説明

梱包体

【課題】一枚の梱包部材から簡単に組み上げることができ、かつ、物体を橋架した梱包体を箱体に収納したとき、当該箱体の内側において、その内面から物体を浮かせるように保持できるようにする。
【解決手段】箱体に収納される物体を保持する梱包体であって、箱体の内幅と略等しい幅W1を有する底面部10と、物体の一方を保持する開孔部30Bを有し、底面部10の一方から延在して立設された側部20Aと、物体の他方を保持する開孔部30Bを有し、底面部10の他方から延在して立設された側部20Bとを備え、物体は、箱体内で側部20Aの開孔部30Aと側部20Bの開孔部30Bとの間に橋架するように収納されるものである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば換気装置のような比較的大きくて重さのある物体の梱包に適用可能な梱包体に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば換気装置等のような比較的大きくて重い物体を梱包する場合、換気装置の両端部に所定形状の梱包体(緩衝材)を装着してから箱体内に入れ込み、箱体内と換気装置との間に緩衝用の間隙を確保することが多い。従来は、これらの梱包体として発砲スチロール材等が使用されることが多かった。しかし最近では、ゴミの削減や廃棄処理時の環境対策のため、段ボール材による梱包体が使用されることが多くなっている。
【0003】
この種の梱包体によれば、初めに箱体と換気装置等との間隙部を採寸するとともに、梱包体の展開図に基づいて梱包部材を作成し、梱包部材の所定の箇所に切り込みを入れたり山折り又は谷折りに曲げて梱包体を組み立てるようになされる。
【0004】
こうした梱包体に関連して、特許文献1には梱包用緩衝材が開示されている。この梱包用緩衝材によれば、物品挿入口を有する頂壁に一対の側壁及び底壁をスリーブ状に連設し、頂壁のヒンジ線に連続して側面に切目を入れ、底壁と両側壁との稜線に沿った切目間に複数本の折目を有する折込部を設け、頂壁のヒンジ線、側壁の切目及び底壁の折込部を境界として物品保持部及び脚部を形成し、物品保持部から脚部を下方へ折り曲げて、折込部を折り込むようにして、折込部で物品の移動を抑制すると共に、脚部で物品保持部を浮き上がった状態に支持するというものである。このように構成すると、両側壁を一方へ倒して扁平に折り畳んでおくことができるので、輸送や保管に際して嵩張ることがなくなるというものである。
【0005】
【特許文献1】特開2005−335746号公報(第2頁、図1)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、換気装置等のように比較的大きく重い物を梱包するためには厚い段ボール材から頑丈な梱包体を組み上げる必要があり、梱包体の組立工程の簡略化は特に重要であるところ、従来例に係る梱包用緩衝材によれば、比較的構造が複雑で組立工程に比較的多くの工数が必要になるという問題がある。
【0007】
そこでこの発明は上述した課題を解決したものであって、一枚の梱包部材から簡単に組み上げることができ、かつ、物体を橋架した梱包体を箱体に収納したとき、当該箱体の内側において、その内面から物体を浮かせるように保持できるようにした梱包体及び物体の梱包方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するために、本発明に係る梱包体は、箱体に収納される物体を保持する梱包体であって、箱体の内幅と略等しい幅を有する平面部と、物体の一方を保持する開孔部を有し、平面部の一方から延在して立設され第1の側部と、物体の他方を保持する開孔部を有し、平面部の他方から延在して立設された第2の側部とを備え、物体は、箱体内で第1の側部の開孔部と第2の側部の開孔部との間に橋架するように収納されることを特徴とするものである。
【0009】
本発明に係る梱包体によれば、所定の幅及び長さを有した箱体に収納される物体を保持する場合に、物体は、第1の側部の開孔部と第2の側部の開孔部との間に橋架するように収納されるものである。従って、物体を橋架した梱包体を箱体に収納したとき、当該箱体の内側において、その内面から物体を浮かせるように保持できる。
【発明の効果】
【0010】
本発明に係る梱包体によれば、箱体に収納される物体を保持する場合に、物体は、当該箱体内で折り曲げ構造の第1の側部の開孔部と、折り曲げ構造の第2の側部の開孔部との間に橋架するように収納されるものである。この構成によって、物体を橋架した梱包体を箱体に収納したとき、当該箱体の内側において、その内面から物体を浮かせるように保持できるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、図面を参照しながら、この発明の実施形態に係る梱包体について説明をする。
【実施例1】
【0012】
図1は、本発明に係る第1の実施例としての梱包体100の構成例を示す斜視図である。図1に示す梱包体100は、例えば、換気装置1のような所定形状の物体を2つの方向から保持して、換気装置1とともに梱包用の箱体5内に入れ込まれるものである(図4参照)。梱包体100は、一枚の梱包部材101に基づいて構成され、換気装置1の緩衝材として機能する。またこの例で箱体5の内側は、内幅W5、内長L5、内高H5の空間を有し、底部には底面A5を有している(図4参照)。
【0013】
梱包体100は、底面部10、第1の側部20A及び第2の側部20Bから構成され、その中央部に梱包用の空間S1を有している。底面部10は、平面部の一例を構成し、箱体5の内幅W5と略等しい幅W1を有して、箱体5内で側部20A、側部20Bの立設位置を画定するものである。底面部10は、一方の面10aを空間S1に面するとともに、他方の面10bを箱体5の底面A5に接して配置される。また、底面部10の所定部にはここでは4つの孔部11が形成されている。底面部10は、幅W1と直交する長さL1を有している。底面部10の長さL1方向の両端部には、側部20A及び20Bがそれぞれ設けられる。
【0014】
側部20Aは、第1の側部の一例を構成し、換気装置1の一方を保持する開孔部30Aを有している。側部20Aは、内側に空間S1を有して底面部10の一方から延在して立設される。側部20Bは、第2の側部の一例を構成し、換気装置1の他方を保持する開孔部30Bを有している。側部20Bは、内側に空間S1を有して底面部10の他方から延在して立設される。
【0015】
側部20A及び20B(以下、2つを合わせて単に側部20ともよぶ。)は、長さL1’及び高さH1を有して構成される。高さH1は、箱体5の内高H5と略同等に設定される。側部20は、底面部10の両端部から箱体5内に立ち上がるように構成される。またここで、側部20A及び側部20Bの長さL1’は、底面部10の長さL1との合計が箱体5の内長L5に略等しくなるように設定される。
【0016】
側部20は、側面21、衝立面22及び23、天面24でなる折り曲げ立体構造を有している。側面21は、底面部10の長さL1方向の端部の略中央部から、底面部10の面10aに対して谷折りされる。側面21は、底面部10から空間S1側に略垂直に立ち上がるようになされる。立ち上げられた側面21の幅方向の両端部は、側面21に対して山折りされ、衝立面22及び23を構成する。
【0017】
衝立面22及び23は、空間S1の反対側に向けて屈曲され、側面21の衝立として機能する。衝立面22及び23の下方側の側端22b及び23bは、箱体5内の底面A5に接するようになる。
【0018】
衝立面22及び23の上方側の側端22c及び23cには凸部22a及び23aが形成されている。一方、側面21の高さH1方向の他端部からは、天面24が側面21に対して山折りされる。衝立面22及び23には天面24が覆い被さり、天面24の下面と側端22c及び23cとが接するようになされる。
【0019】
天面24には、凸部22a及び23aを嵌合可能な所定位置にスリット24a及び24bが形成されている。天面24が衝立面22及び23に覆い被さるとき、凸部22aとスリット24aとが嵌合し、凸部23aとスリット24bとが嵌合するようになる。これにより、衝立面22及び23が、側面21に対して略垂直に屈曲された状態で固定される。
【0020】
空間S1を挟んで互いに対向する側部20A及び側部20Bの側面21には、開孔部30A及び30B(以下、2つを合わせて単に開孔部30ともよぶ。)が形成される。開孔部30は、例えば換気装置1のダクト連結部2のような所定部位に合わせた形状、例えば円形に形成される(図4参照)。開孔部30は、例えばダクト連結部2を挿入され、換気装置1を両端部から保持する。
【0021】
開孔部30は側面21の所定の高さに形成され、換気装置1を底面部10から浮いた状態で保持するようになされる。換気装置1は、箱体5内で側部20Aの開孔部30Aと側部20Bの開孔部30Bとの間に橋架するように収納される。以上のようにして、梱包体100が構成される。ところで梱包体100は、底面部10、2つの側部20A及び20Bが、所定位置への切り込み及び所定の位置の折り曲げによって画定される一枚の梱包部材101から組み上げられる。以下で、梱包部材101について説明をする。
【0022】
図2は、梱包部材101の採寸例を示す図である。図2に示す梱包部材101は、梱包体100の展開図に基づいて構成されている。梱包部材101は、幅W1、長さ(L1+2×L2+2×L3)の略長方形の段ボール材から構成される。梱包部材用の段ボール材には、例えば二重構造の中芯(フルート)を有する比較的厚い段ボール材が用いられる。
【0023】
梱包部材101の略中央部には、底面部10が画定される。底面部10は、幅W1、長さL1の略長方形に構成される。このときの幅W1は、箱体5の内幅W5と略同等に設定されるとともに、長さL1は、梱包したい換気装置1の空間S1に収納される部位の長さと略同等に設定される。また、底面部10の所定部位には、孔部11がここでは4つ形成される。底面部10の長さL1方向の両端部には、側部20A及び20Bが略同じ大きさで配される。側部20は、それぞれ、側面21、衝立面22及び23、天面24から構成される。
【0024】
側面21は、底面部10の長さL1方向の端部の略中央部に、ヒンジ線F1を介して、幅W2及び長さL2に画定される。ヒンジ線F1は、折曲用の線であり、ミシン目等により構成される。このミシン目は、通常、段ボール材の厚さ方向に所定の深さで入れられるものである。また、ミシン目にかえて押圧による折目でヒンジ線F1を構成することもできる。
【0025】
側面21の幅W2は、開孔部30A,30Bの大きさより多少大きく設定される。もしくは、幅W1から(長さL1’×2)を引いた大きさに設定される。また長さL2は、図1に示した高さH1と略同等に設定される。長さL2は、箱体5の内高H5と略同等に設定されるとともに、梱包したい換気装置1の高さより大きく設定される。側面21の所定の位置には、開孔部30が形成される。
【0026】
側面21の幅W2方向の一方の端部には、ヒンジ線F2を介して、衝立面22が画定される。衝立面22は、幅W3及び長さL2に設定される。ここで幅W3は、長さL1’と略同等になさる。また幅W3は、換気装置1のダクト連結部2の長さよりも大きく設定される(図3参照)。衝立面22と底面部10との間には切込線C1が入れられ、2つの領域を分離する。
【0027】
側面21の他方の端部には、ヒンジ線F3を介して、衝立面23が画定される。衝立面23は、幅W3及び長さL2に設定される。衝立面23と底面部10との間には切込線C2が入れられ、2つの領域を分離する。
【0028】
一方、側面21の長さL2方向の他端部には、ヒンジ線F4を介して天面24が画定される。天面24は、幅W1及び長さL3に設定される。天面24の幅W1方向の両端部は、衝立面22及び23と接するように延在されている。
【0029】
天面24と衝立面22との間には、切込線C3が入れられ、2つの領域を分離するようになされる。また、この切込線C3は屈曲形状を有して形成され、衝立面22側には、幅方向に平行に距離D1に渡る凸部22aが形成される。
【0030】
同様に、天面24と衝立面23との間には、屈曲形状の切込線C4が入れられ、2つの領域を分離するようになされる。衝立面22側にも、幅方向に平行に距離D1に渡る凸部23aが形成される。
【0031】
更に、天面24には、第1及び第2の開孔部であるスリット部24a及び24bが形成される。スリット24a及び24bは、ここでは梱包部材101の長さ方向の最端部から長さ方向に平行な距離D1に形成される。側部20Aと側部20Bの内側には、衝立面22、23及び天面24との間に空間部S2、S3が形成される。また、スリット24a及び24bの幅方向に平行なスリット幅は、段ボール材の厚さと略同等に設定される。以上のようにして梱包部材101が構成される。以下で、梱包部材101による換気装置1の梱包方法について説明をする。
【0032】
図3は、換気装置1の構成例を示す斜視図である。図3に示す換気装置1は、長さ方向の両端部に、図示しないダクトが接続されて室内に送風したり、室外に排気したりするものである。換気装置1は、ダクト連結部2を備えるとともに、底部に金具3を備えている。換気装置1は、幅方向の大きさが幅W1よりも小さく、長さ方向の大きさ(ダクト連結部2を除く)が長さL1と略同等のものである。図示しないが、換気装置1の外表面には断熱材が設けられている。
【0033】
換気装置1は、外気を換気装置本体内に吸気し、建物内の室内に給気したり、室内の空気を屋外に排気するものであり、室内外の温度差によって換気装置本体に結露が生じるのを防止している。
【0034】
図4は、梱包体100による梱包例(その1)を示す斜視図である。図4に示す梱包部材100で換気装置1を梱包する場合、まず、上述のように、所定の大きさの梱包部材101を切込線C1及びC2に沿って切り込み、ヒンジ線F1に沿って折り曲げて、箱体5の内幅W5と略等しい幅の底部10を画定する。
【0035】
次に、画定された底部10の一方から延在し、内側に空間S1を有し、物体保持用の開孔部30Aを有する折り曲げ立体構造の側部20Aを立設する。このとき、ヒンジF1線で底面部10に対して側面21を谷折りし、側面21を略垂直に立ち上げる。次に、ヒンジ線F2で、側面21に対して衝立面22を山折りするとともに、ヒンジ線F3で、側面21に対して衝立面23を山折りし、衝立面22及び23を側面21の衝立として機能させる。更に、ヒンジ線F4で、側面21に対して天面24を山折りし、衝立面22及び23と接続する。このとき、凸部22aとスリット部24aとを嵌合させ、凸部23aとスリット部24bとを嵌合させる。
【0036】
同様の手順で、底部10の他方から延在し、内側に空間S1を有し、かつ、物体保持用の開孔部30Bを有する折り曲げ立体構造の側部20Bを立設する。更に、立設された側部20Aの開孔部30Aと側部20Bの開孔部30Bとの間に橋架するように箱体5内に換気装置1を収納する。このとき、例えば換気装置1の両端部のダクト連結部2を梱包体100の開孔部30に挿入する。またこの際には、ヒンジ線F1で側部20の角度をかえながら、両端部側から開孔部30にダクト連結部2を挿入するようにするとよい。次に、底面部10を下方側にした状態で、梱包体100を箱体5内に入れ込む。最後に、箱体5の傾向部を例えばガムテープで封鎖する。このようにして、換気装置1を梱包することができる。
【0037】
箱体5に入れ込まれた梱包体100は、幅方向、長さ方向及び高さ方向の位置を規制される。換気装置1は、梱包体100の側部20A及び20Bの間に架橋され、箱体5との間に緩衝用の間隙を確保される。
ところで、この例の換気装置1は円形の開孔部30に保持されるため、回転方向の位置を画定されない。しかしここでは、金具3によりその回転方向の移動による衝撃を吸収するようになされる。
【0038】
また、底面部10に、例えば四角形の所定部位を画定し、その3辺に切り込みを入れて残りの1辺で折り曲げ、所定部位を空間S1方向に立ち上げるようにしてもよい。このようにすると、所定部位で換気装置6の回転方向の移動を規制したり、所定部位を緩衝部として機能させることができる。梱包体100は、天地をかえて換気装置1を梱包することもできる。
【0039】
図5は、梱包体100による梱包例(その2)を示す斜視図である。図5に示す梱包体100は、箱体5内の底面A5に天面24を面するようにして、箱体5に入れ込まれている。このように梱包体100を配置すると、底面部10が換気装置1の上方側に覆い被さり、換気装置1の上面を保護するようになる。
【0040】
このように、この発明の第1の実施例に係る梱包体100によれば、所定の内幅W5及び内長L5を有した箱体5に収納される物体、例えば換気装置1を保持する場合に、換気装置1は、側部20Aの開孔部30Aと側部20Bの開孔部30Bとの間に橋架するように収納されるものである。
【0041】
従って、換気装置1を橋架した梱包体100を箱体5に収納したとき、箱体5の内側において、底面部10と換気装置1との間には、間隙である空間部STが形成されることになり、その内面から換気装置1を浮かせるように保持できる。これにより、箱体5と換気装置1との間に緩衝用の間隙を確保できるとともに、箱体5の搬送時の衝撃から換気装置1を保護できる。外表面に設けた断熱材が損傷することを防止できる。
【0042】
しかも、梱包部材101の所定位置に切り込みを形成し、所定の位置を折り曲げることによって底部10、側部20を容易に画定することができ、組み立てが簡単な梱包体100を提供できるようになる。これにより、2つ以上の梱包部材及び梱包体を使用する場合に比べて、必要な梱包部材及び梱包体の数を削減できる。
【0043】
また、図5に示したように梱包体100の天地をかえて配置すると、底面部10により換気装置1の上方側を保護できるようになるので、例えば、箱体5の開口部を塞ぐガムテープ5aがカッター等でカットされる場合に、換気装置1又は、換気装置1の上面に配置された説明書等の付属物が損傷されることを防止できる。
【0044】
更にこの場合に、底部10の孔部11により、箱体5を開口した使用者が梱包されているものである梱包物を即座に確認できる。更にまた、孔部11に指を掛けて、容易に梱包体100を箱体5に対して上方向に持ち上げることもできる。
【実施例2】
【0045】
図6は、本発明に係る第2の実施例としての梱包体200の構成例を示す斜視図である。図6に示す梱包体200は、第1の実施例の梱包体100の開孔部30にかえて、矩形の4つの開孔部31〜34を備えている。梱包体200は、底面部10、側部20A及び20B、開孔部31〜34を有している。ここで、第1の実施例と同じ名称及び符号のものは、同じ機能、同じ構造を有するのでその説明を省略する。
【0046】
開孔部31及び32は、側部20Aの側面21に互いに高さを違えて形成される。この例では、開孔部31が開孔部32に比べて高い位置に形成される。一方、開孔部33及び34は、側部20Bの側面21に互いに高さを違えて形成される。この例では、開孔部33が開孔部34に比べて高い位置に形成される。以上のようにして、梱包体200が構成される。以下で、換気装置6を梱包する際の梱包体200の機能について説明をする。
【0047】
図7A及びBは、梱包体200の機能例を示す斜視図である。図7Aに示す換気装置6は、両端部にダクト連結部7を有するとともに、側部に金具8a〜8dを有している(金具8a及び8bは不図示)。また、この換気装置6は、幅方向の大きさが幅W1よりも小さく、長さ方向の大きさが長さL1と略同等のものである。
【0048】
図7Bに示す梱包体200で換気装置6を梱包する場合、まず、金具8a及び8bを、開孔部31及び32に挿入する。このとき、ヒンジ線F1で側部20Aの角度をかえながら、挿入するようにするとよい。次に、金具8c及び8dを、開孔部33及び34に挿入する。このとき、ヒンジ線F1で側部20Bの角度をかえながら、挿入するようにするとよい。
【0049】
換気装置6を梱包体200で梱包したら、底面部10を下方側にした状態で箱体5内に入れ込む。最後に箱体5の上方側の開口部を塞ぐ。このようにして、梱包体200を用いて換気装置6を梱包することができる。
【0050】
このように、この発明の第2の実施例に係る梱包体200によれば、側部20A及び20Bに、矩形の開孔部31〜34を備えている。従って、突出する金具8a〜8dを有する換気装置6を梱包する場合に、換気装置6の、幅方向、長さ方向及び高さ方向への移動を規制できるとともに、回転を阻止できる。これにより、換気装置6の周囲4面に緩衝用の間隙を確実に確保できる。
【0051】
またこの例では、換気装置6の金具8a〜8dに合わせて開孔部31〜34を形成し、金具8a〜8dを保持するようにしたが、勿論これに限られることはなく、他の形状の開孔部を形成して、換気装置6のいずれか別の所定部位を保持するようにしてもよい。更に、この例の梱包体200も、天地をかえて箱体5に入れ込むことができる。
【実施例3】
【0052】
図8は、本発明に係る第3の実施例としての梱包体300の構成例を示す斜視図である。図8に示す梱包体300は、第1の実施例の梱包体100の開孔部30にかえて、矩形の2つの開孔部35A及び35Bを備えている。梱包体300は、底面部10、側部20A及び20B、開孔部35A及び35Bを有している。ここで、第1の実施例と同じ名称及び符号のものは、同じ機能、同じ構造を有するのでその説明を省略する。
【0053】
開孔部35Aは、側部20Aの側面21に略長方形に形成される。一方、開孔部35Bは、側部20Bの側面21に略長方形に形成される。以上のようにして、梱包体300が構成される。以下で、装置9を梱包する際の梱包体300の機能について説明をする。
【0054】
図9A〜Cは、梱包体300の機能例を示す図である。図9Aの斜視図に示す装置9は、幅W9、長さL9、高さH9の略直方体に構成され、互いに対角する角部9a及び9bを有している。ここで、梱包体300の高さH1は、装置9の高さH9より大きく設定されている。
【0055】
図9Bの斜視図に示す梱包体300で装置9を梱包する場合、まず、角部9aを、開孔部35Aに挿入する。このとき、ヒンジ線F1で側部20Aの角度をかえながら、挿入するようにするとよい。次に、角部9bを、開孔部35Bに挿入する。このとき、ヒンジ線F1で側部20Bの角度をかえながら、挿入するようにするとよい。
【0056】
装置9を梱包体300で梱包したら、底面部10を下方側又は上方側にした状態で箱体5内に入れ込む。最後に箱体5の上方側の開口部を塞ぐ。このようにして、梱包体300を用いて装置9を梱包することができる。
【0057】
図9Cの上面図は梱包された装置9を示している。図9Cに示す装置9は、幅W1と平行な幅W9’を有するとともに、長さL1と平行な長さL9’を有するように、梱包体300に装着されている。ここで、幅W1が幅W9’よりも大きく設定されることにより、装置9と箱体5との間に、幅W9”の間隙が確保され、空間STが形成される。
【0058】
このように、この発明の第3の実施例に係る梱包体300によれば、側部20A及び20Bに、矩形の開孔部35A及び35Bを備えている。従って、突出部を有しない略直方体形状の装置9を梱包する場合に、装置9の、幅方向、長さ方向及び高さ方向への移動を規制できるとともに、回転を阻止できる。これにより、装置9の周囲4面に緩衝用の間隙を確実に確保できる。
【産業上の利用可能性】
【0059】
この発明は、例えば換気装置のような比較的大きくて重さのある物体の梱包に適用して極めて好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】第1の実施例としての梱包体100の構成例を示す斜視図である。
【図2】梱包部材101の採寸例を示す図である。
【図3】換気装置1の構成例を示す斜視図である。
【図4】梱包体100による梱包例(その1)を示す斜視図である。
【図5】梱包体100による梱包例(その2)を示す斜視図である。
【図6】第2の実施例としての梱包体200の構成例を示す斜視図である。
【図7】(A)及び(B)は、梱包体200の機能例を示す斜視図である。
【図8】第3の実施例としての梱包体300の構成例を示す斜視図である。
【図9】(A)〜(C)は、梱包体300の機能例を示す図である。
【符号の説明】
【0061】
1,6・・・換気装置、2,7・・・ダクト用連結部、3,8a〜8d・・・金具、9・・・装置、10・・・底面部、20・・・側部、21・・・側面、22,23・・・衝立面、24・・・天面、30〜34,35A,35B・・・開孔部、100,200,300・・・梱包体、101・・・梱包部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
箱体に収納される物体を保持する梱包体であって、
前記箱体の内幅と略等しい幅を有する平面部と、
前記物体の一方を保持する開孔部を有し、前記平面部の一方から延在して立設された第1の側部と、
前記物体の他方を保持する開孔部を有し、前記平面部の他方から延在して立設された第2の側部とを備え、
前記物体は、
前記箱体内で前記第1の側部の開孔部と第2の側部の開孔部との間に橋架するように収納されることを特徴とする梱包体。
【請求項2】
前記第1及び第2の側部は、
前記平面部の幅方向と直交する方向を長さ方向としたとき、
前記平面部の長さ方向の端部の略中央部から、該平面部に対して谷折りされる側面と、
前記側面の幅方向の両端部から、当該側面に対して山折りされる第1及び第2の衝立面とを有し、
前記第1及び第2の衝立面に覆い被さるように、前記側面の長さ方向の他端部から、前記側面に対して山折りされる天面とによる折り曲げ立体構造をなし、
前記第1及び第2の衝立面は、
前記天面と接する側端に第1及び第2の凸部を有し、
前記天面は、
前記第1及び第2の凸部と嵌合可能な所定位置に第1及び第2の開孔部を有し、
前記第1の凸部と前記第1の開孔部とが嵌合し、前記第2の凸部と前記第2の開孔部とが嵌合することにより、
前記天面が、前記第1及び第2の衝立面に覆い被さった状態で固定されることを特徴とする請求項1に記載の梱包体。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−1328(P2009−1328A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−166866(P2007−166866)
【出願日】平成19年6月25日(2007.6.25)
【出願人】(000006301)マックス株式会社 (1,275)
【Fターム(参考)】