説明

植木鉢用太陽光フラワーイルミネーション装置

【課題】 夜間の植物干渉の演出効果を高めるには、庭園灯などの外部からのライティングがあるが、照明器具の明かりは画一的で彩りに欠ける。クリスマスイルミネーションなどの電飾で照らす方法もあるが、植木や垣根などには良いものの、長いコードが邪魔で植木鉢に植えた植物の観賞用には適さない。しかも設備費用や電気代、電球交換などランニングコストが掛かるうえ、安全上の問題もある。それら問題を解消する太陽光発電も考案されているが、多くの発光体を長時間点灯させ、既存の植木鉢の花を光で彩るものは考案されていない。
【解決手段】 多数のLEDランプ9を長時間点灯させる容量をもつ、太陽発電パネル4と蓄電制御ボックス6を備え、植木鉢に簡単に取り付けられるよう、クリップ12をそれらと一体化した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、植木鉢用太陽光フラワーイルミネーション装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来のクリスマス時期のイルミネーション光装飾は、豆電球を使用していたために高額な電気代が掛かるうえ、電気事故の不安と短寿命の問題があった。
【0003】
それら問題を解決した、LEDランプを使用したイルミネーションライトが開発されたが、家庭用一般電源とトランスを利用しているために電気代の問題も電気事故の不安も残ったままである。
【0004】
また、これらイルミネーションライトは、電源コード配線が必要なため設置できる場所が制限されるうえ、直列に接続された多数のLEDランプが付いたコードは、植木や垣根への取り付けには良くても、植木鉢単体の花を光彩飾するには適さない。
【0005】
そのため、太陽光発電による照明の付いた植木鉢と花器と鉢植物用照明器具が考案されているが、いずれもイルミネーションの光彩飾ではない。
【0006】
なお、関連技術に下記物件がある。
【特許文献1】特開平5−283747
【特許文献2】特開平11−318218
【特許文献3】特開2005−101013
【0007】
特許文献1は、多数の発光ダイオードを簡単な電気回路で点灯させる手段を備えたが、商用電源利用であり太陽光発電の利用は開示していない。
【0008】
特許文献2は、植木鉢自体に太陽電池パネルと照明部を取り付け、夜間植木鉢の花を照らす手段を備えたが、既存の植木鉢に取り付けることはできず、発光体も一つでイルミネーションの光彩飾ではない。
【0009】
特許文献3は、発光体と電源を内蔵した透光性材質の筒を、植木鉢の土に埋め込み植物を照らす手段を備えたが、筒状の光る照明器具でイルミネーションの光彩飾ではなく、太陽光発電の形態も開示しているが、具体的な取り付け方法などは開示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
以上に述べた、植木鉢単体に植えた花をLEDランプを使用したイルミネーションで光彩飾するには、太陽光発電を利用するのが安全且つ経済的で最適である。
【0011】
しかしながら特許文献2は、太陽光パネルを植木鉢側面と上部に取り付けているため、太陽光の照射角度が悪く、植物の成長や他の鉢の陰にもかかり充分な電力は発電できない。両方合わせても発電出力は微力であり、1個の発光体でも長時間点灯は見込めない。特許文献3では、太陽光パネルの設置位置と取り付け方法さえも開示されていない。
【0012】
また特許文献2でも特許文献3でも、蓄電制御装置の設置箇所や取付け方法も開示されていない。多くのLEDランプを点灯させるだけの発電容量を持つ蓄電制御装置の取り付け方法は、太陽光パネルと合わせ、既存の植木鉢に設置するうえで大きな課題である。
【0013】
本発明では上記問題を解決するため、太陽光パネルを日陰にならないよう最も発電効率の良い角度に設定でき、多くのLEDランプが長時間点灯し、植木鉢の花を光のイルミネーションで彩ることを目的とするものである。
【0014】
また、これら装置を既存の植木鉢に容易に取り付け、取り外しできるようにすることを目的とするものである。
【課題を解決するための手段】
【0015】
以上の課題を解決するために請求項1によれば、消費電力の少ないLEDランプを使用することにより、太陽光発電でも多数の発光体を長時間点灯させ、鉢植えの花を明かりで彩ることを特徴とする植木鉢用太陽光フラワーイルミネーション装置である。
【0016】
請求項2によれば、最高発電太陽光照射角30度に太陽電池パネルを設定できるよう、角度と向きを自由に変えられる治具を付けたことにより、多くのLEDランプを点灯させる発電容量を備えたことを特徴とする植木鉢用太陽光フラワーイルミネーション装置である。
【0017】
また、請求項2によれば、プレート上に太陽電池パネルを、下には蓄電制御装置を取り付け、先端には角度と向きを自由に変えられる治具付きクリップを付け一体化することにより、どのような形状の植木鉢の淵にも簡単に挟んで留められ、外すことも容易であることを特徴とする植木鉢用太陽光フラワーイルミネーション装置である。
【発明の効果】
【0018】
本発明は、上記構成から成るので以下に示す効果が期待できる。
【0019】
1 美しく咲いた植木鉢の花を、昼間だけでなく夜間も楽しむことができる。
【0020】
2 庭園灯やガーデンライトのような照明とは違い、多くのLEDの発光は、花や葉の間にダイヤを散りばめたようで、鉢植えの花をより一層美しく輝かせる。
【0021】
3 太陽光発電エネルギーなので、安全で電気代も不要であり、頻繁な電池交換も必要としないし、LEDランプは玉切れの心配が無い。
【0022】
4 光センサースイッチにより毎晩自動点灯させ、朝には自動消灯させるので、点け忘れや消し忘れの心配がなく、不在時の防犯にもなる。
【0023】
5 どのような形状の植木鉢でもクリップなので挟んで取付けでき、取外して太陽の下で充電した後、屋内の鉢に取付け、光彩色を楽しむこともできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0024】
以下、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。
【0025】
図1と図2に示すように、土台となるプレート1上の横回転軸2と、その上の縦回転軸3により、植木鉢の置場所に関わらず、太陽発電パネル4を南向きの太陽光照射角度30度に設定できる。
【0026】
プレート1両横の取り外し可能な留め具5で、下方に蓄電制御ボックス6を取り付けることにより、太陽発電パネル4の高さと蓄電制御ボックス6の重さで荷重が片側にかかっても、植木鉢の土の重さでバランスを取り植木鉢の転等を防ぎ、蓄電池7の交換も容易となる。
【0027】
蓄電制御ボックス6には光センサースイッチ8が内蔵され、夜になれば自動で点灯し、明け方には自動で消灯する。また、約20個のLEDランプ9は直列に防水カバーでコード10に配線され、防水コネクター11に接続されることにより湿気による電気トラブルを防いでいる。
【0028】
またLEDランプ9は配線コード10に接続されているので、植木鉢内の花14の形状に合わせ自由に光のレイアウトができる。
【0029】
プレート1先端の、どのような形状でも挟んで強力に固定するクリップ12より、装置全体を簡単に植木鉢13に取り付け、取り外しができる。
【実施形態の効果】
【0030】
この実施形態によれば、多数のLEDランプ9の光で、植木鉢の花14を長時間彩れ、陽が当たらない場所の花や植木も光で彩れるようになる。
【他の実施形態】
【0031】
本機を植木鉢に取り付けた状態でなく、日中は外して太陽の下で発電し、室内の観葉植物に取り付け点灯させる使用方法もできる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】 この発明の一実施形態を示す正面図である。
【0033】
【図2】 この発明の全体を示す斜視図である。
【0034】
【図3】 この発明の実施例に用いたブロック図である。
【符号の説明】
【0035】
1 プレート
2 横回転軸
3 縦回転軸
4 太陽発電パネル
5 留め具
6 蓄電制御ボックス
7 蓄電池
8 光センサースイッチ
9 LEDランプ
10 配線コード
11 防水コネクター
12 クリップ
13 植木鉢
14 植木鉢の花
15 ダイオード
16 リレー接点
17 制御回路
18 点灯装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
太陽光発電により多くのLEDランプを点灯させ、鉢植えの花を明かりで彩ることを特徴とする植木鉢用太陽光フラワーイルミネーション装置。
【請求項2】
方向と角度を自在に変えられる太陽電池パネルと、蓄電制御ボックスを一体型に構成し、クリップによって植木鉢への取り付け、取り外しを容易にしたことを特徴とする請求項1記載の植木鉢用太陽光フラワーイルミネーション装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2008−301796(P2008−301796A)
【公開日】平成20年12月18日(2008.12.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−174601(P2007−174601)
【出願日】平成19年6月5日(2007.6.5)
【出願人】(507222686)
【Fターム(参考)】