説明

梱包手段

【課題】一度の輸送でより多くの製品を効率よく積載できる梱包手段を提供する。
【解決手段】
本発明は、精密機器や精密部品、特に情報分野に使用される記録装置等を動作させるために、構成される精密モータ等を輸送する際の梱包手段に関するものである。
スリーブの開口部は、底蓋及び複数の収容ケース及び複数のパッド及び4本のコーナーボード及び天蓋を外側から覆い囲むことが出来る寸法であることを特徴としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、精密機器や精密部品、特に情報分野に使用される記録装置等を動作させるために構成される精密モータ等を輸送する際の梱包手段に関するものである。
本発明は、梱包手段に係り、輸送スペースの単位面積あたりの製品数量を効率よく積載することで一度に大量の製品を輸送することができ、結果、輸送時の製品1台あたりに発生するCO2等の温室効果ガスの排出量削減を促進するものである。
【背景技術】
【0002】
従来の梱包手段は、パレット110の上に、底111と胴部112を置き、胴部112の中に下部緩衝材114と格子状間仕切り115を挿入し、格子状間仕切り115により区画される物品収納空間117に物品130を挿入し、その上に上部緩衝材116と蓋113を置く。
【0003】
パレット110、底111、胴部112、及び蓋113をひとくくりにして結束バンド118で結束すると、物品130は、下部緩衝材114と上部緩衝材116の間に、両緩衝材の弾力で挟持される。底111、胴部112、蓋113、及び格子状間仕切り115はダンボール紙からなり、下部緩衝材114と上部緩衝材116は発泡ウレタンの肉厚シートで構成されている。(特許文献1参照。)
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2008−174255号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
今日、地球温暖化対策としてCO2等による温室効果ガス排出の削減取り組みが注目されている。グローバル化が進んだ現在、数々の商品が航空便や船便そしてトラック便などで、世界各国のお客様へと届けられている。これら航空便や船便やトラック便は、化石燃料を消費することで多くの温室効果ガスを排出している。一度の輸送移動でより多くの商品や製品を運ぶことは、温室効果ガスの削減に有効な対策である。
【0006】
このような世界情勢の中、従来の梱包構造では、パレットの上に置かれた一つの梱包ケースに収納される商品や製品の搭載数量には限界があった。
一般的にパレットサイズは、約1m×約1mが主流となっている。このパレット上の一定面積に置かれる梱包ケースに収納される物品の数量は、収容される物品の大きさにより搭載数の上限が決まってしまい、積載効率の悪い輸送状態が発生することが多く見受けられた。
【0007】
本発明は、前記従来の課題を解決するもので、限られた一定のスペースの中により多くの商品を収納できる梱包手段を提供することで、輸送時に商品1つ当たりから発生する温室効果ガスの削減に寄与することができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記従来の課題を解決するために、本発明は、底蓋と、複数の収容ケースと、前記底蓋の四隅に設置される4本のコーナーボードと、前記収容ケース間に挿入される複数のパットと、天蓋と、スリーブとから成り、スリーブの開口部は、底蓋及び複数の収容ケース及び複数のパッド及び4本のコーナーボード及び天蓋を外側から覆い囲むことが出来る寸法であることを特徴とした梱包手段である。
【発明の効果】
【0009】
本発明の梱包手段によれば、一定面積での物品収納数量を格段に増やすことができ、航空等の輸送手段を使って輸送する際に排出されるCO2等の温室効果ガスの削減に貢献することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の実施の形態における梱包手段の構成図
【図2】本発明の実施の形態における梱包手段の構成の部分詳細図
【図3】本発明の実施の形態における収容ケース1段の状態図
【図4】本発明の実施の形態におけるコーナーボード挿入状態図
【図5】本発明の実施の形態における収容ケース5段重ねの状態図
【図6】本発明の実施の形態における収容ケース10段重ねの状態図
【図7】本発明の実施の形態における天蓋装着時の状態図
【図8】本発明の実施の形態におけるスリーブ装着時の状態図
【図9】本発明の実施の形態における出荷状態完成の状態図
【図10】従来の梱包手段の構成図
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に、本発明の梱包手段の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。
(実施の形態)
図1は、本発明の実施の形態1における梱包手段の構成図を示す。
また、図2は、図1の部分詳細図を示す。
【0012】
図1及び図2において、1は、木材やプラスチック等から成るパレットで、一般的にフォークリフト等の移動装置を用いて搬送できるように挿入溝が設けられ約1m四方の正方形または長方形の一定形状をしている。前期パレット1の上に底蓋2が載せられ、前記底蓋2の中には収容ケース3aが収められる。
【0013】
前記底蓋2の4隅と前記収容ケース3aの隙間にコーナーボード4a、4b、4c、4dの4本が直立するように挿入されている。前記収容ケース3aの上にパット5aが乗せられ、前記パット5aの上には収容ケース3bが乗せられている。前記収容ケース3bの上には以下同様にパットと収容ケースが交互に乗せられている。
【0014】
コーナーボード4a〜4dの長さは、収容ケースとパットを積み重ねた高さとほぼ等しく成るように設置されている。収容ケースやパットを積み重ねる段数は、輸送時に許容される高さに合わせて決めることができる。例えば、一般的な貨物コンテナに積載する場合、高さは約2mまで許容される。つまり高さが2m以下に収まるまで収容ケースとパットを積み重ねることが出来ることになる。積み重ねた高さが、許容高さ寸法に近ければ近いほど、より多くの製品を積載することが出来ること意味する。
【0015】
本実施の形態では、収容ケース3a〜3jとパット5a〜5jがそれぞれ10段重ねられた事例を記載している。
【0016】
それぞれの収容ケースには、収容スペースが設けられていて、それぞれの収容スペースには、製品が格納されている。本実施の形態では、一つの収容ケースに15個の収容スペースが設けられている。図1では、収容ケース3jを代表に収容スペース6と製品7を記載している。
【0017】
8は、天蓋で、最上段のパット5jの上から被せられている。9は、スリーブで底蓋2と、4本のコーナーボード4a〜4dと、10段に重ねられた収容ケース3a〜3jと、パット5a〜5jと、天蓋8とを全体を囲む様に被せられ、全体で梱包ケース10を構成している。
【0018】
次に以下、図3から図9を用いて、本実施の形態における梱包ケース10の具体的な組立作業手順を説明する。
【0019】
図3において、定尺サイズのパレット1の上に前記パレット1のサイズにほぼ一致した底蓋2を載せ、次に収容ケース3aを前記底蓋2の中に入れる。
前記底蓋2と前記収容ケース3aの四隅には、コーナーボード4a〜4dが一本ずつ設置できる隙間が設けられている。この段階では、4本の前記コーナーボード4a〜4dの中3本のコーナーボード4a、4b、4cを挿入する。
【0020】
図4は、底蓋2の隅の内側に収容ケース3aの角との間にある隙間に、コーナーボード4bが挿入されている状態を描いた詳細図である。コーナーボード4bは、5mm程度の厚みを持った厚紙等を90度に折り曲げたもので、前記底蓋2の内側コーナーと前記収容ケース3aの角に差し込む形でほぼ直立するように挿入されている。同様にコーナーボード4aと4cが挿入され、図3に示す形態で3本のコーナーボード設置されている。
それぞれの収容ケースには、複数の収容スペースが15個設けられている。
図3において、収容ケース3bに収容スペース6a〜6oが15個設けられていることを例として示している。また収容スペースには、それぞれ製品が納められるが、収容ケース3aのそれぞれのスペースに製品7a〜7oが収められている状態例を示している。
【0021】
前記収容ケース3aに製品7a〜7oが収納された後、その上からパット5aを覆い被せる。前記パット5aは、前記収容ケース3aの蓋の役割を持つ。
【0022】
従来の梱包ケースは、15個入りの収納ケースの場合、最大15個の製品しか格納することができなかったが、本発明では、更に複数の収容ケースを積み重ねることで、格納できる製品の数量を増やすことが可能となる。
【0023】
図5は、収容ケースを5段重ねた状態を示した図である。
図5において、パット5aの上に収容ケース3bが乗せられ、前記収容ケース3bには、収容ケース3aと同様に15個の収容スペースが設けられ、その収容スペースには、それぞれ製品が格納されている(図示せず)。
【0024】
パット5aは、収容ケース3aの蓋の役割を持つ一方、収容ケース3bの下敷きの役割も合わせ持っている。
【0025】
また、収容ケース3aの上にパット5aを乗せるとき、コーナーボード4a、4b、4cのそれぞれ直角に折り曲がった内側の角と前記パット5aの3箇所の角が合うように位置きめをして乗せられている。
【0026】
同様に前記パット5aの上には、コーナーボード4a、4b、4cで位置決めを行い収容ケース3bが乗せられている。
【0027】
以下同様の手順で、パット5b、収容ケース3c、パット5c、収容ケース3d、パット5d、収容ケース3e、パット5eが乗せられている。
【0028】
コーナーボード4本全てを立てて収容ケースやパットを積み重ねるには、コーナーボードの高さまで一度持ち上げ、積み重ねる必要があるが、コーナーボードを3本だけ立てることによって、収容ケースやパットをコーナーボードが無い位置で横から容易に積み重ねることができるメリットがある。
【0029】
図6は、収容ケースが10段まで積み重ねられた状態を示す状態図で、一番上にパット5jが置かれている。この状態で、4本目のコーナーボード4dを他3本のコーナーボード4a、4b、4c同様に、底蓋2と収容ケース3aの隙間に挿入する。
【0030】
図7において、4本のコーナーボード4a〜4dの外側の角を包むように天蓋8が覆い被される。次にスリーブ11が、底蓋2及び10段に積立てられた収容ケース3a〜3j及びパット5a〜5j及びコーナーボード4a〜4d及び天蓋8を囲む様に被せられる
なお、本実施の形態では、最上段の収容ケース3jの上にパット5jを載せ、その上から天蓋8を被せる事例を説明したが、輸送条件によっては、パット5jを省き、収容ケース3jの上に直接天蓋8を被せても、天蓋8が収容ケース3jの蓋の機能を果たすので、同様の効果が得られることは言うまでも無い。
【0031】
図8は、梱包ケース10の完了状態で内部の構成を透視した図面である。
【0032】
図9は、集合梱包を4本のPPバンド13でパレット1と集合梱包を固定した模様を示した図である。
また、お客様に梱包ケースが到着し梱包ケースから製品を取り出す際、製品搭載手順を逆作業することで、容易に行うことができる。
図1を用いて、製品取り出し手順を説明する。
まず、梱包ケース10からスリーブ9を上方向に抜き取る。次に天蓋8、コーナーボード4d、パット5jの順に外す。この状態で、収容ケース3jの収容スペースに格納されている製品を一つずつ取り出す。前記収容ケース3jの製品全てを取り出した後、前記収容ケース3jとパット5iを抜き取り、収容ケース3iに格納されている製品を取り出す。
【0033】
以下、収容ケース3aに格納されている製品まで同様の手順で取り外す。
コーナーボード4dを予め、外しておくことで、収容ケース、パットを水平に抜き取ることが出来るので、作業性が向上するメリットも有している。
【0034】
以上のように、実施の形態において、コーナーボードを設け、収容ケースを複数段重ねた後からスリーブを被せることで、製品の収容や出し入れが容易にでき、作業性が優れた上に、製品の収容数量を格段に増やすことができ、一定面積当たりの製品収容効率の向上が可能になる。
【0035】
その結果、一度の輸送で大量の製品を移動出せることができることで、地球温暖化に影響があるとされるCO2等の温室効果ガス削減効果が期待できる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明にかかる梱包手段は、製品を空輸輸送や船便輸送を使って海外への輸送する際に、集合梱包として一つの梱包ケースに、一度に大量の製品を輸送移動することができる。特に小型機器や小型部品や小型製品を同時に大量数移動させることができるものである。
【符号の説明】
【0037】
2 底蓋
3a〜3j 収容ケース
4a〜4d コーナーボード
5a〜5j パット
8 天蓋
9 スリーブ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
底蓋と、複数の収容ケースと、前記底蓋の四隅に設置される4本のコーナーボードと、前記収容ケース間に挿入される複数のパットと、天蓋と、スリーブとから成り、スリーブの開口部は、底蓋及び複数の収容ケース及び複数のパッド及び4本のコーナーボード及び天蓋を外側から覆い囲むことが出来る寸法であることを特徴とした梱包手段。
【請求項2】
底蓋と、収容ケースと、パットと、天蓋と、スリーブは、ダンボール材質から成る請求項1記載の梱包手段。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2011−207524(P2011−207524A)
【公開日】平成23年10月20日(2011.10.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−78381(P2010−78381)
【出願日】平成22年3月30日(2010.3.30)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】