説明

椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造

【課題】背凭れ支持フレームの上端に、ヘッドレストフレームを最小限の部品点数で容易に、かつ一体感を呈するように強固に取付ける。
【解決手段】ヘッドレストフレーム16の左右1対の側杆16aの下端部に上下方向を向く連結孔20を設け、背凭れ支持フレーム6の左右1対の側部フレーム10の上端部に、めねじ孔33を設け、めねじ孔33に、上下方向を向く連結部材21における下端側のねじ軸22を螺合するとともに、連結孔20に、連結部材21の上端側の連結軸24を嵌合し、かつこの連結軸24を抜け止め手段34をもって固定することにより、左右の側部フレーム10の上端に左右の側杆16aの下端を連結する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子の背凭れ支持フレームの上端に、ヘッドレストフレームを取付ける取付構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来の椅子のヘッドレストフレーム取付構造には、例えば特許文献1及び2に記載されているものがある。
【特許文献1】特開2001−314268号公報
【特許文献2】特開2003−79474号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
上記特許文献1に記載されているものにおいては、ヘッドレストを取付けるヘッドレストフレーム(ステー)の下端が、背凭れ支持フレームの上部横杆の中央部に、上向きに取付けられているため、ヘッドレストに後向きの大きな力が加わった際、ヘッドレストフレームが上部横杆を中心として後方にぐらつく恐れがある。
【0004】
これを防止するために、ヘッドレストフレームの下端部を、ブラケット、クランプ板、把持金具、及び複数のボルトとナットを用いて、上部横杆に強固に取付けており、部品点数や取付工数が増大するだけでなく、取付部が大きく膨らんで外部に露呈し、かつ背凭れ支持フレームとヘッドレストフレームとが一体感を呈していないので、見栄えが悪いという問題を有している。
【0005】
特許文献2に記載されているヘッドレストフレーム(支柱)においても、その下端部が背凭れの上端部に、大きく上方に突出するように取付けているため、ヘッドレストを上方に移動させたときに、ヘッドレストフレームが後方にぐらつき易く、また背凭れフレームとヘッドレストフレームとが一体感を呈していないため、見栄えが悪いものとなっている。
【0006】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、背凭れ支持フレームの上端に、ヘッドレストフレームを、最小限の部品点数で容易に、かつ一体感を呈するように強固に取付けうるようにした、椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明によると、上記課題は、次のようにして解決される。
(1)座体の後部より起立し、前面に背凭れを取付けうる背凭れ支持フレームにおける左右1対の側部フレームの上端に、ヘッドレストを装着可能なヘッドレストフレームを取付けるようにした椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造において、前記ヘッドレストフレームを、前記左右の側部フレームの離間寸法とほぼ等しい離間寸法の左右1対の側杆を備えるものとし、この両側杆の下端部と前記両側部フレームの上端部とのいずれか一方に上下方向を向くめねじ孔を、かつ他方に、上下方向を向く連結孔を、それぞれ対向面を開口させて互いに同軸をなすように設け、前記めねじ孔に、上下方向を向く連結部材における一端側のねじ軸を螺合するとともに、前記連結孔に、連結部材の他端側の連結軸を嵌合し、かつこの連結軸を抜け止め手段をもって固定することにより、前記左右の側部フレームの上端に前記左右の側杆の下端を連結する。
【0008】
(2)上記(1)項において、連結部材の上下方向の中間部に、ねじ軸及び連結軸よりも大径の中間連結軸を設け、この中間連結軸の少なくとも連結軸側の端部を、連結孔と連続するようにその開口部に設けた有底の凹孔に嵌合するとともに、中間連結軸のねじ軸側の端面を、めねじ孔の開口端面に当接させる。
【0009】
(3)上記(1)または(2)項において、抜け止め手段を、連結孔と直交する方向を向くめねじ孔に螺合され、先端が連結軸の外周面に圧接する止めねじとする。
【0010】
(4)上記(3)項において、連結軸の外周面に、止めねじの先端部が嵌合する環状溝を設ける。
【0011】
(5)上記(1)〜(4)項のいずれかにおいて、左右の側部フレームの上端の対向面に、左右方向を向く上部フレームを結合するとともに、ヘッドレストフレームを、その両側杆の上端間に横杆を連設することにより、前面視下向コ字状とする。
【0012】
(6)上記(1)〜(5)項のいずれかにおいて、側部フレームと側杆との対向面を当接または近接するように連結する。
【0013】
(7)上記(1)〜(6)項のいずれかにおいて、連結軸の外周面の一部に、工具により回転させうる非円形部を設ける。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、連結部材の一端側のねじ軸を、側杆または側部フレームのめねじ孔に螺合させたのち、連結部材の他端部の連結軸に、側杆または側部フレームの連結孔を嵌合し、かつ抜け止め手段により連結軸を固定するだけで、背凭れ支持フレームの上端に、ヘッドレストフレームの下端を容易に取付けることができ、かつ部品点数も最小限となるので、コスト低減が図れる。
【0015】
また、連結部材は、芯材として機能するため、両者の取付部の強度が大となる。
さらに、連結部材が外部に露呈しないので、取付部が大きく膨らむことはなく、背凭れ支持フレームとヘッドレストフレームとが一体感を呈して、見栄えが向上する。
【0016】
請求項2記載の発明によれば、大径の中間連結軸のねじ軸側の端面を、めねじ孔の開口端面に当接させることにより、ねじ軸をめねじ孔に強く締込んで、連結部材の取付強度を高めうるとともに、大径をなす中間連結軸の連結軸側の一部が有底の凹孔に嵌合されているので、連結部材の中間部の曲げ剛性が高まり、背凭れ支持フレームとヘッドレストフレームとの取付部の強度がより大となる。
【0017】
また、大径の中間連結軸が、側部フレームと側杆との上下方向の位置決め作用を有するので、背凭れ支持フレームの上端に、ヘッドレストフレームを、上下方向の誤差をなくして精度よく取付けることが可能となる。
【0018】
請求項3記載の発明によれば、止めねじを締込むだけの簡単な操作で、連結軸を、側部フレーム又は側杆に極めて容易に固定することができるとともに、止めねじは、めねじ孔に螺合されていて目立たないので、見栄えもよい。
【0019】
請求項4記載の発明によれば、連結軸の連結孔よりの抜け防止効果が大となるので、ヘッドレストフレームに強い上向きの力が加わっても、背凭れ支持フレームから外れることはない。
【0020】
請求項5記載の発明によれば、左右の側部フレームの上端には上部フレームが結合され、かつヘッドレストフレームも、上端に横杆を有する下向コ字状とされ、さらに、背凭れ支持フレームの上部フレームと下向コ字状のヘッドレストフレームとにより、前面視方形の枠体が形成されるので、ヘッドレストフレームの強度、特に、前後方向のねじれや曲げ剛性が大となる。
【0021】
請求項6記載の発明によれば、ヘッドレストフレームに前後方向の強い力が加わると、その側杆の下端が側部フレームの上端に強く当接して、その荷重を受止するので、ヘッドレストフレームが連結部において前後方向にぐらつくのが防止される。
【0022】
請求項7記載の発明によれば、非円形部を工具により回転させることにより、ねじ軸をめねじ孔に、容易にかつ強く締込むことができるとともに、ねじ軸のめねじ孔よりの取外しも容易となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
以下、本発明の実施形態を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明を適用した椅子の側面図、図2は、同じく後面図で、椅子は、キャスタ(1)付きの脚体(2)と、その中央より起立する脚柱(3)と、その上端に取付けられた、座体(4)を支持する支基(5)と、この支基(5)の両側部に下端が回動可能に枢着され、下部が斜め後ろ上方かつ上部が座体(4)の後方において起立する後面視ほぼ縦長下向コ字状をなす背凭れ支持フレーム(6)と、この背凭れ支持フレーム(6)の両側の下端部に取付けられた左右1対の肘掛け(7)(7)とを備えている。
【0024】
背凭れ支持フレーム(6)の前面には、背凭れ(8)における後面のメッシュ状の背凭れ板(9)が取付けられている。
【0025】
背凭れ支持フレーム(6)は、図3及び図4にも示すように、アルミニウム合金等により成形された左右1対の側部フレーム(10)(10)と、同じくアルミニウム合金等により、後向き凸円弧状に成形された上部フレーム(11)とからなっている。
【0026】
両側部フレーム(10)の上端の対向面には、内端部の上下寸法と前後寸法を、上部フレーム(11)のそれと等しくした結合片(10a)(10a)が、上部フレーム(11)の両側端部と連続するように、それとほぼ等しい曲率で斜め後方内向きに突設されている。
【0027】
上部フレーム(11)の両側端部の前面には、前方に開口するボルト挿入溝(12)が形成され、このボルト挿入溝(12)に挿入したボルト(13)を、上部フレーム(11)の側端を挿通して、結合片(10a)の内側面に設けためねじ孔(図示略)に螺合することにより、左右の側部フレーム(10)の上端に、上部フレーム(11)が、一体感を呈するように見栄えよく結合されている。
【0028】
(14)(14)は、背凭れ板(9)の上端部を背凭れ支持フレーム(6)の前面に取付けるための突部で、両側部フレーム(10)の上端部の前面に一体的に突設され、突部(14)には、上下2個のめねじ孔(15)が穿設されている(図5参照)。
【0029】
背凭れ支持フレーム(6)における両側部フレーム(10)の上端には、前面視下向コ字状をなすアルミニウム合金等のヘッドレストフレーム(16)が、次のようにして取付けられている。
【0030】
図3及び図4に示すように、ヘッドレストフレーム(16)は、左右の離間寸法が上記側部フレーム(10)(10)間の離間寸法とほぼ等しい左右1対の下向側杆(16a)(16a)の上端に、後方に凸円弧状に湾曲する横杆(16b)を一体的に連設して形成されている。
【0031】
下向側杆(16a)の下端部の前後及び左右寸法は、側部フレーム(10)の上端部の前後及び左右寸法とほぼ等しくされ、取付後において互いに一体感を呈するようになっている。
【0032】
図5及び図6に示すように、背凭れ支持フレーム(6)における左右の側部フレーム(10)の上端部には、上下寸法が短寸の上方に開口する有底の凹部(17)と、それよりも小径かつ上下寸法の長いめねじ孔(18)とが、互いに連通するように形成されている。
【0033】
ヘッドレストフレーム(16)における左右の下向側杆(16a)の下端部には、下方に開口する段付孔、すなわち上下寸法が短寸の上向の凹孔(19)と、それより小径かつ上下寸法の長い連結孔(20)とが、互いに連通して形成されている。
【0034】
(21)は、上下方向を向く硬質金属製の連結部材で、下端部のねじ軸(22)と、それよりも大径の中間連結軸(23)と、この中間連結軸(23)よりも小径の上部連結軸(24)と、その上端に連設された短寸の六角軸(25)とを有している。
上部連結軸(24)と六角軸(25)を合わせた上下寸法は、上記連結孔(20)よりも若干短寸としてある。
【0035】
ねじ軸(22)は、側部フレーム(10)のめねじ孔(18)に螺合され、中間連結軸(23)の下半部と上半部は、それぞれ側部フレーム(10)の凹部(17)と下向側杆(16a)の凹孔(19)とに嵌合され、上部連結軸(24)と六角軸(25)は、下向側杆(16a)の連結孔(20)に嵌合されるようになっている。
上部連結軸(24)の中間部の外周面には、環状溝(26)が形成されている。
【0036】
(27)(27)は、左右の下向側杆(16a)の前面にボルト(28)により固定されたヘッドレスト(29)の支持部材で、その両側面には、ヘッドレスト(29)の下端部の左右両側部後面に取付けられたブラケット(30)を上下に摺動可能に案内するガイド溝(31)が形成されており、また前面には、ブラケット(30)の後面の弾性係止片(図示略)が選択的に係脱することにより、ヘッドレスト(29)の上下位置を調節するための複数の係止溝(32)が形成されている(図3参照)。
【0037】
背凭れ支持フレーム(6)にヘッドレストフレーム(16)を取付けるには、まず図5に示すように、左右の側部フレーム(10)のめねじ孔(18)に、連結部材(21)の下端部のねじ軸(22)を、中間連結軸(23)の下端が凹部(17)の底面と当接するまで螺合することにより、連結部材(21)を、その中間連結軸(23)の上半部以上が、側部フレーム(10)の上端より上方に突出するように取付ける。
【0038】
この際、連結部材(21)の上端の非円形部、すなわち六角軸(25)を、スパナ等の工具により回転させることにより、ねじ軸(22)をめねじ孔(18)に容易に螺合することができ、かつ強く締付けて中間連結軸(23)の下端を凹部(17)の底面と強く当接させうるので、連結部材(21)を側部フレーム(10)に強固に取付けることができる。
【0039】
ついで、ヘッドレストフレーム(16)の両下向側杆(16a)の下端を、左右の側部フレーム(10)の上端と対峙させ、下向側杆(16a)の下端部に設けた凹孔(19)と連結孔(20)を、図6に示すように、連結部材(21)の突出部、すなわち中間連結軸(23)の上半部と上部連結軸(24)にそれぞれ嵌合する。
【0040】
この際、中間連結軸(23)の上下寸法を、凹部(17)と凹孔(19)を合わせた深さと等しくすると、ヘッドレストフレーム(16)の自重により、中間連結軸(23)の上端に凹孔(19)内の上端が当接して、上下方向の位置決めがなされるとともに、下向側杆(16a)の下端も側部フレーム(10)の上端と当接し、それら3部材間に上下方向のがたが生じなくなるので、ヘッドレストフレーム(16)が安定して保持される。
【0041】
また、中間連結軸(23)の上下寸法を、凹部(17)と凹孔(19)を合わせた深さよりも僅かに長寸とし、中間連結軸(23)の上端のみが凹孔(19)の上端と当接し、下向側杆(16a)の下端と側部フレーム(10)の上端間に僅かな隙間が形成されて近接するるようにしてもよい。このようにしても、連結部材(21)に対し、下向側杆(16a)が上下方向に位置決めされるとともに、それらの間に上下方向のがたが生じないので、ヘッドレストフレーム(16)が連結部材(21)に安定して保持される。
【0042】
連結部材(21)の突出部に下向側杆(16a)の下端部を嵌合したのち、連結部材(21)の環状溝(26)と対応するように、予め下向側杆(16a)の下端部前面に形成しておいた、連結孔(20)と連通する前後方向を向くめねじ孔(33)に、すり割り付き止めねじ(34)を、支持部材(27)に穿設した通孔(35)より挿入して螺合し、その先端により環状溝(26)を押圧する。
【0043】
これにより、連結部材(21)に下向側杆(16a)が抜け止めされて固定され、背凭れ支持フレーム(6)の上端に、ヘッドレストフレーム(16)の下端が取付けられる。
【0044】
取付後においては、大径の中間連結軸(23)の下端は、側部フレーム(10)におけるめねじ孔(18)の開口端面と当接しており、かつ中間連結軸(23)の上半部が、下向側杆(16a)の凹孔(19)に嵌合されているため、連結部材(21)の側部フレーム(10)への取付強度及び中間部の曲げ剛性が高くなり、背凭れ支持フレーム(6)とヘッドレストフレーム(16)との取付部の強度が大となる。
【0045】
また、連結部材(21)のねじ軸(22)は、側部フレーム(10)のめねじ孔(18)に比較的深く螺合し、かつ上部連結軸(24)も比較的長寸で、下向側杆(16a)の連結孔(20)への嵌合代を大としてあるので、連結部材(21)が芯材として機能し、背凭れ支持フレーム(6)とヘッドレストフレーム(16)との取付部の強度が大となることにより、ヘッドレストフレーム(16)にヘッドレスト(29)を安定して支持することができる。
【0046】
さらに、取付部品は、連結部材(21)と止めねじ(34)のみであるため、部品点数が少なく、取付作業が極めて容易となるとともに、コスト低減が図れる。
【0047】
連結部材(21)は外部に露呈せず、かつ背凭れ支持フレーム(6)の側部フレーム(10)と、ヘッドレストフレーム(16)の下向側杆(16a)とは、上下に互いに連続しているので、背凭れ支持フレーム(10)とヘッドレストフレーム(16)とが一体感を呈する外観となり、見栄えが向上する。
【0048】
背凭れ支持フレーム(6)の側部フレーム(10)の上端には、上部フレーム(11)が結合され、この上部フレーム(11)と、下向コ字状のヘッドレストフレーム(16)とにより、前面視方形の枠体が形成されるため、ヘッドレストフレーム(16)の強度、特に、前後方向のねじれや曲げに対する剛性が大となる。
【0049】
本発明は、上記実施形態に限定されるものではない。
上記実施形態においては、背凭れ支持フレーム(6)の側部フレーム(10)側にめねじ孔(18)を、ヘッドレストフレーム(16)の下向側杆(16a)側に連結孔(20)を、それぞれ設けているが、それとは反対に、下向側杆(16a)にめねじ孔(18)を、側部フレーム(10)側に連結孔(20)を、それぞれ設け、連結部材(21)を上下逆向きとして使用してもよい。
【0050】
この際には、下向側杆(16a)側のめねじ孔に連結部材(21)のねじ軸(22)を先に螺合すればよく、また止めねじ(34)を、側部フレーム(10)側においてそれに設けためねじ孔に螺合して、連結部材(21)の抜け止めをすればよい。
【0051】
また、上記実施形態では、中間連結軸(23)の下半部を側部フレーム(10)の凹部(17)に、かつ上半部を、下向側杆(16a)の凹孔(19)に嵌合しているが、図7に示すように、側部フレーム(10)と下向側杆(16a)の対向面をほぼ水平面とし、中間連結軸(23)の下端を、側部フレーム(10)の上端面、すなわちめねじ孔(18)の開口端面に当接させるとともに、中間連結軸(23)全体を、上下寸法を大とした凹孔(19)に、その奥端面に中間連結軸(23)の上端が当接するように嵌合させてもよい。なおこの際も、側部フレーム(10)と下向側杆(16a)との対向面は、当接又は近接するようにしてもよい。
【0052】
上記実施形態の連結部材(21)は、大径の中間連結軸(23)を有するとともに、環状溝(26)を設けているが、これらを省略してストレートの軸状とすることもある。この際は、下半部のねじ軸(22)を、単に側部フレーム(10)の上端から下向きに形成しためねじ孔(18)に螺合するとともに、上半部の連結軸(24)を、下向側杆(16a)の下方に開口するストレート状の連結孔(20)に嵌合して、側部フレーム(10)の上端に下向側杆(16a)の下端を当接させ、止めねじ(34)を上部連結軸(24)の外周面に当接させて抜け止めすればよい。
【0053】
背凭れ支持フレーム(6)の上部フレーム(11)を省略し、左右1対の側部フレーム(10)(10)のみとすることもある。
また、ヘッドレストフレーム(16)も、横杆(16b)を省略して、左右1対の側杆(16a)(16a)のみとすることもある。
【図面の簡単な説明】
【0054】
【図1】本発明を適用した椅子の側面図である。
【図2】同じく、後面図である。
【図3】背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付前の要部の分解斜視図である。
【図4】同じく、ヘッドレストフレーム取付後の要部の斜視図である。
【図5】同じく、側部フレームに連結部材を取付けた状態の要部の拡大縦断側面図である。
【図6】同じく、連結部材により、側部フレームに下向側杆を取付けた状態の要部の拡大縦断側面図である。
【図7】側部フレームと下向側杆との取付変形例を示す要部の拡大縦断側面図である。
【符号の説明】
【0055】
(1)キャスタ
(2)脚体
(3)脚柱
(4)座体
(5)支基
(6)背凭れ支持フレーム
(7)肘掛け
(8)背凭れ
(9)背凭れ板
(10)側部フレーム
(10a)結合片
(11)上部フレーム
(12)ボルト挿入溝
(13)ボルト
(14)突部
(15)めねじ孔
(16)ヘッドレストフレーム
(16a)下向側杆(側杆)
(16b)横杆
(17)凹部
(18)めねじ孔
(19)凹孔
(20)連結孔
(21)連結部材
(22)ねじ軸
(23)中間連結軸
(24)上部連結軸
(25)六角軸(非円形部)
(26)環状溝
(27)支持部材
(28)ボルト
(29)ヘッドレスト
(30)ブラケット
(31)ガイド溝
(32)係止溝
(33)めねじ孔
(34)止めねじ
(35)通孔

【特許請求の範囲】
【請求項1】
座体の後部より起立し、前面に背凭れを取付けうる背凭れ支持フレームにおける左右1対の側部フレームの上端に、ヘッドレストを装着可能なヘッドレストフレームを取付けるようにした椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造において、
前記ヘッドレストフレームを、前記左右の側部フレームの離間寸法とほぼ等しい離間寸法の左右1対の側杆を備えるものとし、この両側杆の下端部と前記両側部フレームの上端部とのいずれか一方に上下方向を向くめねじ孔を、かつ他方に、上下方向を向く連結孔を、それぞれ対向面を開口させて互いに同軸をなすように設け、前記めねじ孔に、上下方向を向く連結部材における一端側のねじ軸を螺合するとともに、前記連結孔に、連結部材の他端側の連結軸を嵌合し、かつこの連結軸を抜け止め手段をもって固定することにより、前記左右の側部フレームの上端に前記左右の側杆の下端を連結したことを特徴とする椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造。
【請求項2】
連結部材の上下方向の中間部に、ねじ軸及び連結軸よりも大径の中間連結軸を設け、この中間連結軸の少なくとも連結軸側の端部を、連結孔と連続するようにその開口部に設けた有底の凹孔に嵌合するとともに、中間連結軸のねじ軸側の端面を、めねじ孔の開口端面に当接させてなる請求項1記載の椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造。
【請求項3】
抜け止め手段を、連結孔と直交する方向を向くめねじ孔に螺合され、先端が連結軸の外周面に圧接する止めねじとした請求項1または2記載の椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造。
【請求項4】
連結軸の外周面に、止めねじの先端部が嵌合する環状溝を設けてなる請求項3記載の椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造。
【請求項5】
左右の側部フレームの上端の対向面に、左右方向を向く上部フレームを結合するとともに、ヘッドレストフレームを、その両側杆の上端間に横杆を連設することにより、前面視下向コ字状としてなる請求項1〜4のいずれかに記載の椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造。
【請求項6】
側部フレームと側杆との対向面を当接または近接するように連結してなる請求項1〜5のいずれかに記載の椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造。
【請求項7】
連結軸の外周面の一部に、工具により回転させうる非円形部を設けてなる請求項1〜6のいずれかに記載の椅子の背凭れ支持フレームへのヘッドレストフレーム取付構造。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−296088(P2007−296088A)
【公開日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−126347(P2006−126347)
【出願日】平成18年4月28日(2006.4.28)
【出願人】(000000561)株式会社岡村製作所 (1,415)
【Fターム(参考)】