説明

植栽容器

【課題】平面形状の外壁だけでなく、横方向に湾曲する外壁にも設置可能な植栽容器を提供すること。
【解決手段】植物を植えるための開口部16を前面に有する植栽用空間と、その植栽用空間の下部に形成された植栽用水を貯留する貯水部とを有する容器本体1を備え、吸水性の植栽床材を、その一部が貯水部内に位置するように植栽用空間に載置して植栽する植栽容器であって、容器本体の前面の左右両端に配置される左右の側壁のうちの一方に係合部7を設けると共に、他方の側壁に別の容器本体1の係合部7と係合可能な被係合部8を設け、容器本体1を横方向に複数配置したときに、隣り合う容器本体1同士が相対角度変更可能に係合するように構成してある植栽容器。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、植物を植えるための開口部を前面に有する植栽用空間と、その植栽用空間の下部に形成された植栽用水を貯留する貯水部とを有する容器本体を備え、吸水性の植栽床材を、その一部が前記貯水部内に位置するように前記植栽用空間に載置して植栽する植栽容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
このような植栽容器は、都市部におけるヒートアイランド現象の抑制、都市景観の向上、直射日光による外壁温度の上昇を抑制して外壁まわりの熱負荷を低減することなどを意図して、様々な建物の壁面緑化構造等に適用されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−45015号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、従来の植栽容器では、平面形状の壁を形成することはできても、曲面形状の壁を形成することは困難であった。そのため、例えば建物の隅角部等のように、横方向に湾曲する外壁部分では、その曲面に沿って植栽容器を配置することが困難であり、そのような従来の植栽容器を配置すると建物の景観を損なうことがあった。
従って本発明の目的は、平面形状の外壁だけでなく、横方向に湾曲する外壁にも設置可能な植栽容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明に係る第1特徴構成は、植物を植えるための開口部を前面に有する植栽用空間と、その植栽用空間の下部に形成された植栽用水を貯留する貯水部とを有する容器本体を備え、吸水性の植栽床材を、その一部が前記貯水部内に位置するように前記植栽用空間に載置して植栽する植栽容器であって、前記容器本体の前面の左右両端に配置される左右の側壁のうちの一方に係合部を設けると共に、他方の側壁に別の前記容器本体の前記係合部と係合可能な被係合部を設け、前記容器本体を横方向に複数配置したときに、隣り合う容器本体同士が相対角度変更可能に係合するように構成してある点にある。
【0006】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、隣り合う容器本体同士の相対角度変更を自在に変更することができるので、複数の植栽容器を横方向に配置する場合において、それらの植栽容器を直線的な配置だけでなく、所望の曲線に沿うように配置することができる。
そして、例えば、容器本体を縦方向に積み重ねる場合には、このように直線的または曲線的に配置された植栽容器の上にさらに植栽容器を積み重ねていくことによって、植栽容器からなる壁の形状を平面形状だけでなく、横方向に湾曲する曲面形状に形成することができる。
従って、本構成の植栽容器であれば、例えば建物の隅角部等のように、横方向に湾曲する外壁部分においても、その曲面に沿って配置することができるので、建物の景観を損なうこともない。
【0007】
本発明に係る第2特徴構成は、前記容器本体の左右の側壁の前側端部のうちの一方に係合部を設けると共に、他方の前側端部に別の前記容器本体の前記係合部と係合可能な被係合部を設けてある点にある。
【0008】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、係合部及び被係合部が左右の側壁の中間部等に設けられている場合と異なり、隣り合う容器本体の前面同士を互いに近づけようとする方向に相対角度を変更しようとする際、容器本体同士の側壁の前側端部同士が接触することがないので、係合部及び被係合部が左右の側壁の中間部等に設けられている場合と比べて相対角度を変更する際の自由度が大きい。
【0009】
本発明に係る第3特徴構成は、前記係合部及び前記被係合部は、容器本体の高さ方向全体に亘って設けてある点にある。
【0010】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、係合部及び被係合部を容器本体の高さ方向全体に亘ってあるため、係合部と被係合部とを係合させながら横方向に配置した時に、容器本体同士の間に隙間が生じることがなく見栄えがよくなる。
【0011】
本発明に係る第4特徴構成は、前記左右の側壁の間隔が、容器本体の後方へ行くほど狭くなるように設定される点にある。
【0012】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、容器本体の平面視における形状が扇形となるため、隣り合う容器本体の前面同士を互いに遠ざけようとする方向に相対角度を変更しようとする際の自由度が、左右の側壁の間隔が一定の容器本体と比べてより大きく設定される。
【0013】
本発明に係る第5特徴構成は、前記容器本体は、前記貯水部に前記植栽用水を供給する第1給水口と、前記容器本体を横方向に複数配置したときに、隣り合う容器本体のうち少なくとも一方の貯水部に前記植栽用水を供給する第2給水口とを備える点にある。
【0014】
〔作用及び効果〕
本構成によれば、一つの植栽容器に給水するだけで、その植栽容器と隣り合う植栽容器にも給水することが可能となるため、複数の植栽容器に効率良く給水することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】容器本体とその蓋部材の斜視図
【図2】容器本体を横方向に複数配置したときの斜視図
【図3】容器本体を横方向に複数配置したときの平面図
【図4】係合部と被係合部との係合状態を示す平面図
【図5】容器本体を縦方向に複数配置したときの縦断側面図
【図6】容器本体を縦方向に複数配置したときの縦断正面図
【図7】横方向に湾曲する建物の外壁に沿って形成された植栽容器の壁の斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下に、本発明に係る植栽容器の実施の形態を図面に基づいて説明する。
この植栽容器は、図1及び図2に示すように、合成樹脂製の容器本体1を備え、その容器本体1は、植物Pを栽培するための植栽用空間15を形成するように、底壁2とその底壁2の四辺から立設される、右側壁3、左側壁4、背面壁5、及びこれらの壁より上下長さの短い前壁6を一体的に備えて構成されている。本実施形態における容器本体1は、平面視において、右側壁3と左側壁4との間隔が、容器本体1の後方へ行くほど狭くなるように設定されている。尚、右側壁3と左側壁4との立設角度β(図7参照)は15°が望ましい。
【0017】
図1に示すように、右及び左側壁3,4の上端前方には、後述する蓋部材22の第1係止片28a,28bが係止する第1被係止部9a,9bが設けられており、右及び左側壁3,4の上端中間には、後述する蓋部材22の凸部29a,29b、又は直上に配置される別の容器本体1の凸部2a,2bが嵌入する凹入部11a,11bが設けられている。
【0018】
また右側壁3の上端後方には、後述するT字管13の第2給水口13bを挿通させるための凹部12aが設けられており、左側壁4の上端後方には、左に隣接する別の植栽容器の給水用チューブ34を挿通させるための凹部12bが設けられている。
【0019】
背面壁5の左右中央部には、縦方向に延びる縦リブ19が設けられており、背面壁5の上部の右及び左側のそれぞれに、後述する蓋部材22の第2係止片30a,30bが係止する第2被係止孔10a,10bが設けられている。
【0020】
図6に示すように、容器本体1の底壁2の右及び左後方のそれぞれには、中空の長筒体17及び短筒体18が底壁2を上下に貫通する状態で一体的に設けられている。
長筒体17は、その内部に植栽用水Wを流すための給水管であり、短筒体18は、貯水部14内における植栽用水Wを一定量以下に維持するためのオーバーフロー用の排水口18aを形成するためのものである。
【0021】
図5に示すように、容器本体1の上面に、後述する蓋部材22又は別の容器本体1を載置して取り付けた状態で植栽用空間15が形成されて、植物を植えるための開口部16が前面に位置するように構成されている。尚、植栽用空間15の下部空間、即ち、容器本体1の底壁2、右側壁3、左側壁4、背面壁5、及び前壁6によって囲まれた空間が、植栽用水Wを貯水するための貯水部14を形成するように構成されている。
【0022】
図5に示すように、植栽用空間15には、スポンジなどの吸水性材料からなり、立方体、直方体、または、円柱状などの各種形状の植栽床材Aが載置される。このとき、背面壁5の縦リブ19は、植栽床材Aの植栽用空間15内における前後方向の移動規制部材として機能する。すなわち、植栽床材Aが、縦リブ19に当設することによって、それ以上後方に配置されることがなく、これにより、植栽床材Aによって排水口18aが塞がれるのを防止する。
【0023】
植栽床材Aの載置面20としての底壁2、言い換えると、貯水部14の底壁2が、植栽用空間15の開口部16側ほど上方に位置し開口部16から遠ざかる側ほど下方に位置する傾斜角αを有する傾斜面に形成されている。
【0024】
図1に示すように、蓋部材22は、天面23とその天面23の四辺から立設される、前壁24、右側壁25、左側壁26、及び背面壁27を一体的に備える。蓋部材22の右及び左側壁25,26の前方のそれぞれの窪みには第1係止片28a,28bが設けられており、右及び左側壁25,26の中間部のそれぞれには凸部29a,29bが設けられており、背面壁27の右及び左側のそれぞれの窪みには第2係止片30a,30bが設けられている。また、蓋部材22の天面23の後方の左右中間部には、断面H形状の案内部31が立設されており、右側壁25、左側壁26、及び背面壁27よりも内側の天面23には、これらの壁に沿って内壁部32が立設されている。
【0025】
蓋部材22を、容器本体1の上面開口に載置して上から押し付けると、右側壁25の第1係止片28a及び左側壁26の第1係止片28bのそれぞれが、容器本体1の右側壁3の第1被係止部9a及び左側壁4の第1被係止部9bに係止すると共に、右側壁25の凸部29a及び左側壁26の凸部29bのそれぞれが、容器本体1の右側壁3の凹入部11a及び左側壁4の凹入部11bに嵌入し、さらに、背面壁27の右側の第2係止片30a及び左側の第2係止片30bのそれぞれが、容器本体1の背面壁5の右側の第2被係止孔10a及び左側の第2被係止孔10bに係止して固定される。
【0026】
蓋部材22の内壁部32と案内部31は、容器本体1の右側壁3、左側壁4、及び背面壁5によって形成される上面開口の中に嵌め込まれる。このとき、図6に示すように、T字管13の第1給水口13aが、案内部31の右側面と対峙する状態となる。
【0027】
図1及び図2に示すように、右側壁3の前側端部に係合部7が、左側壁4の前側端部に別の容器本体1の係合部7と係合可能な被係合部8が、容器本体1の高さ方向全体に亘って設けてある。
【0028】
図2及び図3に示すように、容器本体1は、植栽用空間15の開口部16を同じ方向に向けた状態で横方向に複数配置したときに、容器本体1の係合部7と別の容器本体1の被係合部8とを係合させることで、隣り合う容器本体1同士が、相対角度変更可能に係合する。
【0029】
本実施形態においては、係合部7及び被係合部8のそれぞれが右側壁3及び左側壁4の中間部等に設けられている場合と異なり、隣り合う容器本体1の前面同士を互いに近づけようとする方向に相対角度を変更しようとする際、容器本体1同士の右側壁3及び左側壁4の前側端部同士が接触することがないので、係合部7及び被係合部8のそれぞれが右側壁3及び左側壁4の中間部等に設けられている場合と比べて相対角度を変更する際の自由度が大きい。
【0030】
さらに本実施形態においては、右側壁3と左側壁4との間隔が、容器本体1の後方へ行くほど狭くなるように設定されており、容器本体1の平面視における形状が扇形となるため、隣り合う容器本体1の前面同士を互いに遠ざけようとする方向に相対角度を変更しようとする際の自由度が、右側壁3と左側壁4との間隔が一定の容器本体と比べて、より大きく設定される。
【0031】
図4に示すように、係合部7は円弧状の断面を有しており、被係合部8は滑らかに湾曲する凹凸状の断面を有する。容器本体1の係合部7の円弧状の内曲面7aに、別の容器本体1の被係合部8の円状の凸状部8aが入り込むことで、容器本体1の係合部7と別の容器本体1の被係合部8とが係合するように構成されている。
【0032】
この状態において、容器本体1と、その隣に配置される別の容器本体1とは、容器本体1の左側壁4と別の容器本体1の右側壁3とが互いに接触する位置から、容器本体1の前面と別の容器本体1の前面とが略L字状に直交する位置まで、相対角度変更可能に配置される。
【0033】
また、図5及び図6に示すように、容器本体1は、植栽用空間15の開口部16を同じ方向に向けた状態で、縦方向に積み重ねて配置することができる。つまり、容器本体1を縦方向に積み重ねた際、上方に位置する容器本体1の底壁2の下面が、下方に位置する容器本体1の右側壁3、左側壁4、及び背面壁5の上縁に当接する。そして、上方に位置する容器本体1の底壁2の段部2cが、下方に位置する容器本体1の上面開口に嵌入する。さらに、図示しないが、上方に位置する容器本体1の底壁2の凸部2a,2bのそれぞれが、下方に位置する容器本体1の凹入部11a,11bに嵌入するように設定されている。
【0034】
次に、この植栽容器の使用方法について説明する。
図2及び図3に示すように、複数の容器本体1を、建物の外壁に沿って横方向に配置して、隣り合う容器本体1同士の係合部7と被係合部8とを係合する。このとき容器本体1は、隣り合う容器本体1同士の相対角度変を自在に変更することができるので、直線的な配置だけでなく、横方向に湾曲する外壁部分の曲線に沿うように配置することができる。
【0035】
そして、容器本体1の中に植栽床材Aを設置して、植栽容器の第1段目(最下段)を形成する。尚、第1段目の植栽容器は、その直下に配置される図示しないベース部によって支持される。当該ベース部は、任意のフロア等に載置可能な矩形の部材である。第1段目の植栽容器は、その容器本体1の段部2cが図示しないベース部の上面開口に嵌入した状態で固定される。
【0036】
次いで、第1段目の植栽容器の上に、第2段目、第3段目、第4段目、・・・と建物の外壁を覆うように所定の高さまで容器本体1を積み上げていき、隣り合う容器本体1同士の係合部7と被係合部8とを係合することによって、図7に示すように横方向に湾曲する外壁部分の曲面Bに沿った曲面形状を有する植栽容器の壁が形成される。
【0037】
次いで、最上段に配置される容器本体1の右端から2番目、4番目、・・・2n番目(nは自然数)の容器本体1のそれぞれの長筒体17の上端から、長筒体17の内径よりも小さな外径を有する給水用ホース33を挿入して、第1段目の容器本体1の長筒体17の下端(底壁2から突出する部分)から出てくるまで挿通させて、図示しない給水ポンプに接続する。
【0038】
そして、図2、図3及び図6に示すように、T字管13を、最上段の容器本体1の長筒体17の上端から突出する給水用ホース33の先端部分に取り付ける。このとき、T字管13の接続部13cに、給水用ホース33の先端部分を内嵌接続すると共に、T字管13の第2給水口13bを右側壁3の凹部12aに配置して、その先端が右側壁3から突出する状態とする。
【0039】
突出したT字管13の第2給水口13bに給水用チューブ34を内嵌接続して、給水用チューブ34を右隣りの容器本体1の左側壁4の凹部12bに挿入する。このとき、給水用チューブ34は、その先端が右隣りの容器本体1の縦リブ19の左側面に向くように配置される。
【0040】
最後に、図2に示すように、最上段の全ての容器本体1の中に植栽床材Aを設置し、さらに上から各容器本体1の上面開口に蓋部材22を嵌め込んで組み立てを完了する。
【0041】
植栽用水Wの給水は、図示しない給水ポンプで給水用ホース33に水を送り込むことによって行うことができる。このとき、図6に示すように、植栽用水Wは、ポンプの作用で給水用ホース33を上昇する。給水用ホース33を上昇してきた植栽用水Wは、最上段の植栽容器の長筒体17まで到達すると、その上端にあるT字管13で第1給水口13a側と第2給水口13b側の2方向に分流する。
【0042】
T字管13の第1給水口13aから排出された植栽用水Wは、蓋部材22の案内部31の右側面に当たり、その下の貯水部14に給水される。また、T字管13の第2給水口13bから排出された植栽用水Wは、給水用チューブ34を通って右隣の植栽容器の縦リブ19の左側面に当たり、その下の貯水部14に給水される。
【0043】
最上段の植栽容器の貯水部14における貯水レベルが短筒体18の排水口18aの高さにまで達すると、植栽用水Wはオーバーフローして排水口18aに流れ込み、直下に位置する容器本体1の貯水部14に流下する。そして、順次下方の植栽容器でオーバーフローが繰り返されて、最終的には、全ての植栽容器の貯水部14に給水される。
【0044】
そして、第1段目の植栽容器からオーバーフローした植栽用水Wは、図示しないベース部の中か、あるいはベース部の外側に配置された貯水用タンク(図示せず)内に貯水される。従って、必要な場合には、例えば、貯水用タンク内に貯水された植栽用水Wをポンプにより再び給水用ホース33に送り込むことで植栽用水Wを循環させるようにしても良い。
【0045】
このように、各植栽床材Aが、その一部を貯水部14内の植栽用水Wに浸した状態で載置されるので、各植栽床材Aが植栽用水Wを吸水しながら、植物Pの根に植栽用水Wを供給して植栽することになる。
【0046】
植栽床材Aを載置する載置面20としての底壁2が、植栽用空間15の開口部16側ほど上方に位置し開口部16から遠ざかる側ほど下方に位置する傾斜角αを有する傾斜面に形成されているので、植栽床材Aは、図5に示すように、開口部16から遠ざかる側が植栽用水W内に浸漬し、開口部16側が植栽用水Wに少しだけ浸漬するか、場合によっては、植栽用水Wに浸漬しない状態となる。
【0047】
したがって、植物Pの根が生長して伸びようとする根圏を大きく確保することができ、かつ、その根圏に対して十分な量の植栽用水Wが供給されて良好な植物の生育が保証される。
【0048】
〔別実施形態〕
(1)前述の実施形態における係合部7及び被係合部8のそれぞれを、左側壁4及び右側壁3に設ける構成としても良い。また、係合部7及び被係合部8を設ける位置は、右側壁3及び左側壁4のそれぞれの前側端部に限定されるものではなく、隣り合う容器本体1同士が相対角度変更可能に係合する位置であれば、右側壁3及び左側壁4のいずれの位置でも良い。
(2)前述の実施形態におけるT字管13の第2給水口13bをさらに分岐させて、隣り合う左右両方の容器本体1に植栽用水Wを給水する構成としても良い。
(3)前述の実施形態における植栽容器を縦方向に一段だけ配置する構成としても良い。
(4)前述の実施形態の容器本体1における右側壁3と左側壁4との間隔が、容器本体1の前方へ行くほど狭くなるように設定されていても良い。
【産業上の利用可能性】
【0049】
本発明は、建物の壁面緑化構造だけでなく、屋上緑化構造等にも適用可能であり、特に横方向に湾曲する外壁に設置する場合に適する。
【符号の説明】
【0050】
1 容器本体
3 右側壁
4 左側壁
7 係合部
8 被係合部
13 T字管
13a 第1吸水口
13b 第2吸水口
14 貯水部
15 植栽用空間
16 開口部
W 植栽用水
A 植栽床材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
植物を植えるための開口部を前面に有する植栽用空間と、その植栽用空間の下部に形成された植栽用水を貯留する貯水部とを有する容器本体を備え、吸水性の植栽床材を、その一部が前記貯水部内に位置するように前記植栽用空間に載置して植栽する植栽容器であって、
前記容器本体の前面の左右両端に配置される左右の側壁のうちの一方に係合部を設けると共に、他方の側壁に別の前記容器本体の前記係合部と係合可能な被係合部を設け、
前記容器本体を横方向に複数配置したときに、隣り合う容器本体同士が相対角度変更可能に係合するように構成してある植栽容器。
【請求項2】
前記容器本体の左右の側壁の前側端部のうちの一方に係合部を設けると共に、他方の前側端部に別の前記容器本体の前記係合部と係合可能な被係合部を設けてある請求項1に記載の植栽容器。
【請求項3】
前記係合部及び前記被係合部は、容器本体の高さ方向全体に亘って設けてある請求項1又は2に記載の植栽容器。
【請求項4】
前記左右の側壁の間隔が、容器本体の後方へ行くほど狭くなるように設定される請求項2に記載の植栽容器。
【請求項5】
前記容器本体は、前記貯水部に前記植栽用水を供給する第1給水口と、前記容器本体を横方向に複数配置したときに、隣り合う容器本体のうち少なくとも一方の貯水部に前記植栽用水を供給する第2給水口とを備える請求項1〜4のいずれか1項に記載の植栽容器。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate