説明

椅子

【課題】背と反力機構とを関連付ける反力伝達部を簡易な構成で実現でき、前方からの見栄えを損なうことを回避した新たな構成の椅子を提供する。
【解決手段】椅子は、圧縮により反力を蓄積する反力機構4と、背3の後傾動作に伴い反力機構4を圧縮すると同時に圧縮による反力を背に伝達する反力伝達部63と、反力機構4が反力伝達部63を介して背に付与する反力を変更する反力調整機構7を有し、反力調整機構7は、反力機構4をその前端4aを支点とし後端側4bを反力伝達部63に関連づけて回転による姿勢変更動作を行い得るように構成したものであって、反力機構4の姿勢を変更することにより背の後傾角度と背に付与される反力の大きさとの対応関係を変更する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、背凭れ荷重を支持する反力機構の反力調整を適正化した椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
背凭れ荷重を支持する反力機構の一つの態様として、例えば特許文献1に示すもの等が知られている。この種のものは、後端を支持基部に支持させ前端を自由端とした圧縮コイルバネ等の弾性部材に、ねじ軸を介してリテーナの役割を兼ねるグリップがねじ込まれている。そして、グリップをねじ送りすることによって、反力伝達部を介して背凭れに反力を与える弾性部材の初期圧縮量を変化させ、これにより背凭れ反力の大きさを調節して、所望のロッキング硬さ等を実現できるようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−166927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記構成の他、反力機構により背に付与される反力を変更する構成として、反力機構を回転可能に構成し、反力機構を回転させて反力機構の角度を変更することにより背に付与される反力を変更するように構成することが一つの有効な手段として考えられる。これを実現するにあたり、上記従来例に基づき、後端を支点として前端を自由端として回転可能に反力機構を設けた場合、後方にある背と反力機構の前端とを関連づけなければならず、伝達経路が長くなる上に他の要素部品との位置関係もあって反力伝達部が複雑な構成となるうえ、反力伝達部を反力機構の前方に配置すると座の前端側の下方に反力伝達部を構成する要素部品や弾性部材が大きく垂下することになるので、前方からの見栄えを損なうおそれがある。
【0005】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、背を支持する反力機構の反力を変更する機能を備える椅子を実現するにあたり、背と反力機構とを関連付ける反力伝達部を簡易な構成にできるうえ、前方からの見栄えを損なうことを回避した新たな構成の椅子を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、かかる目的を達成するために、次のような手段を講じたものである。
【0007】
すなわち、本発明の椅子は、圧縮により反力を蓄積する反力機構と、背の後傾動作に伴い前記反力機構を圧縮すると同時に圧縮による反力を背に伝達する反力伝達部と、前記反力機構が前記反力伝達部を介して背に付与する反力を変更する反力調整機構とを具備してなり、前記反力調整機構は、前記反力機構をその前端を支点とし後端側を前記反力伝達部に関連づけて回転による姿勢変更動作を行い得るように構成したものであって、前記反力機構の姿勢を変更することにより背の後傾角度と背に付与される反力の大きさとの対応関係を変更することを特徴とする。
【0008】
この構成によれば、反力機構の前端を回転支点とし後端側を反力伝達部に関連付けて、回転による姿勢変更によって背に付与される反力を調整するので、反力機構の前端側を反力伝達部に関連づけた反力出力端として反力を調整する場合と比べて、反力機構の反力出力端と背が近くなるうえ、背の後傾動作による荷重を反力機構に入力しやすくなり、反力伝達部を簡易な構成とすることができる。また、反力伝達部を反力機構の前方に配置する必要が無くなるので、前方からの見栄えを損なうこともない。
【0009】
僅かな変位によって大きな調節量を実現するためには、前記反力機構は、圧縮により反力を蓄積する弾性部材と、背の後傾動作に伴い前記反力伝達部に押圧されて前記弾性部材を圧縮する圧縮動作を回転により行うアームとを備えており、前記反力調整機構は、前記弾性部材及び前記アームが一体となって回転による姿勢変更動作を行い得るように構成したものであり、前記弾性部材及び前記アームの姿勢を変更することにより前記アームと前記反力伝達部との接触点を前記アームの回転軸心に対する遠近方向に沿って移動させることが好ましい。
【0010】
組み付けを容易にするためには、前記反力機構は、一端側に前記弾性部材の回転支点が取り付けられ、他端側に前記アームの回転軸心が取り付けられるフレームを有し、前記弾性部材の自由端が前記アームのうち回転軸心から変位した部位に保持されていることが有効である。
【0011】
僅かな変位によって大きな調節量を実現する具体的な構成としては、前記反力機構を姿勢変更可能に支持する支持基部と、前記反力機構及び前記支持基部の間に介在されるくさび部材と、前記くさび部材を前記反力機構の回転中心に対する進退方向に沿って移動させる操作手段とを備えていることが挙げられる。
【0012】
反力調整機構にくさび部材を調整した位置に保持するための機能を付与するためには、前記反力機構又は前記支持基部の少なくともいずれか一方と前記くさび部材とを所定の相対位置関係に仮保持する一時保持部を設けていることが望ましい。
【0013】
反力機構の初期圧縮量を安定させるためには、前記アームのうち前記反力伝達部と接触する部位には、前記反力機構の回転中心からの距離がほぼ一定となる円弧面が形成されていることが好ましい。
【0014】
弾性部材の組み込みを簡素化するとともに使用中に脱落することを防止するためには、所定の限界位置から前記アームが前記弾性部材の圧縮を開放する方向へ向かって回転することを規制する回転規制部が設けられていることが有効である。
【0015】
背の傾動動作による荷重を反力伝達部からアームに対して円滑に入力するためには、前記反力伝達部の一部は、背の後傾動作に伴って前記アームの回転軸心に平行な軸を中心として回転し、その回転中心から変位した部位で前記アームを押圧するものであることが望ましい。
【0016】
組み付け作業を簡易化するとともに製造コストを低減させるためには、前記アーム又は前記弾性部材のいずれか一方に凸部が設けられ、前記アーム又は前記弾性部材のいずれか他方に凹部が設けられ、これら凸部と凹部とを係り合わせて前記アームのうち回転軸心から変位した部位と前記弾性部材の自由端とを接続していることが好ましい。
【0017】
弾性部材が圧縮に不適切な姿勢となって弾性部材の機能を損なうことを簡易な構成で防止するためには、前記凸部及び前記凹部の接触面は、前記アームの回転軸心と平行な軸を中心とする円柱の外周面に沿って形成されていることが望ましい。
【発明の効果】
【0018】
以上のように、本発明は、反力機構を、その前端を回転支点とした回転による姿勢変更を行い得るようにし、後端側を反力伝達部に関連付けたものであるので、反力機構の前端側を反力伝達部に関連づけた反力出力端として反力を調整する場合と比べて、反力機構の反力出力端と背が近くなるとともに、背の後傾動作による荷重を反力機構に入力しやすくなり、反力伝達部を簡易な構成とすることが可能となる。また、反力伝達部を反力機構の前方に配置する必要が無くなるので、前方からの見栄えを損なうことを回避した新規有用な椅子を提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態の椅子の一部分解斜視図。
【図2】同実施形態の支持基部周辺の一部分解斜視図。
【図3】同実施形態の反力機構周辺の側面図。
【図4】図4に対応した反力機構の作用説明図。
【図5】反力調整後の図3に対応した側面図。
【図6】図5に対応した反力機構の作用説明図。
【図7】同実施形態のアーム周辺の構成及び作用を示す断面図。
【図8】同実施形態の移動切り替え機構を示す斜視図。
【図9】同実施形態のロック機構の作用説明図。
【図10】同実施形態の制限手段の作用説明図。
【図11】同実施形態の制限手段の作用説明図。
【図12】同実施形態の移動切り替え機構の作用説明図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0021】
本実施形態の椅子は、図1に示すように、脚1に支持された支持基部2と、この支持基部2に背フレーム31を介して傾動可能に取り付けられた背3と、この背3の荷重を支持する反力機構4(図2参照)と、背フレーム31と一体になって傾動する座フレーム51と支持基部2とに支持された座5とを有する回転椅子である。
【0022】
具体的に説明すると、脚1は、下端部に図示しないキャスタを備え放射状に延びる脚体12aを有する脚羽根12であって、その中心から支柱11を、図示しないガススプリングによって昇降可能に突出させたもので、背3のロッキング動作のいずれの位置でも背凭れ荷重の中心が脚羽根12の安定支持範囲内にあるように構成されている。この支柱11に接続部21を介して支持基部2を回転可能に取り付けている。
【0023】
支持基部2は、アルミダイキャスト等の剛体により構成され、天壁22と、この天壁22の両側に位置する側壁23とを備えており、側壁23には背フレーム31及び座フレーム51を取り付けるための支軸60等が設けられているとともに、内部に、前記反力機構4や反力機構4が背3に付与する反力を調整する反力調整機構7、背の傾動を拘束するロック機構8などを組み込んでいる。座5は、前端側を軸5aを介して支持基部2の側壁23に二点支持され、後端側を軸5bを介して座フレーム51に二点支持されて、背3の後傾に伴って後方に沈み込むシンクロロッキング動作を行うように構成されている。
【0024】
反力機構4は、図2に示すように、前端側41aを軸4aを介して支持基部2の側壁23に取り付けたフレーム41と、前端42aを軸4aを介して支持基部2の側壁23に取り付けられ圧縮により反力を蓄積する圧縮バネ等の弾性部材42と、基端43aをフレーム41の後端側41bに回転可能に取り付けられその回転軸心43aから先端側43bに変位した部位を弾性部材42の自由端たる後端42bに接続されたアーム43とを備え、アーム43に背凭れ荷重を作用させることにより、アーム43が回転軸心43aの回りに回転して弾性部材42を圧縮する圧縮動作を行い得る構造になっている(図4参照)。アーム43の基端43aと先端43bとの間における側面には、受圧面43cが形成してある。勿論、反力機構4を弾性部材42ではなくガススプリング等、反力を生ずるその他の部材を用いて構成してもよい。
【0025】
また、反力機構4を構成するフレーム41及び弾性部材42は、前記軸4aの回りに回転可能に支持基部2の側壁23に取り付けられており、これによって反力機構4を構成する弾性部材42及びアーム43が一体となって姿勢変更可能に支持基部2に支持され、後述する反力調整機構7の一部を構成している。
【0026】
一方、この反力機構4に背3の荷重を作用させるために、図1に示すように、背3のロッキングに応じて回転するロッキング作動部材6を前記支軸60に回転自在に取り付けている。このロッキング作動部材6のうち支軸60から変位した部位に遊動軸62を取り付けるとともに、この遊動軸62を背フレーム31のうち支軸60から変位した部位に取り付けることによって、背フレーム31の傾動動作に連動してロッキング作動部材6が回転し、その回転に伴い遊動軸62が遊動するように構成されている。具体的には、ロッキング作動部材6は、チャネル状のブラケット61の一対の対向壁61a・61a間に前記支軸60を貫通させるとともに、支軸60から変位した部位において前記一対の対向壁61a・61a間に遊動軸62を貫通させたものである。なお、ロッキング作動部材6が背フレーム31の後傾時のみならず起立時にも支軸60の回転に連動するのは言うまでもない。
【0027】
そして、図3及び図4に示すように、上記遊動軸62はその遊動に伴ってアーム43の受圧面43cに向かって進退する構造をなしており、背3の後傾動作に伴って遊動軸62がアーム43の受圧面43cを押圧し、アーム43を反力機構4が圧縮する方向へ回転させると同時に反力機構4からアーム43を介して受ける反力を背フレーム31を介して背に伝達する反力伝達部63を構成している。反力伝達部63の回転中心たる支軸60とアーム43の回転軸心43aとは平行に設定され、反力伝達部63を構成する遊動軸62とアーム43との間で円滑な荷重伝達を可能としている。また、アーム43の受圧面43cは、図3に示すように、背3の起立時(0°)において反力機構4の回転中心4aからの距離Oがほぼ一定となる円弧面状に形成されており、反力機構4を回転支点4a及び反力伝達部63の二箇所で常に支持しその姿勢を維持するようにしている。
【0028】
図2の反力調整機構7は、反力伝達部63を構成する遊動軸62とアーム43との接触点をアーム43の回転軸心43aに対する遠近方向Eに沿って図3→図5のように移動させるべく、反力機構4をその前端に位置する軸4aを支点として後端側4bを反力伝達部63と関連付けて回転による姿勢変更を行い得るように支持基部2に支持させており、更に、図2に示すように、反力機構4及び支持基部2の間に介在されるくさび部材71と、くさび部材71を反力機構4の回転中心4aに対する進退方向Sに沿って移動させる操作手段たる反力調整レバー72とを備えたものである。
【0029】
反力調整レバー72は、図2に示すように、軸72c回りに回転可能に支持基部2に支持され、回転端72b側にくさび部材71を関連付けたもので、回転操作に応じてくさび部材71を上記進退方向Sに沿ってスライドさせる。
【0030】
くさび部材71は、図2及び図3に示すように、反力調整レバー72と関連付けられた天壁71aと、天壁71aの両側に位置する側壁71bとを備え、支持基部2とフレーム41との間で上記進退方向Sに沿ってスライド自在に構成されている。くさび部材71は、その上方及び両側を挟む位置に配置されたくさび案内部材24によってフレーム41等から脱落することなくスライド自在に保持されており、このくさび案内部材24と天壁71aとを接触させ、くさび部材71の側壁71b下端部とフレーム41とを接触させた状態で上記進退方向Sに沿ってスライドする。くさび部材71のスライド範囲におけるくさび案内部材24及びフレーム41の間の距離Lは、回転中心4aに近づくほど短くなり、回転中心4aから遠ざかるほど長くなるように設定されており、これによってくさび部材71をスライドさせることで支持基部2とフレーム41との間の距離Lを変化させるものである。
【0031】
フレーム41のうちくさび部材71と接触する接触面41cには、くさび部材71のスライド方向(進退方向S)に沿って円弧状の突起41c1が一定ピッチ、同一形状で複数形成されている。一方、くさび部材71のうちフレーム41と接触する接触面71cには、前記突起41c1に嵌り合う溝部71c1が上記ピッチと同一のピッチで複数形成されている。勿論、溝部71c1をフレーム41の接触面41cに形成し、円弧突起41c1をくさび部材71に設けてもよく、これら円弧突起41c1及び溝部71c1を支持基部2とくさび部材71との接触部位に設けてもよく、上記突起41c1の形状は円弧状に限られるものではない。
【0032】
すなわち、反力調整レバー72に回転操作を行いくさび部材71を図3→図5の位置まで移動させると、くさび部材71の接触面71cに形成された溝部71c1がフレーム41の接触面41cに形成された突起41c1に対する嵌め合い位置を所定ピッチで変化させながら、くさび部材71が支持基部2及びフレーム41の間に潜り込むように相対移動するので、支持基部2及びフレーム41間の距離Lが段階的に変化し、支持基部2に対する反力機構4の姿勢が段階的に変更される。図3及び図5に示すように、フレーム41及びくさび部材71に形成された突起41c1及び溝部71c1は、一方の凹と他方の凸とが嵌り合うことで一時係止部7Xを構成し、くさび部材71とフレーム41との相対位置関係を一定の保持力で仮保持する。一時保持部7Xは、くさび部材71とフレーム41とが回転支点4a回りの回転方向に沿って一旦離れなければ嵌り合い位置を変化させることができない関係に設定され、くさび部材71及びフレーム41が5つの相対位置関係で仮保持されるようにしている。勿論、相対位置関係は5つに限られず、一時係止部7Xをくさび部材71と支持基部2の間に設けてもよく、場合によっては一時係止部7Xを設けなくてもよい。そして、反力伝達部63を構成する遊動軸62がアーム43の受圧面43cに沿って移動させることで、反力伝達部63とアーム43との接触点から当該アーム43の回転軸心43aまでのモーメントの腕の長さMが変化する。このモーメントの腕の長さMを図3に示すように長くすると、図3→図4に示すように、同じ背の後傾量(18°)でも弾性部材42が圧縮される量が小さくなることで反力が小さくなり、逆に腕の長さMを図5に示すように短くすると、図5→図6に示すように、同じ背の後傾量(18°)でも弾性部材42が圧縮される量が大きくなることで反力が大きくなる。よって、反力機構4の姿勢を変更することで背3の後傾角度と背3に付与される反力の大きさとの対応関係を変更、すなわち反力調整を行うことになる。
【0033】
その他、図7に示すように、アーム43のうち弾性部材42を保持する部位に凸部43dが設けられ、弾性部材42のうち後端42b(自由端)に凹部42cが設けられ、これら凸部43dと凹部42cとを嵌め合うことで連結具を用いることなくアーム43と弾性部材42とを接続している。これら凸部43dおよび凹部42cの接触面は、アーム43の回転軸心43aと平行な軸を中心とする円柱の外周面に沿って形成されている。勿論、アーム43に凹部42cを設け弾性部材に凸部43dを設けて両者を接続してもよい。また、図7に示すように、フレーム41のうち回転軸心43aよりも反弾性部材側に変位した部位に静止面41dを設け、アーム43が同図(a)に示す所定の限界位置po1にあるときにアーム43のうち回転軸心43aから反弾性部材側に変位した部位と静止面41dとを接触させ、所定の限界位置po1からの同図(a)→(b)に示すアーム43の圧縮動作のみを許容し、弾性部材42の圧縮を解放する方向への動作を禁止する回転規制部44を構成している。
【0034】
ところで、背のロッキングを拘束するロック機構を有する椅子において、着座者が背から離れているときに背の拘束を解除すると、背が急激に起立して着座者にショックを与えるおそれがあるが、本実施形態では、このようなショックを背のロッキングの使用感を損なうことなく防止するために、以下のようなロッキング装置を設けている。
【0035】
このロッキング装置は、図2に示すように、背3の傾動を拘束するともにロック操作レバー83に解放操作がなされることにより背3の拘束を解放する機能を備えたロック機構8と、このロック機構8の解放機能を制限する制限手段8Xとを備え、この制限手段8Xを、背凭れ荷重が作用していないときに解放機能を制限するとともに、背凭れ荷重が作用したときに当該制限を解除するように構成している。
【0036】
具体的に説明すると、ロック機構8は、図2及び図8に示すように、支軸60に設けられ背3の傾動に連動する連動部材81と、この連動部材81に対して相対的に接離可能な規制部材82と、この規制部材82の移動方向を切り替えるためのロック操作レバー83を有する移動切り替え機構85とを具備し、ロック操作レバー83になされた操作によって連動部材81と規制部材82とを係り合い状態にすることで背3の傾動を拘束するとともに、非係り合い状態にすることで当該拘束を解放するように構成したものである。
【0037】
連動部材81は、図2、図8及び図9に示すように、上記支軸60回りに回転自在に支持され、その支軸60から変位した部位に前記遊動軸62を取り付けた部分扇形をなす板状のもので、背フレーム31は前記支軸60回りに回転する際にこの遊動軸62を駆動して連動部材81を背3の傾動に連動させるように構成されている。そして、径方向に延びた一端側に複数の歯81a1を円弧に沿って一定間隔で配列したギア部81aを有している。
【0038】
規制部材82は、図2、図8及び図9に示すように、前記扇形状に対応する凹形状を一部に有した板状のもので、前記連動部材81に対向する位置において、上下方向両側に設けた直線状の一対の摺動面82b・82bを、当該規制部材82を上下方向から挟み込む位置に配置されたガイド部材84に設定したスライド面84aに摺動可能に接して配置される。そして、規制部材82は、連動部材81側に延びた端部に連動部材81のギア部81aと同一ピッチで前記連動部材81の円弧に沿って凹状に一定間隔で配列した複数の歯82a1からなるギア部82aを有し、所定範囲内で接離方向にスライドすることによって連動部材81と噛み合い状態又は非噛み合い状態のいずれかの状態をとり得るようにしているとともに、噛み合った状態で連動部材81の起立方向及び後傾方向への連動動作が禁止されるように構成されている(図9(a)及び図9(b)参照)。連動部材81及び規制部材82に形成される歯81a1・82a1は、噛み合いによって板厚方向と直交する方向に荷重を受けるようにその向きが設定されている。具体的には、図11(a)及び図11(b)に示すように、規制部材82に形成される歯82a1を構成する歯面のうち、起立方向側の歯面が歯81a1との接触により連動部材81の起立側へ向かう連動動作を規制する起立動作規制面82a3に設定されており、後傾方向側の歯面が歯81a1との接触により連動部材81の後傾側へ向かう連動動作を規制する後傾動作規制面82a4に設定されている。
【0039】
ただし、上記ギア部81a・82a同士は、その噛み合いにバックラッシュ的な若干の隙間を設け、図10(a)に回転方向両側の歯のみを誇張して模式的に示すように、背のいずれの後傾角度においても噛み合い状態で連動部材81が回転動作を行い得る僅かな連動角度範囲A1を設定している。そして、同図(b)に示すように、この連動角度範囲A1のうち起立側及び後傾側にそれぞれ接離禁止角度範囲A2、A3を設定し、各々の禁止角度範囲A2、A3の間に接離許容角度範囲A4を設定している。接離禁止角度範囲A2、A3では、同図(a)に示すように、起立動作規制面82a3及び後傾動作規制面82a4が接離方向に対して傾斜しており、この傾斜によって歯81a1・82a1同士が接離方向において互いに干渉する位置関係になるとともに、接離許容角度範囲A4では、同図(b)に示すように、歯81a1・82a1同士を接離方向における干渉が回避される位置関係となるように、上記歯81a1・82a1の形状や歯81a1を構成する起立動作規制面82a3及び後傾動作規制面82a4の位置関係が規定ないし設定されている。具体的には、図11(a)に示すように、歯溝81a2を構成する2つの歯面81a3の開き方向opの間に歯82a1の逃げ方向esc(接離方向のうち規制部材82が連動部材81から離れる方向)があるときには、歯82a1は歯溝81a2から離脱することができ、連動部材81と規制部材82との係り合い状態が解除されるが、図11(b)に示すように、2つの歯面81a3の開き方向opの間に歯82a1の逃げ方向escがないとき、すなわち歯82a1が歯面81a3の背面に回り込んだ状態にあるときには、歯82a1は歯溝81a2に干渉して離脱することができず、連動部材81と規制部材82との係り合い状態が維持される。特に、図9及び図11(c)に示すように、歯81a1が円弧に沿って配列されていることから、歯溝81a2を構成する歯面81a3の開き方向opは、中央よりにある歯溝81a2ほどスライド方向(歯82a1の逃げ方向esc)に近く、中央から離れた位置にある歯溝81a2ほどスライド方向(歯82a1の逃げ方向esc)に対して角度差が出てくる。そのため、本実施形態では円弧に沿って最も外側で噛み合う2箇所において、接離禁止状態が生じる。
【0040】
移動切り替え機構85は、図2、図8及び図9に示すように、移動部材たる規制部材82を接離動作させるものであり、規制部材82を付勢する付勢部材86と、この付勢部材86に関連付けられたロック操作レバー83とを具備し、規制部材82の移動方向を、連動部材81に接近する方向(第1の移動方向)と連動部材81から離れる方向(第2の移動方向)とに切り替えて往復動作させるものである。
【0041】
ロック操作レバー83は、図2及び図8に示すように、支持基部2のうち板状に形成された側壁23にその板面と直交する回転軸83aを介して回転可能に取り付けられ、ロック操作又は解放操作を付勢部材86に伝達するものである。回転軸83aは、規制部材82の長孔82cを貫通しており、その先端部に、当該回転軸83aと一体回転してロック操作レバー83に連動する板状の操作量伝達部材87が取り付けられている。規制部材82の長孔82cは、図9に示すように、回転軸83aと係り合うことで規制部材82のスライド範囲を制限するものである。規制部材82及び操作量伝達部材87は、図8に示すように、支持基部2の板面とほぼ平行となる位置であって付勢部材86を挟み込む位置に配置され、互いに近接した状態に設置されている。
【0042】
付勢部材86は、単一のねじりコイルバネを用いたバネで、図9に示すように、一端86aが前記操作量伝達部材87の回転中心83aから変位した部位に取り付けられ、他端86bが前記規制部材82に取り付けられたもので、一端86aを足場として他端86bに付勢力を作用させて規制部材82を移動させる。このように、規制部材82をねじりコイルバネによって付勢しているのは、規制部材82が連動部材81に接近した際にそれらのギア部81aの山同士、ギア部82aの山同士が突き当たっても、連動部材81がそこから若干回転すればバネ弾性で噛み合い状態を実現することを可能にするためである。
【0043】
ロック操作レバー83を回転させて解放操作を行うと、操作量伝達部材87が図9(a)→図9(b)のように回転し、付勢部材86の一端86aが他端86bに対して移動することで付勢部材86の姿勢が変更される。付勢部材86は、図12(a)に示すように、上記スライド面84aのガイド方向(接離方向)と直交する方向にその付勢力が働く姿勢を思案点となる境界姿勢st0とし、この境界姿勢st0を境として、第1の移動方向に付勢力が働く図12(b)の姿勢st1と、第2の移動方向に付勢力が働く図12(c)の姿勢st2とを切り替えることで、付勢部材86により規制部材82に付与される付勢力P0、P2のうち分力P1、P2が作用する方向が第1又は第2の移動方向に切り替わり、規制部材82の移動方向が切り替わるように構成してある。
【0044】
また、背3の傾動が拘束されている状態でロック操作レバー83に解放操作を行うと、規制部材82に対して働く付勢力が連動部材81から離れる方向に切り替わるが、背凭れ荷重が作用していないときには、反力機構4による反力によって連動部材81が起立方向へ動作して規制部材82が連動部材81から反力機構4による反力を受ける状態となり、連動部材81の角度が図10に示す起立側の禁止角度範囲A2にあり背3の拘束の解放が制限される状態となる。また、この制限状態において着座者が背3にゆっくりと凭れると、規制部材82が連動部材81を通じて受ける反力機構4による反力が減少し、連動部材81の角度が後傾側の禁止角度範囲A3から許容角度範囲A4に移動して、上記制限がなくなり背の拘束が解放される。一方で、上記制限状態において着座者が背3に体を預けるような過渡的に大きな背凭れ荷重が作用すると、連動部材81の角度が起立側の禁止角度範囲A2から許容角度範囲A4に至っても歯同士の離間動作が完了する前に許容角度範囲A4を超えて後傾側の禁止角度範囲A3に移動してしまい、再び規制部材82が連動部材81から背凭れ荷重を受ける状態となり上記制限が維持される。そして、背凭れ荷重が反力機構4の反力とほぼ均衡する程度に弱まると、連動部材81の角度が後傾側の禁止角度範囲A3から許容角度範囲A4に移動して、上記制限がなくなり背の拘束が解放される。その結果、椅子は通常のロッキング状態に復帰することとなる。
【0045】
以上のように、本実施形態の椅子は、圧縮により反力を蓄積する反力機構4と、背3の後傾動作に伴い反力機構4を圧縮すると同時に圧縮による反力を背に伝達する反力伝達部63と、反力機構4が反力伝達部63を介して背3に付与する反力を変更する反力調整機構7とを具備してなり、反力調整機構7は、反力機構4をその前端4aを支点とし後端側4bを反力伝達部63に関連づけて回転による姿勢変更動作を行い得るように構成したものであって、反力機構4の姿勢を変更することにより背3の後傾角度と背3に付与される反力の大きさとの対応関係を変更する。
【0046】
このようにすれば、反力機構4の前端4aを回転支点とし後端側4bを反力伝達部63に関連付けて、回転による姿勢変更によって背3に付与される反力を調整するので、反力機構4の前端4a側を反力伝達部63に関連づけた反力出力端として反力を調整する場合と比べて、反力機構4の反力出力端と背3が近くなるうえ、背3の後傾動作による荷重を反力機構4に入力しやすくなり、反力伝達部63を簡易な構成とすることができる。また、反力伝達部63を反力機構4の前方に配置する必要が無くなるので、前方からの見栄えを損なうこともない。
【0047】
本実施形態では、反力機構4は、圧縮により反力を蓄積する弾性部材42と、背3の後傾動作に伴い反力伝達部63に押圧されて弾性部材42を圧縮する圧縮動作を回転により行うアーム43とを備えており、反力調整機構7は、弾性部材42及びアーム43が一体となって回転による姿勢変更動作を行い得るように構成したものであり、弾性部材42及びアーム43の姿勢を変更することによりアーム43と反力伝達部63との接触点をアーム43の回転軸心43aに対する遠近方向Eに沿って移動させるので、反力伝達部63とアーム43との接触点をアーム43の回転軸心43aに近づく方向に移動させると、同じ背3の後傾量でも弾性部材42を圧縮する量が大きくなることで反力は大きくなり、逆に前記接触点をアーム43の回転軸心43aから遠ざかる方向に移動させると、同じ背3の後傾量でも弾性部材42を圧縮する量が小さくなることで反力は小さくなる。そして、反力調整機構7は、弾性部材42及びアーム43を一体として姿勢変更させ、アーム43と反力伝達部63との接触点をアーム43の回転軸心43aに対する遠近方向Eに沿って移動させるので、ねじ送り等によって背凭れに反力を与える弾性部材42の初期圧縮量を変える場合等に比べて、僅かな変位によって大きな調節量を実現することが可能となる。
【0048】
また、本実施形態では、反力機構4は、前端側41aに弾性部材42の回転支点4aが取り付けられ、後端側41bにアーム43の回転軸心43aが取り付けられるフレーム41を有し、弾性部材42の自由端たる後端42bがアーム43のうち回転軸心43aから変位した部位に保持されているので、弾性部材42、アーム43及びフレーム41をユニット化しているので、組み付けを容易にすることが可能となる。
【0049】
さらに、本実施形態では、反力機構4を姿勢変更可能に支持する支持基部2と、反力機構4及び支持基部2の間に介在されるくさび部材71と、くさび部材71を反力機構4の回転中心4aに対する進退方向Sに沿って移動させる操作手段たる反力調整レバー72とを備えているので、反力調整レバー72により反力機構4及び支持基部2の間に介在されるくさび部材71を反力機構4の回転中心4aに近づく方向に移動させると、反力機構4及び支持基部2の間の距離Lが大きくなることで支持基部2に対する反力機構4の角度が大きくなり、逆にくさび部材71を反力機構4の回転中心4aから遠ざかる方向に移動させると、反力機構4及び支持基部2の間の距離Lが小さくなることで支持基部2に対する反力機構4の角度が小さくなる。そして、反力調整レバー72によりくさび部材71を反力機構4の回転中心4aに対する遠近方向Eに沿って移動させるという僅かな変位によって大きな調整量を実現することが可能となる。
【0050】
さらにまた、反力機構4を構成するフレーム41とくさび部材71とを所定の相対位置関係に仮保持する一時保持部7Xを設けているので、調整した位置にくさび部材を保持するための機能を付与すること可能となる。
【0051】
加えて、アーム43のうち反力伝達部63と接触する部位には、反力機構4の回転中心4aからの距離Mがほぼ一定となる円弧面たる受圧面43cが形成されているので、反力機構4がどのような姿勢を取っていても反力機構4を構成する弾性部材42の長さがほぼ一定となり、反力機構4の初期圧縮量を安定させることが可能となる。
【0052】
また、本実施形態では、所定の限界位置po1からアーム43が弾性部材42の圧縮を開放する方向へ向かって回転することを規制する回転規制部44が設けられているので、必要以上にアーム43が弾性部材42の圧縮を開放する方向へ向かって回転することがなくなり、弾性部材42の組み込みを簡素化するとともに使用中に脱落することを防止することが可能となる。特に、本実施形態のように反力機構4を回転支点4a及び反力伝達部63の二箇所で支持しその姿勢を維持するように構成したものにおいて、アーム43が限界位置po1にあるときにアーム43の形状によっては所望の姿勢でアーム43と反力伝達部63とが接触せず、その所望の姿勢に設定することができない場合がある。これに対して、アーム43のうち反力伝達部63と接触する部位に、反力機構4の回転中心4aからの距離Mがほぼ一定となる円弧面たる受圧面43cが形成されていると、反力機構4がどのような姿勢であってもアーム43と反力伝達部63が接触し常に反力機構4が二点支持されるので、任意の姿勢に設定可能な反力機構4を提供することが可能となる。
【0053】
その他、反力伝達部63の一部は、背3の後傾動作に伴ってアーム43の回転軸心43aに平行な支軸60を中心として回転し、その回転中心60から変位した部位である遊動軸62でアーム43を押圧するものであるので、背3の傾動動作による荷重を反力伝達部63からアーム43に対して円滑に入力することが可能となる。
【0054】
また、アーム43に凸部43dが設けられ、弾性部材42に凹部42cが設けられ、これら凸部43dと凹部42cとを係り合わせてアーム43のうち回転軸心43aから変位した部位と弾性部材42の自由端たる後端42bとを接続しているので、特別な連結具を用いることなくアーム43及び弾性部材42を接続でき、組み付け作業を簡易化するとともに製造コストを低減させることが可能となる。
【0055】
さらに、アーム43の回転に伴い弾性部材42に対するアーム43の角度が変わるが、アーム43と弾性部材42の角度を固定した状態で両者を接続していると、アーム43の回転に伴って弾性部材42が湾曲して弾性部材42の機能を損なうおそれがあるが、本実施形態では、凸部43d及び凹部42cの接触面は、アーム43の回転軸心43aと平行な軸を中心とする円柱の外周面に沿って形成されているので、弾性部材42に対するアーム43の角度変化に応じて接触面同士がスライドして、弾性部材42が伸縮に適切な姿勢となり、弾性部材42が圧縮に不適切な姿勢となって弾性部材42の機能を損なうことを簡易な構成で防止することが可能となる。
【0056】
なお、各部の具体的な構成は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【0057】
例えば、本発明に係るアンチショックを実現する椅子は、本実施形態において脚羽根を用いた回転椅子に適用しているが、その他の椅子に適用してもよい。
【0058】
また、本発明に係る移動切り替え機構は、本実施形態において椅子の背を拘束するロック機構に適用しているが、椅子における他の機構に適用してもよく、椅子以外にも適用が可能である。
【0059】
さらに、本実施形態では、移動切り替え機構を構成する付勢部材としてバネを用いているが、付勢力を発現するものであれば、例えばガススプリングやその他の機構などを用いるなど、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【符号の説明】
【0060】
2…支持基部
3…背
4…反力機構
4a…反力機構の回転中心(前端)
4b…自由端(後端側)
41…フレーム
42…弾性部材
42c…凹部
43…アーム
43a…アームの回転軸心
43c…円弧面(受圧面)
43d…凸部
44…回転規制部
63…反力伝達部
7…反力調整機構
71…くさび部材
72…操作手段(反力調整レバー)
7X…一時保持部
po1…所定の限界位置


【特許請求の範囲】
【請求項1】
圧縮により反力を蓄積する反力機構と、
背の後傾動作に伴い前記反力機構を圧縮すると同時に圧縮による反力を背に伝達する反力伝達部と、
前記反力機構が前記反力伝達部を介して背に付与する反力を変更する反力調整機構とを具備してなり、
前記反力調整機構は、前記反力機構をその前端を支点とし後端側を前記反力伝達部に関連づけて回転による姿勢変更動作を行い得るように構成したものであって、前記反力機構の姿勢を変更することにより背の後傾角度と背に付与される反力の大きさとの対応関係を変更することを特徴とする椅子。
【請求項2】
前記反力機構は、圧縮により反力を蓄積する弾性部材と、背の後傾動作に伴い前記反力伝達部に押圧されて前記弾性部材を圧縮する圧縮動作を回転により行うアームとを備えており、
前記反力調整機構は、前記弾性部材及び前記アームが一体となって回転による姿勢変更動作を行い得るように構成したものであり、前記弾性部材及び前記アームの姿勢を変更することにより前記アームと前記反力伝達部との接触点を前記アームの回転軸心に対する遠近方向に沿って移動させる請求項1に記載の椅子。
【請求項3】
前記反力機構は、一端側に前記弾性部材の回転支点が取り付けられ、他端側に前記アームの回転軸心が取り付けられるフレームを有し、前記弾性部材の自由端が前記アームのうち回転軸心から変位した部位に保持されている請求項2に記載の椅子。
【請求項4】
前記反力機構を姿勢変更可能に支持する支持基部と、
前記反力機構及び前記支持基部の間に介在されるくさび部材と、
前記くさび部材を前記反力機構の回転中心に対する進退方向に沿って移動させる操作手段とを備えている請求項2又は3に記載の椅子。
【請求項5】
前記反力機構又は前記支持基部の少なくともいずれか一方と前記くさび部材とを所定の相対位置関係に仮保持する一時保持部を設けている請求項4に記載の椅子。
【請求項6】
前記アームのうち前記反力伝達部と接触する部位には、前記反力機構の回転中心からの距離がほぼ一定となる円弧面が形成されている請求項2〜5のいずれかに記載の椅子。
【請求項7】
所定の限界位置から前記アームが前記弾性部材の圧縮を開放する方向へ向かって回転することを規制する回転規制部が設けられている請求項2〜6のいずれかに記載の椅子。
【請求項8】
前記反力伝達部の一部は、背の後傾動作に伴って前記アームの回転軸心に平行な軸を中心として回転し、その回転中心から変位した部位で前記アームを押圧するものである請求項2〜7のいずれかに記載の椅子。
【請求項9】
前記アーム又は前記弾性部材のいずれか一方に凸部が設けられ、前記アーム又は前記弾性部材のいずれか他方に凹部が設けられ、これら凸部と凹部とを係り合わせて前記アームのうち回転軸心から変位した部位と前記弾性部材の自由端とを接続している請求項2〜8のいずれかに記載の椅子。
【請求項10】
前記凸部及び前記凹部の接触面は、前記アームの回転軸心と平行な軸を中心とする円柱の外周面に沿って形成されている請求項9に記載の椅子。


【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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