説明

棒鋼切断機

【課題】 本発明は、棒鋼切断機によって棒鋼材の切断作業を行う際の欠点として、相対する固定切断刃方向に移動する可動切断刃が、直交して接する棒鋼材の位置が作業者の挿入ミスによって傾斜状態になっていることに気付かずに切断作業を行うと、切断刃が破損する原因となっていたことの欠点を一掃する。
【解決手段】 頭部フレーム体1の前側部内側の一側端部に設置した固定切断刃6に並設した突軸11の先端部に上面ストッパー10を設け、この上面ストッパーは並行する弾機12を介して前後に摺動する前記突軸が前記頭部フレーム体の前側部に設けた通孔に嵌挿しかつ突軸の外端に停止部14を設けて成り、前記上面ストッパーは前側部及び後側部から成る前記頭部フレーム体の内側部に形成した凹孔部3に挿入された棒鋼材の上面部を抑止するように成る。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、油圧シリンダのピストンロッドに設けられて移動する可動刃物と位置が固定している固定刃物との間に定置した棒鋼材を切断する棒鋼切断機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
本発明の発明者はすでに特許第3423264号に係る発明を完成しているところ、棒鋼切断機を使用して棒鋼材の切断作業を行う時の欠点として、前記可動刃物と固定刃物との間に所定の棒鋼材を置いた後に、スイッチを入れて油圧ピストンを駆動し可動刃物の移動によって切断を開始すると、作業者は前記棒鋼材が両刃物に対向して直角の正位置にあると思っていても、作業中に棒鋼材が固定刃物と可動刃物との空間部においてやや傾斜した状態にあることに気付かないままで切断を開始してしまうことがあるため、硬質の棒鋼材によって切断刃が破損する原因となっていた。
【0003】
【特許文献1】特許3423264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
そこで、本発明はこのような従来機の欠点を一掃するために、これを改良した棒鋼切断機を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、頭部フレーム体の前側部内側の一側端部に設置した固定切断刃に並設した突軸の先端部に上面ストッパーを設け、この上面ストッパーは並行する弾機を介して前後に摺動する前記突軸が前記頭部フレーム体の前側部に設けた通孔に嵌挿しかつ突軸の外端に停止部を設けて成り、前記上面ストッパーは前側部及び後側部から成る前記頭部フレーム体の内側部に形成した凹孔部に挿入された棒鋼材の上面部を抑止するように成るものである。
【発明の効果】
【0006】
本発明は、対向する固定切断刃との間に挟んだ可動切断刃の前進作動によって、両切断刃間に交叉する棒鋼材による強い抵抗が起っても、作業中は棒鋼材が上面ストッパーによって確実に抑止された状態におかれているから、両切断刃の交叉する中心部がずれることなく確実かつ円滑に棒鋼材の所定箇所を直角形状に切断することができるようになる。
【0007】
したがって、棒鋼材は常に両切断刃に対して直交位置の安定状態にあるから、棒鋼材に対する切断ミスは防止され、正確な切断面を構成することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
本棒鋼切断機の使用時に、固定切断刃に対して直交位置する棒鋼材に対し、可動切断刃が直角方向から確実に作動して切断を行うようになるが、この切断作業中は、棒鋼材の上面部が上面ストッパーによって確実に抑止状態を維持されている。
【実施例】
【0009】
1はシリンダ体2の前端部周囲に設けた凹溝にボール及び弾機を介した螺子によって取付けた頭部フレーム体で、前側部および後側部から成るこの頭部フレーム体の内側には棒鋼材挿入用の凹孔部3が形成されている。
【0010】
4は前記凹孔部3の凹巾間隔を棒鋼材aの外径に合わせて弾機5を介して調節するストッパー螺子で、このストッパー螺子は後記可動切断刃部7とは並行位置に離間している。
【0011】
6は前記頭部フレーム体1の内側部の凹孔部3をはさんだ前側部の一側端部に設けた固定切断刃で、この固定切断刃は後記可動切断刃7と同一中心方向に交叉する位置に相対する。
【0012】
7はシリンダピストンの先端中心部に一側垂直部を取付けた前後に移動可能な可動切断刃で、この可動切断刃の一側垂直部の下端部は頭部フレーム体1の内底面中央部に形成し案内溝8に嵌合し、また可動切断刃7の他側鈎形部7’は頭部フレーム体1の一側立壁上に設けた凸段部9に掛合し、可動切断刃はこの凸段部上を前後に移動するようになる。
【0013】
10は前記頭部フレーム体1の前側部内側の一側端部に設置した前記固定切断刃6に並行に設置した突軸11の先端部に設けた上面ストッパーで、この上面ストッパーは並行する弾機12を介して前後に摺動する突軸11が前記頭部フレーム体の前側部の通孔13に嵌挿し、この突軸11の外端部には停止部14を設けている。
【0014】
15は機本体のカバー体で、このカバー体には一体に把持ハンドル部16を形成し、このハンドル部の下端部には電池部17を設置する。
【0015】
18は前記ハンドル部16の前側一部に設けた起動スイッチレバーで、このスイッチレバーの後端一部は戻りバルブレバーに当接し、スイッチレバーの前端一部は電池スイッチに接している。
【0016】
本発明の切断機は、各種現場における作業に適するバッテリ搭載のハンディタイプのものであるが、工場や平地における作業においては電源を電灯線にすることができるから、その電源は兼用型に設計することになる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】全体の一方からの斜視図
【図2】全体の他方からの斜視図
【図3】要部の一側面部における作用状態図
【図4】要部の一側面部における他の作用状態図
【図5】要部の平面図
【図6】要部の分解斜視図
【符号の説明】
【0018】
1 頭部フレーム体
3 凹孔部
4 ストッパー螺子
5 弾機
6 固定切断刃
7 可動切断刃
8 案内溝
9 凸段部
10 上面ストッパー
11 突軸
12 弾機
13 通孔
14 停止部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
頭部フレーム体の前側部内側の一側端部に設置した固定切断刃に並設した突軸の先端部に上面ストッパーを設け、この上面ストッパーは並行する弾機を介して前後に摺動する前記突軸が前記頭部フレーム体の前側部に設けた通孔に嵌挿しかつ突軸の外端に停止部を設けて成り、前記上面ストッパーは前側部及び後側部から成る前記頭部フレーム体の内側に形成した凹孔部に挿入された棒鋼材の上面部を抑止するように成ることを特徴とする棒鋼切断機。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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