説明

棚栽培用のハウスの送風システム

【課題】 従来の棚栽培用のハウスの送風システムは、棚下に設けたダクトからの微風空気と、噴射ノズルからの細霧との接触を図り、細霧冷房による冷却微風を生成し、この冷却微風が、植物の鉢間を通り、棚の下から上へゆっくりと流れて、小ハウス内の冷房をする。この小ハウスを冷却した空気は、その後、小ハウス外に排気される構造である。しかし、ハウス内のプラス圧空気を積極的に排気する構造でない。
【解決手段】 本発明は、イチゴハウス等の棚栽培用のハウスで、壁面の地面近傍に、吸込み用のファンを設置し、ファンのケーシングに設けたダクトを、棚下に向かって延設し、ダクトを棚の下面全体に設け、ダクトからの外気を細孔より、棚のイチゴ等の作物に供給し、ハウスの上方に向かって送風する送風ルートを形成し、送風ルートを利用し、棚の作物の上と、天井との間にあるプラス圧空気を、天窓よりハウス外に押出す棚栽培用のハウスの送風システム。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、イチゴ、茸、又は他の植物等を、棚を利用して栽培する棚栽培用のハウスの送風システムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、棚を利用してイチゴ栽培するハウスにおいて、次の先行文献がある。特開平4−16131号の「植物等栽培用建屋内の気化潜熱型局所冷房装置」がこれに該当する(文献(1)とする)。この文献(1)は、建屋内に被覆資材を利用した小ハウス(マルチ栽培)において、棚下にダクトを設け、このダクトから微風空気を噴出し、この微風空気と、噴射ノズルからの細霧との接触を図り、細霧冷房による冷却微風を生成し、この冷却微風を、植物の鉢間を通り、棚(ベンチ)の下から上へゆっくりと流れ、小ハウス内の冷房と、この小ハウスを冷却した空気を、その後、小ハウス外に排気される構造である。従って、植物の葉の気孔を閉ざさず、また、縮小することなく、健全な炭酸ガス吸収を維持できることと、水滴の垂れによる萎凋化と濡れ防止が図れる特徴がある。しかし、この発明は、小ハウス内の冷房を図るものであり、かつ、ハウス妻面の中間部にダクトを開口し、外気の影響をもろに受けた暖気を、吸込む構造であり、吸込空気の冷房に対して、余分の動力及び/又は経費が必要となり、合理性とコスト面での改良が考えられる。そして、同様な発明として、特開昭60−60439号の「温室冷房装置」がある(文献(2)とする)。この文献(2)は、妻面の立上部位の中間に給気ダクトを開口し、この給気ダクトを、ハウス内の地面で、かつその棟方向に延設し、このダクトからの外気の噴射と、散水管からの噴霧とを介して細霧冷房する冷風筒とする構造であり、この冷風管をハウス内に複数列配備することで、このハウスの冷房を図ることを特徴とする。しかし、この文献(2)は、冷風管をハウス内に、複数列設ける構造であり、ハウスの耕作面積の減少化が考えられ問題である。また、この冷風管内の不織布マットを設ける構造であり、このマットの腐蝕の問題と、メンテナンスの複雑化等を招来する改良点が考えられる。
【特許文献1】特開平4−16131号
【特許文献2】特開昭60−60439号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
前述した文献(1)と、文献(2)は、吸込用のダクト(給気ダクト)を、妻面の立上部位の中間に開口し、空気中の冷暖化された外気(冷気、又は暖気)を吸込み、この外気を、ダクトを介してハウス内に導き、この外気を細霧冷房し、この細霧冷房を介してハウスの冷房を図る構造である。しかし、この文献(1)と、文献(2)は、ダクトによる冷却微風と、冷風管による細霧冷房を図ることに留まり、ハウスの天井に向かって、積極的な送風ルートを確保することを意図しないし、また、ハウス内の中間空気(中間空間の空気、「プラス圧空気」)を、積極的に、天窓を利用して排気する構造でない。従って、栽培に必要とする主要なテーマ、例えば、ハウス内のスムーズな風の流れと、微風の流れを介して、栽培作物に、最適な送風環境を維持すること、葉面における空気の流れ、又は栽培作物の健全な生育環境維持と、収穫量の拡充化を図ること等を達成するには困難視される。
【0004】
上記に鑑み、本発明は、この主要なテーマである。例えば、ハウス内のスムーズな風の流れと、微風の流れを介して、栽培作物に、最適な送風環境を維持すること、葉面における空気の流れ、又は栽培作物の健全な生育環境維持と、収穫量の拡充化を図ること、等を意図する。そして、ハウスの天井に防虫ネットを張装した構造の棚栽培用のハウスに最適な送風システムを提供することを意図する。さらに、前記防虫ネット付のハウスにおいて、ハウスの天井に向かって、積極的な送風ルートを確保することで、ハウス内のプラス圧空気(中間空気)を、積極的に、天窓を利用して排気する。そして、ハウス内に空気の循環路を確保し、かつ吸込み空気の冷気、又は暖気をし、この冷暖気をストレートにダクトに導入し、外気が保持する雰囲気(冷気、又は暖気)を活用することを意図する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
請求項1の発明は、ハウス内のスムーズな風の流れと、微風の流れを介して、栽培作物に、最適な送風環境を維持すること、葉面における空気の流れ、又は栽培作物の健全な生育環境維持と、収穫量の拡充化を図ること等を意図する。そして、請求項1の発明は、ハウスの天井に防虫ネットを張装した構造の棚栽培用のハウスに最適な送風システムを提供することを意図する。さらに、請求項1の発明は、前記防虫ネット付のハウスにおいて、ハウスの天井に向かって、積極的な送風ルートを確保することで、ハウス内のプラス圧空気を、積極的に、天窓を利用して排気し、ハウス内に、空気の循環路を確保し、かつ吸込み空気の冷気、又は暖気(冷暖気)を、ストレートにダクトに導入し、外気が保持する雰囲気(冷暖気)を活用することを意図する。
【0006】
請求項1は、イチゴハウス等の棚栽培用のハウスにおいて、
その壁面(妻面)の地面近傍に、吸込み用のファンを設置し、このファンのケーシングに設けたダクトを、前記棚下に向かって延設し、このダクトを棚の下面全体に設け、
このダクトからの外気を、ダクトに設けた多数個の細孔より、前記棚で栽培するイチゴ等の作物に供給し(棚の下面と、その側面には、風が流動できる空間を形成し、この空間を利用した風の流れ)、この供給を介して、前記ハウスの上方(天井及び/又は防虫ネット)に向かって送風する送風ルートを形成し、
この送風ルートを利用し、このハウスの棚のイチゴ等の作物の上と、天井との間にあるプラス圧空気を、天窓よりハウス外に押出す構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1の目的を達成することと、この目的達成に最適な構造のダクトを提供することを意図する。
【0008】
請求項2は、請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
前記ダクトは、棚の下面から、下向きに垂設した脚部間に設置する構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【0009】
請求項3の発明は、請求項1の目的を達成することと、この目的達成に最適な構造の防虫ネットを張装したハウスを提供することを意図する。
【0010】
請求項3は、請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
前記ハウスの天井に、防虫ネットを張装した構成では、この防虫ネットと棚との間に、滞留するプラス圧空気を、前記送風ルートと天窓を介して、ハウス外に排気する構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【0011】
請求項4の発明は、請求項1の目的を達成することと、この目的達成に最適な構造のダクトからの送風ルートを提供することを意図する。
【0012】
請求項4は、請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
前記ダクトからの送風ルートが、棚の側面の流れルートを経由する構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明は、イチゴハウス等の棚栽培用のハウスにおいて、
壁面の地面近傍に、吸込み用のファンを設置し、ファンのケーシングに設けたダクトを、棚下に向かって延設し、ダクトを棚の下面全体に設け、
ダクトからの外気を、ダクトに設けた多数個の細孔より、棚で栽培するイチゴ等の作物に供給し、供給を介して、ハウスの上方に向かって送風する送風ルートを形成し、
送風ルートを利用し、ハウスの棚のイチゴ等の作物の上と、天井との間にあるプラス圧空気を、天窓よりハウス外に押出す構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【0014】
従って、請求項1の発明は、ハウス内のスムーズな風の流れと、微風の流れを介して、栽培作物に、最適な送風環境を維持すること、葉面における空気の流れ、又は栽培作物の健全な生育環境維持と、収穫量の拡充化が図れること等の特徴を有する。そして、請求項1の発明は、ハウスの天井に防虫ネットを張装した構造の棚栽培用のハウスに最適な送風システムを提供できる実益を有する。さらに、請求項1の発明は、前記防虫ネット付のハウスにおいて、ハウスの天井に向かって、積極的な送風ルートを確保できることで、ハウス内のプラス圧空気を、積極的に、天窓を利用して排気し、ハウス内に、空気の循環路を確保し、かつ吸込み空気の冷暖気を、ストレートにダクトに導入し、外気が保持する雰囲気(冷暖気)を活用できる効果がある。
【0015】
請求項2の発明は、請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
ダクトは、棚の下面から、下向きに垂設した脚部間に設置する構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【0016】
従って、請求項2は、請求項1の目的を達成できることと、この目的達成に最適な構造のダクトを提供できること等の特徴を有する。
【0017】
請求項3の発明は、請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
ハウスの天井に、防虫ネットを張装した構成では、防虫ネットと棚との間に、滞留するプラス圧空気を、送風ルートと天窓を介して、ハウス外に排気する構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【0018】
従って、請求項3は、請求項1の目的を達成できることと、この目的達成に最適な構造の防虫ネットを張装したハウスを提供できること等の特徴を有する。
【0019】
請求項4の発明は、請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
ダクトからの送風ルートが、棚の側面の流れルートを経由する構成とした棚栽培用のハウスの送風システムである。
【0020】
従って、請求項4は、請求項1の目的を達成できることと、この目的達成に最適な構造のダクトからの送風ルートを提供できること等の特徴を有する。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】棚栽培用のハウスで、その一例として、イチゴハウスの棚栽培において、本発明の送風システムの側面模式図
【図2】図1の要部の端面模式図
【図3】他の実施例を示した要部の端面模式図
【発明を実施するための形態】
【0022】
図中1はハウスで、このハウス1は天井1aに防虫ネット2を有するとともに、屋根1bに天窓3(ビニール膜の巻上げ方式も含む)を有する構造である。そして、このハウス1の妻面1c等の壁面において、かつ地面GLと接するように吸込み用のファン5を設置し、このファン5のケーシング5aには、後述する棚に向かったダクト6を設ける。そして、このダクト6は、このハウス1に設置した棚7下に向かって延設されるとともに、この棚7の下面7a(脚部701の間)の全体に敷設する。
【0023】
そして、この棚7は、例えば、イチゴSを栽培するために必要とする棚台700と、この棚台700を支持する脚部701で構成する。そして、この脚部701は、棚台700の底部700aに対で設け、地面GLに至り、また、この脚部701は、棚台700の長手方向Xにおいて、適宜間隔で設けられる構成である。従って、この棚7の下面7aと、その側面7bには、風が流動できる空間A、A1が形成される。また、この脚部701間には、ダクト6が全体に付設される。そして、このダクト6を付設しても、前記空間Aは確保される構造である。そのために、ダクト6の頂面部には、細孔を少なくし、この頂面部から側面上側に、多数の細孔を開設する構造とし、この棚7の下面7aから、その側面7bに至る流れルート8(詳細は後述する)を確保する。
【0024】
前記構造において、ダクト6からの外気が、ダクト6に設けた多数個の細孔(図示せず)より、空間Aと空間A1の流れルート8(供給ルート)を経由し、棚7で栽培するイチゴSに供給されるとともに、この流れルート8を介して、ハウス1の天井1a及び/又は防虫ネット2(上方)に向かって送風する送風ルート800が形成される。そして、流れルート8用の空間A1を確保するために、図示しない、遮蔽膜を、棚7の上面を除いて囲繞するように設けることも可能である。例えば、この遮蔽膜を、棚7の側面7bに間隔をもって垂下し、地面GLに近接して設けるとともに、この棚7の長手方向X全体に設ける構成が考えられる。尚、ダクト6には、回転式ベルト9、又は図示しない、紐、不織布等のような保水性部材を設け、このダクト6内の水10を吸上げ、ダクト6内を流れる風(送風)を利用し、細霧冷房、又は吸湿等として利用することも有効である。
【0025】
この送風ルート800の働きで、ハウス1の中間空間1d(中間部位)から天井1a部位にある暖気(プラス圧空気H)をハウス1の天窓3を介して、ハウス1外に排気する。
【0026】
以上のことから、本発明では、地面GL近傍にあるファン5を介して、この地面GLの冷気(夏季)を、ダクト6に導き、このダクト6に設けた細孔から、空間Aと空間A1の流れルート8と、棚台700の側面の隙間(図示せず)を経由し、送風ルート800の働きで、このハウス1の中間空間1dと防虫ネット2間に形成されるプラス圧空気Hを、ハウス1の天井1aに向かって送り、その後、天窓3を介して、ハウス1外に排気する。
【0027】
このような、空気の流れを介して、請求項1に記載の効果を達成できる。この効果とは、[イ] ハウス1内のスムーズな風の流れと、微風の流れを介して、栽培作物に、最適な送風環境を維持し、また、葉面における空気の流れ、又は栽培作物の健全な生育環境維持と、収穫量の拡充化が図れる等である。[ロ] ハウス1の天井1a(即ち、上方)に防虫ネット2を張装した構造の棚栽培用のハウス1に最適な送風システムを提供できる。[ハ] 防虫ネット2付のハウス1において、ハウス1の天井1aに向かって、積極的な送風ルート800を確保できることで、ハウス1内の中間空間1dと防虫ネット2との間に形成されるプラス圧空気Hを、積極的に、天窓3を利用して排気し、ハウス1内に、空気の循環路を確保し、かつ吸込み空気の冷暖気を、ストレートにダクト6に導入し、外気が保持する雰囲気(冷暖気)を活用できる。
【0028】
そして、本発明では、棚7のイチゴSの上方と、天井1dに張装した防虫ネット2(天井1d)で形成される中間空間1dのプラス圧空気Hを、積極的に、天窓3を利用して排気し、ハウス1内に、空気の循環路を確保すること、又はこのダクト6には、地面GLの近傍で、かつ妻面1cに設けた吸込み用のファン5を介して、この地面GL付近の外気を吸込み、この吸込み空気の冷暖気を、棚7の下面全体に張り巡らした内側のダクト6に導入し、外気が保持する雰囲気(冷暖気)を活用する構造であり有益である。
【0029】
尚、他の妻面1cに排気ファンを設けること、又はハウス1の防虫ネット2の上下の何れか一面に内張りカーテンを設けることも可能である。そして、この内張りカーテンを設けた効果は、暖冷房効果と、太陽光の遮蔽効果等を図る。尚、防虫ネット2と内張りカーテンの併用では、暖冷房効果と、太陽光の遮蔽効果等の一層の拡充が図れる。そして、また、ダクト6を多数の棚7の下面7aに敷設する構造では、利便性と、効率的な栽培等を意図して、例えば、それぞれの棚7への外気の送風を、切換弁を介して、個別にコントロールすることもあり得る。
【0030】
そして、図3に示すように、イチゴSの株間に、補助ダクト600を配備し、この株間に空気の流れを確保することで、蒸れ防止と、結露防止等に役立てて、健全な生育環境と、疫病の発生回避等を図ることも可能である。そして、この補助ダクト600には、望ましくは、左右側面に細孔を設け、イチゴSの葉面、又は茎に送風することと、塩害、結晶化等による葉面の枯れ防止に役立てる。図中601は、補助ダクト600とダクト6を連結するホースであり、このホース601内には、図示しない、弁を設け、風の給停制御(供給と、供給停止)と、場合により逆止弁として利用する。
【符号の説明】
【0031】
1 ハウス
1a 天井
1b 屋根
1c 妻面
1d 中間空間
2 防虫ネット
3 天窓
5 ファン
5a ケーシング
6 ダクト
600 補助ダクト
601 ホース
7 棚
700 棚台
700a 底部
701 脚部
7a 下面
7b 側面
8 流れルート
800 送風ルート
9 回転式ベルト
10 水
A 空間
A1 空間
H プラス圧空気
X 長手方向
S イチゴ
GL 地面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
イチゴハウス等の棚栽培用のハウスにおいて、
その壁面の地面近傍に、吸込み用のファンを設置し、このファンのケーシングに設けたダクトを、前記棚下に向かって延設し、このダクトを棚の下面全体に設け、
このダクトからの外気を、ダクトに設けた多数個の細孔より、前記棚で栽培するイチゴ等の作物に供給し、この供給を介して、前記ハウスの上方に向かって送風する送風ルートを形成し、
この送風ルートを利用し、このハウスの棚のイチゴ等の作物の上と、天井との間にあるプラス圧空気を、天窓よりハウス外に押出す構成とした棚栽培用のハウスの送風システム。
【請求項2】
請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
前記ダクトは、棚の下面から、下向きに垂設した脚部間に設置する構成とした棚栽培用のハウスの送風システム。
【請求項3】
請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
前記ハウスの天井に、防虫ネットを張装した構成では、この防虫ネットと棚との間に、滞留するプラス圧空気を、前記送風ルートと天窓を介して、ハウス外に排気する構成とした棚栽培用のハウスの送風システム。
【請求項4】
請求項1に記載の棚栽培用のハウスにおいて、
前記ダクトからの送風ルートが、棚の側面の流れルートを経由する構成とした棚栽培用のハウスの送風システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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