説明

棒状部材切断装置

【課題】固い棒状部材を切断する場合においても、確実に切断片の飛散を防止できる切断装置を提供する。
【解決手段】切断時に棒状部材Bを確実に把持するために、切断刃物34の両脇に、把持機構40が設けられている。把持機構40は、把持面41cを有する把持部材41と、弾性体42を有している。切断時には、把持部材41がまず棒状部材に接触し、次いで切断刃物34が棒状部材Bに接触しその後棒状部材Bに食い込んでゆく。この過程において、把持部材41が弾性体42を圧縮しながら変位する。把持部材41は、弾性体42が発生する反発力に相応する把持力で、棒状部材Bを確実に保持する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、棒状部材を切断するための切断装置に係り、特に、硬度が高い金属(例えば熱処理がされた鋼)からなる棒状部材を切断するに適した切断装置に関する。なお、本明細書において、「棒状部材」とは、直線状の棒に限らず、曲げられた棒、例えば、鎖の各鎖環の如く棒材料をリング状に曲げ加工したもの、あるいは南京錠のシャックルなども含まれる。
【背景技術】
【0002】
地震災害により建物内に閉じこめられた人を救出するにあたり、建物の扉または門を開くため南京錠、チェーン等を破壊する必要に迫られる場合がある。この場合、南京錠のシャックルあるいはチェーンの鎖環を、例えば建材用の鉄筋切断装置を用いて切断することが考えられる。このとき、作業者の安全を確保するため、切断時に切断対象物が飛散しないようにすることが重要である。
【0003】
特開2007−44812号公報には、本発明者により開発された、主として建築現場で好適に用いることができる鉄筋切断装置が開示されている。この鉄筋切断装置はシンプルな把持機能付きの切断刃物を有している。この切断刃物は、その切断刃先の脇に、切断刃先と一体に形成された切断刃先よりやや低い高さの把持用突起を有している。切断刃先により鉄筋が切断されるまさにそのときには、鉄筋に食い込んだ把持用突起が鉄筋をしっかり把持しており、これにより切断された鉄筋の飛散が防止される。この鉄筋切断装置は、上記のレスキューの用途にも使用することが可能ではある。
【0004】
しかしながら、防犯強化の観点から、非常に硬度が高い材料(例えばロックウエル硬さHRC60程度の熱処理鋼材)により形成された南京錠のシャックル、チェーンの鎖環が存在する。特開2007−44812号公報に開示された構成の切断刃の把持用突起は、切断対象物の硬さがロックウエル硬さHRC40程度までは有効に機能するが、それ以上の硬さの場合には、把持用突起を切断対象物に十分に食い込ませることができず、切断片が飛散するおそれがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2007−44812号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、固い棒状部材を切断する場合においても、確実に切断片の飛散を防止できる切断装置を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、相対的に近接するように動作させることが可能な一対の刃物支持体を有し、各刃物支持体に設けられた切断刃物同士を接触または近接させることにより棒状部材を切断するように構成された棒状部材切断装置において、前記各刃物支持体の前記切断刃物の両脇に、前記棒状部材を把持するための把持機構が設けられ、前記各把持機構は、前記棒状部材を把持する把持面を有し、この把持面が前記棒状部材に押されることによって前記切断刃物に対して後退するように変位することができるように前記刃物支持体に取り付けられた把持部材と、前記刃物支持体と前記把持部材との間に介設され、前記把持部材の変位に抗する反発力を発生し、この反発力に応じた把持力で前記把持部材に前記棒状部材を把持させる弾性体と、を有しており、前記把持機構は、前記一対の刃物支持体が相対的に近接してゆく過程において、まず最初に前記把持部材が棒状部材に接触して次いで前記切断刃物が棒状部材に接触するように構成されていることを特徴とする棒状部材切断装置を提供する。
【0008】
本発明によれば、把持部材の変位の増大に伴い増大する弾性体の反発力を把持力の源としているため、棒状部材の破断間際においても棒状部材が確実に保持される。また、把持機構は、刃物支持体が相対的に近接してゆく過程において、まず最初に前記把持部材が棒状部材に接触して次いで切断刃物が棒状部材に接触するように構成されているため、比較的細い棒状部材を切断する場合でも、把持機構による把持力が十分に高まる前に棒状部材が破断して、切断片が飛散することを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明による棒状部材切断装置の一実施形態の全体構成を示す長手方向部分断面図。
【図2】棒状部材切断装置のヘッドユニットのみを示す図であって、図1における切断線II-IIに沿う部分断面図。
【図3】図1における切断線III-IIIに沿う断面図。
【図4】図1における切断線IV-IVに沿う断面図。
【図5】棒状部材切断装置の作用を示す図であって、切断刃物に対する把持部材の位置変化を示す図。
【図6】本発明の他の実施形態を示す概略図。
【図7】本発明のさらに他の実施形態を示す概略図。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下に添付図面を参照して本発明の一実施形態に係る棒状部材切断装置について説明する。
【0011】
図1および図2に示すように、棒状部材切断装置は、油圧発生ユニット100と、油圧発生ユニット100に着脱可能な棒状部材切断用ヘッドユニット(油圧作動工具)10とから構成されている。図1は、ヘッドユニット10を油圧発生ユニット100に装着した状態を示している。図2は、油圧発生ユニット100から取り外されて油漏れ防止キャップが取り付けられたヘッドユニット10のみを示している。
【0012】
油圧発生ユニット100は、それ自体既に公知のものであり、本件特許出願の出願時点において本発明の譲受人(出願人)である株式会社オグラから商業的に入手可能なハンディレスキューシステムHRS−93(商品名)のHRS−931ポンプユニット(商品名)に相当する構成を有する。油圧発生ユニット100には、上記ハンディレスキューシステムを構成するシャーヘッド、スプレッダーヘッド等の他のヘッドユニット(本明細書では説明しない)を装着することもできる。油圧発生ユニット100の構成、並びに油圧発生ユニット100とヘッドユニットとの接続構造は、日本国特許出願公開公報特開2005−201285号および国際公開パンフレットWO03/064091号にも記載されている。従って、油圧発生ユニット100の構成並びに油圧発生ユニット100とヘッドユニット1を含む各種ヘッドユニットとの接続構造は、当業者であるならば、容易に把握し、かつ実際に製造することが可能であることは明らかである。なお、本発明の実施において、棒状部材切断装置は、油圧発生ユニット100とヘッドユニット10とが一体不可分に構成してもよいし、或いは、油圧発生ユニット100とヘッドユニット10とを油圧ホースにより接続してもよい。
【0013】
公知の部分について簡単に説明しておく。グリップ101に設けられたトリガスイッチ102を引くと、内蔵された電動モータ103(図には現れていない)が作動し、これによりポンプ104が回転し、油路105に加圧された作動油が送り出される。作動油は、油路106を通って、後に説明するヘッドユニット10のシリンダ内に送られ、これによりヘッドユニット10が動作する。解除レバー107を引くと、中空スプール弁108が図中右側にスライドし、油路106と油路105の連通が絶たれる一方で油路106が中空スプール弁108の内部の油路110と連通し、ヘッドユニット10から作動油がポンプ104に戻る。なお、解除レバー107が引かれていない状態では、油路105と油路106とが、中空スプール弁108の外周面に形成された溝111を介して連通している。グリップ101の下端には、電動モータ103を駆動するためのバッテリー112が着脱自在に装着される。
【0014】
次に、ヘッドユニット10の構成について図1〜図4を参照して説明する。ヘッドユニット10は、油圧発生ユニット100に接続される基部12を有しており、この基部12内にはシリンダ14が設けられている。シリンダ14内には、軸線方向にスライド可能なピストン16が設けられている。シリンダ14およびピストン16は、油圧シリンダアクチュエータを構成する。シリンダ14内のピストン16の第1の側(ピストン16よりも油圧発生ユニット100側)に画成される圧力チャンバ18は、ヘッドユニット10を油圧発生ユニット100に連結したときに、油圧発生ユニット100の油路106と連通する。ピストン16は、ピストン16の第2の側に設けられた戻しばね20により図中右方向に付勢されている。ピストン16の第2の側において、ピストン16と一体に形成されたプッシュロッド22がピストン16の軸線方向に延びている。プッシュロッド22の先端には、概ねU字形のピン受け溝24が形成されている。
【0015】
基部12には、第1の刃物支持体としての固定アーム(第1のアーム)26が設けられている。固定アーム26は基部12と一体に形成してもよいし、基部12に強固に結合してもよい。固定アーム26には、固定ピン28を介して、第2の刃物支持体としての回動アーム(第2のアーム)30が、回動可能に取り付けられている。例示された実施形態においては、特に図4より明らかなように、回動アーム30はその基端側に二股の端部31,31を有し、この端部31,31の間に固定アーム26が挿入され、ボルト/ナット結合により回動アーム30が固定アームに26に取り付けられている。すなわち前記ボルトの軸部が固定ピン28をなす。
【0016】
回動アーム30には、プッシュロッド22のピン受け溝24内に係合するピンの形態の摺動子32が設けられている。ピストン16が図1左方向に移動すると、プッシュロッド22が摺動子32を押し、これにより回動アーム30が固定ピン28を中心として図中反時計方向に回動して(すなわち回動アーム30と固定アーム26との相対的回動が生じ)、回動アーム30の先端が固定アーム26の先端に近接するように移動する。このとき摺動子32はピン受け溝24内をスライドし、固定ピン28を中心とした回動アーム30の回動運動を妨げないようにしている。
【0017】
固定アーム26および回動アーム30にはそれぞれ、切断刃物34が固定されている。切断刃物34は、固定アーム26および回動アーム30に対して着脱可能である。各切断刃物34の両脇には、棒状部材Bを切断する際に、棒状部材Bを把持するための把持機構40が設けられている。すなわち、固定アーム26および回動アーム30にはそれぞれ2つずつ把持機構40が設けられている。
【0018】
以下に各把持機構40の構成について説明する。各把持機構40は、プレート状の1つの把持部材41と、把持部材41を付勢する2つの弾性体42を有している。例示された実施形態においては、弾性体42はコイルスプリングからなる。なお、1つの把持機構40に設ける弾性体42の数は、後述する理由により2つが好ましいが、2つには限定されるものではなく、1つでもよいし、3以上とすることもできる。弾性体42として他の形態のばねを用いることも可能である。
【0019】
固定アーム26および回動アーム30にはそれぞれ、把持部材41を収容し保持するための保持溝43(特に図3を参照)が2つずつ形成されている。把持部材41の外側の側面41aには把持部材41の後退運動(保持溝43内に沈み込む運動)をガイドするための長溝44が形成されている。長溝44は把持部材41を貫通していてもよく、言い換えれば長溝44は穴の形態であってもよい。長溝44には、固定アーム26(回動アーム30)に設けられたガイドピン45がスライド可能に係合する。例示された実施形態においては、ガイドピン45は、固定アーム26(回動アーム30)に螺着されたねじ軸の先端部により形成されている。なお、図示された長溝44とガイドピン45とからガイド機構を構成することに代えて、把持部材41に設けたガイドピン(図示せず)および固定アーム26(可動アーム30)に設けた長溝(図示せず)によりガイド機構を構成することもできる。
【0020】
把持部材41の把持面41cには、棒状部材Bが滑る(ずれる)ことを防止するための適当な凹凸が形成されている。図2および図3では、把持面41cは黒い四角形の部分である。
【0021】
把持部材41の把持面41cと反対側の面すなわちベース面と保持溝43の底面との間に、前記弾性体42が介設されている。弾性体42を安定的に支持するため、把持部材41のベース面には、弾性体42の端部を収容する窪み41dが設けられている(特に図1を参照)。
【0022】
棒状部材Bを切断してゆく過程で把持面41aに荷重が負荷されると、把持部材41は弾性体42を圧縮しながら保持溝43内に沈み込むように変位し、かつ、その変位量に応じて弾性体42が発生する反発力に相応する把持力を棒状部材Bに負荷する。図1および図3には、把持面41aに荷重が負荷されていない状態が示されている。
【0023】
圧力チャンバ18に加圧された作動油を供給して回動アーム30を固定アーム26に近接させてゆくと、まず最初に、図5(a)に示すように、把持部材41が棒状部材Bに接触する。すなわち、非作動状態において、把持部材41の把持面41cは、切断刃物34の刃先35よりも僅かに先行した位置にある(言い換えれば、把持部材41の把持面41cの高さは刃先35の高さより高い)。さらに回動アーム30を回動させてゆくと、切断刃物34が棒状部材Bに接触し、その後、棒状部材Bに食い込んでゆく。これに伴い、把持部材41も弾性体42を圧縮しながら切断刃物34に対して後退するように変位し、これにより把持部材41による棒状部材Bの把持力が増大してゆく。最終的に棒状部材Bは破断する。その直後の状態が図5(b)に示されている。このとき、各把持部材41は、棒状部材Bの半径に相当する量だけ変位しており、把持力は十分に大きいため、棒状部材Bの破断片が飛散することが防止される。従って、安全な切断作業を行うことができる。
【0024】
なお、特に図2および図3より明らかなように、把持部材41の両側面41a,41bは実質的に保持溝43の内壁面により拘束される一方で、保持溝43の前後端は開放されているため把持部材41の前面41eおよび後面41fは拘束されていない。このため、把持部材41は、ガイドピン44を支点に保持溝43内である程度揺動することが可能である。言い換えれば、把持部材41は、切断動作時に切断刃物34の刃先35が移動する平面と平行な平面上で揺動運動することができる。この揺動可能な把持部材41は以下の利点をもたらす。すなわち、固定ピン28を中心とした固定アーム26および回動アーム30の相対旋回運動により切断が行われるため、切断時には把持部材41を回転させようとする力が必ず加わる。このとき、把持部材41が上記のように揺動可能でない場合(例えば、保持溝43の前後端が開放されておらず把持部材41の前面41eおよび後面41fが保持溝43の内壁面により拘束されている場合)には、把持部材41の角が保持溝43に噛み込むことにより、把持部材41がスムースに保持溝43内に沈み込まないおそれがあり、また、把持機構40の構成部品に過大な力が加わり把持機構40が損傷するおそれがある。このような問題は、上述のように把持部材41を揺動可能とすることによって防止される。
【0025】
また、例示された実施形態においては、把持部材41の実質的揺動中心となるガイドピン45は、前側の弾性体42(42a)と後側の弾性体42(42b)の間に位置している。例えば図1に示すような状況で棒状部材Bがセットされた場合、固定アーム26および回動アーム30の把持部材41はともに図中反時計方向に回転させられるような力を棒状部材Bから受けるが、固定アーム26においては後側の弾性体42が、可動アーム30においては前側の弾性体42が、前記反時計方向の回転を阻止するような反発力を発生して、把持部材41の把持面41cの倒れ(回転)を最小限に抑制する。このため、上述した揺動可能な把持部材41の利点を確保しつつ、把持部材41により確実に棒状部材Bを把持することができる。また、把持部材41により様々な断面形状(丸形、角形、異形)の棒状部材Bを確実に把持することも可能となる。
【0026】
なお、上記実施形態においては、上記実施形態では、「リンクピン」に相当する部材が固定ピン28および摺動子32の唯2つである非常に単純なリンク機構を用いている。これにより、大きな負荷が機構に加わる高強度棒状部材の切断用のヘッドユニット10としての十分な信頼性および耐久性が確保できる。また、単純なリンク機構を用いているため、ヘッドユニット10全体は比較的軽量であり、このことは軽量が要求されるハンディレスキューツールとしては好ましい。また、上記実施形態では、固定ピン28を中心として回転可能な回動アーム30を用いているため、回動アーム30が「開」位置(図1に示す位置)にあるときは、この棒状部材切断装置全体を棒状部材Bに向けて前進させることにより、棒状部材Bを固定アーム26および回動アーム30の切断刃物34間に容易にセットすることができる。これは極めて迅速な作業が要求されるレスキュー作業には非常に有利である。すなわち、上記実施形態は、目下のところ考えられる最良の実施形態である。
【0027】
しかしながら、本発明における刃物支持体は上記実施形態に示した固定アーム26と回動アーム30に限定されるものではない。例えば、刃物支持体として、一対の可動アームを用いてもよい。例えば、図6に概略的に示すように、ピストン16から軸方向に延びるプッシュロッド22の先端にピン50を設け、このピン50に一対のリンク腕51を枢着し、各リンク腕51にそれぞれピン52を介して可動アーム53を枢着する。そして可動アーム53を、不動の固定ピン54を介して両可動アーム53を相対的に回動可能に枢着する。各可動アーム53には切断刃物34および把持機構40が取り付けられる。この場合、切断刃物間への棒状部材のセットがより容易になるであろう。しかしながら複雑なリンク機構の採用により重量が増すため、軽量が要求されるハンディレスキューツールとしてはあまり好ましくないものと考えられる。
【0028】
別案として、図7に概略的に示すように、プッシュロッド22の先端に直接的に切断刃物34および把持機構40を設け、ヘッドユニット本体(基部)に受け部材55を固定し、この受け部材55に切断刃物34および把持機構40を設け、ピストン16による直動動作により棒状部材を切断するように構成してもよい。この場合、プッシュロッド22の先端および受け部材55が刃物支持体としての役割を果たす。また、この場合、刃物支持体としてのピストンロッド22および受け部材55の相対的直動運動により切断が行われるため、把持機構40の揺動機能の必要性が低下し、場合によっては把持機構40の揺動機能を廃止することができる。この構成は、軽量に構成できる点では有利であるが、切断刃物間に棒状部材をセットすることが難しくなるという欠点があり迅速な作業が要求されるレスキューツールの使用にはあまり好ましくないものと考えられる。
【符号の説明】
【0029】
14,16 油圧シリンダアクチュエータ
26 刃物支持体(固定アーム)
28 ピン
30 刃物支持体(可動アーム)
34 切断刃物
40 把持機構
41 把持部材
41c 把持面
42 弾性体
44 ガイド溝
45 ガイドピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
相対的に近接するように動作させることが可能な一対の刃物支持体を有し、各刃物支持体に設けられた切断刃物同士を接触または近接させることにより棒状部材を切断するように構成された棒状部材切断装置において、
前記各刃物支持体の前記切断刃物の両脇に、前記棒状部材を把持するための把持機構が設けられ、
前記各把持機構は、
前記棒状部材を把持する把持面を有し、この把持面が前記棒状部材に押されることによって前記切断刃物に対して後退するように変位することができるように前記刃物支持体に取り付けられた把持部材と、
前記刃物支持体と前記把持部材との間に介設され、前記把持部材の変位に抗する反発力を発生し、この反発力に応じた把持力で前記把持部材に前記棒状部材を把持させる弾性体と、
を有しており、
前記把持機構は、前記一対の刃物支持体が相対的に近接してゆく過程において、まず最初に前記把持部材が棒状部材に接触して次いで前記切断刃物が棒状部材に接触するように構成されている
ことを特徴とする棒状部材切断装置。
【請求項2】
前記一対の刃物支持体が相対的に回動可能であるように、前記一対の刃物支持体がピンを介して連結されており、
前記各把持機構の前記把持部材は、前記一対の刃物支持体が相対的に近接する際に前記切断刃物が移動する平面と平行な平面内での揺動運動が可能なように、前記刃物支持体に取り付けられていることを特徴とする、請求項1に記載の棒状部材切断装置。
【請求項3】
前記各把持機構は、前記刃物支持体と前記把持部材との間に2つの弾性体を有しており、
前記把持部材は、前記把持部材の揺動運動を許容するように構成されたガイド溝およびガイドピンの組み合わせからなるガイド機構を介して、前記2つの弾性体の間の領域において前記刃物支持体に取り付けられていることを特徴とする、請求項2に記載の棒状部材切断装置。
【請求項4】
前記一対の刃物支持体は、不動の固定アームと、前記固定アームにピンを介して回動可能に連結されるとともに油圧シリンダアクチュエータにより駆動される回動アームとからなることを特徴とする、請求項1から3のうちのいずれか一項に記載の棒状部材切断装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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