椅子
【課題】簡便な組付けを実現しながらも、着座者が着座姿勢から容易に操作し得る操作部を有する椅子を提供する。
【解決手段】本実施形態に係る椅子Cは、作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部52と、当該操作部52を組み付け得るとともに操作力を作動機構へ伝達し得るワイヤケーブル6の一端部を操作力を伝達し得る状態で位置決めし得るワイヤカバー止め514を有するカバー部51とを具備する操作体5を、肘3の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に取り付けてなることを特徴とする。
【解決手段】本実施形態に係る椅子Cは、作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部52と、当該操作部52を組み付け得るとともに操作力を作動機構へ伝達し得るワイヤケーブル6の一端部を操作力を伝達し得る状態で位置決めし得るワイヤカバー止め514を有するカバー部51とを具備する操作体5を、肘3の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に取り付けてなることを特徴とする。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構を有する椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構として、例えば座の昇降機構や背のロッキング機構を具備しこれら昇降機構やロッキング機構を操作するための操作部を肘に配置した椅子が種々が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらのものは、操作部を肘に設けることにより、使用者が肘掛けに肘を預けた状態で、或いは斯かる状態から少しの動作で作動機構の操作を簡便に行ない得るものとなっている。
【特許文献1】特開2007−130363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載したようなものは、肘に設けた狭いスペースにユニットを組付けるために、斯かる組付けが煩雑なものとなってしまう。また、同文献の位置にユニットを組付けるとなると、組付けの際に、椅子の背や座といった構成部材を作動させる作動機構までの距離が長くなるために操作力伝達手段の取り回しを長い距離行なわなければならず、別途カバーなどで隠蔽する場合や、肘の内部を長い距離挿し通すなど、煩雑な作業を別途要するものとなってしまう。
【0005】
すなわち本願は、このような不具合に着目したものであり、簡便な組付けを実現しながらも、着座者が着座姿勢から容易に操作し得る操作部を有する椅子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る椅子は、背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構と、座面側方から着座者の肘に近接した位置に亘って設けられる肘とを有している椅子であって、前記作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部と、当該操作部を組み付け得るとともに前記操作力を前記作動機構へ伝達し得る操作力伝達手段の一端部を前記操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部を有するカバー部とを具備する操作ユニットを、前記肘の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に取り付けてなることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、肘の下方といった着座者がアクセスし易い位置且つ椅子の機構部分に近接した位置に操作ユニットを取り付けることにより、操作部から作動機構に至るまでの操作力伝達手段の取り回しも簡潔なものとすることができる。そして、ユニット化した操作ユニットを採用しているので、予め操作ユニットによって動作確認などを経た上で、操作可能な状態としてから所定箇所に組付けることが出来るので、操作力伝達手段の調整からと設置とを併せて行なうといった煩雑な作業を行なうことや、動作確認の結果如何による取り付け作業のやり直し、或いは、取付位置に作業スペースを制限されるといったこれらの不具合を有効に回避することができる。そうすることにより、操作部や操作力伝達手段の組付けを正確・簡便且つ迅速に行なうことが可能となる。
【0008】
操作力を確実に伝達することができる操作力伝達手段の具体的な一例として、ワイヤ及び当該ワイヤを内部に挿し通したワイヤカバーを有するものとし、伝達手段位置決め部を、ワイヤカバーの一端を固定し得るワイヤカバー止めとしたものを挙げることができる。
【0009】
操作ユニットを容易且つ正確に組付けるためには、カバー部を、肘に対して弾性係合し得る弾性係合部を有するものとすることが好ましく、確実に操作ユニットを取り付けるためには、カバー部を外側から固定し得る固定手段をさらに設けることが望ましい。
【0010】
着座者の上体の位置に応じて常に操作しやすい位置に操作ユニットを位置付けるためには、肘を、背の動作に応じて動作し得るものとすればよい。
【0011】
そして、操作ユニットにおける操作部の数は一つに限定されるものではない、すなわち、単一のカバーに対し複数の操作部を有したものであってもよい。そして斯かる具体的なものとしては、操作部を前後方向に複数同軸に設けた操作レバーとしているものを挙げることができる。
【0012】
他方、操作力伝達手段は上述したワイヤを用いたものの他、物理的な操作力を伝達する構成であれば、種々の態様を挙げることができる。そのような一例として、操作部の動作に応じて膨張及び収縮し得るポンプと、当該ポンプから吐出される空気を通し得るチューブとを具備するものを挙げることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取り付け作業を行ない易い位置に操作ユニットを設けることで、製造の際の操作部の組付け作業を簡単且つ確実に行なうことができる。また、操作部から作動機構に至るまでのワイヤなどの操作力伝達手段の取り回しも簡潔なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の椅子Cは、座1と、背凭れ2と、左右両側の肘3と、これらを支持する脚4とを具備する。
【0015】
この椅子Cは、作動機構として、背のロッキング機構、背座の高さ調節機構を有している。これらの作動機構(図示せず)は、既存の椅子におけるそれと同様に構築できる。即ち、背のロッキング機構は、背凭れ2と座1とをガススプリングを以て連結し、ガススプリングの伸縮を通じて背凭れ2を傾動可能とする。背座の高さ調節機構は、脚4と座1との間にガススプリングを介在させ、やはりガススプリングの伸縮を通じて座1、背凭れ2等を上下動可能とする。何れの作動機構も、ガススプリングを要素に含んでおり、定常時にはその伸縮動作を禁止して背の傾斜角度や背座の高さ位置を固定する。背の傾斜角度や背座の高さ位置を調節するためには、対象の作動機構におけるガススプリングの伸縮動作を解禁する必要がある。
【0016】
本実施形態では、ガススプリングのプッシュボタンを押下駆動するべく操作される、本発明の操作ユニットたる操作体5を左右の肘3に配設し、使用者が着座した姿勢でこれを操作できるようにしている。そして操作体5に加えられた操作力は、図6乃至図9に示すように、本発明の操作力伝達手段たる後述するワイヤケーブル6を介してガススプリング側に伝えているものである。
【0017】
ここで本実施形態に係る椅子Cは、作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部52と、当該操作部52を組み付け得るとともに操作力を作動機構へ伝達し得る操作力伝達手段たるワイヤケーブル6の一端部を操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部たるワイヤカバー止め514を有するカバー部51とを具備する操作ユニットたる操作体5を具備しているものである。そして、斯かる操作体5を肘3の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に設けた後述する取付部34に取り付けてなることを特徴としている。
【0018】
以降、左右の肘3、操作体5及びワイヤケーブル6に関して説明する。
【0019】
肘3は、本実施形態では背凭れ2の動作に応じて動作し得る構成のものを採用している。そして、図3に示すように、肘3は、上面に使用者の上肢を載せ置くことのできる肘掛け31と、肘掛け31の後端部を下方より支持する支桿32と、肘掛け31の前端から前下方に向けて湾曲して延出し、支桿32の下端部に連なる下部アーム33とが一体的な側面視環状のサークル肘を形作るものである。また、斯かる態様の他に、肘3の内側方には内カバーを、外側方には外カバーをそれぞれ装着し、肘掛け31の内外を遮蔽する側壁を構成することにより、所謂パネル肘を構成したものであってもよい。
【0020】
また本実施形態では、肘3における座1側方に位置付けられた下端の且つ側方及び下方に開放した箇所には、操作体5を取り付けるための取付部34を有している。なお図4及び図5は、斯かる取付部34と、操作体5の後述するカバー部51との取り付け態様を模式的に示すべく、操作部52に係る構成を意図的に省略した図である。
【0021】
取付部34は、図4及び図5に示すように、取付孔340と、カバー部51に対して係合し得る上側被係合部341及び下側被係合部342と、並びにビス穴343とを有している。
【0022】
ワイヤケーブル6は、図6乃至図9に示すように、ワイヤ61と、当該ワイヤを内部に挿し通した筒状のワイヤカバー62を有している。ワイヤカバー62は主にワイヤを包んだガイド部621と、ガイド部621の端に取り付けるとともに後述するカバー部51のワイヤカバー止め514に取り付けられる被取付部622とを有している。
【0023】
操作体5は上述の通り、肘3の取付部34に好適に取り付け得るカバー部51と、操作部52とを主に有している。
【0024】
カバー部51は、操作部52を組み付けるとともに操作力を作動機構へ伝達し得るワイヤケーブル6の一端部を操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部たるワイヤカバー止め514と、肘3の取付部34に対して弾性係合し得る弾性係合部を構成する上側係合部511及び下側係合部512と、固定手段Bを構成し得るビス挿通孔513とを有している。
【0025】
そして図4に示した状態から、図5に示すように取付部34にカバー部51を取り付ける際には、取付孔340にカバー部51を挿入する際に、カバー部51を経過的に弾性変形させた後、上側係合部511と上側被係合部341、並びに下側係合部512と下側被係合部342をそれぞれ係り合わせることにより、確実にカバー部51を位置決めする。そして、図5に示したビスbを、連通する513並びにビス穴343に締結することにより、操作体5の確実な取付が可能となる。言い換えれば、ビスb、ビス挿通孔513及びビス穴343を本発明の固定手段Bとして作用させて、カバー部51すなわち操作体5の、肘3への確実な取り付けを実現している。
【0026】
他方、図6乃至図9に示すように、操作部52は、右レバー部53と左レバー部54でそれぞれ異なる構成をなしている。なお、同図はそれぞれ模式的な正断面図として示しているため、着座者が右手で操作する方の操作部52を右レバー部53とし、左手で操作する側の操作部52を左レバー部54とする。
【0027】
右レバー部53は、作動機構として背座の昇降機構を対象としたものである。そのため本実施形態では、着座者による操作を行なった時、すなわち図7に示した状態でのみプッシュボタンを押圧し、背座の昇降を行い得る態様を採用している。
【0028】
具体的には、右レバー部53は図6及び図7に示すように、昇降レバー531と、昇降レバー531の回転軸であるレバー軸532と、ワイヤ61の端部を固定したワイヤ止め533とを有するものである。そして、昇降レバー531に上方への操作力を加えると、昇降レバー531がレバー軸532を中心に回動するとともに、ワイヤ止め533に固定されたワイヤ61の先端がワイヤ61を引っ張る方向へ移動するため、図示しない昇降機構のプッシュボタンの押圧部によって押下駆動されることとなる。なお押圧部は通常プッシュボタンの押圧方向とは反対方向に付勢されているため、昇降レバー531を離すと、押圧部の付勢はワイヤ61を介して昇降レバー531に伝わっているため、図7に示した状態から図6に示した状態へ戻ることとなる。
【0029】
左レバー部54は、作動機構として背凭れ2のロッキング機構を対象としたものである。そのため本実施形態では、着座者による操作力により、図8に示す固定状態と、図9に示す傾動動作可能なロッキング状態とを相互に切り替え得る態様を採用している。
【0030】
具体的には、左レバー部54は、図8及び図9に示すようにカバー部51に回動可能に取り付けられたロッキングレバー541と、ロッキングレバー541とは別体にカバー部51に対して回動可能な切換部材544とを主に有する構成となっている。ロッキングレバー541には、当該ロッキングレバー541の回転軸であるレバー軸542と、切換部材544に対して摺動して当該切換部材544を回転させ得る摺動突起543とを設けている。切換部材544には、破線で示した回動部545と、ワイヤ61の端部を固定するワイヤ止め546と、摺動突起543に対して摺接し得る摺接部547とを設けている。そして摺接部547は摺動突起543を位置決めし得る位置決め領域548と、位置決め領域の548の一端を隆起させて設けた乗り上げ端548aとを有している。
【0031】
そして、ロッキングレバー541を持ち上げる操作をすると、ロッキングレバー541がレバー軸542を中心に回転するとともに摺接突起543が摺接部547に摺接しながら回動する。そして、切換部材544の摺接部547内を摺接突起543が図示下から上に摺接し、ロッキングレバー541の動作上端付近において、摺接突起543が、乗り上げ端548aを乗り越えた位置決め領域548に接した状態となると、ワイヤ61がワイヤ止め546により所定寸法引っ張られた図9に示す状態でロッキングレバー541が位置決めされる。図9に示すこの状態ではワイヤ61が所定距離引っ張られた状態が維持されることにより、作動機構であるロッキング機構のプッシュボタンが押圧された状態が維持される。すなわち背凭れ2が自由に傾動し得る状態となる。そしてロッキングレバー541を再び回動始端へ移動させるためには、一端ロッキングレバー541を回動終端まで持ち上げた後、回動始端側へ戻せばよい。すると、摺接突起543が乗り上げ端548aを乗り上げることにより、図8に示す状態へ戻ることとなる。
【0032】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る椅子Cは、肘3の下方といった着座者がアクセスし易い位置且つ椅子Cの機構部分に近接した位置に操作ユニットたる操作体5を取り付けることにより、操作部52から作動機構に至るまでのワイヤケーブル6の取り回しも簡潔なものとすることができる。そして、ユニット化しているので、予め操作体5を取り付けていない状態で操作体5を操作可能な状態としてから取付部34に組付けることが出来るので、ワイヤケーブル6の調整と設置とを併せて行なうといった、これまで煩雑であった作業を行なうことや、動作確認の結果如何による取り付け作業のやり直し、或いは、取付位置に作業スペースを制限されるといったこれらの不具合を有効に排除し得たものとなっている。すなわち、操作部52やワイヤケーブル6の組付けを正確・簡便且つ迅速に行い得るものとなっている。
【0033】
また、カバー部51に弾性係合部たる上側係合部512及び下側係合部513を設けているので、簡便且つ正確な取り付けを実現しているとともに、カバー部51を外側から固定し得る固定手段Bにより、さらに確実な取り付けを実現している。
【0034】
そして本実施形態では、操作体5を取り付けた肘3を、背凭れ2の動作に応じて動作し得るものとして、着座者の上体の位置に応じて常に操作しやすい位置に操作体5を位置付けたものとしている。
【0035】
以下、本実施形態の変形例について説明する。なお、斯かる変形例の説明について、上記実施形態と同様の作用を奏する構成要素については同じ記号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0036】
<第一変形例>
本実施形態の第一変形例に係る操作体は、図10に示す通り、単一のカバー部51に対し複数の操作部55、56を設けたものとしている。具体的には、操作部55、56を前後方向に複数同軸に設けた操作レバーとしたものである。このようなものであれば、肘に操作体5を取り付ける箇所を増加させることなく、より多くの作動機構を操作することが可能である。加えて、所望の箇所に操作部55、56を集中させて、着座者にとってより操作し易いものとすることができる。
【0037】
<第二変形例>
本実施形態の第二変形例に係る操作体5は、図11及び図12に示すように、操作力伝達手段として、操作部52の動作に応じて膨張及び収縮し得るポンプPと、当該ポンプから吐出される空気を通し得るチューブTとを具備するものに適用し得るものとしている。このようなものであれば、椅子に係る様々な姿勢変更を実現し得る作動機構に適用することが可能となる。具体的には、作動機構として、着座者の腰部近傍に設けたランバーサポートやぺルビックサポートに好適に適用することができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では肘の形状として、サークル肘としたものを一例として用いたが、本発明は、例えば側面視コの字状をなす肘など、種々の形状の肘に対して広く適用することが可能である。また、操作力伝達手段としては、ワイヤチューブを用いる態様とポンプにより空気を送り込む態様とを開示したが、例えば空気以外の流体を介して操作力を伝達する態様を採用してもよい。
【0040】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る外観図。
【図2】同実施形態の要部を示す平面図。
【図3】同要部外観図。
【図4】同実施形態に係る作用説明図。
【図5】同上。
【図6】同実施形態に係る動作を説明する模式的な正断面図。
【図7】同上。
【図8】同実施形態に係る他の動作を説明する模式的な正断面図。
【図9】同上。
【図10】同実施形態の第一変形例に係る外観図。
【図11】同実施形態の第二変形例に係る説明図。
【図12】同上。
【符号の説明】
【0042】
3…肘
5…操作ユニット(操作体)
51…カバー部
511…弾性係合部(上側係合部)
512…弾性係合部(下側係合部)
514…伝達手段位置決め部(ワイヤカバー止め)
515…伝達手段位置決め部(チューブ止め)
52、55、56…操作部
6…操作力伝達手段(ワイヤケーブル)
61…ワイヤ
62…ワイヤカバー
B…固定手段
C…椅子
P…ポンプ
T…チューブ
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構を有する椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構として、例えば座の昇降機構や背のロッキング機構を具備しこれら昇降機構やロッキング機構を操作するための操作部を肘に配置した椅子が種々が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
これらのものは、操作部を肘に設けることにより、使用者が肘掛けに肘を預けた状態で、或いは斯かる状態から少しの動作で作動機構の操作を簡便に行ない得るものとなっている。
【特許文献1】特開2007−130363号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、上述の特許文献1に記載したようなものは、肘に設けた狭いスペースにユニットを組付けるために、斯かる組付けが煩雑なものとなってしまう。また、同文献の位置にユニットを組付けるとなると、組付けの際に、椅子の背や座といった構成部材を作動させる作動機構までの距離が長くなるために操作力伝達手段の取り回しを長い距離行なわなければならず、別途カバーなどで隠蔽する場合や、肘の内部を長い距離挿し通すなど、煩雑な作業を別途要するものとなってしまう。
【0005】
すなわち本願は、このような不具合に着目したものであり、簡便な組付けを実現しながらも、着座者が着座姿勢から容易に操作し得る操作部を有する椅子を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、このような目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。すなわち、本発明に係る椅子は、背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構と、座面側方から着座者の肘に近接した位置に亘って設けられる肘とを有している椅子であって、前記作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部と、当該操作部を組み付け得るとともに前記操作力を前記作動機構へ伝達し得る操作力伝達手段の一端部を前記操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部を有するカバー部とを具備する操作ユニットを、前記肘の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に取り付けてなることを特徴とする。
【0007】
このようなものであれば、肘の下方といった着座者がアクセスし易い位置且つ椅子の機構部分に近接した位置に操作ユニットを取り付けることにより、操作部から作動機構に至るまでの操作力伝達手段の取り回しも簡潔なものとすることができる。そして、ユニット化した操作ユニットを採用しているので、予め操作ユニットによって動作確認などを経た上で、操作可能な状態としてから所定箇所に組付けることが出来るので、操作力伝達手段の調整からと設置とを併せて行なうといった煩雑な作業を行なうことや、動作確認の結果如何による取り付け作業のやり直し、或いは、取付位置に作業スペースを制限されるといったこれらの不具合を有効に回避することができる。そうすることにより、操作部や操作力伝達手段の組付けを正確・簡便且つ迅速に行なうことが可能となる。
【0008】
操作力を確実に伝達することができる操作力伝達手段の具体的な一例として、ワイヤ及び当該ワイヤを内部に挿し通したワイヤカバーを有するものとし、伝達手段位置決め部を、ワイヤカバーの一端を固定し得るワイヤカバー止めとしたものを挙げることができる。
【0009】
操作ユニットを容易且つ正確に組付けるためには、カバー部を、肘に対して弾性係合し得る弾性係合部を有するものとすることが好ましく、確実に操作ユニットを取り付けるためには、カバー部を外側から固定し得る固定手段をさらに設けることが望ましい。
【0010】
着座者の上体の位置に応じて常に操作しやすい位置に操作ユニットを位置付けるためには、肘を、背の動作に応じて動作し得るものとすればよい。
【0011】
そして、操作ユニットにおける操作部の数は一つに限定されるものではない、すなわち、単一のカバーに対し複数の操作部を有したものであってもよい。そして斯かる具体的なものとしては、操作部を前後方向に複数同軸に設けた操作レバーとしているものを挙げることができる。
【0012】
他方、操作力伝達手段は上述したワイヤを用いたものの他、物理的な操作力を伝達する構成であれば、種々の態様を挙げることができる。そのような一例として、操作部の動作に応じて膨張及び収縮し得るポンプと、当該ポンプから吐出される空気を通し得るチューブとを具備するものを挙げることができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、取り付け作業を行ない易い位置に操作ユニットを設けることで、製造の際の操作部の組付け作業を簡単且つ確実に行なうことができる。また、操作部から作動機構に至るまでのワイヤなどの操作力伝達手段の取り回しも簡潔なものとすることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。図1に示すように、本実施形態の椅子Cは、座1と、背凭れ2と、左右両側の肘3と、これらを支持する脚4とを具備する。
【0015】
この椅子Cは、作動機構として、背のロッキング機構、背座の高さ調節機構を有している。これらの作動機構(図示せず)は、既存の椅子におけるそれと同様に構築できる。即ち、背のロッキング機構は、背凭れ2と座1とをガススプリングを以て連結し、ガススプリングの伸縮を通じて背凭れ2を傾動可能とする。背座の高さ調節機構は、脚4と座1との間にガススプリングを介在させ、やはりガススプリングの伸縮を通じて座1、背凭れ2等を上下動可能とする。何れの作動機構も、ガススプリングを要素に含んでおり、定常時にはその伸縮動作を禁止して背の傾斜角度や背座の高さ位置を固定する。背の傾斜角度や背座の高さ位置を調節するためには、対象の作動機構におけるガススプリングの伸縮動作を解禁する必要がある。
【0016】
本実施形態では、ガススプリングのプッシュボタンを押下駆動するべく操作される、本発明の操作ユニットたる操作体5を左右の肘3に配設し、使用者が着座した姿勢でこれを操作できるようにしている。そして操作体5に加えられた操作力は、図6乃至図9に示すように、本発明の操作力伝達手段たる後述するワイヤケーブル6を介してガススプリング側に伝えているものである。
【0017】
ここで本実施形態に係る椅子Cは、作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部52と、当該操作部52を組み付け得るとともに操作力を作動機構へ伝達し得る操作力伝達手段たるワイヤケーブル6の一端部を操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部たるワイヤカバー止め514を有するカバー部51とを具備する操作ユニットたる操作体5を具備しているものである。そして、斯かる操作体5を肘3の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に設けた後述する取付部34に取り付けてなることを特徴としている。
【0018】
以降、左右の肘3、操作体5及びワイヤケーブル6に関して説明する。
【0019】
肘3は、本実施形態では背凭れ2の動作に応じて動作し得る構成のものを採用している。そして、図3に示すように、肘3は、上面に使用者の上肢を載せ置くことのできる肘掛け31と、肘掛け31の後端部を下方より支持する支桿32と、肘掛け31の前端から前下方に向けて湾曲して延出し、支桿32の下端部に連なる下部アーム33とが一体的な側面視環状のサークル肘を形作るものである。また、斯かる態様の他に、肘3の内側方には内カバーを、外側方には外カバーをそれぞれ装着し、肘掛け31の内外を遮蔽する側壁を構成することにより、所謂パネル肘を構成したものであってもよい。
【0020】
また本実施形態では、肘3における座1側方に位置付けられた下端の且つ側方及び下方に開放した箇所には、操作体5を取り付けるための取付部34を有している。なお図4及び図5は、斯かる取付部34と、操作体5の後述するカバー部51との取り付け態様を模式的に示すべく、操作部52に係る構成を意図的に省略した図である。
【0021】
取付部34は、図4及び図5に示すように、取付孔340と、カバー部51に対して係合し得る上側被係合部341及び下側被係合部342と、並びにビス穴343とを有している。
【0022】
ワイヤケーブル6は、図6乃至図9に示すように、ワイヤ61と、当該ワイヤを内部に挿し通した筒状のワイヤカバー62を有している。ワイヤカバー62は主にワイヤを包んだガイド部621と、ガイド部621の端に取り付けるとともに後述するカバー部51のワイヤカバー止め514に取り付けられる被取付部622とを有している。
【0023】
操作体5は上述の通り、肘3の取付部34に好適に取り付け得るカバー部51と、操作部52とを主に有している。
【0024】
カバー部51は、操作部52を組み付けるとともに操作力を作動機構へ伝達し得るワイヤケーブル6の一端部を操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部たるワイヤカバー止め514と、肘3の取付部34に対して弾性係合し得る弾性係合部を構成する上側係合部511及び下側係合部512と、固定手段Bを構成し得るビス挿通孔513とを有している。
【0025】
そして図4に示した状態から、図5に示すように取付部34にカバー部51を取り付ける際には、取付孔340にカバー部51を挿入する際に、カバー部51を経過的に弾性変形させた後、上側係合部511と上側被係合部341、並びに下側係合部512と下側被係合部342をそれぞれ係り合わせることにより、確実にカバー部51を位置決めする。そして、図5に示したビスbを、連通する513並びにビス穴343に締結することにより、操作体5の確実な取付が可能となる。言い換えれば、ビスb、ビス挿通孔513及びビス穴343を本発明の固定手段Bとして作用させて、カバー部51すなわち操作体5の、肘3への確実な取り付けを実現している。
【0026】
他方、図6乃至図9に示すように、操作部52は、右レバー部53と左レバー部54でそれぞれ異なる構成をなしている。なお、同図はそれぞれ模式的な正断面図として示しているため、着座者が右手で操作する方の操作部52を右レバー部53とし、左手で操作する側の操作部52を左レバー部54とする。
【0027】
右レバー部53は、作動機構として背座の昇降機構を対象としたものである。そのため本実施形態では、着座者による操作を行なった時、すなわち図7に示した状態でのみプッシュボタンを押圧し、背座の昇降を行い得る態様を採用している。
【0028】
具体的には、右レバー部53は図6及び図7に示すように、昇降レバー531と、昇降レバー531の回転軸であるレバー軸532と、ワイヤ61の端部を固定したワイヤ止め533とを有するものである。そして、昇降レバー531に上方への操作力を加えると、昇降レバー531がレバー軸532を中心に回動するとともに、ワイヤ止め533に固定されたワイヤ61の先端がワイヤ61を引っ張る方向へ移動するため、図示しない昇降機構のプッシュボタンの押圧部によって押下駆動されることとなる。なお押圧部は通常プッシュボタンの押圧方向とは反対方向に付勢されているため、昇降レバー531を離すと、押圧部の付勢はワイヤ61を介して昇降レバー531に伝わっているため、図7に示した状態から図6に示した状態へ戻ることとなる。
【0029】
左レバー部54は、作動機構として背凭れ2のロッキング機構を対象としたものである。そのため本実施形態では、着座者による操作力により、図8に示す固定状態と、図9に示す傾動動作可能なロッキング状態とを相互に切り替え得る態様を採用している。
【0030】
具体的には、左レバー部54は、図8及び図9に示すようにカバー部51に回動可能に取り付けられたロッキングレバー541と、ロッキングレバー541とは別体にカバー部51に対して回動可能な切換部材544とを主に有する構成となっている。ロッキングレバー541には、当該ロッキングレバー541の回転軸であるレバー軸542と、切換部材544に対して摺動して当該切換部材544を回転させ得る摺動突起543とを設けている。切換部材544には、破線で示した回動部545と、ワイヤ61の端部を固定するワイヤ止め546と、摺動突起543に対して摺接し得る摺接部547とを設けている。そして摺接部547は摺動突起543を位置決めし得る位置決め領域548と、位置決め領域の548の一端を隆起させて設けた乗り上げ端548aとを有している。
【0031】
そして、ロッキングレバー541を持ち上げる操作をすると、ロッキングレバー541がレバー軸542を中心に回転するとともに摺接突起543が摺接部547に摺接しながら回動する。そして、切換部材544の摺接部547内を摺接突起543が図示下から上に摺接し、ロッキングレバー541の動作上端付近において、摺接突起543が、乗り上げ端548aを乗り越えた位置決め領域548に接した状態となると、ワイヤ61がワイヤ止め546により所定寸法引っ張られた図9に示す状態でロッキングレバー541が位置決めされる。図9に示すこの状態ではワイヤ61が所定距離引っ張られた状態が維持されることにより、作動機構であるロッキング機構のプッシュボタンが押圧された状態が維持される。すなわち背凭れ2が自由に傾動し得る状態となる。そしてロッキングレバー541を再び回動始端へ移動させるためには、一端ロッキングレバー541を回動終端まで持ち上げた後、回動始端側へ戻せばよい。すると、摺接突起543が乗り上げ端548aを乗り上げることにより、図8に示す状態へ戻ることとなる。
【0032】
以上のような構成とすることにより、本実施形態に係る椅子Cは、肘3の下方といった着座者がアクセスし易い位置且つ椅子Cの機構部分に近接した位置に操作ユニットたる操作体5を取り付けることにより、操作部52から作動機構に至るまでのワイヤケーブル6の取り回しも簡潔なものとすることができる。そして、ユニット化しているので、予め操作体5を取り付けていない状態で操作体5を操作可能な状態としてから取付部34に組付けることが出来るので、ワイヤケーブル6の調整と設置とを併せて行なうといった、これまで煩雑であった作業を行なうことや、動作確認の結果如何による取り付け作業のやり直し、或いは、取付位置に作業スペースを制限されるといったこれらの不具合を有効に排除し得たものとなっている。すなわち、操作部52やワイヤケーブル6の組付けを正確・簡便且つ迅速に行い得るものとなっている。
【0033】
また、カバー部51に弾性係合部たる上側係合部512及び下側係合部513を設けているので、簡便且つ正確な取り付けを実現しているとともに、カバー部51を外側から固定し得る固定手段Bにより、さらに確実な取り付けを実現している。
【0034】
そして本実施形態では、操作体5を取り付けた肘3を、背凭れ2の動作に応じて動作し得るものとして、着座者の上体の位置に応じて常に操作しやすい位置に操作体5を位置付けたものとしている。
【0035】
以下、本実施形態の変形例について説明する。なお、斯かる変形例の説明について、上記実施形態と同様の作用を奏する構成要素については同じ記号を付し、その詳細な説明を省略するものとする。
【0036】
<第一変形例>
本実施形態の第一変形例に係る操作体は、図10に示す通り、単一のカバー部51に対し複数の操作部55、56を設けたものとしている。具体的には、操作部55、56を前後方向に複数同軸に設けた操作レバーとしたものである。このようなものであれば、肘に操作体5を取り付ける箇所を増加させることなく、より多くの作動機構を操作することが可能である。加えて、所望の箇所に操作部55、56を集中させて、着座者にとってより操作し易いものとすることができる。
【0037】
<第二変形例>
本実施形態の第二変形例に係る操作体5は、図11及び図12に示すように、操作力伝達手段として、操作部52の動作に応じて膨張及び収縮し得るポンプPと、当該ポンプから吐出される空気を通し得るチューブTとを具備するものに適用し得るものとしている。このようなものであれば、椅子に係る様々な姿勢変更を実現し得る作動機構に適用することが可能となる。具体的には、作動機構として、着座者の腰部近傍に設けたランバーサポートやぺルビックサポートに好適に適用することができる。
【0038】
以上、本発明の実施形態について説明したが、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0039】
例えば、上記実施形態では肘の形状として、サークル肘としたものを一例として用いたが、本発明は、例えば側面視コの字状をなす肘など、種々の形状の肘に対して広く適用することが可能である。また、操作力伝達手段としては、ワイヤチューブを用いる態様とポンプにより空気を送り込む態様とを開示したが、例えば空気以外の流体を介して操作力を伝達する態様を採用してもよい。
【0040】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本発明の一実施形態に係る外観図。
【図2】同実施形態の要部を示す平面図。
【図3】同要部外観図。
【図4】同実施形態に係る作用説明図。
【図5】同上。
【図6】同実施形態に係る動作を説明する模式的な正断面図。
【図7】同上。
【図8】同実施形態に係る他の動作を説明する模式的な正断面図。
【図9】同上。
【図10】同実施形態の第一変形例に係る外観図。
【図11】同実施形態の第二変形例に係る説明図。
【図12】同上。
【符号の説明】
【0042】
3…肘
5…操作ユニット(操作体)
51…カバー部
511…弾性係合部(上側係合部)
512…弾性係合部(下側係合部)
514…伝達手段位置決め部(ワイヤカバー止め)
515…伝達手段位置決め部(チューブ止め)
52、55、56…操作部
6…操作力伝達手段(ワイヤケーブル)
61…ワイヤ
62…ワイヤカバー
B…固定手段
C…椅子
P…ポンプ
T…チューブ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構と、座面側方から着座者の肘に近接した位置に亘って設けられる肘とを有している椅子であって、
前記作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部と、当該操作部を組み付け得るとともに前記操作力を前記作動機構へ伝達し得る操作力伝達手段の一端部を前記操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部を有するカバー部とを具備する操作ユニットを、前記肘の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に取り付けてなることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記操作力伝達手段を、前記作動機構と前記操作部とを接続するワイヤ及び当該ワイヤを内部に挿し通した筒状のワイヤカバーを有するものとし、前記伝達手段位置決め部を、前記ワイヤカバーの一端を固定し得るワイヤカバー止めとしている請求項1記載の椅子。
【請求項3】
前記カバー部を、前記肘に対して弾性係合し得る弾性係合部を有するものとし、前記カバー部を外側から固定し得る固定手段をさらに有するものとしている請求項1又は2記載の椅子。
【請求項4】
前記肘を、前記背凭れの動作に応じて動作し得るものとしている請求項1、2又は3記載の椅子。
【請求項5】
単一の前記カバーに対し複数の操作部を有するものとしている請求項1、2、3又は4記載の椅子。
【請求項6】
前記操作部を前後方向に複数同軸に設けた操作レバーとしている請求項5記載の椅子。
【請求項7】
前記操作力伝達手段を、前記操作部の動作に応じて膨張及び収縮し得るポンプと、当該ポンプから吐出される空気を通し得るチューブとを具備するものとしている請求項1、2、3、4、5又は6記載の椅子。
【請求項1】
背凭れ、座やその他の構成部材を作動させるための作動機構と、座面側方から着座者の肘に近接した位置に亘って設けられる肘とを有している椅子であって、
前記作動機構を操作するための操作力を受け付ける操作部と、当該操作部を組み付け得るとともに前記操作力を前記作動機構へ伝達し得る操作力伝達手段の一端部を前記操作力を伝達し得る状態で位置決めし得る伝達手段位置決め部を有するカバー部とを具備する操作ユニットを、前記肘の座面側方における外側方及び下方に開放した箇所に取り付けてなることを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記操作力伝達手段を、前記作動機構と前記操作部とを接続するワイヤ及び当該ワイヤを内部に挿し通した筒状のワイヤカバーを有するものとし、前記伝達手段位置決め部を、前記ワイヤカバーの一端を固定し得るワイヤカバー止めとしている請求項1記載の椅子。
【請求項3】
前記カバー部を、前記肘に対して弾性係合し得る弾性係合部を有するものとし、前記カバー部を外側から固定し得る固定手段をさらに有するものとしている請求項1又は2記載の椅子。
【請求項4】
前記肘を、前記背凭れの動作に応じて動作し得るものとしている請求項1、2又は3記載の椅子。
【請求項5】
単一の前記カバーに対し複数の操作部を有するものとしている請求項1、2、3又は4記載の椅子。
【請求項6】
前記操作部を前後方向に複数同軸に設けた操作レバーとしている請求項5記載の椅子。
【請求項7】
前記操作力伝達手段を、前記操作部の動作に応じて膨張及び収縮し得るポンプと、当該ポンプから吐出される空気を通し得るチューブとを具備するものとしている請求項1、2、3、4、5又は6記載の椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−153705(P2009−153705A)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−335097(P2007−335097)
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
【公開日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年12月26日(2007.12.26)
【出願人】(000001351)コクヨ株式会社 (961)
【出願人】(000108627)タカノ株式会社 (250)
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