格外であると言うだけで処分されている。これは誠に勿体ないことであるが、この発明の石細胞を含む漬物の製造に活用することは十分可能であり、産業上の利益には計り知れないものがある。なおまた漬物の素材が野菜である場合に、これまでは規格外につき廃棄される運命にあったものを活かすことが可能となるなど本発明の影響は広範に及ぶ。
【0021】
また上記の課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を滴時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて野菜や獣肉や魚肉等の具材を漬け込む、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。なお冷凍に先立って卸し液を漉すなどして濃縮したものとしても良い。これは言わば石細胞を含む梨の「濃縮冷凍卸し実」であって解凍後に希釈して用いることになるが、卸し液が濃縮してあるのでアイスの重量を低減させることが出来ると言う効果がある。なお上記製造方法に於いて、石細胞を含む梨の卸し液と乳酸菌食品とを混ぜ合わしたものに、これを冷凍する前にまたは解凍した後で、適量の酢を加えるようにすることが出来る。
【0022】
前記石細胞と乳酸菌食品とを含む梨の「冷凍卸し実」は、この発明により初めて提案されたものである。梨は季節ものであって長期保存することが出来ない。柿のように乾燥保存することにも、みかんのように冷凍保存することにも不向きな果実である。一見すると冷凍保存には可能性があるように思われるが、冷凍すると品質が劣化してしまうのが実のままの梨の実状である。従って梨は全くのところ季節ものなのである。しかしながら梨の実を石細胞を残すようにして卸し、乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作っておけば、年間を通して漬物作りに利用することが可能になる。これによって梨のシーズンオフであっても、この発明の漬物を食することで梨を味わうことが出来る格別の効果を奏するのである。なお解凍時に解凍しやすいように、冷凍卸し実をクラッシュアイスのように破砕しておくようにしても良い。
【0023】
また漬物用の梨の冷凍卸し実は、これだけを単独で流通させることが可能であるため、各地でその土地土地の野菜や獣肉や魚肉を用いた漬物に利用することが可能となることは実に重要であり、産業上に与える影響にも極めて大きいものがある。
【0024】
なおこの発明に於いても酢を加えるようにすることが出来る。また漬物の具材に野菜を用いることが可能である。獣肉や魚肉を用いても良い。また具材としての野菜にらっきょうを用いることが出来る。
【0025】
また上記の課題は、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させ、これを前記梨の卸し実に漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法とすることにより達成される。またこの製造方法による、梨の石細胞を含む漬物とした。
【0026】
ここでは具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させたものを用いる点に特徴を有する。或いは具材としての野菜に、西洋のザワークラウトや木曽のすんき漬けのような、乳酸菌発酵させた野菜を用いることが出来る。これによりザワークラウトやすんき漬けのような乳酸菌発酵させた野菜の味と、このつぶつぶしゃきしゃきとしたフルーティーな味とのコラボレーションを楽しむことが出来る。
【0027】
さらに酢を加えるようにしても良い。また漬物の具材に、野菜や獣肉や魚肉を用いることが可能である。また具材としての前記野菜にらっきょうを用いることが出来る。
【0028】
さてこれまで説明して来たようにフルーツを調味液やソースに用いるにはフルーツの実を卸す必要があるが、この発明はどのようなフルーツを用いれば、またどのようにして用いれば、実である時の食感を活かすことが出来るかに付いての研究成果であり、石細胞と言うものを果肉に有する梨を特定することに成功したわけである。そしてこれに乳酸菌食品を加えて野菜や獣肉や魚肉を漬け込むことで新規な漬物を作っている。あるいは乳酸菌発酵させた野菜を具材として用いて漬物を作っている。従って乳酸菌を用いた石細胞を有する調味液やソースが重要である。(乳酸菌を用いた石細胞を有する飲料を提供することも重要なテーマとなるが、これに付いては別に述べる。)
【0029】
この一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に上述した乳酸菌飲料などの乳酸菌食品を加え、卸し野菜の卸し液を混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。或いはまた、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、一方で乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させた具材を卸しておき、これに前記梨の卸し実を混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。このような、乳酸菌を用いると共に野菜の卸し液が混入した梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いる他にドレッシングとしての用途がある。またこれだけを単独で流通させることが可能である。なお前記梨の卸し液を漉すなどして濃縮したものに野菜の卸し液を混入して撹拌したものを提供することが出来る。また前記梨の卸し液と乳酸菌発酵させた野菜の卸し液とを混ぜて漉すなどして濃縮したものを提供することが出来る。またこれらを冷凍することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0030】
また一例として、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液に上述した乳酸菌飲料などの乳酸菌食品を加え、これにビネガーを混入して撹拌することによって、梨の石細胞を含むソースを得る製造方法を上げる。このように乳酸菌を用いると共に、ビネガーが混入した、梨の石細胞を含むソースは、野菜や獣肉や魚肉の漬物などに用いられる他に、例えば鶏肉や小魚の空揚げ用の料理ソースとしての用途がある。また上記同様にこれだけを単独で流通させることが可能である。なおこの卸し液を漉すなどして濃縮したものに、ビネガーを混入して撹拌したものや、更にこれを冷凍したものを提供することが出来る。これにより希釈して用いると言う用途が可能となる。
【0031】
また一例として、乳酸菌を用いると共にビネガーが混入した梨の石細胞を含むソースを、野菜としてのらっきょうの漬物などに用いる用途がある。ビネガーにはフルーツビネガーやワインビネガーなどがある。少し酸味が欲しいような場合にこの味付けのためにビネガーを用いるが、乳酸菌の酸味とも相まってフルーティーな全く新しいらっきょう漬けを得ることが出来る。
【0032】
さてこの発明では、乳酸菌を用いた石細胞を有する飲料を提供することも重要なテーマであると説明した。すなわち梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品を混ぜ合わせて提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法や、梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法を創出した。またこれ等の製造方法による、梨の石細胞を含む飲料とした。
【0033】
上記梨の卸し液には石細胞が含まれており、これにより作った飲料はその中に乳酸菌を含むと共に石細胞が存在する独特のものとなっている。この飲料は石細胞を漉さないようにして飲むものである。そして飲んだ際には、梨独特の石細胞が表面に付着していることによって、つぶつぶしゃきしゃきとした梨独特の食感がまるごとの実ほどではないにしても十分に得られる。なおこの飲料を冷凍することが出来、これにより解凍して用いると言う用途が可能となる。また濃縮冷凍したものに付いては解凍し希釈して用いると言う用途が開ける。
【発明の効果】
【0034】
この発明によれば、梨の石細胞と乳酸菌とに着目することによって、つぶつぶしゃきしゃきとした食感のある、世界でも全く新しい味の乳酸菌入り漬物を提供することが出来るようになった。またこの発明の石細胞を含む梨の冷凍卸し実を用いることによって、年間を通して、且つ日本中、世界中にこの発明の漬物を提供することが可能となった。またこの発明の、野菜の卸し液に梨の石細胞と乳酸菌とを含むソースは、これまでにない食感のソースとなっている。同様に梨の石細胞と乳酸菌とを含む飲料は、これまでにない味と食感の飲料となっている。
【図面の簡単な説明】
【0035】
【図1】第1実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図2】同実施形態の製造状態を表わす説明図である。
【図3】同実施形態の漬物を表わす説明図である。
【図4】第2実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図5】同実施形態の冷凍卸し実を表わす説明図である。
【図6】第3実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図7】第4実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図8】第5実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図9】第6実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図10】第7実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図11】第8実施形態のソースを表わす説明図である。
【図12】同実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図13】第9実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図14】第10実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図15】第11実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図16】第12実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図17】第13実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【図18】第14実施形態の製造工程を表わす説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0036】
以下この発明の14種の実施形態を図面を参照しつつ説明するが、この発明はこれ等の実施形態に限定されるものではない。
【0037】
第1実施形態
この実施形態は野菜の浅漬の製造方法に係るものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS1)、これに塩、昆布、鷹の爪、乳酸菌飲料を加えて調味液2とし(ステップS2)、この石細胞20を含む調味液2を漬物容器1に入れてこれに刻んだ野菜3を漬けて重石10を載せ(ステップS3)、頃合を調べて漬物容器1より取り出し、水洗いせずにそのまま密封包装する(ステップS4)。図2から明らかとなるように、野菜3は乳酸菌飲料を含む調味液2に浸されているが、この調味液2の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が見られる。なお野菜を刻まずに漬物容器1に入れる実施例も可能である。なお塩分に付いては、梨の甘みをしっかりと残すのであれば塩分控えめとすることが好ましい。
【0038】
このようにして漬いた野菜3の周りには、図3で表したように乳酸菌飲料を含む調味液2が纒わり着いているが、調味液2には石細胞20がたっぷりと含まれている。このことによって漬いた野菜3を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。なお乳酸菌飲料は任意に調製したものを使用すれば良いが、市販の例えばカルピス(登録商標)などをそのまま使用することも可能である。
【0039】
第2実施形態
この実施形態は野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS5)、これに赤ワインと乳酸菌飲料とを加えてピクルス用の調味液21を作り(ステップS6)、この調味液21を冷凍装置にて冷凍し(ステップS7)、この冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋4に入れて密封包装を行ない(ステップS8)、石細胞20を含む梨の冷凍卸し実を得る。図5の円内には冷凍卸し実22が拡大されて描かれているが凍った調味液21の中にたくさんの石細胞20が見られる。
【0040】
この梨の冷凍卸し実22は長期間に亘る保存が可能であり、必要な時に解凍して漬物に使用することが出来る。この実施形態ではクラッシュアイスのように破砕されているため、解凍の際には短時間での解凍が可能になっている。なおこの実施形態では野菜のピクルス漬けのために赤ワインと乳酸菌飲料とを加えているが、これ等を加えることなく冷凍したプレーンな冷凍卸し実として、解凍してから追加の調味料(赤ワインと乳酸菌飲料など)を加えるようにすることも可能である。なおクラッシュアイスに破砕する加工を施さずに、例えばキューブ形状の冷凍調味液を成型するようにしても良いし、解凍に時間を掛けられるのであれば或いは解凍時間を気にしないのであれば、全凍結のままの冷凍調味液を本発明の冷凍卸し実として提供するようにしても良い。
【0041】
第3実施形態
この実施形態は梨のシーズンオフに野菜のピクルス漬けを作る方法に係るものである。予め用意しておいた第2実施形態の、野菜のピクルス漬けに用いる梨の冷凍卸し実を解凍して(ステップS9)、これに胡瓜などの野菜を刻んで漬け込み(ステップS10)、所要時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS11)。
【0042】
解凍した梨の冷凍卸し実には石細胞20が含まれているため、このピクルス漬けを食すると、ピクルス漬けの周りに付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした感じを楽しむことが出来る。
【0043】
第4実施形態
この実施形態では予め赤カブの菜葉を乳酸菌発酵させたすんき漬けを用意しておく。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS12)、これに予め用意しておいた前記すんき漬けを漬け込み(ステップS13)、所要時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS14)。
【0044】
この実施形態では、乳酸菌発酵させたすんき漬けを用いている点に特徴を有する。しかもすんき漬けの周りに付着した梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきした食感が楽しめる。
【0045】
第5実施形態
この実施形態で用いる鮒は、頭を落とし腹を割いて内臓を取り去った上で、飯を混ぜ日本酒を加えて重石をし、乳酸菌発酵させて成るものである。すなわち梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けて、つぶつぶとした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS15)、これに予め乳酸菌発酵させておいた前記鮒を漬け込み(ステップS16)、所要の時間だけ寝かせてから取り出し水洗せずにそのまま密封包装する(ステップS17)ようにしている。なお漬け込んだ米が形を残しているような場合にはこれを取り去るようにして良い。
【0046】
この鮒の漬物は、具材としての鮒を予め乳酸菌発酵させたものであり、この鮒の周りに石細胞20が付着しており、これによって食した時になれずしの鮒のような食味と、梨の石細胞20のつぶつぶしゃきしゃきとした食感を楽しむことが出来るのである。なお乳酸菌発酵させる魚肉としては鯖もポピュラーである。
【0047】
第6実施形態
この実施形態は牛肉の漬物の製造方法に係るものである。梨の皮を剥きこれを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにして卸し(ステップS18)、これを真空パックの袋に入れて、乳酸菌飲料、塩、酢、昆布、鷹の爪、化学調味料から成る調味液を加えて(ステップS19)、この袋に薄切りにした牛肉を漬け込み真空パックを行ない(ステップS20)、この袋を冷凍庫内に入れて冷凍する(ステップS21)。
【0048】
この牛肉の漬物は水洗いせずにそのまま食するものであるが、上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば(野菜3を牛肉に置き換える)、漬いた牛肉の周りにはこの実施形態の調味液が纒わり着いており、この乳酸菌飲料を含む調味液に石細胞20がたっぷりと含まれるものである。このことによって漬いた牛肉を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした、梨の実である時の食感を継承した食感が生まれるのである。また乳酸菌飲料が含まれていることによって一種滑らかな独特の味を味わうことが出来る。
【0049】
第7実施形態
この実施形態は、魚肉としての鮭身を用いた漬物の製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶとした石細胞を残すようにして卸し(ステップS22)、これをファスナー付きの袋に入れて、乳酸菌飲料、塩、酢、化学調味料から成る調味液を加えて(ステップS23)、この袋の中に薄切りにした鮭身の複数枚を、これ等の間間に昆布と輪切りにした鷹の爪とを挟み込むようにしたものを漬け込んで、袋の口をファスナーで密閉し(ステップS24)、この袋を冷蔵庫に入れて冷蔵する(ステップS25)。
【0050】
上述した第1実施形態の図3を借りて説明すれば、野菜3を鮭身に置き換えるのであるが、この生鮭の漬物は、鮭身の周りにたっぷりと付着している梨の石細胞20によってつぶつぶしゃきしゃきとした、梨が実であった時の食感を楽しむことが出来るのである。つぶつぶとした食感はざらざらした感じとも取れるが、梨の実の場合にはこれが梨独特の舌や歯に心地良いものとなっている。なおこのためにはこの鮭身の漬物は水洗いせずにそのまま食するようにする。乳酸菌飲料の独特の味も加味されて美味しい。
【0051】
第8実施形態
この発明は調味液に梨の卸し液と乳酸菌食品とを用いた漬物に係り、卸し液に付いては梨の石細胞を含ませたものを用いて野菜や獣肉や魚肉を漬け込み、この漬物に石細胞を付着させた状態で提供することを特徴としており、この実施形態では料理用のソースを製造するための製造方法を解説する。
【0052】
梨の皮を剥きこの芯を取ったものを卸し機に掛けて、つぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS26)、これに乳酸菌食品としてのヨーグルトと別途用意しておいた各種野菜の卸したものとを混ぜ合わせて成る調味液を混入し(ステップS27)、こうして得られたソースを真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS28)。
【0053】
図11から明らかとなるように、梨のジュースと調味液6とから成る料理用のソースには多くの石細胞20を見ることが出来るし、ヨーグルトによる独特の酸味と滑らかさとを備えている。使用時には包装袋5を開封して料理用のソースを取り出す。なおこの実施形態の料理用のソースは包装袋5のまま流通させることが出来るものである。
【0054】
第9実施形態
この実施形態のソースは、上述の図11を借りて説明すれば、各種野菜の卸したものを含む調味液6の代わりに、乳酸菌飲料とビネガーとを含むものである。梨の皮を剥き、この芯を取ったものを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS29)、このものに乳酸菌飲料とビネガーとを加えて混ぜ合せ(ステップS30)、こうして得られた漬物用のソースを真空パックにて包装袋5にパック詰めする(ステップS31)。
【0055】
この漬物用のソースには、噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感を生む梨の石細胞がたっぷりと含まれている。この食感は梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を正に継承したものである。また乳酸菌飲料による独特の味と滑らかさとを有している。この漬物用ソースは、野菜用、獣肉用、魚肉用として広範に用いられる。また包装袋5のまま流通させることが可能である。
【0056】
第10実施形態
この実施形態は野菜や獣肉や魚肉などの漬物に用いられる、梨の濃縮冷凍卸し実の製造方法に係るものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞を残すようにしつつ卸し(ステップS32)、この石細胞を含む卸し液を膜濃縮により濃縮し(ステップS33)、このものに乳酸菌食品としてのヨーグルトを加えて混ぜ合わせ(ステップS34)、このようにして得られた漬物用ソースを冷凍装置にて冷凍し(ステップS35)、更にこの冷凍調味液を粉砕機にてクラッシュアイスのように破砕して包装袋に入れて密封包装を行ない(ステップS36)、石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を得る。これを図5を借りて説明すると、クラッシュアイス状の濃縮ソースの中にたくさんのつぶつぶとした石細胞20が見られるのである。
【0057】
石細胞を含む卸し液を濃縮する方法には真空濃縮法や凍結濃縮法や加熱濃縮法などがあるが、ステップS33では瀘過膜を用いた膜濃縮法によっている。またステップS34とステップS33とを逆にする製造法も可能である。この石細胞を含む梨の濃縮冷凍卸し実を用いる際には、先ず解凍してから、水を加えて濃縮還元を行うようにするのである。解凍に水を用いて濃縮還元まで行うことも可能である。またこの段階で新たに調味料を加えることも可能である。この濃縮された冷凍卸し実は長期間に亘る保存が可能であり、所要時に解凍して漬物に供することが出来る。なお卸し液の濃縮は、卸し液の品質レベルの一定化を実現したりアイスの重量を低減させることに寄与する。
【0058】
第11実施形態
この実施形態はフルーツ感覚あるいはサラダ感覚で食することが出来る新しいらっきょう漬けの製造方法に関するものである。梨の皮を剥き、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るように卸し(ステップS37)、この卸し実80重量パーセントに対して20重量パーセントの乳酸菌飲料を加えて調味液7とし(ステップS38)、この石細胞20を含む調味液7の中にらっきょう8を漬け(ステップS39)、頃合を調べてそのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS40)。
【0059】
らっきょう8の周りには、図15のステップS39の右横に説明図として図示した通り、調味液7がまとわり付いているが、この調味液7の中には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が含まれている。このことによって、らっきょう8を噛んだ時につぶつぶしゃきしゃきとした食感が生まれるのであり、この食感は、卸す前の梨の実である時の食感であるつぶつぶしゃきしゃき感を継承したものなのである。なおらっきよう8の代わりに黒らっきようを用いることが可能である。黒らっきようは鳥取県園芸試験場で開発されたものであり、熟したらっきょうの実を摂氏90度で2日間ほど蒸し焼きにして成るものである。鳥取県産の梨との相性も良好である。
【0060】
第12実施形態
この実施形態は新しいニンニク漬けの製造方法に係るものである。梨の皮を剥き、卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞20が残るようにして卸し(ステップS41)、これに乳酸菌食品としてのヨーグルトと、予め製造しておいた発酵ニンニクである黒ニンニクとを混ぜ合わせ(ステップS42)、頃合を見てそのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS43)。
【0061】
発酵ニンニクの周りにはヨーグルトの調味液がまとわり付いており、この調味液には梨を卸して得られたたくさんの石細胞20が含まれている。これによってヨーグルトの円やかな食味と梨の実の食感であるつぶつぶしゃきしゃきした感じが得られるのである。
【0062】
第13実施形態
この実施形態は新しいドリンクの製造方法に関するものである。梨の皮を剥いて、これを卸し機に掛けてつぶつぶした石細胞が残るようにして卸し(ステップS44)、これに市販の一例カルピス(登録商標)のような乳酸菌飲料を加えて(ステップS45)、そのまま袋詰めや瓶詰めや缶詰として密封包装する(ステップS46)。
【0063】
このドリンクには乳酸菌飲料と石細胞をたっぷりと含んだ梨ジュースとが含まれており、乳酸菌飲料による円やかな味わいと、喉越しのつぶつぶしゃきしゃきとした感じとを楽しむことが出来る。
【0064】
第14実施形態
この実施形態は梨の冷凍ドリンクの製造方法に関するものである。梨の実の皮を剥き、これを卸し機に掛けて、つぶつぶとした石細胞20を残すようにしつつ卸し(ステップS47)、これに乳酸菌飲料としての市販の飲むヨーグルトを加え(ステップS48)、これに別途予め作っておいた発酵ニンニク(黒ニンニク)を卸したものを混ぜ合わせ(ステップS49)、袋に詰めて冷凍する(ステップS50)。
【0065】
このようにして提供された冷凍ドリンクは解凍して用いられるが、解凍前であれば長期間に亘る保存が可能である。なおクラッシュアイスまたはキュービックアイスなどとしての提供も可能である。また冷凍ドリンクとしてのみならず漬物用の冷凍卸し実としての使用が可能である。その何れにせよ、飲むヨーグルトによる円やかな味わいと、梨の石細胞によるつぶつぶしゃきしゃきとした食感とを楽しむことが出来るのである。
【0066】
その他の実施形態
この発明では具材に獣肉を用いることが出来るが、獣肉には生肉の他にサラミやハムソーセージなどの加工肉を用いても良い。また具材に魚貝類を用いることが出来るが、魚介類にはカニ肉やエビ肉などの他に、カニカマボコなどの加工品を用いても良い。また具材に用いる野菜として、ドライフルーツなどの乾燥果肉や千切大根などの乾燥野菜を利用することが可能である。葉野菜のみならず根菜類も利用し得る。
【0067】
またこの発明では、調味液にミリンや日本酒やワインなどのアルコールを混ぜ合わせることが出来る。
【0068】
またこの発明では和梨を用いても洋梨を用いても良い。従って例えば大きめの石細胞を含む和梨の卸しと小さめの石細胞を含む洋梨の卸しとを混合したものとして提供しても良い。
【産業上の利用可能性】
【0069】
この発明の内、梨の冷凍卸し実に関しては、これを家庭用の調味液として販売することが出来る。また漬物のためのみならず、例えば和食や洋食や中華などの料理や菓子やドリンク等に用いるソース材料として提供することが出来る。なおこの新しいソースを用いた料理や菓子やドリンク等を冷凍して、冷凍食品として提供することが可能である。
【符号の説明】
【0070】
1 漬物容器
10 重石
2 調味液
20 石細胞
22 冷凍卸し実
3 野菜
4 包装袋
5 包装袋
6 調味液
7 調味液
8 らっきょう
【特許請求の範囲】
【請求項1】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これに具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項2】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて具材を漬け込む、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項3】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させ、これを前記梨の卸し実に漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項4】
さらに酢を加える、請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項5】
前記具材に野菜を用いる、請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項6】
前記具材としての野菜にらっきょうを用いる、請求項5に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の製造方法により、具材に野菜を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の製造方法により、具材に野菜としてのらっきょうを用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項9】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品を混ぜ合わせて提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法。
【請求項10】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法。
【請求項11】
さらに酢を加える、請求項9または請求項10に記載の梨の石細胞を含む飲料の製造方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11の何れか一に記載の製造方法により製造された、梨の石細胞を含む飲料。
【請求項13】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、この混合液を冷凍する、漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項14】
冷凍に先立ってさらに酢を加える、請求項13に記載の漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項15】
前記混合液を濃縮した後に冷凍する、請求項13または請求項14に記載の漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項16】
請求項13乃至請求項15の何れか一に記載の製造方法により製造された、漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実。
【請求項1】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これに具材を漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項2】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して卸し液に戻し、これを用いて具材を漬け込む、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項3】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、具材に乳酸菌を加えて乳酸菌発酵させ、これを前記梨の卸し実に漬け込み、漬いた具材を前記石細胞を付着させた状態で提供する、梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項4】
さらに酢を加える、請求項1乃至請求項3の何れか一に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項5】
前記具材に野菜を用いる、請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項6】
前記具材としての野菜にらっきょうを用いる、請求項5に記載の梨の石細胞を含む漬物の製造方法。
【請求項7】
請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の製造方法により、具材に野菜を用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項8】
請求項1乃至請求項4の何れか一に記載の製造方法により、具材に野菜としてのらっきょうを用いて製造された、梨の石細胞を含む漬物。
【請求項9】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品を混ぜ合わせて提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法。
【請求項10】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸し、この卸し液を粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、これを一旦冷凍して梨の冷凍卸し実を作り、この梨の冷凍卸し実を適時に解凍して提供する、梨の石細胞を含む飲料の製造方法。
【請求項11】
さらに酢を加える、請求項9または請求項10に記載の梨の石細胞を含む飲料の製造方法。
【請求項12】
請求項9乃至請求項11の何れか一に記載の製造方法により製造された、梨の石細胞を含む飲料。
【請求項13】
梨の実を、好ましくは梨の剥き実を、石細胞を残すようにして卸して、粉末状・顆粒状・液状・ゲル状などの状態の乳酸菌食品と混ぜ合わせ、この混合液を冷凍する、漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項14】
冷凍に先立ってさらに酢を加える、請求項13に記載の漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項15】
前記混合液を濃縮した後に冷凍する、請求項13または請求項14に記載の漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実の製造方法。
【請求項16】
請求項13乃至請求項15の何れか一に記載の製造方法により製造された、漬物用や飲料用の梨の冷凍卸し実。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【公開番号】特開2012−152207(P2012−152207A)
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−29158(P2011−29158)
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(594168115)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年8月16日(2012.8.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年1月26日(2011.1.26)
【出願人】(594168115)
【Fターム(参考)】
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