説明

梱包装置

【課題】被包装体に傷を付けることなく、かつ接着テープがはがれることもなく、包装することができる梱包装置を提供すること。
【解決手段】展開した状態で略矩形であり、かつ折り畳んだ状態で略角筒となるように、その角筒の稜に位置する折り目を有する。上記角筒の一面は、互いに重ね合わせられる重ね合せ部16A,16Bを有し、上記重ね合せ部16A,16Bのうちの上側の重ね合せ部16Bは、下側の重ね合せ部16Aの先端近傍に位置する位置に折り目またはミシン目20を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、空気調和器の梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、空気調和機の梱包装置としては、特開2001−179863号公報(特許文献1)に記載のものがある。すなわち、この梱包装置は、矩形の段ボールを、両端の天面部、底面部、一対の側面部の区画し、被包装体の4面を覆う形状に形成されるものである。この矩形段ボールで被包装体を梱包するには、この矩形段ボールを折り曲げて被包装体を囲い、開放される天面部分を閉じ、上記両天面部の端辺を衝き合わせて、その合わせ目部分に接着テープを貼り付けて包装する。
【0003】
しかしながら、上記梱包装置は、上記両天面部の端辺を衝き合わせて、その合わせ目部分に接着テープを貼り付けるので、衝き合わせ目部分が外力に対して弱く、またカッタ−等でテープを切る際に刃先で被包装体に傷が付くという問題がある。
【0004】
また、上記両天面部を重ね合わせて、上側の天面部の先端部を下側の天面部の上面に押さえ付けながら、上側の天面部の先端部と下側の天面部の上面に接着テープを貼り付けて包装することも行われているが、この場合は、上側の天面部の復元力によって、上記接着テープがはがれるという問題がある。
【特許文献1】特開2001−179863号公報 図6
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明の課題は、被包装体に傷を付けることなく、かつ接着テープがはがれることもなく、包装することができる梱包装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するために、この発明の梱包装置は、
展開した状態で略矩形であり、かつ
折り畳んだ状態で略角筒となるように、
その角筒の稜に位置する折り目を有し、かつ、
上記角筒の一面は、互いに重ね合わせられる重ね合せ部を有し、
上記重ね合せ部のうちの上側の重ね合せ部は、下側の重ね合せ部の先端近傍に位置する位置に折り目またはミシン目を有する
ことを特徴としている。
【0007】
この発明によれば、展開した状態で略矩形であり、かつ折り畳んだ状態で略角筒となるように、その角筒の稜に位置する折り目を有し、かつ、上記角筒の一面は、互いに重ね合わせられる重ね合せ部を有し、上記重ね合せ部のうちの上側の重ね合せ部は、下側の重ね合せ部の先端近傍に位置する位置に折り目またはミシン目を有しているので、重ね合せ部が丈夫であり、またカッタ−等でテープを切る際に刃先で被包装物に傷を付けることがなく包装することができる。
【0008】
また、この発明によれば、上記重ね合せ部のうちの上側の重ね合せ部は、下側の重ね合せ部の先端近傍に位置する位置に折り目またはミシン目を有しているので、上記重ね合せ部のうちの上側の重ね合せ部を下側の重ね合せ部に押さえつけても、上側の重ね合せ部は、その折り目またはミシン目で容易に折れ曲り、復元力が殆ど発生しなく、上側の重ね合せ部と下側の重ね合せ部に接着テープを貼り付けても、接着テープが剥がれることがなく包装することができる。
【発明の効果】
【0009】
この発明によれば、上記重ね合せ部のうちの上側の重ね合せ部は、下側の重ね合せ部の先端近傍に位置する位置に折り目またはミシン目を有しているので、被包装物に傷を付けることがなく、かつ接着テープが剥がれることなく被包装物を梱包することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
以下、この発明を図示の形態のより詳細に説明する。
【0011】
図1は、この発明の梱包装置の実施形態を示す斜視図である。図2は、図1の実施形態の分解斜視図である。
【0012】
この実施形態の梱包装置は、例えば、空気調和機の梱包にしようするもので、角筒体10と上記角筒体10の両端面開口を塞ぐ端面被覆体30とで構成される。
【0013】
上記角筒体10は、図2の分解図に示すように、矩形状の段ボール板11に、一方の対向辺間に亘るとともに他方の対向辺に平行な直線状の折れ目12、13、14、15を設けて、端から順次上面部16A、側面部17、底面部18、側面部19、上面部16Bに区画している。上記折り目12、・・・は、段ボールを線状に圧縮して形成される。上記底面部18の幅は、被包装物の幅を超える長さであり、上記側面部17、19の幅は、被包装物の高さを超える長さに形成されている。上記上面部16Aの幅は、被包装物の幅の略半分で、上記上面部16Bの幅は、被包装物の幅の半分よりも大きく形成している。さらに、上記上面部16Bは、上記折れ目15から端辺に向かって被包装物の幅の略半分の長さの位置に上記折れ目15と平行な折れ目20を設けて、一重部16B1と重ね部16B2とに区分している。
【0014】
上記矩形状の段ボール板11の一方対向辺間の長さ、つまり奥行きの長さは、被包装物の長さを超える長さに形成されている。
【0015】
上記端面被覆体30は、図2の分解図に示すように、矩形状の段ボール板31に、一方の対向辺間に亘るとともに他方の対向辺に平行な直線状の折れ目32、33を設けて、端から順次差込み辺部34A、端面部35、差込み辺部34Bに区画している。上記差込み辺部34A、34Bの幅は、適宜の長さであり、端面部35の幅は、上記側面部17、19の幅の長さよりも小さく形成されている。
【0016】
上記矩形状の段ボール板31の一方対向辺間の長さ、つまり幅の長さは、上記底面部18の幅の長さよりも小さい長さに形成されている。
【0017】
つぎに、この発明の梱包装置を用いて被包装物を梱包することについて説明する。
【0018】
まず、上記段ボール板11の側面部17に被包装物を置く。つぎに、上記折れ目13、14で上記矩形状の段ボール板11を略直角に折り曲げる。つぎに、上記折れ目12で上記段ボール板11を略直角に折り曲げる。さらに、上記折れ目15で上記段ボール板11を略直角に折り曲げる。そうすると、上記段ボール板11は、被包装物の四周を覆うことができる。そして、上記上面部16Aと上記一重部16B1で被包装物を覆うと共に、上記上面部16Bの重ね部16B2は、上記上面部16Aの上側に跳ね上がった状態で重なる。このとき、上記折れ目20は、上記上面部16Aの先端近傍に位置している。そこで、跳ね上がった状態の上記重ね部16B2を押えると、上記重ね部16B2は、上記折れ目20で折れ曲り、上記上面部16Aの上側に密接する。この密接した状態で、上記上面部16Aと上記重ね部16B2に亘って接着テープ40を貼り付ける。
【0019】
こうして、上記角筒体10が形成される。
【0020】
さらに、上記端面被覆体30の上記段ボール板31を上記折れ目32、33で同じ方向に折り曲げて、上記差込み辺部34A、34Bを上記角筒体10の開口41の内側に差し込んで、上記開口41を上記端面被覆体30で塞ぐ。この差し込んだ上記端面被覆体30を上記角筒体10に接着テープまたは接着剤で固定して被包装物の梱包が終了する。
【0021】
この発明によれば、上記上面部16Aと上記上面部16Bとが重なっているので、丈夫であり、またカッタ−等でテープを切る際に刃先で被包装物に傷を付けることがなくすることができる。
【0022】
また、この発明によれば、上記上面部16Aと上記上面部16Bとの上記重ね部16B2は、上記折り目20を有しているので、上記重ね部16B2がその復元力で跳ね上がることなく、容易に確実に折れ曲げることができ、上記上面部16Aと上記重ね部16B2に亘って接着テープ40を貼り付けても、接着テープがはがれるのを防ぐことができる。
【0023】
なお、上記折り目を線状に圧縮する場合について説明したが、折り目はミシン目でも良い。
【図面の簡単な説明】
【0024】
【図1】この発明の梱包装置の実施形態を示す斜視図である。
【図2】図1の実施形態の分解斜視図である。
【符号の説明】
【0025】
10 角筒体
11 矩形状の段ボール板
12、13、14、15 折れ目
16A、16B 上面部
16B1 一重部
16B2 重ね部
17、19 側面部
18 底面部
20 折れ目
30 端面被覆体
40 接着テープ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
展開した状態で略矩形であり、かつ
折り畳んだ状態で略角筒となるように、
その角筒の稜に位置する折り目(12,13,14,15)を有し、かつ、
上記角筒の一面は、互いに重ね合わせられる重ね合せ部(16A,16B)を有し、
上記重ね合せ部(16A,16B)のうちの上側の重ね合せ部(16B)は、下側の重ね合せ部(16A)の先端近傍に位置する位置に折り目またはミシン目(20)を有する
ことを特徴とする梱包装置。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2008−120410(P2008−120410A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−304790(P2006−304790)
【出願日】平成18年11月10日(2006.11.10)
【出願人】(000002853)ダイキン工業株式会社 (7,604)
【Fターム(参考)】