説明

棒状体の払出し装置

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は例えばコンクリート製品としてのオートクレーブ養生された軽量気泡コンクリート製品(ALC)の製造工場における補強筋製造工程の自動溶接機に使用される鉄筋、すなわち棒状体の払出し装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】ALC製品の補強筋金網に使用される横筋は筋径が3〜7mmで長さが1500mm以下の軽量であることから従来の搬送技術はベルト式である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上の如く横筋、すなわち棒状体の搬送はベルト搬送式であるが、その搬送の際、棒状体がベルトコンベアから外れないように払出しゲートの側ガイドでガイドされ、棒状体は常にベルトコンベアの特定位置を搬送されるようになっている。そして、棒状体を次工程へ位置決め供給するためベルト上で棒状体をストッパー当てし位置決めしている。このように位置決めのため棒状体がストッパーにより停止されている間は、棒状体とベルトコンベアの該特定位置間に摩擦が生ずる。そのためベルトコンベアの摩耗が激しい。これによって次工程への棒状体の払出し供給時引っかかりトラブルが発生し、安定した供給ができない。そして、ベルトの寿命が短くベルト交換頻度が高い。更に棒状体はストッパーで停止される際に反発を繰り返すので払出し時の位置精度が出ない。したがって、本発明は棒状体の搬送を安定的に行うことができる棒状体の払出し装置をうることを目的とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明は以上のような目的を達成するため次のような棒状体の払出し装置を提供するものである。すなわち、棒状体を長手方向に払出し位置まで搬送し、搬送方向に直交する方向へ棒状体の払出しを行う払出し装置において、払出し位置長手方向に配置され、棒状体を長手方向に搬送するフラット型ローラを有するマグネットローラコンベアと、該コンベアによって搬送される棒状体を払出し位置で停止させるストッパーと、前記コンベア上に沿って配置され、かつ、搬送される棒状体をガイドする両側に延長した一対の側ガイドを有する細長い払出しゲートと、該払出しゲートを前記コンベア上から搬送方向に直交する方向に移動するための駆動手段とを備えてなることを特徴とする棒状体の払出し装置である。
【0005】
【作用】払出しゲートの側ガイドでガイドされてマグネット内蔵ローラ上を搬送されてきた棒状体は、ストッパーで位置決めされ、その位置決めと同時に払出しゲートで次工程へ棒状体は搬送される。
【0006】
【実施例】以下図面に示す実施例について説明する。図1R>1〜3で示すALCの製造工場における補強筋金網製造工程の自動溶接機に使用される鉄筋の払出し装置について説明するが一般の棒状体の搬送・払出しにも使用しうるものである。図1の1は複数のフラット型マグネットローラであって、払出しゲート2の下方においてゲートの長手方向に配置され、このフラット型マグネットローラ1の前方延長上に複数の鍔付きマグネットローラ3が配置されている。これらローラ1、3は駆動モーター4からベルト5の駆動伝達で駆動されるベルト6で駆動プーリー7を介して駆動される。そしてベルトにテンションを与えるためベルト押さえローラ8がプーリー7間に配置され、以上のようなローラ1、3で全体として棒状体を搬送するローラコンベアを構成している。細長い払出しゲート2の下部にはローラコンベア上に沿って配置され、かつ搬送される棒状体の両側に延長した一対の側ガイド2a、2bがあり、鍔付きマグネットローラ3の鍔でガイドされてきた棒状体はこの払出しゲート2の側ガイド2a,2bにガイドされて搬送される。この払出しゲート2は払出しエアシリンダー9でそのピストンロッド10を介して棒状体の搬送方向と直交する払出し方向に往復動する。その往復動に際しては、ブラケット11の払出しガイド12に沿って払出しガイド棒13がガイドされるようになっている。フラット型マグネットローラ1の終端に配設されたローラ1上には、棒状体のストッパー14があり、このストッパー14に棒状体が当たった位置でONする検出センサー15がある。
【0007】以上の装置は棒状体を長手に払出位置まで搬送し、搬送方向に直交する方向へ払出しを行う払出し装置であって、棒状体を長手方向に搬送するフラット型ローラ1を有するマグネットローラがあり、マグネットローラコンベアによって搬送される棒状体を払出し位置で停止させるストッパー14がある。また。払出しゲート2にはコンベア上に沿って配置され、かつ搬送される棒状体の両側に延長した一対の側ガイド2a、2bがある。この払出しゲート2にはコンベア上から水平方向即ち、搬送方向に直交する方向に移動させるための払出しエアシリンダー9からなる駆動手段がある。
【0008】そこで、巻き取りリールから引き出され一定寸法に切断された棒状体がローラコンベア上にくると先ず鍔付きマグネットローラ3の鍔でガイドされて移送され、次のフラット型マグネットローラ1からなるローラコンベアに移送され、ここで払出しゲート2の側ガイド2a、2bにガイドされて進行し、ストッパー14に突き当たる。この突き当たった位置で検出センサー15が棒状体を検出し、払出しゲート2がこの検出で払出しエアシリンダー9により払出し方向に移動し、棒状体を溶接工程に払い出す。この払出しの際、ローラ1はフラット型のため棒状体が引っかかるものがなく、スムーズに払い出される。以上のものによれば払出しゲートに対向するフラット型マグネットローラ1は耐摩耗性のあるマグネットローラであるので棒状体がストッパー14により停止されている間、コンベアに摩耗が生じないし、マグネットの棒状体の保持作用でストッパー14で停止されている際に反発を繰り返すことがない。
【0009】
【発明の効果】以上説明した如く本発明のものは棒状体がストッパーにより停止されている間は耐摩耗性のマグネットローラによりローラは摩耗することがなく、しかもマグネットの保持作用でストッパーでの棒状体の反発作用はなく払出し時の位置精度がでる。また、棒状体は剛性のあるローラにおいて複数個払出し方向に線接触するだけなのでマグネットの保持力に抗してスムーズに払い出せるのみならずローラはフラットなので棒状体が引っかかるものがなく払出しの際ベルトコンベアのような引っかかり事故はない。その他マグネットの吸引力が均等に作用し短い払出しゲートでも平行な払出しが可能である。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の正面からみた説明図である。
【図2】払出しゲート部分の平面説明図である。
【図3】図2の矢視方向での払出しゲート部分の説明図である。
【符号の説明】
1 フラット型マグネットローラ
2 払出しゲート
2a 側ガイド
2b 側ガイド
3 鍔付きマグネットローラ
9 払出しシリンダー
14 ストッパー
15 検出センサー

【特許請求の範囲】
【請求項1】 棒状体を長手方向に払出し位置まで搬送し、搬送方向に直交する方向へ棒状体の払出しを行う払出し装置において、払出し位置長手方向に配置され、棒状体を長手方向に搬送するフラット型ローラを有するマグネットローラコンベアと、該コンベアによって搬送される棒状体を払出し位置で停止させるストッパーと、前記コンベア上に沿って配置され、かつ、搬送される棒状体をガイドする両側に延長した一対の側ガイドを有する細長い払出しゲートと、該払出しゲートを前記コンベア上から搬送方向に直交する方向に移動するための駆動手段とを備えてなることを特徴とする棒状体の払出し装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【特許番号】特許第3272401号(P3272401)
【登録日】平成14年1月25日(2002.1.25)
【発行日】平成14年4月8日(2002.4.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願平4−170215
【出願日】平成4年6月4日(1992.6.4)
【公開番号】特開平5−337584
【公開日】平成5年12月21日(1993.12.21)
【審査請求日】平成11年2月22日(1999.2.22)
【出願人】(000000033)旭化成株式会社 (901)
【参考文献】
【文献】特開 平4−72223(JP,A)
【文献】特開 昭64−2750(JP,A)
【文献】実開 平2−82446(JP,U)