椅子
【課題】ベース6に設ける軸受部材26を利用して下カバー体5bを簡単に着脱できるようにした椅子を提供する。
【解決手段】脚で支持されたベース6内にてコイルばね30にて付勢される第1軸9は、ベース6の左右両側板6aに穿設された長孔25に装着した樹脂製の軸受部材26前後スライド自在に挿通される。軸受部材26は、軸受ブッシュ部26bの一方の端部に外周方向に延びる矩形状等のフランジ部26aと、フランジ部26aの外周面に、側板6aの外面と直交する方向から見て上下対称位置及び左右対称位置に外向きに突出する4つの係止爪45とを備える。下カバー体5bの内面前部の左右両側に設けられた内向き突片46は、下カバー体5bをベースの下面方向から押し上げるとき、所定位置の1つの係止爪45に係止して下カバー体5bが脱落不能となる。
【解決手段】脚で支持されたベース6内にてコイルばね30にて付勢される第1軸9は、ベース6の左右両側板6aに穿設された長孔25に装着した樹脂製の軸受部材26前後スライド自在に挿通される。軸受部材26は、軸受ブッシュ部26bの一方の端部に外周方向に延びる矩形状等のフランジ部26aと、フランジ部26aの外周面に、側板6aの外面と直交する方向から見て上下対称位置及び左右対称位置に外向きに突出する4つの係止爪45とを備える。下カバー体5bの内面前部の左右両側に設けられた内向き突片46は、下カバー体5bをベースの下面方向から押し上げるとき、所定位置の1つの係止爪45に係止して下カバー体5bが脱落不能となる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば事務用の回転椅子は、脚支柱の上端にベースを固定し、ベースで座を支持する共に、ベースに後傾動可能に連結した背フレームを取り付けた基本構造になっており、背フレームの後傾動をばねで支持している。そして、背もたれが後傾動するとこれに連動して座が後退動又は後傾動若しくは両方を行うシンクロタイプのものが多用されている。
【0003】
座と背もたれとを連動させるシンクロ機構には何種類かある。例えば、座が背もたれの後傾動に連動して後退しつつ後傾するタイプの場合の一例として、座を受ける中間部材をベースの前部に第1軸で連結すると共に、中間部材と背フレームとを第3軸とで連結し、更に、ベースにおいて第1軸が嵌まる穴を前後方向に長い長穴としたものがある。
【0004】
背もたれの後傾動に連動して座が後傾動のみするタイプとしては、第1軸はベースに対して回転のみ行うように連結する一方、背フレームをベースにガイド軸で取り付けるにおいて、金属製のベースの左右両側板に設けられた取り付け穴を長穴とすることによって背フレームの後傾動と座の後傾動とを連動させたものがある。
【0005】
特許文献1では、長穴状の取り付け穴に合成樹脂製のブッシュを嵌挿することにより、ガイド軸との摺動抵抗を少なくして騒音の発生を少なくすることが開示されている。
【0006】
他方、ベースの下面を覆う下カバー体の取付け構造として、特許文献2では、下カバー体の前端部を座アウターシェルまたはベースの前端に係止爪で係止する一方、下カバー体の後端部の係止爪等をベースの後端や背もたれアウターシェルの取付け個所に係止する構成があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−161123号公報(図8〜図10参照)
【特許文献2】特開2003−189966号公報(図10参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2の構成で、下カバー体の左右巾寸法が座アウターシェルの巾寸法より比較的短い場合、座アウターシェルに係止爪のための取付け用の穴を設けなければならず、ベースに下カバー体を取り付けるにしても、通常金属製のベースに取付け個所を設ける必要があり、いずれにしても、下カバー体を下方から取付けるための構造を座アウターシェルまたはベースに配置するには、特別の工夫が必要である。また、ベース内の部品の交換などのため下カバー体を取り外すための工夫が必要であった。
【0009】
本願発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ベースに設ける軸受部材を利用して下カバー体を簡単に着脱できるようにした椅子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため請求項1の発明は、脚で支持されたベースと、前記ベースの上方に配置されると共にばね手段に抗して後傾動又は後退動若しくは両方の動きを行い得る座部と、前記座部の後方に配置した背もたれとを備えた椅子であって、前記ばね手段の一端を支持する軸が前記ベースの左右両側板を貫通する個所に、前記軸のための軸受部材を嵌挿し、前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持するものである。
【0011】
請求項2の発明は、座部を第1軸で脚で支持されたベースの前部寄り部位に連結すると共に、座部のうち第1軸よりも後方の部位を前記ベース又は他の部材に連結し、背もたれは、前記ベースに後傾動自在に第2軸で連結された背フレームに取り付けられており、前記背フレームの前後中途部と前記座部とを第3軸で連結しており、更に、前記第1軸は前記ベースの左右両側板に嵌まっている穴を長孔とすることにより、前記背もたれと前記座部とが連動することを許容する椅子であって、前記長孔には、前記第1軸のための軸受部材を嵌挿し、前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持するものである。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1または2において、前記係止爪は前記フランジ部に、上下対称位置及び左右対称位置に合計4箇所に設けられているものである。
【0013】
請求項4の発明では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記各係止爪は前記フランジ部に外向きに突出形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び2の発明によると、下カバー体をベースの下面に近づけるように押し上げると、軸受部材におけるフランジ部に設けられた係止爪に、下カバー体の内面の内向き突片が係止して、下カバー体が脱落不能に装着されるので、下カバー体を簡単に着脱できる。そして、軸受部材に係止爪を設け、下カバー体の内面に内向き突片を設けるので、ベースを覆った状態では、係止部分が外から見えなくなる。
【0015】
本願発明は、請求項2のように背もたれと座とが連動するシンクロタイプの椅子に特に好適である。
【0016】
請求項3のように構成すると、軸受部材の取付け作業に誤りがなくなり、取付け作業が容易となる。また、軸受部材の製作費用が安くなると共に、部品管理も簡単になる。
【0017】
請求項4のように構成すると、ベースに軸受部材を取付けた状態で、下カバー体を装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】椅子の全体側面図である。
【図2】椅子の主要部材を表示した分離斜視図である。
【図3】ベースの下面左側から見た椅子の主要部材の斜視図である。
【図4】ベースの下面前方右側から見た椅子の主要部材の斜視図である。
【図5】座部と背フレームとの分離斜視図である。
【図6】座部と背フレームとの平面図である。
【図7】ベースと上カバー体及び下カバー体の分離斜視図である。
【図8】上カバー体を取り付けたベースの下面側からの斜視図である。
【図9】ベースと軸受部材と下カバー体の分離斜視図である。
【図10】軸受部材に下カバー体を装着した状態の要部拡大断面図である。
【図11】(A)は軸受部材の平面図、(B)は同じく斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明で方向を示すため「前後」「手前」「後ろ」「左右」といった文言を使用するが、これらの文言はロッキング椅子(以下、単に椅子と称する)に着座した人の向き基準にしている。「正面視」は着座者と対向した方向から見た状態になる。
【0020】
(1).椅子の基本構造
先ず、図1〜図5に基づいて椅子の基本構造を説明する。図1は椅子の側面図であり、この図に示すように、椅子は、キャスター付きの脚1と、座部2と、背もたれ3とを備えている。脚1は伸長自在及び回転自在でガスシリンダよりなる脚支柱4を備えており、脚支柱4は、放射状に延びる複数本の枝足を有する脚本体の中心部に嵌着されている。脚支柱4の上端にはベース6(図3〜図6に示す)が固定され、金属製のベース6の上下外側が上ベースカバー体5aと下ベースカバー体5bとで囲われている。
【0021】
座部2は、座クッション体7と座板(座インナーシェル)8とを備えており、座板8の前端部はベース6の前端部に第1軸9(前部軸)によって後傾動及び後退動自在に取り付けられている。座クッション体7はクロス等の表皮材で覆われている。上ベースカバー体5aと下ベースカバー体5bと座板8はPP(ポリプロピレン)等の合成樹脂材を素材とした射出成形品である。
【0022】
背もたれ3における下部材である背フレーム10の後上部はバックカバー体12が取付けられている。バックカバー体12の前面には背板15が取付位置を上下に変更可能に設けられ、背板15の前面に背クッション体16が取付けられている(図1、図2参照)。座板8、バックカバー体12及び背板15はPO等の合成樹脂材を素材とした射出成形品である。座クッション体7及び背クッション体16にはクロス等の表皮材が張られている。
【0023】
ベース6の後部寄り部位には背フレーム10の前端部が第2軸11によって回動可能に連結されており、更に、背フレーム10のうち第2軸11よりも後方の部位と座板8の後部とは第3軸(後部軸)14によって相対回動可能に連結されている。このため、背もたれ3が後傾動するとこれに連動して座部2も一緒に後傾しつつ後退する。
【0024】
背フレーム10はバックカバー体12の取付け部10aの下端から前方にのびる左右両側のアーム部20を有し、両アーム部20の前端に第2軸11を回動可能に外嵌する軸受21が設けられている。左右両側のアーム部20の前後中途部を連結するための左右に延びるように一体的に形成されている補強部22の上端の嵌合溝22a(図6参照)には、金属製の丸パイプまたは丸軸状の第3軸14が固定されている。このため、背フレーム10の剛性は高く、ねじれ及び曲げ外力対する変形を非常に小さくできる。
【0025】
なお、アーム部20の前後中途部の外面には、オプション部品である肘掛け装置の基部の取付け部23を有し(図2〜図5参照)、肘掛け装置を外した取付け部23はキャップ24(図1参照)を外嵌させて覆う。
【0026】
図3〜図6に示すように、ベース6は上向きに開口した略函状の形態になっていて、ベース6のベース基板6bに穿設された取付け孔6dに脚支柱4の上端が固定されている。ベース6の左右両側板6aにおける前寄り部位にて第1軸9を介して座板8が前後スライド自在に装着されている。また、この第1軸9は、後に詳述するように、ベース6の内部に配置されたロッキング用弾性支持手段に関連づけされる。
【0027】
例えば図9、図10に示すように、ベース6の左右両側板6aには前後長手の長孔25が形成されている。なお、長孔25には左右両側板6aの内側に延びる巾W1の荷重受け部(膨出部)25aが設けられている。この長穴25に樹脂製の軸受部材26を装着し、左右両軸受部材26に左右長手の第1軸9が前後スライド自在に挿通されている。
【0028】
第1実施例の軸受部材26は、荷重受け部(膨出部)25aに嵌まる軸受ブッシュ部26bと、軸受ブッシュ部26bの一方の端部に外周方向に延びる矩形状等のフランジ部26aと、フランジ部26aの外周面に、側板6aの外面と直交する方向から見て上下対称位置及び左右対称位置に外向きに突出する4つの係止爪45が一体的に形成されている。なお、軸受ブッシュ部26bのフランジ部26aから遠い位置の外周には抜け止め突起47が形成されている(図9〜図11参照)。
【0029】
軸受部材26は軸受ブッシュ部26bを長孔25に左右両側板6aの外側から嵌め込んでおり、フランジ部26aがベース6の左右両側板6aの外面に当接する。図7、図9、図10に示すように、下カバー体5bの内面前部には左右両側に内向き突片46が設けられ、下カバー体5bの内面後部には左右両側には、第2軸11に下方から弾性的に抱持するΩ型の係合部48が形成されている。なお、ベース6の後端に取付けられた支軸50に、背もたれ用の別のガスシリンダ49が装着されている場合には、この支軸50に対するΩ型の第2係合部51を設けて良い(図9、図10参照)。
【0030】
これにより、下カバー体5bを脚支柱4に沿わせて上昇させると、左右両側の軸受部材26における前寄り下部(所定位置)の係止爪45に内向き突片46が乗り上げて脱落不能に装着される。下カバー体5bの後部は第2軸11に係合部48が、支軸50に第2係合部51がそれぞれ抱持して、ここも脱落不能に装着される。しかも、係止爪45及び内向き突片46は下カバー体5bの内面側に位置するので、外から見えない。なお、内向き突片46の配置位置によっては、軸受部材26における後寄り下部(所定位置)の係止爪45に内向き突片46が係止する構成でも良い。
【0031】
図7、図8に示すように、上カバー体5aには、内面の前後端に弾性的な係合爪52、53が複数設けられ、前係合爪52はベース6の前壁上端のフランジ54に、後係合爪53はベース6の後端の後向き片55にそれぞれ係合する。ベース6を覆った状態では、上カバー体5aの外周下端縁と下カバー体5bの外周上端縁とが丁度合わさり、図2に示すように、ベース6は外から見えなくなる。
【0032】
座板8の下面の左右両側には、軸受け部27が一体的に形成されて、ここに第1軸9の両端が嵌まり、1軸9の両端は軸受け部27によって、外側から見えない構成である。図3〜図5に示すように、軸受け部27は、前後に長く前端が有底の溝レール28を有する。左右両溝レール28は相対向する面と後部28aが開放されているので、第1軸9の両端部を後部28aから前方に挿入できる。
また、左右両軸受け部27の後部には第3軸14の両端部を回動可能に支持するための後部軸受29が一体的に形成されている。
【0033】
[ロッキング用弾性支持手段]
図5〜図6に明示するように、ベース6の内部には、ロッキング用弾性支持手段の一例として、前後方向に伸縮するロッキングばね用のコイルばね30(請求項でいうばね手段に相当)を配置している。他方、ベース6の後部には、左右両側板に連結された仕切り部32の前面に装着された後部ばね受け支持装置31が設けられている。
【0034】
後部ばね受け支持装置31は仕切り部32の前面にて左右方向に摺動可能で左方向に行くに従って前方向に高い傾斜面を有する第1傾斜ブロック33と、第1傾斜ブロック33の傾斜面に摺接する第2傾斜ブロック34とを備える。軸線周りに回転のみ可能に支持され、右側板6aから横向きに突出する操作レバー35は第1傾斜ブロック34内の雌ねじに螺合され、操作レバー35の右または左への回転に応じて第1傾斜ブロック34が椅子の左または右方向に移動可能となっている。第2傾斜ブロック34の前面にはコイルばね30の後端を位置ずれ不能に受ける後部ばね受け部34aが形成され、後部ばね受け支持片である第2傾斜ブロック34にてコイルばね30の後部が後ろから支持されている。なお、コイルばね30の付勢力により第2傾斜ブロック34の片面は右側板6aの内面に常時押圧された状態である。従って、上記の操作レバー35の右または左への回転に応じて第2傾斜ブロック34は椅子の前方向または後方へ移動し、コイルばね30の伸縮量を調節できる。
【0035】
また、コイルばね30の前端は前部バネ受けブロック36を介してベース6の前壁方向に第1軸9を付勢する。前部バネ受けブロック36の後面には、コイルばね30の前端の位置ずれを防止するための円筒状などの前部ばね受け部37が形成される。
【0036】
前部バネ受けブロック36が第1軸9を左右方向に位置ずれしないように支持する構成として、第1軸9の軸線方向への位置ずれを防止する位置決め係合部39は、前部バネ受けブロック36の前面部に形成されるものであり、この位置決め係合部39は、第1軸9の軸線方向の中途部に当該第1軸9の直径より短い寸法の装着凹所(不図示)に外嵌するように構成されているものである。
【0037】
このように構成し、第1軸9の装着凹所にバネ受けブロック36の位置決め係合部39を外嵌させると、バネ受けブロック36に対して第1軸9は軸線方向に位置ずれすることなく装着される。
【0038】
以上の構成において、ロッキング状態では、背もたれ4が沈み込みながら後傾する。これと同時に座3は全体として後傾しながら後向きに移動する。ロッキング状態から身体を起こすと、背もたれ4及び座3はコイルばね30によって元の状態に戻る。これらの場合、バネ受けブロック36に対して、第1軸9は左右に位置ずれすることがない。
【0039】
他の実施例として、ベース6の左右両側板6aの孔に貫通する軸が前後移動しない場合、その孔に嵌まる軸受部材のフランジ部に4つの係止爪を突設して、これに内向き突片46を脱落不能に係止させる構成でも良く、その場合も4つの係止爪を側板6aの外面と直交する方向から見て上下対称位置及び左右対称位置に外向きに突出することができる。このように(第1実施例も同様)、対称位置に係止爪を形成することで、同じ軸受部材を左右両側の位置に適用することができ、且つ作業者が部品の取付け誤りをすることがなくなる。さらに、部品の製造費用も安くなり、管理も簡単になる。
【0040】
各係止爪をフランジ部に外向きに突出形成する場合、各係止爪に内向き突片が摺接する側面(孔、 長孔より外径側の面)を図11(B)に示すように凸湾曲面とすることで、内向き突片を係止方向に案内し易くなる。
【0041】
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば本願発明はロッキングに際して座が後退(及び/又は後傾)するシンクロタイプの椅子にも適用できるし、背もたれのみが後傾する椅子にも適用できる。
【符号の説明】
【0042】
2座部 3背もたれ
4脚支柱
6ベース
8座板
9第1軸
11第2軸
14第3軸
25長孔
26軸受部材
26aフランジ部
45係止爪
46内向き突片
30ロッキング用ばね手段の一例としてのコイルばね
【技術分野】
【0001】
本発明は、椅子に関するものである。
【背景技術】
【0002】
例えば事務用の回転椅子は、脚支柱の上端にベースを固定し、ベースで座を支持する共に、ベースに後傾動可能に連結した背フレームを取り付けた基本構造になっており、背フレームの後傾動をばねで支持している。そして、背もたれが後傾動するとこれに連動して座が後退動又は後傾動若しくは両方を行うシンクロタイプのものが多用されている。
【0003】
座と背もたれとを連動させるシンクロ機構には何種類かある。例えば、座が背もたれの後傾動に連動して後退しつつ後傾するタイプの場合の一例として、座を受ける中間部材をベースの前部に第1軸で連結すると共に、中間部材と背フレームとを第3軸とで連結し、更に、ベースにおいて第1軸が嵌まる穴を前後方向に長い長穴としたものがある。
【0004】
背もたれの後傾動に連動して座が後傾動のみするタイプとしては、第1軸はベースに対して回転のみ行うように連結する一方、背フレームをベースにガイド軸で取り付けるにおいて、金属製のベースの左右両側板に設けられた取り付け穴を長穴とすることによって背フレームの後傾動と座の後傾動とを連動させたものがある。
【0005】
特許文献1では、長穴状の取り付け穴に合成樹脂製のブッシュを嵌挿することにより、ガイド軸との摺動抵抗を少なくして騒音の発生を少なくすることが開示されている。
【0006】
他方、ベースの下面を覆う下カバー体の取付け構造として、特許文献2では、下カバー体の前端部を座アウターシェルまたはベースの前端に係止爪で係止する一方、下カバー体の後端部の係止爪等をベースの後端や背もたれアウターシェルの取付け個所に係止する構成があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2011−161123号公報(図8〜図10参照)
【特許文献2】特開2003−189966号公報(図10参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかしながら、特許文献2の構成で、下カバー体の左右巾寸法が座アウターシェルの巾寸法より比較的短い場合、座アウターシェルに係止爪のための取付け用の穴を設けなければならず、ベースに下カバー体を取り付けるにしても、通常金属製のベースに取付け個所を設ける必要があり、いずれにしても、下カバー体を下方から取付けるための構造を座アウターシェルまたはベースに配置するには、特別の工夫が必要である。また、ベース内の部品の交換などのため下カバー体を取り外すための工夫が必要であった。
【0009】
本願発明は、上記課題を解決するためになされたもので、ベースに設ける軸受部材を利用して下カバー体を簡単に着脱できるようにした椅子を提供することを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を達成するため請求項1の発明は、脚で支持されたベースと、前記ベースの上方に配置されると共にばね手段に抗して後傾動又は後退動若しくは両方の動きを行い得る座部と、前記座部の後方に配置した背もたれとを備えた椅子であって、前記ばね手段の一端を支持する軸が前記ベースの左右両側板を貫通する個所に、前記軸のための軸受部材を嵌挿し、前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持するものである。
【0011】
請求項2の発明は、座部を第1軸で脚で支持されたベースの前部寄り部位に連結すると共に、座部のうち第1軸よりも後方の部位を前記ベース又は他の部材に連結し、背もたれは、前記ベースに後傾動自在に第2軸で連結された背フレームに取り付けられており、前記背フレームの前後中途部と前記座部とを第3軸で連結しており、更に、前記第1軸は前記ベースの左右両側板に嵌まっている穴を長孔とすることにより、前記背もたれと前記座部とが連動することを許容する椅子であって、前記長孔には、前記第1軸のための軸受部材を嵌挿し、前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持するものである。
【0012】
請求項3の発明では、請求項1または2において、前記係止爪は前記フランジ部に、上下対称位置及び左右対称位置に合計4箇所に設けられているものである。
【0013】
請求項4の発明では、請求項1乃至3のいずれかにおいて、前記各係止爪は前記フランジ部に外向きに突出形成されているものである。
【発明の効果】
【0014】
請求項1及び2の発明によると、下カバー体をベースの下面に近づけるように押し上げると、軸受部材におけるフランジ部に設けられた係止爪に、下カバー体の内面の内向き突片が係止して、下カバー体が脱落不能に装着されるので、下カバー体を簡単に着脱できる。そして、軸受部材に係止爪を設け、下カバー体の内面に内向き突片を設けるので、ベースを覆った状態では、係止部分が外から見えなくなる。
【0015】
本願発明は、請求項2のように背もたれと座とが連動するシンクロタイプの椅子に特に好適である。
【0016】
請求項3のように構成すると、軸受部材の取付け作業に誤りがなくなり、取付け作業が容易となる。また、軸受部材の製作費用が安くなると共に、部品管理も簡単になる。
【0017】
請求項4のように構成すると、ベースに軸受部材を取付けた状態で、下カバー体を装着できる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【図1】椅子の全体側面図である。
【図2】椅子の主要部材を表示した分離斜視図である。
【図3】ベースの下面左側から見た椅子の主要部材の斜視図である。
【図4】ベースの下面前方右側から見た椅子の主要部材の斜視図である。
【図5】座部と背フレームとの分離斜視図である。
【図6】座部と背フレームとの平面図である。
【図7】ベースと上カバー体及び下カバー体の分離斜視図である。
【図8】上カバー体を取り付けたベースの下面側からの斜視図である。
【図9】ベースと軸受部材と下カバー体の分離斜視図である。
【図10】軸受部材に下カバー体を装着した状態の要部拡大断面図である。
【図11】(A)は軸受部材の平面図、(B)は同じく斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
次に、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。以下の説明で方向を示すため「前後」「手前」「後ろ」「左右」といった文言を使用するが、これらの文言はロッキング椅子(以下、単に椅子と称する)に着座した人の向き基準にしている。「正面視」は着座者と対向した方向から見た状態になる。
【0020】
(1).椅子の基本構造
先ず、図1〜図5に基づいて椅子の基本構造を説明する。図1は椅子の側面図であり、この図に示すように、椅子は、キャスター付きの脚1と、座部2と、背もたれ3とを備えている。脚1は伸長自在及び回転自在でガスシリンダよりなる脚支柱4を備えており、脚支柱4は、放射状に延びる複数本の枝足を有する脚本体の中心部に嵌着されている。脚支柱4の上端にはベース6(図3〜図6に示す)が固定され、金属製のベース6の上下外側が上ベースカバー体5aと下ベースカバー体5bとで囲われている。
【0021】
座部2は、座クッション体7と座板(座インナーシェル)8とを備えており、座板8の前端部はベース6の前端部に第1軸9(前部軸)によって後傾動及び後退動自在に取り付けられている。座クッション体7はクロス等の表皮材で覆われている。上ベースカバー体5aと下ベースカバー体5bと座板8はPP(ポリプロピレン)等の合成樹脂材を素材とした射出成形品である。
【0022】
背もたれ3における下部材である背フレーム10の後上部はバックカバー体12が取付けられている。バックカバー体12の前面には背板15が取付位置を上下に変更可能に設けられ、背板15の前面に背クッション体16が取付けられている(図1、図2参照)。座板8、バックカバー体12及び背板15はPO等の合成樹脂材を素材とした射出成形品である。座クッション体7及び背クッション体16にはクロス等の表皮材が張られている。
【0023】
ベース6の後部寄り部位には背フレーム10の前端部が第2軸11によって回動可能に連結されており、更に、背フレーム10のうち第2軸11よりも後方の部位と座板8の後部とは第3軸(後部軸)14によって相対回動可能に連結されている。このため、背もたれ3が後傾動するとこれに連動して座部2も一緒に後傾しつつ後退する。
【0024】
背フレーム10はバックカバー体12の取付け部10aの下端から前方にのびる左右両側のアーム部20を有し、両アーム部20の前端に第2軸11を回動可能に外嵌する軸受21が設けられている。左右両側のアーム部20の前後中途部を連結するための左右に延びるように一体的に形成されている補強部22の上端の嵌合溝22a(図6参照)には、金属製の丸パイプまたは丸軸状の第3軸14が固定されている。このため、背フレーム10の剛性は高く、ねじれ及び曲げ外力対する変形を非常に小さくできる。
【0025】
なお、アーム部20の前後中途部の外面には、オプション部品である肘掛け装置の基部の取付け部23を有し(図2〜図5参照)、肘掛け装置を外した取付け部23はキャップ24(図1参照)を外嵌させて覆う。
【0026】
図3〜図6に示すように、ベース6は上向きに開口した略函状の形態になっていて、ベース6のベース基板6bに穿設された取付け孔6dに脚支柱4の上端が固定されている。ベース6の左右両側板6aにおける前寄り部位にて第1軸9を介して座板8が前後スライド自在に装着されている。また、この第1軸9は、後に詳述するように、ベース6の内部に配置されたロッキング用弾性支持手段に関連づけされる。
【0027】
例えば図9、図10に示すように、ベース6の左右両側板6aには前後長手の長孔25が形成されている。なお、長孔25には左右両側板6aの内側に延びる巾W1の荷重受け部(膨出部)25aが設けられている。この長穴25に樹脂製の軸受部材26を装着し、左右両軸受部材26に左右長手の第1軸9が前後スライド自在に挿通されている。
【0028】
第1実施例の軸受部材26は、荷重受け部(膨出部)25aに嵌まる軸受ブッシュ部26bと、軸受ブッシュ部26bの一方の端部に外周方向に延びる矩形状等のフランジ部26aと、フランジ部26aの外周面に、側板6aの外面と直交する方向から見て上下対称位置及び左右対称位置に外向きに突出する4つの係止爪45が一体的に形成されている。なお、軸受ブッシュ部26bのフランジ部26aから遠い位置の外周には抜け止め突起47が形成されている(図9〜図11参照)。
【0029】
軸受部材26は軸受ブッシュ部26bを長孔25に左右両側板6aの外側から嵌め込んでおり、フランジ部26aがベース6の左右両側板6aの外面に当接する。図7、図9、図10に示すように、下カバー体5bの内面前部には左右両側に内向き突片46が設けられ、下カバー体5bの内面後部には左右両側には、第2軸11に下方から弾性的に抱持するΩ型の係合部48が形成されている。なお、ベース6の後端に取付けられた支軸50に、背もたれ用の別のガスシリンダ49が装着されている場合には、この支軸50に対するΩ型の第2係合部51を設けて良い(図9、図10参照)。
【0030】
これにより、下カバー体5bを脚支柱4に沿わせて上昇させると、左右両側の軸受部材26における前寄り下部(所定位置)の係止爪45に内向き突片46が乗り上げて脱落不能に装着される。下カバー体5bの後部は第2軸11に係合部48が、支軸50に第2係合部51がそれぞれ抱持して、ここも脱落不能に装着される。しかも、係止爪45及び内向き突片46は下カバー体5bの内面側に位置するので、外から見えない。なお、内向き突片46の配置位置によっては、軸受部材26における後寄り下部(所定位置)の係止爪45に内向き突片46が係止する構成でも良い。
【0031】
図7、図8に示すように、上カバー体5aには、内面の前後端に弾性的な係合爪52、53が複数設けられ、前係合爪52はベース6の前壁上端のフランジ54に、後係合爪53はベース6の後端の後向き片55にそれぞれ係合する。ベース6を覆った状態では、上カバー体5aの外周下端縁と下カバー体5bの外周上端縁とが丁度合わさり、図2に示すように、ベース6は外から見えなくなる。
【0032】
座板8の下面の左右両側には、軸受け部27が一体的に形成されて、ここに第1軸9の両端が嵌まり、1軸9の両端は軸受け部27によって、外側から見えない構成である。図3〜図5に示すように、軸受け部27は、前後に長く前端が有底の溝レール28を有する。左右両溝レール28は相対向する面と後部28aが開放されているので、第1軸9の両端部を後部28aから前方に挿入できる。
また、左右両軸受け部27の後部には第3軸14の両端部を回動可能に支持するための後部軸受29が一体的に形成されている。
【0033】
[ロッキング用弾性支持手段]
図5〜図6に明示するように、ベース6の内部には、ロッキング用弾性支持手段の一例として、前後方向に伸縮するロッキングばね用のコイルばね30(請求項でいうばね手段に相当)を配置している。他方、ベース6の後部には、左右両側板に連結された仕切り部32の前面に装着された後部ばね受け支持装置31が設けられている。
【0034】
後部ばね受け支持装置31は仕切り部32の前面にて左右方向に摺動可能で左方向に行くに従って前方向に高い傾斜面を有する第1傾斜ブロック33と、第1傾斜ブロック33の傾斜面に摺接する第2傾斜ブロック34とを備える。軸線周りに回転のみ可能に支持され、右側板6aから横向きに突出する操作レバー35は第1傾斜ブロック34内の雌ねじに螺合され、操作レバー35の右または左への回転に応じて第1傾斜ブロック34が椅子の左または右方向に移動可能となっている。第2傾斜ブロック34の前面にはコイルばね30の後端を位置ずれ不能に受ける後部ばね受け部34aが形成され、後部ばね受け支持片である第2傾斜ブロック34にてコイルばね30の後部が後ろから支持されている。なお、コイルばね30の付勢力により第2傾斜ブロック34の片面は右側板6aの内面に常時押圧された状態である。従って、上記の操作レバー35の右または左への回転に応じて第2傾斜ブロック34は椅子の前方向または後方へ移動し、コイルばね30の伸縮量を調節できる。
【0035】
また、コイルばね30の前端は前部バネ受けブロック36を介してベース6の前壁方向に第1軸9を付勢する。前部バネ受けブロック36の後面には、コイルばね30の前端の位置ずれを防止するための円筒状などの前部ばね受け部37が形成される。
【0036】
前部バネ受けブロック36が第1軸9を左右方向に位置ずれしないように支持する構成として、第1軸9の軸線方向への位置ずれを防止する位置決め係合部39は、前部バネ受けブロック36の前面部に形成されるものであり、この位置決め係合部39は、第1軸9の軸線方向の中途部に当該第1軸9の直径より短い寸法の装着凹所(不図示)に外嵌するように構成されているものである。
【0037】
このように構成し、第1軸9の装着凹所にバネ受けブロック36の位置決め係合部39を外嵌させると、バネ受けブロック36に対して第1軸9は軸線方向に位置ずれすることなく装着される。
【0038】
以上の構成において、ロッキング状態では、背もたれ4が沈み込みながら後傾する。これと同時に座3は全体として後傾しながら後向きに移動する。ロッキング状態から身体を起こすと、背もたれ4及び座3はコイルばね30によって元の状態に戻る。これらの場合、バネ受けブロック36に対して、第1軸9は左右に位置ずれすることがない。
【0039】
他の実施例として、ベース6の左右両側板6aの孔に貫通する軸が前後移動しない場合、その孔に嵌まる軸受部材のフランジ部に4つの係止爪を突設して、これに内向き突片46を脱落不能に係止させる構成でも良く、その場合も4つの係止爪を側板6aの外面と直交する方向から見て上下対称位置及び左右対称位置に外向きに突出することができる。このように(第1実施例も同様)、対称位置に係止爪を形成することで、同じ軸受部材を左右両側の位置に適用することができ、且つ作業者が部品の取付け誤りをすることがなくなる。さらに、部品の製造費用も安くなり、管理も簡単になる。
【0040】
各係止爪をフランジ部に外向きに突出形成する場合、各係止爪に内向き突片が摺接する側面(孔、 長孔より外径側の面)を図11(B)に示すように凸湾曲面とすることで、内向き突片を係止方向に案内し易くなる。
【0041】
本願発明は上記の実施形態の他にも様々に具体化できる。例えば本願発明はロッキングに際して座が後退(及び/又は後傾)するシンクロタイプの椅子にも適用できるし、背もたれのみが後傾する椅子にも適用できる。
【符号の説明】
【0042】
2座部 3背もたれ
4脚支柱
6ベース
8座板
9第1軸
11第2軸
14第3軸
25長孔
26軸受部材
26aフランジ部
45係止爪
46内向き突片
30ロッキング用ばね手段の一例としてのコイルばね
【特許請求の範囲】
【請求項1】
脚で支持されたベースと、前記ベースの上方に配置されると共にばね手段に抗して後傾動又は後退動若しくは両方の動きを行い得る座部と、前記座部の後方に配置した背もたれとを備えた椅子であって、
前記ばね手段の一端を支持する軸が前記ベースの左右両側板を貫通する個所に、前記軸のための軸受部材を嵌挿し、
前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持する、椅子。
【請求項2】
座部を第1軸で脚で支持されたベースの前部寄り部位に連結すると共に、座部のうち第1軸よりも後方の部位を前記ベース又は他の部材に連結し、
背もたれは、前記ベースに後傾動自在に第2軸で連結された背フレームに取り付けられており、前記背フレームの前後中途部と前記座部とを第3軸で連結しており、更に、前記第1軸は前記ベースの左右両側板に嵌まっている穴を長孔とすることにより、前記背もたれと前記座部とが連動することを許容する椅子であって、
前記長孔には、前記第1軸のための軸受部材を嵌挿し、
前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持する、椅子。
【請求項3】
前記係止爪は前記フランジ部に、上下対称位置及び左右対称位置に合計4箇所に設けられている、請求項1または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記各係止爪は前記フランジ部に外向きに突出形成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の椅子。
【請求項1】
脚で支持されたベースと、前記ベースの上方に配置されると共にばね手段に抗して後傾動又は後退動若しくは両方の動きを行い得る座部と、前記座部の後方に配置した背もたれとを備えた椅子であって、
前記ばね手段の一端を支持する軸が前記ベースの左右両側板を貫通する個所に、前記軸のための軸受部材を嵌挿し、
前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持する、椅子。
【請求項2】
座部を第1軸で脚で支持されたベースの前部寄り部位に連結すると共に、座部のうち第1軸よりも後方の部位を前記ベース又は他の部材に連結し、
背もたれは、前記ベースに後傾動自在に第2軸で連結された背フレームに取り付けられており、前記背フレームの前後中途部と前記座部とを第3軸で連結しており、更に、前記第1軸は前記ベースの左右両側板に嵌まっている穴を長孔とすることにより、前記背もたれと前記座部とが連動することを許容する椅子であって、
前記長孔には、前記第1軸のための軸受部材を嵌挿し、
前記軸受部材における軸受けブッシュ部の外周に形成されたフランジ部には、係止爪が設けられ、前記ベースの下側の外周面を覆う下カバー体に設けられた内向き突片を前記係止爪に係止して下カバー体を脱落不能に支持する、椅子。
【請求項3】
前記係止爪は前記フランジ部に、上下対称位置及び左右対称位置に合計4箇所に設けられている、請求項1または2に記載の椅子。
【請求項4】
前記各係止爪は前記フランジ部に外向きに突出形成されている、請求項1乃至3のいずれかに記載の椅子。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【公開番号】特開2013−106700(P2013−106700A)
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−252716(P2011−252716)
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成25年6月6日(2013.6.6)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年11月18日(2011.11.18)
【出願人】(000139780)株式会社イトーキ (833)
【Fターム(参考)】
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