説明

椅子型マッサージ機

【課題】対価受領装置を取付可能な椅子型マッサージ機の使用性及び操作性を向上させる。
【解決手段】被施療者の腰掛ける座部12、該座部の後端に配備された背凭れ部14、座部及び/又は背凭れ部に配備され被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段20,22、座部及び背凭れ部を傾動させるリクライニング機構28とを具え、マッサージ手段及びリクライニング機構を制御する制御手段50と、該制御手段に操作命令を送信する複数の操作ボタン41-48aを有する操作器40とを具え、制御手段には、対価の投入によって、マッサージ手段及びリクライニング機構を所定時間動作可能とする対価受領装置60が接続可能である、椅子型マッサージ機において、制御手段には、対価受領装置の接続を識別する検出回路52が接続されており、制御手段は、検出回路に対価受領装置が接続された場合に、マッサージ手段及びリクライニング機構の動作に制限を加えるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子型マッサージ機に関するものであり、より具体的には、対価受領装置を取り付けることのできる椅子型マッサージ機に関するものである。
【背景技術】
【0002】
椅子型マッサージ機は、被施療者が腰掛けた状態でマッサージを受けることのできる装置であり、家庭等で一般用として使用される場合(一般用)や、硬貨、紙幣、コイン、プリペイドカード等の対価受領装置を取り付けて、時間貸しする場合(業務用)がある。
【0003】
従来の椅子型マッサージ機では、商用電源が対価受領装置を経由して、椅子型マッサージ機に供給されている。
即ち、対価受領装置は、対価の投入を確認することで、椅子型マッサージ機に電源を供給し、所定の時間が経過すると、椅子型マッサージ機への電源の供給を遮断するものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭63−192185号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
このため、対価受領装置に対価を投入してから、予めタイマー設定された所定時間は椅子型マッサージ機の各種動作を行なうことができるが、初めて椅子型マッサージ機を使用する人や、その機種の使用は初めてである人は、椅子型マッサージ機の基本動作や操作性の複雑さに戸惑ってしまう場合がある。
【0006】
また、マッサージ動作以外にも、リクライニング動作等で、座部、背凭れ部、脚部等の角度調整が可能であるため、リクライニング角度の微調整だけでも複雑な操作が必要となってしまう。
【0007】
上記のように、椅子型マッサージ機の操作性や使用性を理解するまでに時間を要すると、被施療者が十分なマッサージを受けることができないまま、所定の使用時間が経過してしまうことがある。
【0008】
さらに、タイマー設定された所定時間を経過すると、対価受領装置により強制的に椅子型マッサージ機への電源の供給は遮断されるから、座部、背凭れ部及び脚部をリクライニング状態にしたまま、椅子型マッサージ機が停止してしまうことがある。
【0009】
この場合、マッサージを受けていた被施療者は、椅子型マッサージ機から降りることができなくなることがあり、また、次に使用を望む人も、座部、背凭れ部及び脚部が大きく傾いた状態では、椅子型マッサージ機に腰掛けることができないことがある。
【0010】
本発明の目的は、対価受領装置を取付可能な椅子型マッサージ機の使用性及び操作性を向上させることである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明の請求項1に記載の椅子型マッサージ機は、
被施療者の腰掛ける座部、該座部の後端に配備された背凭れ部、座部及び/又は背凭れ部に配備され被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段、座部及び背凭れ部を傾動させるリクライニング機構とを具え、マッサージ手段及びリクライニング機構を制御する制御手段と、該制御手段に操作命令を送信する複数の操作ボタンを有する操作器とを具え、
制御手段には、対価の投入によって、マッサージ手段及びリクライニング機構を所定時間動作可能とする対価受領装置が接続可能である、
椅子型マッサージ機において、
制御手段には、対価受領装置の接続を識別する検出回路が接続されており、
制御手段は、検出回路に対価受領装置が接続された場合に、マッサージ手段及びリクライニング機構の動作に制限を加えるようにした。
【0012】
また、上記において、本発明の請求項2に記載の椅子型マッサージ機は、
制御手段は、検出回路に対価受領装置が接続された場合に、操作部の複数の操作ボタンの内、所定の操作ボタンについて操作不能とした。
【0013】
さらに、本発明の請求項3に記載の椅子型マッサージ機は、
被施療者の腰掛ける座部、該座部の後端に配備された背凭れ部、座部及び/又は背凭れ部に配備され被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段、座部及び背凭れ部を傾動させるリクライニング機構とを具え、マッサージ手段及びリクライニング機構を制御する制御手段と、該制御手段に操作命令を送信する複数の操作ボタンを有する操作器とを具え、
制御手段には、対価の投入によって、マッサージ手段及びリクライニング機構を所定時間動作可能とする対価受領装置が接続可能である、
椅子型マッサージ機において、
制御手段には、対価受領装置の接続を識別する検出回路が接続されており、
制御手段は、検出回路に対価受領装置が接続され、対価が投入された場合、所定時間、マッサージ手段とリクライニング機構の操作を許容するが、所定時間経過後は、リクライニング機構のみの操作を許容するようにした。
【0014】
また、上記において、本発明の請求項4に記載の椅子型マッサージ機は、
制御手段は、所定時間経過後のリクライニング機構の操作は、座部を水平に向かう方向に傾動させ、背凭れ部を起立させる方向に傾動させる操作のみ許容するものである。
【0015】
本発明の請求項5に記載の椅子型マッサージ機は、上記において、
制御手段には、商用電源が接続可能となっており、該商用電源は、制御手段に直接接続されると共に、対価受領装置及び検出回路を介して制御手段に接続した。
【発明の効果】
【0016】
本発明の請求項1に記載の椅子型マッサージ機によれば、対価受領装置が接続されていない場合に比して、対価受領装置が接続されていいる場合には、マッサージ手段及びリクライニング機構の動作に制限を加えるようにしている。具体的には、対価受領装置が接続されていな場合の動作モードに比して、対価受領装置が接続されている場合の動作モードを簡易なもの又は動作モード数を少なくすることが挙げられる。
【0017】
これにより、家庭等で一般用として対価受領装置を接続しないで使用する場合(一般用)に設定することのできる種々の複雑な操作に比して、対価受領装置を取り付けて時間貸しする場合(業務用)の操作性や使用性を高めることができ、当該椅子型マッサージ機に不慣れな被施療者が、操作性や使用性を理解するまでに時間が経過してしまうことを防止できる。
従って、業務用の場合であっても、被施療者は椅子型マッサージ機を操作して、十分なマッサージを受けることができる利点がある。
【0018】
本発明の請求項2に記載の椅子型マッサージ機によれば、一般用に比して、業務用で、操作部の操作できる操作ボタンの数を減らすことで、業務用の椅子型マッサージ機の操作性や使用性を高めることができ、当該椅子型マッサージ機に不慣れな被施療者が、操作性や使用性を理解するまでに時間が経過してしまうことを防止できる。
従って、業務用の場合であっても、被施療者は椅子型マッサージ機を操作して、十分なマッサージを受けることができる。
【0019】
また、本発明の請求項3及び請求項4に記載の椅子型マッサージ機によれば、対価受領装置が接続されている場合に、対価の投入後、マッサージ手段及びリクライニング機構が動作可能な所定時間経過した後でも、リクライニング機構の操作は行なうことができるから、例えば、所定時間を経過したときに、座部や背凭れ部が大きく傾いた状態で停止しても、座部を水平に戻し、背凭れ部を起こして、椅子型マッサージ機から被施療者が乗り降りすることができる。
【0020】
さらに、本発明の請求項5に記載の椅子型マッサージ機は、商用電源から椅子型マッサージ機への電源の供給を、制御手段へ直接の経路と、対価受領装置及び検出回路を介した経路の2経路としたことで、対価受領装置を接続していない場合には、一般用の椅子型マッサージ機として使用でき、対価受領装置を接続している場合でも、上記の如く、リクライニング機構のみの動作を許容し、椅子型マッサージ機から被施療者が乗り降りできるようにすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【図1】本発明を実施することができる椅子型マッサージ機の斜視図である。
【図2】椅子型マッサージ機のリクライニングポジションを説明する図である。
【図3】一般用モードの操作部の平面図である。
【図4】業務用モードの操作部の平面図である。
【図5】本発明の椅子型マッサージ機の制御ブロック図である。
【図6】一般用モードと業務用モードの切替えフローチャート図である。
【図7】業務用モードのフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に沿って本発明について詳細に説明する。
図1は、本発明を適用することのできる椅子型マッサージ機(10)の斜視図である。椅子型マッサージ機(10)は、床面に載置されるベース部(11)に、被施療者の腰掛ける座部(12)が揺動可能に支持されている。座部(12)の後端側には、被施療者の背中の当たる背凭れ部(14)、座部(12)の前端側には、被施療者の脚部を収容する脚部用ユニット(16)が支持されている。
脚部用ユニット(16)は、図1に示すように、被施療者の脚部(膝より下の部分)を挿入する凹部(17)(17)を有している。
【0023】
座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)は、夫々、ベース部(11)に対してリクライニング機構(28)(図5参照)により傾動可能となっている。リクライニング機構(28)(図1には示さず)は、座部(12)の下方に配備され、複数のアクチュエータ等により、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)を独立して傾動させる構成としたり、1基のアクチュエータとリンク機構を組み合わせることで、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)を協調して傾動させるようにすることができる。
【0024】
座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)は、各々を別個の操作により傾動させることもできるし、予めプログラムされたリクライニングポジションへボタン操作一つで移行できるようにすることもできる。
【0025】
予めプログラムされたリクライニングポジションとして、図2(a)に示すように、座部(12)が水平、背凭れ部(14)がほぼ起立、脚部用ユニット(16)もほぼ起立したリクライニング角度(以下「ホームポジション」という)から、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)を夫々傾動させることで、図2(b)に示すように、座部(12)を傾け、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)をほぼ水平にまで傾動させたリクライニング角度(以下「ベストポジション1」という)や、図2(c)に示すように、座部(12)を傾け、背凭れ部(14)をやや後傾させ、脚部用ユニット(16)は座部(12)とほぼ直角としたリクライニング角度(以下「ベストポジション2」という)、図2(d)に示すような、座部(12)及び脚部用ユニット(16)はベストポジション1であり、背凭れ部(14)をベストポジション2としたリクライニング角度(ベストポジション3)を挙げることができる。
なお、リクライニングポジションは、上記に限定されるものではない。
【0026】
これら各リクライニングポジションは、後述する操作部(40)のボタン操作(操作ボタン(48)(48a))により、個々のリクライニング角度を設定することなく移行できるようにすることが望ましい。
【0027】
座部(12)の左右両側には、座部(12)と一体に傾動可能な肘掛け部(18)(18)が設けられている。一方の肘掛け部(18)には、後述する操作部(40)が配備されると共に、後述する対価受領装置(60)が取付可能となっている。
【0028】
また、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)には、図1に示すように、夫々被施療者にマッサージを施す座部用マッサージ手段(20)、背凭れ部用マッサージ手段(22)、脚部用マッサージ手段(24)が配備される。
【0029】
座部用マッサージ手段(20)として、エアバッグタイプやバイブレーションタイプ、ローラタイプのマッサージ手段を例示できる。
また、背凭れ部用マッサージ手段(22)として、揉み玉タイプ、エアバッグタイプ、バイブレーションタイプ、ローラタイプのマッサージ手段を例示することができる。揉み玉タイプ、ローラタイプのマッサージ手段の場合、背凭れ部(14)の長手方向に沿って上下に昇降可能に配備することが望ましい。
【0030】
脚部用マッサージ手段(24)として、エアバッグタイプ、バイブレーションタイプ、ローラタイプのものを例示することができる。被施療者の上半身への振動等の影響を抑えるために、エアバッグタイプのものを使用することが望ましい。
脚部用マッサージ手段(24)にエアバッグを採用する場合、図1に示すように、凹部(17)の内側面及び凹部(17)の底面に夫々1又は複数のエアバッグを装備し、エアバッグの膨張、収縮によって、被施療者のふくらはぎや足首、足先をマッサージすることができるようにすることが望ましい。
【0031】
椅子型マッサージ機(10)の操作は、図1に示すように、一方の肘掛け部(18)に配備された操作部(40)により行なわれる。
図3は、家庭等の一般用モードの操作部(40)を示している。
図3に示すように、操作部(40)には、電源スイッチ(41)、マッサージコース選択ボタン(42)、マッサージポイント選択ボタン(43)、マッサージ強さ設定ボタン(44)、背凭れ部用マッサージ手段(22)の上下位置(45)、脚部用ユニット(16)のリクライニング調整ボタン(46)、背凭れ部(14)のリクライニング調整ボタン(47)、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)の相対的なリクライニング角度を最も望ましい角度(ベストポジション)に調整するベストポジション移行ボタン(48)、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)を初期の基本位置に復帰させるホームポジション復帰ボタン(48a)、非常時停止ボタン(41a)等の複数の操作ボタンを具える。
また、操作部(40)には、選択されたマッサージコース、マッサージ手段(20)(22)(24)の動作状態、位置、強さ、経過時間等のマッサージ情報などを表示する表示部(49)を具える。
【0032】
肘掛け部(18)には、図1に示すように、椅子型マッサージ機(10)を業務用として貸し出す場合等に、硬貨、紙幣、コイン、プリペイドカード等が投入されると、内蔵されたタイマーの動作により、予め設定された所定時間、椅子型マッサージ機(10)に通電を行ない、椅子型マッサージ機(10)の操作を許容する対価受領装置(60)を後付け可能となっている。
対価受領装置(60)は、後述する制御手段(50)に受領装置検出回路(52)を介して電気的に接続される。
なお、対価受領装置(60)については、公知のものを用いることができるため、詳細な説明は省略する。
【0033】
図5に示すように、上記各マッサージ手段(20)(22)(24)、リクライニング機構(28)及び操作部(40)は、椅子型マッサージ機(10)の適所に配置された制御手段(50)に電気的に接続されている。
制御手段(50)は、CPUを主体として構成され、各種動作モードや動作プログラム等を記憶すると共に、操作部(40)からの操作命令に基づいて、マッサージ手段(20)(22)(24)及びリクライニング機構(28)を操作可能となっている。
【0034】
制御手段(50)には、前記対価受領装置(60)を接続するための受領装置検出回路(52)が接続されている。
受領装置検出回路(52)は、対価受領装置(60)の接続の有無を識別し、対価受領装置(60)が接続されている場合には、制御手段(50)に接続信号を送信する。また、受領装置検出回路(52)は、対価受領装置(60)に対価が投入され、対価受領装置(60)のタイマーが動作して、通電が開始されたことを制御手段(50)に送信することができる。
【0035】
椅子型マッサージ機(10)への電源の供給は、図5に示すように、商用電源(58)から制御手段(50)へ直接電源を供給する第1電源ライン(54)と、対価受領装置(60)及び受領装置検出回路(52)を経由して電源を供給する第2電源ライン(56)の何れかにより行なわれる。電源ラインの切替えは、制御手段(50)によって行なうことができる。
【0036】
制御手段(50)は、受領装置検出回路(52)の接続信号の有無及び対価受領装置(60)のタイマー動作情報に基づいて、電源ライン(54)(56)を切り替えると共に、接続信号の有無に基づいて、操作部(40)から行なうことのできる操作を切り替える。
【0037】
これら動作モードの切替えは、フローチャート図6に示すように、椅子型マッサージ機(10)に電源が投入された状態で行なわれる(ステップ1)。
受領装置検出回路(52)が、対価受領装置(60)の接続を確認すると、受領装置検出回路(52)から接続信号が制御手段(50)に送信され(ステップ2)、制御手段(50)は、椅子型マッサージ機(10)の動作モードを業務用に切り替える(ステップ3)。対価受領装置(60)が接続されてない場合には、一般用のモードに切り替える(ステップ4)。
【0038】
<一般用モード>
対価受領装置(60)が接続されていない場合(フローチャート図6のステップ4)、制御手段(50)は、第1電源ライン(54)から椅子型マッサージ機(10)への電源の供給を行なう。
また、対価受領装置(60)が接続されていない場合は、家庭での使用等の一般用であるため、椅子型マッサージ機(10)の動作に制限を設ける必要はないため、操作部(40)に配備されているすべての動作モード、動作プログラム、リクライニング操作等を行なうことができるようにする。
【0039】
リクライニング操作に関して言及すれば、例えば、ベストポジション移行ボタン(48)を操作したときに、一度目のボタン操作で、図2(b)に示すベストポジション1へ移行するよう、リクライニング機構(28)を動作させ、再度ベストポジション移行ボタン(48)を操作すると、図2(c)に示すベストポジション2へ移行するようにすることができる。
また、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)が傾動した状態から、ホームポジション復帰ボタン(48a)を操作すると、図2(a)に示すリクライニング角度まで移行し、被施療者が、椅子型マッサージ機(10)への乗り降りをスムーズに行なうことができる。
【0040】
<業務用モード>
一方、対価受領装置(60)が接続されている場合は(フローチャート図6のステップ3)、業務用であるため、椅子型マッサージ機(10)の動作に不慣れな被施療者が使用することを想定し、椅子型マッサージ機(10)の動作及び操作に制限を設ける。
【0041】
業務用モードであると判断されると、フローチャート図7に示すように、制御手段(50)は、対価受領装置(60)に対価が投入されるまでは(ステップ1)、第1電源ライン(54)から給電を受けて、所定の動作、即ち、リクライニング機構(28)の操作のみを許容させる(ステップ2)。より望ましくは、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)をホームポジション(図2(a)参照)に戻す操作(図4のホームポジション復帰ボタン(48a))のみを許容させる。
これにより、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)がホームポジション(図2(a))まで復帰するから、被施療者は、椅子型マッサージ機(10)の乗り降りを楽に行なうことができる。
【0042】
対価受領装置(60)に対価が投入されると(ステップ1)、対価受領装置(60)の内蔵タイマーが動作開始すると共に、第2電源ライン(56)から対価受領装置(60)、受領装置検出回路(52)を介して制御手段(50)に電源が供給される(ステップ3)。
対価受領装置(60)のタイマー動作中は、制御手段(50)は、操作部(40)の所定の操作を許容する。
【0043】
図4は、業務用モードにて操作可能な操作ボタンを例示した操作部(40)の平面図である。図に示すように、操作部(40)中、操作可能な操作ボタンは、電源スイッチ(41)、所定のプログラムマッサージボタン(42)、ベストポジション移行ボタン(48)、ホームポジション復帰ボタン(48a)、及び、非常停止ボタン(41a)としている。
【0044】
なお、業務用モードでのベストポジションは、例えば、図2(d)のベストポジション3のみに限定することもできる。この場合、ベストポジション移行ボタン(48)を操作すると、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)は、図2(d)のベストポジション3に移行する。
【0045】
このような動作の制限を明確にするために、図3の操作部(40)の化粧板(40a)を、図4に示すように、操作不能のボタンを隠す化粧板(40a)に付け替えることが望ましく、これにより、操作可能なボタンのみが目視でき、且つ、操作不能なボタンを操作してしまうことを防止できる。また、これにより、一般用と業務用で別の操作部(40)を準備する手間も省くことができる。
【0046】
上記のように、業務用モードを設定することで、当該椅子型マッサージ機(10)の操作に不慣れな被施療者が、操作に戸惑うことなく操作部(40)を操作でき、操作性及び使用性を向上させることができる。
【0047】
タイマーにより所定時間がカウントされると(ステップ4)、マッサージ手段(20)(22)(24)の動作を停止させ、第2電源ライン(56)からの給電を遮断し、上記の如く、座部(12)、背凭れ部(14)及び脚部用ユニット(16)をホームポジションに復帰させる操作(ホームポジション復帰ボタン(48a))のみの操作を許容させる(ステップ2)。
【0048】
上記によれば、一般用と業務用で、椅子型マッサージ機(10)のマッサージ動作を変えることができ、一般用の場合には、被施療者にすべてのマッサージ動作を許容することで、椅子型マッサージ機(10)の操作になれた被施療者へ効果の高いマッサージを施すことができる。また、業務用の場合には、被施療者の操作できるマッサージ動作に制限を加えて、操作に要する時間を短縮することができると共に、操作性及び使用性を向上させて、好適なマッサージを施すことができる。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、一般用と業務用の動作モードを切り替えることのできる椅子型マッサージ機として好適である。
【符号の説明】
【0050】
(10) 椅子型マッサージ機
(12) 座部
(14) 背凭れ部
(16) 脚部用ユニット
(40) 操作部
(50) 制御手段
(52) 受領装置検出回路
(60) 対価受領装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
被施療者の腰掛ける座部、該座部の後端に配備された背凭れ部、座部及び/又は背凭れ部に配備され被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段、座部及び背凭れ部を傾動させるリクライニング機構とを具え、マッサージ手段及びリクライニング機構を制御する制御手段と、該制御手段に操作命令を送信する複数の操作ボタンを有する操作器とを具え、
制御手段には、対価の投入によって、マッサージ手段及びリクライニング機構を所定時間動作可能とする対価受領装置が接続可能である、
椅子型マッサージ機において、
制御手段には、対価受領装置の接続を識別する検出回路が接続されており、
制御手段は、検出回路に対価受領装置が接続された場合に、マッサージ手段及びリクライニング機構の動作に制限を加えるようにしたことを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項2】
制御手段は、検出回路に対価受領装置が接続された場合に、操作部の複数の操作ボタンの内、所定の操作ボタンについて操作不能とする請求項1に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項3】
被施療者の腰掛ける座部、該座部の後端に配備された背凭れ部、座部及び/又は背凭れ部に配備され被施療者の患部をマッサージするマッサージ手段、座部及び背凭れ部を傾動させるリクライニング機構とを具え、マッサージ手段及びリクライニング機構を制御する制御手段と、該制御手段に操作命令を送信する複数の操作ボタンを有する操作器とを具え、
制御手段には、対価の投入によって、マッサージ手段及びリクライニング機構を所定時間動作可能とする対価受領装置が接続可能である、
椅子型マッサージ機において、
制御手段には、対価受領装置の接続を識別する検出回路が接続されており、
制御手段は、検出回路に対価受領装置が接続され、対価が投入された場合、所定時間、マッサージ手段とリクライニング機構の操作を許容するが、所定時間経過後は、リクライニング機構のみの操作を許容することを特徴とする椅子型マッサージ機。
【請求項4】
制御手段は、所定時間経過後のリクライニング機構の操作は、座部を水平に向かう方向に傾動させ、背凭れ部を起立させる方向に傾動させる操作のみ許容される請求項3に記載の椅子型マッサージ機。
【請求項5】
制御手段には、商用電源が接続可能となっており、該商用電源は、制御手段に直接接続されると共に、対価受領装置及び検出回路を介して制御手段に接続される請求項3又は請求項4に記載の椅子型マッサージ機。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2011−92513(P2011−92513A)
【公開日】平成23年5月12日(2011.5.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−250515(P2009−250515)
【出願日】平成21年10月30日(2009.10.30)
【出願人】(000001889)三洋電機株式会社 (18,308)
【出願人】(000214892)三洋電機コンシューマエレクトロニクス株式会社 (1,582)
【Fターム(参考)】