説明

梱包ボックス

【課題】梱包物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、梱包ボックス内に収納された梱包物のがたつきを抑制し、且つ、製品コストを低減する。
【解決手段】梱包ボックス1は、枠体2内に複数のガラス板20が収納され、両側の開口から板部材3がそれぞれ嵌め込まれている。そして、枠体2及び板部材3の外周にはバンドが巻回されて締め付けられている。枠体2の開口した端部には、Z方向に切り欠かれ、バンド4a、4bがかけられる溝10、11が形成されており、溝10、11のZ方向に関する長さは、板部材3の厚み以上である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、板状の梱包物を複数積層して収納する梱包ボックスに関するものである。
【背景技術】
【0002】
ガラス板やリードフレームなどの板状部材は、搬送や保管の際に、複数積層して梱包ボックスに梱包されることがある。このような梱包ボックスとして、例えば、特許文献1には、上部が開口した箱内に複数の梱包物を収納して蓋板を被せた収納容器について開示されている。この特許文献1に記載の収納容器においては、箱内に複数の梱包物が収納された状態で、箱の内寸法よりも若干小さな外寸法の蓋板を載せている。そして、蓋板が箱内に沈み最上部の梱包物と接触することで、複数の梱包物を積層して収納している。
【0003】
また、特許文献2には、上部が開口し、バンドが取り付けられた箱体からなる本体内に複数の梱包物を収納した梱包装置について開示されている。この特許文献2に記載の梱包装置においては、本体の外寸法と同等の外寸法を有し、その下面が本体の側壁の上面と係合可能な蓋体を本体の開口に被せている。そして、蓋体に設けられた案内溝にバンドがかけられて、本体と蓋体とを結束して、複数の梱包物を積層して収納している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】実開平5−71133号公報(図3)
【特許文献2】特開2007−84124号公報(図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の収納容器においては、箱に対して蓋板が固定されていない。そのため、箱に対して蓋板がずれて、収納された梱包物が箱内でがたつくおそれがある。また、収納容器を置く姿勢が箱の開口を上方に向けた姿勢に限られてしまう。
【0006】
特許文献2に記載の梱包装置においては、収納する梱包物の厚みや積層枚数を変えて、梱包物全体の合計厚みを変えると、最上部の梱包物と蓋体との間に隙間が生じてしまう。すると、収納された梱包物が本体内でがたつくおそれがある。そして、梱包物全体の合計厚みが異なる複数の梱包形態に対して、それぞれ異なる種類の梱包装置が必要となり、梱包装置の製品コストが増大してしまう。
【0007】
そこで、本発明の目的は、梱包物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、梱包ボックス内に収納された梱包物のがたつきを抑制し、且つ、製品コストを低減した梱包ボックスを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の梱包ボックスは、板状の梱包物を複数積層して収納する梱包ボックスであって、複数の前記梱包物の積層方向における少なくとも一方に開口を有し、前記複数の梱包物を積層して収納する収納部材と、前記収納部材の内寸法よりも小さな外寸法を有し、前記収納部材の前記開口から嵌め込まれて前記梱包物と接触する板部材と、前記収納部材に前記板部材を固定させるバンドと、を備えている。前記収納部材の開口した端部には、前記積層方向に切り欠かれ、前記バンドがかけられる溝が形成されており、前記溝の前記積層方向に関する長さは、前記板部材の厚み以上である。
【0009】
本発明の梱包ボックスによると、溝の長さを板部材の厚み以上とし、さらに、収納される梱包物の厚み及び積層枚数、すなわち梱包物全体の合計厚みに応じた長さに溝の長さを設定することで、梱包物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、板部材を梱包物に接触させて、収納部材に板部材をバンドにより固定することができる。以上のことから、梱包物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、板部材が梱包ボックスからはみ出すことなく、梱包ボックスの積層方向に関する寸法を一定にして、梱包ボックス内に収納された梱包物のがたつきを抑制することができる。また、梱包ボックスの置く姿勢を自由に設定することができる。さらに、1種類の梱包ボックスで、梱包物全体の合計厚みが異なる複数の梱包形態に対応可能であり、梱包ボックスの製品コストを低減することができる。
【0010】
また、前記溝の前記積層方向に関する長さは、前記板部材の厚みと前記バンドの厚みとの和以上であることが好ましい。
【0011】
これによると、溝にバンドも含めて、梱包ボックスからはみ出すことなく、梱包ボックスの積層方向に関する寸法を一定に収めることができ、また、バンドが溝に嵌っているため、バンドがずれ難く、板部材を梱包物に接触させて、梱包ボックス内に収納された梱包物のがたつきをより抑制することができる。
【0012】
さらに、前記収納部材は、前記積層方向における両側に開口を有する枠体となっており、前記枠体の両側の前記開口から前記板部材がそれぞれ嵌め込まれており、前記枠体の開口した両側端部には、前記積層方向に切り欠かれ、前記バンドがかけられる前記溝がそれぞれ形成されていることが好ましい。
【0013】
これによると、収納部材の枠体と板部材とが別部材となっており、収納部材の枠体と板部材とが一体的に形成されて容器状になっている場合に比べて、各部材の形成が容易であり、製品コストをさらに低減することができる。また、梱包ボックスは積層方向に関して対称である。したがって、例えば、梱包ボックスを搬送するためにパレットに積み入れたり、積み下ろしたりするときに、梱包ボックスの積層方向の向きを考慮する必要がなく、積み入れ、積み下ろしにかかる時間を短縮することができる。さらに、例えば、梱包ボックスに梱包物を梱包したり、取り出したりするときに、枠体の向きを考慮する必要がなく、梱包、取り出しにかかる時間も短縮することができる。また、梱包ボックスに収納された梱包物全体を積層方向に関して対称に配置することが可能であり、重量バランスを安定させることができる。
【0014】
加えて、前記収納部材の内側面には、前記積層方向に沿って延在した凸部が形成されており、前記板部材の縁部には、前記凸部と嵌合可能な凹部が形成されていることが好ましい。
【0015】
これによると、板部材を収納部材に嵌め込んだときにおける板部材と収納部材との結合度が高まり、積層方向と直交する方向からの荷重に対する強度を向上させることができる。
【発明の効果】
【0016】
溝の長さを板部材の厚み以上とし、さらに、収納される梱包物の厚み及び積層枚数、すなわち梱包物全体の合計厚みに応じた長さに溝の長さを設定することで、梱包物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、板部材を梱包物に接触させて、収納部材に板部材をバンドにより固定することができる。以上のことから、梱包物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、板部材が梱包ボックスからはみ出すことなく、梱包ボックスの積層方向に関する寸法を一定にして、梱包ボックス内に収納された梱包物のがたつきを抑制することができる。また、梱包ボックスの置く姿勢を自由に設定することができる。さらに、1種類の梱包ボックスで、梱包物全体の合計厚みが異なる複数の梱包形態に対応可能であり、梱包ボックスの製品コストを低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る梱包ボックスの斜視図である。
【図2】梱包ボックスの平面図である。
【図3】梱包ボックスの分解斜視図である。
【図4】(a)は最大枚数収納時における梱包ボックスの側面図であり、(b)は最小枚数収納時における梱包ボックスの側面図である。
【図5】梱包ボックスの包装形態について説明する梱包ボックスの斜視図である。
【図6】変形例における梱包ボックスの分解斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明の実施形態について説明する。図1〜3に示すように、梱包ボックス1は、枠体2と、2枚の板部材3と、バンド4a、4bとを有している。枠体2は、例えば、発泡スチロールやABS樹脂などの合成樹脂やダンボールなどからなり、X方向に延在し、互いに対向する2つの側壁5と、X方向と直交するY方向に延在し、互いに対向する2つの側壁6とを有している。そして、枠体2は、側壁5の端部と側壁6の端部とがそれぞれ接続されて矩形状となっており、図3に示すように、X方向及びY方向と直交するZ方向の両側に開口7が設けられた構成となっている。また、バンド4a、4bは、例えば、ポリプロピレン製の帯状のもので、自由端が結合される構成となっている。
【0019】
枠体2の内部空間には、液晶パネルなどのガラス板20(梱包物)が厚み方向(Z方向)に複数積層されており、複数のガラス板20の間には緩衝材として発泡ポリエチレンシート21がそれぞれ挟まれている。そして、複数のガラス板20と複数の発泡ポリエチレンシート21とは交互に積層されており、両端には発泡ポリエチレンシート21が配置されている。なお、本実施形態におけるZ方向が、本発明における積層方向に相当する。
【0020】
枠体2の内部空間を画定し、側壁5、6の互いに対向する内側面5a、6aには、Z方向に延在し、突出した凸部8、9がそれぞれ形成されている。さらに、枠体2の開口した端部であり、側壁5、6のZ方向の両端部には、溝10、11が切り欠かれている。溝10、11のZ方向に関する長さは、板部材3の厚みとバンド4a(4b)との厚みの和以上となっている。
【0021】
板部材3は、枠体2と同様の材料からなり、枠体2の内寸法よりも若干小さな外寸法を有している。また、板部材3の縁部には、枠体2の側壁5、6に形成された凸部8、9と嵌合可能な凹部12、13が形成されている。そして、板部材3は、凹部12、13と凸部8、9とが嵌合された状態で、枠体2の両側の開口7からそれぞれ嵌め込まれている。
【0022】
そして、2枚の板部材3は、Z方向の両端に配置された発泡ポリエチレンシート21にそれぞれ接触している。これにより、枠体2の内部空間の複数のガラス板20は、2枚の板部材3により挟まれて、隙間なく収納されることになる。なお、本実施形態における2枚の板部材3のうちいずれか1枚の板部材3と枠体2とが、本発明における収納部材に相当する。
【0023】
バンド4a、4bは前記枠体2に前記板部材3を固定するものである。バンド4aは、溝10にかけられており、YZ平面内において枠体2の外側面及び板部材3の表面に巻回されている。バンド4bは、溝11にかけられており、XZ平面内において枠体2の外側面及び板部材3の表面に巻回されている。そして、複数のガラス板20を挟み、枠体2の開口7に嵌め込まれた2枚の板部材3は、バンド4a、4bにより、互いに近づく向きに締め付けられて、枠体2から外れない構成となっている。
【0024】
次に、梱包ボックス1の枠体2の溝10、11の長さについて説明する。図4は、ガラス板の積層枚数の変化にともなうバンドの締め付けについて説明する梱包ボックスの側面図であり、(a)は最大枚数収納時であり、(b)は最小枚数収納時である。なお、以下の説明においては、図4に図示された溝10と溝10にかけられたバンド4aを例示して説明するが、溝11と溝11にかけられたバンド4bに対しても同様であり、その説明については省略する。
【0025】
図4(a)に示すように、溝10の長さは、板部材3の厚み以上であり、より詳細には、板部材3とバンド4aと発泡ポリエチレンシート21との厚みの和以上となっている。すると、バンド4aと2枚の板部材3が、枠体2の開口7からはみ出さないように、ガラス板20を最大枚数収納した場合、ここでは5枚のガラス板20を収納することができる。そして、溝10にバンド4aをかけて締め付けることができる。
【0026】
また、図4(b)に示すように、ガラス板20を最小枚数収納した場合、ここでは3枚のガラス板20を収納することができる。このとき、枠体2に嵌め込まれた板部材3の外側の面は、枠体2の溝10の底面よりも張り出している。したがって、溝10にバンド4aをかけたときには、このバンド4aは、板部材3の外側の面に接触して締め付けることができる。このように、本実施形態における梱包ボックス1は、3〜5枚のガラス板20を梱包することができる。
【0027】
次に、梱包ボックス1の包装形態について説明する。梱包ボックス1は、保管時や搬送時において、複数まとめて包装される。図5に示すように、梱包ボックス1は、Z方向(複数のガラス板20の積層方向)が水平面と平行になった縦置きの姿勢で、パレット30内にZ方向に沿って複数並べて配置される。そして、複数の梱包ボックス1が配置されたパレット30の上方から、複数の梱包ボックス1を取り囲むように胴枠31を被せて、天板シート32で蓋をして包装される。
【0028】
仮に、複数の梱包ボックス1を上下方向(Y方向)に積層すると、下の方の梱包ボックス1に収納されたガラス板20については、上に積層された梱包ボックス1の荷重がかかってしまい、撓むなどの不都合が生じてしまう。そこで、複数の梱包ボックス1を縦置きとすることで、ガラス板20が撓むなどの不具合を解消して、複数のガラス板20の特性を均一にすることができる。
【0029】
次に、梱包ボックス1への複数のガラス板20を梱包する方法としては、まず、バンド4a、4bを置いて、その上に板部材3を置いて、さらにその上に交互に積層されたガラス板20と発泡ポリエチレンシート21とを載置する。その後、ガラス板20と発泡ポリエチレンシート21との周囲を取り囲むように枠体2を被せて、板部材3で蓋をする。そして、溝10、11にバンド4a、4bをかけてバンド4a、4bの自由端を結合して梱包が完了する。
【0030】
また、梱包ボックス1に梱包された複数のガラス板20を取り出す方法としては、まず、溝10、11にかかったバンド4a、4bを外す。その後、作業者側の板部材3を外すとともに、枠体2を外す。そして、板部材3上に載置された複数のガラス板20を取り出す。
【0031】
上述したように、梱包ボックス1にガラス板20を梱包するときに、板部材3上に複数のガラス板20を載置した後に枠体2を被せることで、枠体2内にガラス板20を収納するために、枠体2とガラス板20の間に作業者が手を差し込む必要がない。また、梱包ボックス1からガラス板20を取り出すときに、枠体2を外した後に複数のガラス板20を取り出すことで、枠体2内からガラス板20を取り出すために、枠体2とガラス板20の間に作業者が手を差し込む必要がない。したがって、梱包ボックス1を収納するガラス板20の大きさに応じた最小限の大きさになるように小型化することができる。これにより、梱包ボックス1内に収納されたガラス板20が面方向にがたつきにくい。
【0032】
本実施形態の梱包ボックス1によると、板部材3の表面が溝10、11から張り出していれば、板部材3をガラス板20に接触させて、バンド4a、4bにより締め付けることができる。そこで、溝10、11の長さを板部材3の厚み以上とし、さらに、収納されるガラス板20の厚みや積層枚数、すなわち梱包ボックス1内に収納される積層物(ガラス板20と発泡ポリエチレンシート21)の全体の合計厚みに応じた長さに設定することで、積層物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、板部材3をガラス板20に接触させて、バンド4a、4bにより締め付けることができる。
【0033】
以上のことから、板部材3の積層物全体の合計厚みの変化に柔軟に対応して、板部材3が梱包ボックス1からはみ出すことなく、梱包ボックス1の積層方向に関する寸法を一定にして、梱包ボックス1内に収納されたガラス板20のがたつきを抑制することができる。また、1種類の梱包ボックス1で、積層物全体の合計厚みが異なる複数の梱包形態に対応可能であり、梱包ボックス1の製品コストを低減することができる。さらに、梱包ボックス1の置く姿勢を自由に設定することができる。
【0034】
また、溝10、11の長さは、板部材3の厚みとバンド4a、4bの厚みとの和以上であることで、溝10、11にバンド4a、4bも含めて、梱包ボックス1からはみ出すことなく、梱包ボックス1の積層方向に関する寸法を一定に収めることができ、また、バンド4a、4bが溝10、11に嵌っているため、バンド4a、4bがずれ難く、板部材3をガラス板20に接触させて、梱包ボックス1内に収納されたガラス板20のがたつきをより抑制することができる。
【0035】
さらに、枠体2と板部材3とが別部材となっており、仮に、枠体2と一方の板部材3とが一体的に形成されて容器状になっている場合に比べて、各部材の形成が容易であり、製品コストをさらに低減することができる。また、梱包ボックス1は2枚の板部材3の対向する方向(Y方向)に関して線対称である。したがって、例えば、梱包ボックス1を搬送するためにパレット30に積み入れたり、積み下ろしたりするときに、梱包ボックス1のY方向の向きを考慮する必要がなく、積み入れ、積み下ろしにかかる時間を短縮することができる。さらに、例えば、梱包ボックス1に梱包物を梱包したり、取り出したりするときに、枠体2の向きを考慮する必要がなく、梱包、取り出しにかかる時間も短縮することができる。また、梱包ボックス1に収納された積層物全体を積層方向に関して対称に配置することが可能であり、重量バランスを安定させることができる。
【0036】
加えて、枠体2の内側面5a、6aには、積層方向に沿って延在した凸部8、9が形成されており、板部材3の縁部には、凸部8、9と嵌合可能な凹部12、13が形成されている。これにより、板部材3を枠体2に嵌め込んだときにおける、枠体2と板部材3との結合度が高まり、板部材3の面方向(Y方向と直交するX方向及びZ方向)からの荷重に対する強度を向上させることができる。
【0037】
次に、上述した実施形態に種々の変形を加えた変更形態について説明する。ただし、上述した実施形態と同様の構成を有するものについては、同じ符号を付して適宜その説明を省略する。
【0038】
本実施形態では、梱包ボックス1は、枠体2と2枚の板部材3などを有していたが、図6に示すように、梱包ボックス50は、枠体と一方の板部材とが一体的に形成された容器51と板部材3などを有していてもよい。これによると、上述した実施形態に比べて、板部材3の面方向からの荷重に対する強度を向上させることができる。
【0039】
また、本実施形態においては、枠体2の内側面5a、6aには凸部8、9が形成され、板部材3の縁部には凸部8、9と嵌合可能な凹部12、13が形成されていたが、凸部8、9と凹部12、13とは形成されていなくてもよい。
【0040】
さらに、本実施形態においては、梱包ボックス1内には、1種類のガラス板20を複数積層して収納していたが、厚みや形状の異なる複数種類のガラス板を複数積層して収納してもよい。このとき、梱包ボックス1内に収納される積層物の積層方向の両面が、溝10、11の底面よりも張り出していれば、バンド4a、4bで締め付けてがたつくのを抑制することができる。
【0041】
加えて、本実施形態においては、梱包ボックス1内に収納された積層物の数は1つであったが、板部材3の面方向に複数の積層物を並べてもよい。このとき、全ての積層物の厚みを均一にすれば、ガラス板の厚み、積層枚数及び形状などの種類は適宜変更可能である。
【0042】
さらに、本実施形態においては、枠体2及び板部材3の外周に、バンド4a(4b)を巻回させて枠体2に板部材3を固定する例について述べたが、溝に対応して枠体2に取り付けられたバンド4a(4b)を溝にかけるものであってもよい。また、バンド4a(4b)は、帯状のものの自由端を結合する例について述べたが、バンド4a(4b)は、弾性のある輪状のものであってもよい。
【0043】
加えて、本実施形態においては、梱包ボックス1の開口7の形状は、矩形状であったが、円状であってもよい。例えば、円状の梱包ボックス1としては、ディスクが収納される梱包ボックスが挙げられる。
【0044】
さらに、本実施形態においては、梱包ボックス1は、複数のガラス板20の積層方向が水平面と平行になるように縦置きでパレット30に包装されていたが、横置きで包装されてもよい。
【符号の説明】
【0045】
1 梱包ボックス
2 枠体
3 板部材
4a、4b バンド
7 開口
10、11 溝
20 ガラス板

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状の梱包物を複数積層して収納する梱包ボックスであって、
複数の前記梱包物の積層方向における少なくとも一方に開口を有し、前記複数の梱包物を積層して収納する収納部材と、
前記収納部材の内寸法よりも小さな外寸法を有し、前記収納部材の前記開口から嵌め込まれて前記梱包物と接触する板部材と、
前記収納部材に前記板部材を固定するバンドと、を備え、
前記収納部材の開口した端部には、前記積層方向に切り欠かれ、前記バンドがかけられる溝が形成されており、
前記溝の前記積層方向に関する長さは、前記板部材の厚み以上であることを特徴とする梱包ボックス。
【請求項2】
前記溝の前記積層方向に関する長さは、前記板部材の厚みと前記バンドの厚みとの和以上であることを特徴とする請求項1に記載の梱包ボックス。
【請求項3】
前記収納部材は、前記積層方向における両側に開口を有する枠体となっており、
前記枠体の両側の前記開口から前記板部材がそれぞれ嵌め込まれており、
前記枠体の開口した両側端部には、前記積層方向に切り欠かれ、前記バンドがかけられる前記溝がそれぞれ形成されていることを特徴とする請求項1または2に記載の梱包ボックス。
【請求項4】
前記収納部材の内側面には、前記積層方向に沿って延在した凸部が形成されており、
前記板部材の縁部には、前記凸部と嵌合可能な凹部が形成されていることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の梱包ボックス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2013−107643(P2013−107643A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−251450(P2011−251450)
【出願日】平成23年11月17日(2011.11.17)
【出願人】(593122789)ユーテック株式会社 (118)
【Fターム(参考)】